日曜の午後に動画見てたら幼女になって配信する件について   作:二三一〇

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21 お茶会の準備と彼女の事情

 その日の夕食の席で、俺は父親(アデルベルト)母親(リーサンネ)に話を振った。

 

「お父様、エイク男爵家をご存知ですか?」

「ふむ。配下だから知ってはいるが……あまり交流はないかな? ……そういえば報告があったな。そこの娘をお茶会に招待したと」

「あら、そうなの? こ、これはどうしましょう、あなた」

「落ち着きなさい。正式にお呼びした訳でもないし、相手は男爵家だ。気負う必要はない」

 

 そういや、リーサンネはあんまり上流貴族との関わりがないと言ってたな。お茶会とかも開かないから有り難いけど、いざというとき困るよね。

 

 実は親父の悩みの種でもある(笑)

 まあ、それでもいいと結婚したんだから大きな声では言えないよなw

 ゆくゆくはリーセロットがやってくれるならそれの方がありがたいと思ってるだろうし

 

 いや、俺だって面倒ごとはイヤだぞ?

 でもまあ、やらなきゃいかんならやるけどさ。

 

「お母様、わたくしがおもてなし致しますからご心配なく。イルセさんと……アニカさんをお借りしますが構いませんか?」

「ああ、構わない。しっかりと主催の心得を学ぶと良い」

「ほ……」

「はぁ……君も少しはご友人を呼ぶとかしたまえ。仕事関係の方以外と会食も出来ないというのは些か問題だ」

「うう……分かりましたわ」

 

 なんか飛び火させてごめんな、ママン。

 

 本来、貴族の家計の三分の一は社交費と言われているほどだ。

 ところがうちはその半分にも満たない額しか使っていない。大抵の貴族は奥方のお茶会の開催を心中穏やかに迎えられないとか何とか。

 

 経済的にはいいけど、周りからは突き上げ食らってるよな

 ハーゼルツァットは国でも上位の収益を出してるしお近づきになりたい連中は山ほどいるからね

 お披露目過ぎたらわんさとくると思うよw

 

 鬱になる情報あんがと。

 はぁー、めんどい

 ε-(‐ω‐;) 

 

 したらば明日の件で用意があるからと、食事が終わるとイルセを呼ぶ。あらましを告げるとイルセは少しだけ思案して語り始めた。

 

「……非公式のお茶会でしたら然程用意は必要ないかと存じます」

「そうなのですか?」

「茶器や茶葉の厳選は必要ありませんので、常用のもので良いかと。お茶菓子に関しては、今から用意するなら大概のものは作れるはずです。花は今の時期なら花壇の物が幾らでも使えますし」

 

 すらすらと答えるイルセだけど今回はそこまできっちりするつもりはないと答える。

 

「そのお嬢様さんは養子縁組なさった方なの。元は平民らしいので堅苦しいお茶会だと萎縮してしまうと思うから、ホームパーティのような形で行いたいのよ」

「左様でございましたか。でしたら、奥方様がいつも取り仕切るような形がようございますね」

 

 顔色一つ変えずに微笑むイルセに貫禄を感じます……やっぱ年の功だな(暴言)

 

 何故かディスられるイルセたんw

 アンゼリカと比べるとやっぱ包容力の差が出るね

 

 それから細かい事を決めていく。

 茶葉はいつものでいいけど、茶器や調度類はメイドたちの使う物の備品から(ランクとしては丁度いいらしい)

 

 迎賓館の一室を借りて、清潔感を意識しつつ過度な装飾は外して。あと、子供用のテーブルと椅子のセットに変えてもらう(うちらじゃ大きい椅子に座るのはなかなか大変なのよ)

 

 お茶菓子に関しては料理長のフェルヘールに聞いてみると、オリボーレンが宜しいと言われたのでそれに決めた。

 

「オリボーレンなら私も作れるわよ? 教えてあげますわ、リーセロット」

「ええ……お母様?」

 

 料理長とお話してる最中に割り込んできたのは我が母親リーサンネ。料理長もこれには苦笑いです()

 

 リーサンネさん、料理はガチ勢

 魔術と料理に関して極ブリだけど他はへっぽこな美人……属性多いなw

 

 そうなんよ。

 マジで料理うまいから困るんだよね。

 

 

「あなたも料理出来れば、旦那様を射止めるのもわけないですわよ、リーセロット」

「ハア……まあ、それは構いませんが」

 

 まあ、いいか。家では自炊してたし、厨房に入るバイトも経験はある。料理自体も嫌いじゃないしね。

 

 リーセロットたんの手料理食いてぇw

 マジか。残念系にならんといいが

 リーサンネの娘なんだし平気やろ?

