~千里視点~
千里「…まさかこんな事になるとは…。」
今の私は、相当まずい状況だ。
うろうろと探索をしていたら、敵に囲まれていた。
邪魔する奴は倒せたが、流石にこれは数が多すぎる。
???「お?この前の嬢ちゃんじゃねえか。」
千里「…!」
聞き覚えのある声が聞こえた。
その声の主は、この前私を殺そうとしていた、長のような男だ。
???「また会う事になるとはな。こないだはまんまとぶっ飛ばされたが、今回はそうはいかねえぜ?」
その男は、ニヤリと悪意のある笑みを浮かべた。
???『…どうします?千里。』
千里「そんなのやるに決まってるでしょ!」
私は戦闘態勢に入った。
~真衣視点~
真衣(くそ、千里のやつどこ行ったんだ?連絡もつかねえし…。)
あれから10分ほど経つが、千里の姿は見当たらない。
とりあえず「今どこにいる?」とメッセージを送っていたが、一向に返事が返ってこない。
またああいう悲惨な目に遭っていなけりゃいいのだが…。
真衣(まずいな…、早いとこ見つけないと…ん?)
千里を探している途中、アタシはある建物を見つけた。
親父のヤクザ事務所だったビルだ。
今はボロボロに荒廃されていて、廃棄寸前の状態だった。
真衣「親父…。組長さん…。」
ポツンと2人の名前を呟いた。
あの時アタシがもう少し強かったら、怖がりでなかったら、2人は殺されていなかった。
2人がこの世を去って、自分を責めてばかりでいた。
今あるこのビルを目にすると、親父の死体が嫌と言うほど目に浮かぶ。
ドォンッ!!
真衣「…!?何だ!?」
悲しみに浸っていると、大きな物音が響き渡った。
目の前に現れたのは、大きな扉だ。
真衣(でっか…。何だよこれ…。)
ビリッ!!
真衣「っ…!?」
恐る恐る手を触れると、物凄い電撃が走った。
そして…。
真衣「何だこれ…!?うわっ…!!」
扉は開き、恐ろしいほどの吸引力に引き込まれ、足を取られてしまう。
逃げようとしても逃げられない。
真衣「うわああああああ!!!!!」
真衣「……?」
…目を覚ました。
…ここはどこだろう…?
真衣(赤…?黒…?…!何だこれ…!?)
アタシは辺りを見回してみると、邪悪は雰囲気に塗れていた。
さっきの扉の影響だろうか?
真衣(これ…、現実なのか…?でも、目の前にあるんだからそうだよな…?)
もう何が何だかわからなくなった。
アタシは、歩いてみる事にした。
~千里視点~
???「おいおいどうしたよ?前までの威勢はどこ行った?」
千里「うっ…!くそ…!」
今の私は、相当ヤバい状況に陥っている。
数は少しでも減らせたが、後にわんさか湧き出て流石に1人では対処できなくなっている。
千里(こんな時に、目に見える仲間がいれば……。)
私はそう願っていた。
だがしかし、ここにいる善良な人間は私だけだ。
また、死に際まで来てしまった。
???「口も利けねーか。んじゃ、殺すか。」
私は目を閉じ、死を待つ事にした。
そりゃそうだよ。こんなにボロボロにされて、頼れる人がいないんじゃ、死ぬしかないじゃん。
千里(ごめんね、真衣…。)
心の中で、一番頼れる人の名前を呟いた────。
「千里!!!」
千里「…!」
~真衣視点~
真衣「くそ…、どうなってんだこりゃ…。」
どこもかしこも赤黒い景色ばかり。
本当にここはどこなのだろうか?
真衣「…ん?あれは…。」
あちこち歩き回っていると、誰かが襲われているのが目に見えた。
真衣「…!千里…!?」
そこにいたのは、何者かにやられていた千里の姿だった。
髪と顔付きで、千里だとすぐにわかった。
だがしかし、何故こんな所に…?
そんな事を考えながら、アタシは千里の所へと走った。
真衣「千里!!!」
千里「…!」
???「あ?何だお前?」
真衣「…お前が千里をやっていたんだな。」
千里はこいつにやられていたのか。
人を見殺しになんてできねえ。むしろ、そんな馬鹿な事はしたくない。
アタシは無理にでも、あいつを殴ろうとしていた時だった。
???「なーんか見た事あんだよなあ。お前。」
真衣「…は?」
こいつは何を言っている?
