Re.HUGっとジオウ!   作:yu-ki.S

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ウォズ「この本によれば、普通の中学生 時見ソウゴ。彼には魔王にして時の王者『オーマジオウ』となる運命が待っている。
アナザー鎧武とアナザーウィザードに立ち向かう仮面ライダージオウだったが、更にそこへもう一人のジオウが現れる。
一体何が起こってるんだ……この本に書いていてないことが起こるとは……ついとも思いませんでした…」


第10話 武者と魔法と夢 2012

オシマイダーを倒したが、アナザーライダーに逃げれられてしまったソウゴ達。

 

「幻覚じゃないよね……」

 

「ソウゴ君が…二人……」

 

「俺…が、二人…どうゆうこと……?」

 

「何が、どうなっての……?」

 

だがそこに、もう一人のソウゴが現れた。エール達は目の前にいるもう一人のソウゴに戸惑っていた。

 

「すべての謎が解けた。我が魔王、君は未来からやってきたんじゃないのかい?」

 

だが二人のソウゴを見て全てを察したウォズが、今のソウゴと服が違うソウゴは、未来から来たんじゃないかと推測する。

 

「未来から⁉︎ 本当なの……⁉」

 

「未来って言っても少しだけだよ。…五日くらい経った頃のね」

 

それを聞いたソウゴは、今から五日後の未来から来たのだと語るもう一人の自分の言葉に驚きの声を上げる。

 

「だから色んな事情を知ってたのね…⁉︎」

 

それを聞いたツクヨミは、何故に今までのソウゴがアナザー鎧武の事を知っていて、色々な事情も知っていたのかわかった。

 

「それで……」

 

ハリーは人間態になるとニコニコと笑いながら迫り、ツクヨミとウォズも未来のソウゴへと近づく。

 

「何で、早く言わなかったの?」

 

未来のソウゴは三人が近づいて来るのを見て「あ、ヤベ」と思ったのか、今のソウゴの後ろへと隠れる。

 

「だって…言ったら怒るじゃん!」

 

「「「当たり前(だ・でしょ・やろ)ッ!」」」

 

三人が同時にソウゴに怒鳴る。

 

「君がやってることは、クライアス社のタイムジャッカーチームと何ら変わりない。とても王の所業とは思えぬ行為」

 

「一歩間違えば大変なことになるんや!」

 

「バカなことしてるって分かってる?」

 

「分かってるって!」

 

「分かってないっ!取り返しのつかないことになるかもしれないんだよ!場合によってはあなたの存在が消えるかもしれないっ!」

 

後ろに隠れているソウゴに りつけるが、ツクヨミは目の前にいる今のソウゴに怒鳴っていた。

 

「……俺じゃないよ」

 

「ごめん……」

 

その隙に未来のソウゴは反対側へと避難していた。

 

「ねぇ、未来のソウゴはどうしてこんな無茶なことをしたの?」

 

自分の存在が消えるかもしれない、なのに何故こんな危険な事をしたのかとエールが尋ねる。

 

「やらなきゃいけないことがあるんだ。王様として」

 

「どういうこと⁉︎」

 

「王の考えは凡人には理解できない。それだけの事情があったと?ご説明願おうか」

 

「もう一人の俺が必要なんだ……あいつを助けるために」

 

ウォズの問いに対し、未来のソウゴはこの時代のソウゴが必要だと答える。

 

 

 

ヘルヘイムの森では。ゲイツと駆紋戒斗が入り口を探す中、彼らは二人の男女……操真晴人と東せつなと出会った。

 

「アンタ達もこっちに飛ばされたのか?」

 

「俺は、5年前からダンスチームのメンバーが消える事件を追ってね。

それで尻尾を突き止めたら、この子とこの世界に飛ばされたんだ」

 

「ごめんなさい。私を助けるために巻き込んでしまって……」

 

「別に……それに早く、君を元の世界に連れ戻さないとな」

 

自分のせいで此処に飛ばされてしまった事を謝罪するせつなに、晴人は君のせいじゃないと言って励ましていると、どうやって此処から脱出しようかと考えこむ。

 

「残念だが、出口を探しても無駄だ。この世界に出口は存在しない」

 

「……マジで?」

 

だがしかし、戒斗が出口がないとすっぱりと言う。

 

「……聞きたいことがある。お前は俺に言った先の言葉―――」

 

ゲイツはさっき戒斗の言っていた言葉…『お前に迷いが見える。気のせいか?運命を覆す強さなどお前からは感じない』という言葉を気にしていたのか、何故あんなことを?と問いかけていた。

 

「気にしてるのか?自分の中の迷いを認めたな」

 

「俺は迷ってなどいない!俺は…俺達の運命を変えるために、この時代に来た!」

 

「だったら証明してみせろ!自分の力でな」

 

戒斗はそれだけ言うと、ゲイツを置いて前の方に歩み始めた。

 

 

 

その頃、現実の世界。

ハリーハウスの二階で、未来のソウゴの話を今のソウゴとツクヨミ、ウォズが聞いていた。

 

「それで……ゲイツのために時間を超えてきた」

 

未来のソウゴはゲイツを助けるためにこの時間に来たと話す。

 

「俺は異次元に送られたゲイツをアナザー鎧武を倒すことで助けようとした。

だけど…!」

 

未来のソウゴはアナザー鎧武によって異空間に送られたゲイツを救出する為に奮闘した。だが過去でアナザー鎧武を倒した時、ある男に『全部一人で解決するのが君が考える王様なのかい?』と、そうソウゴに告げられた事を話す。

 

「何それ?神様?」

 

「その人が言った。ゲイツの力を、信じろって」

 

「ゲイツの力を信じろ……」

 

ゲイツの力を信じろ。ツクヨミにはそれがどういう事かわからなかった。

 

「感心しないな。君は既に仮面ライダー鎧武の力を手に入れた。後は仮面ライダーウィザードの力を手に入れる。それでいいじゃないか」

 

ウォズは鎧武ウォッチを手にしたなら、次はウィザードのウォッチを入手すればそれでいいじゃないかと言うが…

 

「「そうはいかないよ!」」

 

すぐに同じ言葉が出ると二人が顔を合わせる。

 

「「ゲイツは俺にとって必要な人間だ、いい魔王になるために」」

 

またも同じ言葉を同時に放つ。

 

「さすが俺!」

「考えてることは同じだね」

 

流石は同じ人間、考えてることも同じだ。

ソウゴがそう感心していると、ウォズは手に持った本を見せながら呆れた様子で話しかける。

 

「それ自体間違ってるんだ。明導ゲイツは、君が魔王になるために必要な人間なんかじゃない。この本のどこにもそんな記述はない」

 

「ウォズは黙ってて!」

 

