異世界に召喚されしはイレギュラーが率いる異界の艦隊   作:日本武尊

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第六十二話 野望

 

 

 

 ロデニウス連邦共和国 首都クワ・トイネ

 

 

 

『申し訳ありません、大統領。このような厄介な状況にしてしまい……』

「いいえ、この度の状況は『大和』殿のせいではありません。こればかりはやむを得ないかと」

 

 テレビ電話で『大和』は頭を下げるも、カナタは逆に申し訳ない様子で答える。

 

『しかし、パーパルディア皇国のワイバーンに攻撃を許可したのは自分ですので。これでほぼ確実に皇国に目を付けられてしまったものかと』

「ですが、『大和』殿が反撃を命じなければ、多くの被害を被っていた可能性がありました。これは紛れもない正当防衛です」

『……』

「『大和』」

 

 と、別のパソコンの画面からテレビ電話に参加している『紀伊』が『大和』に声を掛ける。

 

「どっちにしても、パーパルディア皇国との戦争は避けて通れない。遅かれ早かれ、いつかこんな状況になっていただろう」

『……』

「『紀伊』殿の言う通りです。パーパルディア皇国が存在する以上、いずれ今回のような状況は起こっていたでしょう。いずれの時であっても、あなたは同じ行動を起こすと思います」

『……それは』

「兎に角、今は本国へ戻って来てください。今後について協議したいので」

『分かりました。すぐに艦隊を出発させます』

 

 『大和』は頭を下げると、テレビ電話を切る。

 

「と、言うことです、『紀伊』殿。これから忙しくなると思いますので、お願いします」

「了解です。すぐに海軍省にて協議いたします」

 

 『紀伊』は立ち上がって敬礼をすると、彼の秘書艦として同行している『ニュージャージー』も敬礼する。

 

「では、失礼します」と、『紀伊』は頭を下げると、『ニュージャージー』を連れて執務室を出る。

 

 

「やはり、かの国とは避けて通れなかったですね」

「あぁ。そうだな」

 

 二人が出た後、カナタと秘書は言葉を交わす。

 

「だが、いずれかの国と戦うことは分かっていたことだ。今後はかの国とどう向き合うべきかを考えなければな」

「えぇ。可能性は低いでしょうが、少なくとも平和的な解決も模索するべきかと」

「そうだな」

 

 既に賽は投げられた。故に、今後どうするかは、もう決まっているようなものであるが……

 

 

 

「そういえば、『紀伊』殿は新しい秘書艦を就けたのだな」

「そういえば、見覚えのない娘でしたね」

 

 

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「結局なるべくしてなってしまったか」

 

 『紀伊』はそう呟くと、深くため息をつく。

 

 二人はカナタの執務室を出た後、エレベーターに乗って一階に下りている。

 

「でも、どうすることも出来なかったと思うわ。あの国の性格を考えればね」

 

 隣で『ニュージャージー』がパーパルディア皇国の性質を思い出しながら、彼に声を掛ける。

 

「まぁそりゃそうだが、問題なのは予想よりも早く状況が来てしまったことだ」

「準備自体はしていたんでしょ?」

「あぁ。確かに皇国と戦う準備はしていたが、問題なのは、海軍の戦力だ」

 

 エレベーターは一階へと到着し、扉が開くと、二人は出て大広間に出る。

 

「駆逐艦や巡洋艦は初期の頃から訓練を行っているとあって、練度のある艦は多いし、数だって最近就役する物を含めれば多い。だが、戦艦や空母に関しては練度はともかく、数が少ない。特に空母がな」

「……」

「せめてもう二隻ほど欲しい所だが、空母はあっても、乗組員のと艦載機の搭乗員の訓練を行うとなると、恐らく皇国と戦う頃には間に合わない」

 

 『紀伊』は『ニュージャージー』に説明しながら、自動販売機が並べられているスペースへと向かう。

 

