誰が為に微笑むか   作:MYON妖夢

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やっと書きあがりました。お待たせしました。


死神は止まれない

 腰のポーチから素早く取り出したポーションを飲み下しながら大きく踏み込み、相手が鎌を振り上げるよりも早く右腕に向かって突きを放つ。

 そのまま右へ払い、身体ごと回しながら振り下ろされる鎌の刃の内側へ潜り込ませ、軌道を逸らしながら鎌の柄を滑らせるように、鎌を握っている指を切り払う。

 左半身が前に、右半身を後ろに。左手側の石突が上で、右手側の穂先が下。モーションが立ち上がるのを感じながら右足で更に懐に潜り込む。

 刃全体が光り輝き、全身のバネと遠心力を最大限生かして斜めに切り上げる単発ソードスキル《ワイルドスラッシュ》が、指を失ったことで片手が鎌から離れた死神を切り裂く。

 

『オォォ……』

 

 硬直が解けると同時に左手一本で大きく振るわれる大鎌を相手の方へ跳躍気味に飛び込むことで、後ろを取りながら回避し、振り向きながら腰だめに構えた三連突きのソードスキル《トリプル・スラスト》を放つ。

 

『貴様モ同ジニナルノダ……私ノヨウニ……』

 

 このソードスキルは最後の一撃で大きく踏み込む。振り返った死神の視線の先にはすでに私はいない。

 今度はソードスキルを使わずに二連突きから切り払い、一度バックステップで距離を取る。

 

『私ニハワカル……失ッタ苦シミガ……心ニ灯ル炎ガ』

 

「うるさい……」

 

 踏み込むと同時、相手も踏み込んでくる。さっきまでよりも僅かに早いが、一番最初の焼き増しのように鎌の下から柄に沿うように突き、切り払う。

 

『貴様ガワカラヌハズガナイ……ナゼナラ……』

 

「うるさい……!」

 

 耳障りな声に苛立つようにソードスキルが立ち上がる。連続で切り払い、最後に大きく叩きつける六連重攻撃《トリップ・エクスパンド》。

 

『貴様モ残サレタ者ナノダカラ!』

 

「――!」

 

 大振りの一撃の回避が間に合わない。ギリギリで硬直の解けた槍の腹で受け止めるが、大きく後ろに飛ばされる。

 

『ココハ迷イ家……我ラ迷イ家ノ民ノ怨念ニヨッテ歪ンダ空間……最早マトモナ人間ガ訪レル事ハカナワヌ』

 

 コイツ……戦闘開始前とは違う。急に冷静になったみたいで気味が悪い。ただのボスキャラなら黙って戦ってよ。

 

『今コノ場ニ在レルノハ……私ヤ貴様ノヨウナ者ノミ……故ニワカルノダ』

 

 詰めてきた死神と鍔迫り合いになる。明らかに速度が上がってる。

 

『復讐セヨ。奪ッタ者ヲ許スナ。何モ残ラズトモ狩リ尽クセ。残ッタ者ニハ奪イ返ス権利ガアル』

 

「こっの……!」

 

 鍔迫り合いの体勢が不利なのはさっき理解した。一瞬手前に引っ張るように力を込め、緩急をつけて押し返す。

 同時に《水月》を放ち、当てた反動でこちらも距離を取り直す。

 

「殺されたから殺し返せって……? 人はそんな簡単なものじゃない」

 

『何ガ悪イ。合理的デハナイトデモ? ソンナモノガ奴ラニ通用スルトデモ?』

 

「黙れ……! ごちゃごちゃうるさい! いいからさっさと本気出して殺してよ!」

 

 突進ソードスキル《ソニック・チャージ》で反応を間に合わせずに貫く。

 

『死ニタイノナラバ抵抗シナケレバイイ。何故抵抗スルカ。未練ガアルカラダ』

 

 さっきから人と会話してるみたいで不快だ。NPCなんてただのデータだろ。さっさと黙れ。

 槍を引き抜き、そのまま《フェイタル・スラスト》で同じ場所を刺し貫くと、内側から広がる様に衝撃の刃が四回弾ける。

 

『ソウ。復讐心ダ。ヤリ返シテヤリタクテ、タマラナイノダ』

 

