~千里視点~
昼休み。
いつも通り私は真衣と昼食を取っている途中だった。
真衣「なあ、千里。」
千里「ん?」
真衣「その…さ、ロストワールドって誰にでもってか、いつでも入る事って可能なのか?」
千里「できると思うよ。真衣、スマホの貸して。」
真衣「…?スマホが関係しているのか?」
真衣がそう言うと、自分のスマホのロック画面を開いて私の手に渡した。
千里「…あ、やっぱり。」
真衣「何かあったのか?」
千里「これだよ。」
私が指をさしたのは、真衣のスマホのホーム画面に映っていたアイコンだ。
私のにも入っているのと同じものだ。
以前私は、アプリだと思ってタップしたこのアイコンで、ロストワールドに入る事ができた。
もしかしたらと思って確認してみたけど、予想は当たっていた。
真衣「何だこれ?アプリ…なのか?」
千里「私もわかんないけど…、こないだこれを使ってロストワールドに入れたんだ。」
真衣「なるほどな…。試しに押してみるか?」
千里「ダメだよ。昼休みだよ?しかもここ教室だし。放課後にしようよ。」
真衣「…それもそうか。まあ今日は部活ねえし、丁度良いよな。」
キーンコーンカーンコーン…
私達が会話していると、予鈴が聞こえた。
真衣「…と、いけねえ。そもそも昼飯全然食ってねえや。」
千里「パンだけだから別に急がなくていいんじゃない?」
真衣「甘いな。秒で食してやる!」
千里「……。(苦笑)」
真衣はそう言って、ガツガツとパンを食べた。
~放課後 廃墟ビル前~
千里「確かここだったよね。」
真衣「そんな感じだな。…つってもここに来ると、やっぱ2人の死体が目に浮かぶな…。」
真衣は苦しそうに頭を抱えている。
まあ、あんな過去があったのだから無理もないか。
千里「無理に行かなくてもいいんだよ?今日がダメなら今度でもいいし。」
真衣「…いや、大丈夫だ。どうせ部活やら何やらで忙しくなるからな。こんなチャンス、今日しかねえだろ。それにな、アタシはまだ許せねえんだ。江田のクソ野郎が。2人を死に追いやって、のうのうと生きてるんだからな。同じ痛みを与えてやらなきゃアタシの気が収まらねえよ。」
千里「なら良いんだけど…。」
江田を許せない気持ちはわかるけど、やっぱりちょっと心配だな…。
ドォンッ!!
真衣「うおっ!?」
私はこの前やった通りに、スマホのアイコンをタップした。
同じ扉だ。
もしかしたら、ロストワールドに続く扉なら全部同じなのか…?
千里「こんな感じで扉が出てくるの。」
真衣「びっくりした~…。これって前にも見たやつだよな。」
千里「そういう事。どうする?もう行く?」
真衣「当たり前だろ。今更退くなんて言わねえよ。」
千里「了解。じゃあ行くよ。」
そうして私は扉に手を触れ、ロストワールドに侵入したのだった─────。
真衣「…相変わらず気味悪ぃ所だな。」
ロストワールド。
とりあえずは侵入する事に成功した。
ちゃんと服も変わっている。
真衣「…っていうか、千里は何も武器持たないのか?もしかして肉弾戦とか?」
千里「そうみたい。真衣は大剣…って言えばいいのかな。」
真衣「そういうの…かな。」
私は格闘で真衣は大剣。
これは良いチームワークにはなりそうな予感。
真衣「そういや契約した時、“闇を斬り裂く騎士”って言われたな。もしかすると…ってなるが、アタシが大剣持つようになったのはそれが理由かもしれねえ。千里はどうなんだ?」
千里「私?えっと…。」
二つ名みたいな感じなのかな。
誰かわからないあの声の主に、ああいう二つ名を言われた気がする。
千里「“悪を打ち砕く鉄槌”…かな。」
真衣「お?なんかかっけーじゃん!鉄槌ってもはや千里の拳じゃん。」
千里「まあでも、悪くはないかな。」
ロストワールドに侵入している事にも関わらず会話をしていた私達だった。
真衣「よし、とりあえず江田の野郎を探そうぜ。邪魔する奴らはぶちのめせばいいんだからよ。」
千里「くれぐれも油断はしないようにね。」
作戦開始。
ロスト江田には私も散々お世話になったから、その借りは返さないとね。
そう思いながら、走り出すのだった。
???『─────よお、お2人さん。』
千里・真衣「…!?」
突然後ろから声を掛けられた。
そこに現れたのは、私達の憎むべき男・江田宗明の姿だ。
真衣「江田!」
ロスト江田「待ちくたびれたぜ。お前らがこの世界来るのをよ。」
真衣「随分余裕ぶってるじゃねえか。どうした?手下達はもういないのか?」
そうだ。今の江田の周りには誰もいない。
手下達の姿が見当たらない。
どこかで身を潜めているのか。
───しかし。
ロスト江田「手下ぁ?もうあんなの必要あるかっての。」
真衣「…は?」
千里「…どういう事?」
必要ない?