 現在KAN-SEN以外でロデニウス連邦共和国海軍の空母戦力は、『ヒョウリュウ』と『エンリュウ』に、近い内に竣工を予定している『フウリュウ』と『ライリュウ』を含めて四隻になる。だが、四隻共に雲龍型航空母艦の設計を基にした中型の空母だ。これが翔鶴型航空母艦並みであれば四隻でも十分な戦力になりえるが、中途半端な大きさの空母とあって、些か戦力としては物足りない。

 その上、『フウリュウ』『ライリュウ』は訓練を行わなければならないので、即戦力としては期待できない。故に、実質的な空母戦力は『ヒョウリュウ』と『エンリュウ』のみだ。

 

「と、なると、海戦では私たちが主戦力になるってこと?」

「そういうことになるな」

 

 『ニュージャージー』の言葉に彼は肯定すると、ズボンのポケットよりスマホを取り出し、自動販売機のジュースがあるボタンを二回押してスマホを小銭の投入口の上にあるスペースに翳すと、電子マネーでジュースの代金を支払うと、二本のコーラの缶が出てくる。

 『紀伊』は二本のコーラを手にして一本を『ニュージャージー』に渡す。

 

「まぁ、その時になれば、お前にも声を掛けると思うから、その時は頼むぞ」

「もちろん」

 

 『ニュージャージー』はコーラを受け取りながら微笑みを浮かべて頷く。

 

 

 二人は大統領府を出ると、駐車場に停めている『紀伊』の愛車であるジープに乗り込み、駐車場を後にする。

 

「……」

 

 『紀伊』はジープを運転しながらコーラを飲み、缶をホルダーに収めた時、信号が赤に変わり、停止線前でジープを止める。

 

「『ニュージャージー』」

「何?」

 

 彼女はコーラを飲もうとして寸で止め、『紀伊』を見る。

 

「戦争って言うと、何が必要だと思う?」

「えっ、急に何?」

 

 意図の読めない質問に彼女は戸惑いを見せる。

 

「まぁいいから、お前の考えを言ってみろ」

「……」

 

 『ニュージャージー』は戸惑いながらも、首を傾げながら考える。

 

「……そりゃ、戦争に必要なのは戦う兵士や武器兵器を作る為の人員に、戦う為の武器と兵器、後はお金や資源とか、色々よ」

「概ね、その通りだな」

「……?」

 

 『紀伊』の答えに彼女はますます分からず、首を傾げる。

 

「戦争っていうのは、とにかく人材に資源、そして金を湯水の如く使って行うものだ。皇国だって当然同じだ」

「……」

「だが、連中はどうやってそれらを確保すると思う?」

 

 信号が青になり、ジープを走らせながら、『紀伊』は『ニュージャージー』に問いかける。

 

「えっ? 普通なら自国の領土内で確保できるんじゃ……」

「普通ならな。だが、連中は普通じゃない」

 

 彼は呆れた様子でため息をつき、話を続ける。

 

「パーパルディア皇国は戦争をしなくても、人材にしろ、資源にしろ、金にしろ、とにかく使いまくる。足りなくなれば属領にて搾取を繰り返す。当然そんな無駄遣いばかりすれば、自国領でも、属領でも、手に入れられる物も手に入れられなくなる」

「……」

「だったら、どうやって足りない物を補うか。まぁこの点は古今東西どこの国でもやっているがな」

「……他国への侵略かしら?」

「そうだ」

 

 彼女の答えに『紀伊』は頷き、缶を手にしてコーラを一口飲む。

 

「連中は必要な物が足りなくなれば、何かしらの理由を付けて他国へ侵略し、そこの資源や人材を得る。それを繰り返した結果が、今のパーパルディア皇国だ」

「典型的な領土拡張主義じゃない」

「まぁな。だが、領土の広さに割に、国力が釣り合っていない。だから無駄に資源や人材、金を食うんだ」

「……」

「そして領土の広さ故に、組織も拡大し、隅から隅へと管理し切れなくなって、組織の腐敗が起きている。ハエもどこに停まろうか迷うぐらいにな」

「……」

「あぁ、話がずれたな」

 