 上段からの光を纏った振り下ろし。鎌のソードスキルなんてわからないが、《ヘリカル・トワイス》で迎え打つ。

 四回回転するように槍を振り回すソードスキル。一回目で逸らし、二回目で弾き、残りをその身体に叩きつける。死神のHPバーの二本目が7割程まで減っている。

 先程のソードスキルらしきものはHPバーが一本削り切られたことで使用し始めたと見るべきか。

 しかし振りぬくと同時に槍から嫌な音が鳴り、僅かなポリゴン片が舞う。耐久値がもう殆ど残っていない事を示す刃毀れだ。人殺し共に襲われた時から研磨の1つもしていないのだから当然と言えば当然か。コイツを殺すまで持つかどうか……。

 

『本当ハ死ヌツモリナンテナイノダロウ? イヤ、最初ハ確カニ死ヌツモリダッタダロウ』

 

 槍の耐久値が残っていない以上、もっと強気にいかなければならない。

《ソニック・チャージ》で一気に距離を詰め、硬直が解けると続けざまに《トリップ・エクスパンド》を入れる。

 

「ぐぅっ!」

 

 しかし大技はそれだけ硬直も大きい。今度は防御が間に合わず、光を纏った鎌が私の身体を袈裟懸けに切り抜ける。

 同時に感じる大きな衝撃と共に後ろに弾き飛ばされ、いつの間にか背にしていた大木に背中が打ち付けられる。

 ポーションで9割程まで回復していたHPバーは緑から黄、黄から赤へと変動してようやく減少が止まる。

 

『シカシ私ノ姿ヲ、名ヲ見テ復讐ヲ知ッタ。イヤ、元々アッタソレヲ強ク認識シタノダ!』

 

 一瞬で距離が詰まり、大きく振り下ろされる大鎌を転がるように避ける。どうにか態勢を立て直して両足で地面を捉えると同時に体術ソードスキル《ソニック・ダッシュ》を起動し、更に大きく距離を放す。

 微かに震える手でポーチから残り三本しか残っていないポーションを手に取り、死神から目を離さないように一気に飲み込む。どの種類のポーションかを見て確かめるだけの余裕はない。確か残っているのは通常のが二本、それより高価で全回復できるハイポーションが一本だったはずだ。

 

 苛立ちと武器の耐久値で正常な判断が失われている。そんなことは理解しているが、それを上回るくらいに目の前の死神の言葉が耳障り。まるで私の心の中を、頭の中を見透かしているように言葉を投げかけてくる。

 私がまともな人間じゃなくなってる? 皆を失ってまともでいられるわけないじゃない。

 復讐心? 弄ぶように皆殺されたんだ。あるに決まってる。

 死ぬつもり? そんなの……。

 

「そんなの……!」

 

 じわじわとHPバーは回復に向かっているけど、このHPでは受け止めた時の超過ダメージだけでも死ぬ。どうせ相手も突っ込んでくるのだから回復を待たずに切り込む。

 迎えうつのはさっき私を切り裂いた袈裟懸けのソードスキル。上体を地面と水平に大きく屈みながら右側に跳ぶ。

 振り向いた死神の視界から外れる様に更に円を描くように回り込みながら槍で死神の腹を薙ぎ、今度は急反転し同じところを切り抜けながら通り抜け、振り向きながら右腕一本で水平に薙ぐ。同時に右足から左足に重点を移動させて死神の左側からまた回り込む。

 AGIに大目に振っているステータスで動き回って死神の視線を追いつかせない。

 

 飲んだのは運良くハイポーションだったらしくHPは6割程まで回復した。待っていれば全快するけどどうせそれを待ってはくれない。

 闇雲に振り抜かれたソードスキルを垂直にジャンプして回避する。間に合わなかったのかふくらはぎに不快感が走るが欠損はしていない。

 

「死ぬつもりなんて……!」

 

 空中で大きく大上段に振り上げて一気に振り下ろす。両手槍ソードスキル《フェイタル・ショック》。直撃すれば大ダメージ。外しても広がる衝撃波で行動を阻害する優秀なソードスキルだ。

 硬直が解けていない死神には当然直撃する。

 

『ヌゥ……!』

 

「皆、皆殺されたんだ。人殺しが自分達の存在を誇示するためだけに、私一人だけわざと生かされて……!」

 

 そうだ。コイツの言うとおりだ。今の私はきっと死ぬつもりなんてない。

 元々復讐のことを考えてなかったわけじゃない。自分が他人を殺す覚悟を持てず、攻略組の最前線でありながら仲間の一人も守れなかった私には無理だと、折れた心でそれを無視して引き篭もっていただけだ。

