東京ロストワールド   作:ヤガミ

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この小説の投稿を始めてから1年が経ちました。
いつも読んでくださった皆さん、本当にありがとうございます。
これからも精進していきます!

あと、結構空いてしまってすみませんm(_ _)m

今回は柊太が覚醒した所からです。
それではどうぞ!


第38話

~千里視点~

 彼はロストである母親に歯向かって、自分の想いを吐き出していた。

 

 そして、真衣や杏梨のように、あの力を手に入れたのか。

 

 

 

 柊太「…僕は、こんなに縛られる事にはもうウンザリだよ。あんなにコントロールされるほど、僕は子供じゃない!」

 

 彼は、言葉の通りの「勇者」になっていた。

 

 剣と盾を持つ、本当の勇者に。

 

 ロスト真由美「何を言い出すかと思えば…!子分共!やっちまいなさい!!」

 

 彼女は数々のロストを召喚した。

 

 このままではまずい…!

 

 覚醒したばかりの力は不完全だ。

 

 そう思い返していると、1人のロストが彼に向かって武器を振り下ろす─────。

 

 

 

 

 

ガキンッ!

 

 千里「…え…?」

 

 私が助けに行こうとしていた途端、ロストの体勢が崩れた。

 

 

 

 柊太「……僕を甘く見ない方がいいよ。」

 

 

 

ザシュッ!!

 

ズバァッ!!

 

 隙を見せたロストが、彼によって斬り裂かれた。

 

 真衣「あれって…、“パリィ”か!?」

 千里「パリィ…?…!そういう事か…!」

 

 なんと、彼はパリィでロストの武器を弾いていたのだ。

 パリィとは、ゲームなどの試合でよく使われ、「受け流し」を意味している。

 となると彼は、盾でパリィをしてカウンターを決めたって事か。

 

 ロスト真由美「この…!ほらそこの子分!!遠距離も出しなさい!!」

 

 彼女に命令を出されたロストは、弓矢を構え放つ。

 

 

 

 柊太「効かないよ!」

 

ガキンッ!

 

ブシュッ!!

 

 杏梨「今のもパリィ!?」

 

 彼は矢を弾き返し、その矢はロストの頭に突き刺さった。

 

 千里「すごい…。」

 

 彼の本当の力に、私は思わず見入ってしまった。

 

 虐待を受けていた子だとは思えない。

 

 ロスト真由美「ああもう!ちっとも上手くいかないじゃない!本当に使えない奴らね!!」

 真衣「てめえ!子分達にそんな事を!!」

 ロスト真由美「もういいわ!今回は見逃してあげる!次会ったらタダじゃおかないわよ!!」

 

 そう告げると、彼女は颯爽と行ってしまった。

 

 柊太「あ!待って!……うぅっ!」ガクッ

 

 彼は母親を追うべく走り出そうとしたが、跪いてしまう。

 力を出し切ったのだろう。

 

 千里「大丈夫!?」

 

 私は彼に駆け寄った。

 

 柊太「ごめんね、お姉ちゃん…。僕、ちょっと疲れちゃったかも…。」

 真衣「とりあえず、一旦ここから出よう。情報整理はその後だ。」

 千里「そうだね。」

 

 私は真衣の言う通りにした。

 

 

 

 それにしても、パリィか…。

 彼がもし仲間に入ってくれれば、この先も有利に進められるかもしれない。

 まあ、その時はその時かな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 柊太「…戻った……。」

 

 私達は彼を連れて、ロストワールドから出た。

 

 真衣「…しかし、驚いたよ。君もロストワールドで力を得るなんてな。」

 柊太「ロスト…ワールド…?」

 千里「さっき君が入った異世界。あれはロストワールドって言われてるの。誰が作り出したかはわからない。私達はそのロストワールドで、悪い人達を改心させてきた。君のお母さんも、改心させるつもりでいたの。結局逃げられたけど…。」

 柊太「……。」

 

 彼は考え込んだ。

 まあ、咄嗟にそんな出来事が起きたのだから、混乱するのは当然の事だ。

 

 杏梨「…ねえ、外にいたら危ないんじゃない?どこか安全な所に行こうよ。」

 真衣「それもそうだな。それに暗くなってきたし、その子も連れて行くか?」

 