 『紀伊』は咳払いをして、コーラを飲み干して缶を置くと、話を続ける。

 

「つまり、今回の一件でパーパルディア皇国はフェン王国へ戦争を仕掛けるのは間違いない。だが、力に溺れているとはいえど、万全の体制で戦争をしたいだろうから、恐らく豊富な物資を欲するはずだ」

「……まさか、戦争をする為に、他に戦争をする気ってこと?」

「恐らくな」

「何よそれ。そんなの、ただのチンピラじゃない」

「正にそうだな。力を振りかざして弱いやつを従わせ、歯向かう奴には暴力で無理やり従わせる。パーパルディア皇国は、国家権力を持ったチンピラそのものだ」

 

 『ニュージャージー』の例えに『紀伊』は肯定し、呆れた様子で吐き捨てる。

 

「んでだ。連中が次に狙うのは、恐らくアルタラス王国だ」

「アルタラス王国? どうしてそこが狙われるの?」

「簡単な理由だ。パーパルディア皇国の目と鼻の先にあるからだ。それに加え、アルタラス王国には、高純度の魔石が採掘される鉱山が多く存在している。皇国からすれば、狙う理由の一つだ」

「でも、それだけの理由で戦争を仕掛けるなんて……」

「顔に泥を塗られたってだけで、宣戦布告もしないで不意打ちをするような連中だ。あっても不思議じゃない」

「……」

「それに、『蒼龍』からの報告によれば、最近パーパルディア皇国からのアルタラス王国への要求が徐々に増え、その上要求がある度に、内容も過激なものになりつつあるそうだ。そうであれば、可能性はますます高くなる」

 

 『紀伊』は持論を述べつつ、海軍省がある方向へジープを右折させる。

 

「だが、アルタラス王国、もといアルタラス島をパーパルディア皇国に取られるわけにはいかない。あそこは我が国とって、戦略的価値のある場所だからな」

「戦略的価値?」

「さっきも言ったが、アルタラス島の目と鼻の先にパーパルディア皇国、それも皇都がある。いざという時は、そこを狙える」

「あぁ、なるほど」

 

 『ニュージャージー』は納得したように頷く。

 

「だが、逆を言えば、それは向こうにも同じ事が言えるんだ。アルタラス島を取られれば、皇国はそこからロデニウス大陸へ戦力を継続的に送り込めるようになる。それだけは何としても避けなければならない」

「でも、アルタラス王国への武器兵器の輸出と教導はしているんでしょ?」

「練度が明らかに不足しているし、海岸線の防衛線だった完成していない。準備が整う前に、連中は攻めてくるはずだ」

 

 『紀伊』は『蒼龍』からの報告で聞いたアルタラス王国の現状を思い出す。

 

 アルタラス王国では軍の近代化が行われており、銃火器や大砲、車輛等の武器兵器が配備されつつあるが、兵士達はまだ完全に扱い切れていない状況だ。まぁ半年に満たなければ当然であるが。

 パーパルディア皇国と方向が面している海岸線では、地下や岩壁の内側に防衛線を建築しているが、まだ半分しか出来ていない。

 

 恐らくパーパルディア皇国がアルタラス王国に戦争を仕掛けるのに、そう時間は掛からないだろう。

 

「まぁ、だからこその安全保障条約だ。アルタラス王国が援軍を要請すれば、こちらは援軍を出す予定だ」

「援軍ねぇ。どれくらい出すの?」

「そこはその時になってからじゃないと、何とも言えんな。一応潜水艦による雷撃を考えているが、恐らくそれだけじゃ足りないだろうな」

 

 『紀伊』は静かに唸りながら、ハンドルから右手を放して頭を掻く。

 

「兎に角、その辺を海軍省で話すか」

 

 彼はそう言うと、ジープを海軍省へと走らせる。

 

 

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 所変わり、フェン王国より離れた海域。

 

 

 フェン王国を離れ、本国への帰路に着いた艦隊は、ロデニウス大陸を目指して航行している。

 