ツクヨミが言うとウォズは素直に黙り込む。

 

「分かった……ゲイツを助けよう」

 

「「うん」」

 

ツクヨミがゲイツを助けようと言うと、ソウゴ二人は同時に頷く。

 

「俺も俺に乗る。で、俺は何をすればいいの?」

 

「まずは君もこのライドウォッチを手に入れて」

 

未来のソウゴは鎧武ライドウォッチを見せ、このウォッチを手に入れてと言う。

 

「それで、仮面ライダーウィザードのウォッチはどこで…」

 

アナザー鎧武と戦っていたあの時、オシマイダーと共に突如現れたアナザーウィザード。彼を倒すにはウィザードウォッチが必要なのだが、ウィザードのウォッチはどうすれば手に入れられるのかと今のソウゴは問い掛ける。

 

「それは……」

 

「「それは……」」

 

ソウゴとツクヨミの顔が、未来のソウゴの顔に近づいていく。

 

「それは、わからない」

 

しかしわからないと言われ、二人がガクッとずっこけかける。

未来のソウゴは鎧武ライドウォッチは手に入れたが、ウィザードライドウォッチまでは手に入られてなかった様だ。

 

「じゃあ、どうすれば……」

 

ソウゴ達は何処にあるのかわからないという、ウィザードウォッチの入手に悩む。

すると、下の方から声が聞こえた。その声の中には、ほまれの名が呼ばれていた。

 

「みんな、どうしたの?って……誰?」

 

ソウゴが下に降りて外に出ると、そこには金髪の男の子がおり、彼ははなとさあやの前でほまれにハグをしていた。

 

 

そこからなんやかんやあってからしばらくし、さあやがさっきの子を調べていた。

 

「若宮アンリ君。中学三年生」

 

どうやら彼はソウゴ達より一つ年上だったらしい。

 

「すごい。フィギュアスケートで出場した大会は全部一位だ」

 

ソウゴはミライパッドで見た過去の成績を見てみると、そこには全て優勝と書かれていた。

 

「スケート界の新星!未来を約束された王子様!」

 

ハリーが叫ぶと試着室からレディースの服を着たアンリが出てきた。

 

「ちょっ!それレディースやで」

 

「似合ってれば問題ないでしょ」

 

彼の言う通り、確かにレディースの服が似合っていた。

 

「うん、凄く素敵!女神様みたい」

 

「よく言われるよ」

 

「わぁ〜!アンリ君の瞳きれ〜い」

 

「瞳は父親から受け継いだもの、母親は日本人で父親はフランス人だから」

 

「じゃあ、君ハーフなんだ」

 

はなが目をキラキラと光らせている横でソウゴがハーフなのだというと、違うと否定の言葉を言われた。

 

「半分じゃない。大和撫子とパリジャンのダブルだからね」

 

「ごめん。なんか間違っちゃって……」

 

「アハハ、君って素直だね。…じゃあ、僕の頼みも聞いてくれる?」

 

「いいよ。頼みを聞くのもいい王様には必要だから」

 

ソウゴがそう言うと、アンリは目を鋭くさせて自身の要望を話し始めようとする。

 

「へぇ〜、王様、ね……じゃあオウサマ、ほまれをここに縛るのはやめてくれないか?」

 

「縛る?」

 

「私達がほまれを?」

 

いきなりアンリがほまれを縛るなと言うと、はな達はどういうことだと首を傾げる。

 

「君達とほまれは、住んでる世界が違うって分かってる?」

 

「ちょっと……」

 

「ジャンプ、まだ飛べてないんでしょう」

 

「っ⁉︎」

 

ほまれとソウゴ達とでは住む世界が違うとも話すアンリに、ほまれが言い返そうとするが、彼にあの時からまだ飛べていない事が見抜かれた。

 

「僕達には時間がない。シニアデビュー……僕達が大人と並んで本格的にスケートを始める大事な時期はもうすぐだ。よく考えて」

 

アンリはそう告げると、只唖然としながら立っているはな達を残して去っていった。

その様子を二階から、未来のソウゴも見ていた。

 

「我が魔王。何故、そこまでゲイツ君にこだわる?」

 

「あいつが俺を魔王の道へ進むのに、必要だからかな……もちろん、ウォズもだけど!」

 

「はぁ……好きにするがいい……」

 

ため息をついてウォズも去っていく。

 

 

 

とあるビルの屋上にて、アナザー鎧武のアスラが柵をたたく。

その上にはスウォルツの姿もあった。

 

「おい!どうしてくれんだよ!俺が化け物だって事がバレた……これで全て台無しだっ!」

 

アナザー鎧武が自分である事と同時に今までの犯人であると知られた事で、これまでの苦労が水の泡となったと顔を歪ませながら叫ぶ。

 

「志が低い。これは始まりだ。お前はすべてをその手中に収める王となる。そうすれば、お前は紛うことなきスターとなる」

 

自分から変身したんだから自業自得だろという言葉を喉の奥に押し込みながらも、スウォルツがそう言うと、苛立ちを隠せていない表情を浮かべながらも一応は納得するとアスラは去っていった。

 

「お久しぶりです。スウォルツ」

 

入れ違いにウォズがスウォルツに接触する。

 

「フハハハ…!ウォズ。お前から私に会いに来るなんて、どんな風の吹き回しだ」

 

「あなたと利害関係が一致する、こんなことがあるとは思いませんでした。助力させていただけませんか」

 

「お前が…?私に?」

 

ジオウの家臣が何様だと睨んでいると、ウォズはスウォルツに助力していただけないかと頼み込んできた。

 

 

その一方、あるハウスのステージで一人の男性にウールとオーラが近づく。

 

「ありがとう。あいつから奴を守ってくれて……ウィザード早瀬」

 

「君から貰った力の恩返しだ」

 

ウィザード早瀬――その男はアナザーウィザードの変身者だった。

 

「この力があれば……」

 

「その前に君にはすべきことを果たしなさい」

 

「俺のすべきことって……?」

 

「復讐……!」

 

「復讐……」

 

「そう。裏切られた辛さを知る王は、復讐を以て時代を統治する……」

 

二人が早瀬に復讐と吹きかけると、早瀬はある事を思い出した。

 

 

 

未来から来たソウゴはハリーのハウスで一夜を過ごすことになり、今のソウゴはさあやと一緒に帰っていた。

 

「えっ⁉︎ 落ちたの!」

 

「ごめんね。せっかく応援してくれたのに合格できなくて」

 

さあやはせっかく応援してくれたのに合格できなくてごめん、とソウゴに謝る。

 

「でも、オーディション受けてよかった」

 

だが、彼女はオーディションには受けてよかったと言う。

 

「女優になりたいかまだわからないけど…自分の心をきちんと見つめて頑張ろと思えるから、それでいい」

 

