Re.HUGっとジオウ!   作:yu-ki.S

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ウォズ「この本によれば、普通の中学生 時見ソウゴ。彼には魔王にして時の王者『オーマジオウ』となる運命が待っている。
彼は迷いから振り切り、新たな未来へと進み始める。今回、彼の前に多くのレジェンドが現れ、彼はまたさらなる魔王へと歩む。
それでは、皆さん、どうぞ」


特別編 ジオウ&ビルド スーパースターズ!レジェンドForever‼︎

――時は1999年、『九郎ヶ岳遺跡 』。

ここは、全ての歴史の始まりの場所でもある。

そして、この遺跡には一つの紋章が刻まれた棺桶がある。

古代の人が刻んだであろう、その紋章の意味は『戦士』。つまり大昔、人々を()()()()()から守護する為の存在が、この棺桶の中で永遠の眠りについているのだと予想できる。

 

だがそこへ一人の男性が戦士の眠りを妨げる様に現れ、棺桶の中にあるものに何かをかざす。

 

『クウガ…!』

 

男が持っていたのは、一つの黒いウォッチだった。

そのウォッチが紫色に変わると男の後ろから扉が現れ、棺桶の遺物を扉の奥へと入れた。

 

「そこのキミ⁉ そこで何をしてるの!」

 

そこへ、冒険家のような姿をした男性がひとり現れた。

 

「お前は……丁度良い。これで完全に障害は消える」

 

男は笑みを浮かべて冒険家の男性の時を止めると、その人も扉の中へと放り込む。

 

「仮面ライダークウガから始まった……20人の仮面ライダーの全てが……今終わるの時を迎える……」

 

――九郎ヶ丘遺跡。全ての始まりであるこの場所が、全てを終わりを迎える序章になるのだと。

――当然この時はまだ、誰も思わなかった。

 

 

 

 

2018年、現代。

仮面ライダージオウである時見ソウゴとキュアエールである野乃はなが、一つの無人駅にてポツンと寂しく立っていた。

 

「みんな遅いね……」

 

「うん」

 

今日はみんなではぐたんのお花デビューをするために此処へやってきたのだが、この二人以外はまだ誰も来ていない。

それから二時間近く待っていると漸く列車がやってきて、そこにはさあや、ほまれ、ゲイツ、ツクヨミの姿があった。

 

「ホントごめん!」

 

花が咲いている場所へ歩く最中、ほまれが手を重ねて謝る。

 

「実はもう帰っちゃったかもって思ってたんだ」

 

「えっ?」

 

「だって二時間も遅れたし、雨も降ったし……」

 

「正直、もう帰ったかもって思ってたの……」

 

「電車が止まってたりすれば仕方ないよ」

 

さあやとほまれにゲイツやツクヨミは、乗ろうとした電車が運転見合わせになってしまったり、乗り損ねたりとあり、先に来ていたはな達の元へ遅れて来たと語る。

 

「文句タラタラ言う奴もいるし」

 

「何や?俺か?」

 

歩くハリーがほまれの方を向いて言う。

 

「私、約束は絶対絶対ぜーったいに守るよ!」

 

「はならしいね」

 

「ううん」

 

「なんだ、なんか破ったことがあるのか?」

 

「それが……小っちゃい頃、約束破っちゃった事があってね。結局ごめんねも言えないまま、それっきりになっちゃった」

 

はなは苦笑し、幼い頃に約束を破ってしまった事を伝える。

 

「きっとあの子は、とっても傷付いたと思う。

だから、約束は絶対守るって決めたんだ」

 

「そっか」

 

「そんなモン、どーせしょーもない約束なんやろ?」

 

「ハリー、言い方」

 

ツクヨミがハリーに注意すると、はぐたんが目の前の景色に両腕を伸ばす。

 

「おっ!なんか見えてきた気がする!」

 

ソウゴ達はその場所に向かって走り出す。

その先には、色とりどりの花が咲いた花畑があり、今日のはな達の目的地はここだった。

 

「すっごい……!凄い凄ーい!」

 

はなが色とりどりの花畑に目を輝かせる。

 

「はぐたんより喜んどるやないか」

 

先に進むはな達の後ろを、ゲイツとツクヨミとハリーが歩く。

 

「キラキラしてる!」

 

「さっきの雨の粒だね」

 

「綺麗~!」

 

さっきの雨の粒がまだ残ってたので、花が輝いて見えていた。

 

「雨が降ったお陰だね!ラッキー!」

 

するとはぐたんがクローバー畑で光る何かを見つけ、そこへ両腕を伸ばす。

 

「? どうしたのはぐたん?」

 

ソウゴが近付き、はぐたんが手に取ると、クローバーの形のライトへ変わった。

 

『ええええぇぇぇ~っ⁉︎』

 

「おっ、ライトか。何かエエモン見つけたなはぐたん」

 

「いや、おかしいとか思わない訳?」

 

「何が?」

 

雨がもたらしたのものは、ソウゴ達に幸せをもたらした。だが…

 

「ん?」

 

ソウゴ達が移動する最中、上空に突如闇が現れ、その闇が扉に変わる。

その直後に、はぐたんが握っていたクローバー形のしたライトも光を失った。

 

「ウソバーッカ‼︎」

 

そして扉が開き、その中から青い炎が不気味に燃える燭台の様な体を持ち、そこに仮面や手足を付けたような巨大怪物が現れ、怪物を見た人々は悲鳴を上げながら逃げ惑う。

 

「またクライアス社の⁉︎」

 

「何かいつものと違うみたい!」

 

「どっちでもいい!行くぞ」

 

巨大怪物――ウソバーッカが両手で顔を隠すと同時に、手甲から赤い光線が放たれ、その光線が当たった花が石に変わる。

 

「花が石に……!」

 

「はぐたんをお願い!」

 

「おう!」

 

「任せて!」

 

はながハリーにはぐたんを預け、ソウゴ達がウソバーッカに向かって走る。

 

「ジオウ!」

 

「うん!」

 

『ジクウドライバー!』

 

二人がジクウドライバーを装着し、ウォッチを取り出す。

 

『ジオウ!』

『ゲイツ!』

 

「「変身!」」

 

そしてドライバーにライドウォッチを装着させ、ジクウドライバーを回転させる。

 

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』

『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!』

 

ウソバーッカが光線を放つと同時にプリキュアとジオウ、ゲイツに変身し、光線を避け向かっていく。

 

 

時同じ頃。とある町に一人の少年が現れた。

 

「来る……」

 

少年が誰かから必死に逃げようとしたその時、不気味な気配を感じさせる風が吹く。

その風は次第に強くなり、町の風の流れを変えた。

 

「なんだ……」

 

「風が強くなったな……」

 

その時偶然、この町に来ていた仮面ライダービルドの桐ヶ谷晴夜と仮面ライダークローズの上城龍牙が、急に強い風が吹き始めたことに気づいた。

 

「うわぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

自身の耳に誰かの声が聞こえた二人が振り返って首を空の方に上げると、そこには巨大な竜巻が出来ており、その上から小さな子供が落ちて来るのが見えた。

 

「ッ!?――龍牙、いけえ!」

 

それを見た晴夜が龍牙を前に突き出す。

 

「うぉぉぉ!」

 

龍牙はなんとか降ってくる子供をキャッチした。

 

「うぉぉぉ!子供が降ってきた!?」

 

「摂理高気圧によるブロッキング現象か?」

 

晴夜は竜巻の現象を推測する。

 

「科学者ぶってる場合かよ」

 

「天才物理科学者の次期弟子だ。大丈夫?」

 

龍牙のツッコミをスルーしながら、晴夜は降ってきた緑色の少年に駆け寄る。

 

「僕から離れて……」

 

晴夜が声をかけると、少年は龍牙を突き飛ばし離れる。

 

「あいつが来る……」

 

「あいつ?」

 

すると、また強い風が吹く。

その風は二人の前に小さな竜巻のような風となって現れ、その中から人影のような姿が見えた。

 

「フッフッフッフッ…」

 

そこに現れたのは、体が緑と黒で左右対象な中心にツギハギがある怪人。そして左太腿、右太腿それぞれに『DOUBLE』 『2010』と刻まれていた。

 

「さあ、お前の罪を数えろ…」

 

その怪人は晴夜と龍牙をトゲトゲした黒の右腕を上げて指差し、罪を数えろと言う。

 

「あいつって、あいつか?」

 

「ブロッキング現象ってわけではなさそうだな」

 

敵だと判断した二人は変身アイテム・ビルドドライバーを取り出し、腰へと装着すると晴夜は二本のフルボトル、龍牙はクローズドラゴンを差し込む。

 

『ラビット!タンク!ベストマッチ!』

『ウェイクアップ!クローズドラゴン!』

 

ドライバーを操作すると、二人の前後からスナップライドビルダーが現れる。

 

『Are you ready?』

 

「「変身!」」

 

『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!』

『Wake up burning!Get CROSS-Z-DRAGON!Yeah!』

 

二人が構えて叫ぶと身体にビルダーが装着され、体から煙が吹き荒れる。

 

「しゃあ!」

「行きますか!」

 

変身を遂げたビルドが複眼のアンテナをなぞり上げると、謎の怪人へと向かっていく。

 

 

 

その頃、花畑でウソバーッカと名乗る敵と戦っていたジオウ達。

 

「フレフレ!ハート・フォー・ユー!」

 

「偽り~!」

 

エールのハート・フォー・ユーが、ウソバーッカのチョップで掻き消される。

 

「ええっ‼︎チョップで掻き消した⁉︎」

 

「嘘っぱち~!」

 

ウソバーッカの掌底をエールの前に出たエトワールが止める。

 

「エトワール!」

 

「もう一発来る!」

 

左側からの掌底を二人が避け、アンジュとゲイツが左腕を掴む。

 

「その勢いを利用して!」

 

「せいやーっ!」

 

勢いを利用し、二人でウソバーッカを投げ飛ばす。

 

「慣性の法則を使わせて頂きました」

 

「ジオウ!」

 

「わかった!」

 

ジオウが走り出しゲイツに向かって飛ぶと、ゲイツのジカンザックスに乗りさらに高く飛ぶ。

 

『フィニッシュタイム!ギリギリスラッシュ!』

「オリャャャャ!」

 

『フィニッシュタイム!ギワギワシュート!』

「ハァ!」

 

ギリギリスラッシュで切り裂くとゲイツがギワギワシュートを放ち、ウソバーッカは花畑に叩き付けた。

 

「よっしゃーっ!」

 

「油断しないで。まだ相手はいるわ!」

 

ツクヨミの言う通り、あれだけの攻撃ではまだやられていない。ジオウ達は反撃が来ると思い構える。

 

「ごめんなさいウソ……」

 

するとウソバーッカが突如謝りだした。

 

「「えっ?」」

「「「?」」」

 

「もう何もしないから、許してウソ……」

 

手を重ねてもう何もしないと伝える相手に、思わず一同は攻撃の手を止めた。

 

「嘘っぽい……」

 

「そもそも語尾にウソが付いてるし……」

 

「その時点でもう説得力が無い」

 

だがゲイツ達三人は説得力の無い命乞いに、どうせ嘘だと睨む。

 

「本当に、もう何もしない?」

 

「しないウソ。約束だウソ」

 

「分かった。約束だよ!」

 

それでもジオウとエールは取り敢えず信じることにした。しかし…

 

「ウッソー!」

 

「「「「⁉︎」」」」

 

嘘と明かしたウソバーッカが光線を放ち、アンジュとエトワールがエールの両手を掴み、ジオウとゲイツは走って避けた。

それを見たハリーはウソバーッカの行動に、困惑しながら突っ込みを入れる。

 

「うぉい!約束はどないしたんじゃい!」

 

「約束?そんなの信じる方が悪いウソ!」

 

「「「「な、何やて~⁉︎」」」」

 

ウソバーッカの無茶苦茶な理屈に、騙されたこと以上に腹を立てるジオウ達。

 

「どう言う理屈よそれ!」

 

「酷っど~い!」

 

「嘘を付いて開き直るなんて信じられない!」

 

「この卑怯モンが!」

 

「貴様!ふざけるな!」

 

「あんた!ちょっとどんな考えよ!」

 

「嘘だったら、最初から嘘なんて吐くなよ!」

 

「うるさいウソ!」

 

ジオウ達から説教されるとウソバーッカが逆ギレを起こし、地面を踏み付けながら叫ぶ。

 

「オイコラー!一体何なんやおどれは!」

 

「俺の名はウソバーッカ。約束なんて守らないし信じないウソ。この世界を嘘で固めて、ウソバーッカの世界にするウソー!」

 

そう叫ぶと光線をハリーに向けて放とうする。

 

「うおっ……!」

「危ない!」

 

ジオウ達は跳んで避けるが、はぐたんを抱えたハリーとツクヨミは危うく当たりそうになる。

 

「ハリー!」

 

「ツクヨミ!」

 

「はぐたん!」

 

「大丈夫!」

 

「おわーっ!どないなってん⁉︎」

 

ツクヨミは無事だったが、いつの間にかハリーが人間態から元の姿に戻ってしまう。

その上、再び人間態になろうにも、なる事が出来ない。

 

「アカーン!人間の姿になられへん!」

 

「ええっ!?」

 

驚きの声を上げるジオウ達は、ウソバーッカのビンタを危うく受けそうになるが、二手に別れて避ける。

 

「必殺技、ウソ突きー!」

 

両手を合わせ、そこから指を伸ばすウソバーッカ。

避けたりパンチやキックで弾くが、次にどこから来るのか分からず、エール・アンジュ・エトワールが攻撃を受けて地面に落下し、変身が解けてしまう。

 

「みんな!」

 

「ジオウ避けろ!ぐわぁ!」

 

「ゲイツ!おわっ!」

 

気を取られたジオウとゲイツも、全方位からの攻撃を受けて地面に落下し、こちらも同様に変身が解けてしまった。

 

「アカン……!こらアカンて……!」

 

「みんな!」

 

ツクヨミとハリーがすぐに倒れたみんなに駆け寄る。

 

「……っ!プリハートが……!石にされちゃった!」

 

なんと、セットしていたミライクリスタルごと、三人のプリハートが石にされてしまっていたのだ。

 

「アスパワワが奪われたんや!」

 

「じゃあ、変身も出来ないの⁉︎」

 

「……ッ!ジクウドライバーとウォッチが……!」

 

「バカな……」

 

「そんな……」

 

ソウゴとゲイツの二人が起き上がると、ジクウドライバーとジオウウォッチ、ゲイツウォッチまでもが石になっていた。

 

「マズい……!このままじゃ……!」

 

「ウソぶく~!」

 

ウソバーッカが変身能力を失ったソウゴ達へ向けて、胸のクローバーの部分から泡を出す。

 

「「はな!」」

「ジオウ!」

 

さあやとほまれ、ゲイツがはなとソウゴを突き飛ばし、身代わりとなって泡に呑まれる。

 

「さあや!ほまれ!」

「ゲイツ!」

 

三人を呑んだ泡が、ウソバーッカの胸のクローバーの部分へ吸い込まれる様に入って行った。

 

「お前達はもうおしまいウソ」

 

そう言うと、背後に扉を作り出す。

 

「待って!」

 

「三人を返して!」

 

ソウゴとはながウソバーッカに向かって跳びかかるが、ハリーとツクヨミに手首を掴まれて止められる。

 

「変身も出来ないのに無茶よ!」

 

「せや!行ってどないする気や!」

 

「だって……!」

 

「このままじゃあ……」

 

「仮面ライダーにもプリキュアになられへんお前らに何が出来る!」

 

「でも……!」

 

「俺の邪魔をするプリキュアも仮面ライダーも、ウソバーッカの世界には必要無いウソ。

これから仮面ライダーとプリキュアを、一組ずつ消しに行くウソ」

 

ウソバーッカはそう言うと、扉の中へ入る。

 

「待って!」

 

ソウゴは止めるが、そのままウソバーッカは扉の中に入り、閉じると同時に扉が霧のように消え。辺りには石と化した花畑の上で呆然と立ち尽くすソウゴ達だけがいた。

 

 

 

その一方、ビルドとクローズはアナザーライダーと戦っていた。

 

「ハァ!」

 

「オラァ!」

 

二人掛かりで攻撃を繰り出すが、アナザーライダーは二人の攻撃を何難なく受け流す。

 

「こいつ、強えな〜」

 

「けど、ここで止めるぞ!」

 

「おぉ!」

 

ビルドが先に攻撃しようと、パンチを繰り出そうとする。そこへ、アナザーライダーはカウンターパンチを放とうする。

 

「よっと!」

 

だかラビットの脚力で高く飛び上がって、カウンター攻撃を避ける。

 

「⁉︎」

 

「行くぜ!オラオラオラオラ!オラァー!」

 

そこに意表を突いたクローズが青い炎を拳に纏いながら連続でラッシュを繰り出し、アナザーライダーを怯ませる。

 

「タァ!ヤァ!」

 

さらに飛び上がり着地したビルドが左、右とキックを繰り出し、アナザーライダーを吹き飛ばす。

 

「くぅ!…出直しとしましょう」

 

アナザーライダーが自らの周囲に風を放ち、姿を消した。

それを見て、二人はとりあえず変身を解除した。

 

「逃げやがったか……」

 

「何が起こってるんだ……あっ!」

 

「何だよ?」

 

龍牙はいきなり大声で言う晴夜に驚く。

 

「あの子⁉︎ さっきの緑色の髪の!」

 

「えっ?あぁぁ‼︎ あの小僧!」

 

さっき降ってきた子供を思い出しすぐに振り返るが、その子供はすでに視界の中にはいなかった。

 

「しまった!」

 

「おい!晴夜!待てよ!」

 

慌てて探しに向かった晴夜を、龍牙が追いかけようとする。

 

「うわぁ!」

 

しかし運悪く、誰かにぶつかってしまう。

 

「イテテ〜、悪い……」

 

ぶつかった相手である、パティシエの姿をした少女達に軽く謝りながら、晴夜を追いかけようと視線を外した。

 

「ちょっと、あんた!ちゃんと前を向いて歩きな!」

 

しかし、紅の短髪を伸ばした男性の様な女性に前を見ろと注意されながら、腕を捕まれて歩みを止められてしまう。

 

「これは、少しお仕置きが必要ね」

 

何がなんだかよく分かってない龍牙を見る紫色の女性が、どこか加虐心の籠った目で笑みを浮かべて呟く。

 

「悪いけど、俺……あぁぁ‼︎」

 

今にも連れて行かれそうな状況に助けを求めようとするも、既に相棒の姿はなかった。

 

「さぁ、償ってもらいましょう。可愛い坊や」

 