 『長門』と『陸奥』を中心に、周囲を駆逐艦と巡洋艦で囲い、上空を警戒している。

 

 損傷した『冬月』は怪我人を『長門』に移し、彼も艦体を収納して『長門』に乗船している。

 

 そして先の戦闘で生き残ったパーパルディア皇国の監査軍東洋艦隊の船員達は捕虜として『ヤクモ』と『ウネビ』『イズミ』に分けて収容されている。

 

 

「……」

 

 怪我をした腕や頬に包帯やガーゼを付けている『冬月』は『長門』の甲板の上で海を見つめている。

 

 艤装の損傷は幸い大したことなく、トラック泊地のドックにて二、三日修理すれば直るとのこと。

 

「『冬月』」

 

 と、名前を呼ばれて彼は声がした方を向くと、『長門』が立っている。

 

「『長門』様……」

 

 『冬月』は振り返り、『長門』を見る。彼女の表情は明らかに怒りの色を浮かべている。

 

「『冬月』……なぜ余を庇ったのだ」

「……」

「あの程度の攻撃。余の艦体には何とも無い。庇う必要は無かったんだ」

「それは……」

 

 『長門』に事実を言われて、『冬月』は言葉を詰まらせる。

 

 ワイバーンロードの火球は生き物や木造の船には威力があるものも、鋼鉄の船舶に対しては効果はあまり無い。ましても戦艦であれば、場所にもよるが、損傷を与えることは出来ない。

 

「だが、お前は違う。駆逐艦が打たれ弱いのは、お前自身が分かっているはずだ!」

「……」

「今回はあの程度で済んだかもしれない。だが、下手すればお前は!」

 

 『長門』は怒りと共に、悲痛な表情を浮かべて、『冬月』に訴える。

 

 駆逐艦というのは、速度がある分装甲は薄い。それこそ12.7mmクラスの戦闘機の機銃で貫かれてしまうほどに薄い。その上他の駆逐艦であれば、魚雷を積んでいるので、最悪魚雷が爆発して、轟沈しかねない。

 『冬月』の場合、雷装を取り除いているので、その心配は無いものも、それでも打たれ弱い事実に変わりはない。

 

 その上、冬月型には、一番砲塔の後ろに噴進砲が搭載されており、下手すればそれに火球が直撃し、ロケット弾が誘爆する可能性があった。今回は艦橋付近に着弾して、ロケット弾が誘爆することは無かったが、下手すれば大きな損害を受けていたかもしれない。

 

「……それでも、『長門』様に……いや、大切な仲間に傷ついて欲しくなかった」

「……」

 

 『冬月』はそう答えると、『長門』は顔を上げる。

 

「勝手な事だというのは、承知しています。ですが、それでも自分は、後悔していません」

「……」

「本当に、無事で良かったです」

「……『冬月』」

 

 『冬月』はそう言うと、『長門』はどこか不機嫌そうとも言えるし、どこか嬉しそうとも言える、複雑そうな表情を浮かべると、そっぽを向く。

 

「……馬鹿」

 

 そして小さく彼女は呟く。その顔はどことなく赤く見えるが、その表情はどこか嬉しそうにも見える。

 

 

 

 

「あぁ、そう言うこと」

「えぇ。そう言うことですわ」

 

 その頃、『長門』の艦体の第二砲塔のバーベットの陰から、『大和』と『天城』の二人がこっそりと一部始終を見ていた。

 

「『長門』様にも、春の訪れが来たようですわね」

「春の訪れ、ねぇ」

 

 楽しげな様子でニコニコしている『天城』に、『大和』は苦笑いを浮かべる。

 

(最年少のカップル誕生、かどうかはさておき、ラブロマンスもののドラマにありがちな関係だな、あれ)

 

 『長門』と『冬月』の二人の様子を見ながら、彼は内心呟く。

 

 

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 所変わって、件の国であるパーパルディア皇国

 

 

「……」

 

 第三外務局の局長であるカイオスは、思い悩んだ様子で、しばらく身動ぎせず固まっている。

 

