球子「いーや、銀はタマとサイクリングに行くんだ!」
杏「だめだよ!今日は銀ちゃんのお洋服を買いに行くんだから。」
銀「あはは…」
若葉「やめるんだ2人とも、銀が困っているぞ。」
球子、杏「ごめんなさーい…」
銀が西暦組に加わってから1週間、今まで妹のいなかった西暦組の彼女らにとって銀は本当の妹のような存在になっていた。
明るくて人当たりの良い銀ならなおさらである。
ひなた「仕方ないですねー、それなら間をとって銀ちゃんに似合うトレーニングウェアを買ってからサイクリングに行くというのは?」
友奈「すごいよ、ひなちゃん!ナイスアイデアだね!」
若葉「銀はそれでもいいのか?」
銀「はい!私も一度本格的にサイクリングをやってみたかったんです!楽しみだな〜!」
杏「銀ちゃんに似合うトレーニングウェアかー、銀ちゃん可愛いからなんでも似合いそう♪」
球子「山沿いを走るか海沿いを走るかどっちがいいかな〜?」
千景「私はインドア派だし、家でお留守番しておくわ。」
友奈「えーっ、ぐんちゃんも行こうよ!きっと楽しいよ!一緒にサイクリングしよ?♪」
千景「行くわ。」
球子「切り返しはやっ!」
杏「私も普段はあまり外で遊ばないけど、今回は少し頑張ってみようかな!」
球子「無理はするなよー、杏。」
杏「分かったよ、たまっち先輩。ありがとう♪」
若葉「よし、では早速トレーニングウェアを買いに行くとするか!」
友奈「レッツゴー!♪」
(スポーツ用品店)
友奈「うわ〜、すごいね!こんなに種類があるんだ。目移りしちゃうよ〜」
ひなた「本当ですね、青に緑、あ〜んピンク色も若葉ちゃんに似合います〜」
若葉「ひなた…できるだけ派手じゃないやつにしてくれ…頼む。」
千景「高嶋さん、このピンク色の服とっても高嶋さんに似合うと思うのだけれども…」
友奈「本当だ!かっわいい〜!ありがとう、郡ちゃん!郡ちゃんはこの紫色のウェアが似合うな〜私とペアルックだよ♪」
千景「高嶋さんとペアルック…最高だわ!」
千景がふんっと鼻息を鳴らす。その横では杏が銀に試着させながら鼻息を鳴らしていた。
杏「あーん、赤に黄色にピンクに緑、何でも銀ちゃんに似合いすぎて決められないよ〜」
球子「タマは赤色が銀に似合うと思うけどなー」
銀「確かに、この赤色のウェアかっこいいですねー!これにします!」
若葉は青、友奈はピンク、ひなたと千景は紫、杏は黄、球子はオレンジ、銀は赤色のウェアを買い、サイクリングのために近くの山道に来ていた。
球子「よーし!ではこれからタマ特製のサイクリングコースについて説明する!」
銀「イェーイ!」
若葉「よろしく頼む、球子。」
球子「まず、山頂まで自転車をこいだ後、山頂から山のふもとまで一気に駆け下りる、そして海岸沿いの道を直進しながら学校まで帰るんだ!」
千景「初めに山頂まで行く必要があるのかしら?」
球子「それが気持ちいんだよー!風がフワーッとしてさ!」
友奈「そうだねー!風がフワーッときて、ビューってなりそうだね!」
若葉「球子と友奈には独特のセンスがあるな…」
ひなた「では早速行きましょうか!」
彼女たちは十分程度自転車をこいだ後、山頂に到着した。
球子「みんなで一斉に山を下るとぶつかるかもしれないから、若葉とひなた、友奈と千景、杏と銀とタマ、この3ペアに分けてスタートしようと思う。」
若葉「いい案だな、賛成だ。」
ひなた「(若葉ちゃんと自転車デート♪)」
千景「(高嶋さんと2人っきり…)」
友奈「楽しみだね、郡ちゃん♪」
杏「楽しんでいこうね、銀ちゃん♪」
銀「はい!思いっきり楽しみましょう!」
球子「どの班からスタートする?」
若葉「私たちの班から行こう。」
ひなた「はい!」
若葉とひなたが山頂から自転車を走らせる。
ひなた「風が気持ちいいですね、若葉ちゃん。」
若葉「ああ、ひなた!本当にいい気持ちだ!」
山頂では千景と友奈がスタンバイしていた。
千景「ここから、一気に下るのね。」
友奈「郡ちゃん、怖い?」
千景「いいえ、高嶋さんと一緒なら大丈夫よ。」
友奈「私も郡ちゃんと一緒ならどこまでもいけそうだよ♪」
銀「アツアツですね、あの2人。」
銀が小声で嬉しそうに杏に話しかける。
杏「そうだね、見てるこっちまで妬けちゃいそう♪」
球子「よーし、じゃあそろそろ千景と友奈もスタートだ!」
友奈が千景が後の配置で自転車を一気に走らせる。
友奈「うわー!風が気持ちいいね、郡ちゃん!」
千景「本当ね、高嶋さん。」
流れる風に黒髪をなびかせながら千景は考える。一度逃した機会は二度とやってこないかもしれない。そう考えた千景は後ろから友奈に向かって口を開く。
千景「高嶋さん!」
友奈「どうしたの?郡ちゃん。」
後ろを振り向かずに友奈が返事をする。
千景「いつも私の隣にいてくれてありがとう…!」
普段は恥ずかしくて言えない、胸の奥にしまっていた想いを伝えられた千景は清々しい気持ちだった。
友奈「私も!郡ちゃんのこと!だーい好きだよ!」
友奈は千景にはっきり聞こえるように大きな声で返したのだった。
少し間を開け、最後に杏、球子、銀のペアが出発する。
球子「ヒャッホーイ!楽しいなー!銀、杏!」
銀「はい!サイクリングしながらの景色も最高です!」
杏「待ってよー、たまっちせんぱーい。」
後ろから必死に杏が追いかける。
球子「ぎーん!」
銀の前を走る球子が声をかける。
銀「はい!どうしたんですか?」
球子「タマたちは頼りない先輩かもしれないけど、不安なこととかあったら遠慮なく頼ってくれよな!」
銀「はい!ありがとうございます!」
山道を下る3人を夕日が後ろから照らしていた。