FF14 異聞冒険録   作:こにふぁ

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「う、うむむ! なんと、なんという強さだ!」

「そんな、そんな! 我らが、風に吹かれる(あし)のようになぎ倒されるとは!」

 

 そう悲鳴を上げたのは、ふとっちょの鳥のような姿をした獣人、バヌバヌ族たちだ。

 バヌバヌ族は、眼前に立つひとりの男の前に膝をつき、くやしそうに地面を叩いた。

 

「ガハハハハ! 次はどいつだあ!」

 

 勝ち誇るように声を上げたのはトールだ。

 トールは鎖かたびらを脱ぎ捨て半裸になり、手を大きく振りながらリズムカルに体全体を動かしている。陽はとうに沈み、無駄に膨らんだトールの筋肉が、篝火(かがりび)の灯りで照らしあげられていた。

 

「うひゃひゃひゃ! いいぞぉトール! やれやれー!」

「サヌワって、あの飛獣? なにを食べてるの? どうやって繁殖するの?」

 

 篝火は俺たちが降りた浮島の中心に置かれ、トールたちはその近くで()()()()をしている。ココルとジンはトールの近くで踊りを見物し、ルッカはバヌバヌ族の生態を根掘り葉掘り尋ね回っていた。

 中央の篝火の他にも、点々と小さな焚き火が置かれ、バヌバヌ族たちがおもいおもいに過ごしている。

 

 結論から言って、俺たちを囲んだバヌバヌ族は良いヤツらだった。

 俺たちは武器を手にした彼らに囲まれたが、話し合いであっさり解決した。

 

 彼らはこのあたりで移動しながら生活する小さな氏族で、移動先で大騒ぎしていた俺たちを警戒しただけらしい。

 発情期のゲイラキャットのごとき叫び声だったと、バヌバヌ族が言ったとき、ルッカが顔を赤くしてうつむいた。

 

 幸いバヌバヌ族たちも共通語が使えたので、戦闘は避けられたが、彼らのうち血気盛んなものが勝負を挑んできた。なぜか、踊りで。

 

「ホゥホゥッ。まこと、まことに驚いたぞ、ヒトの仔よ。我らが舞手(まいて)が、ああもあしらわれるとはのう」

 

 俺の隣に立つ、ひときわ大きな頭飾りを付けた、バヌバヌ族の長が嬉しそうに喉を鳴らして言った。

 

「なに、おたくらも大したもんだぜ。ええと、ズンド族って言ったっけ? おたくら」

 

 俺はそう答えて、手に持った木の器の中身を飲み下す。

 果実をそのまま発酵させたシンプルな酒だ。酒精は強くはないが、芳醇な香りが鼻腔を抜ける。わずかに混じったドロドロの果実が、喉を通る感触が面白い。

 

「ホッホウ。否、否。かのような、ブンド族に泣きを入れる小胆な氏族ではござらん。我ら踊りと自由を愛す、まつろわぬ民、ヅンドの一族よ」

「……ズ……ヅンドね。はいはい」

 

 異種族の言葉を、聞き取ったり発したりすることはひどく難しい。体の構造からしてまるで違うのだから、当然といえば当然だ。だからこそ、共通語が広く伝わっている。

 

「とにかく。アイツが勝ったら、このあたりの風脈を詳しく教えてくれるんだろ?」

 

 俺は遠くでせっせと手足を動かすトールを指をさして言った。

 

(しか)り、然り。ただし、我らの依頼を受けてくれればの、話であるぞ」

「ああ、分かってる」

 

 そういう約束をしていた。

 依頼の報酬が”風脈”の情報というのも、冒険者のあいだでは良くあることだ。

 風脈はいわば空の街道だ。生活や流通に直結し、ましてや軍事にも使える重要な情報らしい。

 おいそれとは広められないのもわかるが、面倒なのでとっとと教えてほしい。

 

 わあっ、と歓声が上がった。

 俺と長老は声の方に顔を向ける。

 どうやら、トールが氏族一番の踊り手を降したようだ。大したものだ。トールには踊り子の適正があるらしい。

 長老は体をゆらし、表情の変化はわからないが、嬉しそうな声で笑った。

 

「ホッホッ。まっこと、良き踊り手よ。炎が如く赤色、それに分厚い黄銅色の(たましい)であるな」

「色? 魂ってのは、エーテルのことか。色でみえるのか?」

「我らバヌバヌには時折、魂を色として感じるものが生まれる。このノヌバヌも、その能があってこそ、一族の長にあったと言える」

 

 ノヌバヌってのはこの長老の名前だ。

 ふつう、エーテルってのは不可視だ。感じようとすれば存在することはわかる。そんな、空気みたいな感覚だ。戦技や魔術を放つ瞬間のみ、身にまとう圧縮されたエーテルを目に見ることができる。

 

