俺はベカス・シャーナム、しがない三流傭兵だ。
今は新しい顧客の所に向かうため、レンと共に機体を載せたトレーラーに揺られている。
「次、向かうところはイブン王国だっけか?」
レンに雑談がてらに聞いてみる。
「そうそう、そこで独立を求めるイブン解放戦線が今回の雇い主だよ。羽振りがよくてね、報酬高いから受けたよ」
「まあ、賊退治は外ればかりでそろそろ金がきつかったからな。」
街とかを点々として賞金首や賊退治は当たり外れがあり、溜め込んでいなければ大した金にはならない。
普通はやりたがらないが、レンは積極的に依頼を受けている。
まあそれは俺もなので、人のことは言えないが
今ではほぼ休みの日でも顔付き合わせて昼間から飲んだり、買い食いして回ったりと色々しているが、初めて会った時はこんな関係になるとは思っていなかった。
「レン・タチバナです!今日から宜しくお願いします!」
身長165cmほどの黒髪の極東か日ノ丸の童顔の男、16ぐらいにしか見えないが20歳と言っている。
新品のタクティカルベストと使いづらいと有名なスイッチ押すと光刃が出るタイプのレーザーブレードを腰に下げていた
一番目立つのはレンの機体、青と白を塗装をしたBM、見たことない機体だが、明らかに相当弄られており金が掛かっているのがわかる。
初めてレンを見た時の感想は調子に乗った金持ちの家の坊主が勘違いして傭兵として依頼を受けてきた奴、こりゃ今日生き残れたら幸運だなという感じだ。
回りの連中もそんな感じだった。
「おいおい、ガキじゃねえか」
「お前が死んだらその機体俺がもらってやるよ」
周りからヤジが飛んでも、レンは笑顔で応対していた。
その印象は戦場ですぐに変わった。
戦場を急制動をかけながら、縦横無尽に動く青い機体の
通る所にいた敵のBMがどんどん撃破されていく様はもう笑うしかなかった。
一度、認められてしまえば戦場何て楽なもんだ。
強い奴は大歓迎、強い奴が味方に居れば死ぬ可能性だって減る
同じ小隊に組み込まれてからだ、レンとよく話すようになったのは
剣術の話やBMの話、いろんな話しをしたが何より傭兵としてのスタンスが合ったのがでかかった。
仕事の契約が終わってもそのまま一緒に仕事をしている。
「おーい!ベカス!見えてきたぞーあれがイブン解放戦線の基地みたいだ」
レンの言葉で目を覚ます、揺られている内に寝てたみたいだ。窓を見るとリカオンにリンクス、少数であるがレンジャーまで並んでいるのが見えた。
「そろそろ着くから準備してくれ、ベカス」
「あいよ、FOXHOUNDのチェックしてくるわ 」
レンに返事をして、俺は席を立った。