東京ロストワールド   作:ヤガミ

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真衣のために千里、始動します。


第9話

 ???『来てくれましたか。千里。』

 千里「うん。ちょっと気になる事があってね。」

 ???『気になる事?』

 千里「真衣っていう私の友達がいるんだけど、最近様子がおかしかったから相談に乗ったんだ。そしたら父親の事で悩んでたらしくて。もしかするとここに関係しているかと。ロストワールドは“善良を失った人々が集まる場所”って言ってたよね。」

 

 私は思った事を淡々と口にした。

 

 ???『なるほど…。それは一理ありますね。でも、その推理は確実に当たっているのでしょうか?』

 千里「確証はないけど…、でもロストワールドなら有り得る話でもあるかなって。」

 ???『そういう事ならわかりました。今回は調査だけ…という事ですか?』

 千里「そうなるね。」

 

 そう。今回はあくまで軽い調査。

 真衣を助けるための情報を手に入れるためだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~真衣視点~

 剣道部長「よし、今回はここまで!今回教えた事を忘れないように。明日もそれの練習するからな!」

 部員一同「ありがとうございましたー!」

 

 時刻は午後5時を回っている。

 千里は今頃何をしているのだろうか。

 

 昼間は千里に親父の事を話した事で、少しは気が楽になった。

 結局千里には、迷惑かけちまったな。

 

 

 

 真衣(今日の夕飯は何にしようか…。あ、カレーにでもしようかな。)

 

 アタシは帰り道の最中、今夜の夕飯を考えていた。

 正直、この時間はなんだか楽しく思える。

 

 アタシが料理を始めたのは、13歳の時だ。

 それから料理する事がどんどん楽しくて、親父がいた頃もアタシが作ってた。

 朝飯夕飯だけではなく、休日とかには抹茶味の菓子作りとかもしていたんだ。

 

 

 

 杏梨「お姉ちゃーん!」

 真衣「ん?ああ、杏梨か。お前も部活帰りか?」

 杏梨「うん。お姉ちゃんを見かけたから、一緒に帰ろうかと思って。」

 真衣「そうか。」

 

 それからアタシは、成り行きで杏梨と夕飯の買い出しに行った。

 

 

 

 妹はアタシの大切な家族だ。

 

 もう何も失いたくない。

 

 姉貴らしく、家族を守るんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~千里視点~

 千里「これは…、今朝見た写真だ。…でも、何でこんな所に?」

 

 

 私は今朝見た写真と同じものを見つけた。

 だがしかしよく見ると、真衣の父親の顔が黒く塗り潰されているのがわかる。

 

 ???『この男性は…、亡くなったと言っていましたね。それがこれに関係しているのでしょうか?』

 千里「わかんないけど…、持って行った方が良さそう。それにこの前見たロスト…。名前はわかんないけど、そいつには関係していると思う。」

 

 私の推理は必ずしも当たっているとは限らない。

 でも、ロストワールドに落ちている物は拾っておいた方が良い。

 ロストワールドと現実の世界は繋がりがあるかも知れないから。

 

 ???『第一の証拠ですね。他に探索はしますか?』

 千里「そうだね。邪魔者が来たら倒せばいいし。」

 ???『随分と余裕がありますが、ロストワールドは軟弱な敵ばかりではありませんよ。中には強敵もいます。その辺はご注意くださいね。』

 千里「うん。だから私は警戒心を持って戦うよ。」

 

 どの世界線でも、必ずしも簡単とは言えない。

 それは現実の世界とも同じ事だ。

 

 私は探索を続ける事にした。

 

 

 

 千里「…ところでさ。」

 ???『どうしました?』

 

 私はもう1つ、ある疑問を抱いていた。

 

 千里「ここで拾った物は、現実世界に戻ったら消えちゃうの?今持ってる写真とか。」

 ???『ああ、その事ですか。確かに消えてしまいますが、それが綺麗さっぱりなくなるという訳ではありません。もう一度ロストワールドに戻ってくれば、既に持っていたアイテムが引き継がれるので、ご心配なく。』

 千里「そっか。それなら良かった。」

 

 あくまで収納みたいなやつか。

 一度拾ったものなら、次の潜入でも長持ちするという事か。

 

 相変わらず声の主は誰だかわからないけど、ロストワールドの事は色々と教えてくれるだろうから、心強いと言えばいいのかな。

 私1人だけだったら、何もかもわからない状態で彷徨っていたのかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~真衣視点~

 真衣「なあ杏梨、今日はカレーにしようと思ってんだが、いいか?」

 杏梨「お姉ちゃんが作るご飯は美味しいから構わないよ。」

 真衣「ははは、そう言ってもらえると嬉しいよ。」

 

 現在は杏梨と下校中。

 アタシは妹と過ごす時間も好きだ。

 ずっと一緒に過ごしてきた妹。

 今考えれば、杏梨も大きくなったな。

 昔はよくアタシにくっついてばかりだったのに、今は一人前に成長している。

 時が経つのって、なんだか怖いよなぁ。

 

 

 

~午後6時~

 真衣「…千里、遅いな。」

 

 アタシは台所で夕飯を作っていた。

 だが、今日の千里は帰ってこない。

 昨日はアタシと同じくらいに家に着いていたのだが、今日は心無しか1時間くらい経っている。

 

 

~午後6時30分~

 杏梨「……。」

 真衣「参ったな…。どこかで道に迷っているんじゃないか…?」

 杏梨「…そうかも…。」

 

 もう夕飯の準備はできた。

 しかし、千里はいつまで経っても帰ってこない。

 

 真衣「杏梨、先に食べててくれ。アタシは千里を探してくる。」

 杏梨「お姉ちゃん…?」

 真衣「このまま帰ってこないままじゃ心配だしさ。できるだけ早く連れて帰ってくるよ。」

 杏梨「う~ん…、そういう事ならわかった。気を付けてね。」

 

 アタシはそう言うと、杏梨を残して家を出た。

 千里、無事だと良いんだが…。

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