FF14 異聞冒険録   作:こにふぁ

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紅蓮編
1−1


 

「”イカの姿の妖異が横たわっていた……”か。フフッ」

 

 俺がその本のバカバカしい内容に思わず笑うと、声はかすかに反響して広がった。

 部屋は非常に広く天井も高い。壁一面が本が埋め尽くされ、本棚に沿うように設置された床にも本が散乱している。

 一生かけても読み切れるとは思えない数だ。

 静かで落ち着いた雰囲気と本の匂いは心地よいが、この空間に存在する文字の数を考えると頭痛がした。

 本が多いのも当然だ。

 低地ドラヴァニアにあるここは、”グブラ幻想図書館”と呼ばれている。

 

 ずっと昔に打ち捨てられたこの場所は、魔法生物の巣になってるという話だった。だが魔物の一匹もいない、きれいなものだ。

 ところどころ戦闘の跡があったから、先に入った何者かが倒して回ったのだろう。

 

 とはいっても、俺はなにもここに本を楽しみに来たわけではない。

 とある情報を求めてこの場所にやってきた俺は、適当に扉を開けまくって目当てにかなう本を探していた。

 しかし……

 

「死すら留める”心の臓の刃”、切なる願いを込めた”聖石”、挙げ句の果に”燃える鳥”ときたか……どれもおとぎ話だな」

 

 見つかったのは荒唐無稽なものばかりだった。

 もう少しまともな内容の本があれば、ページをちぎって持って帰ろうと思っていた。だが、この調子じゃ役に立つ情報は見つからなさそうだ。

 

 俺は本を放り投げて、手すりの隙間から吹き抜けになった階下を見下ろした。

 石造りの床の中央に焚き火が点っており、その前に背の高い男があぐらを組んで座っている。

 

「ジン……おいジン! 飯はまだか?」俺は男の名前を呼んだ。

 

 ジンは俺を見上げると、ニコニコと微笑みながら首をかしげた。

 

 ジンの側頭部、耳に当たる部分からは雄山羊のような、白くうねった”角”が生えている。アウラ族と呼ばれる、ここエオルゼアではあまりみない人種だ。

 体にぴったりと合っていない、ヒラヒラとした異国の服をまとっている。

 ジンのかたわらには片刃の剣、”刀”が置かれていた。今は鞘に収まっているが、鋭く研がれた刃がひどく美しい武器で、実際ここらでは芸術品としても出回っている。

 

 この男、出自はよくわからないがとにかく腕が立つ。

 東方の”侍”と呼ばれる剣士らしいが、こいつがいなかったら全滅していた場面は何度もあった。

 俺たちはしょせん寄せ集めだが、それにしてはもったいない強さだ。

 ただひとつ問題なのは──

 

「なんさてぃすらみぃ」

「何?」

「いぐにぃすなんくれしぃっと」

「……もういい、分かった」

「つぃつぃやっ」

「……」

 

 問題なのは、何を言っているのかわからないことだ。

 この男、信じられないことに共通語が使えない。雲の上で会った少数部族の蛮族ですら使っていたというのに。

 いったいどこの星からやってきたのだと疑いたくなる。

 この図書館には情報収集に来たのだが、俺自身を含めて、どう考えても人選に失敗していた。

 しかたがない。他の仲間は”修業中”なのだ。

 

 俺は手すりを乗り越えて階下に飛び降り、ジンのところまで歩み寄った。

 ジンは木の枝を手に取り、焚き火と交互に指をさした。

 

「ああ、薪が足りないって? ”燃えるもの”ならたくさんあるだろ」

 

 俺が本棚のほうに顎をしゃくってみせると、ジンは眉を潜めて首を振った。思ったよりも真面目なやつだ。

 

 俺はそのまま焚き火の前に腰を下ろして、五徳代わりの瓦礫に置かれた鍋を見つめた。水の張った鍋の中には麦を潰して乾燥させたものが入っていて、ふつふつと泡が立ち上がっていた。