「ふぅん。珍しいもんだ。便利じゃないか」俺は言った。

「ホホッ。人となりを見るには、便利よの……様々な果実を、混ぜこぜにして(かも)したような色の魂の御仁よ」

 

 ノヌバヌは大きなくちばしを俺に向け、続けて言う。

 

「よくも腐らず、飲めるのが不思議な酒のごとくヒトの仔よ。お主をただ腐敗させず、お主たらしめているものは、その器がためであろう。感謝するのであるな」

「…………」

 

 ノヌバヌは祝詞(のりと)でも述べるように静かに言うと、再び中央の篝火のほうへ頭を向けた。

 つられて顔を向けると、仲間たちが手を叩きながらぎゃあぎゃあと騒いでいるのが見えた。

 俺は軽く息を突いてから、ノヌバヌの言葉に答える。

 

「……そりゃあ占いか? 悪いが、興味ねぇな」

「それは、それは。失礼であった。ホゥホゥホゥッ」

 

 ノヌバヌは嬉しそうに喉を鳴らした。

 俺は手に持った酒の器を、ぐいとあげて飲み干した。

 

「決まったな。依頼は、たしかに引き受けたぜ」

「ホッホッ。重畳(ちょうじょう)、重畳。後で、地形に詳しいものを遣わせよう」

「あぁ、頼んだ」

 

 俺は酒器を足元においてから、その場を離れた。

 こっこっと音を立てて笑うノヌバヌの声が、後ろから聞こえていた。

 

 歩きながら空を見上げると、下界よりずっと近くに星々が見えた。

 篝火の灯りがつくる境界線は闇に溶けていて、一歩でも踏み出せば雲海に落ちてしまいそうに感じる。

この上なく開放されているはずなのに、闇は奇妙な閉塞感を覚えさせた。

 

 それでもバヌバヌ族たちは、明るくも落ち着いた雰囲気だ。羽毛で丸々とした姿や、大仰な話し方や身振りも相まってか、悠然として見える。

 美しいが過酷な土地だ。辛いことや悲惨なことがないはずはない。

 それでもそんな風に見えるというのは、きっと、彼らの在り方なのだろう。

 姿形の数だけ生き方に意味があって、姿形にかかわらず生きることに一生懸命だ。

 俺は柄にもなく、夜闇を受け入れて過ごす彼らに感動を覚えていた。

 

「どうしたの? 神妙な顔して」

 

 ふと、下から声をかけられた。

 目を向けると小さな焚き火のそばに、ルッカが座っていた。焚き火とのあいだには布を広げている。

 

「いやなに、バヌバヌ族どもさ。こんな暗い中で、脳天気な面してるのに感心してたんだ。……おっかなくねぇのかね、ってな」

 

 ルッカの前の布には、なにやらごちゃごちゃした機械的な部品が並んでいる。日課とか言っていた整備をしているのだろう。

 

「そうだね。きっと……夜目が効くんじゃないかな。ほら、変わった目の色をしてるし。失礼かもだけど、見た目、夜行性の鳥に似てない?」

「…………あっ」

 

 盲点だった。鳥目だけに。

 俺にはもうバヌバヌ族たちが、ただ普通に明るいところをうごめく、ふとっちょの鳥どもにしか見えなかった。

 

「俺の、感動をかえせ……」

「え?」

「なんでもねぇ……忘れてくれ。そうだ、ノヌバヌから受けた依頼のことなんだが……ん?」

 

 気を取り直して、用件を伝えようとしたところで、意外なものが目に入った。

 

「ルッカ。(じゅう)なんて使えるのか」

 

 それは拳銃や短筒と呼ばれるような、片手持ちの”銃”だった。

 

「あ、これ? ふっふっふ。聞いて。実はね、シルドラ号の素材集めの合間に、”スカイスチール機工房”で、機工士の技を教わってたの!」

 

 ルッカは銃をそっと持ち上げて得意げな顔を見せた。

 

「機工……? シドとかいうのが使ってるヤツか」

「それは、()()()。魔導技術が元ってところは一緒だけどね。()()()は製作技術とは違って、戦うための技術」

 

 魔導技術もまだ勉強中なの、とルッカは続けた。

 ルッカは鍛冶師や彫金師、その他のあらゆる製作技術を修めていた。船ひとつ作るには、それぐらい多様な技術が必要らしい。

 

 ところで、製作技術を持つ冒険者は多い。武具の修理や素材の見極めに必要だからだ。

 俺もウルダハで冒険者を始めたころ、錬金術師や彫金師を少しばかりかじっていた。追い出されたけどな。

 ギルドで安く(おろ)してるものを、冒険者の使うマーケットボードで高く売りさばいたせいだったか、逆にギルドの依頼を、マーケットボードで買ったもので済ませたせいだったか、その理由は忘れたが。

 

 とにかく、機工士というのは馴染みのない言葉だった。

 