女の子の団体に捕まってしまった龍牙は足を引き摺らせながら、死んだ目で宙を見ながら口を開いた。

 

「最悪だ……」

 

 

 

ウソバーッカにゲイツにさあや、ほまれを奪われたソウゴとはな。しかも、プリハートとウォッチまでも石となってしまった。

 

「どうしよう……」

 

「奴はプリキュアを一組ずつと、仮面ライダーを消すって言ってた。その事を伝えに行こう」

 

「でも、他のプリキュアが居る場所もライダーの場所だって……」

 

伝えに行こうにも、場所がわからなければ伝えに行けない。

 

「お困りのようだね。我が魔王」

 

「ウォズ」

 

途方に暮れていると、そこへウォズが現れた。

 

「ねえ、ウォズ。一体何が起きてるの?どうして、ウォッチとプリハートが石になっちゃったの?」

 

「残念だが、あのウソバーッカと名乗る敵については、私もまだ何もわからない」

 

「そうか……」

 

ウォズもまだ情報を掴んでいないと答える。それを知ったソウゴはがっかりとした顔で心を沈める。

 

「だが、今回は私も手を貸そう」

 

するといつもは助言だけ出して後は何も言わず立ち去ってしまうウォズが、珍しく手を貸してあげようと話す。

 

「本当ですか⁉︎」

 

「じゃあ、他のプリキュアがどこにいるかわからない?」

 

「そうだね。まずは……はな君達の先輩の、キラキラ☆プリキュアアラモードの元へ行くといい。キラパティと言う店に手がかりがあるはずだよ」

 

初めにキラキラ☆プリキュアアラモードの元へ行くことを勧められたソウゴ達は、ようやく見つかった光の道筋に顔を輝かせる。

 

「ありがとうございます」

 

「よし!その人達に会いに行こう!」

 

『タイムマジーン!』

 

ソウゴがタイムマジーンを呼び出す。

 

「……行きましょう」

 

「それしか無いな」

 

ソウゴ達は二機のタイムマジーンに乗り込み、キラキラ☆プリキュアアラモードを探しに向かった。

 

 

 

その頃、空から降ってきた緑色の髪をした子供が、ひとり寂しく町の中を歩いていた。

 

「やっと見つけた!」

 

そこへ、この子を探すために走ってきた晴夜が現れた。

 

「僕とは関わらない方がいいよ……」

 

少年はそっぽを向いて去ろうとすると、晴夜は先周りし、その子の前に出る。

 

「なぁ、あの怪人はなんだ?なんで追われてるんだ?」

 

「……」

 

緑の髪の少年は晴夜の質問に黙り込み、沈黙が続いた。

 

「………あ…君、名前は?」

 

話を変えて名前を聞くと、少年はジロッとした目で晴夜を睨む。

 

「……そっちから名乗るのが、先だと思うけど…」

 

「そうだね。俺は、桐ヶ谷晴夜。仮面ライダービルドだ」

 

「仮面ライダー……クウガと同じなの?」

 

「クウガ?(…って、確か。前に士さんがそんなのに……)」

 

それを聞いた晴夜は、前に巻き起こった戦いの際、一緒に戦った門矢士がそんな名前のライダーに変身したことを思い出す。

 

「探したぞ」

 

声が聞こえ、振り向くと男性が立っていた。

 

「なんだ……あんた?保護者って感じじゃないな」

 

冷たい目と暗い服装に怪しい感じが見え、晴夜は警戒している。

 

「邪魔をするな」

 

だが男性がそう言うや否や、手を広げると二人の時が止まった。

 

「う、動かない……」

 

男性はそのまま晴夜の後ろにいる、怯えた様子の子供の方へと向かう。

 

「もう、逃げるなよ」

 

指を鳴らすと後ろから巨大な扉が現れ、男性はその子供を扉の中へと放り投げる。すると、再び時が動き出す。

 

「うわぁ!動いた!」

 

動けるようになると晴夜はすぐに振り返るが、既に子供の姿がなかった。

 

「お前、あの子をどうした!」

 

晴夜が男性に殴りかかる。しかし一瞬のうちに避けられると、男性が晴夜の腕を掴む。

 

「誰だお前?」

 

「クライアス社のティード。お前じゃあ、俺に勝てない」

 

「クライアス社……⁉︎ じゃあ、お前ソウゴが言ってた連中か⁉︎」

 

クライアス社と聞き、すぐに敵と判断した晴夜はティードの腕を振り払い、ビルドドライバーを装着した。

 

『ラビット!タンク!ベストマッチ!』

「変身!」

 

ライドビルダーが現れてビルドに変身しようしたその時、ティードが掌を上げタイムジャッカーのように晴夜だけの時を止めた。

 

「まだ、力を失ってなかったライダーがいたか……

まぁいい……俺の道具になってもらうか……」

 

ティードが左手で片目に翳すと、掌に刻まれた紋章のような入れ墨が光り出し、円の中に目を浮かべながら晴夜に向けて衝撃波を放つ。

 

「……」

 

「さあって……そろそろ奴も始末した頃か……」

 

ティードが晴夜に何か放ち終えると、晴夜はティードの後ろをついていく。

 

 

 

その頃、ソウゴやはな達はどこかの町の坂を必死に走っていた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……な、長い……」

 

「この坂いつまで続くんや……」

 

「頑張って、この坂の向こうだから……」

 

「ハリー、頑張って……」

 

ウォズの言うとおり、タイムマジーンでキラキラ☆プリキュアアラモードを探しに出て、まもなく町へと到着。ソウゴ達はタイムマジーンから降り、町の中を歩いて探していた。

 

「あ〜あ、きつい〜……」

 

「ちょっと、休憩……」

 

ソウゴ達は休憩のため、一度腰を置く。

 

「とにかく、はぐたんのミルクと…プリキュアさん……それと……」

 

「あ、そうだあとはぐたんの……」

 

「はぎゅう〜!」

 

「「…ん?あぁぁぁッ‼︎」」

 

はぐたんの声が聞こえ振り返ると、はぐたんが台車に乗って坂を走っていた。

 

「はぐたん!」

 

「待って!」

 

二人は急いではぐたんが乗った台車を追いかける。ツクヨミとハリーは疲れてすぐに追いかけられなかった。

 

「はぐたん!駄目ぇぇぇ!」

 

「はぐたん!」

 

二人は必死になって追いかけるが、台車は早く追いつけない。

 

「誰か止めて!」

 

はなが叫んだその時……

 

「えっ?」

 

二人の前にパティシエ姿の女の子が現れた。

 

「私が台車を止めるから!」

 

「俺も!」

 

少女とソウゴの二人で左右に分かれ、台車の手すりに手を伸ばす。そのまま掴み台車は止まったが…

 

「あぁ⁉︎」

 

止まった反動ではぐたんだけが放り飛ばされてしまった。

 

「なんの!」

 

なんとかはなが飛び込み、はぐたんをキャッチした。

しかし…

 

「と、止まらない〜〜〜!」

 

だが、飛び込んでキャッチしたのはいいが、そのせいでより加速してしまった。

 

「えぇぇぇぇぇぇ⁉︎」

 

急いで追いかけても間に合わないスピードで、そのまま海岸の方へ向かっていた。

 

 

「キラパティ!主張販売です!」

 

海岸の方ではキラパティと呼ばれる集団が、スイーツの主張販売していた。

 

「なんで、俺がこんな格好を……」

 

「責任を取ってもらうと言ったわよ?」

 

そこでは先程捕まった龍牙が、死んだ目でパティシエの姿で一緒に販売していた。

 

「誰か止めて〜〜‼︎」

 

俺はなにをやっているんだと遠い目をしていると、海岸に居た全員がその声が聞こえ、坂を見るとはなが凄い勢いで走っているのが見えた。

 

「止まれ!」

 

それを見て、三人が道路上の車を止めるようにしてもらう。

はなはそのまま走って海岸のガードレールにぶつかりそうになるが、そこへ幕を使い反動で勢いを殺し、後ろで待機していた龍牙が支えた。

 

「おい〜大丈夫か?」

 

「は…はい……おかげさまで……」

 

はなは腰が抜けてヘナヘナと膝を折る。

 

「はな!大丈夫?」

 

台車を止めたソウゴと女の子がやってくる。

 

「うん〜……なかとか……」

 

「あっ!龍牙!」

 

「ん?あっ!お前……えっと……」

 

「俺だよ。ほら、ウォッチをくれた」

 

「あぁ、あの時のな⁉︎」

 

龍牙は以前にクローズウォッチをソウゴにあげた事を思い出す。

 

「………でも、なんでそんな格好してるの?」

 

それはさておき、ソウゴは何故、龍牙がパティシエの格好をしているのか尋ねる。

 

「まぁ、色々な……」

 

「?」

 

それに対して言いづらそうな表情を浮かべる龍牙を疑問視していると、後ろからツクヨミとハリーもやってきた。

 

 

しばらくして、ソウゴ達はキラパティへと向かう。

 

「さあ出来た。ちゃんと人肌に冷ましてありますぞー」

 

少ししてからイチゴの髪飾りをつけた女の子――いちかがはなにミルクの入った哺乳瓶を差し出し、はぐたんがミルクを飲む。

 

「めちょっく……!いきなり完璧……!」

 

「赤ちゃん用のスイーツを作りたくてさ。まずは基本のミルクの作り方から勉強してた所だったんだ」

 

「ありがとう、色々と助けてくれて。

それにしても凄いね。こんな凄い店を持っているなんて〜♪」

 

「本当、普通のお店の数段凄い……」

 

キラパティの中を見て、普通のスイーツショップの何倍も広さを見て感心する。

 

「あの、私、野乃はなっています」

 

「俺は時見ソウゴ。よろしく」

 

「ツクヨミ。よろしく」

 

「私、宇佐美いちか。よろしくね」

 

お互いに自己紹介をする。

 

「ところで、めちょっくって何ですか?」

 

茶髪の小柄な少女――ひまりははなに“めちょっく”の意味について聞き出す。

 

「ああそれは、めっちゃショックの略なの!イケてるでしょ!」

 

「ええ……?」

 

「知らなかった……!勉強になるわ……!」

 

「えっ、マジ?」

 

「覚えなくていいだろ……」

 

“めちょっく”をメモする金髪少女――シエルを、リボンを付けた青い髪の少女――あおいと龍牙がツッコむ。

 

「ねぇ、龍牙。晴夜はどうしたの?」

 

「晴夜? ………あぁぁぁぁぁぁぁーー‼︎」

 

「うるさい」

 

短い赤髪の女性――あきらがいきなり叫んだ龍牙の頭を叩く。

 

「イッテェ……晴夜なら変な怪人と一緒に戦った後、空から降ってきた子供探しに行って見失っちまって……」

 

「子供?」

 

子供を追いかけに行ったと聞くと、紫の長い髪を持った女性――ゆかりがはぐたんの方へと話を変える。

 

「ねえ、普段はあなた達がその子のお世話をしてるの?」

 

「一応はねぇ」

 

「でも、時々私の方がお世話されてるって言うか……さあやとほまれも……」

 

「たまにゲイツも手伝ってくれてるし……そうだ!」

 

ここに来た目的をソウゴ達は思い出した。

 

「私達は三人を助けたくて探してるんだった!プリキュアさんを!」

 

「「「「「「⁉︎」」」」」」

 

いちか達、キラパティのメンバーが難しい表情となる。

 

「プリキュアさん……」

 

「うん。プリキュアと会える方法知らない?ここに来ればわかるって教えられたんだけど……」

 

「…………え、えっ〜と…」

 

「そうだ。晴夜と龍牙の知り合いの方は……?」

 

ソウゴは以前にアナザービルドの時、手を貸してくれたドキドキプリキュアの方はどうかと尋ねる。

 

「あぁ…今一緒じゃねえんだよな……」

 

「なんで、一緒じゃないの?」

 

ツクヨミがなぜ、今は一緒じゃないのかと尋ねたその時…

 

「怪物だ!」

 

外から怪物が現れたという騒ぎが聞こえた。

 

「まさか……」

 

急いで全員がその方へと出て行く。

 

「プリキュア!仮面ライダー!出て来るウソー!」

 

キラパティの外に出ると、ウソバーッカが現れ、町の中を暴れていた。

 

「あれは?」

 

「ウソバーッカです!」

 

「なんだよ。その如何にも嘘をつくような名前……」

 

「アイツが俺の友達をさらって、プリキュアと仮面ライダーを消すって……!」

 

はなとソウゴがそう伝えると、ウソバーッカが両手から光線を放って車を石にさせる。

 

「止めないと、みんな行くよ!」

 

いちか達がウソバーッカに向かって走っていくといちか達六人の体が光り、それぞれウサギ、リス、ライオン、猫、犬、ペガサスといった動物と色んな種類のスイーツを組み合わせた様なコスチュームへと姿を変える。

その姿は、はながキュアエールとなった時と同じだった。

 

「えぇ‼︎いちかちゃん達が⁉︎」

 

「あの人達、プリキュアだったんだ……!」

 

「そうペコ。伝説のパティシエ、プリキュアペコ」

 

突然出てきたキラキラ☆プリキュアアラモードの妖精・ペコリンが、彼女達こそがプリキュアだと話す。

 

「よし俺も!」

『スクラッシュドライバー!』

 

キラキラ☆プリキュアアラモードが戦っているのを見て、レンチが付いた青いドライバー、スクラッシュドライバーを装着し、ゼリー状の成分が入ったボトル――スクラッシュドラゴンゼリーを取り出し差し込んだ。

 

『ドラゴンゼリー!』

 

龍牙の周りに巨大なビーカーが出現し、龍牙は高々と叫ぶ。

 

「変身!」

 

レンチを下ろすとセットしていた袋が潰れ、龍牙の周囲に現れたビーカーに青い液体が注入されるとビーカーが割れ、姿が変わる。

 

『潰れる!流れる!溢れ出る!ドラゴンインクローズチャージ!ブラァ!』

 

スクラッシュドライバーで変身するライダー、クローズチャージへと変身した。

 

「お前ら離れてろ!」

 

クローズから離れるように言われ、ソウゴとはなは少し離れた。

 

「うぉぉぉぉ!」

 

「龍牙君⁉︎」

 

「あんた、もしかして……」

 

「俺は、仮面ライダークローズだ!」

 

「青が被ってる」

 

「いや、青じゃねえぞ……多分?」

 

色被りについてジェラートとクローズが話していると、ウソバーッカがいきなり七人に攻撃してきた。

 

「てめぇ!いきなりはねぇだろ!」

『ツインブレイカー!ビームモード!』

 

クローズが左腕からツインブレイカーを出現させ、ビームモードでウソバーッカに放ち、怯ませた。

 

『アタックモード!』

『シングル!ツイン!』

 

さらにモードに変え、ウソバーッカに向かって走り出すと、ツインブレイカーに二本のボトルを差し込んだ。

 

『ツインブレイク!』

 

ツインブレイカーの攻撃がアッパーのように振り上げられ、ウソバーッカを上空へ飛ばす。

そこへホイップ達が一斉にクリームエネルギーを飛ばしてウソバーッカの両腕を縛り付け、両腕を交差させて海岸へ引っ張る。

 

「レインボーリボン!」

 

更にパルフェがレインボーリボンを回し、星の部分を動かす。

 

「行くよ!アン・ドゥ・トレビアン!」

 

パフェの器を作って操作し、ウソバーッカを閉じ込める。

 

「「「「「スイー!ツー!ワンダフルアラモード!」」」」」

 

そこへホイップ達がスイー・ツー・ワンダフル・アラモードを放ち、更にダメージを与えた。

 

「一気に行くぜ!」

 

その隙にクローズが、ツインブレイカーにクローズドラゴンを差し込む。

 

『クローズドラゴン!Ready go!』

 

音声が響くと、クローズの背後に龍が出現し、ドライバーのレンチを下げる。

 

『レッツブレイク!』

 

「これで――」

 

「もう攻撃しないから……許してウソ」

 

「――えっ⁉︎…っと、っと…はぁ⁉︎」

 

ツインブレイカーの攻撃を放とうした途端、ウソバーッカが泣く素振りを見せ、クローズやホイップ達の方を向いてそう伝える。

 

「本当?」

 

「お前、本当に何もしないか?」

 

「本当ウソ」

 

本当かと思う七人は、攻撃の手を緩めて思案を始める

 

「ダメえぇ‼︎」

 

「騙されたらダメ!」

 

そんな彼らを見て、同じ手にやられたソウゴとはなが急いで、敵の嘘だと伝える。

 

「嘘泣き!」

 

だが時は遅く、ウソバーッカが嘘泣きだと言うと手から水を放ち。ホイップ達が呑まれ、うつ伏せに倒れると同時に変身が解けた。

 

「てめぇ……汚えぞ!」

 

かろうじて躱したクローズが、ツインブレイカーを放とうした次の瞬間…

 

「ぐわぁ!」

 

いきなり、横から斬撃の不意打ちを受ける。

 

「なんだてめぇ……!」

 

クローズは何者かが攻撃してきた方を向くと、山羊の様な複眼とナマハゲのようなベルトを着けており、スカート状のアーマーの尻部分に“2007”、“DEN-O”の文字が刻まれている、何処か不吉さを見せる赤色の姿をした怪人がいた。

 

「俺……参上……」

 

「はぁ⁉︎ 何が参上だよ!」

 

起き上がったクローズはその怪人に向かっていく。だが、怪人の方がクローズを押していた。

 

「あれは!」

 

「アナザーライダーだ!」

 

怪人を見て、ソウゴがすぐにアナザーライダーと叫ぶ。

 

「なんで、こんな時に……クライアス社……」

 

ツクヨミは最悪の状況だと考える、ウォッチが石となって使えないためにアナザーライダーを倒すことが出来ないからだ。

そう思ってる間に、アナザーライダーはじわじわとクローズを追い詰める。

 

「はぁぁ!」

 

「うわぁぁぁぁ!」

 

アナザーライダーの剣の攻撃がクローズに直撃、そのまま強制変身解除となる。

 

「あ…あぁ……マジ、強え…」

 

龍牙が膝折ると、そのまま倒れこむ。

 

「ウソぶく~!」

 

そこへウソバーッカが胸のクローバーの部分から泡を出す。

 

「いちかちゃん!」

 

「龍牙!」

 

ソウゴとはながいちかと龍牙の手首を掴んで引っ張り、泡に呑まれるのをやり過ごす。

 

「約束を信じるなんておかしいウソ」

 

「そんな事無い!」

 

いちかが石になったスイーツパクトを握って叫ぶ。

 

「約束を守るなんて、どうせ誰も守らないウソ。だったら約束を破って、みんな嘘つきになればいいウソ!」

 

「⁉︎」

 

「このヤロ〜……なっ!ドライバーが⁉︎」

 

龍牙がもう一度変身しようとドライバーを握ると、スクラッシュドライバーが石に変えられていた事に気付く。

 

「ウソバーッカの世界には、プリキュアも仮面ライダーも必要無いウソ」

 

そう言うと、扉の中へ入る。

 

「待って!うわぁ!」

 

「ソウゴ!」

 

追いかけようすると、アナザーライダーにいきなり殴り飛ばされる。

 

「仲間を返して欲しかったら、魔法界に来るウソ」

 

「魔法界⁉︎」

 

「まさか……!」

 

ウソバーッカとアナザーライダーが扉の中に入り、閉じると同時に扉が消えた。

 

(緑の扉……あれは……!)