 俺氏も出来ると言ってたし……あれフラグ立ちすぎてね?

 これはヤバい流れかもしれんでぇ……

 

 不穏な流れ作んなや (ー。ー#)

 

 それではと下準備にかかるオカンに続いて初めての厨房入り。ドライフルーツをお酒に漬け、粉やバターとかの確認をしている。

 俺は料理長に声をかける。彼が溜息をついたようだからだ。

 

「あの、ご迷惑ですよね?」

「えっ? ああ、いえ、迷惑だなんてありませんよ」

 

 年の頃は三十そこそこの彼は、王都の一流の料理店で腕を磨いていた料理人で、前任の料理長の弟子でもある。平民出とはいえ上流階級とも付き合う事の多いので、この屋敷のアットホームさにすごく驚いていた。

 

「先輩からも聞いてましたけど、奥様が料理なさるというのは珍しいですからね。でも、良いことだと私も思います」

 

 夫や子供の食に対して敏感になる事は悪い事はない。体調の把握もしやすいし、何より家庭が円満になる。下級貴族の家がわりと長生きだったりするのもそういう側面があるのだと語った。

 

「子爵様となると少ないのですが男爵様のお家は半々位と聞き及んでいます。私の友人の料理人は、男爵家に赴いて嘆いておりました。『旨い料理より腹にたまるものを作ってくれ』とのご指示に頭を抱えたそうです」

「まあ、正直な方でしたのね(クスクス)」

「そ、そうですね(ヘヘッ)」

 

 実直そうなわりにこういう事も言えるので、俺はわりかし気に入ってたりする。

 

 あのさあ、フェルヘールくんさぁ……

 間違いとか起こすとマジで一族皆殺しなるぞw

 照れてんじゃねえよ、おっさんw 

 

「私の所もそうでしたわよ。石高なんて良い所と悪い所は天と地ほども違うもの。ここは良い土地が多くていいわよね」

「左様でございますね。小麦の質もよく、ライ麦や米も取れますし、何より大麦が宜しいです。今年の初物のエールが楽しみですよ」

「あら、あなたもイケる口なのね。ここのエールは酸味も少なくて芳醇よ」

 

 リーサンネが戻ってきて酒の話とか始めたよ。うーん、この年だからまだ飲めないんだけど気になるよなぁ。

 

 お酒に興味津々な幼女……ありですねw

 俺氏は飲む方だったっけ?

 

 付き合いなら何回か。ただ、酔いやすいせいかいつも後輩の女の子が家まで付き添ってくれてたよ。

 

 ……なんだかロマンスな流れで草

 男と女が逆転してるけどなw

 ひょっとしてその子といい仲だったりしたの?

 

 そんな事ない……と思うけどな。

 まあ、言われてみればそうなのかな?

 高校卒業後もなんだかんだでくっついてきてたし。

 

 寂しい人生かと思ってた俺氏に実は春が来てた件について

 ナシやなw

 もげろ……あ、今は無いか(笑)

 ええやん。人間としてはそれが正しい在り方やで

 マジレスすんな、ワイ氏

 なんやこらぁ、やるかボケッ

 火ぃつくの早すぎて草

 

 リーセロットがどれくらい飲めるかはともかく、飲めるようになったら飲んではみたいな。

 たしかお披露目の後はワイン飲めるようになるんだよな

 

 王国法ではそうなってるよ

 でも、家庭内とかでは飲んでる子もいるとか

 リーサンネやアデルベルトはその辺は固いから無理そうだけどね

 

「行きますよ、リーセロット」

「お休みなさいませ、お嬢様」

「お休みなさい、フェルヘールさん」

 

 いつの間にか話が終わってたので厨房から出る事にする。明日は色々とやる事があって大変だけど、スパくんの様子を確認しないと。

 

 

 

 

 

 マルレーンはもう寝てるみたいだ。

 うちと比べると……かなり粗末な感じの寝室だ。ベッドも藁敷きだし、灯りはランプだけで消してあるから真っ暗。

 スパくんの視界には関係ないけど、小さい子供には怖いんじゃないかな?

 

 やはり泣き腫らした感じであり、それでも疲れたように眠っている。よく見ると手は傷やマメが目立つ。平民の出というのは間違いなさそうだ。彼らは動けるようになると仕事をさせられるからね。

 

 スパくんの画像とか音とか分からないのがもどかしいw

 俺氏の語りだけだから……これ実質AMSRでは? ( ゚д゚)ハッ!

