異世界に召喚されしはイレギュラーが率いる異界の艦隊   作:日本武尊

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第七十話 皇国との会談

 

 

 

 中央歴1639年 11月30日 パーパルディア皇国

 

 

 

 その日、皇国はどこか慌ただしい雰囲気であった。

 

 港では戦列艦数隻が警戒態勢を取り、船員達が視線の先にある物を警戒した面持ちで見つめている。

 

 上空をワイバーンロードが飛行し、その眼下には一隻の船が停泊している。

 

 パーパルディア皇国の最新鋭の戦列艦と並ぶほどの大きな船体を持ち、洗練された船体の形状はそれだけである程度の技術力が見て取れる。パーパルディア皇国の無駄に多く、無駄に豪華な装飾が多い美術品のような戦列艦と違い、余計な装飾が無い分地味な印象があるものも、その分機能美が表れている。

 

 ロデニウス連邦共和国より派遣され、外交官を乗せた『第50号仮装帆船』と呼ばれる船である。

 

 

 海上警備隊で運用されている仮装帆船だが、旧クワ・トイネ公国に元々あった帆船をベースに機械動力化した代物であったので、老朽化が著しかった。その上元々機械動力を搭載するのを想定されていない船なので、小規模とはいえど老朽化と相まって色々と不具合が多かった。しかし仮装帆船の有用性は海上警備隊が海賊狩りで示しているので、その数を減らすわけにはいかない。

 その為、結構騙し騙しに使っている実情があったりする。

 

 そこで新たに仮装帆船として運用する為の専用の帆船の建造を行うことにした。それが第50号仮装帆船である。

 

 基本設計は帆船のものに近いが、かなり現代的な設計を取り入れており、水の抵抗を減らす為の船首や船体形状に、耐久性向上として腐食を防ぐための防水加工、使用素材の一部変更、船内の設計、機械動力を乗せる為の構造等、様々な点で従来の帆船とは異なる設計になっている。その為帆船としては大きめな船体を有しているのも特徴的だ。

 仮装帆船としての機能はもちろん搭載しており、武装を隠すための構造に加え、帆で航行できる性能を有している。搭載エンジンはディーゼルエンジンだが、従来の物と比べて改良が加えられており、燃費が良くなっているので航続距離が伸びている。防御にも多少力が入れられており、銃撃に耐えられるように船体の内側に鉄板が施されている。なのでバリスタより放たれる大型の矢に耐えうる頑丈さを有している。

 搭載武装はブローニングM2重機関銃を6基、ボフォース40mm機関砲を連装で1基搭載しており、それぞれ甲板に隠せるように銃架の高さ調節が可能であり、偽装用の樽や箱が用意されており、現在も箱や樽が置いてあるようにしか見えない。

 

 ちなみにこの第50号仮装帆船だが、海上警備隊に配備されている既存の仮想帆船の更新が建造目的だが、もう一つ建造目的がある。それは大口の依頼が大幅に減少し、収入が減少傾向にある木材の加工職人の為の救済措置でもあるのだ。

 

 造船業はもはや木材から鉄製やその他の素材で作るようになってしまい、造船業に関わっていた木材の加工職人は半ば仕事を失いかけていた。多くは家具の製造や建築資材加工等に移ってその技術を使って仕事をしているが、専ら造船だけを生業にしてきた加工職人に至っては、ボート等の製造依頼はあるものも、以前と比べて減少傾向にあり、もはや失業状態に近かった。その為、仕事を辞める職人が続出していた。

 そこで技術保存を兼ねて、今回の第50号仮装帆船の建造計画にて、救済措置として仕事を失った職人に建造を発注したのである。

 

 

 閑話休題(それはともかく)

 

 

 第50号仮装帆船は、パーパルディア皇国の皇都エストシトラスの港の湾内で錨を下ろして停泊している。

 

 周りにはパーパルディア皇国の戦列艦が距離を離して停泊しているが、第50号仮装帆船に魔導砲を向けて警戒している。

 

「どう見ても、歓迎されているようには見えないな」

 

