東京ロストワールド   作:ヤガミ

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前回の続きです。


第2話

 千里「はっ…!?」

 

 私は最後の言葉を叫ばれ、目を覚ました。

 

 千里(…今のは…、夢…?)

 

 そうとしか思いようがなかった。

 しかし、相当ヤバい夢だった。

 悪夢…と言えばいいのかな…。

 

 

 真衣「ん?千里、起きたのか。」

 千里「あ、真衣…、おはよう…。」

 真衣「大丈夫か?結構魘されてたが…。」

 千里「うん、大丈夫。ちょっと不思議な夢見ちゃって…。」

 真衣「ふぅん…、あまり無理するなよ?」

 

 真衣に、「引き摺られていた夢を見た」…なんて言えないな。

 私の額には、汗がだらだらと流れていた。

 

 千里「…そういえば、真衣は何でそこにいるの?」

 真衣「アタシか?朝飯作ってるんだ。」

 

 なるほど、そういう事か。

 時計を見ると、既に6時半を過ぎていた。

 

 千里「毎日そうやってるの?」

 真衣「まあな。オフん時でもアタシが早起きして、朝飯作ってるからさ。杏梨と2人暮らししてからずっとだ。」

 

 そうか、確か両親がいないって言ってたっけ。私と同じで…。

 

 真衣「起きたんなら、洗面所で顔洗ってきな。タオルなら用意してあるから。」

 千里「うん、そうする。…そういえば、杏梨ちゃんは?」

 真衣「あいつの事だから、まだ寝てるんじゃないか?休日はいつもそうだし。」

 千里「そっか。」

 

 まあ、杏梨ちゃんはああいう子だし、そうなるのも当然か。

 そう思いながら私は、洗面所へと足を運んだ。

 

 

 

~午前8時~

 杏梨「お姉ちゃん、今日は何するの?」

 真衣「今日は千里の服買いに行くよ。」

 

 朝飯を食べながら、今日の予定について話していた。

 思えば私は昨日、真衣の服を借りて寝ていたな。

 

 …今日もそれで過ごすのだけど…。

 

 

 

~午前10時~

 私達は現在、服屋にいる。

 そこで私の服を買いに、色々と見てみる。

 

 真衣「なあ千里、こんなのなんてどうだ?」

 杏梨「あ、それ可愛い!」

 

 真衣が見せたのは、触り心地の良さそうなワンピースだ。

 だけど…。

 

 千里「え?いや…、無理だよ、そんなフリフリなの…。」

 杏梨「えー?可愛いのにー。」

 真衣「じゃあ、何か欲しいのはあるか?」

 千里「…これがいいかな。」

 

 私が手にしたのは、黒の革ジャンとデニムのショートパンツ。

 やっぱり私には、これが一番性に合う。

 小学校の時も、こんな感じのを着ていた。

 

 真衣「それでいいのか?」

 千里「うん。私には女の子っぽい格好は似合わないから…。」

 真衣「まあ、千里がそうしたいなら賛同するけどさ。どうする?同じのを何着でもいいのか?」

 千里「そうしたいかな。」

 

 私にとって、革ジャン+ショートパンツは基本。

 何と言うか、この格好が落ち着く。

 これで服は調達済みかな。

 

 

 

~午後0時~

 杏梨「ねーねー千里ちゃん、学校はどうするの?」

 千里「学校?」

 

 ファミレスで昼飯中、杏梨ちゃんに話しかけられた。

 そういえば考えてなかったな。

 学校なんて聞いたの久しぶりだ。

 元々行きたい学校があったけど、心が歪み始めた頃はそれすらを拒否していた。

 

 千里「うーん…、特に決めてないかな…。」

 真衣「そういや、この前言ってたもんな。志望校があったけど、母親亡くしてから拒否したって…。」

 千里「うん。そうだね…。」

 

 中学を卒業してから1年、ずっと学校には行ってなかった。

 その話は、既に2人には話してある。

 そして、真衣が口を開く。

 

 

 真衣「だったらさ、うちの学校に通わないか?」

 千里「真衣の…?」

 真衣「2人共その学校に通ってるからさ。…まあ、うちから近いからっていう理由でそこに通ってたけど。」

 

 突然、真衣から勧められた。

 まあ、このまま学校に通わないよりはそっちの方がいいかもしれない。 

 

