東京ロストワールド   作:ヤガミ

32 / 59
気付いたらもう30話まで書いてましたw
それと、お気に入り登録してくれた人が10人超えました!ありがとうございます!

これからも何卒よろしくお願い致します!

それでは前回の続きとなります。どうぞ!


第30話

~千里視点~

 あれから私は、寄り道がてらに本屋に寄っていた。

 この前ネットで面白そうな本を見つけたから。

 当時は在庫ありの表示があったので、今日本屋に行って買ったという流れだ。

 

 

 

 その帰り道。

 5時を回った所だ。

 

 

 

 周りには、他の学校の生徒や、仕事帰りの大人達が集っていた。

 その中に紛れ込んで、私は歩いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ─────その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『……!……!!』

 

 

 

 

 

 千里「…ん?」

 

 

 

 

 

 路地裏の方で何かが聞こえる。

 

 不信に思いながら、私はそこに行く事にする。

 

 

 

 

 

 『どう………う事が………い…!?』

 

 

 

 

 

 だんだん近くなってきてる。

 

 誰かが争っているのだろうか。

 

 薄暗く、闇のような空間を、私は歩き続ける。

 

 

 

 

 

 するとそこには─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千里「……!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「お母…さん……、やめて……。」

 「はあ?あんたが言う事を聞かないからこうなるのよ!傷を付けられたくなかったら従いなさいよ!!」

 

 

 

 そこには、母親らしき女が男の子に暴力を振るっていた。

 おまけに、男の子の体は縄で縛られている。

 もしかして…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 町田先生『……私に、自分を助けてほしそうな顔をしていたの。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 町田先生が言っていたのは、これの事だったのだろうか。

 

 これは、本格的な犯罪だ。

 

 証拠を残そうと、私はスマホを取り出した。

 

 

 

 「痛い……。」

 「はぁ…、はぁ…。まだ殴り足りないわ。お母さんの怒りが収まるまで付き合ってもらうから。」

 「やめて……。っ…!」

 

 男の子は、この光景をスマホで撮影している私の事に気付いた。

 

 目に涙を浮かべながら、助けてほしそうに私を見た。

 

 それに気付いた女は、私の方に振り向いた。

 

 「…何?見せもんじゃないのよ。関係ない奴は消えなさいよ。」

 千里「…!」

 「消えろって言ってんだろ!!」

 

 

 

 

 

バキッ!!

 

 千里「ぐっ…!?」

 

 私は逃げようとしたが、間に合わず顔を殴られた。

 

 痛みを抑えながら、私は逃げ出す。

 

 今は、手を出せる状況ではない。

 

 怖くなり、私は一目散に走った…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千里「痛…。」

 

 なんとか、北乃家まで帰ってこれた。

 鼻ら辺を思い切り殴られた為、鼻血がダラダラと流れ落ちる。

 ティッシュを持っていなかったので、手で抑える事しかできなかった。

 

 男の子を殴ってたあいつ…、もしかするとあの子の不登校の原因かもしれない。

 そうとしか思いようがなかった。

 

 

 

 

 

 真衣「あ、千里!」

 千里「…!」

 

 用事が終わったのか、真衣と杏梨が来た。

 

 杏梨「どうしたの!?鼻血出てるよ!?」

 千里「あ、うん、平気だよ…。」

 真衣「平気な訳無いだろ?早く鼻にティッシュ詰めとけって!」

 

 真衣はそう言うと、ティッシュの準備をするのか颯爽と家に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は、鼻血を流した理由を2人に話した。

 

 真衣「虐待…?」

 千里「…うん。たまたま寄り道してたら、男の子が虐待されてた。それがこれだよ。」

 

 私はその光景を2人に見せた。

 あの時、私は動画を撮っていたのだ。

 これなら証拠になりやすいかもしれないと思ったから。

 

 

 