 第50号仮装帆船の甲板にて、『大和』は周りにいる戦列艦を見て鼻を鳴らす。

 

「あれで威圧しているのだろう。時折トカゲが飛行高度を低くして船の上を飛んでいるようだしな」

 

 彼の隣に立つ『土佐』は腰の左側に佩いているいる刀の柄頭に手を置きながら、空を見上げて船の上空を飛行しているワイバーンロードを見る。時折低空飛行を行って威圧しているような行動を取っている。

 

 今回交渉の為に派遣された外交官は『大和』であり、彼と第50号仮装帆船の護衛として『土佐』『出雲』『ローン』の三人が同行している。

 

 本来であればあと数人ほどの外交官が同行する予定だったが、相手が相手なので、万が一を考えて彼一人の派遣となった。一人では仕事が大変になるだろうが、まぁ皇国相手に交渉がうまくいくとは思っていないので、こうした思い切った判断になったのだ。

 それと共に、『大和』にはカナタ大統領より交渉に関する権限を全権で委任されている。つまり交渉を打ち切るか継続するかの判断は、国に相談しなくても彼の判断で決めることが出来る。

 

 

「それじゃ、行ってくる」

 

 『大和』は第50号仮装帆船より小舟が降ろされるのを一瞥し、『土佐』と『出雲』の二人に向き直って声を掛ける。

 

「本当に、『ローン』だけでいいのか?」

「あぁ。あまり多く連れて行くと向こうも警戒するだろうし、万が一の場合は少数の方がいい。何より、二人は目立つしな」

『……』

 

 『土佐』と『出雲』の二人は微妙な表情を浮かべる。まぁ獣の耳や尻尾、鬼の角という亜人の特徴を持っている上に、非常に整った顔つきにスタイル抜群の美女なのだ。目立たないわけがない。尤も『ローン』もかなり目立っていなくも無いが。

 

「それに、その万が一があれば、俺達に構わず離脱しろ」

「総旗艦!」

「これは命令だ」

「……」

 

 『大和』の強めの命令に、『土佐』は何も言えなかった。

 

「もしも全員が捕まってしまえば、元も子もない」

「それは、そうだが……」

「……」

「それに、その為の保険だ。出来れば、保険を使う機会が来ない事を祈るばかりだが」

「……」

 

 

 その後『大和』は護衛一人を連れて小舟で港へ上陸し、迎えの馬車に乗って第3外務局へと向かう。

 

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 所変わり、第3外務局

 

 

 応接室へと案内された『大和』達はソファーに座り、皇国側の職員を待つ。

 

「しかし、お前が同行を志願するとは、何か考えでもあるのか?」

「そういうわけでは無いですけど、たまには総旗艦さんと一緒に仕事がしたい、というのでは駄目でしょうか?」

「たまには、ねぇ……」

 

 『大和』は後ろに立つKAN-SEN『ローン』に話しかけて、彼女はニコニコと笑みを浮かべながら理由を話す。

 

 薄い金髪に赤いメッシュが入っており、こめかみ辺りに髪飾りをしている少女であり、全体的に黒い服装をしており、服の上からでも自己主張の激しい胸部装甲の持ち主である。

 その名前は『ローン』という重巡のKAN-SENだ。

 

 彼女はKAN-SENの中でも、『伊吹』や『出雲』『フリードリヒ・デア・グローセ』『ドレイク』と同じ『架空存在』と呼ばれる特殊なKAN-SENである。

 

 見た目は優し気な少女であり、実際小さい子に優しくしている姿が度々目撃されている。

 

 

 だが『大和』は知っている。彼女の隠された本性というのを…… 

 

 

 彼女が『大和』の護衛として同行しており、『土佐』と『出雲』の二人は第50号仮装帆船の護衛として残っている。

 

(さて、向こうはどう出てくるか……)

 

 相手が相手とあって、『大和』は気が抜けなかった。

 

 『大和』は内心呟きつつ、職員が来るのを待っていると、応接室の扉が開かれて、数人の職員が入って来る。その内の一人は、カイオスだ。

 

