~千里視点~
私達は、あいつの手下に囲まれている。
それも、逃げ道を塞がれているほど。
真衣「くそ!なんて数だ!」
倒しても倒しても、わんさか湧いてくる。
あいつにとっては、高みの見物だろうな。
ロスト賢一郎「フフフ…、哀れな娘よ。この大人数の中で苦しめ、そして絶望しな!」
何やら呟いているが、そんなの気にしない。
今は目の前の状況を打破しないと。
皆真っ向勝負で戦うが、なかなか手下の数が減らない。
一体どれだけの手下を率いっているのか。
これだけ数がいるって事は、やはりこの街自体が奴の縄張りだろう。
この街の善良を失った人々が、こいつの手下なのだろう。
そう考えるだけでも、その人々を打ち破りたくなる。
杏梨「ああもう!次から次へと!」
殴る、斬る、放つ…。
それをずっと繰り返していた。
千里「はぁ…、はぁ…、はぁ…。」
だいぶ数が減ってきただろうか。
体力の限界が近くなってきた。
いいや、そんなのどうだっていい。
今はあいつを…。
ロスト賢一郎「ふむ、ここまで戦えている事は褒めてやろう。」
千里「……。」
ロスト賢一郎「だが、足がふらついてんぞ?そんなんでこのまま俺と戦おうってか?」
千里「うる…さい…!やるったらやるんだよ!!」
私は無理矢理足を動かし、奴の元へと走り出した。
真衣「千里!よせ!」
真衣の声なんかにも届かず、必死に。
だが─────。
ガシッ!
千里「が……!?」
ロスト賢一郎「哀れな奴め…。言ったろ?所詮無駄だとな。」
~柊太視点~
僕は、何を見ているのだろうか。
視線の先にいるのは、千里お姉ちゃんとその父親。
お姉ちゃんは、首を掴まれていた。
助けなきゃ…。
動かなきゃ…!
柊太「お姉ちゃんを…離せ!」
ガッ!
柊太「ぐっ……!!がはっ……!!」
お姉ちゃんを助けようとした。
だが不用心な事に、お腹を強く蹴られてしまった。
ロスト賢一郎「あー、低脳な奴で助かったわ。そこのガキは盾持ってたのに勿体ねえな?」
お姉ちゃんを助ける、そんな事ばかり考えていた。
僕は、何のために盾を持ってたんだ。
ううん、仮に盾を持ってたとしても、その盾は軽く剥がされるだろう。
どちらにしろ、今の体力と状況で防御ができる訳が無い。
ロスト賢一郎「つー訳で、皆纏めて吹っ飛びな!!」
ブォンッ!!!
奴は、千里お姉ちゃんを球の如く投げた。
ドゴォッ!!
真衣「ぐわあああああああああ!!!」
杏梨「きゃあああああああああ!!!」
千里お姉ちゃんが投げ飛ばされた衝撃で、僕ら全員が吹っ飛ばされてしまった。
それも、すごく遠い所まで。
僕らは、どうする事もできなかった───。
ロスト賢一郎「いつでも出直して来な。そん時は粉々に打ち砕いてやるからよ……。」
~千里視点~
私は…、敗れてしまった。
あの男の姿を見て、冷静ではいられなくなった。
あの時恨みに恨んで、歯向かわなければこうはならなかっただろう。
だけど、今の私はそんな事はどうでも良かった。
真衣「いっつ…!」
あいつによって、私達は現実世界へ戻されてしまった。
私が吹っ飛ばされた衝撃で、皆がロストワールドへの扉まで飛ばされた。
なんて力なの、あいつは…。
杏梨「千里ちゃん…。」
千里「……。」
真衣「…今日はここで退くとしよう…。今のままじゃどうしようもできない…。」
千里「……。」
どうしようもできない…?
どうにかするんじゃないの…?
私は立ち上がった。
柊太「お姉ちゃん…?」
真衣「おい千里…、聞いてんのか…?」
もう、誰の言葉も聞きたくない。
私はスマホを取り出し、ロストワールドへ行こうとしていた。
千里「……。」
真衣「おい、千里!」
千里
「黙って!!!!!」
真衣、杏梨、柊太「……!!!」
~真衣視点~
千里は無茶な事に、またロストワールドへ行こうとしていた。
これ以上奴に向かってもダメだというのに…。
それだってのに…。
千里
「黙って!!!!!」
千里「私がやるって決めたからやってるの!!あいつを倒したい気持ちでいっぱいな時に邪魔しないで!!!」
千里の言葉で、何かがぶっ壊れた。
もうアタシも、我慢の限界が来てしまった。
バシッ!
千里「…!!」
アタシは千里の顔を引っ叩いた。
真衣「……ふざけんなよ。」
千里「……は…?」
真衣
「ふざけんなっつってんだよ!!!」
ついにアタシは、怒りが爆発した。
千里がこうなったのだから───。
真衣「…あいつを倒したい?邪魔?いい加減な事抜かしてんじゃねえぞ。」
千里「いい加減な事じゃない!私を突き放して、自分に非が無い奴なんて見過ごせる訳無いでしょ!?」
真衣「その事を言ってんだよ。あの時お前が酷く立ち向かってたら、恨みを晴らす所か死んでたかもしれないんだぞ?ちょっとは冷静になれよ。何のために杏梨や柊太みたいな仲間がいると思ってんだ。」
千里「こんな時に冷静になれる訳無い!!あんな奴なんか…!私が倒さなきゃならない!!」
こいつ、ここまで…!
真衣
「じゃあてめえだけで行ってろ!!!」
千里「っ…!」
真衣
「こっちはてめえのために言ってやってんのに何様のつもりだ!!あの時周りが見えなくなったアタシを支えてた千里はどこ行った!?何故無駄な事をしようとする!!何故無駄だとわかってるのに歯向かおうとすんだよ!!」
杏梨「お姉ちゃん!喧嘩はやめて!」
アタシは千里の親父よりも、冷静でいられなくなった千里に腹立っていた。
千里「……杏梨がいなきゃ落ち着いていられないんだね。」
真衣「んだと?」
千里「私の過去も大して詳しく知らないくせに、よくそんなに口が叩けるよね…!」
真衣「っ…!」
ガッ!!
千里「つっ…!」
杏梨「お姉ちゃん!」
挙句の果てには、アタシは千里を蹴飛ばした。
こうなってしまった以上、抑える事などできっこなかった。
真衣「アタシは…、信じてたのに…。」
千里「…!」
真衣「お前がそんな奴だとは思わなかったよ…!」
アタシは千里を見捨て、ズカズカと家に帰るのだった。
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書いてもいいけど先に続編書いてほしい
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作者に任せる