東京ロストワールド   作:ヤガミ

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大変お待たせしました、東京ロストワールド最終章の続きです。
かなり間が空いてしまったので、前回の話を振り返ってから書きました。

それではどうぞ!


第47話

~真衣視点~

 真衣「おら!これでどうだ!」

 

ザシュッ!

 

ザシュッ!

 

 アタシは今、このロストワールドのロストと戦っている。

 この街自体がロストワールドなら、こんだけ多くいてもおかしくねえ。

 

 真衣(この多さだと、杏梨とかは苦戦しそうだな…。あいつ、物理面に関しては打たれ弱いし…。)

 

 ロストを斬っている最中でも、アタシはそんな事を考えていた。

 もう杏梨はアタシがいなくてもやってのけると思うが、この状況となると心配だ。

 

 真衣(いや、考えるのは後だ。今は目の前の事に集中しねえと。)

 

 そう思いながら、多数のロストに立ち向かう。

 

 

 

 ───その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パァン…!

 

 

 

 

 

 真衣「…ん?」

 

 今のは、銃声…?

 

 まさか…。

 

 真衣(千里の…だよな?ロストを見つけたのか!)

 

 どうやら千里が銃を放ったらしい。

 だが今のアタシは、それどころではないようだ。

 

 真衣(すまねえ、千里。こいつら片付けてから向かうからよ!)

 

 千里には申し訳ないが、全員倒してから向かう事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~杏梨視点~

 杏梨「う~ん…。」

 

 私は、千里ちゃんのお父さんのロストを探してる最中だった。

 どこを歩いても、ビルやお店など、建物ばかり。

 ここは、本当に街全体がロストワールドなのかな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パァン…!

 

 

 

 杏梨「…!」

 

 どこからか、銃声が聞こえた。

 距離からして、少し近め。

 

 杏梨「もしかして、近くにロストが…!?」

 

 私は、銃声のした方へ走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~千里視点~

 千里「……やっぱりここにいたんだ。」

 

 今目の前にいる、道化師の姿をしたこいつは、このロストワールドの主。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ───私の父親…いや。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 彩神賢一郎だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロスト賢一郎「誰かと思えば千里じゃねえか~!何だぁ?父さんと会う気になったのか?」

 千里「はあ?んな訳ないでしょ?まあ、ここに来た事には変わりないけど。逆の意味で言えば、“あんたを消しに来た”って言えばいいかな。」

 ロスト賢一郎「なるほどなぁ、反抗期ってやつか。んで?そんなお前が俺を消しに来たって?そんな簡単な事できんのかよ?俺はこの世界の主だぜ?って事はな、1番権力や戦闘力がある。そんな人間に歯向かうのか?えぇ?」

 

 そんなのはわかってる。

 でも、それも覚悟の上だ。

 今まで強大な敵と戦ってきた。

 その経験を積み重ねていれば、多少厳しくなる事もわかってる。

 

 千里「あんたを消さない限り、私達は何度でも歯向かうよ。…それに、私はもう1人じゃない。私には真衣や杏梨、柊太がいる。」

 ロスト賢一郎「ほう?昨日俺に口答えした奴らの事か。だが所詮、口答えしたのは反抗期のガキらだ。そんな奴らの手だと、大人相手じゃどうしようもねえのによ。要はお前らみたいなガキは、大人に歯向かっても意味ねえって事よ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千里「……そんな事ない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロスト賢一郎「あ?」

 

 本当にこいつは、どこまで行っても悪人だ。

 

 自分が大人だからと言って、十中八九偉くなる事もないのに、そんな事を見向きせずに憎まれ口を言い放てる。

 

 だから私は、こいつを父親と思いたくなかったんだ。

 

 千里「あんた、反抗期の意味知らないでしょ。私があんたから離れるのは、小さい頃にあんたとお母さんが言い争いをして、あんたが私達を突き放したからなんだよ。…それが反抗期?ふざけるのも大概しろよ…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千里

「あんたがお母さんとちゃんと話し合っていれば!!こんな事にはならなかったんだろ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロスト賢一郎「…何だと?」

 

 

 

 

 

 ついに私は怒りが爆発し、強い口調でそう言い放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~真衣視点~

 真衣「…確か、こっちのはずだったよな?」

 

 やっとの事でロストを蹴散らし、合流する事にした。

 アタシはとりあえず、銃声のした方へ向かっている所だ。

 …たく、街全体がロストワールドだなんて思いもしなかったな。

 お陰様でこっちからしたら迷路だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 杏梨「あ、お姉ちゃん!」

 真衣「…ん?杏梨?」

 

 途中で杏梨と会った。

 杏梨も同じような目的だろうな。

 

 真衣「…何でかがみ込んでんだ?」

 杏梨「…様子見。」

 

 向こうに何かあるのか?