「待たせて申し訳ない。さっきまで会議があったものでな」

「いえ、構いません」

 

 カイオスがそう言うと、彼を含め職員たちがテーブルの向こうの席に座る。

 

「ロデニウス連邦共和国より派遣されました外交官の『大和』と申します。こちらは私の部下の『ローン』です」

 

 『大和』は『ローン』を含めて自己紹介をする。

 

「パーパルディア皇国第3外務局局長、カイオスだ」

 

 カイオスは代表して短く自己紹介をして、他の職員も短く自己紹介を行う。

 

 全員の自己紹介を終えて、カイオスが本題を切り出す。

 

「さて、お前達ロデニウスを呼び出した理由は……言われなくても分かっているな?」

 

 有無を言わさない、と言わんばかりにカイオスは『大和』に問い掛ける。

 

「数ヶ月前に起きたフェン王国での一件ですか?」

「そうだ。皇国は我々の提案を蹴ったフェン王国に対して監察軍による懲罰的攻撃を行った。だが、攻撃に向かった艦隊とワイバーンロードは誰一人として戻ってこなかった」

「……」

「ちょうどその時、フェン王国では軍祭が行われて、様々な文明圏外の国々が参加していた。その中に、ロデニウスも参加していたのも確認している。違いないな?」

「……えぇ。確かに我が国はフェン王国より要請を受けて軍祭に参加し、軍艦を派遣しました」

 

 カイオスはこれまでの経緯を説明をしてから最後に質問をし、『大和』が答える。と同時に彼は、下手な嘘は通じないと理解する。

 

「その時に、我が国の軍艦が貴国のワイバーン、の上位種のワイバーンロードより攻撃を受け、正当防衛を行いました」

「正当防衛か。つまり我が皇国のワイバーンロードに対して攻撃を行ったことを認めるのだな」

「攻撃ですか。あくまでも我々は降り掛かった火の粉を払っただけに過ぎません」

「我が皇国のワイバーンロードの攻撃を火の粉呼ばわりだと! 貴様、我が皇国を見下しているのかぁ!!」

 

 と、『大和』のワイバーンロードの攻撃を火の粉扱いにされ、カイオスの横に居る東部島国課長のバルコが声を荒げる。

 

「宣戦布告もせずに不意打ちをするようならば、皇国とは名ばかり。その程度の国だとこちらは認識しています」

「何だと!? 蛮族のくせに、何様のつもりで―――」

「弱い者にしか強気に出れない小物にとやかく言われる筋合いは無い」

「こ、小物だと!? 列強国の我が皇国を―――」

「よさぬか」

 

 と、煽りを見せる『大和』に、顔を真っ赤にしてバルコは声を荒げようとするも、カイオスが止める。

 

「余計な議論をするつもりはない。落ち着きたまえ」

「は、はいっ……」

「そちらもなるべく煽るような言動は控えてもらおうか」

「これは失礼。当時あの場には自分も居たもので」

 

 『大和』は咳払いをして、気持ちを整える。バルコも『大和』を睨みつけるも、渋々と引き下がる。

 

「その後、そちらの監察軍の艦隊がフェン王国へと接近しているのを知り、これを迎撃しました」

「……フェン王国の為に、か?」

「民の為です。フェン王国の政府がどうなろうとこちらの知るところではありませんが、民には何の罪はありません。戦うことが出来ない民間人を守るために、戦ったのです」

「……」

 

 カイオスは何かを考えているかのように、顎に手を当てて声を漏らす。

 

「ですが我々は事を荒立てたり、大事にするのを望んでいません。可能であれば貴国との関係修復を望んでいるのです」

「関係修復か」

「えぇ。その為、我が国は賠償を求めませんが、貴国に対して我が国への謝罪を求めます」

「謝罪だと!? 我が皇国に対して謝罪をしろだと! ふざけたことを抜かすのも大概にしろ!」

 

 と、バルコの反対側に座る東部担当部長のタールが怒号を上げる。

 

「さっきから黙っていれば好き放題言いおって! 蛮族共が!!」

「逆に貴様らが我が皇国に対して賠償と謝罪をしろ!!」

 