 具なんてない、味気ない食事だ。

 

 並べた細い枝を順番に火に焚べていたジンが、枝を手に持ったままピタリと止まった。

 そして少し真面目な顔で、俺をちらりと見た。

 

「わかってる」俺は鍋から目を動かさずに言った。

 

 焚き火の光が届かない、離れた大きな柱の影。

 何者かの気配がこちらを伺っているのがわかった。

 

「とりあえず様子見だ──おい、塩は入れたのか?」

 

 勢いを失いつつある火が、一度大きく揺らめいた。

 

 

────────────────────

 

 

「どう思います? アニキ」

 

 大きな柱の影に、男がふたり。

 片方の男が伺いをたてるように、もう片方にささやいた。

 

「冒険者……いや、盗賊だろう」もう片方の男が答えた。

「そう思います。いかにもこそ泥ってツラです。どうしましょう。お頭に知らせにいくか、それとも俺とアニキで始末をつけちまうか」

 

 はじめに言葉を出した下っ端らしい男は、そわそわとした様子で言った。

 

「いや……背の高いほうは、ずいぶん強そうだった」男は自信なさげに言った。「無理することはない。お頭に報告しに行くぞ」

 

 はやる下っ端を制して、兄貴分の男は柱の影からそっと部屋の中央の方をのぞいた。

 

「なッ!?」兄貴分は小さく声をもらし、下っ端を叩いた。「おい! 片方いねえぞ!? ヒューランのほうだ!」

「な、なんだって!?」

「そいつはてぇへんだ!」

 

 男はふたり、頭を縦に並べて顔を出した。

 ”俺”は後ろから同じようにして、顔を並べた。

 

「うわ!?」「なッ!?」俺に気づいた二人が声を上げた。

「あ、ひょっとして、俺のこと探してた?」

 

 なんてことはない。視線が切れたのと同時にここまで忍び寄ってきただけだ。()はこういうのが専門だった。

 兄貴分のほうはすばやく体を転がして柱から飛び出したが、俺は出遅れた下っ端の方に、右手の武器を押し付けていた。

 

「動くな。これは”銃”だ。わかるか?」

「ウッ……すまねぇ、アニキ」

 

 下っ端はぎくりと体を震わせると、そのまま硬直した。

 

「ぐッ、弟よ、動くな。大丈夫だ」

 

 兄貴分……というより実際に兄だったらしいそいつは、弟に手のひらを向けながらゆっくりと立ち上がった。

 

「銃か……貴様、リムサ・ロミンサの”銃術士”か?」

「いいや、”機工士”さ……一応」ギルドに入ったわけじゃないが、俺はそう答えた。

 

 機工士とは銃と様々な機工兵器を操る、”皇都”イシュガルドにあるスカイスチール機工房が発祥の戦闘集団だ。 

 ただし俺は工房と関係はないし、機工兵器も()()()しか使えない。

 俺の右手にあるエーテルで弾丸を加速させる銃も、唯一の機工兵器も、工房で作られたものではない非正規品だ。

 まあ、俺自身が非正規品のようなものだが。

 

 兄の方がそっと、自分の腰の剣に手を触れたのが見えた。

 

「おっと、お前も動くんじゃない」

 

 俺は()()()()()()()()()を、そいつの眉間に向けた。

 こちらは火薬で銃弾を飛ばす短銃だ。シリンダー型の弾倉を備えており、ある程度の連発が可能だ。都合よくこの図書館に落ちていたものだ。

 

「……二丁持ちだと? 貴様、やはりリムサ・ロミンサ出だろう」

 

 名物提督のマネだって言いたいのか? だがリムサ・ロミンサが出自というのは、間違いではない。

 

「元双剣士でね、両手に得物がないと落ち着かないんだ」

 

 俺は狙いを左右同時につけたまま、何歩か下がる。

 そして銃口を小さく動かして指図した。

 