「そうか、戦闘ができるに越したことはないな。詳しく聞かせてくれ」

 

 仲間が何ができるかは、把握しておかなくてはいけない。

 焚き火の前に腰を降ろすと、地面がひんやりとした。

 

「機工師と言えばシドって言うぐらいだけど……機工房の主任のステファニヴァンさんも、控えめに言って天才だよ」そう言うとルッカは、嬉々として魔道技術や機工房のことを話し始めた。

 

 はっきり言って、ほとんど理解できなかった。

 分かったのは、機工士には大きく分けて3つの武器があるらしいことだ。

 

 ひとつは銃。銃というと、ガレマール帝国が使っている印象が強い。だが、リムサ・ロミンサでも愛用しているものはそれなりにいた。俺が知っているのは火薬を用いたものだけだ。

 機工士の扱う銃はエーテルを作用させるもので、使用者のエーテル量に依存はするが高い威力を持たせることができるらしい。

 当然、ルッカのエーテル量では豆鉄砲もいいところだ。

 

 ふたつめはよく分からないが、なんらかの”機械”だ。なんでも大量の矢を放ったり、毒ガスを撒いたり、ドリルやノコギリをぶっ放す、マルチウエポンと言える代物らしい。物騒な話だ。

 ルッカは、これは教わっていないようだ。

 

「それでね、これが機工兵装って言って、装着者のエーテルを雷属性にする装置なんだけど、偏属性クリスタルによる属性変換の原理が……」

 

 ルッカは腰に取りつけた弁当箱ぐらいのサイズの機械を指差して、そのまま早口で詳しい説明を始めた。

 とっくに頭がパンクしはじめた俺は声を上げた。

 

「待て! 原理はもういい! それより銃もダメ、ドリルも無理って。じゃあ、なんの技が使えるんだ」

「そっちが詳しくって言ったのに……最後まで聞いて、3つ目があるでしょ。これは、見てもらったほうが早いかな? ふふ」

 

 そう言ったルッカは、どちらかといえば見せたくて仕方がない様子だ。

 ルッカは手を前に出した。上に向けた手のひらには、小さな球状のものが乗っている。なにかの装置のようだ。

 

「見ててね……来なさい──"オートタレット・ルーク"!」

 

 ルッカが小さく叫ぶと同時に、腰につけた弁当箱がジジッと音を立てて光った。

 手のひらの玉にエーテルが展開され、小さく稲光が散る。

 玉がひとりでに動き、左右に分かれ、中からそれが現れた。

 

『──フィィィイイインンッ!!』

「こ、これは……!」俺は驚きの声をもらした。

 

 空中に現れたそれが、鳴き声のような風切り音を鳴らしていた。

 見た目は、金属でできた杭だ。目玉のようなランプが付いている。

 杭の尖った方を地面に向け、てっぺんには、恐らく風車の羽のようなものが高速で回転していた。早すぎるため、半透明の円盤に見えてしまう。

 

「どう? これが機工士の第三の武器、”機工兵器”のひとつ、オートタレット・ルーク!」ルッカは得意げな顔でそう言った。

 

 つまりは自律して動く、戦闘力を備えた装置というわけか。言われてみれば、ウルダハの彫金師たちが作る魔法人形にもよく似ていた。

 

「お、おおー、すげぇ…………けど……」

 

 目の前に現れたオートタレット・ルークを眺めながら、俺は感想をもらした。

 

「ちっちぇ」

 

 俺とルッカの目の前をフヨフヨと飛んでるそれは、()()()()()()()だった。

 

 兵器というよりも、冒険者が連れ歩くミニオン(おもちゃ)の類に見えた。正直、戦闘の役に立つとは思えない。

 ルッカは肩をかくんと落として、小さくため息をついた。

 

「エーテルを雷属性に変換して動かすから……私のエーテル量じゃ、これが精一杯。エーテルさえあれば、もっと大きいのも呼べたんだけど……」

「……呼ぶって、どこからだ」

「シルドラ号から。底の収納に入ってるの。組み立て途中だけどね」

「いつのまに……そもそも動かせないなら、なんでそんなもん積んだんだ」

「うう」

 

 ルッカは顔をギュッとしかめて、手ぶりで玉のようなものを描く。

 

「な、なにか、こうエーテルが超凝縮されたものでも、見つかったら動かせるなって思って。せっかくお宝を探しに来てるわけだし」

「……そんな国宝級の宝、そう見つかってたまるか」

 

 大きなエーテルを動かそうとしたとき、普通はクリスタルや青鱗水に頼らざるを得ない。だがそれらは、出力の割には()()()()代物だ。

 だからこそ冒険者のような、身一つで大きなエーテルを操れる存在は重宝される。

 ルッカの言う、手に持てるサイズで大量のエーテルを貯蔵する物質なんてものは、兵器としての価値が高すぎる。そんなもの聞いたこともないし、手に入れたとしても危なすぎて、買い取り先も思いつかない。