ソウゴの目に映ったさあやの顔からは、もう迷いはなかったように見えた。

 

「そっか。さあやが納得出来たんならいいんじゃない」

 

「ソウゴ君。これ」

 

それを確認したソウゴは安心した顔でそう言っているとさあやが、オーディションの時に貰ったメモを見せる。

 

「ソウゴ君がくれた。それを見たら、なんかあの時の楽しい気持ちが戻った感じがして、オーディションが怖くなかった」

 

「幼馴染なんだから、助けるのは当然だろ」

 

「幼馴染……」

 

「どうしたの?」

 

「ううん……なんでもない」

 

さあやが幼馴染と言われ一瞬沈むと、なんでもないと誤魔化す。

 

「明日はソウゴ君のウォッチ探し手伝うからね!」

 

「ありがとう」

 

鎧武ライドウォッチを探すのを手伝うと言てくれたその時…

 

「きゃぁぁぁぁぁぁーー‼︎」

 

近くの方から女性のような悲鳴が聞こえた。

 

「今の……」

 

悲鳴が聞こえ、ソウゴとさあやはその場所へと向かう。

 

 

その場所では、アナザーウィザードの早瀬が一人の女性を襲っていた。

 

「何故……何故こんな仕打ちを!」

『ウィザード…!』

 

早瀬はアナザーウィザードへと変身し、女性の首を絞める。

だがそこにジオウへと変身したソウゴと、キュアアンジュとなったさあやが女性の窮地を救った。

 

「アナザーウィザード……アンジュはその人を」

 

「うん、大丈夫ですか?」

 

女性の方はアンジュに任せ、ジオウはアナザーウィザードを彼女から離そうとする。

 

「やめるんだ!」

 

「貴様……」

 

必死にアナザーウィザードの暴走を止めるジオウだが、アナザーウィザードは『グラビティ』という音声と共に周りのものを引き寄せ、投げつけられたジオウの動きを封じる。

 

「くぅ……!だったら…」

『ビルド!』

 

ならばと思ったジオウは、腕に装着していたビルドライドウォッチを起動させ、ドライバーへと装填して回す。

 

『アーマータイム!ベストマッチ!ビ・ル・ドー!』

 

ビルドアーマーを装着しドラム缶やカラーコーン等を振り払うと、二つのウォッチを起動させる。

 

『フィニッシュタイム!ビルド!』

 

再びドライバーを回し、グラフの放物線がアナザーウィザードを拘束すると、放物線へと乗り込み加速する。

 

『ボルテックタイムブレーク!』

 

そのまま、ドリルクラッシャークラッシャーのボルテックタイムブレークを決める。

 

「邪魔を…」

 

だが『リキッド』という音声を唱えると液体状になったのか致命傷とはならず、アナザーウィザードは逃げていく。

 

「なんなんだ…あのアナザーライダー……」

 

何故、アナザーウィザードはこの人を襲ったのかわからなかった。

 

 

 

そして翌日。

ソウゴとさあや、ツクヨミは『フルーツパーラードルーパーズ』と書かれた飲食店へとへやってきた。

 

「ここ?」

 

「うん。このメモによれば、ここでライドウォッチを渡してくれた人に会ったって…」

 

未来のソウゴに書かれた場所へと着いた。だが、それらしき人物は何処にいるのだと思っていた。

 

「何処にいるっていうのよ。そんな都合よく……」

 

ツクヨミがそう言いかけると、三人の頭の上からオレンジが落ちて来た。

 

「…みかん」

 

「あっ、ゴメンゴメン‼︎ 怪我はない?」

 

さあや達が落ちてきたみかんを拾い、落ちて来た方を見ると一人の男性がいた。

 

「「「大丈夫(です)」」」

 

「そうか、よかった、おっと…!」

 

男性は上から飛び降り、ソウゴ達の前で着地する。

 

「ごめん。ちょっと待ってて!あっ、ここの店員の葛葉紘汰だ。よろしく」

 

自己紹介すると落ちた果物を拾う。

 

「あちゃー!こりゃマスターに怒られんな……あぁ、こっちも傷んでる!」

 

ソウゴは果物を拾っている姿を見ていると、葛葉紘汰を名乗った男性が腰にぶら下げているものに目を大きくする。

 

「それって!」

 

紘汰がぶら下げているのは鎧武のライドウォッチと、もう一つはスイカの模様が描かれた緑のライドウォッチだった。

 

「あの!それ……」

 

「見つけたぞ……」

 

ソウゴがウォッチの事を聞こうとすると、そこへアナザー鎧武のアスラが現れた。

 

「そんなとこにいたのか。貴様らのせいで、俺の5年は無駄になった。その責任はとってもらうぞ」

 

『鎧武…!』

 

アスラはアナザー鎧武に変身し襲いかかる。

 

「正確には俺のせいじゃないんだけどね……」

 

『ジクウドライバー!』

『ジオウ!』

 

ソウゴは困惑を含んだ表情を浮かべながらジクウドライバーを装着し、ジオウライドウォッチを取り出してウォッチのウェイクベゼルを回すと、左にあるD'9スロットの差し込み口に入れる。ドライバーの真ん中にあるロックを押し、時計が現れると構える。

 

「変身!」

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』

 

ソウゴはドライバーのジクウサーキュラーを反時計周りで回すと、ジオウへと変身してアナザー鎧武へと応戦する。

 

「あのウォッチ…!」

 

突然現れた落ち武者の化け物に驚いていた紘汰だったが、「未来のソウゴの指示だから」と言いながらピンクのスマホを持っている青い服を着た少女と一緒にその場から少し離れる白い服を着た長髪の少女の姿を横目に、さっき自身に話しかけてきた少年がウォッチを使い変身したのを見て、所持しているウォッチを見つめる。

 

「そうか……」

 

ジオウがアナザー鎧武と交戦していると、アナザー鎧武が距離を取り、空間からクラックが開かれる。

 

「何、それ…」

 

するとヘルヘイムからインベスを投入させ、ジオウに攻める。

三対一となり、ジオウがやや押され始める。

 

「ちょっと、やばいかも……」

 

「おい!」

 

鉱汰は所持する二つのライドウォッチをジオウへ投げ渡す。

 

「これは…」

 

「やるよ。お前が持ってた方が良さそうだからな」

 

「ありがとう!」

 

ジオウは鎧武ライドウォッチを受け取った。

それを見て、さあやを連れてその場を下がっていたツクヨミは未来のソウゴへ電話を入れる。

 

「ソウゴ!」

 

『何?』

「何?」

 

ツクヨミはソウゴの名前を言うと、二人同時に反応してしまった。

 

「面倒くさいっ‼︎」

 

キレ気味にジオウを睨みつけると、すぐに未来のソウゴに伝える。

 

