~柊太視点~
夜ご飯は何食べたいか、話していた時。
誰かが千里お姉ちゃんを呼ぶ声が聞こえた。
そしてどうしてか、お姉ちゃんは驚いた顔をしていた。
それは、ただ驚いた訳ではない。
まるで、怯えているような感じがした。
???「忘れたか?お前の父さんだぜ?覚えてるか?昔、母さんと暮らしていた時の事。」
千里「……。」
千里お姉ちゃんは何も言わず、立ち尽くしていただけだった。
この人は、お姉ちゃんのお父さんなのか。
でもお姉ちゃんの方は嬉しさが見えてなく、それどころか苛立ちを見せているような。
???「おいおい、せっかく父さんが来てやったんだから、何か言ってみたらどうだ?そのままじゃ、延々とにらめっこが続く一方だぜ?まあ父さんは、千里と会えたならそれでもいいけどな。」
千里「……どうしてあんたがいるの?」
???「…あ?」
すると、千里お姉ちゃんは口を開いた。
千里「昔お母さんと暮らしてた?馬鹿げた事言わないでくれる?」
千里「お母さんの病気の事で争って、私とお母さん突き放したくせに。」
~千里視点~
私は、ただ苛立ちを抱いていただけでいた。
今私の目の前にいる男…私の父親、彩神賢一郎(あやかみ けんいちろう)の事でだ。
こいつは…、私とお母さんを突き放した。
何もかもを壊したこの男。未だに許した事はない。
賢一郎「何を寝惚けた事言ってんだ?父さんはお前と会いたくてここに来たんだぞ?少しは笑って出迎えてくれてもいいんじゃねえか?」
千里「…誰がそんな事するもんか。だったら、病気がどうのって言って、争いを始めた原因は誰なの?まさかお母さん、なんて言わないよね?」
賢一郎「…何だと?」
真衣「千里…。」
こいつのせいで、私はどれだけ苦しい思いをしてきたか。
どれだけ死にかけたと思ったか。
真衣と出会うまで、そんな複雑な気持ちが続いていた。
真衣と出会って、それが消えたと思っていた。
だけど…、現実はそうは行かなかったのだ。
賢一郎「……何を言い出すかと思えば…。やっぱりそんな奴に育ったんだな…。あいつが甘やかしてばかりいたから、お前はそんな風になったんだよな?」
賢一郎「育ちの悪いガキが。」
千里「……!!!」
こいつ…!
柊太
「千里お姉ちゃんはそんな人じゃない!!」
千里「…!」
突然、柊太が声を上げた───。
~柊太視点~
気付いたら、僕は大声を上げていた。
千里お姉ちゃんの事を馬鹿にされたから。
僕の命の恩人を、傷付けられたから。
賢一郎「何だてめえ?外野は引っ込んでろ。」
柊太「確かにあなたから見たら、千里お姉ちゃんはそういう人かもしれない。だけど千里お姉ちゃんは、行き場所の無い僕を助けてくれた。こんな僕を可愛がってくれた。」
柊太
「僕の命を救ってくれた優しい人を馬鹿にしないでよ!!」
僕がそう言っても、あいつは動じなかった。
そりゃそうだよ。子供相手に怯える訳なんてない。
そんな事はわかってた。
でも、千里お姉ちゃんを馬鹿にした事は許さない。
賢一郎「千里に救われたぁ?こんな不良になったクソガキの味方なんぞ、相当腐ってるんだろうな。こいつに着いて行った所で何も変わりゃしねえ。ましてや不良になったんじゃ、嬲り殺しにされるかもしれねえのにな?お前には地獄を見る未来しか見えねえな。」
真衣「…いい加減にしろよ。」
賢一郎「あ?」
真衣「さっきから勝手にふざけた事ベラベラと喋りやがって…!千里を悪く言うんじゃねえよ!!」
真衣ちゃんも、口を開いた───。
~真衣視点~
『あんたさ、親いないの?』
『…いない。』
千里が怒る理由がわかった。
あの時、ボロボロになっている千里の姿が目に浮かび、それが原因となったのが…。
『お母さんの病気の事で争って、私とお母さん突き放したくせに。』
千里のこの言葉だった。
あいつは、「母親は病気で死んだ」と言っていた。
それであの時、街の中でボロボロになって座り込み、自分が死ぬのを待っていたんだ。
この経歴を作ったのが、今目の前にいる千里の親父って訳だ。
賢一郎「何だよ、次から次へと…。」
真衣「…お前、千里の悪い所だけ見てんだろ?」
賢一郎「だったら何だ?」
何を言われても構わない。
千里がああなったのはこいつが元凶なのだから。
真衣「千里はな、正義感がある奴なんだよ。アタシは親父を殺されて、妹は虐めを受けて…、そんなアタシ達を救ったのは千里だ。千里がいなかったら、アタシ達は永遠に闇の中で彷徨っていたままだった。千里はそんな風に、誰かの為に動ける奴だ!そんな奴を馬鹿にするんじゃねえ!!」
アタシは、思っていた事を全て吐き出した。
アタシも、千里に救われた身だ。
だから次は、アタシ達が千里を助ける番だ。
賢一郎「…なるほどな。これが若者が言う“囲い”ってやつか。大勢出寄って集って、1人の人間を蹴落とすもんだよなぁ?だが所詮ガキだ。こっちは大人だぜ?お前らみてえに子供じゃねえんだよ。」
あいつは憎まれ口を叩いて去って行く。
その時だった───。
杏梨「次千里ちゃんを馬鹿にしたら許さないからね!!」
杏梨が前に立ち、そう言い放った。
だが、あいつは振り向きをしなかった。
それでもいい。後に地獄を見るのはあいつの方なのだから。
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