東京ロストワールド   作:ヤガミ

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第25話

~昼休み~

 中庭で3人で昼食を取っている所だ。

 しかし、真衣は眠そうにしていた。

 

 千里「…真衣、授業中寝てたでしょ?」

 真衣「いやぁ…、色々考えすぎてるせいか眠くなりすぎてな…。」

 千里「ちゃんとしてよ。泉田のロストを消すんでしょ?」

 

 ロストワールドに侵入する予定について話そうとしていたが、真衣は口を大きく開けて欠伸をかましていた。

 こういう時くらいしっかりしてほしいもんだよ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「北乃!!!」

 

 杏梨「…!?」

 

 突然、誰かに大声を掛けられた。

 

 

 

 

 

 真衣「泉田…?」

 

 

 

ガッ!

 

 杏梨「…!!」

 千里、真衣「…え…!?」

 

 声の主はやはり泉田であった。

 その突如、杏梨ちゃんの胸倉を掴んだ。

 

 泉田「あんた…、私の友達に何した訳?」

 杏梨「え…?」

 泉田「何話されるかと思ったら、いきなり北乃の味方してさ。こうなったのはあんたの仕業なんだろ?絶対何かしたよ。私の大切な友達に何しでかしたんだよ!!」

 杏梨「それは…!」

 

 杏梨ちゃんは苦しそうにしていた。

 見てられない。止めないと!

 

 真衣「泉田てめえ!妹に何しやがる!!」

 泉田「シスコンは黙ってろ!!これは私とこいつの問題だから、部外者は余計な首突っ込んでんじゃねえよ!!」

 真衣「何が部外者だ。罪のない人間を責めてすっきりするのか!?」

 泉田「ああそうだよ!今日は北乃に言いたい事山程あるからな!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千里「…やめなよ。」

 

 

 

 泉田「あ?」

 

 

 

 私は、杏梨ちゃんの胸倉を掴んだ泉田の腕を引き剥がした。

 もう我慢の限界が来ていた。

 

 泉田「何だよ。クソ陰キャが調子乗んなよ。あんたまで私の邪魔する訳?」

 千里「そうだと言ったら?」

 泉田「佐島先生みたいに殺す!ここにいる奴全員ぶっ殺す!!」

 

 泉田はそう言うと、ポケットに隠していたのか鋏を取り出した。

 完全に殺すつもりだ。冗談や脅しに見えない。

 

 真衣「いい加減にしろ!!」

 

 

 

 

ガチャンッ…!

 

 真衣は泉田の腕を掴み、鋏を落とさせた。

 

 真衣

「いつもそうやって杏梨に迷惑かけやがって!もう杏梨には近付くな!!」

 泉田「っ…!」

 

 真衣はそう怒鳴り、泉田は鋏を落としたまま颯爽と行ってしまった。

 

 

 

 

 

 杏梨「はぁ…、はぁ…。」

 真衣「杏梨…、平気か?」

 杏梨「うん、何とか…。」

 

 杏梨ちゃんは苦しそうに胸元を抑えている。

 余程強い力で掴まれたのだろう。

 

 真衣「あの野郎…、ここまでやるのか…。これはロストの方も相当ヤバいんじゃないか?」

 千里「そう予想した方がいいね。とてつもなく正気が狂ってる。」

 真衣「さっさと止めねえとな。罪を告白させるんだ。杏梨を虐めた分…それと、何の罪もない佐島先生の仇討ちだ。」

 

 有言実行だね。

 

 そして私達は、放課後まで待つ事にした。

 

 絶対に恨みを晴らす。その一心で。

 

 精々人生最後の時間を楽しむ事だね。泉田沙耶───。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~放課後~

 校門近くで、真衣と杏梨ちゃんを待っている所だった。

 私はスマホ画面に残されている、ロストワールドに続くアイコンを覗く。

 

 千里(…本当に、誰がこんなの作ったんだろ?前から不思議に思ってたんだけど…。)

 

 ロストを消して、アイコンも消えたと思ったらまた現れるし…。

 このアプリ、一体…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビリッ!!