 

 気を取り直して、俺は浮かぶオートタレット・ルークをつついた。

 

「それで、こいつは何ができるんだ?」

 

 オートタレットは空中で揺れて、まるで迷惑だとでも言うように、フィンフィンと風切り音を変化させた。なかなか面白い。

 

「そうね……おとり、とか。あと自爆すると、ビリッてする」

「想像以上に、しょぼいな。石でも投げたほうが早い……あいてっ」

 

 オートタレットを下に引っ張って遊んでいた俺を、ルッカがぽかりと殴った。

 

「もう! 嫌なこと言うなら返してよ! 戦いには期待しないでって言ったのに!」

 

 ルッカは俺の手からオートタレットをひったくると、カチャリとなにか操作をした。再び球状に戻ったオートタレットを、元のように仕舞い込む。

 

「わりぃわりぃ、そう怒るな」

「…………」

 

 俺は謝意を示したが、ルッカはむくれた顔でガチャガチャと手元の銃をいじっている。

 少しからかい過ぎたようだ。俺も荒くれ冒険者の口の悪さに、すっかり慣れてしまっていたようだ。トールやココルのせいだな。

 とりあえず俺は、この新人冒険者の機嫌をなおすことにした。

 

「……なぁルッカ。俺たちは長旅のあとは、海都リムサ・ロミンサによく行くんだ」

「…………」

 

 ルッカは無視するが、俺は気にせず話を進める。

 

「知ってるだろ? あの都市は飯も酒も一級品だ。この冒険が終わったらまた行くはずだ。そしたら、レストラン”ビスマルク”でごちそうするぜ。俺のおごりだ」

「…………”ビスマルク”?」

 

 ルッカは耳をピクリと動かし、それから小さくつぶやいた。

 意外な名前を聞いて、我慢できなかったのだろう。

 

「そう、”ビスマルク”だ。リムサ・ロミンサにある、高級レストランの名前なんだ。あの蛮神の名前を聞いたときに、気にかかってたんだが……バヌバヌ族の伝承から取ったんだろうな」

「……ふぅん」

 

 エオルゼア随一とも知られるレストラン”ビスマルク”は、調理師ギルドがあることでも有名だ。超一流とも言える調理師がごろごろ出入りしており、常に新しいレシピが生まれている。

 

「あの店は美味いぜ、それに景色も良い。夕方、まだ明るいうちに行くのが良いんだ。テラスにいると、空の色が変わるのに合わせるように飯が出てくる」

「…………」

 

 リムサ・ロミンサの白い石灰岩の石畳が、ラノシアの陽光を反射させるのを想像しながら、俺は続ける。

 

「おすすめはアレだな。空一面が赤く染まるころに、良い匂いがただよってくるんだ。出てくるのは、ドードーをほとんど丸ごと、塩で固めて焼いたヤツだ。

 東方のスパイスをふんだんに使ってる。塩のカマが割れると、閉じ込められてた肉とスパイスの香りがぶわっと……」

「…………んぐ」

 

 ドードーの話をしたところで、ルッカはのどを鳴らした。どうやら景色のような視覚的なものより、味覚や嗅覚を優先するタイプらしい。

 

「ワインは好きか? そうなら猟師風エフトキッシュもおすすめだ。エフトってのは川や湿地なんかにいるカエルみたいな魔物でな。見た目は悪いが、肉はあっさりとしていてチーズやパイともよく合う。

 持ち込む酒を伝えておけば、それに合わせた料理を出してくれるぜ。好きなワインの銘柄があるなら、それを言っておこう」

 

 俺はさらに、食事の風景を想像させるように言う。

 再び喉を鳴らす音が聞こえた。

 

「うひゃぁ、うまそう…………おい! ホントにおごりなんだろうな!」

「ああ、もちろんだ。あの街には知り合いも多いからな、予約も割り込ませてもらうさ」

 

 その嬉しそうな声に、俺は安請け合いをした。

 正直、あんな高級レストランでそんなフルコースを頼んだら、目の飛び出るような金がかかる。予約の割り込みなんていくらチップが取られるかわからない。

 しかし、この冒険で一攫千金するはずなので、問題はないだろう。

 

「あそこは滅多に行けねえからなあ。フン。てめえにしては太っ腹じゃねえか」

「なに、気にするな。仲間入り記念ってやつ…………あ? ……おい、待て。ココル、トール、ふざけんな。お前らは自腹だ」

 

 声色に違和感を感じて目を上げると、ココルにトール、ジンが焚き火を囲んでいた。

 

「加入祝いだ? 俺はそんなのされた覚えはねえな」

「なんならココ、お前らにおごったんだけど……? ずるくない?」

「ぜぅ」

 

 次々にろくでもない主張をする仲間に、俺は頭痛を覚えながら一息で言う。

 