「こっちのソウゴも鎧武ウォッチを手に入れた。次はどうすればいい?」

 

『とりあえず、そのまま戦って』

 

「えっ……切った!?」

 

未来ソウゴはそのまま戦ってとだけ言い、ツクヨミの電話を切ってしまう。

 

「まあまあ、取り敢えずこれ使ってみるからさ」

 

怒るツクヨミを宥めると、そのままジオウは鎧武ライドウォッチを使おうとする。

 

「そうはさせん」

 

すると背後からスウォルツが現れる。

 

「⁉︎」

 

気配を感じたジオウは振り向き、ジカンギレードのモードを変えて銃撃を放つ。

 

「ふん!」

 

だが、スウォルツが手を挙げると時を止め、ジオウの放った銃弾を静止させた。

 

「返すぞ」

 

手をくるりとさせ、全弾をジオウへとはじき返される。

それによりソウゴが姿勢を崩した隙に放たれたアナザー鎧武の攻撃によって、鎧武ウォッチが空中へはじかれてしまった。

そのとき、スウォルツが全ての時を静止させる。

 

「思い通りにはさせん」

 

スウォルツは鎧武ライドウォッチを強奪した。

 

「お前のやりたいことはお見通しだ。こいつが無くなれば……」

 

アナザー鎧武が開いたクラックに鎧武ウォッチを放り込もうとする。

すると、鉱汰から受け取ったもう一つのウォッチ――コダマライドウォッチが光を放ち、ロボへと変化し現れた

 

『コダマ!』

 

スウォルツは新たなウォッチロイドを見て警戒する。だが…

 

「小っちゃい…」

 

思ったよりも小さく、呆れたスウォルツは鎧武ウォッチをクラックへ投げ込む。

それを見て、コダマスイカアームズもウォッチを追ってヘルヘイムの森に向かってしまう。

 

「あっ!ウォッチが⁉︎」

 

「どうして私達の作戦を⁉︎」

 

「さあ?何故だろうな」

 

そこへウォズが現れ、それを見たスウォルツとアナザー鎧武は退いていく。

 

「ウォズ!」

 

まさかと思ったツクヨミは、ウォズが作成をバラしたのではないのかと睨む。

 

「問題発生。鎧武ウォッチがヘルヘイムに……!」

 

『…』

 

ツクヨミの連絡を受けた未来のソウゴは予定変更で、乗り込んでいたタイムマジーンを降りる。

 

「どういうつもり⁉︎」

 

「一時王に不興を買おうとも、正しき道を選んで頂く。それが臣下の務めというもの」

 

ウォズは自分の務めだから、仕方なくした事だとサラッと答える。

 

「別に恨まないよ。ウォズはウォズのやりたいことをやったらいい」

 

だがソウゴはウォズのやった事を恨まないと言う。

すると、ボルタリングの所ではなとハリーがいるのを見つけ、鎧武ウォッチの喪失とウォズの裏切りにも捉えられる行動については後回しにして、ほまれの飼い犬であるもぐもぐと上へ登っていた彼女の下へ歩み寄った。

 

「はな、ハリー、何やってるの?」

 

「あ!ソウゴ!さあや!」

 

「大丈夫――っ!」

 

はなに何をしているのかと聞くと、上の方に立っていたほまれと一緒に居たアンリがこちらと盗み聞きしていたらしいはなに気付いた。

 

「はな、ソウゴ、さあや…」

 

「立ち聞き?君達いい趣味してるね」

 

「…なんかごめん。でも、ほまれ困ってそうな顔してるけど……」

 

ソウゴはアンリに立ち聞きした事を謝ると、今のほまれが困っているように見えると聞く。

 

「じゃあ君達、ほまれのために何が出来るの?」

 

それじゃあと、アンリは彼女の為に何が出来るのかとソウゴ達に尋ねる。

 

「私、夢を応援するよ」

 

「…えっ?」

 

「フレフレほまれ!頑張れ頑張れオッー!」

 

「………ごめん、君って無責任だね。頑張れって言われても頑張るよ」

 

はなの台詞を聞いたアンリは少し笑みを浮かべると、呆れてそう呟く。

 

「応援なんて誰にでも出来る。

その無責任な頑張れが、彼女の重荷になっているんだよ」

 

「そうかな……?誰かに頑張れて言われると何だか、重荷なる時もあるけど……それが友達からだと、勇気をもらえるものだと思うけどな……」

 

「たしかにそうかもね。でもみんながみんな、必ずそうなる訳じゃない。

さぁ、行こう。ほまれ……」

 

ソウゴは口を挟むが全く聞く耳を持たれず、アンリがほまれの手を握る。

それに対してほまれは、彼の手を握り返すと、同時に意気消沈していたはなの手を握った。

 

「ごめん、私、アンリとは一緒に行けない」

 

そう言って、アンリの誘いを断った。

 

「見てほしいものがあるんだ」

 

 

ほまれはソウゴ達をいつも自身が使っているスケート練習場へ連れて行き、自分の今の滑りを見せようとする。

 

「何、見せたいものって?」

 

「――アンリの言う事は間違ってないよ。

私、頑張れって言われるたびにすごく辛かった……」

 

ジャンプが飛べなくなったショックで、頑張れって言われる度にすごく辛かったと明かす。

 

「みんなから応援される度に、そんな資格ないって…心がギュッとなって……

私は1度逃げた」

 

「分かるよ、そんなほまれを救えるのは僕だけだ」

 

「確かにアンリと私は、同じ世界に生きているのかもしれない。けど……」

 

そう言いかけて彼女は、ソウゴとはな、さあや、ハリー、はぐたん、ツクヨミを見る。

 

「私に新しい世界を見せてくれたのは、はなとソウゴ、さあやにみんななの!」

 

「ほまれ……」

 

「はな!フレフレして!」

 

はなに手を振って、応援してとお願いする。

 

「フレフレほまれ!頑張れ頑張れオーッ!」

 

ほまれに応え、はなも応援する。

 

「私はもう1度、みんなの頑張れを背負って、跳びたい!」

 

そして彼女の応援を受け、スケートリンクを楽しそうに滑り始める。

滑る中、ソウゴ達の目にはほまれの背中から羽が見えていた。

 

「あー……すごい!」

 

「なんか、行けそうな気がする」

 

ソウゴ達がそんな彼女の姿を見ていてそう思った。

この調子でほまれはジャンプを繰り出すが、失敗した。

 

「私は諦めない!」

 

だが彼女は諦めることなく、再び滑り出した。

 

「わぁ〜、ほまれキラキラしてる」

 

「うん!なんか、流れ星みたい」

 

その時のほまれの滑りが、夜空を駆ける流れ星のように見えた。

 

