東京ロストワールド   作:ヤガミ

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第5話

 千里「うぅ…ん……?」

 

 目を覚ました。

 

 横になっていた体を起こし、辺りを見回してみる。

 

 

 千里「え…?何これ…!?」

 

 私が今いるのは先程のゴミ捨て場のようだが、何だか様子が違う。

 打って変わって、建物やら、風景やら、何もかもが赤黒く染まっている。

 

 千里(…もしかして、さっきの扉のせい…?)

 

 そうとしか思いようがなかった。

 私を吸引力で襲ったあの扉に、何か関係しているらしい。

 

 千里(…とりあえず、歩いてみるか。)

 

 このままじっとしていても仕方がない。

 何かあるかもしれないから、私は路地裏を出て歩き回ってみる事にした。

 

 

 

 私は夢でも見ているのだろうか?

 いや、これは現実だ。

 頬っぺたを抓っても、何も変わらない。

 

 千里「…ん?」

 

 

 少し進んでみると、何か声が聞こえる。

 何やら、人々が争っているかのような。

 

 千里(何だろう…。気になる。)

 

 警戒心を高め、私は声のする方へ行ってみる事にした。

 

 

 

 声が近い。

 この辺りかもしれない。

 

 ???『殺せぇ!!』

 

 

 『うわああああああ!!!』

 

 千里「…!?」

 

 すると、叫び声が聞こえた。

 大きさからして、かなり近い。

 私は壁際に立ち、そっと身を隠す。

 

 

ブシュッ!!

 

 何かに切られて、血飛沫が舞う音が聞こえた。

 

 千里(何…?何が起きてるの…?)

 

 身を隠しながら、そっと覗いてみる。

 

 

 するとそこには、1人の人間が血を流して倒れているのを見つけた。

 まだ血が噴き出している。

 

 千里「!?」

 

 私は、恐怖で動けないままでいた。

 

 

 ???「誰かいるのか?」

 

 まずい。

 

 ここでバレたら確実に殺されるかもしれない。

 

 どうするか考えた末───。

 

 

 

 「見・つ・け・た♪」

 

 千里「!?」

 

 気付いた時はもう遅かった。

 ドンッと強く押され、私はバランスを崩してしまう。

 

 ???「ほう?女か。こいつぁ殺し甲斐がありそうだなぁ。」

 

 私は既に囲まれていた。

 今は物凄く危険な状態に陥っている。

 

 ???「親分、殺してもいいですかや?」

 ???「当たり前だろ?俺らの目的は“殺害”だ。女だろうが構わねえ。殺れ!」

 

 

 怖い。

 

 逃げ出そうとも逃げれない。

 

 餓死から逃れたというのに、今度は殺害で死ぬのか。

 

 ああ、もうダメだと思った。

 

 

 

 

 

 

ピカァッ…!

 

 ???「…うぐっ!?」

 千里「…!?」

 

 すると、私の体が光始めた。

 

 

 

 ???『彩神千里。』

 千里「…!誰…?」

 

 声が聞こえる。

 誰かはわからないが、女性の声が聞こえる。

 

 ???『あなたは今、危険な状況に陥っています。この危機から、助かりたいですか?』

 

 でも、何を問いかけているのかはわかる。

 確かに今は、死ぬ寸前の状況だ。

 

 

 

 千里「……助かりたい。」

 

 やっぱり私は、ここで死ぬなんてありえない。

 生きるのを諦めるなんて、そんなのありえない。

 

 ???『よろしい。その勇気を持つあなたに、この力を授けましょう───。』

 

 

 1つの小さな光が、私の前に現れた。

 

 ???『その光を握り締め、生きる為の力を得るのです。』

 千里「力…。わかった。」

 

 言われた通りに光を握り締め、目を瞑った。

 

 

 

 ???『あなたのその拳は、悪を打ち砕く鉄槌となるのです!!!』

 

 

 

バリンッ!!

 

 

 

 千里「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 ???「こ、こいつ…!?」

 

 

 千里「何これ…!?どうなってるの!?」

 

 光を握り締めた後、私の姿は変わった。

 よく見ると指には、棘らしき物がある。

 

 ???『これであなたは、奴らに立ち向かえる力を得る事ができました。これを、“契約”と言います。』

 千里「契約…。」

 

 契約を結んだ事によって、姿が変わったのか。

 心做しか、何だか力が湧いてくる。

 

 ???『この力はもう貴女の物!やり方は任せます。自由に暴れてやりなさい!』

 千里「…オッケー。やってみる。」

 

 言われた通り、私は握り拳を作り走り出す。

 

 千里「だあああああ!!!」

 

 

バキッ!

 

 ???「ぐはぁ!」

 

 1人の男を殴り付け、吹っ飛ばした。

 

 ???「この野郎!とっちめろ!」

 ???「イエッサー!」

 

 千里「負けない…!」

 

バキッ!ドゴッ!

 

 それからもう1人、2人と、襲ってくる男達を殴る。

 

 ???「おい、てめえらしっかりしろよ!女相手に負けんのかよ雑魚が!」

 千里「…後はお前だけだ…。」

 

 私は長らしき男を睨みつけ、彼も殴ろうとするが…。

 

 ???「チッ、俺ぁずらかるぞ!」

 千里「あ、待て!」

 

 逃げられてしまった。

 部下を置き去りにして…。使えない奴は用無しって事?

 

 千里(…それにしても、この力…。)

 

 私は契約で得た力に唖然としてしまった。

 それに、さっきの制服とは打って変わって、服装が赤のレザージャケットに変わっていた。

 力を得ると、服も変わるのかな…。

 わからない事が多すぎる。

 

 千里(…とりあえず、この世界から脱出しないと。)

 

 私は心の中でそう呟き、走り出した。




千里、覚醒しました。



登場人物紹介(随時情報更新)

彩神千里

読み仮名:あやかみ ちさと
年齢:17歳
誕生日:5月9日
身長:161cm
血液型:A型
趣味:なし
特技:なし
好きなもの:不明
嫌いなもの:不明
ポジション:???
使用武器:格闘


 本作の主人公。幼少期に両親が離婚し、病気持ちである母親と2人暮らしをしていた始末、中学校の卒業式にその母親が病気に耐えきれず亡くなり、孤独となった。高校には学校に行かず、1年間所持金を切らすまで食料を買って腹を満たしていたが、17歳で限界を迎える。そこで真衣に助けられ、居候する事になる。

 1年ぶりに学校に通う事になり、共学校・聖麗学園高等学校の転校生として過ごす事になるが、一部の生徒からは「雰囲気が悪い」という理由で避けられてしまう。その日の下校時に「異世界」に迷い込み、過酷な状況ながらも生き延びる事になる。

 一人称は「私」。外見は黒髪のセミショート、茶色の瞳を持つ。性格は基本的に物静かかつクールであり、騒ぐ事はほとんどない。

メインストーリーが終わったら番外編を書いてほしい?

  • 書いてほしい
  • 書かなくていい
  • 書いてもいいけど先に続編書いてほしい
  • 作者に任せる
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