「トール、おまえと組んだときは二人だった。加入祝いもクソもあるか。ココル、あれは自分で出させろって言ったんだろ。まぁ美味かったぜ。

 ……ジン、おまえ最初に会ったのは、クイックサンドだったな? 飲み過ぎて記憶がねぇ……そもそも、金持ってたか? 払ってないなら、返せ。今すぐ。俺に!」

 

 俺たちがぎゃあぎゃあと言い合っていると、大きな影がふたつ、そばに現れた。

 

「ホゥッ、ここにおいでであったか」

 

 目を向けると、ノヌバヌがもうひとりのバヌバヌ族を連れて立っていた。

 そのバヌバヌ族も例に漏れずふとっちょの鳥のような姿だ。羽飾り以外では見分けがつかない。

 

「ホホッお待たせした。この者はゾルバリ。我らが氏族で、もっとも風を読むのが上手い者よ」

 

 ゾルバリと紹介されたバヌバヌ族が、前に一歩でて(くちばし)を開いた。

 

「ヨロシクなッァ! 客人ッゥ! 風脈はあーしがバッチリおしえてやるぜッェー!」

 

 威勢よく片手を上げて言うゾルバリは、他のバヌバヌ族とは違う個性的なしゃべり方だった。

 俺は立ち上がって答える。

 

「よろしく頼むぜ、ゾルバリ。……ところでおたく、黒衣の森に親戚いない?」

 

────────────────────

 

「ッつーわけで! オタクラへの依頼なッァ、エンディミオンっつぅ魔物の退治とッォ! 木に生える木の実の採集だッァ! 木に生える木は昼前に実を付けるんだが、すぐ食われちまうからなッァ! 時間厳守で頼むぜッェ!!」

 

 地図ばんばん叩きながら、まくし立てるようにゾルバリは喋った。

 俺はうなずいてみせ、答える。

 

「引き受けたぜッ! おぉい、トールゥッ! 木の実の見分けはつくかァ!?」

「喋り方が移ってるぞ、フロスト(まぬけ)。……木に生える木ってのは、宿り木、ミスルトゥのことだな。下界とは違え性質みてえだが、まあ、見ればわかるだろ。それよりもだ」

 

 トールはのっそりと体を前のめりにさせ、言葉を続ける。

 

「”ビスマルク”のことだ。あのバケモンがどこを彷徨(うろつ)いてんのか、それを聞かなきゃ船なんて出せねえぞ」

 

 威圧するような口調だった。俺はそれをとがめはしない。

 後ろ盾のない冒険者は、足下を見られがちだ。つまらない話だが、こうやって無理にでも立場のバランスを取ることが必要ではある。

 

「あーッァ……雲神様なァ……」

 

 ゾルバリは予想以上に狼狽(うろた)えた。ゾルバリが頬のあたりをかいていると、ノヌバヌが助け船を出すように答えた。

 

「ゾルバリ、ゾルバリよ。あれは偽りの神に過ぎぬよ。この者たちが()()を害しようと堕とそうと、我らの信仰が(かげ)ることにはなるまい」

「……ッ。(おさ)ァ……」

「客人よ。気を悪くしないでもらいたい。このゾルバリは、雲神様が好きなのだ。まるでひな鳥のように、かの神に憧憬(どうけい)を覚えている」

 

 なるほど、と俺は思った。

 蛮族と呼ばれる種族にとっても、蛮神に対する感情は様々だ。偽りの神と忌避するやつらも多い。

 それでも、信じる神の姿形をしたものだ。畏敬の念を持つやつがいても不思議ではない。

 

「すまねェ……客人。でも長が、そういうなら……。雲神様はァ、この雲海を大きく巡るように泳いでおられるゥ。クリスタルを含んだ浮島を食らうことがあるがァ、巡回する経路を避ければ危険はないぜェ……」

 

 ゾルバリは気落ちしたように、指で地図上に経路を示した。

 その指先は、少し震えていた。

 

「フン……安心しな。別にあの神サンをやっつける気はねえ」トールが、そう言った。

 

 ゾルバリはぱっと顔を上げて、明るい表情(たぶん)を見せた。

 

「そ、そうかッァ!? いや、下界のヤツラは、神様すら倒すって聞いてたからなッァ。アンタ、良いヤツだなッァ」

「フッ、よせよ。俺らは別に、この土地を騒がせたいわけじゃねえ」

 

 トールは鼻を鳴らして、答える。

 言うまでもないが、そもそも無理だ。蛮神退治なんて軍隊か、極一部の規格外の連中のやることだ。当然、あんなの二度と会う気はない。

 

 そんなことを知らないゾルバリは、尊敬の目をトールに向けながら言う。

 

「イヤ、良いヤツだッァ! 舞いが凄ェだけじゃなくって、心も広ェんだなッァ!」

「よせって言ってんだろう……舞いなんて初めてだぜ」トールがさらに調子に乗ったように言うと、ゾルバリは手を振り上げた。

「は、初めてだってッェ? 凄ェ、凄ェぜッ!!」

 

