東京ロストワールド   作:ヤガミ

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第37話

~千里視点~

 私はまだ、あの女から逃げてる途中だ。

 遠くへ行けば見つかり、より遠くへ行けばまた見つかりの繰り返しだ。

 できれば真衣と杏梨、早く迎えに来てくれると嬉しいんだけど…。

 

 

 

♪~

 

 千里「…?」

 

 突然、私のスマホから着信が鳴った。

 画面を見てみると、真衣からだ。

 

 

 

 千里「…もしもし?どうしたの……。」

 

 

 

 真衣

『千里!大変だ!!あの子がいねえ!!』

 

 

 

 千里「…え…!?」

 

 

 

 あの子…あの男の子がいない…?

 

 もしかして、連れ去られた…?

 

 いや、女の方は私を追ってるから、その可能性は低いか。

 

 なら、誰もいない隙に出て行ったって事…?

 

 

 

 千里「…!もしかして…。」

 

 わからないけど、行くしかない。

 

 ロストワールドに。

 

 真衣『千里、今どこだ?これからお前を迎えに行く所だが…!』

 

 

 

 

 

 千里「真衣、アパートに行こう。」

 

 

 

 

 

 真衣『…え?』

 

 千里「私の考えている通りなら、あの子はロストワールドに行ってると思う。十中八九当たりとは言えないかもだけど、あの子は母親と深く関わっているし、そうなっててもおかしくないと思ってる。真衣や杏梨の時もそうだったでしょ?」

 真衣『あ…!』

 

 となれば、速攻アパートに向かうしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 真衣『そういう事か…!わかった!そこで合流しよう!』

 

 そうして、私達は通話を切った。

 

 千里(急がないと…。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真衣『千里ー!』

 

 

 

 アパートの前に来ると、真衣と杏梨が来た。

 

 杏梨「ロストワールドに行ってるって本当?」

 千里「そう思いたい。じゃあ、扉現すよ!」

 真衣「おう!」

 

 私はアイコンをタップして、ロストワールドへの扉を出す。

 

 

 

ドォンッ!!

 

 千里(あの子がロストワールドに行ったら危ない…!無事でいて…!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真衣「おーい!どこだー!?」

 

 ロストワールドの中で、私達は男の子を探す。

 だけど、肝心な本人がいない。

 

 千里「くそ、いない…。」

 杏梨「まさか、ロストに…?」

 千里「いや、それは有り得ない。まだ可能性はある筈……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『これ以上、僕や他人を痛め付けないで!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千里、真衣、杏梨「……!!!」

 

 声が聞こえた。

 

 あの子だ。

 

 大きさからして、近くにいる。

 

 真衣「なあ、今のって…!」

 千里「あの子の声だ。行くよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~柊太視点~

 やっと、僕の本当の気持ちを言えた。

 

 お父さんの声が聞こえてなかったら、言えなかったかもしれない。

 

 僕の中に、お父さんがいてくれたから。

 

 お父さんが、励ましてくれたから。

 

 ロスト真由美「はあ?何を訳の分からない事を言っているの?」

 柊太「…言葉の通りだよ。何かあればすぐ僕に暴力振るうし、作っておきながら碌にご飯も食べさせてくれないし…。お母さんは…、どれだけ僕を苦しめさせれば気が済むの?お父さんと一緒に暮らしてて、僕にも優しかったお母さんはどこに行ったの?お母さんは…ううん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 柊太

「お前は僕のお母さんじゃない!!!」

 

 

 

 

 

 

 ロスト真由美「…!このクソガキ…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千里『やっと見つけた!』

 

 

 

 

 

~千里視点~

 案の定、あの子がいた。

 やはりロストワールドに迷い込んでいたんだ。

 

 真衣「…急にいなくなったから、探してたんだぞ。」

 柊太「…ごめんなさい。」

 

 彼は申し訳なさそうにしていた。

 だが、すぐにその表情は変わる。

 

 

 

 柊太「…でも、もう大丈夫だよ。お姉ちゃんに助けを貰わなくても。」

 千里「…え?」

 柊太「僕は、強くなったんだ。さっきね、お父さんの声が聞こえて、励まされたんだ。だから次は、僕がお姉ちゃんを助ける番。僕、小さい頃から勇者になるのが夢だったんだ。だから…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 柊太「僕は今、悪い人を止める勇者になるんだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~柊太視点~

 ???『萩柊太。』

 柊太「あっ…。」

 

 また、声が聞こえた。

 今度はお父さんじゃない。女の人の声だ。

 

 ???『ようやく、鳥籠から抜け出せましたね。』

 柊太「…うん。」

 ???『そしてあなたは、この危機を逃れたいですか?母親に、どう立ち向かいますか?』

 

 

 

 柊太「お母さんは、僕だけじゃなく、お姉ちゃんやその他の人を…沢山の人を苦しめさせてきた。だから僕は、その人達の無念を晴らしたい!お姉ちゃんを助けたい!強くなりたいんだ!」

 

 今まで吐き出したい気持ちを全て、ようやく出てきた。

 お母さんは、紛う事なき犯罪者だ。

 そんな人に、正義なんて持っていい訳がない。

 その正義があるとしても、歪みを持っている事を、今から知らさせるんだ。

 

 ???『…よろしい。では、契約を結びましょう。』

 

 僕の前には、小さな光が現れた。

 

 ???『その光を握り締め、彼女達と同じ、ロストに立ち向かう力を得るのです。そして…、彼女達を守り、ロストと戦いなさい。それがあなたの使命なのですから。』

 柊太「うん。わかった。」

 

 僕は光を取り、握った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ???『あなたは、不穏に立ち向かう勇者となるのです!!!』

 

 

 

バリンッ!

 

 

 

 柊太

「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




楽しみにしてくださった皆さん、本当にお待たせしました。
ついにこの時を迎えました。
ようやく柊太、勇者になりました。
ここからどう物語が進んでいくでしょうか。

また長く空けてしまうかもしれません。
なるべく早く投稿するよう努力しますので、次回もお楽しみにしていてください。

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