東京ロストワールド   作:ヤガミ

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初投稿です。
この作品はジャンルとしてはダークファンタジーをメインに投稿しています。
初めての投稿なので文章がままならないかもしれませんが、もし良ければ感想お願いします。


プロローグ
第1話


 幼い頃に両親が離婚し、私は母親と2人暮らしをしていた。

 母親は元々病気持ちで、そんな身体でも私を育ててくれた。

 それから私が15歳の時。

 中学校を卒業した時の事だった。

 母親はその病気に耐えきれず、亡くなってしまった。

 卒業式が終わって、すぐに病院に向かったが、そこには目を覚まさない母親の姿。

 私の卒業した姿を目にしないまま、亡くなったのだ。

 

 そして私は孤独になった。

 高校には行かず、ただひたすら渋谷の街を歩き回る始末。

 そんな毎日を送っていたが、そろそろ限界を迎えてきた。

 空腹や疲労が、私を襲ってくる。

 

 

 ああ、私まで死んでしまうのか。

 

 食べ物を買うお金はない。

 

 ましてや、休む場所もない。

 

 こんな街の隅っこで、死んでしまうのか。

 

 私は、生きるのを諦めていた───。

 

 

 

 ???「…ほら。」

 

パサッ

 

 餓死寸前だった私の前に、何か渡される音がした。

 見上げると、高身長の女が、私の前に立っていた。

 

 ???「それ、やるよ。」

 

 ビニール袋の中には、コンビニの弁当や割り箸、ペットボトルのお茶が入っていた。

 彼女は、こんな私を助けてくれたのだろうか。

 

 ???「…腹、減ってるんだろ?さっきから、腹の虫鳴ってたからさ。」

 

 確かに、今はとてつもなく空腹だ。

 今すぐにでもお腹に何かを入れないと死にそうな状態だ。

 

 ???「食い終わったら、そこのゴミ箱に捨てていいからさ。それじゃ。」

 

 そう告げると、彼女は行ってしまった。

 

 それよりも、久しぶりの飯だ。

 空腹で我慢の限界が来ていた私は、弁当の食べ物を口いっぱいに頬張った。

 美味しい。

 もう、私は死んだのかと思っていた。

 涙が止まらない。

 そんな状態ながらも、私は飲み食いしまくった。

 

 

 

 翌日の昼間。

 

 ???「…お腹減った…。」

 

 今日もまた、空腹の時が来た。

 あの日から身体中もボロボロであり、何日も洗っていなく汚れている。

 

 ???「…やっぱここにいた。腹減ってるだろ?いつもの持ってきたぞ。」

 

 また、昨日の女が来た。

 今日もコンビニの袋を片手に、私の所まで来た。

 

 

 ???「あんたさ、親いないの?」

 ???「…いない。」

 

 そう。今の私には、両親はいない。

 母親を亡くしてから、ずっと孤独だ。

 

 ???「…だったらさ、うちに来ないか?」

 ???「…え?」

 ???「ここにずっといても退屈だろ?それに、困った時はお互い様ってやつだしさ。」

 

 私は、少し考えた。

 勝手に他人の家に押し掛けるのは…。

 …でも、今の私には行き場所がない。

 私の答えは…。

 

 

 ???「…わかった。そうする。」

 ???「よし、取引成立だな!」

 ???「…取引?」

 ???「まあ、細かい事は気にするな。アタシ、北乃真衣な!あんた、名前は?」

 

 女の名前は、「北乃真衣(きたの まい)」というようだ。

 私の方も自己紹介しておこうかな。

 

 ???「…千里。彩神千里。」

 真衣「千里…か。良い名前だな!彩神って苗字もかっこいいじゃん。羨ましいよ。」

 千里「そ…、そう…?」

 

 私の名前は、「彩神千里(あやかみ ちさと)」。

 いきなり名前を羨ましがられた。

 だけど、ちょっと良い気分かもしれない。

 

 真衣は、生まれて初めての友達だ。

 私には、幼稚園から小学校、そして中学校の時から、友達が1人もいなかった。

 根暗だとか言われて、皆避けていった。

 それを救ってくれたのは、今ここにいる真衣だ。

 

 真衣「よし、そうと決まれば、アタシん家に直行だな!」

 

 真衣がそう言うと、私は差し伸べられた手を取り、立ち上がった。

 

 

 

 真衣「うーん、千里が来てからやる事増えるなぁ…。」

 

 真衣がそう言うと、私の事をじっと見る。

 

 千里「…何?」

 真衣「言っちゃ悪いけど、身体中凄い汚れてるだろ?まずは洗わないとだな。」

 千里「…でも、服は…。」

 真衣「今回からアタシの貸してやっから。千里の服も買っときたいし。」

 

 真衣はそんな事してまで私の事を気遣ってくれた。

 少し悪い気もするけど、1人だけで何かするよりはマシだ。

 

 千里「…これから世話になるよ。真衣。」

 真衣「気にすんなって!それにさ、アタシはあんたを助けたかったんだからさ。遠慮しないでいいよ。杏梨も歓迎してくれるだろうし。」

 千里「…杏梨?」

 真衣「ああ、アタシの妹。アタシ今、妹と2人暮らししてるんだ。

 アタシんとこも実は両親いなくてさ、妹はアタシが育ててるって訳。」

 千里「…そっか。」

 

 杏梨ちゃん…真衣の妹。

 早く会ってみたいな。

 

 

 

 真衣「着いた。ここが私の家だ。」

 

 真衣「帰ったぞー。」

 千里「お、お邪魔します…。」

 真衣「そんな畏まるなって。今日からあんたもここが家になるんだからさ。」

 千里「そ、そうだね…。」

 

 居候ってわかっていても、他人の家に入るのは少し圧がかかる。

 と、部屋から少女が出てきた。

 あれが真衣が言ってた杏梨ちゃんかな?