 すっかり、英雄のような扱いだ。トールはまんざらじゃない顔で、ニヤニヤとしている。

 ゾルバリの態度も無理はない、か。

 異国の来訪者が身内の戦士を、踊りとはいえ楽々と下したのだ。そのうえ侠気(おとこぎ)めいたものをみせられちゃ、やられちまうのも仕方がないだろう。

 

「うひひっ。こういう扱いも久しぶりだね。フロスト」

 

 ココルが俺の横で、ゾルバリが持ってきた酒をぐびぐびと飲みながら、うれしそうに言った。

 

「ああ、そうだな。クリスタルブレイブを追われてからこっち、にらまれっぱなしだったからな……悪くない気分だぜ」

 

 立場のバランスなんてものは、考える必要はなかったみたいだ。トールのおかげで、彼らはこの上なく友好的だ。

 俺も酒の入った器を口に寄せて、自然と緩む頬を隠しながらそう答えた。

 

 ゾルバリは興奮した様子で言葉を続ける。

 

「みんなの言う通りだッァ! みんなアンタのこと、こう言ってるぜッェ!

 ”猛き炎に鍛えられた()()()”みてぇなヤツだってなッァ!」

「「っぉぶっふぉおッッ──!?」」

「キャア! 汚いっ!」

 

 俺とココルは同時に、口に含んだ酒を吹き出した。

 突然、トールの不名誉な二つ名を耳にしたからだ。悲鳴を上げたのはルッカだ。

 

 俺は鼻の奥に潜り込んだ果実の、不快な感触を味わいながら、手を顔の前に上げた。

 た、猛き炎に鍛えられた大金鎚が、憤怒の表情で拳を振り上げている。 

 

「ゴホッ! ま、待てトール!! ぶふッ、今のはしょうがねぇだろ!!」

「ゲホゲホッ! ぶひゃひゃッゲホッゲホゲホッ!! ひぃっっ!」

「コ、ココルちゃん、大丈夫? み、水!」

 

 ココルは気管の入りどころが悪かったらしく悶絶し、ルッカに介抱されている。

 

「な、なんだァ? あーし、悪いこと言っちまったかッァ?」

「ホゥホゥホゥッ! まこと、まこと良き器のようだ!」

 

 バヌバヌ族のふたりはのん気に、そんな言葉を交わしていた。

  俺は、この小さな氏族の英雄が無言で拳を振り下ろしてくるのをひたすら避けながら、思った。こんな夜も、冒険の醍醐味というものだ。

 

 

────────────────────

 

 

「……ふう。これで全部か?」

 

 そう言ったのはトールだ。

 俺は周囲を見回し、この広い浮島に敵がいないことを確認する。

 見えるのは空に高く昇った日と、浮島の隙間から見える白い雲海だけだ。

 

「……あぁ、トール。問題ない」

 

 俺はそう言って目の前の、巨大な鳥型の魔物の死骸を眺めた。

 俺たちが倒したのは依頼にあったエンディミオンという魔物だ。人ひとり楽に担ぎ上げそうな大きな魔物で、羊のようにねじ曲がった角を生やしている。

 

「ルッカー、ゾルバリが言ってた羽根って、この部分?」

「あ、待ってココルちゃん。プライヤー使うから。綺麗な状態のほうがいいよね」

 

 屍肉に群がる小動物のように、ココルとルッカがエンディミオンに近づいて羽根を引っ張り始めた。

 ココルのそばには、オレンジ色に光る魔法生物、カーバンクルがこそこそと動いている。

 

 戦闘は危なげなく終わった。

 トールが敵を引きつけ、俺とジンが敵に致命傷を与える。ココルは魔術でサポートしていた。

 ルッカは戦闘に参加しないが、こうして魔物の死体から、ていねいに素材を剥いでいる。ルッカには地形の把握も任せていた。もともと俺がやっていたことだが、俺よりもずっと正確に地図を書いた。

 

 悪くないパーティだと、俺は思った。

 ここにいるのは皆、言ってしまえば、()()()()仲間になった連中だ。

 それがここまで良いバランスになっていた。みなそれぞれの役割を果たしている。

 

 ただひとつ、懸念点を除けば。

 俺が眉を寄せて考えを巡らしていると、トールが低い声で言う。

 

「なんだ、フロスト。そのつまんねえ(つら)は。なんか問題あるかよ」

「おまえほど笑えるツラにはなれねぇよ。ま、待て、冗談だ……問題はねぇ。よくやってるぜ、お前は」

「……フン。くだらねえ気ィ回すんじゃねえぞ」

 

 鼻を鳴らすトールの言葉に、俺は肩をすくめて返した。

 たぶん、トールには俺の気にしていることがわかったのだろう。

 だが現実的には、考えなきゃいけないこともある。

 