「ほら、後ろを向いて武器を捨てろ。命までは取らない」

「クッ……」

 

 ジンが、スタスタと散歩でもするように近づいてきた。

 それを見てようやく観念したのか、兄は悔しそうに頭を左右に振った。

 

「チッ……分かった、言う通りにする」

 

 武器を捨てるのを見てから、俺は狙いを男たちの頭から外した。

 ジンが俺を見てニコニコと笑っていた。

 俺は2つの銃口で、にやける口元を隠してジンに言う。

 

「ちょ〜っと、格好よすぎたか?」

 

 

────────────────────

 

 

「すんませんしたーーっ!!」

 

 俺は石畳の地面に、膝を付いて高らかにさけんだ。

 ここはグブラ幻想図書館と同じく、低地ドラヴァニアの地にある街だ。

 もともとこの辺りにはシャーレアンと呼ばれる都市があった。研究や知識の収集をするのが趣味の都市だったが、15年ほど前に突然消え失せた。打ち捨てられた図書館の由来も、そのシャーレアンだ。

 人のいなくなった都市に、ゴブリン族やら宿無しの連中が集まって形作られたのが、この”自由都市”イディルシャイアだ。

 

「こっちに非がないとは言わないよ。アンタたちのことを盗賊と決めつけてかかったんだろう?」

 

 街に戻るなり俺たちを取り囲んだルガディン族の女、ミッドナイト・デューが俺の頭上でそう言った。

 

「えぇ、えぇ。そうなんですよ。俺たちゃホント善良な冒険者で……」

「でも……弁解も聞かず、身ぐるみを剥いで魔物もうろつく外に放り出すのは、ちょっとやりすぎじゃないかい?」

「チッ、命があっただけありがたく思えってんだ……いえ、なんでもありません! すぃまっしゃたーー!」

 

 ミッドナイト・デューはイディルシャイアを根城にしているトレジャーハンターで、ここらの冒険者の顔役のようになっているようだ。

 

「……頭を上げなよ。ええと、フロストっていったっけ? アンタ」

 

 ミッドナイト・デューはため息をついて俺の名前を呼んだ。

 俺はゆっくり立ち上がりながら、手もみしする。男女ともに巨体で知られるルガディン族だ。自然と見上げる形になる。

 

「いや、へへ、確かにそいつは俺の名前で」

「ふうん。ヒューランにしちゃ変わった名前だね。どちらかというとアタシら(ルガディン族)のセンスだ」

「…………えぇ。おかげさまで」

 

 とにかく、とマウンテンヂューは前置きした。

 

「あの図書館にはまだまだ貴重な本が埋まってるんでね。物の価値をわからない連中にダメにされたくないのさ。そのあたりに気を配ってくれれば、アタシらも咎めはしないよ」

「そりゃもちろん! 本は人類の宝! ページ千切ったりしてねぇよなァ!? ジン!」

「…………」

「……お仲間さんは、渋い顔をしているようだけど?」

 

 

 ルガディン族の女は手下の男を連れて去っていった。

 俺はその背が十分に小さくなるまで見届けた。

 

「フン、自警団気取りか? 自由都市が聞いて呆れるぜ……なぁジン?」

 

 俺は隣に立つジンを見上げて言ったが、ジンは俺をじめじめとした目で見下ろしていた。

 

「なんだよ、言いたいことがあるなら言え。()()()でな」

 

 ジンは小さくため息をつき、悲しそうな表情で頭を左右に振った。

 俺はジンを無視して、道の脇に向かって歩いた。草木の影にそっと、大きな布に覆われたものがある。

 布を被せて置いた俺たちの()、エーテル駆動式小型飛空艇のシルドラ号だ。

 

「ジン、行くぞ。約束の日までもうすぐだ。次の冒険の話を、アイツらにしないとな」

 