 

そんな中、クローバーの紋章が刻まれた扉を見たはなは、見覚えがあることを思い出す。

 

「いちか~!」

 

泣いて飛んで来たぺコリンをいちかが抱き締める。

 

「魔法界へ行こう!みらいちゃん達が危ない!」

 

「魔法界?」

 

「そこにもプリキュアがいるの?」

 

「あぁ、魔法使いプリキュアがそこにいるんだ……」

 

龍牙といちかがそこにもプリキュアがいると言う。

 

「とにかく、その魔法界へ行こう!」

 

二機のタイムマジーンが置いてある場所へと向かい、魔法界へと向かう。

 

「はな。行こう!」

 

「う、うん……」

 

ソウゴが走るとはながキラパティを模したカバンを握り、タイムマジーンへと乗り込もうと魔法界へ向かう。

 

「何や……!偉い事になって来たな……!」

 

「こうなるなんて思わなかったよ……!」

 

「おいはな!聞いとるんか⁉︎」

 

ハリーはそう言うが、はなにはハリーの声が聞こえて無かった。ソウゴ達は魔法界へと向かう為にタイムマジーンへと向かっていく。

 

 

ウソバーッカの亜空間に呑み込まれ、結界に入れられたひまり達は、何かにぶつかる。

 

「何?ここ?」

 

「何も無いよ……?」

 

「それより、何かぶつかった気がするんだけど……」

 

「はい、何かにぶつかったような……」

 

「あのー!すみませーん!」

 

「誰かしら?」

 

下を見るとそこには、先に捕まってしまったゲイツとさあやとほまれの三人がいた。

 

「あっ、もしかしてはなちゃんとソウゴ君のお友達ですか?」

 

「そうだけど……」

 

「なんだ……お前らは……」

 

「あの、皆さんは―――あらら?」

 

ゲイツとほまれとさあやがひまり達から通り過ぎる。

 

「ボンジュール。私達もプリキュアよ」

 

「「プリキュア⁉︎」」

 

「私達もプリキュアです!」

 

「知ってるわ」

 

「はなちゃんとソウゴが心配してたよ、君達の事。えっと……」

 

「私、薬師寺さあやと言います」

 

「輝木ほまれ。よろしく」

 

「明導ゲイツだ」

 

「さあやちゃんにほまれちゃんとゲイツか。よろしく」

 

軽く自己紹介を済ませると、辺りを見回す。

 

「こんな所で何も出来ませんが……」

 

「ホントに何も無いわね」

 

「とにかく、何とかして外へ出よう」

 

「よっしゃー!入り口に体当たりだーっ!」

 

「そんな事しても無駄だ」

 

「ここからは出られないよ」

 

体当たりをして出ようとするあおい達を、ゲイツとほまれが止める。

 

「何をー…!」

 

「まあ。ネガティブね」

 

「何事もやって見ないと分かりません!」

 

「みんな、よくご覧なさい。彼女達の結界の表面。何か形が歪だと思わない?」

 

ゆかりに言われたひまり達がゲイツやさあやとほまれの結界を見ると、確かに形が歪になってた。

 

「ホントだ。結構歪んでる」

 

「つまり、私達が来る前に、既に二人は何度も入り口に体当たりし、結果その方法では出られないと分かっている」

 

ゆかりに図星を突かれ、ゲイツが顔を逸らしほまれの顔が赤くなる。

 

「別に……」

 

「そんなんじゃ……!」

 

「何故隠すの?あの子を危険な目に遭わせたく無くて、必死だったんでしょ?素敵だわ」

 

そう言うと、ゲイツとほまれが更に顔を赤くする。

 

「あの!ほまれとゲイツくん素直じゃないだけなんです!本当は良い子で優しい人なんです!」

 

「さあや!」

 

「余計な事を……」

 

ひまり・あおい・シエルが目を輝かせてニヤニヤする。

 

「何だ、良い奴じゃ~ん。輝木ほまれ〜!明導ゲイツ〜!」

 

「照れ屋さんなんですね~」

 

「トレビア~ン。仲良くしましょ」

 

「近過ぎ……!離れて!」

 

「や、やめろ〜!」

 

ゲイツとほまれがひまり達から離れるが、三人が後を追った。

 

「でもどうする?このままジッとする訳には……」

 

「出る方法が見つかるまで、しばらくここにいるしか無いんだもの」

 

そう言うと、あきらをさあやの元へ突き飛ばす。

 

「あきらも新人さんと、親交を深めたら?」

 

「ゆかりったら……。酷いないきなり……ごめんね。どこかぶつけなかった?」

 

(これが噂の……壁ドン……⁉︎も、もし、そ、そ……)

 

微笑むあきらを見たさあやは顔を赤くし、心の中で呟いた。

 

 

 

その頃、此処は人間界と違った魔法界、魔法使いの世界である。

魔法界の空を魔法のホウキの上に魔法使いプリキュアの三人がホウキに乗って飛んでいた。

 

「甘い匂いがするモフ」

 

みらいの魔法のホウキに乗ったぬいぐるみの妖精・モフルンが甘い匂いを嗅ぎ取る。

 

「どこから?」

 

「あっちモフ」

 

モフルンは甘い匂いのする方向を手差しする。

 

『タイムマジーン!』

 

そこから二機のタイムマジーンが現れた。

 

「何あれ?」

 

「機械だよね?あれ?」

 

「行ってみよ!行ってみよ!」

 

みらい達はタイムマジーンが着陸した地点へと向かう。

 

 

その頃、タイムマジーンで現れたソウゴ達は、駅らしき場所へタイムマジーンを着陸させた。

 

「これが魔法界……」

 

「世の中色んなモンがあるんやな」

 

ツクヨミは辺りを見回す。

普段の世界からしたら、有り得ないものがいっぱい目に映る。

 

「?」

 

「どうした?」

 

ソウゴが空を見上げると、何か飛んで来ていることに気付く。

 

「何かがこっちへ来る?」

 

「みらいちゃん達だ!」

 

ソウゴの指差した方をはな達が見ると、みらい達がこちらに向かって来ていた。

はな達のすぐ傍で停まり、魔法のホウキから降りる。

 

「龍牙君、いちかちゃん!」

 

「みらいちゃん!」

 

「久しぶりだな。みらい、リコ、モフルン……っと、お前は……?」

 

「はーちゃんだよ!」

 

「はーちゃん………えぇぇ!あの時の妖精!?」

 

「はーー!」

 

龍牙はみらいからはーちゃんだと聞いて、前に見た時とは違う姿を見た様な反応をした。

 

「マジか……」

 

「本当に久しぶりだわ。ところであなた達は?」

 

リコはソウゴ達を見て、何者なのか尋ねる。

 

「龍牙君やいちかちゃんと一緒にいるから、ひょっとしてプリキュア?仮面ライダー?」

 

「は、はい。野乃はなって言います。キュアエールです」

 

「俺は、時見ソウゴ。仮面ライダージオウ」

 

「私はツクヨミ……私は仮面ライダーやプリキュアじゃないけど、みんなのサポートをしてるの」

 

「そして、俺はー―――」

 

「「「可愛い~!」」」

 

「この子ははぐたんです」

 

ハリーが自己紹介しようとすると、はぐたんを見たみらい達がはぐたんにメロメロになる。

 

「俺は―――」

 

「まだ赤ちゃんだった頃のはーちゃんを思い出すわね!」

 

「はー!」

 

ハリーが自己紹介しようとするが、遮られる。

 

「私達もさ、はーちゃんのお世話したよね!」

 

「したした!すっごい大変だったわよね!」

 

「俺の自己紹介は………」

 

スルーされ続けたハリーは一人、ツクヨミの肩の上で沈んでいた。

 

「俺、魔法使いに会うの初めて!」

 

魔法使いであるみらい達に感激するソウゴ。

 

「うん、ホウキで空飛んでるなんて凄い……!」

 

「分かるな、その気持ち。私もすっごく感動したもん。初めて魔法のホウキに乗った時」

 

「で、龍牙君、いちかちゃん達は何で魔法界に?」

 

「ああそうだ!」

 

「大変なんです!」

 

「実は……」

 

事情を言おうとすると、リコが何か足りないことに気づく。

 

「ん?そういえば、晴夜はどうしたの?」

 

「実は……変なガキを――」

 

その時、地響きが生じ、扉から出て来たウソバーッカがこちらに向かって歩いて来た。

 

「扉の先まで、黒い炎が出とるで!」

 

更に扉の先まで、黒い炎が出ていた。

 

「何あれ⁉︎」

 

「ウソバーッカです!プリキュアと仮面ライダーを消しに来たんです!」

 

「この魔法界もぜーんぶ、嘘で固めてやるウソ!」

 

「そんな事させない!」

「「うん!」」

 

みらい達がウソバーッカを止めようと向かおうすると、七人の前に男性が現れた。

 

「誰だてめえ!」

 

現れたのは、先程晴夜の前に現れたティードだった。

 

「まだ残っていたか……ジオウ、クローズ……」

 

「タイムジャッカー……?」

 

ティードがジオウの名を呼ぶのを見て、ソウゴがクライアス社のタイムジャッカーかと警戒する。

 

「お前らの相手はこいつだ」

 

指を鳴らすと、ティードの後ろから見覚えのある顔が現れた。

 

『晴夜(君・さん)!』

 

現れたのは桐ヶ谷晴夜だった。

 

「おい!晴夜どうした!」

 

龍牙が呼びかけるが、晴夜は返事を返さない。

 

「やれ」

 

ティードが命令すると、ハザードトリガーを取り出した。

 

『マックス!ハザードオン!』

 

トリガーをドライバーへと差し込むとフルフルラビットタンクボトルの栓を回す。

 

『タンク!』

 

「えっ?ちょっと晴夜待って……」

 

『タンク&タンク!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

 

「変身……」

 

『Are you ready?オーバーフロー!』

『鋼鉄のブルーウォーリア!タンクタンク!ヤベーイ!ツエーイ!』

  

「えっ?お、おい!晴夜!」

 

晴夜はいきなりタンクタンクフォームと変身し、フルボトルバスターをソウゴ達に向ける。

 

『⁉︎』

 

放たれたフルボトルバスターの光弾がソウゴ達に向けて放たれた。

だがビルドドライバーで変身したクローズと、サファイアの姿となったキュアミラクルとキュアマジカル、そしてキュアフェリーチェが、ソウゴ達の盾となりビルドの光弾を防いだ。

 

「晴夜、どうしたんだよ!」

 

「……」

 

「危ない!」

 

クローズが呼びかけるがビルドはフルボトルバスターの攻撃を止めようとしない。

 

「もしかして、クライアス社が晴夜を……」

 

ソウゴがあそこにいるクライアス社の一員が、晴夜を操っていると睨む。

 

『フルフルマッチデース!』

 

そう思ってる間にビルドがフルフルラビットタンクボトルをフルボトルバスターに差し込み、巨大な青いエネルギー弾が今にも放たれようとしていた。

 

「おい晴夜、やめろ!」

「晴夜!いい加減にしなさい!」

「お願い!晴夜君もうやめて!」

 

三人がビルドに呼びかける。だが、ビルドは迷わずフルボトルバスターのトリガーを引こうとした。その時…

 

『フルフルマッチブレイク!』

 

突然反転し、ティードとウソバーッカにフルボトルバスターを放った。

ウソバーッカの両手がティードを守ったがしかし、ウソバーッカはフルボトルバスターの攻撃に耐えれず後ずさった。

 

「やはり、洗脳されていたフリだったか……」

 

「どうよ。中々だったろ」

 

それを見てソウゴ達がビルドに近寄る。

 

「晴夜だよね……」

 

「ああ。奴らの動きを知りたくて、あえて操られたフリをしてたんだ」

 

「ちょっと!それタチが悪いわよ!」

 

「名付けて、『敵を騙すなら味方から作戦』!」

 

「まんまじゃねえか!」

 

ビルドの作戦にクローズが突っ込むと、気を取り直しティードの方を振り向く。

 

「仕方ない、俺が潰してやる」

 

ティードがそう言うと、懐から黒いウォッチを取り出した。

 

「あれって……」

 

『クウガ…!』

 

ティードはウォッチの起動スイッチを入れて、“クウガ”と鳴ったアナザーウォッチを起動させると、自分にそれを埋め込む。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

ウォッチを埋め込むとティードから黒い霧が彼の周囲に現れ、ティードの姿がどんどん巨大化していく。

 

「マジかよ……」

 

「自分からアナザーライダーに……」

 

霧が晴れると、ティードが巨大化して二本指の両腕と長い三本の角を持ったクワガタのような姿となって現れた。

 

「あぁぁぁぁぁッッ!――これだ!この力で俺が最強だ!」

 

彼自らアナザーライダーとなった事で全員が驚愕し、はぐたんはあまりの恐ろしさに泣き出してしまった。

 

「こいつは、俺と龍牙やる!ミラクル達はそっちを!」

 

フルボトルバスターでアナザークウガをミラクル達から離し、こちらへ引きつける。

すると、アナザークウガが巨大な腕をビルドとクローズに向けて振る。

 

「ティード!お前は何がしたいんだ!」

 

フルボトルバスターでアナザークウガの腕の攻撃を止めながら、何が狙いなのだと問い掛ける。

 

「知りたいか。いいだろう教えてやる!」

 

アナザークウガが目的を話そうとする。

 

「俺の狙いは、この世界から仮面ライダーを消すことだ!」

 

「なっ⁉︎」

 

「⁉︎ なんだって!」

 

「ライダーを消す……?」

 

アナザークウガもといティードの狙い。それは、仮面ライダーの存在を消すことだった。

 

「仮面ライダークウガから始まった20人の仮面ライダーが誕生し、歴史を作った……

だが、その歴史は間違っていた」

 

「間違ってただと……? それじゃあ、俺やソウゴ、戦兎さん達が間違っていて、お前が正しいと言うのか!ふざけるな!」

 

ビルドはそのまま押し返そうする。だが、アナザークウガはさらに押し込もうとする。

 

「そうだ。お前達の存在は、間違ってるんだぁぁぁぁぁぁーー!」

 

アナザークウガが更に押し込もうしたその時…

 

『フルボトルブレード!』

 

ビルドはドライバーからフルボトルブレードを出現させ、アナザークウガを振り払う。

 

「間違ってた……そんなお前の理屈……俺がビルドする!」

 

ビルドはそう叫ぶとボトルを外し、もう一度フルフルボトルを振り、赤いランプの出た瞬間と共に栓を回した。

 

『ラビット!』

 

フルフルボトルを半分に割り、再びドライバーにボトルを差し込んだ。

 

『ラビット&ラビット!ビルドアップ!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

 

『Are you ready?』

 

ハザードライドビルダーとラビットラビットアーマーが出現し、ラビットのユニットが空中へパージされた。

 

「ビルドアップ!」

 

ビルダーがビルドの体と重なり、金型が離れハザードフォームへと変身し、パージされたラビットユニットを飛びながら装着し、着地した。

 

『オーバーフロー!紅のスピーディージャンパー!ラビットラビット!ヤベーイ!ハエーイ!』

 

ラビットラビットへとフォームチェンジを完了させ、フルボトルバスターとフルボトルブレードを持ちアナザークウガへ向かっていく。

 

 

一方、ウソバーッカが両手から光線を放ち、ミラクル達三人はそれを飛んで避ける。

 

「「たああああぁぁぁっ!」」

 

ミラクル・マジカルがダブルキックを繰り出し、ウソバーッカが掌底で止める。

 

「「うああっ!」」

 

しかしそのまま押し出され、吹き飛んでしまう。

 

「プリキュア!エメラルド・リンカネーション!」

 

「ウソ出の小槌ー!」

 

フェリーチェがエメラルド・リンカネーションを放つが、ウソバーッカが具現化させたハンマーを振るい、エメラルド・リンカネーションが上に流される。

止められた事に驚くが、放って来た光線をバックステップして避け続ける。

 

「「プリキュア!サファイア・スマーティッシュ!」」

 

「ウソ、寒ーい!」

 

ミラクルとマジカルがサファイア・スマーティッシュを放ち、ウソバーッカが両手から青い光線を放つ。

激しくぶつかり合うが、冷凍光線の方が威力は上で、徐々に押し出される。

 

「はっ!」

 

前に出たフェリーチェがピンクトルマリンのバリアで防ぐが、光線が拡散されて建物に当たる。

 

「今にこの魔法界も、冷たい世界にしてやるウソ!」

 

「⁉︎」

 

はなはまた、幼い頃の事を思い出す。

拡散された光線により、建物が石にされて行く。

 

「どんどん石になっちゃう……!」

 

「これ、不味くねぇか……?」

 

それ見てソウゴが立ち上がる。

 

「どなんした、ソウゴ?」

 

「もう我慢出来ない!」

 

ソウゴが急いで停めてあるタイムマジーンへと乗り込む。

 

「ちょっと!ソウゴ!」

 

ツクヨミは後を追いかけ、そのままゲイツのタイムマジーンへと乗り込む。

先に飛んだソウゴのタイムマジーンはアナザークウガの元へと飛び、ロボモードへと変わった。

 

「はぁぁぁぁぁ!」

 

ロボットモードのタイムマジーンの腕がアナザークウガに突き刺さり、吹き飛ばした。

 

「あのロボット、ソウゴか……」

 

「晴夜!龍牙!俺も戦う!」

 

「気を付けろ!こいつは異常だ!」

 

「わかってる……でも……」

 

そう言いかけると、石にされていく魔法界で泣いてる人達に目に映る。

 

「こんなことをする、こいつは許せない!」

 

ソウゴが操作するタイムマジーンが、更にアナザークウガへ殴りかかる。

 

「ソウゴ!」

 

そこへゲイツのタイムマジーンを操作するツクヨミも、ロボモードで応援へと駆け付けた。

 

