東京ロストワールド   作:ヤガミ

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今回から本編開始です。


第29話

~2日後~

~杏梨視点~

 午前中、私は学校で授業を受けていた。

 あれから私は、虐められる事は無くなり、普通通りの学校生活を送っていた。

 

 

 

 しかし、気になる事があった。

 

 

 

 杏梨「……。」

 

 それは、私のクラスで1人欠席している子がいるという事。

 

 今日だけじゃない、この学校に入学した4月からずっとだ。

 

 最初は、家庭の事情で休んでいるのかと思ってた。

 

 でも、私の考えは違かった。

 

 

 

 

 

 先生『あの子なら、オンラインの方で授業を受けていますよ。4月からずっと。』

 

 

 

 

 

 ある日、先生の言っていた事が頭の中で流れた。

 

 その子は、4月から学校に来る事は一度もなく、ずっとオンラインで授業を受けていた事。

 

 理由はわからない。

 

 ましてや、先生も聞かされてないという事。

 

 それが、私はどうしても気になっていた。

 

 

 

 

 

 先生「北乃さん!」

 

 

 

 杏梨「…!はい!何ですか!?」

 先生「さっきからボーッとしてるけど、具合でも悪いの?」

 杏梨「あ、いえ!大丈夫です!ごめんなさい…!」

 先生「そう?ならいいけど…。」

 

 私の考えすぎかな…。

 

 でも、解決しないと落ち着かない。

 

 徹底的に調べないとダメかな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~昼休み~

~千里視点~

 私はいつもの3人で昼食を取っていた。

 そこで、杏梨からある事を聞かれた。

 

 

 

 真衣「4月から学校に来てない生徒?」

 杏梨「うん。今10月でしょ?私も入学して6ヶ月経つけど、未だに学校に来てない子がいるらしいの。」

 

 杏梨のクラスで、入学して6ヶ月も不登校になっている生徒がいるらしい。

 それは私もおかしいと思っていた。

 普通なら入学したらずっと学校に通うはずなのに、未だに登校していない生徒がいるという事。

 

 真衣「家庭の事情でもせめて1、2週間くらいだろ?なのに6ヶ月は休むはずないもんな…。」

 千里「…なんだか、気味が悪いね。」

 杏梨「それがどうしても気になって。だから調べないとって思ってたの。」

 

 まあ、杏梨の言っている事はわからなくもないかも。

 

 真衣「放課後とかに、アタシ達も先生に聞いてみるか?」

 千里「それがいい。無理に他人の家に押し付けるのも良くないし。」

 真衣「なら、放課後調査開始だな。なんか、泉田の時と同じだな。」

 

 今回も忙しいね。

 

 江田の件といい、泉田の件といい…、ここ最近は調査ばかりだな。

 

 調査といっても、聞き込みは泉田の時以来だけど…。

 

 まあ、グズグズ言っていられないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~放課後~

~職員室~

 放課後、私と真衣は職員室に来ていた。

 

 真衣「2年の北乃真衣です!町田先生はいらっしゃいますか?」

 

 町田先生とは、杏梨のクラスの担任の先生だ。

 名前は町田亮子先生。

 私はここに通うようになってから、何回か会った事がある。

 

 町田先生「北乃さんに彩神さん?どうかしたの?」

 真衣「あの、妹から聞いたのですが…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真衣は、杏梨に知らされた事を淡々と町田先生に伝えた。

 

 町田先生「…なるほどね。そういえばあなたは、杏梨さんのお姉さんだったわね。」

 真衣「ええ。それで、今言った件ですが…。」

 町田先生「その件は、実は先生も気になってたの。だけど、詳しい事はわからないわ。」

 真衣「そうですか…。」

 

 町田先生も気になってはいたらしい。

 しかし、その理由は明かされていない。

 すると、町田先生は口を開いた。

 

 

 

 

 

 町田先生「あ、そういえば去年の面談の時…。」

 真衣「…!何かありました?」

 町田先生「確か、11月か12月辺りだったかしら?よく覚えてないけど、その時私の元に子供と母親が来ていたの。」

 

 となると、私がまだここに来ていない時の事か。

 

 

 

 町田先生「強引な感じで、“授業は自宅の方でお願いします”って言ってきた気がするわ。」

 千里「え?それってどういう事ですか?」

 

 オンラインで授業を受けているって事?