 千里「…ちなみに、学校名は?」

 真衣「“聖麗学園(せいれいがくえん)”。」

 千里「…頭良さそう。」

 真衣「実際、完璧って奴はそういないぞ?そこら中の学校と変わんないくらいだ。」

 

 聖麗学園高等学校。

 …そこら中と変わらないなら、行けるかもしれない。

 私は決心した。

 

 千里「じゃあ、そこに通おうかな。」

 真衣「決まりだな!」

 杏梨「やった!千里ちゃんと学校行けるね!」

 千里「ふふっ、そうなるかもね。」

 

 思えば、誰かと一緒に学校に行くのは初めてかもしれない。

 友達が1人もいなかった私はそう思えた。

 

 真衣「じゃあ転校手続きとして、学校にはアタシが伝えておくよ。」

 千里「…?何で転校?」

 真衣「いや、学校行かずって伝えちゃうとなんかなぁ…って。何ならいっその事、転校生って言った方が馴染みやすいかと思ってな。」

 

 学校に行かなかったのに転校生って、何だか不思議。

 まあ、真衣がそうしたいのならそれでもいいか。

 

 

 

~午後8時~

 あの後、聖麗学園に挨拶のためのスーツの手続きもやった。

 スーツは最短で1週間かかるらしいから、それまで待ちかな。

 

 真衣「千里ー、風呂沸いたぞー。」

 千里「うん、わかった。」

 

 真衣の声がけで、わたくしは脱衣所に向かった。

 ここに来て2日目の入浴だな。

 

 

 

 昨日と変わらず気持ちが良い。

 今日は沢山歩いて疲れたな。

 私の服を買ったり、スーツの手続きしたり…色々と忙しい1日だった。

 …今日は爆睡確定かな。

 

 

 

 真衣「お、千里、上がったのか。」

 千里「うん、どうかした?」

 真衣「転校手続きOKだってよ、聖学。スーツ届いた翌日に学校に来いって。」

 千里「そっか。なら良かった。」

 

 どうやら成功したらしい。

 これで私の高校生活の始まりかな。

 来週が待ち遠しい。

 

 真衣「さて、アタシも風呂入るかー。」

 

 真衣が脱衣所に向かう時、私は口を開く。

 

 

 千里「ありがとね、真衣。」

 真衣「ん?」

 千里「行き場所のない私を救ってくれて。あの時真衣がいなかったら、私は死んでた。だから…、ありがとう。私のために色々してくれて。」

 

 私がそう言うと、真衣は顔を赤らめて微笑んだ。

 

 真衣「…今更何だよ。アタシが好きでやってるんだからさ。」

 千里「…そうだったっけ。」

 真衣「千里、今日は疲れたろ?早く寝た方がいいぞ。」

 千里「わかってるって。おやすみ。」

 

 そう言うと私は、ソファに寝転んだ。

 

 

 

 ここから私の新しい生活が始まる。

 

 来週からは、普通の高校生でいよう。

 

 もう何にも縛られない、平凡に暮らしていくんだ。

 

 私は心の中でそう誓い、目を閉じ、意識が遠のいていくのだった─────。




プロローグはこれで終わりです。
プロローグで投稿した話はごく一部の内容です。
次回からダークファンタジーとなります。


登場人物紹介(随時情報更新)

北乃真衣

▽プロフィール
読み仮名:きたの まい
年齢:16歳
誕生日:6月12日
身長:167cm
血液型:B型
趣味:料理
特技:人助け
好きなもの:ラーメン(特に味噌)
嫌いなもの:甘い食べ物
ポジション:???
使用武器:???


 彩神千里の友達。

 正義感が強く姉御肌であり、困っている人を放っておけない性格の持ち主。千里が来る前は妹の杏梨と2人暮らししていた。

 餓死寸前で行き場所のない千里を助け、自分の家で居候させ、共に過ごす事になる。

 趣味は料理、特技は人助けと、なかなかに姉御らしい行動面を持っている。外見は赤みがかった茶髪のロングヘアに、青緑色の瞳を持っている。料理する時は必ずポニーテールにしている。

メインストーリーが終わったら番外編を書いてほしい?

  • 書いてほしい
  • 書かなくていい
  • 書いてもいいけど先に続編書いてほしい
  • 作者に任せる
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