「タイムマジーン如きが邪魔をするな!」

 

しかしアナザークウガの叫びが強烈な衝撃波を放ち、タイムマジーンを怯ませる。

 

「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」」

 

アナザークウガに二機のタイムマジーンが上空に吹き飛ばされる。

 

「そんなもんで、俺を止められるか!」

 

アナザークウガも飛び上がり、タイムマジーンの頭上を超え、タイムマジーンを地面へ叩きつけた。

 

「ソウゴ!」

 

「貴様らも邪魔だ!」

 

ビルドがソウゴとツクヨミに気を取られてる間にアナザークウガの攻撃を受けた。

 

「うわぁぁぁぁ!」

「くぅ……ぐわぁぁぁ!」

 

アナザークウガの攻撃を受け、ビルドが吹き飛ばされる。

その影響で強制変身解除され、二人のドライバーからボトルとハザードトリガーが外れた。

 

「っ⁉︎……ドライバーとトリガーが……」

 

拾うと既に二人のビルドドライバー、ラビットとタンク、ドラゴンのフルボトルとハザードトリガーが石へと変えられていた。

 

「晴夜!大丈夫か⁉︎」

 

倒れた晴夜に龍牙が駆け寄る。

 

「これで、戦える仮面ライダーは全て消えた。ウソバーッカ、後は頼む」

 

「待て!」

 

ティードがアナザークウガから変身を解き、ウソバーッカの扉の中へと入っていき消えていった。

 

「みんな!はぐたんをお願い!」

 

「はなちゃん⁉︎」

 

いちかにはぐたんを預け、はながウソバーッカに向かって走る。

 

「もう止めて!」

 

「ウソ?」

 

ウソバーッカははなの声に反応し、光線を止める。

 

「ねえ聞いて!あなたもしかして、クローバーって子を知ってるんじゃない⁉︎」

 

はなはウソバーッカに、クローバーと言う子を知っているか尋ねる。

 

「あなたと同じ緑の瞳で、扉の中に住んでる子だよ!」

 

「緑色の瞳……それって……」

 

「クローバーの頃の記憶は大分忘れたウソ」

 

「えっ……?」

 

「分からないか?俺だよ。()()()()()()()()()()()

 

「…ッ⁉︎」

 

なんとウソバーッカが、そのクローバーという子の変わり果てた姿だと答える。

 

「随分変わったろ?お前が約束を破ったばーっかりに、こうなったんだウソ!」

 

「そんな……!」

 

「約束……?ひょっとして、花畑に行ってた時に言ってた……?」

 

「あの時……私は……」

 

「黙れ!嘘付きには、針千本!」

 

「はなちゃん!」

 

はなに向けて指から無数の針を飛ばし、いちかが跳びかかって難を逃れる。

 

「この、嘘付き!」

 

今度は指を伸ばし、戻って来たモフルンも加えてミラクル達が指を止める。

だが数は多く、直撃を受けたミラクル達は変身が解け、リンクルストーンもリンクルスマホンも石にされてしまった。

 

「リンクルストーンまで石に……!」

 

「変身が……!」

 

「ウソぶく~!」

 

ウソバーッカが胸のクローバーの部分から泡を出す。

 

「みらい!後はお願い!」

 

「えっ⁉︎」

 

「晴夜!後を頼んだぞ!」

 

「お前……まさか!」

 

「「キュアップ・ラパパ!泡よ、こっちへ来なさい!」」

 

前に出たリコとことはが魔法を唱えて泡を誘導し、上に跳ぶ。

 

「今の内に早く!」

 

「ここは私達が―――!うわわわっ!」

 

「リコ!はーちゃん!」

「龍牙!」

 

三人が泡に呑まれる。

だが、龍牙とリコの目を見て、晴夜とみらいが決意して頷く。

 

「みらいちゃん!行こう!」

 

「ここで俺達まで捕まったら駄目だ!」

 

「分かってる!」

 

みらいの声と共に、全員が走る。

その直後に龍牙とリコとことはを呑んだ泡が、ウソバーッカの胸のクローバーの部分に入って行った。

 

「とりあえず、元の世界に戻るぞ!」

 

「ツクヨミ!タイムマジーンは……!」

 

「ダメ、損傷が酷くてもう飛べないわ」

 

さっきのアナザークウガの戦闘で、タイムマジーンが二機とも操作不能にされた。これでは、飛んで逃げる事も出来ない。

 

「みんなついて来て!」

 

すると、みらいが魔法のホウキに乗り、ついて来てと言う。

それを見て、晴夜はビルドフォンとまだ無事だったライオンボトルを取り出し、差し込む。ソウゴもバイクライドウォッチを起動させる。

 

『ビルドチェンジ!』

 

マシンビルダーとライドストライカーを出現させ、晴夜とソウゴは急いで乗り込む。

 

「いちかさん!早く!」

 

「ツクヨミ!早く乗って!」

 

「はなちゃんはこっち!」

 

晴夜とソウゴはいちかとツクヨミにヘルメットを渡すと二人は後ろへ座り、みらいははなを魔法のホウキに乗せ、急いでこの場から離れる。

 

「ウソバーッカの世界には、プリキュアも仮面ライダーも必要無いウソ!」

 

ウソバーッカは魔法界の全てを石に変えるため続けていた。

そのまま、六人は魔法界と人間界を繋ぐカタツムリニアの駅へと向かった。

 

「ラッキー!急行だ!」

 

駅に停まってた急行のカタツムリニアに魔法のホウキを突っ込ませて乗り、晴夜とソウゴもアマシンビルダーとライドストライカーから飛び乗って着地する。

 

「急いで出発して!」

 

みらいがカタツムリニアに伝えると、カタツムリニアが発車する。

 

「いてて……」

 

「これでもう諦め―――」

 

一安心して座ったのもつかの間、ウソバーッカの放った光線が線路を破壊した。

 

「線路が……!」

 

「このままじゃ落ちちゃう!」

 

「アカン!」

 

「逃がさないウソ!」

 

更にウソバーッカが線路の上を走って追いかけて来た。

 

「まだ追って来る……!」

 

「このままだと、!」

 

「っ!そや!ライトで奇跡を起こすんや!はぐたん!頼む!」

 

ハリーに言われ、はぐたんがクローバーライトを振る。

しばらく振り続けると光り出し、新しい線路が出来た。

 

「新しい線路が出来た!」

 

カタツムリニアが新しい線路の上を走ってから、ウソバーッカが乗ると同時に電撃が生じ、線路が消えた。

一先ずは、ウソバーッカから逃げ切る事に成功したのだった。

 

「何とか振り切ったみたいだね」

 

「うん」

 

「向こうもこれ以上追って来る事は無いと思いたけど……」

 

ソウゴ達がウソバーッカから逃げ切れた事に安堵の表情を浮かべるが、はなは表情を曇らせてた。

 

「はな、どうかした?」

 

「こんな事になっちゃったのは……私のせいなんです……」

 

「「えっ?」」

 

いきなり、こんなことになったのは自分のせいという。

 

「さっき、ウソバーッカの事をクローバーって言ってたけど、そのクローバーって子と何かあったの?」

 

「俺達にも、教えてくれないかな?そのクローバーの話」

 

はなはソウゴ達に、幼い頃の出来事を話す。

 

 

 

 

――それは、はながまだ幼い時の記憶。

両親とことりとはぐれた幼いはなが路地を抜けると、そこにはクローバーのマークがあり、六角形で六つのドアが付いた建物があった。

 

『あれ…?クローバーの、扉……?』

 

建物に近づき、正面の緑の扉に手を当てると、扉の隙間から光が出て来て、扉が開いた。

 

『えっ?ええ~っ⁉︎』

 

その光の中に吸い込まれて別の空間に飛ばされ、目の前の紋章から光が放たれてそれに包まれる。

目を開けるとそこは雪が降って、全ての木が焼かれたかのように枯れていた場所だった。

 

『パパ……?ママ……?』

 

はなが両親を探して走り出すが、雪で滑って転ぶ。

膝を擦り剥き、泣きそうになるが首を横に振る。

 

『フレフレ……!私……!頑張れ私……!フレフレ!私!頑張れ私!』

 

両腕を上げて自分にエールを送る。

するとその時、少年の笑い声が聞こえた。

 

『家族とはぐれたの?』

 

『誰…?』

 

『僕はクローバー。君は?』

 

『はな!野乃はな!』

 

黄緑の肌に緑の服を着た少年・クローバーが現れて名乗り、はなも名乗る。

 

『はな、どこから来たの?』

 

『ダブリン!パパとママと旅行に行ってたんだけど……』

 

『……いいな』

 

『えっ?』

 

『こことは違う場所に行けて』

 

クローバーがそう言ってから振り返って歩き出し、はなが後を追う。

 

『違う場所?』

 

『僕は、この世界から出た事が無いんだ』

 

『うわあっ!』

 

突如、彼女の前に現れた黒い炎が触れられ、驚いて尻餅を付きそうになる。

その直後にクローバーの傍へ、黒い炎の塊が止まる。

 

『大丈夫かい?……僕はね、この炎から離れられない。離れると消えちゃうって、炎が言うんだ』

 

はなに駆け寄ると、この炎の声に離れるなと言われ、ここから離れなられないと話す。

 

『ここはね、昔は一面、クローバーが生えた美しい世界だったんだよ。

でも今は、灰色の雪と雲に覆われて、色の無い世界になってしまった』

 

かつてのここは、一面にクローバーや色とりどりの花が咲いた美しい場所だった事がクローバーの口から語られる。

 

『ここにいると、世界は何て冷たいんだろうって思うんだ』

 

『そんな事無い……。みんな、とっても優しいよ!』

 

『……どうかな』

 

寂しげな表情のままそう言ったクローバーに、幼いはながムッとする。

 

『私が色んな世界に連れてってあげる!』

 

『……?本当に……?』

 

『うん!約束する!』

 

『約束を破ったら、嘘つきになっちゃうよ?』

 

『嘘じゃ無いのに……』

 

釈然としなかったが、ある事を閃く。

 

『ねえ、小指出して』

 

『こう?』

 

はなが小指を出し、クローバーも小指を出す。

 

『ゆーびーきりげーんまん、嘘ついたら針千本のーます。指切った!』

 

そしてそのまま、指切りを交わした。

誇らしげに笑う幼いはなを見たクローバーが笑い、二人で笑い合う。

ここで鬼火が、はなの擦り剥いた両膝の方へ飛ぶ。

 

『怪我してる……』

 

『えっ?』

 

『一度帰ってまたおいで。お父さん達も心配してるよ』

 

『パパ……ママ……』

 

両親を思い出し、表情を曇らせる。

 

『おいで』

 

はながクローバーの手を繋ぎ、二人はすぐ傍の湖に近づく。

 

『湖に向かって、会いたい人の事を強く思うんだ』

 

言われた通りに目をつぶって、両親の事を強く思うと、目の前にクローバーのマークが付いた緑の扉が現れた。

 

『この扉の向こうに、君のパパとママがいるよ』

 

『ありがとう、また明日。約束ね』

 

『うん。また明日』

 

クローバーから手を離すと同時に扉が開き、その中へ入り、クローバーに笑顔を見せる。

扉が閉じ、幼いはなは両親の元へ戻った。

 

 

 

 

「でも、次の日、あの不思議な六角形の館は、見つける事が出来なかったの……

そのまま日本に帰る日が来て、クローバーとは会えなかった……」

 

はなはその次の日、その建物を見つける事が出来ず、クローバーとも会えずじまいになってしまったのだ。

 

「私が約束を破ったから……だからクローバーはあんな風に……!」

 

自分が約束を破ったせいで、クローバーが変わり果ててしまった事への後悔で、拳を握り締めた。

 

「はな……」

 

ソウゴははなになんて声をかければ良いのか分からなかったが……

 

「そんな顔をしていると、その子も心配するよ」

 

「えっ?」

 

晴夜が言うと、抱いているはぐたんが心配した表情でいた。

 

「俺と龍牙にも一緒にいる赤ちゃんがいるんだ。アイちゃんって名前なんだけどね」

 

「アイちゃん……」

 

「赤ちゃんは俺達が深刻そうな顔をしてると、余計心配するんだよ」

 

晴夜がかつての思い出を廻らせながら、はぐたんの頭を優しく撫でる。

 

「晴夜……」

 

それからしばらくして、ソウゴ達は無人駅へと到着し、カタツムリニアから降りた。

 

「無人駅?」

 

「みんなで待ち合わせてた駅だよ」

 

この駅は、ウソバーッカの影響で石化した花畑の駅だった。

 

「アカン……石化が広がっとる……」

 

「もうここまで影響があるなんて……」

 

しかし駅の周囲だけで無く、あちこちにも石化が広がっていた。

 

「このままじゃ、どんどん石化が広がって行って……」

 

「魔法界もナシマホウ界も、全部石に……」

 

「私が……私が、クローバーとの約束を破ったから……」

 

思い詰めた表情で自分を責めるはなに、いちかが駆け寄る。

 

「はなちゃん。はなちゃんはどうしたい?」

 

「私は……」

 

「このまま後悔し続けて、全ての世界が石化されるのを待つか?」

 

いちかがそう問いかけると、晴夜もこれからどうしたいのかを聞き出す。

 

「そんなの……嫌だよ!」

 

「なら、どうする?」

 

「……謝りたい!

(そうだ……私のなりたい、野乃はなだったら……!)

クローバーに、全力で謝らなくっちゃ!」

 

はなはクローバーに、全力で謝る事を決意し、覚悟を決めた彼女を見たいちか達は微笑んだ。

 

「……?」

 

「どうしたのみらいちゃん?」

 

突如みらいが、何かを思い出そうとする素振りを見せる。

 

「六角形の館って……どこかで聞いた事あるような……」

 

「えっ⁉︎ 何何⁉︎ 思い出してよ~!」

 

六角形の館の事をどこかで聞いた事があると告げ、思い出す為に頭に人差し指を当てて考え始める。

 

「また、お困りのようだね。我が魔王」

 

「ウォズ!」

 

またしてもいきなりウォズが現れた。

 

「誰?」

 

「ウォズさん。ソウゴ君の家臣かな?」

 

「家臣?」

 

何故、ソウゴの家臣なのかと晴夜達はわからなかった。

 

「ウォズ、六角形の館の場所ってわからない?」

 

ソウゴは六角形の館の場所がわかるかと尋ねる。

 

「人使いの荒い魔王だ……

しかしその前に、あのティードという敵についてだが……」

 

「ティードについて何か知ってるのか?」

 

ティードについて何かわかるのかとウォズに問う。

 

「彼は19人の最初の仮面ライダー……仮面ライダークウガの力を手入れ、今は彼が仮面ライダークウガだ。

ここのままだと、いずれ歴史が大きく変わり、クウガ以降の仮面ライダーの誕生がなくなってしまうね」

 

「「「えっ⁉︎」」」

 

「つまり、このままだと俺とソウゴも……いや他の仮面ライダーも全員が消えるってことか……」

 

晴夜が冷静に分析する。

 

「でも、一つまだ疑問にある事がある」

 

「疑問?」

 

「ティードが何故、そこまでして仮面ライダーを消そうとしてるのか?」

 

「ライダーに恨みがあるとか?」

 

ティードが仮面ライダーを消す理由がわからなかった。もし仮に、クライアス社の指示にしてはやり方が違い過ぎる。

 

「そこまでは私もわからないが、君達のドライバーに力が再び戻ればそれは回避出来る」

 

二人は石となったジクウドライバーとビルドドライバーを取り出す。

 

「それと、我が魔王これを……」

 

「ウォッチ……?」

 

「いざとなれば、それを使いたまえ」

 

ウォズはソウゴに謎のライドウォッチを渡した。

 

「さって、それでは六角形の館について調べよう……」

 

ウォズがそういうと、一度ソウゴ達から少し離れる。

すると、ウォズの意識がもの凄い量の本棚がある場所――『星の本棚』へと移動した。

 

「キーワードは『六角形の館』」

 

本棚が高速で移動していき、本棚の数が絞られていく。

 

「まだ、絞れないか……キーワードを追加、『クローバー』」

 

とさらにキーワードを入力すると本棚はさらに絞られ、一冊の本が残った。ウォズはその本を手に取り、ページを開ける。

 

「……この本によれば。その館は、世界中の古い路地ならどこにでも現れる。六角形の館には、六つの不思議な扉があり、その中には時間を跳び越える時の扉があるらしい」

 

「時の扉?」

 

「ここから、その扉に近い街は、『風都』と呼ばれる町だそうだ」

 

「そこにその扉があるの?」

 

「おそらくね」

 

「じゃあ、その扉を越えれば……!」

 

「昔のクローバーに会える」

 

「約束を……果たせる……!」

 

「なら、俺達がこれからやるべき事は、古い路地を回ればいいって事だね」

 

「その風都って町に行って、古い路地を回ってみよう」

 

風都を目指し、ソウゴ達は魔法のホウキとマシンビルダー、ライドストライカーに乗って向かった。

 

 

 

その頃、ウソバーッカの中では…

 

「「キュアップ・ラパパ!」」

 

「私達を外へ出しなさい!」

 

リコとことはが魔法を唱えて外へ出ようとするが、結界で掻き消された。

 

「魔法でもダメかー……」

 

「困ったわね……魔法で脱出出来ると思って来たのに……」

 

魔法でも脱出が出来ないとがっかりすると、ことはのお腹が鳴き出した。

 

「そう言えばお腹空いたね」

 

「そういえば、まだ昼食ってなかったな」

 

ことはが言うと周りのみんなもお腹が空いてきた。

 

「キュアップ・ラパパ!イチゴメロンパン、出ろ!」

 

ことはが魔法を唱え、イチゴメロンパンを出す。

 

「それは何?新しいスイーツ?」

 

「いいな~!あたしにも!」

 

あおいとシエルにもイチゴメロンパンを出す。

 

「結界の中に物を呼び出すのは出来るのね」

 

リコがそう言うと、目の前にイチゴメロンパンが出て来る。

 

「ねぇはーちゃん、テレビとか出せない?」

 

「外の様子とか知りたいです」

 

「……本当に大丈夫か?」

 

「不安になってきた……」

 

緊張感のない様子を見ていたゲイツ達三人は、段々と不安になってきた。

 

「あなた達の友達の、ソウゴとはなちゃん?さっき会ったけど、とっても良い子ね。一生懸命で二人の事なら大丈夫」

 

「みらいといちかもついてるし、晴夜もついてるもんね!」

 

「私達は仲間を信じてる。だからあなた達も信じて。ねっ?後で私の友達のみらいを紹介するわ。友達想いのすっごく良い子なの」

 