 『まだ殴り足りないわ。お母さんの怒りが収まるまで付き合ってもらうから。』

 

 

 

 杏梨「何これ…、酷い…。」

 真衣「相当狂ってやがるな…。これ普通に犯罪だぞ?」

 

 確かにそうだ。

 路地裏だろうが、外であればすぐにバレると思うが、当時周りには誰もいなかった。

 いや、いたんだろうけど、あの女に見つかり殺された…という事も有り得る。

 可能性は低いと思うけど、虐待しているのであれば、口止めのためにやったと私は思う。

 

 千里「ねえ真衣、町田先生から聞いた話を覚えてる?」

 真衣「え?何でだ?」

 杏梨「町田先生の所に行ったの?」

 千里「うん。私も気になっててね。町田先生に聞けばわかるかなって。」

 真衣「で?何で町田先生の話が出てくるんだ?」

 千里「町田先生、こう言ってなかった?」

 

 私ははっきりと覚えてる。

 こんな大事な事は忘れる筈が無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千里「…“助けてほしそうな顔をしていた”って。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの場にいた事で、私は町田先生が言っていた事を思い出したんだ。

 それが、これに繋がるのかもしれないから。

 

 真衣「…て事は、不登校の理由は虐待って訳か?」

 杏梨「そんな…。」

 千里「今言った事は、あくまでも仮説ね。だけど一理あると思って2人に伝えたんだ。」

 真衣「マジかよ…。」

 

 不穏な空気が漂う。

 子供に暴力を振る親。

 そんな奴が、親の資格があるのだろうか?

 いや、十中八九無いね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真衣「アタシ、思うんだけどさ。」

 千里「ん?何?」

 

 突然、真衣は口を開いた。

 

 

 

 

 

 真衣「…この世の中、何で身勝手で腐った大人がいるんだって、親父が死んでから常々思ってたんだ。」

 

 

 

 

 

 千里「真衣…。」

 真衣「大人になって、変わる事なんてほんの少ししかない。だけどさ、何で大人になれば悪い方向に変わっていくのかって思ってたんだ。誰だってそうじゃん?良い人もいれば悪い奴がいる、綺麗な心もあれば汚ねえ心もある。高校生のアタシが言えた事じゃないが、そんな汚ねえ大人が何で世の中に沢山いるんだって、嘆いてばかりだったんだ。」

 杏梨「お姉ちゃん…。」

 

 真衣の言っている事は間違ってない。

 私もそう思った。

 真衣の話を聞いて、私は過去を…小さい頃の事を思い出した。

 ひょっとしたら、私と真衣は同じ気持ちを抱えながら生きていたのかもしれない。

 

 真衣「今回の件も、そんな事嘆いてばかりだった。本当はアタシだって、ロストワールドに行かなくても、本気でぶつかりてえと思ってたよ。腐った世の中見せられ続けて、自分は何もしないなんてできる訳ねえだろ?」

 千里「それはまあ…、そうかもね…。」

 真衣「…でもできなかった。それは、アタシが無力なだけだったから。後先が怖くてぶつかれなかったんだよ…。」

 

 真衣は、今にも悔し泣きしそうな顔を作っていた。

 人間は、無力な存在だ。

 強い者もいれば、中には弱い者がいる。

 私達は、現実では何もできない弱き人間だった。

 

 千里「誰だって怖いよ。ああいう奴らに立ち向かうのは。」

 真衣「…だよな。ごめん、急に嘆いて。彼を…あの子をアタシ達で救おうぜ。」

 千里「やろう。」

 杏梨「うん。助けに行こう。」

 

 有言実行。

 

 覚悟を決めた私達は、彼を助ける事に決めた。

 

 苦しく、地獄の中で彷徨っている彼を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メインストーリーが終わったら番外編を書いてほしい?

  • 書いてほしい
  • 書かなくていい
  • 書いてもいいけど先に続編書いてほしい
  • 作者に任せる
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。