 

 ???「お姉ちゃんお帰り!」

 真衣「おう。ただいま。」

 ???「…?その人は?」

 真衣「ああ、今日からここに居候する事になった奴だ。千里、こいつがアタシの妹だ。自己紹介してやってくれ。」

 千里「彩神千里です…。」

 ???「妹の杏梨です!よろしくお願いします!」

 

 なんて礼儀正しい娘なんだろう。

 よく見るとどこかの学校の制服を着ている。

 歳は自分より1つか2つ下だろうか。

 

 真衣「ああ、そうだ。杏梨、千里の為に風呂沸かしてくれないか?休む場所も無くて、身体中汚れちまってるからさ。」

 杏梨「オッケー!急いで沸かしてくるね!」

 

 杏梨ちゃんはそう言って、テテテと風呂場へと走っていった。

 

 千里「なんかごめん。私なんかの為に…。」

 真衣「いいって。もうアタシらとの仲だしさ。さっき言ったろ?“困った時はお互い様”って。」

 

 私が真衣に助けられた時に言われた言葉。

 お互い様…か…。

 そんな言葉、人生で言われた事なかったな。

 

 

~15分後~

 杏梨「お風呂沸いたよー!」

 真衣「おう、サンキュ。じゃあ千里、入ってきてくれ。あ、一応言っとくけど、湯船入る時はちゃんと汚れ落とせよ?じゃないと浴槽に溜まる羽目になって、また沸かし直さないとならないから。」

 千里「わ、わかってるよ…。」

 

 心配してくれるのは嬉しいけど、ちょっと心配しすぎ…。

 そんな事を心の中で呟きながら、私は風呂場へ向かった。

 

 

 長い間洗えなかった身体を、ようやくシャワーで浴びせる事ができた。

 

 あの時は、本当に苦しかった。

 

 幼い頃は、両親が母親の病気がどうのって喧嘩して、離婚した。

 

 それを私は、陰から見ているだけだった。

 

 それから父親のいないあの家で15年間過ごし、当たり前のように学校に行ってた。

 

 友達は…いなかったかな。

 

 元々活発的な性格ではなく、1人寂しく読書する毎日が続いていた。

 

 たまに外に出て、走ったりもしていたが、その時も1人だった。

 

 そんな寂しい学校生活を送っていた。

 

 

 そして、私が中学を卒業した日。

 

 式が終わって帰宅した頃、スマホに電話が掛かってきた。

 

 

 『お母さんの容態が…。』

 

 

 それを聞いた私は、真っ先に病院へ向かった。

 

 

 病室に入ると、そこには意識が朦朧としていた母親の姿。

 

 その頃はもう、死亡寸前だった。

 

 『お母さん!!』

 

 母親に生きてほしいという願いと、私の嘆きが入り交じる。

 

 

 『千里……。』

 

 

 『千里の卒業を…見届けられなくて…ごめんね……。』

 

 『お母さん…!駄目だよ…!生きて…!』

 

 

 『千里…、生まれてきてくれて…ありがとう……。』

 

 

 

 ピー…と、心電図の音が鳴り響いた。

 

 その時わかった。

 

 

 母親はもう…、生きられないと。

 

 

 私の心は歪み始め、行き場所がなくなった。

 

 志望していた高校の入学も拒否した。

 

 心が歪むのは…、そういう事だ。

 

 

 あの時の母親の死顔は、今でも忘れられない。

 

 嫌と言う程思い出される。

 

 

 真衣の声『千里ー?』

 千里「…!何?」

 真衣の声『服ここに置いとくからそれ着てくれー。』

 千里「あ…、うん。わかった。」

 

 もうあんな過去なんてどうでもいい。

 思い出すだけで、苦しくなるだけだ。

 私は母親の分まで、強く生きると誓う。

 

 そうして私は、シャワーを浴び終え、湯船に浸かって休んだ。

 

 

 

 真衣「おう、もう飯もできた頃だから、さっさと食おうぜ。」

 

 私が風呂場にいる間、真衣は夕飯を作ってくれていた。

 テーブルの上に乗ってるのは、唐揚げだった。

 

 千里「真衣って、料理できるんだね。」

 真衣「まあ2人暮らししてるくらいだから、これくらい当然だけどな。」

 杏梨「お姉ちゃんの料理は美味しいんだよ。」

 千里「…そっか。」

 