 

 千里「っ…!?」

 

 突然、頭の中で電撃が走った。

 辺りを見回しても、何もいない。

 下校途中の生徒が歩いているだけだ。

 

 千里「今のは…!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ???「…私を探しているようだね?」

 

 

 

 

 

 千里「…!?」

 

 

 

 声のした方に顔を向けると、誰かが立っているのがわかる。

 

 

 

 

 

 そこにいたのは─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千里「もう1人の…私…!?」

 

 

 

 

 

 そう、目の前にいたのは、真っ黒に染められたもう1人の私だった。

 

 何か見覚えがある気がする。

 

 

 

 千里(…!もしかして…!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~数週間前~

 

 

 

 

 

 千里(…!?私…!?)

 

 千里(いや…!やめて…!)

 

 

 

 

 

 ???

「いなくなれば良かったのに!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうだ、あの時だ。

 

 私が真衣の家に居候したばかりの頃の夜、あの悪夢の中にいた私だ。

 

 今でも鮮明に覚えている。

 

 あれから、“あの夢は何だったんだろう”と、常に毎日頭の中でそうよぎっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千里…?「あんたは、私を止められない。」

 

 千里「…え…?」

 

 千里…?「止める事なんてできない。どう足掻こうとも…。」

 

 

 

 

 

ビリリリィッ!!!

 

 千里

「うぐっ…!うあぁっ!!」

 

 もう1人の私がそう言い告げると、再び電撃のようなものを私の頭の中で走らせた。

 

 その痛みで頭を抱え、かがみ込んでしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真衣「千里!!」

 

 千里…?「…!」

 

 千里「はぁ…、はぁ…。」

 

 

 

 遠くで真衣の声がし、もう1人の私は姿を消した。

 

 あれは何だったのか…?

 

 “私を止められない”…。もしかして…。

 

 

 

 

 真衣「千里!大丈夫か!?」

 千里「平気…。」

 杏梨「そうなの?千里ちゃんが叫んでたから、何かあったかと思って駆け付けたんだけど…。」

 千里「……。」

 

 一応、聞いてみる事にしようか。

 

 千里「真衣、杏梨ちゃん…、ここにもう1人の私って居なかった?」

 真衣「…は?」

 千里「さっき、そいつに襲われたんだ…。ここに来る時、それが見えなかったのかと思って…。」

 杏梨「ううん、何もいなかったよ。千里ちゃんが叫んでただけだった…。」

 真衣「何かいたのか?千里にしか見えないものとか…。」

 千里「……。」

 

 もしかしたら、私にしか見えない奴なのかもしれない。

 私の考えすぎだろうか?

 

 千里「ごめん、やっぱり何でもない。それよりも、2人は部活終わったでしょ?今日は泉田のロストを消すんじゃないの?」

 真衣「まあ、そうだな。早いとこ終わらせようぜ。時間も無限にある訳じゃねえからよ。」

 千里「オッケー。扉を出すからちょっと待ってて。」

 

 私はスマホ画面のアイコンをタップする。

 

 

 

 

ドォンッ!!

 

 杏梨「わっ…!」

 

 あ、そっか。杏梨ちゃんはこれを見るのは初めてだったっけ…。

 

 真衣「こんな感じで扉が現れるんだ。わかっててもちょっとびびるけどな…。」

 杏梨「そうなんだ…。びっくりした…。」

 

 まあ、初めて見るのであれば誰だってびっくりするよね。

 

 千里「覚悟はいい?ここに入ったら、後戻りはできないと思ってて。」

 真衣「ああ。アタシはもうできてるぜ!」

 杏梨「私も。ちょっと怖いけど…、頑張る!」

 千里「じゃあ行くよ。泉田を終わらせるんだ!」

 

 そう言うと、私達は扉の中へ入った。

 

 暴走している泉田を止めるんだ。私達の力で─────!

メインストーリーが終わったら番外編を書いてほしい?

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