まさか、アタシの事を前から知っていたのだろうか?
???「顔付きだろ?赤茶の髪だろ?」
なりふり構わず、奴は淡々と口に出す。
だが、その後はアタシも予想していなかった事だ。
???「あー思い出した。お前は北乃拓郎の娘だな?」
真衣「…!!」
北乃拓郎。
それは2年前に死んだアタシと杏梨の親父だ。
こいつはまさか……。
真衣「お前…、“江田宗明”か?」
???「おー!覚えてたか!そーだよ!江田だよ!いやー、あれから全然会えなくて寂しかったぞー?随分大きくなったなー!」
悪意のある笑みが見える。
江田宗明(えだ むねあき)。こいつは親父が所属していた“江田組”の若頭で組長さんの息子だ。
江田宗明という名前で、全て思い出した。
江田「どうだー?妹と元気でやってるか?親父さんが死んだ後、ちゃんと学校行けてるかー?」
真衣「……。」
江田「ま、んなこたあどうでもいいけどよ、こいつはお前の仲間なんだろ?死に際だぜ?助けなくていいのか?」
千里「真衣…。」
そうだ、今の千里は傷でボロボロだ。
できる事なら、千里を助けたい。
江田「お前は弱虫だもんな。」
真衣「…!!」
江田「昔から何もできねえでただ泣いてばかりだったもんな。そんな馬鹿なまま育ってきたんだよな!…俺はな、俺の親父とお前の親父が憎いんだよ。組放ったらかしてお前とお前の妹に向き合ってばかりでよ。だから殺したんだよ。親父達をな。」
真衣「……。」
それだけの理由で…。
アタシは、江田への憎しみを抑えられずにいた。
江田「何も言えねえか!そうか!お前は弱虫だもんな!弱虫なお前が正義を見せられる訳ねえもんな!!妹ちゃんがお前の情けねえ姿見たら泣くぜ!?ハハハハハ!!!」
真衣「……黙れよ。」
江田「あ?」
真衣
「黙れって言ってんだよ!!!」
千里「…!」
もうアタシは、我慢の限界を迎えた。
今まで抱いていた感情を全て吐き出した。
真衣「…親父達が憎い?笑わせんな。その親父は、お前を精一杯育てた肉親だろ!!!」
江田「っ…!?」
真衣「…そうだよな。お前には罪悪感というものがないからな。だから自分の親父を殺したんだよな。アタシは高校に行きながらも、ずっと親父の事を考えていた。お前によって生み出された親父の死体が、ずっと目に浮かんでいた。親父達を殺したせいで…、アタシと杏梨がどれだけ悲しんだか、お前にはわからないだろうな。」
真衣
「その時点で、お前は外道確定なんだよ!!!」
江田「…!」
アタシは、怒りと悲しみを江田にぶつける。
そして───。
???『北乃真衣。』
真衣「…!誰だ…?」
声が聞こえる。
その声の主は誰だかわからない。
幻聴らしきものが、アタシに話しかけている。
???『あなたは今、この危機からどのように逃れたいですか?』
真衣「…?どういう事だ…?」
???「あなたは目の前の彼女を、どうしたいですか?あなたは、彼にどう立ち向かいますか?」
彼女…千里の事か。
そして彼とは、今目の前にいる憎むべき男・江田宗明の事だろうな。
真衣「アタシは…、千里を助けたい。それと、江田に罪を償ってもらう。自分のした事…、思う存分にわからせやりたい。それだけだ。」
アタシは、昔は気弱だった。
だがそれは昔の事で、今はそんなのどうだっていい。
人のために、アタシは動きたい。
そう誓ったんだ。
???『よろしい。では、契約を結びましょう。彼女と同じ戦う力を得るのです。覚悟はいいですか?』
真衣「…ああ。とっくにできてるさ。こんな所で何もしないなんてできねえ。」
???『それではこの光を、握り締めてください。』
そう言われると、小さな光が現れる。
アタシは言われた通りに、光を握った。
???『あなたは、闇を斬り裂く騎士となるのです!!!』
バリンッ!!
真衣
「どおおおおおりゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
メインストーリーが終わったら番外編を書いてほしい?
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書いてほしい
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書かなくていい
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書いてもいいけど先に続編書いてほしい
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作者に任せる