一体どういう事なのだろうか。
いつもなら沢山の手下を率いて、命令を出していたというのに。
ロスト江田「手下なら殺したぜ。俺の手でな。」
千里・真衣「…!?」
殺した…!?
ロスト江田「あんな奴らは使いもんになんねえよ。ただただ弱い奴らの集まりだった。俺は強い奴を求めてんだよ。あんなカス共、邪魔になるだけだ。なんならいっその事死刑行きだと思っててよ。」
真衣「お前…!あれだけ慕われていた奴らを…!」
ロスト江田「何だよ?使えねえ奴らを殺して何が悪い?今の江田組は俺が指揮を執ってんだ。何やろうが俺の勝手だろうが。」
自分の手下を殺した。
自分か指揮を執っている組なら何やってもいい。
何を考えているんだ。こいつは。
真衣「…そうか。お前はそういう奴なんだな。」
ロスト江田「あ?」
千里「真衣…?」
真衣「やっぱりお前は外道だよ。本能のままに親父達も殺して…。」
ロスト江田「…言ってる意味がわかんねえな。」
真衣「だから外道って言ってんだよ。お前は“強い”しか求めないのか?それ以外に求めるものはないのか?」
ロスト江田「ごちゃごちゃうるせえメスガキだな。なんならお前もあの世に送ってやろうか?」
真衣「ああ。やってみろよ。できるもんならな!」
どうやら、真衣は覚悟を決めたらしい。
ロスト江田と、決着をつける時が。
ロスト江田「いいぜ。見せてやるよ。俺の本気をな。」
ゴゴゴゴ…!
千里「…!?何!?この地響き…!?」
ロスト江田はゆっくりと手を掲げると、辺り一面が揺れ出した。
真衣「…!?景色が変わった…!?」
そして周りは先程と打って変わって、どこかの建物の屋上らしき場所になった。
ロスト江田の魔族のようなあの感じからすると、城の屋上かもしれない。
まさか、ロスト江田はあの廃墟ビルの事を、自分の城だと思っているのか…?
ロスト江田
「何やろウが、全ブ俺の勝手だロうがああああああああアああああああああああああああああああああああああああああアアアアアあアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ロスト江田は耳を劈くような声で叫び出した。
これが、ロスト江田の本気という訳か。
今のロスト江田の姿は、周りに邪悪なオーラを纏い、背中には無数の触手、鋭い爪を持っている。
真衣「…なるほどな。それがお前の本気の姿か。」
ロスト江田
「おうよ。カカって来イよメスガキ共。イ思が失ウマでヤってやンぞオラァ!!!!!!!!!!!!!!!!」
人間だった姿の江田とはかなり様子が違い、狂ったようになっている。
来る。
千里「行くよ!」
私達は変異したロスト江田に向かって走り出した。
私達の戦いは、始まったのだ。
真衣「親父を殺した事…。ここでしっかりカタをつけてやる。」
真衣
「今更後悔しても遅せえんだよ!」
次回から初めてのバトルシーンです。
皆さんが想像できるような描写にできるよう頑張ります。
メインストーリーが終わったら番外編を書いてほしい?
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書いてほしい
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書かなくていい
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書いてもいいけど先に続編書いてほしい
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作者に任せる