「もう1度、空に!」

 

「がんばれほまれー!」

 

その声と共に、ほまれは星々を描きながら高く飛び上がった。回転中も彼女からは笑顔が止まらない。

そして遂に、ジャンプが成功。

翼を捥がれて地に堕ちた黄色い鳥は、フィギュアスケート選手といて空へ羽ばたく為の翼を取り戻し、遂に蘇った。

 

「やった……」

 

「ほまれ!」

 

はながほまれに会いに行こうとしてリンクに入り、すぐに滑って転びながらもなんとか彼女の下に到達した。

 

「大丈夫?」

 

「良かった良かった」

 

「ほまれ、素敵だったよ」

 

「ちょっと、さあやまで……」

 

はなと遅れてやって来たさあやに抱き着かれたほまれが、顔を赤くして照れる。

その様子を見ていた先生が目から涙を流し、彼女の復活に目を奪われていたアンリが名前を呟いていた。

それを見届けると、ソウゴが上で見ていた未来の自分の方へと近寄る。

 

「ねぇ。本当はライドウォッチ奪われるの分かってたでしょ?」

 

「あれ……バレてた?でもお陰で作戦成功!」

 

「作戦?」

 

未来のソウゴが言うには作戦が成功というが、今のソウゴには何が成功したのかわからなかった。

 

『コダマ!』

 

未来のソウゴがコダマのライドウォッチを起動させる。

すると、ソウゴ達の前に一つの映像が現れた。

 

 

 

その頃、ヘルヘイムではインベス達が飛ばされた人達を絶えず襲っていた。

 

「あれは……よし!チェインジ・プリキュア!ビートアップ!」

 

せつなの体が光り、姿を変える。

 

「真っ赤なハートは幸せの証!うれたてフレッシュ、キュアパッション! 」

 

すると彼女の姿が、黒いリボンと四つ葉のクローバーの刺繍が付いた赤いドレスの様なコスチュームと、ピンクの髪に装着された翼と宝石、ハートの髪飾りが特徴的なものへとなっていた。

 

「マジか……せつなちゃん」

 

突如違う姿に変身したせつなを見た晴人は、思わず驚愕してしまう。

 

「なんだあれは?」

 

「あいつ……キュアハートとソードと同じ別のプリキュアだったのか……」

 

『ゲイツ!』

 

パッションが戦っているのを見て、ゲイツもゲイツライドウォッチを起動し、ドライバーに装填した。

 

「変身!」

 

『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!』

 

「あれ…確か……」

 

ゲイツが使ったウォッチを見て、晴人はポケットの中を漁る。

そのままゲイツはパッションと共にインベスと交戦に入る。

 

「あなた、それって……」

 

パッションは仮面ライダーゲイツを見て、何かに似ていることに気づく。

 

「仮面ライダーゲイツだ」

 

「あなたも晴夜君と龍牙君と同じ仮面ライダー……」

 

「あの二人を知ってるのか……?」

 

「えぇ、何度か助けて貰ったから」

 

「なるほど……とりあえずこいつらを倒すぞ!」

 

「えぇ!」

 

ゲイツとパッションが協力し、周りのインベスを倒していく。

 

『フィニッシュタイム!ゲイツ!』

 

ゲイツがウォッチのスイッチを押し、ドライバーを回す。

 

『タイムバースト!』

 

そのままライダーキックを放ち、インベスを全て撃破した。

 

「おい。これ」

 

晴人がゲイツが何かを渡そうとする。

 

「これは……ライドウォッチ」

 

渡そうとしたのは、ウィザードのライドウォッチだった。

 

「いつから貰ったのか知らないけど、それお前のだろ?」

 

ゲイツはウィザードウォッチを受け取る。

するとゲイツの前に、先ほどスウォルツによりヘルヘイムへ投げ込まれた鎧武ライドウォッチとそれを追ったコダマスイカアームズが現れ、ゲイツへウォッチを投げ渡す。

 

「ライドウォッチ?」

 

鎧武ウォッチを見るとコダマウォッチがモニターとなり、向こう側にいるソウゴ達が映し出された。

 

「ジオウが二人?どういうことだ」

 

『ゲイツ!聞こえる?大丈夫?』

 

「お前らには関係無い」

 

ゲイツは相変わらず、愛想のない返しをする。

 

『関係あるよ!そのウォッチがないとアナザー鎧武倒せないもん。

だから持って帰って来てくれるかな?』

 

「何で俺が⁉︎」

 

『俺が魔王になるのを阻止するんだろ?だから……持って帰って来て。頼んだよ』

 

これが未来のソウゴの狙いだったのか、ゲイツに笑顔でそう頼み込んだ。

 

 

「ゲイツのためにライドウォッチを……」

 

鎧武ウォッチを黙って奪わせたのは、ゲイツに帰る理由を作るためだとツクヨミは考えていたその時、『オシマイダ〜!』という声が聞こえ、窓の方を向くと踏切のようなオシマイダーが現れた。

 

「あれは!」

 

「ゲイツ頼むよ!」

 

コダマウォッチの接続を切り、ソウゴもはな達と共に外へと出る。

 

 

「おい!……オシマイダーか…」

 

ソウゴからの通信が切れたのを見て、オシマイダーが現れたのだとゲイツは察した。

 

「おい!」

 

すると戒斗がいきなり後ろから声をかける。

 

「出口になるかもしれない場所を教えてやる」

 

「何……」

 

この森を出るための出口と言い、ゲイツが反応する。

出口がない筈のこの世界にどうやって、と思いながら。

 

 

 

一方、現実の世界。

 

「見つけたぞ……ッ!」

「この前はよくも邪魔したな……」

 

みんなが練習場から出ようとすると、アナザー鎧武のアスラとアナザーウィザードの早瀬が現れた。

 

「ここは任せて、みんなはオシマイダーの方を……」

 

「でも、ウォッチがないと……」

 

「大丈夫。ゲイツを信じてるから」

 

二体のアナザーライダーと相手取り、その内の一体は対応するウォッチがないため倒す事が出来ない為、無茶だと言いかける。

しかしソウゴは、ゲイツが来ると信じている。だからこそ、こんな無茶も出来るのだと語った。

 

「わかった。みんな行こう」

 

アナザーライダーはソウゴに任せ、はな達はオシマイダーへと向かう。

 

『ジクウドライバー!』

『ジオウ!』

 

ソウゴはジクウドライバーを装着し、ジオウウォッチを取り出しドライバーに装填。ロックを解除すると後ろから時計が出現。構えを取るとソウゴはドライバーを回す。

 

「変身!」

 

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』

 

仮面ライダージオウへと変身し、アナザーライダー二体に向かっていく。

 

「「「ミライクリスタル!ハートキラッと!」」」

 

