日曜の午後に動画見てたら幼女になって配信する件について 作:二三一〇
ナチュラルなんかにっなんて言わないです、はいw
そんなこんなで二年の歳月を経た夏のある日。父親のアデルベルトから来客があると知らされた。
前に聞かされた婚約者というやつらしい。
「ヘルブランディ伯爵とその次男がお見えになる。粗相のないように……ま、リーセロットには必要のない心配かな」
「はあ……どちらかと言うとお父さまの方こそ心配ですわね?」
そう答えると淑やかにカップを持ち紅茶を嗜む俺。
対するアデルベルトは苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
夏の午後ティーを嗜む家族一同。
母親のリーサンネの手には妹のヘンリエッテが抱かれている。
すやすやと眠る妹の姿を見ると、とても心が安らぐ。かつての自分には、兄弟はいなかった。勝手に魂抜かれてやって来た異世界で、妹が持てるようになるとは思わなかった。
咳払いをして、話の続きをするアデル。
「伯爵は私の部下でなかなかに有能なのだが……私と違ってやや子供の躾が宜しくなくてね」
「あら、自分はきちんとしていたと言っておりますよ? リーセロット」
うん、そういうパスはいらんから、リーサンネさん。
「お二人のお名前を伺ってもよろしくて?」
イザークとか絶対イキりキャラ(笑)
おま最後まで見とらんだろ? アアン?
惚れ直すやろっ ボケッ!
そうなんだよなぁ……いや、種とか種死の先入観で見ちゃいかんよな。
しかしな……本当に婚約者、いたんだな。
この年で相手決められてる事実も痛いが、この俺が男に全く興味が無いっていうのが一番の問題だったりする。
そのうちメス堕ちするんでしょ?
リーセロットたんはそんな事にはならない!
うお……お前キモいな。けど禿同w
メス堕ちも見たいけど……分かる
いや、身体の本能に逆らえなくてって葛藤も見たいとは思わんかねっ!?
それも、分かるw
熱弁古い杉草
……? あ、杉と草で植物繋がりか。古いは誤字?
解説すんな草
わかるよ、草の人。突っ込まれると辛いときあるよな。今の俺が正にそうだもん。
たしかに今の身体には随分馴染んだ気はするけど、心の奥底がまだ男なんだよなぁ……そんな事より魔法の練習とか修練のほうが面白いし、興味がある。
子供なんだから色恋よりも遊び優先になるだろ?……つまり、婚約者とか萎えるワケ。
「上級貴族というのも面倒なのですね? 私の家なんてそんなのありませんでしたよ? 父も母もそんな事より領地の普請の方に掛かりきりでしたし」
母親がそうボヤくと父親もげんなりとした感じで答えた。
「まあ、ウチだからという側面もあるんだ」
「どういう事ですの?」
「リーセロットが女の子だからだよ」
家を継ぐのが娘なので『入り婿』を取る必要があるのと、侯爵家というこのアークステインという王国の中でもかなり上位の格というのが問題なのだとか。
家の存続は血族の保存を優先するらしく、女性が嫡出子なら婿を取る事で当主となるらしい。俺の場合、女侯爵って事になる。夫人じゃなくてね。
「王家にも近い我が家の門地を狙う輩は多い。そのために先んじて婚約者を選定しておいたのさ」
苦渋の決断のような表情で言う
そう言ってこっちに手を伸ばすので、近寄ると俺の手をとってこう言った。
「お披露目が済めば、君に言い寄ってくる輩は増えるだろう。イザークはその為の盾として扱えばいい。無理に好きにならなくていいし、僕は君の意思を尊重するよ」
おっと。
貴族の当主とは思えない発言きましたよ?
