~2日後~
~杏梨視点~
午前中、私は学校で授業を受けていた。
あれから私は、虐められる事は無くなり、普通通りの学校生活を送っていた。
しかし、気になる事があった。
杏梨「……。」
それは、私のクラスで1人欠席している子がいるという事。
今日だけじゃない、この学校に入学した4月からずっとだ。
最初は、家庭の事情で休んでいるのかと思ってた。
でも、私の考えは違かった。
先生『あの子なら、オンラインの方で授業を受けていますよ。4月からずっと。』
ある日、先生の言っていた事が頭の中で流れた。
その子は、4月から学校に来る事は一度もなく、ずっとオンラインで授業を受けていた事。
理由はわからない。
ましてや、先生も聞かされてないという事。
それが、私はどうしても気になっていた。
先生「北乃さん!」
杏梨「…!はい!何ですか!?」
先生「さっきからボーッとしてるけど、具合でも悪いの?」
杏梨「あ、いえ!大丈夫です!ごめんなさい…!」
先生「そう?ならいいけど…。」
私の考えすぎかな…。
でも、解決しないと落ち着かない。
徹底的に調べないとダメかな…。
~昼休み~
~千里視点~
私はいつもの3人で昼食を取っていた。
そこで、杏梨からある事を聞かれた。
真衣「4月から学校に来てない生徒?」
杏梨「うん。今10月でしょ?私も入学して6ヶ月経つけど、未だに学校に来てない子がいるらしいの。」
杏梨のクラスで、入学して6ヶ月も不登校になっている生徒がいるらしい。
それは私もおかしいと思っていた。
普通なら入学したらずっと学校に通うはずなのに、未だに登校していない生徒がいるという事。
真衣「家庭の事情でもせめて1、2週間くらいだろ?なのに6ヶ月は休むはずないもんな…。」
千里「…なんだか、気味が悪いね。」
杏梨「それがどうしても気になって。だから調べないとって思ってたの。」
まあ、杏梨の言っている事はわからなくもないかも。
真衣「放課後とかに、アタシ達も先生に聞いてみるか?」
千里「それがいい。無理に他人の家に押し付けるのも良くないし。」
真衣「なら、放課後調査開始だな。なんか、泉田の時と同じだな。」
今回も忙しいね。
江田の件といい、泉田の件といい…、ここ最近は調査ばかりだな。
調査といっても、聞き込みは泉田の時以来だけど…。
まあ、グズグズ言っていられないか。
~放課後~
~職員室~
放課後、私と真衣は職員室に来ていた。
真衣「2年の北乃真衣です!町田先生はいらっしゃいますか?」
町田先生とは、杏梨のクラスの担任の先生だ。
名前は町田亮子先生。
私はここに通うようになってから、何回か会った事がある。
町田先生「北乃さんに彩神さん?どうかしたの?」
真衣「あの、妹から聞いたのですが…。」
真衣は、杏梨に知らされた事を淡々と町田先生に伝えた。
町田先生「…なるほどね。そういえばあなたは、杏梨さんのお姉さんだったわね。」
真衣「ええ。それで、今言った件ですが…。」
町田先生「その件は、実は先生も気になってたの。だけど、詳しい事はわからないわ。」
真衣「そうですか…。」
町田先生も気になってはいたらしい。
しかし、その理由は明かされていない。
すると、町田先生は口を開いた。
町田先生「あ、そういえば去年の面談の時…。」
真衣「…!何かありました?」
町田先生「確か、11月か12月辺りだったかしら?よく覚えてないけど、その時私の元に子供と母親が来ていたの。」
となると、私がまだここに来ていない時の事か。
町田先生「強引な感じで、“授業は自宅の方でお願いします”って言ってきた気がするわ。」
千里「え?それってどういう事ですか?」
オンラインで授業を受けているって事?
わざわざ学校に行かせず、家で過ごさせているって事かな。
町田先生「理由までは言われてないけど…、母親の方からお願いされたのは確かね。だけどその時子供は……。」
町田先生「……私に、自分を助けてほしそうな顔をしていたの。」
千里「助けて…ほしそうな顔…?」
どういう事だろう。
その子供は、町田先生に助けを求めていた。
あの家族の方で、何かあったのだろうか。
いや、そうに違いない。
そうでなかったら、町田先生が言っていたあの顔はしていないだろう。
真衣「その顔をしていた…でも、その理由はわからないと…。そういう事でいいですか?」
町田先生「ええ。私が知っている事はそこまでね。」
真衣「ありがとうございます。失礼しました。」
真衣はそう告げて、職員室を出て行った。
町田先生「…彩神さん、ちょっといいかしら?」
千里「…はい?」
私も職員室を出ようとすると、町田先生に止められた。
町田先生「大変だったでしょう?いきなり担任だった佐島先生が亡くなったり、泉田さんの件に巻き込まれたりしてて…。」
なんだ、その事か。
千里「いえ、全然大丈夫です。佐島先生が亡くなったのは残念に思いましたが…。」
確かにいきなりショックな出来事に巻き込まれたりしていたけど、なんとか解決はできた。
佐島先生に関しては、すごく残念だった。
だって、私がここに迎え入れたり、私に最初に気遣ってくれていたのは、あの佐島先生だったのだから。
町田先生「それで、何で彩神さんもこの事を?やっぱり、北乃さんから聞いてた?」
千里「ええ。事の発端は杏梨からですが、それが私も真衣も気になり出したので…。」
町田先生「そうなのね。確か2人と仲が良かったのよね。あなたと北乃さん2人とよく一緒にいた所、前からよく見てたもの。」
やはりそうか。
確かに、2人とよくいた時間はあったな。
町田先生「まあ…、さっきの件に戻るけど、彩神さんはその件について、どうするつもり?」
千里「そうですね…。まあ一度気になったものは、解決するまで落ち着かない性格なので…。」
町田先生「なるほどね。でも、乱暴なやり方で解決するのはダメよ?」
千里「……。ええ、そのつもりです。」
乱暴なやり方…。
思えば、ロストワールドでやっている事は、本当は乱暴な事なのだろうか。
今まで、よくわからないままでやってた。
町田先生「引き止めてごめんなさいね。彩神さんはこの後予定はあった?」
千里「いえ、特に何も。このまま下校するだけです。」
町田先生「そう。気を付けて帰ってね。」
千里「はい。失礼しました。」
私は会釈し、職員室を出た。
現実で悪人が現れる。
そしてロストワールドに、その悪人のロストが現れる。
ロストワールドでロストを消して、現実の悪人は改心する。
これが、私と真衣、杏梨のやってきた事だ。
しかし、それが本当に正当な事なのか。
それが本当に、人を助ける事になるのか。
強引なやり方ではないか。
私はロストワールドで、最初のロスト…江田のロストを消してから、つくづくそう思うようになった。
多分これは、真衣も杏梨も思っているのかもしれない。
次またロストが現れたら、どんな気持ちで消せばいいのかがわからない。
こんなんで私は、ロストワールドで成すべき事を成せるのだろうか?
そんな事を考えながらも、私は歩き出した─────。
キーワード「助けてほしそうな顔」が出てきました。
これはどういう事でしょうか。
あの家庭に何があったか。
ここから明らかになっていきます。
そういう所も考えさせながら書いていきたいと思います。
次回もお楽しみに。
メインストーリーが終わったら番外編を書いてほしい?
-
書いてほしい
-
書かなくていい
-
書いてもいいけど先に続編書いてほしい
-
作者に任せる