 これは、冒険者としての生き方を問われているタイミングだ。

 新しい土地の魔物は強く感じる。当たり前のことだ。戦い方も、生物としての構造にも慣れていない。

 それなりに強いつもりでいる。今まで冒険をした土地なら、危なげなく生きていくこともできるだろう。

 新しい世界を切り開きながら生きる、仲間はそれを望むだろう。だがこのままでは足りないものもある。俺は、俺はどうしたい。

 

 

 じりりりりりりりん、という音に思考を中断させられた。あらかじめセットしていたアラームの音だ。

 

 音の方に顔向けると、ルッカが懐から懐中時計を取り出して言った。

 

「もうこんな時間? フロストー! もう出ないと、ミスルトゥの採取に間に合わないよ」

 

 ヅンド族たちから頼まれた依頼には、採集も含まれていた。

 ルッカの時計は正確だ。俺はルッカにうなずいてみせ、それから声を上げた。

 

「よし! 羽根集めはそのへんでいい。まとめてくれ。トール、シルドラ号の──」

 

 視界の隅に入ったものが、ほとんど自動的に意識の優先順位を更新した。

 

 トールが背にかけた斧に、そっと手を回した。

 

「……フロスト、なんだ。どこだ」

 

 俺はなるべく、自然な動きになるよう注意しながら、言う。

 

「東、浮島だ。ここより高い。顔を向けるなよ。人影がふたつ」

 

 俺が目の端でとらえた影。

 ひとつは真っ黒な鎧を身につけた巨大な影だ。肩と頭部が盛り上がった、異様なシルエットだ。

 もうひとつの影も、黒い。そちらはローブだろう、ひらひらしたものを身につけている。こちらはずいぶんと小さい。隣の鎧のやつの、半分もないように見えた。

 ルガディン族と、ヒューラン族の組み合わせにしても差が大きい。

 

 だが、俺の脳に警鐘を鳴らしたのは、身長の違和感じゃない。

 ふたつの影は、明らかに()()()()()()()()

 

 トールは目だけをぎょろぎょろと動かし、それから目を細めて言った。

 

「敵か? ……おい。ひとりしか見えねえぞ」

「敵かはわからねぇ、とにかく……なに? ひとりだと?」

 

 俺は目を動かし、件の浮島に向けた。それから息をのんだ。

 そこには、()()()()()

 

「フロストォ! そっちじゃねえ!! 上だッ!!」

「ッ!? 全員警戒──!!」

 

 俺の声はズドンという地響きにかき消された。

 俺たちのそばに落ちてきたのは、巨大で、真っ黒な塊だ。

 

『フフフフフ……!!』

 

 黒い塊が、低く音を響かせながら、二本の足で立ち上がった。

 唖然とする俺たちの顔が、その動きに合わせて上を向いた。それほどに、大きい。

 とんだ見間違いだ。()()()()()()()()

 立ち上がったそれが身にまとっているのは、まがまがしくそりかえり硬質化した、()だ。

 そしてその頭部は、ドラゴン族に酷似していた。

 

「そんな……()()()()!?」ルッカが小さく叫んだ。

「違う……もっと上位だ、フロスト! ()()()()()()()だ!!」

 

 ココルが本を開きながら、声を上げた。額に汗を浮かべている。

 

半人半竜(ウェアドラゴン)……!?」

 

 イシュガルドの民にとって、それは大きな違いがあるのかもしれない。だが、シリクタも、ウェアドラゴンも、俺からすれば大した違いはない。

 それはつまり、人型の竜だ。

 巨大な体躯の上に乗った頭、長く伸びた吻。角。牙。クソッタレめ。竜そのものだ。

 

 俺たちは意味もわからないまま、臨戦態勢をとる。

 牙をむきだしにしている竜頭の化け物が、ゆっくりと背筋を伸ばすように体を起こした。

 

『フッフフフッ──フロストォッ! 会いたかったわよォオ!!』

 

 その化け物が発した言葉に、俺は短刀を落としそうになった。

 仲間が目をむいて俺を見る。

 

「し、知り合いか?」トールが、竜人を睨み付けながら言う。

「そうなの? な、なら、ココたち先行ってるからさ。2人でどうぞごゆっくり……」ココルが震える手で本の頁を捲りながら言った。

 

 察しの悪い仲間の、冗談に思えない軽口に俺は返すことはできなかった。

 

「まさか、生きたのか──()()()()!!」

「……ジャンヌ? ……な、なにィッ!?」

「えっ! 神殿騎士の!? せ、背ぇ伸びた!?」

 

 トールとココルが声を上げた。驚くのも無理はない。

 イシュガルドで俺たちをはめようとした神殿騎士のジャンヌに、その面影はない。

 