そしてはなとさあやとほまれは、プリハートにミライクリスタルをセットし、姿を変える。

 

「輝く未来を~抱きしめて!!みんなを応援♪元気のプリキュア!キュアエール!」

「輝く未来を抱きしめて!みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

「輝く未来を抱きしめて!みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

 

三人がプリキュアとなり、こちらもオシマイダーへと向かっていく。

 

 

 

その頃、戒斗がゲイツを森のある場所へと連れてくる。

 

「空間にヒビが……」

 

そこには雑につけたジッパーの様なものが浮いており、ゲイツはあのジッパーがアナザー鎧武が自身をヘルヘイムに放り込んだ時に出てきた物と似ている事を思い出す。

 

「あれを壊すことができたら、おそらく外に出られる」

 

戒斗はゲイツの持つバイクと書かれたウォッチを手に取り見せる。

 

「これなら届くかもな。但し、お前が運命を変える覚悟があれば、だ」

 

ゲイツは目を閉じ、戒斗、スウォルツ、自分、ソウゴの言葉を思い返す。

 

 

『運命を覆す強さなどお前には感じない』

 

『現にお前は彼に負けた』

 

『俺は最悪の未来を作り変えたいだけだ』

 

『だったら証明してみせろ、自分の力でな』

 

『俺が魔王になるの、阻止するんだろ。頼んだよ』

 

 

「―――運命か。そんなものは俺が変えてやる!

……あいつが魔王になるのは、この俺が止めてやる!」

 

『ゲイツ!』

 

ゲイツがゲイツウォッチを起動し、ドライバーに装填した。

 

「変身!」

 

『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!』

 

「あああああぁぁぁぁぁーーッ!ハァーッッ!」

 

展開したライドストライカーに乗ったゲイツは、フルスロットルで森を駆け抜け、空間のヒビ――クラックへ向けてジャンプすると空間へと激突し、次元の壁を破ろうとする。

 

「俺は……俺は、こんなところで……死ねるかぁーッ‼︎」

 

すると、ゲイツの腕にセットしてある鎧武ウォッチが力を貸すように光り輝く。

 

 

 

その一方、アナザーライダー二体と交戦していた今のジオウ。だが、この二体を倒すウォッチが無く苦戦を強いられていた。

 

「どうして邪魔をする……」

 

「あんたの事は昨日、アンタが襲った人から聞いたよ。アンタ、あのウィザード早瀬なんでしょ」

 

昨日、ジオウとアンジュが助けた女性は、早瀬の事務所のオーナーだった。

 

「あぁ!この力で俺は魔法を手に入れた!

…けど、急に小屋を閉めるといった!俺がここまでやったのに!」

 

そう叫ぶとアナザーウィザードはジオウを炎で押し込もうとする。

 

「アンタの気持ちはわかるけど……あの人を襲った時点で、もうアンタの魔法は人を喜ばせる魔法じゃない!」

 

「だまれ!」

 

ジオウの言葉に感化され、更に炎の威力を上げる。

その時、アナザーライダーとジオウが戦う場で亀裂が入った。

そこから出現したバイクがアナザーライダー二体に突撃し、ジオウの前に次元の壁を破って来たゲイツが現れた。

 

「ゲイツ!」

 

ゲイツはジオウの姿を確認すると、彼に鎧武ウォッチを投げ渡す。

 

「約束は守ったぞ!」

 

「ありがとゲイツ。ここは俺達に任せて!アナザーウィザードの時代に行って!持ってるでしょ。ウィザードウォッチ」

 

ゲイツが「あぁ、ここにある」と、ウィザードウォッチを見せる。

 

「頼むよ」

 

それに対し「いいだろう」とジオウの頼みを聞き入れると、ツクヨミがゲイツのタイムマジーンを操縦し、ゲイツの前へと現れゲイツは乗り込む。

 

「時空転移システム起動!」

 

2012年と年号をセットし、ゲイツとツクヨミはその時代へと向かう。

 

 

 

――2012年。

アナザーウィザードとなる前の早瀬の前に、ウールが接触する。

 

「僕はクライアス社のタイムジャッカーチームのウールって言うんだ。残念だけどここは後しばらくすれば閉鎖となる。ただ僕と契約すれば、君に歴史を変える力を与えられるんだ。どうする?」

 

「契約する。お嬢さんのために、俺がこの小屋を立て直す!」

 

契約を受け入れた早瀬に、ウールはアナザーウィザードウォッチを取り出す。

 

『ウィザード…!』

 

アナザーウィザードウォッチを早瀬の体へと埋め込む。

すると早瀬の体は変貌し、アナザーウィザードへとなった。

 

「おめでとう。今日から君が仮面ライダーウィザードだ」

 

ウールの手によりアナザーウィザードへと変貌した。

そのままアナザーウィザードは外へ出てその力を試し、ビルや車を消滅させる。

 

「良し!この俺の力さえあれば!」

 

『タイムマジーン!』

 

さらに力を試そうと歓喜のまま町に向けようとするが、そこへゲイツのタイムマジーンが到着。魔法の悪用を防いだゲイツが、アナザーウィザードの前へと現れる。

 

「誰だ?」

 

「悪いがそれ以上、その力は使わせない」

 

『ウィザード!』

 

そう言うと晴人から貰ったウィザードウォッチを起動し、ドライバーに装填。

そしてドライバーを回すと、ゲイツの後ろに現れた魔法陣が肩の高さで重なり、魔法陣そのものがアーマーに変形する。

 

『アーマータイム!プリーズ!ウィ・ザード!』

 

複眼にはひらがなで「うぃざーど」と描かれ、肩にはウィザードの顔の形をした魔動力供給装甲『フレイムリングショルダー』、赤と黒の魔法陣の様なマント『エングレイブドカタリスター』と黒いロングコートを纏い。ゲイツ・ウィザードアーマーへの変身を完了させた。

 

 

 

一方、2013年。

 

『鎧武!』

 

未来のジオウがアナザー鎧武と交戦に入り、2013年と現代の2人のジオウは同時に鎧武ウォッチを起動させ、ドライバーへと装填する。

 

『アーマータイム!ソイヤッ!鎧武!』

 

アーマーを装着したジオウの複眼にはカタカナで「ガイム」と描かれ、両肩はオレンジの錠前の形で凱武の顔の様な胸部の装甲を纏い、過去に行った未来のジオウと今のジオウが同時に鎧武アーマーを身に着けられた。

 

すると、現代の方ではウォズが現れた。

 

「ねえ。いつもみたいに祝ってくれないの?」

 

ジオウはいつもの様に祝ってくれないのかと尋ねる。

 

「流石我が魔王。常に私ごときの予想の上を行く」

 

「……そいつはどうも」

 