「うんうん」

 

「あら、いちかだって良い子よ」

 

「そう。自分よりも周りの事ばっかり考えててね」

 

「お節介で―――」

 

「元気が有り余ってるの」

 

「晴夜だってそうだぜ。いつも誰かれ構わず、人助けするし、面倒なことにいつも首を突っ込むけど、誰にでも敵とか味方とか関係なくあいつはいつも誰かのために何かをやってる奴なんだ……

まぁ、科学バカだけどな」

 

龍牙達が晴夜にいちか、みらいの話を聞き大丈夫だと感じ、三人は少し落ち着きを取り戻した。

 

「……? おい、何か足おかしく無ぇか?」

 

ここでさあや達の足元を見た龍牙がそう告げる。

それを聞いて自分達の足元を見ると、足が石化されていた。

 

「これって……!」

 

「石化してるじゃない……!」

 

「ヤバッ…!」

 

「私達も石になっちゃうんじゃ……!」

 

「マジかよ‼︎」

 

石化し、焦りを見せて亜空間のあちこちを撥ねる。

 

「ホントに信じていいのか……」

 

「大丈夫だって。多分……」

 

そんな龍牙達を見て、ゲイツ達は信じていいのかと疑問に思う。

 

 

 

風都へと着いたソウゴ達は、とりあえず古い町の角を走っていた。

だが、ひたすら探すが六角形の館の元へは到着しなかった。

 

「どこにあるんだ……」

 

ライドストライカーとマシンビルダーと魔法ホウキで走り回るが中々見つからない。

 

「全然見つからへんで?何か手掛かりは無いんか?」

 

「クローバーは、心で強く思えば現れるって……」

 

はなはかつて、クローバーの言っていたことを思い出していると…

 

「「「それだ!」」」

 

「「「えっ?えっ?」」」

 

急に叫んだ晴夜といちか、みらいの言葉に、ソウゴ達は驚く。

 

「よーし!みんなで強く思おう!」

 

「「おーっ!」」

 

とりあえず、みんなで強く思って扉を出そうとする。

 

「はぐたんも頼むで!ライトの力も貸してや!」

 

「それじゃあみんなで……!」

 

「六角形の館を強く想おう!」

 

はぐたんがミラクルクローバーライトを出し、一同が六角形の館を心で強く思うのと同時に、ライドストライカー、マシンビルダー、みらいの魔法のホウキが緑色の光に包まれ、スピードを上げた。

目の前に光が現れ、その中を通ると、六角形の館がある場所に辿り着いた。

 

「「「やったぁーっ!」」」

 

「「六角形の館だ!」」

 

一同がライドストライカーとマシンビルダーから魔法のホウキから降り、六角形の館に向かって走る。

辿り着くと、クローバーの世界への扉だけ石になっていた。

 

「そんな……。クローバーの世界は……」

 

「はなちゃん!こっち!これが時の扉だよ」

 

みらいに呼ばれたはなが隣の扉の方へ向かうと、一同の目の前にある扉が時の扉と教える。

その直後に上空に緑の扉が現れて開き、ウソバーッカが出て来た。

 

「クローバー!」

 

「アイツ、また……!」

 

ソウゴ達は現れたウソバーッカに構える。

 

「残念ですが、あなた達はここで終わりです」

 

更にそこへ、白い服を身に纏った男性がやってきた。

 

「誰だ?あんた?」

 

「財団X・加頭順です。あなた達の命を貰います」

 

『W…!』

 

加頭順と名乗った男性がソウゴ達の命を貰うと言うと、アナザーWとなった。

 

「お前、あの時の……」

 

アナザーライダーも現れ、最悪な状況に落ちた。

 

「ウソ、800!」

 

「ハァッ!」

 

ウソバーッカの周囲に800個の光弾が作り出されて一斉に放たれ、アナザーWの右側が黄色く変色したと思うと手足が変幻自在に伸びて鞭の様に放たれるが、ソウゴ達はギリギリ躱した。

はなが悲しげな表情でウソバーッカを見ると、いちか達が前に出る。

 

「みらいちゃん、いちかちゃんまで……!」

 

「はなちゃん」

 

「ここは、私達が何とかする」

 

「俺達が足止めしてる間に、時の扉に入ってクローバーに会いに行くんだ」

 

「でも……!」

 

「クローバーがウソバーッカになったのなら―――」

 

「過去に戻って、彼を助けてあげなきゃ。はなちゃんがやりたい事は?」

 

「こうやって突っ立ってる事じゃないだろ」

 

いちかと晴夜が尋ね、一同がはなの方を向く。

 

「クローバーに謝る事!」

 

「そう言う事」

 

「ここは先輩にまっかせなさい!」

 

「はぐたんはモフルン達に任せるモフ」

 

「そうペコ」

 

そこに首を刺すようにアナザーライダーが現れ、二人に襲いかかる。

 

「させるか!」

 

咄嗟に晴夜が前に出て、ドリルクラッシャーと四コマ忍法刀でアナザーライダーの攻撃を防いだ。

 

「ここは任せて行けぇッ!」

 

「晴夜……」

 

「ソウゴは行って!早く!」

 

ツクヨミもファイズフォンXで晴夜を援護した。

 

「ねぇ!晴夜聞かせて!」

 

そんな中、ソウゴが晴夜に一つの質問をする。

 

「晴夜は、もしこのまま仮面ライダーの力が消えても戦うの……?」

 

「………俺は、偽りのヒーロー、作られた存在…

だから、消える消えないは関係ないよ。

ただ、守りたいものと愛と平和の為に俺は戦う」

 

「そうか……なら、俺はクローバーの笑顔を取り戻したい。

それが俺が今、やるべきことな気がするから!」

 

「じゃあ、それを貫けよ。

……後、はな。クローバーだけど多分、ウソバーッカになってないと思うよ」

 

「えっ⁉︎」

 

すると何かを思った晴夜ははなに、クローバーはウソバーッカにはなってないと話す。

 

「だから、信じるんだ。その扉にいるクローバーは今と変わらず君を待ってるだって」

 

「晴夜君」

 

「信じよう。クローバーを」

 

二人は扉の前へと行く。

 

(お願い……もう一度、もう一度……クローバーに、会わせて!)

 

はなは願う、かつて友との約束を破ってしまったことを謝るために、今度こそ約束を守るために――

すると、時の扉が光り出すと同時に開き始めた。

 

「行こう」

 

「うん」

 

 

 

クローバーの世界で、中に入っていったソウゴとはながクローバーの元へ走って向かっている頃。

枯れ木を背にして座るクローバーに、鬼火とティードが語りかける。

 

「あの子はもう来ないぜ。お前は約束を破られたんだ」

 

「そっか……」

 

「なあ、俺にいい考えがある。

この世界から出られないなら、全部をお前の世界に変えればいいんだ。冷たくて色の無い世界だ。

そうすれば全てが、お前の世界になる。

そして約束なんか破りまくりの、嘘ばーっかな世界にしてやるんだよ」

 

ティードはクローバーに、世界を嘘ばかりの世界にしようと提案する。

 

「何の為に……?」

 

「お前、クローバーの花言葉を知らないのか?

一つは約束。

そして、約束が果たされなかった時の…復讐だ」

 

クローバーの花言葉を教える鬼火から、左右が別の仮面が出て来る。

 

「約束と……復讐……」

 

「そうだ。その心だ」

 

『電王…!』

 

ティードがアナザーライドウォッチを起動させ、クローバーの体内に入れる。

 

「っ!……これが、復讐……」

 

「そうだ……あとは頼むぞ」

 

ティードの手によりクローバーがアナザー電王となったのを確認すると、クローバーをアナザーライダーにした張本人であるディードは鬼火にアナザー電王を任せて去っていった。

 

「「クローバー!」」

 

そこへソウゴとはなが現れた。

しかし、彼らの前にアナザー電王が立ちはだかる。

 

「……プリキュア、ライダー……復讐」

 

アナザー電王がそう呟きながら、手に持った短剣でソウゴとはなに斬りかかる。

 

「プリキュアも……ライダーも……嘘つきだ!消えてよ、消えてよッ!」

 

「やめて、クローバー!」

 

はなの制止も虚しく、アナザー電王の剣が二人に振りかかったその時……

 

「「「⁉︎」」」

 

いきなり巨大な光の柱が現れ、三人を包む。

 

 

「―――あれ?」

 

「ここは……」

 

「……?」

 

するとソウゴ達のいた場所が、巨大な駅のホームのような場所へと変わっていた。

 

「ウラぁぁ!」

 

するといきなり後ろからアナザー電王が何者かに蹴られた。

 

……!あ、こっちか。俺、参上!

 

後ろから蹴ったのは、赤いアーマーで二つに割れた赤い桃を模した複眼を持ったライダー…仮面ライダー電王だった。

 

「よう、大丈夫かよ。お前、俺の癖に弱いじゃねえか〜」

 

「後ろからなんて、卑怯な…っ」

 

「はん!知らねぇのかよ!俺は最初から最後まで、クライマックスなんだぜ!」

 

アナザー電王の文句をそう返す電王はデンガッシャーで、無茶苦茶な剣技を繰り出す。

 

「モモの字!お前のクライマックスは長いで!」

 

「うるせえ!クマ公!てめぇ…!」

 

『アックス フォーム』

 

どこから聞こえる声に反応すると、電王の姿が変わった。

 

「俺の強さにお前が泣いた。ドスコイ!」

 

そのまま斧の様な仮面と金のアーマーを持った電王・アックスフォームとなり、力技でアナザー電王を圧倒する。

 

「ワーイ!クマちゃん次僕ね!」

 

「リュウタ、まだ早いで!」

 

『ガン フォーム』

 

また何かが体に入ると、電王の姿が再び変わった。

 

「お前、倒すけどいいよね。答えは聞いてない!」

 

龍を模した仮面と紫のアーマーを持つガンフォームとなった電王は、銃を放ち続けアナザー電王を怯ませる。

 

「リュウタ危ない!後ろに敵がいるよ!」

 

「えっ⁉︎ どこどこどこ――うわぁ!」

 

『ロッド フォーム』

 

「なんてね〜、言葉の裏には針千本、お前も僕に釣られてみる〜?」

 

今度は亀の甲羅の様な仮面を持つ青いアーマー姿の電王・ロッドフォームへ変わると、槍投げのような武器にしたデンガッシャーをアナザー電王に投げつける。

亀の甲羅のような六角形のマークが浮き出ると、アナザー電王の動きを封じられ、その隙に電王は高くジャンプをしながら飛び蹴りの姿勢を取った。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁーー‼︎」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

電王のライダーキックを受けたアナザー電王は、体内からアナザーライドウォッチが取り出されると破壊され、元のクローバーの姿に戻った。

 

「大丈夫?」

 

電王から変身を解除した男性の差し出された手を握り、クローバーが起き上がる。

 

「君は……」

 

「僕は野上良太郎。仮面ライダー電王」

 

良太郎は名を名乗ると、ソウゴとはなも駆け寄る。

 

「クローバー……」

 

「ねぇ、ここは?」

 

「君達のいる時間とは、別の時間かな」

 

「あなたは?」

 

「仮面ライダー電王。簡単に言えば時空の流れを守るタイムパトロールかな?」

 

「時空を守る仮面ライダー電王。覚えておくよ!」

 

「じゃあ、よろしく」

 

そう告げるとソウゴとはな、クローバーの身体が光りだし、姿が一瞬のうちに消えてしまった。

 

「おいおい、時空を守るって俺達なんか違くねえか〜」

 

「そんなことないよ。僕からしたらそう思うけど」

 

そこへ、四人の怪人――イマジンが現れた。

 

「いいやないか〜時空を守る!俺の基本スタイルや!」

 

「どうせならよ!強すぎる仮面ライダー電王とかだろ!」

 

「ダサい!モモタロスダサい!」

 

「ぬわぁぁぁぁ〜〜!」

 

「しかし、最近の後輩のライダーあんな子供なんだね」

 

「まぁ、お陰でこっちも急ぐなっちまったがな!……ったく、俺達も忘れないぜ良太郎」

 

「うん、僕もだよモモタロス……みんな、行こう!」

 

 

 

その頃、外ではウソバーッカが風都の町を石化を始めようとし、晴夜とツクヨミはアナザーWと生身で交戦していた。

 

『Ready go!』

 

ボトルを差し込みドリルクラッシャーを回転させ、そのままアナザーWに繰り出す。

 

「ふん!」

 

「なっ!うわぁぁぁぁ!」

 

だがアナザーWはドリルクラッシャーを掴み、そのまま晴夜を投げ飛ばす。

 

「大丈夫!?」

 

「あぁ……」

 

「もう、この世界は終わります」

 

「この世界の色は奪ってやったウソ!と言う事は、俺の大好物の心の闇が沢山あると言う事ウソ!いっただっきまーす!」

 

周囲から竜巻が生じ、石化された人々の心の闇が竜巻に吸い込まれ、その竜巻をウソバーッカが吸収する。

 

「二人が戻って来るまで……!」

 

「時の扉は、私達が守らなきゃ!」

 

「こんな所、引くわけに行かねえな」

 

晴夜達は諦めず立ち上がる。するとそこへ、ティードが現れた。

 

「力を失い、何故そこまでして戦う……」

 

そしてライダーの力を失ってもなお、何故戦うとか問いかけると、晴夜はドリルクラッシャーを支えとして立った。

 

「……そんなこと関係ない。俺はただ守りたいものの為に、最後まで戦う。そう決めたから戦うんだ」

 

そう言って再びドリルクラッシャーを構える。

 

「ですが、終わりですよ」

 

アナザーWが飛び上がり、晴夜達に向かってキックを放とうする。

 

「オラァァァァァァァ‼︎」

 

「!?」

 

そこへ一台のバイクが現れ、アナザーWの攻撃を妨害した。

 

「大丈夫か?」

 

「あなたは……」

 

晴夜が尋ねると、バイク乗っていた人物はヘルメットを外し、黒の帽子を被る。

 

「左翔太郎。この町の顔さ」

 

「貴様は……左翔太郎!」

 

「その声…財団X、加頭順!」

 

「知ってるんですか?」

 

「あいつは、8年前に倒した筈だ……」

 

加頭順は翔太郎がかつて、仮面ライダーWとして最後の戦いの時に、相棒と共に倒した筈だと言う。

 

「ええ。一度はあなた方に敗れました。ですが……」

 

 

 

――それは8年前の戦いで仮面ライダーWに敗れた時。彼の持っていたユートピアメモリが砕けると同時に消滅したかのように見えたが、加頭順はまだ生きていた。

 

『まだ、私は……』

 

爆風から何とか耐えて手足でもがくが、死者蘇生兵士『NEVER』である彼の肉体は既に限界を超えており、いつ消滅してもおかしくなかった。

 

『まだ死ねないか?』

 

そこへティードが、加頭順を見下ろすように現れた。

 

『何ですかあなたは……』

 

『お前に力を与えに来た。そして、俺の為に動いてもらう』

 

『W…!』

 

ティードはアナザーWのウォッチを加頭順の体の体内に埋め込む。

 

『これで、お前が今から仮面ライダーWだ。幸いにも既にあの男はもうWにはなれない』

 

『これが……Wの力』

 

 

 

そして、8年前の戦いの後アナザーWへと変身し、命を保った。

 

「ここで、あの時の恨みを晴らしてあげましょう!相棒もいないあなたなど、敵ではありません」

 

「やってみろよ」

 

翔太郎が相棒が最後に残したロストドライバーを装着し、黒のメモリのようなものを見せる。

 

『ジョーカー!』

 

「変身」

 

メモリの下部に付いている起動ボタンを押してドライバーに差し込むと、翔太郎は“変身”と言ってドライバーを操作する。

 

『ジョーカー!』

 

そしてドライバーから音声が鳴ると、翔太郎の体に黒いボディが纏われた。

 

「それは……」

 

「仮面ライダージョーカー!」

 

お互い走り出し、仮面ライダージョーカーとアナザーWの二人の拳がぶつかり、戦闘が始まる。

 

 

 

 

その頃、元の場所へと戻ったソウゴ達は、雪に覆われ、一本の枯れた大木のあるところへ行った。

 

「クローバー……遅くなってごめんなさい!

どうしても、扉の場所が分からなくなって……!」

 

はなはクローバーに頭を下げて謝り、来れなくなった理由を話す。

 

「僕……ずっと待ってたんだよ……」

 

「ごめんなさい……!

もう……遅いかもしれないけど……

あなたとした約束を、守らせて欲しいの!

一緒に行こう。色んな世界に連れて行くって、約束したでしょ」

 

クローバーに手を差し伸べ、一緒に行こうと誘う。

 

「騙されるな。約束だと?ソイツは嘘をついているんだ」

 

すると鬼火がクローバーの眼前に出てそう言う。

 

「違う……!嘘なんかじゃない!」

 

「約束なんか信じるな!

信じれば裏切られる!裏切られれば深く傷付くぞ!

お前の花言葉を忘れたか!」

 

「約束と、復讐……」

 

「残念だったな」

 

突然湧いてきたティードと、クローバーの隣で浮かぶ鬼火が勝ち誇るかのように嘲笑うと、黒い炎を燃え上がらせてクローバーをその炎で囲ませる。

 

「コイツはウソバーッカでもあると同時に、アナザーライダーになるんだ!」

 

「――そうなるとは限らない」

 

「何…?」

 

するとソウゴは、鬼火の言葉を否定する。

 

「それはお前達が言ってるだけで、本当にそうなるのを決めるのはクローバーだよ」

 

「クローバー!」

 

ティードと鬼火がソウゴに気を取られているうちに、はながクローバーに向かって走る。

 

「貴様……」

 

「行かせないよ!」

 

ソウゴはジカンギレードを持って鬼火の邪魔をし、その隙にはなはクローバーの元へと着く。

 

「クローバー……!ごめんなさい……!

私、あなたを傷付けた……!