 思えば、誰かが作った料理を食べるのは1年ぶりだ。

 母親を亡くしてから、自分の所持金だけで食べるようになったから。

 

 千里「いただきます。」

 

 私がそう言うと、唐揚げを1個口の中に放り込む。

 

 千里「…!美味しい…。」

 真衣「はは、そう言ってもらえて嬉しいよ。」

 

 私は美味しいあまりにどんどん食べる。

 その度に笑顔になる。

 

 真衣「……。」

 千里「…?どうかしたの?」

 

 食べてる間に、真衣からの視線を感じた。

 頬杖を着いて、微笑んでいるのがわかる。

 

 真衣「いや、千里って綺麗な顔してるんだなって。」

 千里「…え?」

 真衣「さっきは汚れとかでわかんなかったけど、洗い流したら案外美人じゃないか。」

 千里「え、そんな…。」

 

 今まで「美人」なんて言われた事がない。

 嬉しいけど、改めるとすごく恥ずかしい。

 無性に顔が熱くなっているのがわかる。

 

 杏梨「あ!千里ちゃん、顔赤くなってる!」

 千里「えぇ!?ちょ、からかわないでよ…!///」

 真衣「はは、可愛い奴め!」

 千里「もう…、それ褒めてるの?」

 真衣「さて、アタシも腹減ってきたし、食うとするか!」

 杏梨「はーい!」

 

 真衣はそう言って、夕飯を楽しんだ。

 

 

 

 真衣「そういやさ、千里はどこで寝るんだ?」

 

 時刻は10時を回り、そろそろ寝ようかと考えていた頃。

 

 真衣「流石にどちらかの部屋で寝るのはまずいか…?」

 千里「私は別にそれでもいいけど。女同士だし。」

 真衣「いや、アタシ達の部屋狭いしさ。足場とかが少ないんだよ。」

 千里「…そういう事か…。」

 

 そういえば言い忘れてたけど、真衣の家はアパートだ。

 それうえそこまで広くはない。

 そこで私は提案した。

 

 千里「じゃあ、ソファで寝るよ。」

 真衣「え?でも、寝ずらくないか?」

 千里「全然。小さい頃そうやって、何となく心地良かったから。」

 

 2人の部屋が狭いのであれば、リビングのソファで寝る事にした。

 ソファで寝るのは既に経験済みなので、特に気にはしない。

 

 真衣「…まあ千里がそうしたいなら、アタシは構わないよ。じゃあ布団持ってくるから、ちょっと待っててな。」

 

 そう言って、真衣は座敷の押し入れへと向かった。

 

 真衣「えーっと、確かここに…、あった!あんまり面積広くないけど、足出るくらいなら大丈夫だろ?」

 千里「それ、大丈夫なの…?」

 真衣「まあ、そこら辺は千里が調節してもいいからさ。寒くないようにしときなよ?」

 

 そう言われた私は、真衣から布団を受け取った。

 

 

 真衣「じゃ、電気消すぞー。」

 千里「うん、おやすみ。」

 

 真衣はリビングの灯りを消し、私は眠りについた。

 疲れ果てたせいか、すぐに眠りに落ちたのだ─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ─────ここはどこだろう?

 

 

 

 

 

 ────周りがよく見えない。

 

 

 

 

 

 ───だけど、何かに引き摺られている感覚がある。

 

 

 

 

 

 ──ゆっくりと目を開ける。

 

 

 

 

 

 

 そこには─────。

 

 

 

 

 

 

 千里(…!?私…!?)

 

 

 

 私を引き摺っているのは、もう1人の私だった。

 

 

 

 それに、ただの私ではない。

 

 

 

 真っ黒に染められている。

 

 

 

 薄らだが、外見で私だとわかった。

 

 

 

 千里(いや…!やめて…!)

 

 

 

 

 

 そう叫ぼうとしても声が出ない。

 

 

 

 

 

 ─体が動かない。

 

 

 

 

 

 ──どこに連れて行かれるのか。

 

 

 

 

 

 ───怖い。

 

 

 

 

 

 ────恐怖による震えが止まらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「いなくなれば良かったのに!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




登場人物紹介(随時情報更新)

彩神千里

読み仮名:あやかみ ちさと
年齢:17歳
誕生日:5月9日
身長:161cm
血液型:A型
趣味:なし
特技:なし
好きなもの:不明
嫌いなもの:不明
ポジション:???
使用武器:???


 本作の主人公。幼少期に両親が離婚し、病気持ちである母親と2人暮らしをしていた始末、中学校の卒業式にその母親が病気に耐えきれず亡くなり、孤独となった。高校には学校に行かず、1年間所持金を切らすまで食料を買って腹を満たしていたが、17歳で限界を迎える。そこで真衣に助けられ、居候する事になる。

 一人称は「私」。外見は黒髪のセミショート、茶色の瞳を持つ。性格は基本的に物静かかつクールであり、騒ぐ事はほとんどない。

メインストーリーが終わったら番外編を書いてほしい?

  • 書いてほしい
  • 書かなくていい
  • 書いてもいいけど先に続編書いてほしい
  • 作者に任せる
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