 俺は布を取り払いながら言った。

 船に這い上がり、帆に伸びるロープを操作する。もう慣れたものだ。帆が張ると同時に機体がみしりと鳴って重力と釣り合った。

 

「うぇざ?」ジンが荷物を積み込みながら言った。

「”ギラバニア”さ」

 

 さて砂と鉄の香る、赤風(あかっかぜ)の冒険譚を始めよう。

 

 

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────────────────────

 

『”戦士”? なんだそりゃ』

『俺が住んでた地方にいたっていう戦争屋だ。敵味方問わずにぶっ飛ばしちまうんで、廃れたんだがな』

 

『そりゃ廃れるのも無理ないだろ。それにしても……固有の名前にしちゃ意味が広いな。武器を持ったら、だれだって”戦士”だ』

『これは、多分だがな……もとは古ルガディン語の呼び名があったはずだ。その本来の名前を呼ぶことすら忌避されたんだろう。そのうち共通語で、意味の近いもんだけ残った』

 

『それが”戦士”ね……だがトール、廃れちまったんだろう?』

『どこかの物好きが、古文書を引っ張り出して技を復活させたらしい。今、リムサ・ロミンサの黒渦団がその技を教わってるんだそうだ』

 

『教わりに行くのか?』

『ああ。斧術士ギルドの伝手を使えば、訓練に混ぜてもらえるぐらいあるだろう』

『ココも! ココもリムサ・ロミンサに行くよ!』

 

『なに?』

『なんだ。遊びに行くんじゃねえぞ』

『わかってるよ! ”学者”になりにいくんだ! ”学者”ってのはニーム文明の海兵軍学をもとにする癒やし主体の魔法体系で──!』

 

『わかったわかった。”癒し手”ってなら言うことなしだ。俺はジンと情報収集をしてるから……そうだな、この日にレヴナンツトールの”セブンスヘヴン”で落ち合おう』

『ああ。てめえこそ、忘れんなよ』

『かいへーーいだましぃぃい!!』

『わかったっての』

 

 

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────────────────────

 

 この酒場セブンスヘヴンはモードゥナの地のレヴナンツトールという新興都市にある。転送魔法の支点になるエーテライトに隣接していることもあり、冒険者に人気の酒場だ。

 飯はうまく、酒も安い。まぁ冒険者向けの酒場ってのはたいていそうだ。

 

 冒険者が中心になって作られたこの街は、いつ来ても人が行き交っていて活気にあふれている。街の発展に裏で糸を引いていたのは悪名高き”ロウェナ商会”らしい。

 とんでもない強欲商会だが、こうして経済を回して需要やら雇用やらを生み出してるのだから、一概には悪とは言えないだろう。

 

 この辺りに、以前俺たちに冤罪を被せた”クリスタルブレイブ”という団体の本拠地があったらしいが、恐れることはない。

 なにがあったか定かじゃないが、あの団体はもう解散したとのことだ。指名手配もなしくずしに取り下げられたので、大手を振ってうろつくことができた。

 

 ちょうど今日が修業にでていた仲間との待ち合わせの日になる。

 俺はひとり、イディルシャイアで見つけた掘り出し物のワインの封を開けていた。皆で飲もうかと思ったが、さきに味を確かめておこう。

 ジンはどこかでぶらぶらしている。いつものことだ。

 

 俺はワインの(おり)がグラスに入らないように慎重に、少しだけ注いだ。

 グラスを回して匂いを嗅ぐ。ふむ、傷んでもいない、よく熟成されている。

 

「昼間っからワインなんて、良い身分だな! ひひ!」

 

 グラスに口を付けようとしたところを、鈴を乱暴に鳴らしたような声によって中断された。

 声がした扉の方に目をやると、丸い大きな目と合った。ヒューラン族の半分ほどの身長、尖った耳、子供のような顔つきの”ララフェル族”だ。

 

「ココル! しばらくだな。トールは一緒じゃないのか?」

 