いいのかね? 上級貴族の人間としては。
彼自身、愛に生きると宣言してたし(笑)
婚約者がいれば断るのに角は立たんからね
たしか王族とか公爵にも何人か適齢期の奴いるからなぁ
でも、伯爵家の子供には少し荷が重いかもね
まあ、弾よけなら有り難く使わせて貰うけど。
その二人がやって来たのは数日後。
勉強の最中だったので喜々として飛び出し、父と一緒に迎えに行く。
「そ、そんなに楽しみかい?」
「いいえ? 勉強から開放されるのが嬉しいだけですの♪」
教師たちには悪いけど、語学も算術も退屈だし。歴史とかの方がまだ面白い。
本邸の門から屋敷までにはかなり距離があるので、たいていアデルは馬を出す。それに乗るのが楽しいというのもあるのだ。
「魔法で作るお馬……わたくしも早く作りたいですわ」
「初等学院の課題だから、君にはまだ教えられない……魔力から言えば全く問題ないのだが、協会の定めた法を破るのは問題なのでね」
「じゃあ、しばらくはお父さまが乗せてくださいね?」
「ああ、もちろん」
とーちゃん顔だらしねえ(笑)
ノセテクダサイネ? (ニッコリ)
この笑顔には勝てんわなw
俺氏、あざてえ顔できるじゃん♪
いや、そんなつもりないんだが(困惑)
感情の振れ幅が大きすぎる気がするなぁ……
あっという間に玄関まで来ると、二頭引きの馬車が来ていて、一人の男性と男の子がいた。
男性の方は凡庸そうな貴族であるが、子供の方はやや目立つ。何故かというと、よそ行きの服装ではなく簡素な服に革で作られた鎧を纏っていたからだ。
さらに言うと、顔はいい方……というかカッコイイのかもしれない。斜に構えた感じであり、前の世界なら少年系のアイドルとかでデビューしてそうだ。
アデルと男性が挨拶しているので、こちらも子供同士で挨拶しようと声をかける。
「はじめまして。リーセロットと申します」
猫の皮を何枚も被って、精一杯可愛らしく挨拶する。
あー、イイですねぇっ!
まさに貴族のご令嬢の見本w
でも、少し物足りなくない?
いつものリセたんとは違うからかな?
キモいなぁ、こいつら(笑)
少し飾ってるのを見抜くのが余計にキモい。
なんなの、
マニア、フリーク、オタクなんとでも(笑)
そのためにこの配信見てるからねw
なんか面白いことするから目が離せない草
……おっと。
彼が返事をしてきた。
「イザークだ」
そっけなくそう言った彼は、つまらなそうに言葉を続ける。
「父上の顔を立てて婚約者として振る舞ってやるが、俺にはその気はない。そう思ってもらおう」
「……はぁ?」
そんな事を言ってツカツカと馬車へ戻る。
慌てて伯爵が連れ戻し、
なかなかに愉快な子ですこと(笑)
コワッ
俺氏、鏡出して見てみ?
え? 俺変な顔してる?
って、怖っ!
ナニコレ、どうしてこんな怖い顔してんの?
……たぶん、歯牙にかけられなかったのが気に入らなかったんじゃない? 知らんけど。
三尋木プロちーすw
ま、まあ、カチンときたのは間違いないが。
ふむ……
「愚息が本当に失礼しました。わたくし、ホドフリートと申します。リーセロット様」
「リーセロットでございます。わたくしは子供ですので敬称はいりませんわ?」
「は、いえ……そのような」
オロオロする伯爵に父親が助け舟を出す。
「リーセロット。家格の下にあるものが敬称も無しに呼ぶのは失礼に当たるのだよ」
「そうですか。失礼しました、ホドフリート様」
ぺこりと頭を下げると、向こうも恐縮したのか頭を下げてくる。わりと善良そうなイメージである。
応接間にいるのは男爵と私たち父娘だけであり、あとはメイドさんが何人かいるだけだ。
イザークは来てそうそう剣の鍛錬をするとか言って庭に出たまま帰ってこないらしい。
自由に生きてていいなぁ。
こっちは毎日毎日勉強詰めで、たまに運動とかするくらいだ。魔法の練習も一週間に一回と制限されてるし……内緒で初級の呪文を教えてもらえるのは有り難いけど。
そうだ。
「そうですわ。わたくしも行ってみます!」
そう言ったら、二人ともなんか嫌そうな表情をした。庭なんだから魔物とか出てこないし平気だろ? そう言うとアデルが渋々交換条件を出した。
「アンゼリカを同行させなさい。あと、君は木剣を持ってはいけない」
「え〜、ダメですの?」
「今日は剣の師範が来ていない。彼の自己鍛錬の邪魔になる」
むう。
まあ、いいか。
たまに表の空気を吸うのもいい気分転換になるし。
「では、参りましょう。アンゼリカ」
「はい、お嬢様。まずはお着替えですね」
簡素な服に着替えてから表に出る。
簡素といってもごてごてとした装飾が無いだけのワンピースはかなり上品に見える。夏の日差し避けの麦わら帽子を被れば、すっかり避暑地のお嬢様スタイルだ。
定番の恰好だね パシャ
無防備そうな感じがたまりませぬw
本当はショートパンツがいいんだけど、今日は運動しないのでと、ゴリ押しされた(笑)
まあ、最近はスカートにも慣れてきたし……正直夏場は暑いからこうした恰好の方が過ごしやすい。
季節的には盛夏というには早い時期だけど、表に出るとうっすら汗が滲む。気温でいうと三十度より少し低い位だろうか?
