東京ロストワールド   作:ヤガミ

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第34話

~柊太視点~

 お母さんから監視対象とされて、もう何日経ったのだろうか。

 

 そろそろ、家の生活も飽きてきた。

 

 でも勝手に外に出たら、お母さんから暴力を振られるのがオチだ。

 

 僕は一体、いつまでこの───。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ───自宅という監獄に囚われればいいんだろう───。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真由美「柊太、ご飯よ。」

 

 

 

 

 

 柊太「…!…はい…。」

 

 

 

 ああ、また地獄のようなご飯の時間が来たんだ。

 

 

 

 あのお姉ちゃん、また助けに来てくれないかな。

 

 路地裏で暴力を振られた僕を見た、あのお姉ちゃん。

 

 黒い髪で、茶色い目の色して、動画か何かを撮ってた、あのお姉ちゃん。

 

 もし、本当にできるのであれば───。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ─────助けてほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~翌日~

~千里視点~

 あれから私達はロストワールドを出て、作戦を立てようとしていた。

 

 千里「ねえ2人とも、考えてみたんだけどさ。」

 真衣「お?何だ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千里「…もういっその事、あの男の子と話すのはどうかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私が考えたのは、直接あの男の子の所に行くという事。

 そもそも何故あのような虐待が起こったのか、私は気になって仕方がなかった。

 

 真衣「は?どういう事だ?」

 杏梨「話すって…、どうやって?」

 

 まあ、普通はそうなるよね。

 でも私は、それでも確かめに行きたい。

 

 千里「真正面から行けないのであれば、どこか侵入口を見つければいいんじゃないかな。」

 杏梨「窓から入るって事?それ不法侵入にならない?」

 千里「かもしれない。だけどあっちは加害者の家だよ。あいつによって、私達がどうなろうが構わない。こっちは元々証拠は2つ掴んでるようなもんだし、男の子を助ける為にはそれしかないと思ってるの。」

 

 確かに勝手に他人の家に入るのは、不法侵入として疑われるかもしれない。

 だけど、あそこは元から虐待犯の家だ。

 現実世界だから、対抗できない事はわかってる。

 だからそれを潜り抜けて、私は彼を助けたい。

 

 真衣「いいけどよ、虐待犯の家の中に忍び寄るって事は、相当覚悟がいるかもしれないぞ?下手したら、千里の方が半殺しになるかもしれない。あの動画の中には、彼と彼の母親しかいなかったんだろ?」

 千里「……。」

 

 真衣の言う通りだ。

 生け捕りにされるか、滅多刺しにされて終わり、という事も十分有り得る。

 

 

 

 

 

 千里「……それでも行くよ。」

 

 

 

 

 

 真衣「千里…。」

 

 その覚悟なら、もうできてる。

 一度は救われた命だが、男の子を助ける為だ。

 

 千里「だからやらせて。真衣、杏梨。」

 真衣、杏梨「……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真衣「……わかった。」

 

 

 

 

 

 杏梨「お姉ちゃん!?」

 

 真衣「千里、アタシがここまで言わなくてもやるつもりだったろ?」

 千里「かもね。」

 真衣「わかるぞ。お前の目、“男の子を助ける為なら、自分はどうなっても構わない”って言ってるもんな。」

 千里「うん。」

 真衣「…ならわかった。ただし、危ないと思ったらすぐ逃げろよ?あいつは一度、現実世界でも千里の顔覚えてんだから。」

 千里「わかってる。」

 

 全て承知の上だ。

 

 となれば、早速作戦開始だ。

 

 不法侵入はダメな事なのはわかってる。

 

 だけど放っておいたら、男の子の方が危ない。

 

 そう思ったから─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千里「真衣、聞こえる?」

 真衣『ああ、聞こえるぜ。杏梨にも聞こえるようにスピーカーにしてる。』

 

 あれから私はアパートCに向かい、通話を繋げながら作戦を実行していた。

 3人共行くと危ないから、私1人だけで行っている。

 後の2人は、自宅で待機という事にしている。

 

 千里「こっちはアパートC102号室に着いた。今から男の子の所に行ってみるね。通話はこっちもスピーカーにしとく。」

 真衣『オッケー。任せた。』

 

 私はそう告げ、窓をノックしてみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~柊太視点~

 今日も退屈だ。

 部屋にはゲーム機はあるけど、今はそういう気分じゃない。

 というのも、監視対象だからその気になりたくてもなれない。

 

 

 

 

 

コンコンッ

 

 柊太「…?」

 

 窓からノックする音が聞こえる。

 恐る恐る覗いてみると───。

 

 

 

 柊太(…!あの時の。)

 

 そう、路地裏にいた、黒い髪のお姉ちゃんだった。

 こんな所まで来てどうしたのかな…。

 

 千里(─────。)

 柊太「…?」

 

 何か口パクで言っているみたい。

 「開けて」って言っているように見える。

 僕は窓を開けた。

 

 

 

 

 

 千里「…急にごめんね。大丈夫だった?」

 柊太「あ…、う、うん。」

 千里「お姉ちゃんはね、君を助けにここに来たの。君はお姉ちゃんの事、覚えてる?」

 柊太「あの時、動画撮ってたお姉ちゃん…?」

 

 僕の知る限りでは、このお姉ちゃんはあの時、路地裏で動画を撮ってたお姉ちゃんだ。

 間違いない、同一人物だ。

 

 千里「そうだよ。まあ、たまたま路地裏にいたけどね。良かったら、君の事を聞かせてくれない?」

 

 もしかしたら、この牢獄を抜け出せるチャンスかもしれない。

 

 そう思って、僕はありのまま話す事にした───。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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