東京ロストワールド   作:ヤガミ

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第31話

~土曜日~

 千里「ここが、昨日私が来た所。」

 

 私は、昨日男の子が虐待されていた所に2人を連れてきた。

 路地裏のちょっぴり狭い、行き止まりの場所。

 

 真衣「確かに虐待するには、あいつにはいいスペースかもしれないな。」

 杏梨「ここで男の子は暴力を振られたんだよね?」

 千里「うん。だから男の子の家はこの近くだと思ってる。でなかったら、わざわざこんな場所に連れて来られないから。」

 

 もしこの近くに住んでいなかったら、大抵家の中ですると私は思う。

 どっちにしろ、犯罪に変わりはない。

 

 真衣「なあ杏梨、入学式の日の事覚えてるか?覚えてたら男の子の名前ってわかるか?」

 杏梨「うーん…。」

 

 杏梨は思い出そうと考え込んだ。

 6ヶ月って言ってたから、ちょっと厳しいかな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 杏梨「萩…君だったかな。」

 

 

 

 真衣「萩?」

 

 杏梨から出た、「萩(はぎ)」。

 それは苗字だろうか?

 

 杏梨「下の名前は覚えてない…。だけど、萩って苗字だけは覚えてた。確か、先生が名前を呼んでいたけど、本人はいなかったんだと…思う…。」

 

 うろ覚えそうに杏梨は振り返った。

 というか、僅かに覚えているのか。

 

 真衣「じゃあ、この近くに萩って苗字を探せばいいんだな?」

 千里「…あると信じたいね…。」

 

 私達はアパートの中に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真衣「えーっと…、あった!萩!」

 千里「ここか。」

 

 ようやく見つけられた。

 アパートC102号室に住んでいたらしい。

 隅々まで探したから、思いの外時間が経かった…。

 

 真衣「んで?どうする?訪問に行くの。」

 

 問題はそれなんだよね…。

 私は昨日あそこに行って、女に目を付けられたから…。

 

 

 

 千里「じゃあ真衣、お願い。」

 真衣「…は?」

 千里「私、あの時顔覚えられたかもしれないから、代わりにお願いできる?」

 杏梨「あ、動画撮るために?」

 千里「うん。」

 真衣「しゃーねえなー…、わかったよ。」

 千里「危なくなったら逃げるんだよ?」

 

 私は真衣に訪問を任せ、杏梨と一緒に陰に隠れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~真衣視点~

 千里にお願いされて、仕方なくやってみるが…。

 暴力振るほどだもんな。気を付けて行かないと…。

 

 

 

ピンポーン

 

 

 

 

 

 ……。

 

 

 

 真衣「……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …インターホンを押しても、誰も出てくる気配はない。

 もう一度押してみよう。

 

 

 

 

 

ピンポーン

 

 

 

 

 

 ……。

 

 

 

 真衣「……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …やっぱり出てこない。

 留守なのだろうか?

 

 またもう一度インターホンを押してみる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャ…

 

 おっと、ドアが開いたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「何か?」

 

 なるほど、こいつが例の女か。

 

 真衣「あ、どうも。今お伺いしても宜しかったでしょうか?」

 「何ですか?セールスならお断りです。」

 真衣「いえ、セールスではないんです。ちょっとお宅の事をお伺いしたくて。」

 「結構です。帰ってください。」

 

 くそ、こいつガード硬ぇな…。

 

 真衣「ちょっとだけお話するだけでもいいんです。どうかお願い申し上げ─────。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「帰れ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真衣「…え?」

 

 

 

 

ジャキンッ!!

 

 真衣「…!!」

 

 するとアタシは…、何故か包丁を向けられた。

 

 「帰れっつってんだよ!!物分りの悪いゴミ虫が!!!」

 真衣「ゴミ…!?」

 「さっさと回れ右しろ!!ぶっ殺されてえのか!?あぁ!?」

 真衣「ぐっ…!くそ…!」

 

 このままではどうしようもない。

 歯向かった所で殺されるだけだ。

 

 真衣「…失礼しました~。」

 

 あれでヤバい奴だと発覚した。

 一先ず今日は引き返すとするか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~千里視点~

 千里「今の奴…、ヤバかったね…。」

 真衣「…ああ。本気でアタシを殺そうとしてた。あのまま歯向かってたら刺されてたかもしれない。」

 杏梨「良かった…。私が行かなくて…。」

 

 あの女、脅してまで無理矢理帰すのか。

 完全な犯罪者じゃん…。

 

 真衣「でも、一つだけ良い事があったぜ。奴の本性を見い出せた。」

 

 まあ、それが証拠に残ったって訳だね、

 録音しといて良かった。

 

 千里「動画と録音データ…。犯罪に繋がる証拠が一つ増えたね。」

 杏梨「…ねえ、やっぱりこういうのって警察に任せた方がいいんじゃない…?」

 真衣「それだとその時来た警察が殺されるかもしれない。ある程度証拠を残して、それを警察に報告するっていう流れだ。」

 

 まあ、確かにそうだね。

 もしかしたらあの女は頭が切れる奴かもしれない。

 捕まらない為の対策はしっかり練ってるのかもしれないからね。

 

 千里「とりあえず、今日は一先ず退散という事で、今度またここに……。」

 

 

 

 私はスマホをホーム画面に戻すと、ある異変に気付いた。

 

 

 

 

 

 真衣「…!これ、ロストワールドに入る為のアイコン…!?」

 

 そう、あの時消えたアイコンが、ここでまた現れたのだ。

 

 千里「ねえ、2人もスマホ見てみてくれる?」

 

 

 

 真衣「…!アタシのにもある!」

 杏梨「私のも!」

 

 どうやら、女がロストとして現れたって事だね。

 こうなるだろうとは思っていた。

 

 千里「どうする?明日またここに来て、ロストワールドに行くって事もできるけど…。」

 真衣「…いや、出てきたのなら行くしかねえだろ。」

 千里「…そう言うと思った。」

 

 どうやら、真衣は覚悟ができたらしい。

 

 杏梨「私も行く!早くこんな事やめさせたいもん!」

 千里「杏梨…。…わかった。」

 

 皆、ロストワールドに行く事に決めたね。

 

 

 

 千里「じゃあ、扉を出すよ!」

 

 そう言い、アイコンをタップした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドォンッ!!

 

 案の定、ここのロストが待つロストワールドへの扉が出てきた。

 

 真衣「よし、行くぞ!」

 杏梨「おー!」

 

 まだ予想もついていないロストワールド。

 

 果たして、どのようなものなのか。

 

 お手並み拝見と行こうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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