 

「お前の言う通りよ! 憎くて憎くてしょうがないのに殺す覚悟なんてなくて、それならいっそ自分も死んでそのまま忘れてしまえればいいって思ってた!」

 

 切り上げ、振り払う。返す刀で水平に切り払われるソードスキルを大きくかがむことで回避。髪が数本空中を舞いポリゴンへ変わる。

 しかし鎌を構える姿は硬直に入っているように見えない。感覚に身体を任せて退いた直後、肩口まで両断するような二発目が振るわれる。跳んだ距離では足りない。咄嗟に槍を割り込ませたが、鎌が槍に当たると同時に柄が引き裂かれ、そのまま私の身体まで鎌が到達する。浅く胸から肩にかけて切り裂かれたことで一瞬硬直した身体を、鎌の柄の部分で横殴りにされて地面を数回バウンドしてようやく止まる。地面に手を突き起き上がろうとする視線の先で、両断され手から滑り落ちた槍が砕け散りポリゴン片として空気に溶けていった。

 

 感覚はあっていたが回避は間に合わず、咄嗟の防御も悪手となった。感じたことを頭で処理して動くのでは、レベルが格上の相手が放つ連撃ソードスキルには間に合わない。

 

「ゴホッ……でも! お前が私を見透かしたみたいに言うから! もうわかんないよ……!」

 

 この世界では脳波によって意識を持っているから感情の制御は現実よりも少し難しい。今となってはもう怒ってるのか、悲しいのか、喜んでるのか、冷静なのか。最早よくわからない。NPCにこんなこと言ったってしょうがないってことすらもう頭にない。

 思考が絡まって、身体は酷く熱いのに、一方で頭はスーッと妙に冷たくなっていく。

 

 今ここで死にたい。違う。

 なら死にたくないのか。違う。

 死ぬのはここじゃない。そうだ。

 

 レッドを許すわけにはいかない。あの人殺し共を許せるわけがない。レッドは全て私の敵だ。死ぬのなら、最期まで奴らを許すな。

 

「許すな……!」

 

 頭がどんどん冷たくなっていく。身体はどんどん熱を持ち、頭だけが逆に冷えていく。けど不思議と不快じゃなくて、むしろ今までで一番冴えているような妙な感覚。

 予備の槍はない。そもそも人殺し共と戦った時点でアレが最後の一本だった。

 代わりに太腿のホルスターに数本挿している短剣を順手に引き抜く。本来は投擲用短剣の【スチールダガー】。特殊な効果はなく、投擲武器特有の低い耐久値は手に持って振るうには不安でしかない。その上私は《短剣》スキルは取っていない。それでも無手よりはずっとましだ。

 

 ある程度まで回復していたHPはまた赤まで減らされている。纏まらない思考に反して身体は迷いなくポーションを取り出して飲み込む。

 回復してもソードスキルを食らえばあっけなく死ぬだろうけど、気休めにはなる。

 

 振り下ろされる鎌を身体を逸らして回避。続けて振るわれる横薙ぎをかがみながら懐に潜り込んで避け、腕の内側を裂くように短剣を割り込ませる。そのまま三回切り付けたと同時に感じた、後頭部から顔の中心に走った嫌な感覚のままに頭を傾けながら跳び退る。離れる瞬間に引き戻された鎌の刃が頬を微かに抉る。

 

 着地と同時にもう一度踏み込んで急接近。光を纏ったソードスキルが振りかざされる。HPの回復量は全く足りてないけど、今更退くわけにもいかない……!

 肩に引き絞るような構えからの斜め振り下ろし。身体を回転させるように捻り避けながら鎌を持つ腕を這わせるように連続で切りつける。

 鎌が振り下ろされた身体の右からひんやりとした嫌な感覚が右脇腹から左肩にかけて走る。感覚に任せろ、この感覚はきっと私の力になる。

 

 足を大きく広げ、左側に倒れこむように全身を傾ける。僅かに反応が間に合わなかったのか、右耳がソードスキルによって跳ね飛ばされるが致命傷にはならない。

 全身のバネを使って跳ね上がる様に短剣で斜めに切り裂く。その勢いを殺さないように左拳を叩き込んで離れる。

 

『ホウ……』

 