 ああ、そう解釈すればいいのか。お前天才だなっ! (・▽・❖)<しゅげえ

 

 ……独り言やめようかな(笑)

 

 とりあえず、手とか身体の傷とか治しとくか。スパくん経由で治癒の術……うん、何とか出来た。ついでに身体の疲労とかも取っておこう。

 

 想像するとちょっとコワイなw

 ちっこい小蜘蛛から治癒やらなんやらかけられるのか……

 魔術の使い方が曲芸みたくなってきたねw

 

 せっかくだから気分爽快で来てもらいたいだろ?

 

 終わったらちょっと階下に降りてみるか。

 えっと……ここ屋根裏か。マジで養子扱いなのかね? なんか使用人みたいだけど。

 

 下の部屋には……人が寝てる。

 けど、うなされてるみたい。熱が出てるのかな? 流行病とかじゃなければいいけど。

 あんまり近づかんとこ。

 

 スパくん、使い魔やから病気にはかからんよw

 でも、回収した時にリーセロットに移るかもしれん。用心はしたほうがいいよ

 

 一番下の階にいるお爺さんは起きてるみたいだ。でも、なんだか怖い顔でろうそくを見つめてる。……なんか言ってるな。

 

『あんな平民の小娘に頼る事になろうとはな。しかし、侯爵閣下のご令嬢直々の茶会となれば覚えもめでたくなろう』

 

 うお。

 なんか欲望だだ漏れなこと呟いてる。

 俺がマルレーンと仲良くなってもお前には関係ない話だろうに。

 

 アデルベルトとの繋がりが出来ると考えてるんだろ?

 養子として引き取った子でそれを考えちゃうのは浅ましいと思うけどね。

 この人がエイク男爵なのかな? 年齢が高過ぎる気がするけど

 

 どう見ても六十以上だよね。白髪だし皺多いし。

 

 王国法では六十五になったら強制的に隠居させられる。跡取りが居ないなら親族から養子縁組。それも出来なければ、世襲出来ずに王国が管理する事になる。

 詳しすぎて笑うw

 なんか専門家おるな(笑)

 まあ、普通は子供なり親戚なりおるし。滅多には起こらんわなw

 

 上の階に寝てた病気の人は息子なのかな?

 あんな人がマルレーンを養子にするのか……まさか光源氏計画とか(笑)

 

 無いとは言えないけどw

 でも手順が必要だよね。平民を正式に妻に迎えるには貴族としての箔が必要だから

 妾、という形なら問題ないけどそれなら養子に迎える必要はない。

 

 そもそも平民の子供を養子にするってどういう事なのよ? よく分からん(コテン)

 

 一般的には社会福祉的な意味合いだよね。余裕のある人間がそうでない人の子を育てる慈善事業的な感じかな

 ただ、この世界には魔力があって、平民にもまれに魔力持ちが出たりする。そういう子を育てるには平民には難しいから貴族や組合なんかが引き取って学校に通わせるんだ

 

 学校……あ、初等学校か。

 魔術の基礎はそこで習うんだっけ。

 

 組合での奨学金で通うとその職種に制限されるよ。冒険者組合なら冒険者、魔術組合なら魔術師、教会なら聖職者って具合にね。

 一方、貴族の養子として引き取られた子供は選択の幅は多いよ。でも、大概はその貴族の望む形になる。パトロンの言うことは聞くものだからね

 

 あー、つまり邪な考えでマルレーンを受け入れたんじゃないんだな?

 

 国から補助金も出るし貴族側も助かる事もある。雀の涙だけど(笑)

 けど、邪な考えが出来なくもないんだよなぁ、コレが

 

 えっ? なんか抜け道でもあんの?

 

 貴族の養子は平民のままだけど、貴族としては迎えられている。つまり貴族と婚姻関係になれるのさ

 マルレーンを囲いたい貴族が男爵に命じて養子にさせて、成人したら娶るなんて事も可能なんだよw

 

 はえー……面倒な手だけど、あるんだな。

 でも、まあそれなら当面は問題ないかな?

 

 

 爺さんはそのまま眠ってしまったようだし、今日はこの辺にしておこう。まだ分かんないことだらけだし、俺が深入りする理由も今んとこあまり無いしね。

 

 あるとすれば。

 あの子の笑顔が見たいだけ、かな?

 (*´ω`*)

 

 

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