(何が起きたんだ……)

 

 彼はこの現状に頭を悩ませ、静かに唸るしかなかった。

 

 

 というのも、パーパルディア皇国の要求を突っぱねたフェン王国へ懲罰的攻撃を行う為に送り込んだ監査軍東洋艦隊。一時間前に『フェン王国の水軍と交戦。これを撃破する』という報告が魔力通信にて送られた。

 しかし、その後の報告は無く、こちらから呼びかけても応答が無い。

 

 考えられるのは、魔力通信機が故障したか、もしくは何かしらの自然現象で通信が送れないでいるか。

 

 

 それとも、通信を送る間もなく艦隊が全滅したか……

 

 

(艦隊が全滅したとは考えにくいが、あれ以降通信が無いのはおかしい)

 

 カイオスは様々な憶測を立てたが、この状況を考えれば、艦隊が全滅したとしか考えられなかった。

 

(東洋艦隊のポクトアール提督は経験豊富の軍人だ。何があっても冷静に対処できるはずだ。それで尚全滅したとなると……)

 

 普通なら考えられないことだが、彼にはある心当たりがあった。

 

(……やはりフェン王国の軍祭に……ロデニウスが来ていたのか?)

 

 カイオスは内心呟きつつ、デスクの引き出しを開けて、中に入っているものを取り出す。

 

 それは数枚の写真であり、そこにはロデニウス連邦共和国で撮られたであろう風景が写されている。

 

 

 これは彼のお抱えの密偵が偽の身分にてロデニウス連邦共和国に潜入し、そこで撮影したものだ。しかも現地で購入した使い捨てのカメラを使ってだ。

 

 これほど鮮明で色の付いた写真を見るだけでも驚きものだが、何よりこの写真を撮ったカメラが使い捨てだという事実はカイオスに衝撃を齎した。

 

 現地で撮られたとあって、カイオスはこの写真を見てロデニウス連邦共和国が自国どころか、第二文明圏の列強国ムーを超えているというのを認識した。

 

 そして密偵に調べさせていると、とある情報を入手した。

 

 それは、ロデニウス連邦共和国がフェン王国が開催する軍祭に参加するという情報だ。

 

 未確定で信憑性の低い情報だったが、この状況を考えれば、ロデニウス連邦共和国が軍祭に参加していた可能性が高い。

 

 そして監査軍東洋艦隊の懲罰的攻撃にロデニウスが巻き込まれ、これを迎撃した。

 

 

 それならば、艦隊が全滅して、通信が無いのも頷ける。

 

(まずいな。このままだとこの国はフェン王国どころか、ロデニウスにまで戦争を仕掛けるぞ。もしそうなったら、この国は……)

 

 カイオスは最悪のシナリオが脳裏に過り、顔に手を当てる。皇国の性格を知っているからこそ、邪魔をしたロデニウス連邦共和国に皇国が敵意を向けるのは容易に想像できる。そして難癖を付けて、戦争を仕掛けるだろう。

 

 だが、どう考えてもパーパルディア皇国に勝ち目が無いのは明白だ。技術力が違い過ぎる。

 

 もし戦争になれば、パーパルディア皇国は歴史上類を見ない、大きな被害を被ることになる。最悪滅びる事にも――――

 

 

「……」

 

 するとカイオスはため息をつき、顔から手を放す。その表情は疲弊しているようだったが、次第に口角が吊り上がっていく。

 

(いや、皇国が暴走してくれれば、むしろ好都合だ)

 

 彼は内心呟くと、手にしている写真を見る。

 

(ロデニウスには悪いが、この国を変える為に、その力……利用させてもらうぞ)

 

 カイオスは黒い笑みを浮かべつつ、写真を引き出しに入れて戻す。それは、すぐに報告しないという意思表示なのだろうか……

 

(……例えどれだけの犠牲を払おうとも、変えてみせる)

 

 彼はある決意を抱いて立ち上がり、局長室を出る。

 

 

 




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竜の伝説編はやっておくべき?

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