 久しぶりに見る仲間のココルが、とことこと近寄って来た。旅で埃っぽくなった顔で、満面の笑みを俺に見せている。

 

「そんなことより、見て! これこれ!」

 

 そう言ってココルは懐からきらきらと光る石ころを取り出して、かかげてみせてきた。

 それを見た俺は、思わず腰を浮かせた。

 

「そ、それは、”ソウルクリスタル”じゃねぇか!」

 

 人に武技や魔法を継承することができる結晶、それがソウルクリスタルだ。

 これらのクリスタルが使われるのは、一子相伝だったり門外不出だったりすることが多い。

 強力な技術であるほど、そう簡単に手に入れられるものではない。

 

 だから俺は、クリスタルを手に入れるまでは期待していなかった。

 俺は声が弾むのを抑えきれずに言った。

 

「なったんだな! ”学者”に!」

 

「あ、”学者”はやめたんだ」

 

 ココルはそう言って椅子によじ登った。

 俺はグラスをひとつ、ココルの前に置いてやった。

 

「そうかそうか、やるじゃねぇか。大変だっただろう? 見ろよ、良いワインが手に入ったんだ。今注いでやるかおいちょっと待てコラなんつったテメェ」

 

 俺は言いながら、傾けかけたワインのボトルを垂直に戻した。

 グラスに手を触れていたララフェル族の小娘は不満げな顔で俺をにらんだ。

 

「あっ、なんだよ! いじわるすんな!」

「それはこっちのセリフだ。学者はやめた? なんで?」

 

 俺がどれだけ”癒し手”を望んでいたと思ってるんだ。

 守り手、攻め手、癒し手がそろってることが基本の冒険者パーティで、生命線である癒やしの魔法がないことがどれだけ不安だったかわかってないのか。

 

 ワインボトルに手をのばそうとするココルから、俺は黙ってボトルを遠ざける。

 ココルはなおもボトルに手を伸ばしながら口を開いた。

 

「それがさ、良い噂を聞いてリムサ・ロミンサに行くのはやめたんだよ」

「は? 噂?」

「グリダニアに、魔法生物を使う”召喚士”ってのをやってる人がいるって噂を聞いて」

「”召喚士”?」

 

 知らない言葉だ。だが、小さな蛮神のようなものを連れてる冒険者の噂は聞いたことがある。

 どうやら術士であるのは間違いないようだが……頼む……頼むぞ、”癒し手”だと言ってくれ……。

 

 

「でも召喚されたエギが可愛くなさそうだからそれもやめて」

「……()()()()()()()???」

 

 エギってなに?

 可愛くなさそうってなんだその理由。

 

「それでね、また違う噂を聞いて、今度こそビビビッと来たよ。これがココの進む道だ! ってね!」

「まって? なんて?」

 

 話についていけず、俺の頭上にはずっと巨大な”?”が浮かんでいた。

 ココルは行儀悪く椅子に立ち上がり、いつのまにか手に持ったよくわからない金属の枠を掲げて大声を上げた。

 

「そう! これこそがわが覇道! ”()()()()”だ!!」

 

 ココルはそう言ったあと、ばばーんと口で付け足した。

 

 

「センセイジュツ?」俺はオウム返しに言った。

 

 センセイジュツってなんだ? 

 センセイ……? ああ、”占星(せんせい)”術か。あれね、星とか見るやつ。

 前にクルザスに行ったとき、そういう奴らを見かけたな。

 なるほどなるほど、ふんふん占星術ね。

 ふんふふんふふーーーん。

 

 俺は胸を張りながら、息を大きく吸った。

 

「このッッ! タコッ!!! 冒険者が占い師になんぞなって! どうやっておまんま食ってくんだ!!」

「うわあああああん!! せっかく"癒し手"になったのに!!? なんで! おまえは! ココが新しいことするたびに文句を言うんだーー!!」

 

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