芝生も丁寧に刈り揃えてあって、サンダルで歩くとさくさくと小気味いい音を立てる。
異世界であっても生態系というものはあまり変わらないのか、地面の上は蟻がせっせと動いている。
夜になれば蚊がうるさいし、果物の置かれたテーブルとかには蝿とかも寄ってくる。何度か叩いて潰していたけど、イルセに止めるよう注意された事があった。
「虫は汚いので触らないで下さい、お嬢様」
「でも、虫がたかるわよ?」
「皿や器に虫除けの術が施してありますので、平気ですよ」
なんと。虫がたからないようにする術があるそうだ。蚊取り線香のように殺すのではなく、近寄らないようにするためのものらしい。
「寝台などにも備えてあります。お外に歩く時に付ける護符もありますよ?」
「へえー、便利なものですのね」
その話にあった護符を首にかけ、イザークの後を追う俺とアンゼリカ。
庭といっても相当広いので探すのは大変なのである。使用人たちの目撃情報から、南の端の欅の近くにいるとの事。早速行ってみよう。
「せいっ! せいっ!」
「こちらから声が……お」
小さな木立の向こうから声がしたので覗いてみると、先ほどのイザーク少年が木剣の素振りをしている最中だった。
暑いさなかにやってるものだからかなり汗だくである。剣筋もブレてないし、目もしっかりしてそうなので日射病とかは平気だろうが、子供にはなかなかにキツそうではあるな。
とことこ近づいていくと、こちらに気付いたのか素振りをやめる。
「ふぅ……、何しに来た?」
「陣中見舞いでしてよ。この暑いのに精が出ますわね」
様子を見に来たと言ったのだが、相変わらずなリーセロットの変換である。
「アンゼリカさん、差し入れをお渡しして下さい」
「畏まりました、お嬢様」
携えていた水筒には、井戸から汲んだ冷たい水が入っている。彼は何だか変な顔をしながらそれを受け取る。
「……ありがとう」
「もう何回振りましたの?」
「え? 百五十位かな……」
「そんなにですの? わたくしなんて三十回も振れませんのに」
これは本当である。
幼女ボディ、ナメんなよ(笑)
「は? 流石に貧弱すぎじゃね?」
……スゥー。
あ、やべ(笑)
煽り耐性なさ過ぎワロタ
「誰が貧弱ボディかっ!?」
「え?」
wwwwwww
これは大草原w
俺氏、そいつそんなこと言ってねえ(笑)
草草の草
自分に自虐的に言うのはともかく、他人、しかも失礼なガキに言われるのは我慢ならん!
「おらあっ!」
「わ、ちょっ……」
体内の魔力を高め、身体強化。
貧弱ボディでもこれくらい出来らぁっ!
左右のジャブを放つが、とっさに奴も反応して避ける。
だが、甘いっ! 大きく右足をあげ、振り下ろす。
「せえぃあっ!」
「……し、しろ……」
頭頂部にキレイに入った踵落とし。
素早くヤツの意識を刈り取ったのだけど、残心を残し構えは解かない。
「……え? い、イザークぼっちゃまー?」
「……あ」
アンゼリカの悲鳴じみた声に、ようやく正気を取り戻す。
そこには。
ヤムチャのように倒れてピクリともしないイザーク少年の姿があった(笑)
ヤムチャしやがってwww
でもこいつ、リーセロットたんのパンツ見たぞ
タヒれ
逝っちゃってええぞ、小僧w
俺らでも最近見れないのに……
カメラ、なんで回り込まなかったの!
お前ら必死過ぎ草
管理者どもは平常運転でしたとさ……
はぁ、どうしよ(嘆息)
聞き間違えでダウンさせられたイザーク少年……合掌(まだ死んでません)