第6話 出会い
銀「ここは…どこだ??」
銀が目を覚ますと、そこは慣れ親しんだ神樹館小学校の教室だった。
真っ先に須美と園子の姿を探したが、見当たらない。
銀「私、バーテックスと戦ってて、死んじゃったんだな……」
銀がつらい気持ちを紛らわそうと学校の外に出ると、前から何やら言い争いをしながら6人組が歩いてきた。
杏「もう!タマっち先輩も真面目に探してよー!」
球子「ごめん!いろんなお店があって目移りしちゃうんだよなー!」
千景「そもそも、乃木さんを信用したのが間違いだったのよ。やっぱり高嶋さんを信じるべきだったわ。」
友奈「ありがとー!ぐんちゃん♪」
若葉「何を、私は最後までひなたの勘を信じるぞ!」
ひなた「ありがとうございます、若葉ちゃん♪
おかしいですねー、神樹様の神託によるとこの辺りに居るはずなのですが。」
6人の様子を見ていて、居ても立ってもいられなくなった銀は彼女たちに声をかける。
銀「あのー、何かお探し物ですか?私でよければ手伝いますよ。」
ひなた「ありがとうございます!少しこの辺りで人探しをしているのですが、なかなか見つからなくてー。」
銀「人探しですかー、もしかしたら力になれないかも…」
球子「三ノ輪銀って名前なんだけどなー、1日中探し…」
銀「私だ!!」
銀が球子のセリフを遮るように被せた。
全員「えー!!」
若葉「君が三ノ輪銀さん?」
銀「はい!」
球子「やっと見つかったー!タマこのまま死ぬまで見つからないかもと思ったゾー。」
千景「もう死んでるけどね。」
友奈「はははー…」
銀「幽霊???」
若葉「しっかり説明した方がいいな。」
ひなた「そうですね。三ノ輪さん、少しお時間を頂いてもいいですか?」
銀「はい、大丈夫ですよ!」
ひなた「まず三ノ輪さん、ここはどこか分かりますか?」
銀「死後の世界…?」
ひなた「いいえ、実はここは神樹様の中なんです。神樹様が造った特別な世界。」
銀「でも私、バーテックスと戦って死んだはずじゃ…」
ひなた「確かに…三ノ輪さんはバーテックス
との戦いでお亡くなりになりましたが、神樹様は三ノ輪さんの蘇生を神樹様の内部でずっと続けていたみたいです。蘇生後は体全体が御姿となってしまいますが、それでも神樹様は三ノ輪さんに生きて欲しかったと。」
銀「そんなことが…」
ひなた「ですが最近、本気で攻め入ってきた天の神に対抗する力を勇者に与えた代償に、神樹様はいつ散華してもおかしくない状況にあります。そこで蘇生にエネルギーを使うことに反乱する神樹様の一部の神(反乱神)が蘇生を止めさせようとしているのだそうです。その反乱を鎮めるため、私たち西暦組の勇者が召喚されたということです。もちろん私たちを含め、この神樹内部の世界にいる人々はすでに昔に亡くなっている方々です。魂だけを呼び寄せた仮の姿とでも思ってくださいね。」
銀「うーん、少し難しいですねー。」
若葉「急にこの世界に呼び寄せられたのだし、無理もないな…」
友奈「銀ちゃん、私は高嶋友奈!この世界では中学2年生だよ、よろしくね!
不安なこともあるかもしれないけど、一緒に頑張ろ!」
球子「タマの名前は土居球子っていうんだ!趣味はアウトドア全般だな!よろしくなー!」
杏「私は伊予島杏です。中学1年生です。体を動かすことが苦手で、休日は家で本を読んで過ごすことが多いです。よろしくね、銀ちゃん♪」
千景「郡千景よ。趣味はゲームね。RPG、FPS、その他何でもやるわ。気になるゲームがあったら言ってちょうだい、貸してあげるから。」
ひなた「上里ひなたです。私は勇者ではなく、神樹様のご信託を聞く巫女をやってます。趣味は若葉ちゃんコレクションの収集です。よろしくお願いします、三ノ輪さん♪」
若葉「乃木若葉だ。趣味は特にないが、あえて言うなら居合だな。三ノ輪が無事に生き返られるように、私たちも死力を尽くして戦おう。よろしくな。」
銀の中で生き返られるかもしれないという希望と、再び戦わなければいけないという緊張が交差する。だか、再び愛する人々と再会するために覚悟を決める。
銀「神樹館小学校6年生、三ノ輪銀です。皆さんの足を引っ張らないように全力で頑張ります!よろしくお願いします!それと私のことは銀って呼んでください!」
ひなた「それでは、銀ちゃんの歓迎会も兼ねてこれからみんなでどこかお出かけしませんか?」
球子「いいなー!タマ、うまーいうどん屋に行ってみたいぞ!」
杏「もう、タマっち先輩ったら。銀ちゃんの歓迎会なんだから!銀ちゃん、何か食べたい物とかある?」
銀「私もうどんが食べたいです!この近くに美味しいうどん屋さんがありますよ!」
若葉「ならそこに行くとするか!」
千景「そうね。」
友奈「レッツゴー!」
銀「私、案内します!」
ひなた「よろしくお願いします!銀ちゃん♪」
こうして7人は夕日の向こうへと消えていったのだった。