 最後のポーションを飲み込み、空になった瓶を死神に投げつけながら走って接近する。

 鬱陶しそうに瓶が両断され、ポリゴン片が舞う中で嫌な感覚に従って身体を動かす。

 右肩の中心に感覚が走れば右肩を抉るような引き込みが、左足の膝に走れば膝から下を跳ね飛ばすような掬い上げが、そして身体の縦に線が走るような感覚から脇腹、逆の肩口に続け様に一際冷たく走ればその通りに三連攻撃のソードスキルが放たれる。嫌な感覚は敵の攻撃のタイミングと軌道を示してくれるらしい。

 いずれも感覚から反応までの猶予が短いためか、慣れない感覚に反応が間に合っていないためか、浅く切り裂かれたりはするけど致命傷にはなっていない。

 

『死ヲ身近ニ感ジ、自ラノ心ニ気付イタ事デ目覚メタカ……意志ノ力……!』

 

 全く同時に鎌と短剣が振るわれる。冷たい感覚は後ろに置き去りにするように踏み込んでいる。

 相手に傷を与えた短剣は砕け散り、引き戻された鎌を消え切っていない柄で受け止める。同時に空いている左手で二本目の短剣を逆手に抜き放ち、更に一歩力強く踏み込む。

 

「うあああっ!」

 

 首にヒヤリとしたものを感じながら、叫ぶように軸足に力を込め、短剣を引き絞りながら《ソニック・ダッシュ》を発動。切り抜ける――!

 首に当たるはずだった一撃は高速で踏み込んだことで私の右腕を削ぎ落すように引き戻され、代わりにこっちの攻撃はクリティカル判定の首に吸い込まれる。

 右肩から先の感覚が無くなることを無視して、《ソニック・ダッシュ》の勢いのまま走り抜け、短剣を振り向きながら大きく振りかぶる。投剣ソードスキル《パワーシュート》。

 

「終わって!」

 

 一瞬遅れてこちらに振り向いた死神の心臓に軽い音と共に突き刺さる。油断なく最後の短剣を引き抜き構えると同時に、死神の手から滑り落ちた大鎌が地面に突き刺さり、数歩後ろにふらついて大木に背中をぶつけたままずるずると崩れ落ちる。

 

『……意志の力を開花させるに至るとはな。クク……』

 

 戦闘中のくぐもった禍々しい声とは違い、聴き取りやすく中性的でクリアな声。

 

『おめでとう。新たな復讐者の誕生を私は祝福する』

 

「……私が復讐に走るかなんて、まだわからないでしょ」

 

『走るとも。何かが残っていようが……それを全て焼き尽くす程の憎悪を……私は君から感じとれるのだから』

 

 しかも流暢に喋る。今までの全てが演技だったんじゃないかって思うくらい。

 それでも溶けるようにポリゴンに変換されていくのは止まらない。言葉も途切れ途切れになっていく。

 

『私は……君を見ている。いずれまた……顔を……』

 

 そして砕け散った。遺されたのは、彼が使っていた仮面に外套、そして地面に突き立った大鎌だけが、ストレージに格納されるわけではなく、地面に残されている。

 触れれば所有権が私に移った。【マヨヒガの住人の怨恨面】【死神の復讐鬼のローブ】【死神の大鎌】。どれもこれも所有者のレベルに応じて性能が向上する特殊な装備。

 

 それらをストレージに格納すると、今度は大木が光に包まれる。いや、村全体が淡い光に包まれている。思わず残っている左腕で目を覆う。

 光が収まった気配を感じて目を開けると、いくつかの家が住める程度に修復されている。何よりも目を引くのは、目の前の中央部分に大穴が開き、その中の空間が光に満ちている大木だ。

 

 入ってみれば足元の紋様には見覚えがある。一部の紋様が破損しているが、主街区にある転移門のそれだ。仮面を身に着けて試してみると、どうやら主街区には飛べるが迷い家には飛べない一方通行らしいことが分かった。迷いの森に戻ってきてみれば、『迷い家に行きますか?』のポップアップが現れ、無視してみると視界端に常駐し始める。YESをタップすれば迷い家に戻ってこれた。

 

 装備にしろ迷い家にしろ酷く優遇されている気がする。何者かの意図を感じてしまうが、便利なものは便利だ。

 