 わざわざ学校に行かせず、家で過ごさせているって事かな。

 

 町田先生「理由までは言われてないけど…、母親の方からお願いされたのは確かね。だけどその時子供は……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 町田先生「……私に、自分を助けてほしそうな顔をしていたの。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千里「助けて…ほしそうな顔…?」

 

 どういう事だろう。

 その子供は、町田先生に助けを求めていた。

 あの家族の方で、何かあったのだろうか。

 いや、そうに違いない。

 そうでなかったら、町田先生が言っていたあの顔はしていないだろう。

 

 真衣「その顔をしていた…でも、その理由はわからないと…。そういう事でいいですか?」

 町田先生「ええ。私が知っている事はそこまでね。」

 真衣「ありがとうございます。失礼しました。」

 

 真衣はそう告げて、職員室を出て行った。

 

 

 

 

 

 町田先生「…彩神さん、ちょっといいかしら?」

 千里「…はい?」

 

 私も職員室を出ようとすると、町田先生に止められた。

 

 

 

 町田先生「大変だったでしょう?いきなり担任だった佐島先生が亡くなったり、泉田さんの件に巻き込まれたりしてて…。」

 

 なんだ、その事か。

 

 千里「いえ、全然大丈夫です。佐島先生が亡くなったのは残念に思いましたが…。」

 

 確かにいきなりショックな出来事に巻き込まれたりしていたけど、なんとか解決はできた。

 佐島先生に関しては、すごく残念だった。

 だって、私がここに迎え入れたり、私に最初に気遣ってくれていたのは、あの佐島先生だったのだから。

 

 町田先生「それで、何で彩神さんもこの事を?やっぱり、北乃さんから聞いてた?」

 千里「ええ。事の発端は杏梨からですが、それが私も真衣も気になり出したので…。」

 町田先生「そうなのね。確か2人と仲が良かったのよね。あなたと北乃さん2人とよく一緒にいた所、前からよく見てたもの。」

 

 やはりそうか。

 確かに、2人とよくいた時間はあったな。

 

 町田先生「まあ…、さっきの件に戻るけど、彩神さんはその件について、どうするつもり?」

 千里「そうですね…。まあ一度気になったものは、解決するまで落ち着かない性格なので…。」

 町田先生「なるほどね。でも、乱暴なやり方で解決するのはダメよ?」

 千里「……。ええ、そのつもりです。」

 

 乱暴なやり方…。

 

 思えば、ロストワールドでやっている事は、本当は乱暴な事なのだろうか。

 

 今まで、よくわからないままでやってた。

 

 町田先生「引き止めてごめんなさいね。彩神さんはこの後予定はあった?」

 千里「いえ、特に何も。このまま下校するだけです。」

 町田先生「そう。気を付けて帰ってね。」

 千里「はい。失礼しました。」

 

 私は会釈し、職員室を出た。

 

 

 

 現実で悪人が現れる。

 

 そしてロストワールドに、その悪人のロストが現れる。

 

 ロストワールドでロストを消して、現実の悪人は改心する。

 

 これが、私と真衣、杏梨のやってきた事だ。

 

 

 

 しかし、それが本当に正当な事なのか。

 

 それが本当に、人を助ける事になるのか。

 

 強引なやり方ではないか。

 

 私はロストワールドで、最初のロスト…江田のロストを消してから、つくづくそう思うようになった。

 

 

 

 多分これは、真衣も杏梨も思っているのかもしれない。

 

 次またロストが現れたら、どんな気持ちで消せばいいのかがわからない。

 

 

 

 こんなんで私は、ロストワールドで成すべき事を成せるのだろうか?

 

 そんな事を考えながらも、私は歩き出した─────。

 

 

 

 

 

 

 

 




キーワード「助けてほしそうな顔」が出てきました。
これはどういう事でしょうか。
あの家庭に何があったか。
ここから明らかになっていきます。

そういう所も考えさせながら書いていきたいと思います。
次回もお楽しみに。

メインストーリーが終わったら番外編を書いてほしい?

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