「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、過去と未来をしろしめす時の王者。

その名も仮面ライダージオウ・鎧武アーマー!また一つ、ライダーの力を継承した瞬間である!」

 

ほんの少しだけ不満気な表情を浮かべるも、いつものウォズの祝いの言葉を貰う。

 

 

「「さぁさぁ!花道で、オンパレードだ~!」」

 

 

同時に同じ言葉を放ち、同じポーズを取る過去と今のジオウ・鎧武アーマーはオレンジの剣、大橙丸Zの二刀流で戦闘開始した。

 

 

一方、エール達もオシマイダーと交戦していた。

 

「さっさとプリキュアを片付けなさい!」

 

「プリキュア?」

 

パップルがプリキュアと叫んでいると、アンリが遠くからエール達を見かける。

 

「もう〜何やってのよ!遊んでる時間はないのよ!私に無駄な時間は許されないのよ!」

 

「無駄な時間なんかない!」

 

「はぁ?無駄話は時間の無駄よ!」

 

「仲間と過ごす時間がとても愛おしい!アンジュ!」

 

エールは嬉しそうにアンジュを呼び、アンジュもそれに応える。

 

「フレ!フレ!ハート・フェザー!」

 

ハートフェザーが放たれ、それを足場としエトワールが高く回転しジャンプした。

 

「友達と一緒に学校に行ける時間が好き。

かわいい赤ちゃんの温もりを感じる時間が好き。

二人と一緒に過ごす時間が、私の心を輝かすんだ!」

 

すると突如、エトワールが光りだし、中心には五稜星の文様がある星型のミライクリスタル『ミライクリスタル・オレンジ』が誕生した。

 

「あれはエトワールの!」

 

「二つ目のミライクリスタル!」

 

それを見て、エトワールはミライクリスタルをプリハートにセットする。

 

「フレフレ!ハート・スター!」

 

エトワールの手から更に強力になったハート・スターが放たれ、オシマイダーを拘束した。

 

「エール!」

 

「フレフレ!ハート!フォ~ユ~!!」

 

エールのハート・フォーユーが決まり、オシマイダーが消滅した。

 

 

そして鎧武アーマーを装備したジオウも、アナザーライダー達を圧倒する。

 

「秘技!みかん斬り‼︎」

 

大橙丸Zでアナザーライダー二体を倒れさせると、アナザーウィザードはジオウを忌々しく睨みつける。

 

「この力さえあれば、全部うまくいくはずだったのに……!」

 

そう呟くと、アナザーウィザードは火炎放射を放つ。

だかジオウは炎の中から現れ、アナザーウィザードを押さえつける。

 

「そうかな。ライダーの力は、何かをうまくいかせるためのものじゃない。誰かのことを守るための力だ」

 

「だから俺は……お嬢さんのために……!」

 

「でも、いつしか自分の想いを実らせたくなった。あんた……あの人のこと好きなんだろ?」

 

「うるさーいっ!」

 

「目覚ませよっ!守りたかった人、襲ってさ……あんたが必要なのは魔法の力なんかじゃない。思いを伝える勇気だろ⁉︎」

 

「⁉︎」

 

それを聞いたアナザーウィザードは、動揺したのか攻撃の手が止まる。

 

「アンタもだよ!自分の力を信じないで、他人から貰った力で頂点を取るなんて間違ってる!」

 

「うるさい!お前に何がわかる!」

 

アナザー鎧武はそのままジオウに攻めると、アナザーウィザードも再びジオウに向かっていく。

 

「だったら、俺がアンタ達二人を止める!」

 

 

 

2012年では、ゲイツがジカンザックスにウィザードライドウォッチを装填していた。

 

『フィニッシュタイム!』

 

振り回すたびにジカンザックスは巨大化し、アナザーウィザードへ炎を纏った斬撃をぶつける。

 

「あぁ…あっ……」

 

既に戦意を喪失しかけているアナザーウィザードが倒れてる隙に、ゲイツは二つのウォッチを起動させる。

 

『フィニッシュタイム!ウィザード!』

 

ウォッチを押し終えたドライバーを回し、高く飛躍する。

 

『ストライクタイムバースト!』

 

ゲイツは空中に浮きあがり、魔法陣に突っ込んだ右足を巨大化させたライダーキックが炸裂。アナザーウィザードを撃破した。

 

 

 

そして、現代と2013年。

 

「これで終わりだ!」

 

『『フィニッシュタイム!鎧武!』』

 

過去と現代、二人のジオウが同時にウォッチを起動させ、ドライバーを回す。

 

「「細切れにしてやるぜーー!」」

 

『『スカッシュタイムブレーク!』』

 

2013年のアナザー鎧武をすれ違いざまに斬り、身体を四分割にしながら撃破した。

そして現代でも、ジオウがアナザーライダー二体に向けて斬撃を飛ばし、怯ませた隙に近付き纏めて切り裂いた。

 

「…それ、輪切り」

 

ツクヨミに突っ込みを入れられるが、撃破された二人のアナザーライダーウォッチは破壊された。

 

 

その様子を、未来のソウゴに告げた男――始まりの男が見ていた。

 

「自分だけじゃない!仲間も信じる!それでこそ……王だ」

 

そう言って、ソウゴが出会った葛葉紘汰と姿の似ている男の姿は、陽炎の様に消えていった。

 

 

 

2012年。

アナザーウィザードを倒したゲイツが変身解除し、倒れていた早瀬を見ているとファイズフォンXから着信音がなる。

 

「誰だ?」

 

『俺、ソウゴ』

 

電話したのは現代のソウゴだった。

 

『そこにさ、早瀬さんいるよね。ちょっと変わってくれないかな?』

 

そう言うとソウゴは現代の早瀬へファイズフォンXを渡す。

 

『俺か……?俺なのか?』

 

2012年の早瀬も、ゲイツからファイズフォンXを借りて未来の自分と対話を行おうとする。

 

「え…?未来の……俺?」

 

『勇気を出せ。お嬢さんに思いを伝えるんだ……!』

 

「お嬢さんに?」

 

『きっと結果は変わらない。でも、お前の未来は必ず変わるから!』

 

過去の自分にメッセージを伝え切った早瀬は、複雑そうながらも、すっきりとした表情を浮かべていた。

 

 

 

その頃、アナザー鎧武によってヘルヘイムの森に送られていたダンスチームのメンバー達が、アナザー鎧武の消滅で無事に現実世界へと生還した。

 

「戒斗……!」

 

「失せろ!自分の力で頂点を掴み取る覚悟がない奴に、居場所なんてない」

 

アスラは帰還した戒斗へ縋るように呼び掛けるが、戒斗にバッサリとそう告げると、その場に崩れ落ちた弱者へ背を向けて去っていった。

 