 そして3ヶ月ほど自分の成長と大鎌の習熟に費やした。寝る時間は最低限でいい。食事も移動のついでに摂れるほんの少しでいい。この世界では衰弱死も餓死もしない。最低限さえ摂れば動きは悪くならない。24時間のうちのほぼ全てをレベリングに使った。

 姿を隠したまま遅れを取り戻し、攻略組に追いつくか少し上くらいまで育ち続ける。転々と変え続ける狩場が彼らより数層低いとはいえ、この世界に馴染んでしまった今、彼らは人間らしくしかこのゲームに挑めない。それは差として大きく出る。

 

 大鎌は両手槍のスキルで使用できた。他にも両手斧にも適用されるらしい。とはいえソードスキルは使用不可となっている。大鎌の形状では槍や斧のソードスキルが全く適さない点からだろうと予想を立てる。だから武器スキルは基礎威力などの上昇やModをつけるためだけのものになる。しかしそれを補って余りある性能をしている。

 首に攻撃を当てた時に発生するクリティカルダメージの倍率が高いのだ。これによってただでさえ首を撥ねれば耐えてもかなりのダメージが期待できる人型モンスターや、同じく首を撥ねればほぼ即死のプレイヤーに対しての特効となる。というかまず死ぬ。まさに死神が持つにふさわしい武器。

 

 レベルが攻略組に追いついた頃に行動を始めた。殺人者を狩る。PoHが見つからなくても、他の殺人者も殺人を犯した奴らだ。だけど断罪とか報いとかじゃない。私達を襲撃した映像を以てPoHによって扇動され増えた全ての殺人者を殺す。それが私の復讐。全員、同罪だ。

 

 殺人者とはいえ人を殺すのだから私も酷く罪深い。だから最期はきっとロクな死に方はしない。それでいい。最期の瞬間までアイツらを殺し尽くす。

 あっちで皆に合わせる顔なんてもうないし、きっと同じところ(天国)になんていけない。最期のその後に苦しみ続けても構わない。

 

 死神はもう、止まれない。




無事?に四話が出ました。既に難産ではありますが。
この時点でアザミが妙に強く見えますが、どちらかといえば死神が弱いです。動きが荒く、安全マージンを確保しているプレイヤーならそう苦戦しない相手ではあります。

では今回の解説

諸々ソードスキルは出てきたものの多くはホロウリアリゼーションなど各SAOのゲームや原作にて登場したソードスキルになります。一部オリジナルのものが混ざっている感じになります。
概ね作中で描写していますのでこれらは割愛しましょう。

・【マヨヒガの住人の怨恨面】
 迷い家の住民達が無念のままに虐殺された事を嘆くかのような死神の面。所有者のレベルが上がるごとに性能が上がっていき、安全マージンである階層数+10のレベルに達すると、その階層の防具と同等か少し上程度まで性能が向上する。
 またMod含む《隠蔽》スキル全般に上方補正がかかる。

・【死神の復讐鬼のローブ】
 全身を夜の闇で覆いつくすかのような大きな外套。上記と同様にレベルに応じて性能が向上する。
 Mod含む《隠蔽》スキル全般に上方補正がかかる。

・【死神の大鎌】
 プレイヤー側が装備できる武器カテゴリには存在しない特殊な武器。それゆえか両手槍と両手斧のカテゴリに割り振られているが、各カテゴリのソードスキルは発動できない。尤も発動できたとしても刃がちゃんと当たるかと言えば難しいだろう。
 アザミが語ったように首に当たった時のクリティカル倍率が異様に高い。Mobであっても人型であれば大ダメージが期待でき、プレイヤーなら概ね死ぬ。尤も通常の倍率でも首がなくなればプレイヤーにはほぼ即死ダメージになるが。
 上記と同様にレベルに応じて性能が向上する。レベルによって解放される項目があることは武器ステータスから把握しているが、内容は所有者であるアザミにも開示されていない。

・クエスト後の迷い家
 誰もいないのは変わらないがいくつかの家が住める程度に修繕され、大木の中が転移門と化している。しかし転移門は一部破損のためか出るための一方通行となっており、これ以外に迷い家から出る手段もない。
 【滅ぼされた迷い家の復讐鬼】をクリアしたものとそのパーティメンバーだけは、迷いの森から迷い家に転移することが出来る。とはいえこのクエストはとある理由でカーディナルによってアザミがクリアしてから1ヶ月後には破棄されており、実質アザミ専用となってしまっている。この理由についてはまたいずれ。

 では今回はここまで。
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