だけど……!もう二度と、あなたの事、傷付けたりしない……!」

 

クローバーを強く抱き締めてそう伝えると、彼の目から涙が流れた。

 

「はな……」

 

はなの名を呼ぶと同時に、クローバーを囲ませてた闇の炎が掻き消された。

 

「はな……苦しいよ……」

 

そう言って彼女から離れ、一息付くクローバー。

 

「クローバー…」!」

 

はなの目から大量の涙が流れるのを見て、クローバーはふふっと笑う。

 

「君達ってずるいな」

 

「…?」

 

立ち上がったクローバーが、はなに手を差し伸べる。

 

「連れて行ってくれるんだろ?」

 

「うん……!」

 

彼女はうんと答え、クローバーの手を掴む。

すると湖から時の扉が現れ、はなとソウゴの手を繋いだままそこに向かって歩く。

 

「待て!俺から離れると消えてしまうぞ!」

 

「……っ!」

 

「それでもいいのか?」

 

雪原に落ちた鬼火がクローバーに向かって叫び、クローバーが唇を噛み締める。

 

「大丈夫。私が全力で応援するよ」

 

「自分を信じろ。自分は消えないって思いがある。クローバーなら絶対消えない。俺はそんな気がする」

 

「ソウゴ、はな……」

 

二人を信じ、クローバーは二人が来た道を歩む。

 

「消えてもいいのか……!」

 

「行こう」

 

ティードの言葉を無視して、ソウゴとはながクローバーと共に時の扉をくぐる。

 

 

 

外では、仮面ライダージョーカーとアナザーWの戦闘が行われていた。しかし、アナザーWの方がジョーカーを追い込んでいた。

 

「どうしました。やはり一人ではその程度ですか?」

 

「くぅ……!」

 

『ジョーカー!マキシマムドライブ!』

「ライダーパンチ!」

 

ジョーカーメモリをスロットに入れ、ジョーカーがライダーパンチを放とうするが、アナザーWがカウンターパンチを放ち、その影響でジョーカーの変身が解除されてしまった。

 

「翔太郎さん!」

 

晴夜が倒れた翔太郎に駆け寄る。

 

「やはり、私こそ最強のWですよ」

 

「てめぇ……」

 

「あなたはWじゃない!」

 

晴夜が翔太朗を倒して気分を良くするアナザーWに、Wじゃないと叫ぶ。

 

「お前……」

 

「Wって、二人で一人って意味ですよね。だがあんたは一人で強い気でいる、そんなのWじゃない!」

 

「…子供が生意気言うもんではありませんよ」

 

「俺、天才科学者の卵だけどまだガキだぜ」

 

晴夜が言うとティードが手を広げ、また晴夜達の時を止めた。

 

「戯言は終わりだ。その男と共に消えろ、桐ヶ谷晴夜」

 

ウソバーッカが目の前に現れ、晴夜達を呑み込もうとしたその時…

 

「ウソ……⁉︎」

 

巨大化したウソバーッカが光に包まれると同時に、時の扉が開く。

 

「「はなちゃん!」」

「ソウゴ!」

 

扉からソウゴとはなとクローバーが出て来ると同時に、ウソバーッカの力がクローバーに流れる。

 

「お前……!う、嘘から出た実……」

 

「ちっ……こうなったら……」

 

その言葉を最期にウソバーッカが消滅すると、ティードが姿を消し、アナザーWだけが残った。

 

「お帰り、はな、ソウゴ」

 

「その子がクローバー?」

 

晴夜達がソウゴとはなに駆け寄る。すると、アナザーライダーが近寄ってくる。

 

「予定外ですね。しかし、力のないあなた達など、敵ではありません」

 

アナザーWが巨大な竜巻を作り出し、ソウゴ達に向かって放つ。

 

「やらせるか!」

 

「翔太郎さん!」

 

翔太郎が前に出て背中でソウゴ達を守ろうとする。

だが、その前に何か盾となって竜巻を相殺した。

 

「相殺された……」

 

竜巻が相殺されると、翔太郎は自身の後ろに何か浮いていた事に気付く。

 

「っ⁉︎……エクストリームメモリ」

 

それは、かつて彼とともに消えた黒い鳥の様な姿をした自立行動型ガイアメモリ、エクストリームメモリだった。

そしてそのメモリから放たれた光が何かを構成し、人影のような姿が現れた。

 

「フィリップ……」

 

「やぁ、久しぶりだね。翔太郎〜」

 

そう、彼こそが翔太郎の相棒にして、仮面ライダーWの片割れ――フィリップ。

 

「なんで……」

 

翔太郎は消えた筈のフィリップを見て、なんでいるのか疑問に思っていた。

 

「実は、若菜姉さんが僕に体をくれたんだ」

 

「えっ?」

 

 

 

 

――加頭順のユートピアドーパントとの戦いの後からすぐに真実を知った姉:若菜は、フィリップに自分の体をあげることを決めていた。

 

「来人!」

 

「姉さん!」

 

「来人、私の体をあなたにあげる」

 

「えっ?」

 

「あなたの相棒の泣き顔、見てられなかったんですもの。人類の未来のために地球を変えるのは園咲の使命。でも一番ふさわしいのは私じゃない。誰よりも優しいあなたよ、来人」

 

「でも、僕どうやって……」

 

「答えはそのうち見つかるわ。とりあえずこれからも風都を見守る風で居なさい」

 

更に長女の冴子と父:琉兵衛と母:シュラウドが現れた。

 

「父さん、母さん、姉さん!」

 

琉兵衛は手で、走り寄るフィリプを制させる。

 

「来てはダメ」

 

「私たちは地球に選ばれた家族だからね。これからも、この地球の中からお前を見守っているよ」

 

その言葉を最後にフィリップは、家族への最後の言葉を交わした。

 

「さようなら、ありがとう……」

 

 

 

 

家族と別れを受け入れ、そこから8年の時が経った。

 

「それから僕は、体の再構築をしながら君を見ていた」

 

「気のせいじゃなかったのか……」

 

翔太郎がずっと感じていた何か、近くにいた感覚は気のせいじゃなかったとわかった。

 

「あなたが翔太郎さんの相棒ですね」

 

「やぁ〜桐ヶ谷晴夜君、宇佐見いちかちゃんに朝日奈みらいちゃん。よく頑張ったね。僕達の仲間になれるよ」

 

フィリップが晴夜やいちか、みらいを見て言う。

 

「うぉぉーー!フィリップ!」

 

そこへ翔太郎が感動の再開に号泣しながら、フィリップに絡み合い出す。

 

「流石、完成されたハーフボイルドだね」

 

「そんなもん!完成したくねよ!アッハハハハハハハ‼︎」

 

再会した相棒に二人が笑い合う様子を、晴夜達も笑って見ていた。

 

「笑っているのも束の間ですよ」

 

だが空気を悪くするように、アナザーWが彼らの間に乱入してきた。

 

「おっと、いけね忘れたぜ!

さぁ、お仕事だ。行くぜ、フィリップ」

 

「あぁ、ゾクゾクするね〜♪」

 

翔太郎がダブルドライバーを取り出し、腰へと装着すると、フィリップの方にもダブルドライバーが腰に装着した状態で現れた。

 

「お前ら、その子を連れて早く行け」

 

「翔太郎さん。フィリップさん。お願いします」

 

アナザーWは二人に任せ、ソウゴ達はクローバーを連れ森の方へと逃げて行く。

 

『サイクロン!』

『ジョーカー!』

 

ソウゴ達の姿が無くなった事を確認した二人は、変身アイテム・ガイアメモリを起動させ構える。

 

「「変身!」」

 

フィリップのメモリ『サイクロンメモリ』をドライバーに先に差し込むとメモリが翔太郎のドライバーの方へと移動し、フィリップが倒れた。そこへ今度は翔太郎の持つメモリ『ジョーカーメモリ』を差し込む。

 

『サイクロン!ジョーカー!』

 

そして翔太郎の周りを風が覆い、風都を守る、二人で一人の仮面ライダー…仮面ライダーWが復活した。

 

「行くぜ!」

 

Wは手首を回し、アナザーライダーの下へと走って行く。

 

『ルナ!』『トリガー!』

 

アナザーWに蹴りを喰らわせながら二つのメモリを起動させ、ドライバーに差し替える。

 

『ルナ!トリガー!』

 

サイクロンジョーカーから今度はルナトリガーへと変わり、手元に現れた専用武器『トリガーマグナム』を放つ。

 

『トリガー!マキシマムドライブ!』

 

「『トリガー!フルバースト!』」

 

更にマグナムにトリガーメモリを装填したWは、銃口から黄色と青の破壊光弾を多数同時発射し、アナザーWを怯ませた。

 

『ヒート!』『メタル!』

『ヒート!メタル!』

 

今度はヒートメタルへと変わり、武器である鉄棒『メタルシャフト』での殴打を繰り出し、スロットにメタルメモリを差す。

 

『メタル!マキシマムドライブ!』

 

するとメタルシャフトの両先端が炎で覆われる。

 

「どんどん行くぜ!」

 

「『メタルブライング!』」

 

炎を吹き上げるメタルシャフトをアナザーWに叩き込む。

 

『サイクロン!ジョーカー!』

 

再びサイクロンジョーカーへと変わる。

 

『さぁ、行くよ翔太郎』

 

「あぁ、ハードボイルドに決めるぜ!」

 

『ジョーカー!マキシマムドライブ!』

 

Wはベルトのスロットにジョーカーメモリを差し込み、辺りに強力な風を巻き起こしながら高く飛び上がる。

 

「『ジョーカーエクストリーム!』」

 

すると身体を正中で分離させ、両半身によるライダーキック、“ジョーカーエクストリーム”を放った。

それを受けたアナザーWは倒され、アナザーWウォッチも破壊されると、Wは着地した。

 

『決め台詞は忘れてないよね。翔太郎〜♪』

 

「あぁ、俺達の名を永遠と残る。あの言葉……」

 

そしてWは、再び手首を回すと…

 

「『さぁ……お前の罪を数えろ‼︎』」

 

二人の決め台詞を、加頭順に向けて叫ぶ。

 

「おのれ……仮面ライダァァァ………!」

 

アナザーWウォッチが破壊されると加頭順の体も綻び始め、かつては感情が無かったはずの彼は怒った様な声を出し、そのまま消滅していった。

おそらくウォッチが壊れた影響だろう。

 

「今度こそ、止めたぜ。財団X、加頭順」

 

『翔太郎。急いで彼らを追いかけよう』

 

「あぁ、本当の勝負はここからだ」

 

Wはマシンを呼び出し、ソウゴ達を追いかける。

 

 

 

その頃、ソウゴ達はアナザーライダーから離れる為に急いで逃げる。

すると、再びソウゴ達の前にティードと鬼火が現れた。

 

「ティード!」

 

彼らが再び現れたのを見て、ソウゴ達はクローバーを守るため構える。

 

「僕は消えなかったよ。君は……一体何者なんだ?」

 

「俺か………俺は闇の、鬼火だ!」

 

「コイツはお前達への怒り、妬み、悲しみ。そんな心の闇を火種にして燃え上がるのさ」

 

ティードは親切に鬼火について解説をしてあげた。

 

「君達は……僕を利用して……!」

 

「お前はもう用無しだ。俺達はこの世界の闇を喰い尽くし、誰よりもデカく、燃え上がるんだ!」

 

『クウガ…!』

 

「見せてやる!俺達の力を!」

 

ティードが再びアナザークウガとなると、鬼火がアナザークウガが取り込まれる。

すると周りの岩がアナザークウガに集まり、徐々にその身体が巨大になっていく。

そしてアナザークウガの姿が、更に禍々しく歪めたような外見となり。ボディの所々に緑のヒビが追加されて全体的に黒く染まり、長い腕は2本から4本に増加している他、頭部の角も更に肥大化し、背中には紫に燃え上がる炎と巨大な翅が生成されていた。

 

「これだ!この力とこの闇の力で俺は最強!俺だけが笑顔であればいい!」

 

ティードは、アナザーライダーの力と闇の鬼火の力が融合した、言い換えればアナザークウガ鬼火へとなった。

 

「みんな!こっちへ!」

 

全員が走り出し、急いでここから離れる。

 

「はな、ソウゴ、まだ変身出来へんのか?」

 

「うん……」

 

「ごめん、まだ……」

 

取り出したミライクリスタル・ピンクとジクウドライバーはまだ石のままだった。

 

「明日への希望、アスパワワが消えたままや……」

 

「明日への希望……」

 

「キラキラルもペコ……」

 

「リンクルストーンもモフ……」

 

「ウソバーッカが消えても、あれを倒さなきゃ元に戻らないのか……」

 

アナザークウガ鬼火を倒さない限りはソウゴ達は変身することができない。

逃げ続ける最中、突如クローバーが足を止める。

 

「クローバー?」

 

「僕のせいだ……」

 

ソウゴ達が変身できないは自分の所為と言う。

 

「私達は負けないよ。夢も希望も、明るい未来も取り戻してみせる!」

 

「なんたって俺達は、プリキュアと仮面ライダーだからね!」

 

「ソウゴ……はな……」

 

「ふん!変身も出来ない癖に何を言っている!」

 

「変身できる出来ないなんて関係ない!

救いたいと思ったら、なんだって救う。そんな王様になりたいんだ!だから……今はクローバーを救う!」

 

「そうだな。それができる俺達が今ここにいる。今ここにな……」

 

「うん」

 

晴夜とソウゴ、二人が並び立ったその時、二人のドライバーから石が剥がれていく。

 

「ドライバーが……」

 

「元に戻っていく……」

 

石となったジクウドライバーとビルドドライバーが元に戻り、ウォッチにボトルも色が戻った。

それを見たアナザークウガ鬼火は、思わず狼狽える。

 

「馬鹿な……!何故……ッ!」

 

二人の想いに共鳴したのか、ドライバーが石から元の姿へと戻ったのを見て、二人は顔を合わせ頷く。

 

「行くぞ。ソウゴ」

 

「あぁ!行こう、晴夜!」

『ジクウドライバー!』

 

二人はドライバーを装着し、晴夜はボトルを、ソウゴはウォッチを握る。

 

『ラビット!タンク!ベストマッチ!』

『ジオウ!』

 

晴夜はビルドドライバーに二本のボトルを、ソウゴはジクウドライバーにジオウウォッチを差し込んだ。

そして二人は叫ぶ、己を変える言葉を―――

 

「「変身‼︎」」

 

その言葉が二人の姿を変えた。

 

『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!』

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』

 

科学の力で戦う、仮面ライダービルド。

全ライダーの力を受け継ぐ、仮面ライダージオウが、今ここに復活した。

 

「仮面ライダーが復活した……」

 

「これが、仮面ライダー……」

 

並び立ったビルドとジオウに、クローバーは目を光らせる。

 

「だからなんだ!蘇ったのなら!今度こそ完全に消す!うぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」」

 

アナザークウガ鬼火に、二人は向かっていく。

 

「何故、何故お前達は、お前達は存在するんだ!間違った存在なのに!」

 

「お前の言う間違った存在……

それが何なのかわからないけど。俺は、俺が知ってる仮面ライダーは自分が信じるものと人間の自由の為に戦う!それが仮面ライダーだ!」

 

「だから、仮面ライダーが戦ってきた歴史は、絶対に間違っていない!それを俺達が証明してみせる!」

 

ジオウとビルドはアナザークウガ鬼火へと戦闘を広げる。

 

 

一方、アナザークウガ鬼火の中の亜空間の方では。

 

「もっとです!この結界の中がいっぱいになる位に……!」

 

さあやに言われ、リコがさあやの結界の中に大量のイチゴメロンパンを作り出す。

 

「何してるのさあや?」

 

「さあや、結構食いしん坊……」

 

「そんなに腹減ってたのか?」

 

「違います!」

 

「結界の中をいっぱいにして、内側から破る作戦ですね!」

 

さあやの狙いは、結界を内側から破る事だった。

 

「全身石になってしまう前に、急ぎましょう!」

 

「はーちゃん先輩!こっちもお願い!」

 

「はーちゃん先輩……だって。はー!カッコいいー!」

 

「こっちも早く!」

 

「はいっ!」

 

ほまれとゲイツの結界の中にも、大量のイチゴメロンパンを作り出す。

そのまま四人の結界が破れた。

 

「よっしゃ!」

 

四人が出口である紋章の方へ向かう。

 

「キュアップ・ラパパ!いーっぱい!」

 

ひまり達の結界の中にも大量のイチゴメロンパンを作り出す。

 

「さあやちゃん待って下さい!」

 

「ほまれ!」

 

「私は、はなのお陰で救われたんだ!今度は私が、はなを助けなきゃ!」

 

四人が紋章に体当たりを続けていると、ひまり達の結界も破れる。

 

「私もです!一人じゃ出来ない事も、二人なら出来るって、はなが教えてくれたんです!」

 

「さあやちゃん」

 

あきらがさあやの肩を掴み、自身の方を向かせる。

 

「二人でも駄目な時は、どうすればいいと思う?」

 

「ここにも仲間がいるんだけど?」

 

「はなちゃん達を助けたいのは、私達も同じです」

 

「抜け駆けはノンノン」

 

「そう言う事」

 

彼女達も結界を抜け出し、ゲイツと龍牙、さあやとほまれと共に出口をこじ開けようとする。

 

 

森を出たジオウとビルドは、広い荒野に出る。

 

「ん?何だ?」

 

アナザークウガ鬼火にある胸元の紋章に衝撃が走り、紋章に視線を向ける。

 

「何かを叩き付ける音が聞こえる……」

 

「ひょっとしたら、捕まったみんなが、あそこから出ようとしてるんだ!」

 

「みんな……!」

 

「無駄な事を……」

 

アナザークウガ鬼火が右腕に緑の炎を纏わせ、はな達に向かってパンチを繰り出す。

 

「しまった!」

 

「みんな!」

 

パンチが当たったかに見えたが、前に出たクローバーがバリアを張ってみんなを守った。

 

「クローバーのもう一つの花言葉は、幸せ。僕の全ての力を、明日への希望に変える!」

 

「そうしたら……クローバーは、どうなるの……?」

 

ジオウの質問に、クローバーは無言で悲しげな微笑みを浮かべる。

 

「駄目だよ……!私、まだ約束守れて無いよ!」

 

「ううん。守ってくれたよ」

 

首を横に振ったクローバーの足元に、紋章が浮かぶ。

 

「はなとソウゴの応援があれば、僕はどこにだって行ける気がする」

 

「「クローバー!」」

 

「それと、君もありがとう。僕を守る為に戦ってくれて」

 

クローバーがビルドの方を見る。

 

「クローバー……」

 

すると、光の柱が作られ、それが消えるとクローバーの姿は無かった。それを見てジオウとビルドは変身解除した。

 

「一緒に行くって……約束したのに……」

 

『連れて行ってよ。はな、ソウゴ、色んな世界に』

 

耳元にクローバーの声が響くと同時に、クローバー型のライトが光り出す。

同時にアナザークウガ鬼火の紋章にクローバーの花が巻かれ、結界の中にいたさあや達の石になった所にも巻かれる。

 

「何……?」

 

「……?」

 

「これは……?」

 

「クローバーの花だ」

 

 

更に外にいるはな達が持っているプリキュアの変身アイテムにも、花が巻かれていた。

 