 そして残りの面々も怒号を上げる。『大和』と『ローン』は怒号を掛けられても、表情一つ変えない。

 

「静かにしろ!!」

 

 と、カイオスが罵詈雑言を上げる面々に一喝し、静かにさせる。

 

「我々の言葉には、皇帝陛下の御意思も入っているのも忘れるな。品位を下げる言動は控えよ」

『……』

 

 カイオスに諭されて、誰もが黙り込む。

 

「君らは出ていきたまえ。これでは話が進まん」

「しかし……」

「出ていきたまえ」

 

 引き下がろうとする部下に、カイオスは強めの口調で命令を下し、カイオス以外の面々は席を立ち、部屋を出ていく。

 

「これで、邪魔者はいなくなった。話を続けよう」

 

 カイオスは咳払いをして気持ちを整え、話を続ける。

 

「謝罪については、色々と難しいだろうが検討しよう。少なくとも、私個人であるならな。懲罰的攻撃を許可させたのは、私だからな」

「そうですか……」

 

 意外と正直であっさりとした返答に、『大和』は少し戸惑う。

 

(皇国にも、良識的な人間は少なからず居る、ということか)

 

 『大和』は内心呟き、カイオスの人間性を推測する。先ほどの職員たちの態度を見れば、尚更カイオスの良識っぷりが際立つ。

 

「……深刻な行き違いを防ぐためにも、こちらとしては貴国に使節団の派遣をお願いしたいのですが」

「使節団の派遣か。確かに行き違いがあって不幸が起きては双方困るだろうな」

 

 期待はしていないが、一応『大和』は使節団派遣を要請する。これでロデニウス側の力を把握してくれれば、御の字だが、相手が相手なので、そもそも期待出来るものではないが。

 ロデニウス側の技術力を知っているカイオスは、顎に手を当てて一考する。

 

「良いだろう。使節団派遣に関しても検討しよう。しかしこちらは現在色々と立て込んでいてな。すぐには返答できない。一ヶ月と半月後にこの第3外務局へお越しください」

「……分かりました。では一ヶ月半後、また来ます」

 

 『大和』は一瞬一考するも、気持ちを切り替えて立ち上がり、『ローン』と共に一礼してから脱いでいた制帽を被る。

 

「待ってもらいたい」

「……何でしょうか?」

「一つ聞きたい事がある」

 

 『大和』と『ローン』が部屋を出ようとすると、カイオスが二人を呼び止めて問い掛ける。

 

「半月ほど前に、我が国の艦隊がアルタラス島へと向ったのだが、未だに一隻も戻って来ていないのだ」

「……」

「アルタラス島にあるアルタラス王国は我が国の提案を蹴って、宣戦布告を行ってきた。艦隊はそのアルタラス王国を攻略する為に出撃したのだ」

「それが何か?」

 

 カイオスの質問に、『大和』は当たり障りなく答える。

 

「私は商人の家の出でな。局長となっても顔は広い。故に情報もよく集まる」

「……」

「フェン王国の軍祭に貴国が参加していたという情報も、その伝手で知ったのだ」

「……」

「その伝手で、ある噂を聞いてな」

 

 カイオスは一旦口を閉じて『大和』を一瞥し、再び口を開く。

 

「アルタラス島付近で、アルタラス王国の軍とは異なる勢力を目撃したそうだ。どれも第二文明圏の列強国ムーのような軍艦だったそうだ」

「……」

「少なくとも戦争になるまでは、それらしい船は見当たらなかったそうだ。でなければ、アルタラス出張所の連中が何か報告を上げているはずだからな」

「……」

 

 『大和』は何も言わず、黙ってカイオスの言葉を聞く。

 

 ロデニウス連邦共和国はアルタラス王国との貿易はなるべく輸送用の帆船で行っていた。なるべくパーパルディア皇国に目を付けられるような事が無いようにするための処置だ。帆船で運んでいたのが大きな物でなかったので、それで十分だったという理由もある。もちろん帆船では運べない大型の物資の場合は普通に輸送船を使っていたが、皇国はムーの輸送船だとしか見ていなかったので、皇国に目を付けられることは殆ど無かった。