「どうやら、この事件も終わったようだ」

 

「晴人さん、色々とありがとうございました」

 

「俺は、ただみんなの希望になろうしただけだよ。また、クローバーストリートに行くよ。あそこのドーナツ食べにね」

 

晴人はせつなにまたクローバーストリートに来ると告げ、自分の仕事へと戻った。

 

 

全てが終わったソウゴ達は、鉄橋の上へと集まっていた。

 

「負けたよ」

 

アンリは何かを話そうとしていたほまれよりも先に、負けたと言う。

 

「さっきのほまれのスケート、素晴らしかった。

昔の無駄のないスケートも好きだったけど、今のほまれの気持ち溢れるスケートも悪くない。けど……僕も負けてられないね」

 

アンリが握手を求め、ほまれはそれに応える。

 

「もぐもぐの散歩、練習大変な時は私がやる!…って、うわ〜!うわぁ、ちょっと!」

 

はなはそう意気込むが、いきなりもぐもぐに引っ張られて連れて枯れてしまう。

 

「あの子、本当に素直だね」

 

「イケてるんだよ、はなは」

 

「きっと素敵なレディになるよ。それと……」

 

アンリがはなの姿を陰ながらに評しつつ、ソウゴを見る。

 

「君、もしかしたら王様になれるかもね」

 

「なるじゃない。最初からそんな気がしたんだ」

 

それに対してソウゴは笑ってそう言い放ち、アンリと一緒に笑みを浮かべ合った。

 

 

「引っ張るのはノーサンキューだよ……」

 

その頃。もぐもぐに引っ張られるが、ようやく止まって立ち止まることの出来たはなが、息切れを起こしていた。

 

「応援って、誰でもできる……か」

 

息を整えながら、はなはあの時、アンリに言われた事を気にする。

 

「ダメダメ気にしちゃ! はなちゃんにははなちゃんにしかできない事が!」

 

鼓舞してると、またもぐもぐに連れていかれる。

その時、走るもぐもぐを止める様に人影が現れると、もぐもぐの頭を撫で始めた。

はなの目の前に現れた人影…癖の強い黒髪の男性は、足下に来た犬をなでる為にしゃがむと、持っていた分厚い本を落としてしまう。

 

「ごめんなさい!」

 

はなは直ぐに落とした本を拾い、男性に手渡す。

本を受け取った男性の方へ視線を向けると、彼女は彼の持つ綺麗な装丁の本に思わず惹かれていた。

 

「綺麗な本……」

 

「――元気だね」

 

「へ?」

 

「とてもとても美しい物語なんだ」

 

本の表紙を見せながらそう語る男性に困惑しながらも、彼女は一時も目を離すことは無かった。

 

「その世界では皆が明日への希望に満ちていた。人はそこを楽園と呼んだ。

…しかし、永遠に続く煌きは存在しなかった」

 

「えっ?」

 

「美しい物語……じゃあね」

 

意味深なことを言った男性は、はなの前から去っていった。

夕日で陰をつくりながら立ち去る男性を、彼女は「大人の人だ」と溢しながら静かに見届けた。

 

 

「ただいま」

 

「お帰り、ソウゴ君」

 

クジゴジ堂へと戻ったソウゴはただいまを言うと、奥にあるリビングの方から順一郎が出てくる。

 

「実はね。入居者が二人来たんだよ」

 

「入居者って、上の空いてる部屋に?」

 

クジゴジ堂では叔父さんの優しさで部屋を貸すのも許可していた事を思い出していると、ソウゴは誰が入居してきたのか気になり始める。

 

「誰が?」

 

奥へと向かい、誰が来たのかと思いながら見てみると…

 

「ゲイツ!ツクヨミ!」

 

リビングで寛いでいた新たな入居者の正体は、ゲイツとツクヨミだった。

 

「ソウゴが本当に私達の知るオーマジオウになるか、もっと近くで見る必要があると思って」

 

「そうなんだ……」

 

ここでも監視かと思っていると、ゲイツの方を見ながら「まぁいいか」と切り替える。

 

「ゲイツ!いらっしゃい!」

 

「勘違いするな、俺はお前と馴れ合うつもりはない。

俺は覚悟を決めた。必ずお前を倒す。そのために、近くにいたほうがいいと思っただけだ」

 

「そう、でもよろしくね」

 

「まあ、新しい入居者が来たお祝いって事で今日は、唐揚げだ!唐揚げにしよう!」

 

「本当!?やった!叔父さん!俺も手伝うよ!」

 

ソウゴも勢いよく順一郎がいる台所へと向かっていき、とても活き活きとした表情で手伝いを始めるのだった。

 

 

 

「せっかく邪魔者を排除する機会だったというのに……

しかし、あれこそが魔王の器なのかもしれませんね。利用できるものは、とことん利用し尽くす。排除するのはその後でいい」

 

ウォズが本のページを開くと、その本に異変が起こった。

 

「まさか……ゲイツ君の名前が……⁉︎」

 

いつも手に持っている、『逢魔降臨暦』と描かれた本。

そのページにゲイツの名が記録された事に、ウォズは動揺を隠す事が出来なかった。

 

 

 

 

 

その頃、巨大なビルの屋上では……

 

「また、この世界に来るとは……」

 

黒いジャケット、その中にマゼンタカラーのシャツを着た男性が立っていた。

男性は、首にぶら下げたマゼンタカラーの二眼レフカメラのシャッターを切る。

 

「さって。あの世界の様に、また魔王って奴を探すか……」

 

魔王を探す。そう呟くと彼の近くに灰色のカーテンが出現し、そのカーテンを潜り消えていった。

 


次回!Re.HUGっとジオウ!

 

第11話 ピクニックとゴースト…謎のライダー 2018

 

 




おまけ

とある神のスレ会話

[オレンジ神]『さっき王様になりたいって言う少年に会ったナウ。』

[まど神様]『えっ。マジですか紘汰さん。』

[いえっさ]『ちなみにその子っていくつなの?』

[オレンジ神]『中学二年生くらいでしたよ。』

[水の女神様]『ちょwwwwwwその年で王様とかwwwwww文字通り“中二病”なんですけどwwwwwwwwwwww』

[いえっさ]『私の知り合いも、生まれて三歩歩いた後“天上天下唯我独尊”って言ってたけどそれと同じ感じかな?』

[水の女神様]『草wwwwww何その、黒歴史大賞トップ3に入ってもおかしくない様な奴はwwwwwwどこの誰ですかそれwwwwww』

[いえっさ]『ブッタだよ。』

[水の女神様]『えっ。』

[いえっさ]『ブッタだよ。』

[ロリヒモ神]『二回も言わなくてもいいじゃないですかwww。』

[オレンジ神]『ドンマイw。』

みんな、神ってる?

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