「僕の力を…未来の希望へ……!」

 

花が光り出し、その光が消えると、石化された所や変身アイテムが元に戻り出す。

 

 

その頃、亜空間の中でも龍牙とゲイツが、元に戻ったビートクローザーとジカンザックスを取り出す。

 

「「離れてろ!」」

 

ビートクローザーとジカンザックスで出口に亀裂を入れようと振るう。

 

「今よ!」

 

『せーの!はぁーっ!』

 

リコ達が亀裂の入った所に体当たりを繰り出す。

しかし亀裂は大きくなったが、まだ脱出できるほどではなかった。

 

「くそ!」

 

「あともう少しパワーがあれば……」

 

あと少しなのに、まだ出口が開かない。

 

「――みんな、退いて」

 

『っ⁉︎』

 

「オリャャャャャ!」

 

突如、後ろから現れた男性の強烈なパンチが、クローバーの紋章を破壊した。

 

「この力は……」

 

「誰だ……」

 

ゲイツ達が後ろを振り返ると、その男は腰にバックルのような物――アークルを装着しており、赤いボディアーマーを纏っていた。

 

「さぁ、行こう」

 

そのままクローバーが出した紋章が現れ、その下からゲイツ達が出て来た。

 

「「出れた!」」

 

「さあや!ほまれ!」

「ゲイツ!」

「龍牙!」

「リコ!はーちゃん!」

「ひまりん!あおちゃん!ゆかりさん!あきらさん!シエル!」 

 

「そこの人は……」

 

はな達が仲間の再会に喜ぶと、ゲイツ達の後ろに男性がいた。

 

「2000の技を持つもの、五代雄介。よろしく!」

 

その男性――五代雄介は親指を立ててよろしくと言う。

 

「貴様は、五代雄介!仮面ライダークウガ!」

 

「えっ?じゃあ!この人が!」

 

「最初の仮面ライダー……クウガ!」

 

五代雄介。彼こそが19人の仮面ライダーの始まりのライダー、仮面ライダークウガだった。

 

「何故、貴様がクウガの力を!」

 

「お前に閉じ込められたあの時、俺はあの棺桶の中のベルトが俺の身体に取り付けられ、この力を手に入れた」

 

19年前。ティードに閉じ込められた時、棺桶に眠っていたベルトの力がそのまま雄介の身体へと移り、クウガとなったのだと語る。

そしてアークルに搭載されている霊石・アマダムの力で今日まで生きながらえ、今ここで自身を閉じこめた張本人の前で立っている。

 

「貴様ら‼︎」

 

怒ったアナザークウガ鬼火が黒い霧を放つと、そこから多くの怪人――ズ・ベ集団のグロンギ、NEWモールイマジン、マスカレードドーパント、屑ヤミー、グール、インベス、バグスターウィルス、スマッシュ、ガーディアン等と、歴代の仮面ライダーが今まで倒してきた怪人達が次々と現れた。

 

「ラスボスだけじゃねえのかよ!」

 

「なんで数だ……」

 

龍牙とゲイツはあまりの数に驚くと、怪人達が一斉に全員に襲い掛かる。

その時、巨大な車両と列車が現れた。車両の方――リボルギャリーに乗っていたのは左翔太郎とフィリップ、列車――デンライナーからは良太郎とイマジンズが現れ、ソウゴ達の前に現れた。

 

「どうやら、取り戻せたみたいだね」

 

「やるね〜君達」

 

「やっぱ見どころある奴らだな〜」

 

「翔太郎さん。フィリップさん」

 

「野上良太郎……」

 

良太郎と翔太郎とフィリップが現れ、龍牙達が警戒する。

 

「晴夜、誰だよ?」

 

「俺達の先輩ライダーだよ。戦兎さん達と同じだ」

 

晴夜が言うと龍牙は納得した。

 

「鬼みたいのもいるけど……」

 

「俺は鬼じゃねえ!モモタロスだ!」

 

「先輩〜、そんな顔しちゃ逃げちゃうよ〜♪」

 

「なんだと亀公!」

 

イマジン達がいきなり喧嘩を始めた。するとソウゴとはながみんなの方を振り向く。

 

「みんな!力を貸して!」

 

「私、クローバーに見せたい景色があるの!」

 

ソウゴとはなの願いを受け入れたいちかとみらい達がはなの隣に並び、変身アイテムを取り出す。

 

「龍牙!行くぞ!」

 

「はん!上等だ!」

 

「行くぜ、フィリップ。最後の仕事だ」

 

「ああ〜行こうか相棒」

 

「行くよ。みんな!」

 

「「「「おお〜!」」」」

 

「俺もクウガだから戦わせてもらうよ!」

 

更にソウゴの隣にゲイツから晴夜を始め、歴戦の仮面ライダーが並ぶ。

 

「「「「「この世界の!」」」」」

 

「「「夢を!」」」

 

「「「「「「希望を!」」」」」」

 

「「「明るい未来を!」」」

 

「想いを!」

「笑顔を!」

『取り戻してみせる!』

 

仮面ライダーとプリキュア。

とある世界では絶対に交わる事のなかったはずの、全く違うヒーロー達が今、共通の敵を倒す為に、それぞれ覚悟を決めながら立ち並ぶ。

 

「それじゃあ、みんな行こう!」

 

ソウゴの掛け声で全員がベルトと変身アイテムを取り出す。

 

「「「ミライクリスタル!」」」

「「「ハート!キラっと!」」」

「「「は~ぎゅ~!」」」

 

「輝く未来を〜抱き締めて!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

 

はなとさあやとほまれの、みんなの未来を応援するプリキュア、HuGっと!プリキュア。

 

「「「「「「キュアラモード・デコレーション!」」」」」」

「ショートケーキ!元気と!笑顔を!」

「「「「「「レッツ・ら・まぜまぜ!」」」」」」

 

「キュアホイップ!出来上がり!」

「キュアカスタード!出来上がり!」

「キュアジェラート!出来上がり!」

「キュアマカロン!出来上がり!」

「キュアショコラ!出来上がり!」

「キュアパルフェ!出来上がり!」

「「「「「「キラキラ!プリキュアアラモード!」」」」」」

 

アニマルとスイーツの力でみんなの元気と笑顔を作るプリキュア、キラキラ☆プリキュアアラモード。

 

「「ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」

「フェリーチェ・ファンファン・フラワーレ!」

 

「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」

「ふたりの魔法!キュアマジカル!」

「あまねく生命に祝福を!キュアフェリーチェ!」

「「「魔法つかいプリキュア!」」」

 

魔法で奇跡を生み出し、手を繋ぎ合うプリキュア、魔法使いプリキュア!

 

『ジオウ!』

『ゲイツ!』

 

「「変身‼︎」」

 

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』

『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!』

 

ソウゴの全ライダーの力を受け継ぐ仮面ライダージオウ。

遠い未来から過去を変える為に来た仮面ライダーゲイツ。

 

『ラビット!タンク!ベストマッチ!』

『ウェイクアップ!クローズドラゴン!』

『Are you ready?』

 

「「変身!」」

 

『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!』

『Wake up burning!Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!』

 

晴夜は科学の力の仮面ライダービルド、龍牙はドラゴンがモチーフな仮面ライダークローズとなった。

 

『サイクロン!』

『ジョーカー!』

 

「「変身!」」

 

『サイクロン!ジョーカー!』

 

翔太郎とフィリップ、二人で一人の仮面ライダーWへと変身した。

 

「「変身!」」

 

良太郎とイマジンズは電王ベルトにパスを当てると五人の体を纏う。

 

『ライナー フォーム』

『ソード フォーム』

『ロッド フォーム』

『アックス フォーム』

『ガン フォーム』

 

良太郎とイマジンズは五つのフォームの電王へと変身した。

 

「変身」

 

雄介は自身の体に赤いボディアーマーを纏い、クウガに変身した。

 

ジオウ、ゲイツ、ビルド、クローズ、W、電王、そして、最初のライダーであるクウガへと変身した。

今ここに、十三人のプリキュアと十二人の仮面ライダーが揃った。

 

「祝え!今まさに歴史を名を残したレジェンド達と我が魔王との夢のコラボレーション!」

 

そこにいつも祝いの言葉を言いに、ウォズが現れた。

 

「あんなのいつもやってるのか?」

 

「まあね〜♪でも、なんか、ここにいるみんなとなら絶対にいける気がする‼︎」

 

「そうだな。さぁ、実験を始めようか!」

 

「みんな行くよ!」

 

アナザークウガ鬼火が生み出した敵に向かって、全員が走っていく。

 

「クローバーのお陰で、みんなプリキュアと仮面ライダーになれたで!」

 

はぐたんの持つミラクルクローバーライトが光ると同時に、ハリーとぺコリンにもミラクルクローバーライトが現れる。

 

「ライトを振って応援や!フレー!フレー!プリキュア!ライダー!」

 

「頑張ってペコー!」

 

ハリー・はぐたん・ぺコリンがミラクルクローバーライトを振って応援する。

 

 

まずは電王チームと魔法使いプリキュアが大量のNEWモールイマジン達を応戦する。

 

「行くぜ!行くぜ!」

 

「えぃ!よっしょ!」

 

「ふっ!はっ!やあっ!」

 

「はあっ!」

 

向かって来るNEWモールイマジンをミラクルがパンチやキックを叩き込み、電王・ソードフォームとライナーフォームがデンガッシャーを振り回し。フェリーチェがNEWモールイマジンのパンチを左手で抑え、そのまま掴んで投げ飛ばし、応戦している。しかし……

 

「おまえ倒すけど、いいよね? 答えは聞いてない!」

 

「俺の強さに、おまえが泣いた!」

 

いつもの台詞を言いながら無邪気に踊っているように拳銃を振り回していたり、なぜか怪人相手に真剣に相撲を取っていたりしていた。

 

「危ない!」

 

敵の攻撃を受けたマジカルを電王・ロッドフォームは片腕でキャッチする。

 

「大丈夫? ……おや? なんだか君とは初めて会った気がしないね。もしかしたら、前世で会っているんじゃないのかな?」

 

「へ…?」

 

「もし、そうだとしたら、僕たちは運命の赤い糸で結ばれているということだよね?

どうだい? 僕に、ツ、ラ、れ、て、み、な、い 〜 ?」

 

ウラタロスは途端に甘い言葉でマジカルを誘惑し始める。

 

「え、ええ……ええええええ〜っ⁉︎ あ、あああの、私、私、ミラクル達を助けに行ってきますから!また今度ぉぉぉっっ‼︎」

 

マジカルは顔真っ赤になり、頭から蒸気を噴出してウラタロスの腕から離れると、猛ダッシュで逃げ出した。

 

「ツレないなぁ〜」

 

「亀公! てめぇ、なにナンパしてんじゃねぇっ! とっとと行くぞ!」

 

「先輩、そう大声出さなくたって聞こえてるって」

 

「二人ともそう言うの後でみんな一緒に行こう」

 

面白おかしく戦う電王チームと魔法使いプリキュアのメンバーだった。

 

 

その一方、Wとキラキラ☆プリキュアアラモードが大量のマスカレードドーパントを相手していた。

 

「はぁ!やぁ!オラァァァァァ!」

 

「やっ!はっ!たあっ!」

 

「やああああぁぁぁっ!」

 

「うりゃりゃりゃりゃあっ!」

 

Wとホイップ達は格闘戦でマスカレードドーパントに応戦し、キックやパンチを繰り返し続けた。

 

「にゃ~お」

 

マカロンはドーパントこら放たれた砲撃を避けながら、自滅を誘いながら着地した。

 

「ふっ!ふっ!はっ!たあっ!ショコラ・アロマーゼ!」

 

ショコラはマスカレードドーパントを蹴飛ばして、ショコラ・アロマーゼを放つ。

 

「やあっ!」

 

パルフェが上空からレインボーリボンを伸ばし、地上の小鬼火の軍団に巻き付けて振り上げて倒していくが、やはり数が多い。

 

『翔太郎!僕が行くよ!』

 

「なら、頼むぜ!」

 

一度二人が変身解除すると、フィリップはサイクロンメモリーを外し、何処からともなくやって来た恐竜をモチーフにしたガジェットのようなメモリ、ファングメモリが手に置かれる。

 

『ファング!』

 

「「変身!」」

 

『ファング!ジョーカー!』

 

「今度はフィリップさんの方が変身した!」

 

「中々いい格好だね」

 

そしてファングメモリをドライバーに差し込み、ファングジョーカーとなる。闘争心を剥き出しにした野獣のような戦い方を始めると、ファングメモリのレバーを一回下ろす。

 

『アームファング!』

 

すると腕の部分から、刃のようなものが現れた。

そのまま刃が生えた腕を使い、襲ってくるマスカレードドーパント達を切り裂く。すると、今度は二回下ろす。

 

『ショルダーファング!』

 

今度は肩から現れ、それを取りブーメランのように投げつけ、それに当たった敵は爆発し倒されていった。そして最後に、ファングメモリのレバーを三回押す。

 

『ファング!マキシマムドライブ!』

 

ファングサイドの脚に『マキシマムセイバー』を出現させた。

 

「『ファングストライザー!』」

 

ジャンプして回転蹴りをかまし、恐竜の頭部のようなオーラが現れ、マスカレードドーパントにF字の残光が浮かぶ。

 

 

ビルドとクローズは、ドリルクラッシャーとビートクローザーを振り回し、襲いかかるスマッシュとガーディアンを破壊していくと武器を一度捨て、同時にドライバーのレバーを回す。

 

『Ready go!』

 

放物線がスマッシュ達を拘束し、ビルドとクローズが高く飛びライダーキックを構える。

 

『ボルテックフィニッシュ!』

『ドラゴニックフィニッシュ!』

 

「はああああぁぁぁっ!」

「オリャぁぁぁぁぁっ!」

 

ビルドとクローズがダブルキックを繰り出し、スマッシュに命中させ爆発させる。しかし、それでもまだ数が多い。

ビルドはスパークリングを取り出し、ビルドはドライバーにスパークリングを差し込む。

 

『ラビットタンクスパークリング!』

 

レバーを回し、ビルドのライダーズクレスト型のスナップライドビルダーが出現すると、アーマーが形成された。

 

『Are you ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

『シュワッと弾ける!ラビットタンクスパークリング!イエイ!イェーイ!』

 

ラビットタンクスパークリングへとフォームチェンジすると、圧倒的なスピードでスマッシュとガーディアンの群れに飛び込み、両腕の大型のエネルギー斬撃を繰り出し全て破壊した。

 

 

エール達三人とジオウとゲイツは、襲いかかる複数の敵に応戦する。

 

「フレ!フレ!ハートフェザー!」

 

アンジュがハートフェザーでジオウ達を守る。

 

「ジオウ!ライダーの力を見せてやるぞ!」

 

「ああ!」

 

ジオウとゲイツはオーズとエグゼイドのウォッチを取り出す。

 

『オーズ!』

『エグゼイド!』

 

起動させたウォッチをドライバーへと装填し、ドライバーを回す。

 

『アーマータイム!タカ!トラ!バッタ!オーズ!』

『アーマータイム!レベルアップ!エ・グ・ゼ・イー・ド! 』

 

ジオウはオーズアーマーに、ゲイツはエグゼイドアーマーを装備した。

ジオウ・オーズアーマーのクローが屑ヤミー達に攻め込む。

 

『フィニッシュタイム!オーズ!』

 

二つのウォッチを起動させ、ドライバーを回転させる。

 

『スキャニングタイムブレーク!』

 

「せいやぁぁぁーっ!」

 

空中に飛び、3つのメダル状のエネルギーを出現させ、それらをキックで通過し完成させるとともに爆散させる。

ゲイツもエグゼイドアーマーでアクロバティックな攻撃と腕のガッシャコンブレイカーブレイカーでバグスターウィルスを圧倒する。

 

『フィニッシュタイム!エグゼイド!』

 

ロックをまたも解除し、ドライバーを回す。

 

『クリティカルタイムバースト!』

 

“クリティカルタイムバースト”の文字を叩いて宙へを上ると、ゲイツはさらに地面を叩き、衝撃波でバグスターウィルスを宙へと上げる。

 

「エトワール!」

 

「フレフレ!ハート・スター!」

 

その隙にエトワールがハート・スターを放ち、バグスターウィルスを消滅させた。

すると、今度はインベスとグールが向かってきた。

 

「次はこれだ!」

 

それを見て、二人は別のウォッチを取り出す。

 

『鎧武!』

『ウィザード!』

 

ウォッチを取り替え、再びドライバーを回す。

 

『アーマータイム!ソイヤッ!鎧武!』

『アーマータイム!プリーズ!ウィ・ザード!』

 

ジオウが鎧武アーマー、ゲイツがウィザードアーマーを装着し、インベスとグールに応戦する。

 

「ソウゴ!退いて!」

 

エールに言われ、ジオウが離れる。

 

「フレフレ!ハート!フォ~ユ~!!」

 

ハート型の光線、ハートフォーユーを放ちインベス達の動き止める。その隙にドライバーを回転させる。

 

『フィニッシュタイム!』

『スカッシュタイムブレーク!』

 

オレンジ型のエネルギーに包み、拘束すると二本の橙々丸Zでインベスを撃破した。

 

『ストライクタイムバースト!』

 

ゲイツは右足を巨大化させたライダーキックを炸裂させてグール達を撃破し、こちらも一通り倒すことが出来た。

そして、クウガがグロンギの一団に向かっていく。

 

「はぁ!たぁ!」

 

得意の格闘術を使いグロンギ達を圧倒する。

 

「オリャャャャャ!」

 

次に繰り出すパンチがグロンギを吹き飛ばした。だが、それでもすぐに起き上がった。

 

「なら、超変身!」

 

クウガはアーマーの色を青く変色させたドラゴンフォームとなり、ドラゴンロッドと中国武術の型を応用した戦闘スタイルで敵を寄せ付けないようにする。

鈴の様な音を鳴らしながらグロンギ達を薙ぎ払うと、そのまま一度距離を取る。

 

「超変身!」

 

今度は緑色のボディを持つペガサスフォームとなり、専用武器・ペガサスボウガンのスロットルを引く。

 

「はぁ!」

 

封印エネルギーを込めた空気弾を放ち、グロンギを怯ませた。

 

「超変身!」

 

次は紫がメインカラーでパワー型のタイタンフォームとなり、巨大なロングブレード・タイタンソードを手に持ち、思い切り振り抜いて周りの敵を一撃で切り裂いた。

十三人のプリキュアと十二人の仮面ライダーにより、全ての敵は倒された。

 

「これで全部だね!」

 

「後はお前だけだ!」

 