 それ以外では輸送機を使って空輸で物資を運んでいた。輸送機ならムーの機体であると皇国も判断するだろうという判断からだ。

 

「そして貴国のことについても調べさせていた。その結果、ムーの軍艦らしき船が多く確認された」

「……何が言いたいのですか?」

「いや。ただの独り言だ。質問に関係していない」

 

 カイオスは肩を竦めてそう言うと、話を戻す。

 

「つまり我が皇国の艦隊について、何か知っているのでは無いかと思って、聞いている」

「そうですか。申し訳ありませんが、我が国は存じ上げません」

「そうか。知らないのなら、仕方あるまい」

 

 『大和』の返答にカイオスは特に何も言わず、息を吐く。

 

「あぁ、呼び止めてすまないな。もう良いぞ」

「……では、一ヶ月半後に」

「えぇ。一ヶ月半後が楽しみですな」

 

 彼はそう言うと、『ローン』と共に部屋を出る。

 

 二人が振り向いた瞬間、カイオスは不気味に笑みを浮かべる。

 

 

 

 その後部屋の外で待機していた職員たちが戻って来る。

 

「カイオス様。なぜあのような穏便な態度を見せられたのですか? 確か陛下から『我らに土をつけた国には責任を取らせ、きっちり教育してやれ』とご下命を賜ったと仰っておられたではないですか。遠慮することなく、陛下の意思を伝えた方が良かったのではないかと思うのですが」

 

 バルコがカイオスに問い掛けると、彼は考えるかのように顎に手を当てる。

 

「まぁ、良いではないか。ロデニウスとの外交担当は私だ。考えも無しにあのような態度で外交に挑んだのではない」

「と、いいますと?」

「私なりに少し考えがあってな。少し穏便に事を進めた」

「……そのお考えとは?」

 

 次にタールがカイオスに問い掛ける。

 

「今はまだ言えん。余計な詮索をするでない」

「はっ。差し出がましい事を申しました」

 

 カイオスに睨まれ、タールは謝罪する。

 

(ロデニウス。お前達には悪いが、これを利用しない手は無い。この国を変える為にはな)

 

 そして『大和』達を送り出した時と同様、彼は不気味な笑みを浮かべる。その姿に、部下たちは言い知れない恐怖を覚えたそうな。

 

 

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「意外と言えば、意外な結果だったな」

 

 第50号仮装帆船の上で、『大和』は手摺にもたれかかって、声を漏らす。

 

「だが、あの国の性格を考えれば、期待するだけ無駄ではないか?」

 

 と、隣で手摺にもたれかかる『土佐』が問い掛ける。

 

「端からあの国に期待なんかしていない。だが、あの国にも良識的な人間が居たというのが意外だった」

「陰に隠れがちだが、あぁいう国でもそういう輩は居るという事か」

「……まぁ、それもある、が」

「が?」

「あのカイオスという男。かなり我が国の事を調べていたようでな。技術力を把握している節もあるし、アルタラス王国に対しての我が国の動きも、ある程度掴んでいたようだ」 

「……」

 

 彼の話を聞き、『土佐』は目を細める。

 

「だが、それにしては周りが我が国の事を知らな過ぎる。カイオス殿ほど我が国のことを把握しているのなら、周りは大きな態度を取らないだろう」

「我が国の技術力を信じていなかっただけじゃないのか?」

「いや、そういう雰囲気でも無かった」

「……」

(それに、あの含みのあるような言い方……)

 

 『大和』はあの時のカイオスの話し方に、違和感を覚えていた。何かを企んでいるような……何とも言えない雰囲気だ。

 

(……嫌な予感がする)

 

 あぁいう類の人間に会ったことがあるとあって、『大和』は言い知れない予感を覚える。

 

 そんな予感を抱きながら、彼らを乗せた船はロデニウス大陸への帰路に付く。

 

 

 

 




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竜の伝説編はやっておくべき?

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