東京ロストワールド   作:ヤガミ

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第45話

~翌日~

 真衣「…さみぃ。」

 

 私達はあの後、街に出ていた。

 もしかしたら、あいつのロストがいるのかもしれないから。

 現在時刻は8時だから、まだ少し肌寒い。

 

 真衣「んで?本当にロストワールド探すのかよ?こんなくそさみぃのに?」

 千里「…そう言ってられないでしょ?いつどこでロストワールドと遭遇するかわからないんだから。」

 

 そうして私達は街中色々探し回り、ロストワールドへ続く扉を探しに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから数十分経ったが、手掛かりは見つからない。

 ロストワールドは何かキーワードがないと出現しない。

 となれば、このスマホの音声認識が必要みたい。

 こないだの泉田の時もそうだった。

 

 真衣「…なあ、千里。」

 千里「何?」

 

 すると、真衣が私に話しかけた。

 

 真衣「さみぃからコンビニでコーヒー買ってもいいか?もちろん千里の分も奢るからよ…。」

 

 なんだ、そんな事か。

 確かに今はちょっと寒いくらい。

 12月だからね…。

 

 千里「…わかった。なら早く済ませてよね。」

 真衣「そのつもりだっての。じゃ、行ってくる。お前らはどうする?何か欲しいのあれば一緒に行くが。」

 杏梨「あ、ホットレモネード飲みたい!」

 柊太「僕はお茶~。」

 

 そうして真衣や杏梨、柊太は近くのコンビニに入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …あれ?そういえばここ、見た事あるような…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千里「─────あ……。」

 

 

 

 

 

 そうだ。

 

 

 

 ここは、私と真衣が初めて会った場所だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真衣『あんたさ、親いないの?』

 千里『…いない。』

 真衣『…だったらさ、うちに来ないか?』

 千里『…え?

 真衣『ここにずっといても退屈だろ?それに、困った時はお互い様ってやつだしさ。』

 

 千里『…わかった。そうする。』

 真衣『よし、取引成立だな!』

 千里『…取引?』

 真衣『まあ、細かい事は気にするな。アタシ、北乃真衣な!あんた、名前は?』

 千里『…千里。彩神千里。』

 真衣『千里…か。良い名前だな!彩神って苗字もかっこいいじゃん。羨ましいよ。』

 千里『そ…、そう…?』

 真衣『よし、そうと決まれば、アタシん家に直行だな!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして、私達は出会ったんだ。

 

 そして、杏梨や柊太とも出会えた。

 

 今でも鮮明に覚えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビリッ!!

 

 千里「うっ…!?」

 

 

 

 突然、頭に電流が走った。

 

 これって…、前にもあった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……まだ諦めてなかったんだ。」

 

 

 

 

 

 千里「…え…?」

 

 誰かが私に喋りかけている。

 

 声のする方へ向くと…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千里(…!あの時の…!)

 

 

 

 そう、その声の主は……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『…私を探しているようだね?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの時の真っ黒に染められた、もう1人の私だった。

 

 

 

 

 

 千里…?「あれからどうしてるのかなって思って、様子を見に来たんだ。随分とロストワールドを荒らしていたようだね?」

 

 千里「荒らしていた…?どういう事…?」

 

 千里…?「言葉の通りだよ。ヤクザの若頭、虐めっ子の首領、そして虐待犯の母親…。せっかくロストワールドが楽しくなると思っていたのに、あんたのせいで何もかも失った…。」

 

 千里「あなたは何者…?何が目的な訳!?」

 

 私がそう言い放つ。

 

 彼女は少し黙った後、笑いながら口を開いた。

 

 千里…?「そうだねぇ…。私達を動かしていた男のロストを消したら教えてあげる。」

 

 千里「私達を動かしていた…?」

 

 千里…?「あんたの父親だよ。」

 

 千里「…!」

 

 私は、全てを悟った。

 

 今の私と彼女は、あいつによって動かされているんだ。

 

 そう、つまり私は───。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ───“操り人形”だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千里…?「私達はあいつの操り人形。この私はあいつによって作られた。だけどあなたは人形という名の皮を脱ぎ捨て、壊れたように自分の思うがままに動いている。今頃あいつは、あんたの何もかもを直そうと必死なんじゃない?」

 

 千里「っ…!」

 

 違う、そうじゃない。

 

 私はあいつと関わるのが嫌で、手を振り払って暮らしているだけ。

 

 認めたくない。あいつの操り人形なんて。

 

 千里…?「ま、どうしようかはあんたの勝手だけどね。でもこれだけは覚えといて。あんたの父親のロストを消さない限り、この絶望から逃れられないと思った方が良いよ。」

 

 千里「…何だって…?」

 

 絶望?

 

 よくわからないけど、不穏な空気を感じる。

 

 千里…?「精々頑張りな。また機会があれば会おうねー。」

 

 千里「あ、待って!!」

 

 彼女はそう言うと、煙のように消え去って行った…。

 

 

 

 

 

 真衣「千里ー!お待たせー!」

 

 すると、真衣達がコンビニから出てきた。

 

 柊太「お姉ちゃん、これ。」

 千里「…?」

 

 柊太が差し出してきたのは、ホットココアだった。

 

 真衣「言ったろ?千里の分も奢るって。」

 千里「…ああ、そうだったね。ありがとう。」

 

 私は渡されたホットココアを手に取る。

 うん、あったかい。

 ちょっとした寒さ凌ぎにはなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピコンッ

 

 千里「ん?」

 

 突然スマホが鳴り、画面を覗いてみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千里「…!出た!アイコン!」

 真衣「…!マジか!?」

 

 そう、ロストワールドに続く扉を出す為のアイコンが出てきた。

 …あれ?いつキーワード出てきたの?

 

 千里(…!そうか…!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千里…?『私達はあいつの操り人形。この私はあいつによって作られた。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……そういう事だったのか。

 

 このロストワールドのキーワードは、あいつが言っていた“操り人形”だった。

 

 柊太「こんな人が多い所にロストワールドが出るの~?」

 千里「でも出たからには、あいつのロストが存在するって事だね。」

 

 早速ロストワールドに入ろうと思う。

 見つけたらとっちめる。

 

 真衣「よし、やってやるぜ!」

 杏梨「行こう!ロストワールドに!」

 柊太「出発進行~。」

 

 皆準備ができたみたい。

 

 千里「じゃあ、扉出すよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドォンッ!!

 

 今回はどんなロストワールドか。

 

 どんなロストになっているのか。

 

 全てはこの中にある。

 

 千里「行くよ!」

 

 

 

 あんな奴の言いなりなんて御免だ。

 

 もうあいつは、私の父親なんかじゃない。

 

 そう思い込みながらも、私はロストワールドへ潜入したのだった─────。

 

 

 

 

 

 

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