~千里視点~
千里(…どうする…?あいつに気付かれずに戻れるのか…?)
あいつに追われてから、どれくらい経ったのだろうか。
まさか、部屋を出ようとしたタイミングで来るとは思わなかった。
とりあえず、2人には伝えた方がいいよね。今の状況…。
~真衣視点~
真衣「遅いな、千里…。」
千里から戻ると言われたが、あれから結構時間が経ってる。
ピロンッ
杏梨「…!お姉ちゃん、千里ちゃんからメールが。」
真衣「ん?あいつから?どれどれ…。」
アタシは杏梨にそう言われ、スマホの画面を見た。
しかし、それには思いもよらない事が書いてあった───。
真衣「は…?」
杏梨「お姉ちゃん?どうしたの…って!?」
『あいつに追われてる ちょっとヤバいかも』
真衣「おいおいおいおい!あいつに追われてるって、見つかったって事か!?」
杏梨「嘘でしょ!?バレた!?」
千里があの女にバレたらしい。
早く助けに行かねえと!
…ん?待てよ?
真衣「なあ杏梨、千里が追われてるって事は、母親も今家にいないって事じゃね?」
杏梨「え?確かにそうだけど…。」
真衣「これさ、裏を返せば男の子を助けられるチャンスなんじゃ?」
杏梨「あっ…!?」
つまり、そういう事だ。
千里には申し訳ないが、あいつが追われてる今が好機かもしれない。
真衣「アタシ達、事が済んだらロストワールドに行く予定だったよな?」
杏梨「そうだけど。」
真衣「なら今すぐ行くしかねえよ。千里を迎えて、あの子を安全な場所に連れて、ロストワールドに行こうぜ。」
となれば、早速行動開始だ。
真衣「ご勝手ながらお邪魔します!!」
アタシらはあの子の家に向かった。
真衣「あれ…?ガラ空きか…?」
入ってみると、誰もいない。
つまり、男の子もいないという事になる。
杏梨「もしかして、萩君も出て行っちゃった…?」
真衣「ちっ、こりゃ予想外だったな…。なら変更だ。千里を迎えに行くぞ!」
即座に家を出て、千里の所に向かう事に。
どうしてあの子がいないんだ?
2人が出て行った時に抜け出したのだろうか?
まさかだとは思うが、ロストワールドに…?
でも通話越しだが、あの感じからして、彼はスマホを持っているような雰囲気はなさそうだ。
ロストワールドに行っている可能性は低い。
なら、彼はどこ行ったんだ?
くそ、状況が追い付かねえ…!
~柊太視点~
柊太「───ん。」
───ここはどこだろう。
──だんだん意識が戻ってきた気がする。
─寝慣れたせいか、すぐに体を起こせた。
柊太「ここは…?」
辺りを見回してみると、赤なのか、黒なのか、よくわからない所に来ていた。
もしかして、あの扉みたいなもののせいかな…。
柊太「梯子…?」
目の前には、ぽっかり空いた大きな穴と、その穴に続く梯子があった。
進める所はここしかないのかな。
そう考えながらも、僕は降りる事にした。
穴の中には、何だかよくわからない生物がうじゃうじゃいた。
柊太「何これ…、ゲームの世界に来たみたい…。」
その光景は、まるで薄暗いダンジョンみたいだった。
子供の頃にやってたゲームみたいな。
これって、本当に現実なの…?
