ようやく一作品が終わった感じがします。
それではどうぞ。
千里「……ん……。……あれ……?」
目が覚めたら、リビングの中にいた。
隣には柊太が寝ている。
確か私は、ロストワールドから脱出して、それから……。
……ダメだ、思い出せない。
あれから私は、ずっとここで眠っていたのだろうか。
「…目ぇ覚めたか?」
台所から声が聞こえた。
真衣が料理していたのだ。
千里「……真衣、今何時…?」
真衣「8時だよ。だからアタシがこうして朝飯作ってんだ。まだ休校期間だったから逆に丁度良かったよ。流石のアタシも久しぶりに長い時間寝たぜ。」
私は時計を見た。
本当だ、短針が8の数字を差してる。
千里「私、顔洗ってくるね。」
真衣「おう。」
柊太を退かし、洗面所へ行こうとしていた。
真衣「…千里、よく頑張ったよな。」
千里「…ん?」
突然、真衣が喋り出す。
真衣「頭回る奴だし、最後までちゃんとリーダーしてたし…。お前は本当にすげえよ。お前だからできた事を、しっかり果たせたもんな。」
千里「…何それ。」
急に話しかけたと思ったらそれか。
千里「……そういえば、あれから私どうしてた?」
そう、気になったのはそれだ。
ロストワールドを出てから、何も記憶が無い。
真衣「ずっと眠ってたよ。目ぇ覚まさねえんじゃねえかってくらい。」
千里「え?そんなに寝てた?」
真衣「覚えてねえならしょうがねえよ。あんだけやって、疲れねえ方がおかしい。まあ、端的に言ったら体力使い果たしたった事だ。」
それもそうか。
じゃあ、ここまで真衣は運んでくれたって事か。
千里「……なんかごめん。」
真衣「いいんだよ。言ったろ?アタシが好きでやってるって。」
千里「そうだったね。」
真衣「引き止めてごめんな。顔洗うんならシャワー浴びてからにしな。」
千里「うん、そうする。」
そう言い、私は洗面所へ向かった。
私は今、聖学の前にいる。
予想通り、立ち入り禁止となっている。
真衣からは、明後日に登校開始と聞いている。
「ここにいたんだ~。」
千里「…?」
聖学を眺めていると、隣でのんびりとした口調の言葉が聞こえた。
千里「…柊太?」
柊太「はーい、柊太だよ~。」
千里「珍しいね。散歩?」
柊太「まあそんな所~。」
まったく、この状況でも呑気だな。
柊太「ねえ、お姉ちゃん。」
千里「ん?」
柊太「あの世界って、結局何だったの?」
千里「……。」
あの世界…ロストワールドの事だ。
元々あの世界は、“善良を失った人々が集まる場所”でもある。
でも、それ以外の意味は何も無いまま。
そのまま終わってしまったんだ。
千里「…私もわからないや。突然現れて、突然引き寄せられて…あの場所には謎が多いよ。」
柊太「…そっか。」
千里「正直、まだ実感無いや。本当に私達が、実のロストワールドを消したって思ったら、それをやった自分が恐ろしく見えてしまうくらい。特撮に出てくるヒーローみたいな人間に本当になったって考えたら、それこそ自分ってすごいんだなって。」
柊太「……。」
ベラベラと喋ってる私に対し、柊太は黙り込んだ。
千里「なんかごめん、1人で喋ってばかりで…。」
柊太「ううん、大丈夫~。」
柊太「…もし、またロストワールドが現れたらどーする?」
柊太が突然質問を投げかけてきた。
物凄い質問するな。
千里「…そんなの考えたくないよ。恐ろしい事聞くね…。」
柊太「まあ、無いと思うけどね~。あれで最後って言ってたし~。」
千里「まったく…。」
苦笑いしながら、柊太と向き合う。
これが、“いつも通り”ってやつなのかな。
柊太「お姉ちゃん、ロストワールドが消えても、改めてよろしくね~。」
千里「それはこっちも同じだよ。改めて…ね。」
友人の真衣、兄弟的存在の杏梨と柊太。
この3人と、これからも生きていく。
私は、そう誓った。
~数ヶ月後~
ロストワールドが消えてから数ヶ月経ち、4月を迎えた頃。
私達は1つ学年が上がり、私と真衣は3年生になり、杏梨と柊太は2年生になった。
真衣『千里ー!』
千里「…ん?」
これが私達のいつも通り。
今日は放課後全員空いているから、いつも通り4人集まっている。
真衣「なあ千里、今から遊びに行こうぜ!」
千里「遊びにって…、どこに?」
柊太「ゲーセン~。」
千里「…まあ、そうなると思ってた。」
杏梨「今日は皆オフだし、いつもの4人で遊びに行こうって話してたんだ。」
千里「私は全然良いよ。行こうか。」
真衣「うし、決まりだな!じゃあ行こうぜ!」
真衣がそう言うと、2人も颯爽と歩いて行った。
私も歩き出す。
???『───千里。』
千里「…!」
突然、私を呼びかける声が聞こえた。
最初は、幻聴だと思っていた。
千里「お母さん…?」
振り向くと、そこにいたのは私のお母さんだった。
洋子『大きくなったのね。』
千里「…うん。」
洋子『良かったわ。お母さんがいなくなってから、どうしているのかと思ってたけど…、心配はいらなかったわね。』
千里「…今は沢山友達もできたよ。毎日楽しい。」
私がそう言うと、お母さんは微笑んだ。
亡くなる前と同じだ。
真衣「千里ー!どうしたー?」
洋子『引き止めてごめんなさいね。
さあ、行ってきなさい。お友達が待ってるわよ。』
千里「お母さん…。」
真衣達がいるのがわかっている。
なのに、体が動かない。
心無しか、涙が出そうになった。
洋子『まったく、あなたはいつまでも泣き虫ね…。大丈夫。お母さんがいなくても、あなたは歩き出せているのだから。』
千里「……。」
洋子『ほら、もう泣かないの。高校生でしょ?』
千里「…そうだね。あのね、お母さん。」
洋子『ん?何?』
千里「私…。」
千里「お母さんの分まで生きるから。」
洋子『そうね。
まだ若いんだから、生きなきゃね。』
千里「うん。」
お母さんはそう言い残して、消えていった。
あれは幻影だったのか…。
でもそれに限らず、久しぶりにお母さんの姿を見れた気がする。
千里「ごめん、ちょっとボーッとしてた。」
真衣「たく、全然こっち来ないから心配したぞ?もしかして体調悪いか?」
千里「ううん、大丈夫。」
柊太「千里おねーちゃーん。早く行こー。」
千里「わかってるって。」
そして私達は歩み出した。
大丈夫。
もう私は、1人じゃない。
そう思い込みながら、毎日を過ごすのだった───。
【東京ロストワールド THE END】
これにて東京ロストワールドは完結と致します。
ここまで読んでくださった方々、本当にありがとうございました。
メインストーリーが終わっても、まだ書いていくつもりなので、何卒宜しくお願いしますm(_ _)m
番外編も書くかもしれません。
改めて、東京ロストワールドを読んでくださりありがとうございました!
メインストーリーが終わったら番外編を書いてほしい?
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書いてほしい
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書かなくていい
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書いてもいいけど先に続編書いてほしい
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作者に任せる