 確かに、それがいいかもしれない。

 彼はあの家に戻りたくなさそうだし。

 

 千里「このまま放っておく訳にもいかないしね…。君、それでもいい?」

 柊太「…うん。」

 千里「じゃあ行こうか。油断禁物だから、周りには気を付けて行かないと。」

 真衣「ああ。そのつもりだ。」

 

 そして私達は、北乃家へと帰った───。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~北乃家~

 真衣「ちょっと待ってな。今飯作ってあげるから。」

 

 真衣は台所で料理を始めた。

 杏梨はお風呂の準備をしに浴場に行っている。

 

 千里「…そういえば、名前聞いてなかったね。」

 

 杏梨から教えてもらったが、この子は萩君というらしい。

 しかし、下の名前はまだ教えてもらってない。

 

 千里「とりあえず自己紹介しようかな。私は彩神千里。」

 柊太「僕は、萩柊太。」

 

 この子は、柊太君だ。

 先日聞いた話、柊太君は10年も虐待を受けていた男の子だ。

 私より背が低く、杏梨と同い年とは思えないくらいの童顔。

 寧ろ、杏梨よりやや幼い顔立ちかもしれない。

 碌に食べさせてもらってなかったせいか、体は痩せ細っている。

 あいつの仕業か、身体には傷や痣が残されている。

 

 千里「…2人の紹介もしておこうかな。台所にいるのが北乃真衣、お風呂の準備しててここにはいないけど、真衣の1つ年下の妹の杏梨。実は私、真衣と杏梨の家に居候してるの。4月辺りから。」

 柊太「そうなんだ。」

 

 行き場所もなくて、真衣に住ませてもらったこの家。

 今の柊太君は、あの時の私と同じような感じだ。

 

 千里「それで、ロストワールドの事なんだけどね…。あの世界は、善良を失った人々が集まる場所とも言われている。恐らく君のお母さんも、その失った人々の1人だと思うんだ。それらは皆、ロストって言われてる。」

 柊太「……。」

 

 …まあ、よくわからないよね。

 

 真衣「要するに、誰かが見てるもう1つの世界って感じだ。」

 柊太「あっ…!」

 千里「どうかしたの?」

 

 真衣の言葉で、何かわかったようだ。

 

 柊太「僕ね、あそこで死んじゃったお父さんの声が聞こえたの。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 柊太の父『ここは、歪んだお母さんの世界だ。』

 

 柊太の父『お父さんがいなくなって、お母さんが狂ってしまっただろう?ここは、お母さんが狂い出して、歪みを得て、作られた世界なんだ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千里「歪んだ世界…か…。」

 

 柊太君は覚醒する前、亡くなった父親の声が聞こえたらしく、そしてあのロストワールドは、“歪んだ母親の世界”と言われたらしい。

 歪んだ世界…それは江田や泉田の時も、そんな風に見えた気がする。

 

 真衣「そうだ、柊太は何でロストワールドに入れたんだ?スマホ持ってる感じはないけど…。」

 

 そうだ、それを聞きそびれていた。

 問題は、柊太君はどのようにロストワールドに入れたか。

 私達はスマホを持ってロストワールドに入れたけど…。柊太はもしかして…。

 

 柊太「スマホ…?確かに持ってないけど…。」

 千里「何か家にディスプレイとかある?」

 柊太「んー、パソコンかな。」

 千里「…!それかもしれない。」

 

 やはりそうか。

 ロストワールドはスマホだけじゃなく、パソコンを持っている人でも入れるのか。

 じゃあ、アパートの近くにロストワールドへ続く扉が出たのも…?

 

 真衣「ロストワールドって、パソコンからでも入れるのか?」

 千里「かもしれない。同じディスプレイに含まれるから、有り得る話ではあるね。」

 

 どうなっているんだ、あのロストワールドは…。

 最早何でもアリじゃん。

 

 

 

 杏梨「お風呂の準備できたよー!」

 

 かれこれ話をしていると、杏梨が戻ってきた。

 

 真衣「おう、お疲れ。こっちはもうすぐ夕飯できるぜ。」

 

 とにかく、わかる情報はここまでだ。

 後はどう動くか。

 それは後日決めるとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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