『─────柊太。』
柊太「…!」
どこからか、声が聞こえた。
低めの男の人の声。
だけど、何故だか聞き覚えのある声だった。
『───柊太。』
ああ、やっと思い出した。
この声は───。
柊太「…お父…さん……?」
そうだ、小さい頃に死んじゃったお父さんだ。
僕を庇って、車に轢かれたお父さん。
柊太の父『あそこに行くんだ、柊太。大丈夫。ここの怪物には、見つからないように隠してあげるから。』
柊太「……。」
上に見えるのは、僕が住んでるアパート。
僕は、導かれるままに歩いた。
柊太「…ここは…?」
あれから僕は長い道のりを歩き、アパートに入った。
そこは、おぞましい空間で包まれていた。
柊太の父『ここは、歪んだ母さんの世界だ。』
柊太「歪んだ…世界…?」
柊太の父『そう。柊太、父さんがいなくなって、母さんが狂ってしまっただろう?ここは、母さんが狂い出して、歪みを得て、作られた世界なんだ。』
よくわからない。
わからないけど、ここはお母さんが見ているもう1つの世界なんだ。
柊太「ねえお父さん。お父さんはどこにいるの?」
だけど、今疑問に思っているのは、お父さんがどこにいるかだ。
声だけ聞こえて、姿が見えない。
柊太の父『父さんはね、柊太の中にいるんだよ。』
柊太「…?どういう事?」
柊太の父『父さんは、ここでしか話せない。つまり、魂だけが残って、柊太の中に入り込めたんだ。』
柊太「……。」
柊太の父『それにな、柊太。』
柊太「何?」
柊太の父『今から父さんは、これから起きる事を予言しておくよ。』
僕は耳を澄まして、よく聞いてみる。
柊太の父『柊太はこれから、3人の女の子と出会うんだ。“悪を打ち砕く鉄槌”、“闇を斬り裂く騎士”、“癒しを解き放つ女神”。それがこれから、柊太と出会う女の子達。少なくとも柊太は、もうその鉄槌と出会ってる筈だよ?』
柊太「鉄槌…?」
柊太の父『覚えているかい?柊太を助けに来てくれた、黒髪の女の子。彩神千里ちゃんだ。柊太が1番最初に出会った女の子だよ。その子が今言った、“悪を打ち砕く鉄槌”。彼女はそう呼ばれている。』
柊太「……。」
もしかすると、あのお姉ちゃんはここで戦っていたのかもしれない。
僕の知らない所で、そんな世界が存在していたんだ。
柊太の父『柊太、お前は小さい頃、何になりたいって言ってた?』
柊太「…!」
僕はお父さんに言われ、ふと記憶が蘇る。
そうだ、僕は─────。
柊太「……勇者になりたい。」
柊太の父『そうだ。良かったよ、忘れてなくて。』
僕は、勇者になりたかったんだ。
小さい頃にやってたゲームの主人公がかっこよくて、「自分もあんな風になってみたい」なんて考えていた事があった。
柊太の父『急で申し訳ないが、今がその時だ。』
柊太「…え?」
柊太の父『柊太もそのような力を得て、彼女達と共に戦う。だから、もう1人で抱え込まないでくれ。』
そっか、そうなんだ。
僕、勇者になれるんだ。
あの時、夢に見ていた、勇者に。
柊太「……うん。お父さん、僕、頑張る。僕はあのお姉ちゃんに助けられたんだ。だから今度は、僕がお姉ちゃんを助ける番。お姉ちゃんを助ける勇者になるんだ。」
もう、あんな暮らしなんて散々だ。
僕はやっと、あの監獄から抜け出せたような気がした。
「誰かいるの?」
足音が聞こえ、誰かがやって来た。
見た顔だ。
悪者のお母さん。姿は違うけど、僕を散々痛め付けてたお母さん。
ロスト真由美「誰かと思えば柊太じゃない。何でここにいるの?まさか、彼女らみたいにここを荒らしに来たんじゃないでしょうね?」
もう、僕は弱くないんだ。
もう逃げない。
お父さん、僕、やるよ!!
柊太
「これ以上、僕や他人を痛め付けないで!!!!!」
ついに柊太、動き出しました。
次回はどのような展開になっていくでしょうか。
お楽しみに。
メインストーリーが終わったら番外編を書いてほしい?
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書いてもいいけど先に続編書いてほしい
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