『フフフフ、そうよぉ。見違えたでしょう? 見て、この体。なんて、力強く、美しい……竜のカラダ……』

 

 丸太のように膨れ上がった両腕を広げて、ジャンヌはうっとりした表情でそれを眺めている。

 

『あの時、爆風に吹き飛ばされたあと、ワタシは確かに死ぬ寸前だったわ……』

 

 ジャンヌは芝居がかった仕草をしながら、言葉を続ける。

 

『ワタシを見つけたあの黒仮面が、竜の血を注いでくれなければ、死体となって待っていたでしょうね。来ることない、クルザスの雪解けを……』

 

 その巨体から発せられる低い声は、まるで地獄に通じる穴から響くように聞こえた。

 

「……おいフロスト。あれと同じか。()()()()()の……!」隣のトールが呻くように言った。

「ああ、確かにそうだ。マディソン船長だろ……クソッ、あれよりヤバい……!」

 

 ずっと前だ。まだトールと2人組だったころ、ラノシア地方で受けた依頼で、こんな風にエーテルの影響で化け物になった人間と戦ったことがある。

 そのマディソン自体は木っ端海賊の頭で、取るに足らない小物だった。

 それでも異形となったあとは、2人がかりでも歯が立たなかった。変異に体が追いついていない隙を、なんとか突けたからやり過ごすことができた。

 

 目の前に立つこの化け物は、マディソンよりも格が上に見えた。

 体もすっかり、馴染んでいるようだ。

 敵わない。俺ははっきりとそう感じた。

 

「よ、よかったじゃないか……ジャンヌ。なぁ、イシュガルドのことは水に流そうじゃないか……あの国は、俺たちも追い出されたんだぜ」俺はそっと周囲を見渡しながら言った。

 

 こいつを助けた黒仮面というのは、さっき見えたもうひとりの黒ローブだろうか。

 その黒仮面とやらの正体も目的も見当はつかないが、その気配は近くには感じない。

 少なくとも今、俺たちを狙っているのは、コイツだけのようだ。

 俺はゆっくりと、言葉を続ける。

 

「なかなかいかしてるぜ、その姿。竜になりたかったんだろ? 望み通りじゃないか。それなら、俺たちが争う必要はない……そうだろ?」

『フフフ、フフフフフ…!』

 

 俺は、必死でこの場をやり過ごす手段を考えながら、しゃべり続ける。

 

「……そ、そうだ、ウルダハのコロシアムに出てみないか? ツ、ツテもあるんだ。きっとおまえなら大人気に──!」

「ダ、メ。ダメよぉ。あの黒仮面に貸しもできたわ……あの人、あなたたちが邪魔らしいの。

 それに、フフ、ワタシも、あなたに借りを。あの、這い寄る死の恐怖を……返したい……ウフフ』

 

 ジャンヌは頬まで裂けた口を開いた。笑っているつもりだろうか。

 

『だから、フフフ……ウフフフフッ! ハァッハハハハ──ッ!! 全員ッ!! ミンチにしてやるッッ!!!』

 

 がぱぁと、大きく開いたジャンヌの口が、真っ赤に光った。その顔は、シルドラ号に向いている。

 クソッタレ、最悪だ。

 浮島であるこの場所からは船がないと逃げられない。

 だけど、それは最悪だ!!

 

「ココル! やめろッ!!」

「──”ルインラ”ッ!!」

 

 高速で放たれた光弾がねじれた軌道で飛び、ジャンヌの頭にぶち当たった。

 

 ココルの魔法だ。真っ先に敵に当てた。”()()()()()()()()()()()()()()!!

 

 光弾が弾け、ジャンヌの頭が外向きにねじれた。そしてすぐに、その目がココルを捉えた。

 俺は地面を蹴り、前に飛び出しながら声を上げる。

 

「ジャンヌッ! こっちを──!」

 

 ジャンヌは俺を無視して、顔をココルに向ける。その開かれた口内が爆発した。

 

 ひと抱えはあるだろう火の塊が真っ直ぐに飛び、ココルを巻き添えにして地面をえぐった。

 バキンと砕けるような音とともに、ココルの体が弾かれて、まりのように二度地面を跳ねた。

 

 そのまま伏せるようにして、ピクリとも動かない。

 

 俺は息をのみ、固まってしまった。

 

「なっ……ココル──ッ!!」

 

 俺の意識を動かしたのは、トールの大声だ。

 ココルに向かって踏み出したトールに、俺は叫ぶ。

 

「トォ──ルッ!! おまえは正面!! 正面だ!! 行け!!」

「ぐっ……クソッタレが!! 八つ裂きにしてやる!!!」

 

 トールは踏み止まると、斧を振り上げジャンヌに突進する。ジンは同時に鞘を払い、駆けだした。

 

 ジャンヌが、口の端から火の粉を散らして哄笑する。

 

『フハハハハァッ!! まずは、ひとり……!!』

 

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