そのため短め。
【追記】
感想でヴィランの扱いが違うと指摘されたので少し書き直しました。
違和感があれば報告あると助かります。
体感時間が分からなくなるくらい経ったころ、4人はモニタールームに帰ってきた。
今までの生徒たちの表情は勝っていても負けていても殆どは明るかった。勝って嬉しい。負けて悔しいけど今度は勝ってやる。ヒーローの卵になった自覚が生まれたなど様々な理由でだ。
しかし帰ってきた4人の表情は全員違った。
まず障耳は即座に行動できなかったことを悔やんでおり俯いていたが、目は今後の糧にしようと意気込んでいるものを感じる。
次に轟。4人の中で一番酷く茫然自失しており、生気がないと言ってもよく、オールマイトに言われたからモニタールームに戻ってきていると言った感じだ。
3人目は身内側の被害者芦戸。実行犯の片割れである彼女もある程度のダメージを受けたようで「私はヒーロー。私はヒーロー私はーー」と暗示をかけるかのように呟き続けていた。
そしてこんな状況を作り出した張本人は……
(((うわぁー『私やりました!』って顔してる)))
無表情ながらのドヤ顔を決めていた。おそらく無意識だろう。
「……えっと障耳少年に轟少年、それに芦戸少女。大丈夫かい?」
「……大丈、夫です」
「……………………」
「私はヒーロー。私はヒーロー。私はヒーロー。私はーー」
「……うんダメっぽいね。キツそうだったらリカバリガールのところに行っていいからね。うん本当に」
オールマイトは唯一反応できた障耳は今後さらに強くなると、轟はつっかえが無くなれば、芦戸はメンタルケアをした方がいいと感じた。
「……約2名情緒不安定だけど講評始めちゃうね。まあぶっちゃけ今回のベストは黒性少女だね。理由分かる人いる?」
「……はい」
「はい!八百万少女」
「間違っている可能性があるので今までのように堂々と言える訳ではないのですけど……今までの人も含めて一番ヴィランを演じられていたからでしょうか?」
「…そうだね。八百万少女、正解だ。彼女は今までの訓練の中で一番ヴィランらしくーーいやヴィランそのものに私が感じるほどにヴィランを、特に頭脳タイプを演じていた」
「オールマイト先生、頭脳タイプってどういう事なのか聞いてもいいかしら?」
八百万の意見を肯定しそこに自身の意見を付け足すオールマイト。
しかしそこに違和感を覚えたのか、蛙水が質問を出す。
「ふむ……蛙水少女は『ヴィラン』と言われたらどんなものが浮かんでくる?」
「…まず最初に出てくるのは強盗や窃盗を行う人たち。次にテロを起こしたりする人たちかしら」
「確かに彼らもヴィランに当てはまる。ーーしかし!全てのヴィランがそうとは限らないんだ」
「どういうことですか!?」
「んんっ、まずは落ち着こうか飯田少年。その質問に答える前に黒性少女に聞きたいことがあってね」
「私に聞きたいことですか?」
「そう君に質問さ。……何で君はヴィラン役としてああいう行動をとったのかって事なんだけど、教えてもらってもいいかな?」
何故頭脳タイプのヴィランを演じたのか。
オールマイトの疑問は至極単純であった。
「何故ですか……逆に皆さんに聞きたいのですが、何故ヴィラン=個性を使用し破壊行為を自ら行うものだと考えるんですか?」
「?」
「えっとつまりですね、例えばあるヴィランは人が死んでいく光景を見ていたいと考えています。けれどそのヴィランはヒーローに勝てる強さはない。ならどうすればそのヴィランは人が死んでいく光景を見ることができると思いますか?」
「……自分より強い人を頼る、か」
問の答えを返したのは今まで黙っていた轟だった。
喋れるくらいまでに回復したのだろう。
「轟さん正解です。何もしたいことを自らやる必要がありません。他人にやらせるんですよ。…今回私が演じたヴィランの大まかな設定は『本人は戦闘面においては弱個性であるが、資金を調達する面では強固性である』『それ故に自分は他のヴィランとは違うという優越感と劣等感を同居させている』『自身が弱いからこそ強いものを見下したい気持ちがある』『ヒーローに対して嫌悪を持つ』です。この設定から生まれるヴィランは『強者を見下すことに快楽を覚え、目的のためなら手段を選ばない』性格になります。あとはそのヴィランと同じような思考をしながら行動すれば今回のように戦わずして勝つことが可能です」
「殆ど言われてしまったので補足程度しかできないが終少女が演じたタイプのヴィランはみんなが思っている以上には多い上、目的のためなら本当に手段を選ばないからヴィラン=個性を使用して破壊行為を行う犯罪者と言う考えは捨てた方がいいと思うよ」
「さらにオールマイト先生を補足すればさらに厄介なのは強いものがそういった行為を取ることですね」
補足に補足を重ね終が何をしたのかを分かりやすく伝えていく。
最初は何を言っているのか理解できていなかった生徒たちだが、途中から、中には本当に序盤から意識を切り替えその話を聞いていた。
「まあ今はこんなタイプのヴィランもいるって認識で構わないさ。というわけで意識を切り替えて次のグループに行こうか」
「ところで黒性少女、君はどうしてそんなにヴィランに詳しいだい?」
「……………以前『ネズミでも分かるヴィラン講座』という本を読んだことがありまして」
「その本大丈夫なの!?」
ちなみにこの学校の校長はネズミのような外見を持っているが、自身でもネズミなのか犬なのか熊なのか分からないとのこと
次回からはUSJ編。
おまけ
オル「ところで黒性少女、あの子供の声って結局何だったんだい?」
終「これを使いました」スッ
オル「ん、これは……なになに『世界のヴィラン辞典拷問系編 初版特典[実際にヴィランが撮影した拷問の映像]』?ナニコレ?」
終「国内では売ってない商品でして、西の方に行くと結構売ってますよ。ちなみにこれは日本語訳したやつです」
オル「いや分かってるよ。そうじゃなくてこの本の内容。特に初版特典」
終「その初版特典のNo.13の人の拷問を会話になるように流しながら話したのが私が訓練中でしたことです」
オル「No.13……うわっ!このヴィラン載ってたの!?他にも有名どころがずらりと……」
終「ほかに誘拐編、殺害編、裏切り編、黒幕編、望んでなった訳ではない者たち編があります」
オル「……学校に持ってこないでね」