 アタシは、杏梨と隠れながら向こうを覗いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『あんたがお母さんとちゃんと話し合っていれば!!こんな事にはならなかったんだろ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真衣「…!千里…。」

 

 視線の先にあったのは、千里や柊太、そしてロストの主と思われる奴の姿だった。

 何やら不穏な空気を感じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~千里視点~

 賢一郎「今更母親の仇ってか?やっぱりあいつ、碌な育て方しなかったんだろうな。実の父親に歯向かうなど、所詮無駄だってのに。それなのにお前は…。」

 

 牙を剥けた私に、奴は呆れていた。

 どれだけ私が歯向かおうと、まるで私達の方に罪を移しているようだった。

 自分に正義があるかのように。

 

 千里「…元々、あんたはお母さんの病気の事を理解していたはずでしょ?私は、陰であんたとお母さんが言い争っているのを嫌という程覚えてる。“病気が見飽きた”、“どうでもいい”…。何事も無く生きてきた人間がよく口走れるね?でも、私なんかよりもずっと苦しんでいたのはお母さんの方なんだよ。なのに罪は私達の方にあるって事?マジでふざけんなよ…!」

 

 私は、自分がこの目で見てきた過去を語る。

 

 本当は思い出したくもない、残酷な過去。

 

 でも、歪んだ正義を持っている奴のためには、嫌でも語るしかない。

 

 どれだけ気持ちが込み上がろうと、どれだけ傷を負おうと、その歪んだ正義にわからせる他無い。

 

 千里「…そんな訳で、私達はここに来た。あんたの歪んだ正義を掻き消すためにも。あんたの操り人形から逃れるためにも…。全部ここで終わらせてやる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロスト賢一郎「…んな事できると思うか?」

 

 奴は口を開く。

 

 でも、私はそんなのに動じない。

 

 私の何もかも壊した男。

 

 今度は、私が奴を壊す番だ。

 

 

 

 

 

 ロスト賢一郎「本当にてめえは!育ちの悪いクソガキだな!!」

 

 奴は私に殴りかかってきた。

 

 その瞬間─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガキンッ!

 

 

 

 

 

 奴の攻撃を弾く鈍い音がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 柊太「……。」

 千里「…!柊太…?」

 

 私の目の前にいたのは、柊太だった。

 

 奴の攻撃を盾で防いでいた。

 

 柊太「…もう、千里お姉ちゃんの事を悪く言わないで。」

 ロスト賢一郎「…あ?」

 柊太「確かにお前から見たら、千里お姉ちゃんは悪い人かもしれない。でも、本当はそんなのじゃない。千里お姉ちゃんは、お前が思っているほど悪い人じゃない。」

 ロスト賢一郎「威勢の良いガキだな。ただ、自分が何言ってっかわかってんのか?」

 柊太「その言葉、そっくりそのまま返してあげる。」

 

 柊太は盾で奴の拳を払い除けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真衣「どりゃああああああああああ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロスト賢一郎「…!」

 

ドゴォッ!

 

 すると、奴は素早く後退した。

 どうやら、真衣や杏梨も来たようだ。

 

 ロスト賢一郎「…たく、次から次へと…。」

 真衣「…千里と柊太の言う通りだと思うぜ。」

 ロスト賢一郎「んだと?」

 真衣「あんたから見たら、千里は無慈悲で哀れな人間かもしれねえ。あんたと千里のやり取りを見りゃわかる。だけどな、悪い所ばかり見てちゃ、後々後悔すると思うぜ?」

 ロスト賢一郎「後悔だと?んなもん関係ねえじゃねえか。こっちはれっきとした大人だぞ。後悔なんて馬鹿な事する訳ねえじゃねえか。」

 

 こいつは、真衣の言葉にも一切動じなかった。

 何しろ、他人に何を言われようが、歪んだ正義に拘るばかりの人間だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 杏梨「…本当にそう思っているの?」

 

 続いて、杏梨も口を開く。

 

 杏梨「じゃああなたは、何もかも完璧にできるの?千里ちゃんを突き放してまでも、自分には絶対に非が無いって言えるの?」

 

 杏梨はかつて、虐められていた身の子。

 自分が経験した過去を共有しようとしているのだろう。

 あの時、泉田に虐められていた、過去の自分を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロスト賢一郎「…たく、どいつもこいつもうるせえガキ共だな。」

 

 

 

 

 

 真衣「…んだと?」

 

 すると、奴はこれでもかと言うくらい憎まれ口を叩いた。

 

 ロスト賢一郎「ガキってのは所詮そんなもんだ。出来が悪いとすぐ喚くわ、何の証拠もなくすぐ悪人扱いするわ…。ま、こんな事言ったって、低脳のお前らにはわからねえ話だけどなぁ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千里「……もう1回言ってみろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は、我慢の限界を迎えていた─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~真衣視点~

 ついに千里は、怒りをはっきりと表に出した。

 

 今の千里は犬…いや…。

 

 

 

 

 

 鬼のようだった。

 

 

 

 

 

 ロスト賢一郎「聞こえなかったか?低脳のお前らにはわからねえってんだよ。」

 

 

 

 

 

 千里「低脳……ははっ、低脳、ねえ…?」

 

 真衣「千里…?」

 

 千里「死んだお母さんの事も忘れて、のうのうと生きてる奴がよく言うよ。」

 

 ロスト賢一郎「あ?」

 

 千里にとって、自分や母親を突き放したこの男は、厄災を生み出した悪人だろう。

 

 千里の口調が悪くなっていっているのがわかる。

 

 千里「さっきからふざけた事グチグチグチグチ言いやがって…!お前は社会のゴミ…いや、人間以下の存在だよ!」

 

 もう、千里は我慢の限界なのだろう。

 

 奴の悪に塗れた正義が、千里にとって余程許されない事だった。

 

 ロスト賢一郎「ほう?なら試してみるか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パチンッ

 

 奴は指を鳴らし、そして大勢の手下を呼んだ。

 

 杏梨「…!多い…!」

 

 その手下は、通路まで占めるほどの数だった。

 

 やはりこのロストワールドは、この街は───。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ───奴の縄張りだったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本当にお待たせしてしまい申し訳ないですm(_ _)m
そろそろ終わりが近いので、早いとこ完結までいきたかった結果がこれです(´・ω・`)
次回から戦闘となります。お楽しみに。

メインストーリーが終わったら番外編を書いてほしい?

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