東京ロストワールド   作:ヤガミ

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お待たせしました。Episode2の続きです。


第8話

~千里視点~

 1時限目の授業中。

 真衣は机に突っ伏しているままだ。

 やはり、今朝の事で考え事をしているのだろうか。

 

 

 

 佐島先生

 「北乃さん!!」

 真衣「…!?はいっ!?」

 

 佐島先生に呼ばれ、真衣は急に体を起こした。

 

 佐島先生「また授業中に突っ伏して…。具合悪いの?」

 真衣「いえ、大丈夫です…。」

 佐島先生「そう?でももし具合悪かったら早めに言いなさいね?」

 真衣「わかりました…。」

 

 そんな真衣が、私は心配で仕方なかった。

 首突っ込む所ではないかと思うけど、真衣は今朝からこうだ。

 もう部外者とか、そんなのどうでもよくなるじゃん。

 

 

 

~昼休み~

 今の時間がタイミング良いかな。

 

 千里「ねえ、真衣。」

 真衣「うぇ!?ああなんだ、千里か…。」

 千里「なんだって何…。今朝から様子おかしいけど、何かあった?」

 真衣「…え?何もねえけど…。」

 

 真衣は嘘を言ってるようにしか見えなかった。

 でもここは粘ってみる。

 

 千里「…正直に話して。」

 真衣「……。」

 千里「本当は何か悩んでるんでしょ?正直に言った方が楽になると思うよ。」

 

 真衣は少し黙り込んだが、後になって口が開く。

 

 真衣「…まあ、千里に追い詰められちゃ逃れようがないか…。いつか話そうって思ってたし…、わかった。正直に言うよ。実はな…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千里「…なるほどね。」

 

 真衣が悩んでいた理由は、やはり今朝見た写真の男性…。

 真衣の父親の事だった。

 

 真衣「…情けねえよな。強い自分を見せようって思い込んだ結果がこれだよ。」

 

 家族を失った悲しみは、私にもわかる。

 だが病気よりも、凶器で殺された方がだいぶショックだ。

 

 真衣「…なあ、千里。」

 千里「何?」

 真衣「千里から見て、アタシってどんな人間?」

 千里「え?どういう事?」

 真衣「時々思うんだ。自分はどんな人間なのか、何故悲しみを隠してまで生きているのか。生きる意味って何なのか…って、親父や組長さんが死んでからそう思ってた。」

 千里「……。」

 

 「自分はどんな人間か」。

 そんなの、今まで全然考えた事なかったな。

 でも私は真衣をどう見ているか、馬鹿正直に答える事にした。

 

 千里「私から見た真衣はさ…。人に気遣いできて、自分よりも他人を優先するって感じ?上手く言えないけど、真衣は心優しい善良な人って、私は思うよ。」

 真衣「……。…そうか。千里はそう見てたんだな。」

 

 そう言うと、真衣は微笑んだ。

 でもその微笑みは、どこか悲しげだった。

 

 真衣「ありがとう、話聞いてくれて。…にしても腹減ったな。どうする?パン持ってきたけど半分いるか?」

 千里「…じゃあ、折角だし貰おうかな。」

 

 そう答え、私は真衣が持ってきたパンを半分貰う事にした。

 聖学は教室でも昼食はOKだから、そこは問題ない。

 

 

 真衣にあんな過去があったとは、私は今まで知らずにいた。

 私の過去よりも辛いものだった。

 だけど、私と真衣はどこか似ている気がする。

 そう思いながら、私はパンを口に運ぶのだった。

 

 

 

~放課後~

 千里「今日は部活なんだ。」

 真衣「ああ。だから帰りは遅くなるよ。」

 千里「それならわかった。というか、今日も1人か…。」

 真衣「まあ、家帰っても何も無いしな。何なら前みたいに寄り道してから帰ってもいいし。」

 千里(…!もしかすると、ロストワールドに行くチャンスなのでは?)

 

 この前下校していた時も、1人でロストワールドに行ってた。

 今回もそのように行けるか?

 

 真衣「じゃ、アタシは部活行ってくるよ。昼間はありがとな。」

 千里「それはどうも。」

 

 そう言うと、真衣は行ってしまった。

 

 千里(…さて、作戦開始かな。)

 

 

 

~ゴミ捨て場~

 千里(…確か、この辺りだったよね?)

 

 この前ロストワールドに入ったゴミ捨て場に辿り着いた。

 ここ最近で起こった事だから、鮮明に覚えてる。

 

 千里(あの声の人とは、私がロストワールドに入ると会話できる…。じゃあ、早いとこ入らないとね。…でも、どうやって入るんだろ?)

 

 ロストワールドに入るのはいいが、もう一度入る方法がよくわかっていない。

 手を伸ばしても、空気ですり抜けるだけだ。

 

 千里(もしかしてスマホで…ん?)

 

 私はスマホの画面を見ると、何やら怪しげなアイコンが表示されていた。

 

 千里(何これ?こんなアプリいつ入れたっけ?)

 

 よくわからないけど、そのアイコンをタップしてみる。

 すると……。

 

 

 

ドォンッ!!

 

 千里「うおっ!?」

 

 驚きのあまり変な声を出してしまった。

 

 千里(これは…、覚えてる。ロストワールドへと続く扉だ。)

 

 この前入ったのと同じ扉が現れたのだ。

 怪しげな雰囲気を醸し出している扉。これがロストワールドに入るための扉だ。

 

 

 

 いざ、ロストワールドへ─────。

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