「いいだろう!全員この俺が倒してやる!イヤァッ!」

 

アナザークウガ鬼火が両腕を地面に叩き付けて地割れを起こし、割れた地面から炎を噴出させる。

 

「翔太郎!エクストリームで行こう!」

 

『あぁ!』

 

Wは再びサイクロンジョーカーへと戻るとエクストリームメモリがフィリップを吸収し、そのままダブルドライバーに差し込まれた。

 

『エクストリーム!』

 

ダブルの身体の真ん中が開くかのように新たなフォーム、サイクロンジョーカーエクストリームへと変わった。

 

「「プリズムビッカー!」」

 

すると体の中央のクリスタルの様に透き通る部分「クリスタルサーバー」から、専用の武器・プリズムビッカーが現れた。

 

『プリズム!』

 

プリズムメモリを差し込むと、四つのメモリーを差し込む。

 

『CYCLONE!JOKER!HEAT!LUNA!マキシマムドライブ!』

 

するとプリズムビッカーの剣からエネルギーが溜まる。

 

「「ビッカーチャージブレイク!」」

 

引き抜いたプリズムソードに四色のエネルギーを纏わせ、アナザークウガ鬼火を斬り払う。

 

「みんな!集まって!てんこ盛り行くよ!」

 

「よ〜し、本家クライマックスと行くか!」

「仕方ないねぇ」

「やっぱ締めはあれやな〜!」

「やった!てんこ盛り!」

 

電王・ライナーフォームがケータロスを外し、ボタンを押し始める。

 

『モモ!ウラ!キン!リュウ!』

 

四つのボタンを押し終えると、再びベルトに取り付ける。

 

『クライマックス フォーム!』

 

四つの電王のフォームがライナーフォームの方へと集まる。

そのまま複眼が変わり身体にソード、ロッド、アックス、ガンと四つの顔が装備された。

 

「ワーイワーイ!久しぶり!でもやっぱり気持ち悪い!」

「うるせえ!一発で行くぜ!」

「よっしゃ!」

「いつでもいいよ」

 

クライマックスフォームになった電王は、デンガッシャーを手に持ちエネルギーを溜めていく。

 

「決めてやるぜ、必殺……俺達の必殺技!クライマックスバージョン!」

 

電王CMも高く飛び上がり、デンガッシャーでアナザークウガ鬼火に切りかかった。

 

「行くぞ!龍牙!」

 

「おぉ!」

 

『グレート!オールイェイ!ジーニアス!』

『ボトルバーン!クローズマグマ!』

 

ジーニアスボトルとマグマナックルをドライバーに差すと、プラントライドビルダーGNとマグマライドビルダーが出現した。

 

『Are you ready?』

 

『完全無欠のボトルヤロー!ビルドジーニアス!スゲーイ!モノスゲーイ!』

『極熱筋肉!クローズマグマ!アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

ビルドの体に60本のボトルが装填され、ビルドジーニアス。クローズはヴァリアブルマグマを頭上からぶちまけ、クローズマグマへと変身する。

 

『ワンサイド!逆サイド!オールサイド!』

『Ready go!』

『ジーニアスフィニッシュ!』

『ボルケニックフィニッシュ!』

 

今度は二人同時にライダーパンチを放ちアナザークウガ鬼火を吹き飛ばした。

 

「ゲイツ!」

 

「あぁ!」

 

『ディディディ・ディケイド!』

 

ジオウはディケイドウォッチを起動させ、ドライバーへと装填すると、カード型エネルギーが身体に重なる。

 

『アーマータイム! カメンライド!ワーオ! ディケイド!ディケイド!ディーケーイードー! 』

『ライドヘイセイバー!』

 

ディケイドアーマーを装着し、ライドヘイセイバーを出現させた。ゲイツはジカンザックスにゲイツウォッチを装填、ジオウはライドヘイセイバーにディケイドウォッチを装着した。

 

『『フィニッシュタイム!』』

 

ジカンザックスを弓モードとし、ライドヘイセイバーの時計の針を三周回し、回し終わるとジオウとゲイツは構える。

 

『ギリギリシュート!』

『ヘイ、カメーンライダーズ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘヘヘイ!セイ!』

『ディディディディケイド!平成ライダーズアルティメットタイムブレーク!』

 

「おりゃぁぁぁぁー‼︎」

 

ゲイツがジカンザックスを放つと、ジオウが追い討ちを駆け寄るようにライドヘイセイバーで決めにかかる。

 

「超変身!」

 

続いてクウガは、さっきまで赤だった装甲を全て黒く変色させ、両足にエネルギーを溜め始める。

 

「オリャャャャャ!」

 

そのまま高く飛び上がり、アメイジングマイティキックを繰り出した。

 

「そんな攻撃が効くか!」

 

しかし仮面ライダー達の攻撃を受けても尚、アナザークウガ鬼火はまた巨大な衝撃波を放ち、全員を怯ませる。

 

「俺に敵うわけないんだ!」

 

アナザークウガ鬼火がさらに火炎を撒き散らす。

 

「マジかよ……このままじゃ……」

 

「いいや!まだ、終わっていない!」

 

ビルドは諦めず立ち上がり、ビルドはロイヤルとシャドウの2本のボトルを取り出す。

 

『ロイヤル!シャドウ!ベストマッチ!』

 

ボトルから『R/S』と重なり浮かび上がるとドライバーのレバーを回し、ライドビルダーから白のアーマーと黒いアーマーが前後から出現した。

 

『Are you ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

『光と闇は一つとなり!真の力へ! マジェスティロード!イェイ!イェーイ!』

 

形跡されたアーマーが重なり、ビルドの体に装着され煙が吹き上げる。

 

「勝利の法則は決まった!」

『フルボトルブレード!』

 

光と闇の晴夜だけのフォーム、マジェスティロードフォームへとなると、自身の手にフルボトルブレードを持つ。

そのままアナザークウガ鬼火の攻撃を避け続け、フルボトルブレードに斬りかかる。

 

「凄え〜晴夜!」

 

「我が魔王。私が渡したウォッチの力を今こそ……」

 

ジオウがマジェスティビルドに感激してると、後ろからウォズが現れた。

 

「ん? あ、これ?」

 

あの時、ウォズに渡されたウォッチを取り出すと、ジオウはそれを起動させる。

 

『ミステリージオウ!』

 

すると後ろに翼があり、その手に二本剣を持ったアーマーが現れ、ドライバーを回転させる。

 

『アーマータイム!』

 

そのままジオウは、後ろに出現したアーマーをその身に纏った。

 

『歴史の全てを知る王〜!仮面ライダージオウミステリ〜〜!フ・レ・ア〜!』

 

ジオウが纏ったピンクゴールドのアーマーの後ろには、機械仕掛けの翼『ミステリアスウィング』があり、その手には二本の剣『フレアドラゴンバスター』を持っていた。

 

「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来を知らしめる時の王者!

その名も仮面ライダージオウミステリーフレアフォーム!まさに歴史の全てを知る瞬間である!」

 

ジオウはウォズが言うにミステリーフレアフォームと名付けらたアーマーを装着すると、今の自分の姿を見渡す。

 

「凄ぇ〜!なんかいける気がする!」

 

ジオウは背中の翼で高く飛び上がり、ビルドの隣へと並ぶ。

 

「ソウゴ」

 

「晴夜、クローバーの夢を叶えよう!」

 

「ああ!」

 

「貴様ら……!」

 

アナザークウガ鬼火はドス黒い炎を二人に向けて放った。しかし、次の瞬間――

 

「はぁ!」

 

ジオウがフレアドラゴンバスターを向けると()()()()()

 

「なっ⁉︎」

 

「残念だが、ジオウミステリーフレアフォームは、全ての攻撃を未来へと飛ばすことが出来るのだよ」

 

このジオウのアーマーは、攻撃を全て未来へと飛ばす能力を持っていた。それによりアナザークウガ鬼火の攻撃を未来へと飛ばし、既に終わらせたという。

 

『ラビット!フルボトルスラッシュ!』

 

その隙にラビットボトルの力を加えたフルボトルブレードをアナザークウガ鬼火へと放つと、二人は同時に向かっていく。

 

「オリャャ!」

「ハァァァァァ!」

 

二人の持つ剣がアナザークウガ鬼火にダメージを与えた。

 

「馬鹿な!こんなことが!俺は……この世界の全ての闇を覆い尽くし、最強の闇となる……!

なのに…!何でプリキュアとライダーにここまで……!」

 

アナザークウガ鬼火は、自身の身体に刻まれた無数の斬傷を見ながら、何故ここまで追い詰められているのだと叫ぶと、ジオウはそれに答える様に口を開く。

 

「最強の闇になる?何言ってるんだ?」

 

「あなたじゃ無理だよ」

 

ジオウがそう言うと、ミラクルもそれに続く。

 

「この世の中にはな、てめぇ以上の闇を持った存在がいるんだよ」

 

「あの時に比べれば、どうって事無いよ!」

 

W(翔太郎)はかつて戦ってきた敵を思い出しながらそう語ると、ホイップも強敵と戦ったその時の事を思い出しながら叫ぶ。

 

「それ比べたら、全然問題ねぇよ!」

 

「晴夜の言う通りだぜ!プロトジコチューやエボルトに比べりゃ、お前なんて大したことねえんだよ!」

 

ビルドとクローズも、プロトジコチューとエボルトと比べたら、アナザークウガ鬼火なんて屁じゃないと叫んだ。

 

「こんなんじゃ!俺のクライマックスが盛り上がらねえんだよ!」

 

モモタロスはこの程度の事じゃ、クライマックスは盛り上がらないと言い。

 

「そして、もしそれが最強の闇だとしても、俺ならその力でみんなの笑顔を守る!」

 

そしてクウガは、例えどんなに強い敵でも、誰かの笑顔を守る為なら、自分は戦い続けられると語る。

 

「例えどんな目に遭っても!」

 

「どんな困難にぶち当たっても!」

 

「絶対…!絶対……!ぜーったいに………っ!」

 

「「「諦めない!」」」

 

ホイップが、ミラクルが、エールが、ここに居る全員が決意を決めた表情で叫ぶ。

そこへはぐたん達がミラクルクローバーライトを振る。

 

「フレフレ!プリキュア!ライダー!」

 

「頑張るペコー!」

 

ハリー達の応援に反応するかのようにミラクルクローバーライトが更に光り出し、光に包まれたエール達が宙に浮かぶ。

 

「この光は……!」

 

「暖かい……っ!みんな!手を繋ごう!」

 

ホイップの掛け声と共に、プリキュア達が手を繋ぐ。

 

「ねえ、今からみんなで、絶対に破らない約束をしない?私達は、全ての世界の笑顔を守る!」

 

「うん!色んなスイーツを作って、キラキラルでみんなをいっぱいの笑顔にする!」

 

「みんなを応援して、未来の笑顔を守る!」

 

「「「それが!」」」

 

『私達の約束!』

 

エール達プリキュアは、例えどんなことがあっても、絶対に破る事の出来ない約束を交わす。

 

「俺達も、その約束を守る!」

 

「ああ!一緒に笑顔を作って守ろうぜ!」

 

「俺もだぜ!」

 

「あぁ!乗ったぜ!」

 

「みんなで、みんなの笑顔を守ろう!」

 

そのプリキュア達の約束に、仮面ライダー達も誓う。

 

「黙れ!」

 

アナザークウガ鬼火が口から光線を放って直撃させるが、いつの間にか展開された球状のバリアが光線を防いだ。

 

「何だ……⁉︎」

 

ミラクルクローバーライトの力が、プリキュア達とライダー達に集まる。

 

「凄い、力がどんどん溢れて来る……」

「今なら、何でも出来ちゃいそうだよ……!」

「ありがとう。みんなの全力の応援、しっかり受け止めたよ!」

 

「くたばれプリキュア!ライダー!」

 

何かを放とうとしたプリキュアに対抗するため、アナザークウガ鬼火が口から巨大光線を放つ。

 

『プリキュア!クローバーフォーメーション!』

 

プリキュア達の前にクローバー状のエネルギーが作り出され、それを敵に向けて飛ばすクローバーフォーメーションを放つ。

クローバーフォーメーションと巨大光線がぶつかり合い、押され気味になる。

 

「仮面ライダー……プリキュア共……ッ!」

 

『プリズム!マキシマムドライブ!エクストリーム!マキシマムドライブ!』

 

そこへWが現れ、プリズムメモリをスロットに差し込み、エクストリームメモリを再度開閉すると高く飛び上がっていった。

 

「「ダブルプリズムエクストリーム!」」

 

連続のキックの連打をアナザークウガ鬼火に繰り出した。

 

「決めてやるぜ!」

 

『CHARGE AND UP!』

 

電王がパスをかざすと三つの仮面が足へと移動し、電王が高く飛び上がる。

 

「デリャァァァァァァァァ!」

 

電王CMのボイスターズキックをアナザークウガ鬼火の左側から放つ。

そこへアナザークウガ鬼火の上に、ゲイツとクローズが飛び上がった。

 

「晴夜、ばっかにいい格好させるかよ!」

 

「俺達がお前を倒す!」

 

二人がドライバーを操作し、足に力を溜める。

 

『ボルケニックアタック!』

『タイムバースト!』

 

「「はぁぁぁぁぁぁ‼︎」」

 

頭上からゲイツとクローズのライダーキックを繰り出す。

そして、正面からジオウとビルド現れた。

 

「究極の闇よ。もう一度力を! はぁッ!」

 

更にクウガは自身の黒いボディに金色のラインによる縁取りが施された、究極の闇の変身、アルティメットクウガへと変わった。

 

「はぁ!」

 

再びクウガが両足にエネルギーを溜め、走り出し高く飛び上がった。

 

「オリャャャャャ!」

 

アルティメットクウガの必殺キック、アルティメットキックをアナザークウガ鬼火の後ろから放つ。

 

『Ready go!』

 

そこへ黒の白の放物線と数式、キックと書かれた文字がアナザークウガ鬼火を拘束した。

 

『マジェスティフィニッシュ!』

『ジオウミステリ〜〜タイムブレーク!』

 

「「「はぁ〜……はぁぁぁぁぁぁぁぁッッ‼︎」」」

 

七人のライダーキックが衝突し、アナザークウガ鬼火から放たれた光線は消え、そのまま押し込まれていく。

 

「まだだ!俺の計画は――うわぁぁぁぁぁぁ!」

 

そのまま全員の攻撃が貫かれた事でアナザークウガ鬼火は消滅し、アナザークウガウォッチは破壊され、ティードも爆風の中へと飲み込まれた。

 

「――まだだ……まだ、戦える……っ」

 

爆風が晴れると、そこへ鬼火がさっきの影響で小さくなったもののまだ健在だった。

 

「もういいんだよ」

 

そんな鬼火の背後からクローバーの声が聞こえると、クローバーが現れて鬼火の真下に両手を近づける。

 

「心に闇を広げないで、誰かの優しさに触れてご覧」

 

「優しさ……だと……?」

 

「そう。僕にははなとソウゴが―――君には、僕がいる」

 

「私達も、全力で応援する!」

 

現れたエールがクローバーの肩に手を当てて伝え、ホイップ達も後ろで見届ける。

 

「フレフレ、闇の鬼火さん」

 

「いつか、また会おう。今度は復讐なんかじゃない。優しいお前に」

 

「――行こう。君が僕にしてくれたように、今度は、僕が君と一緒にいるよ」

 

鬼火の目から一粒の涙が零れるのと同時に、鬼火の炎が金色に光り出す。

 

一筋の金色の光が上空で弾けるのと同時に、クローバーの入ったエネルギーが降り注ぎ。空が元に戻り、荒れ地になっていた花畑も、石になった場所や人も元に戻った。

 

「――はな、ソウゴ、君達の言う通りだ。

世界はとても優しいんだね。そして、こんなに美しい。ありがとう」

 

二人にお礼を言った直後、クローバーは消滅した。

 

「クローバー!」

 

『クローバーの花が散って、風に種を飛ばすように、僕の世界は広がって行く。

だからいつか、僕もどこかの野の花になって、君に、会いに行くよ』

 

「うん……!」

 

エールが頷き、小指を前に出す。

 

「約束――」

 

『――約束』

 

そして彼女は、クローバーの幻影と指切りを交わすと、クローバーが口元に笑みを浮かべた直後、その幻影も消滅した。

エールははぐたんを両手で抱え、無邪気に笑うはぐたんを見て目に涙を流す。

 

「はな」

 

ソウゴとゲイツ、アンジュとエトワールが現れてはぐたんを見て、ハリーもツクヨミの肩に乗って見る。

笑い続けるはぐたんを見てエール達も微笑み、既に変身を解いてた晴夜達が後ろから見る。

 

「そうだ!みんなで一緒に、はぐたんのお花畑デビューしませんか?」

 

エールがそう尋ねると、いちか達が駆け寄り、エール達も変身を解いた。

 

 

 

 

「――ねえ君、そこで何しているの?」

 

僕が枯れ木を背にして一人でいると、目の前に見知らぬ男性が現れていた。

 

「……君には、関係ないことだろ…」

 

「そんなことないよ!だってこんな所で座っていたら風邪をひいちゃうだろ?お家は何処だい?」

 

「……そんなの、僕には無いよ」

 

「…………そっか」

 

目の前で立っている男性に冷たく接していると、どういう訳かその人は僕の隣に座ってきたのだ。

 

「……何してるの」

 

「ん?……いや、二人で座っていれば少しは暖かくなるかな~って思ったから座ったんだけど、大丈夫だった?」

 

「……勝手にして」

 

「うん、わかった、勝手にする」

 

男性はそれだけ言うと、足下にある雪を手に取って丸く固めていき、雪玉を三つ程作るとジャグリングをし始めた。

 

「あんたこそ、ここで何をしているの?」

 

「…えっ?俺?

……いや~、実はさ、ある遺跡に行ったときに怪しい男を見つけてさ、その人に何をしているんだって聞こうとしたらね?気づいたら突然、真っ暗いところに閉じ込められちゃってさ。

それで俺、出口が何処か無いかと探してたら、なんか目の前に棺桶があってね!何かな~って近づいた時に、足下になんかのバックルの様なものを見つけて――」

 

彼の長い話を要約すると、そのバックルの様なものを腰につけてみるとバックルが腰に吸収されて、そのあと彼の頭に何か別の記憶が流れ込んだというものだったらしい。

そして、試しに頭の中から見えた記憶通りに色々やっていると、彼の体に白いアーマーの様なものが纏われていったらしい。

 

「――それでね、その後気付いたらまた場所が変わったんだよ。そこじゃあ、なんか沢山の人が怪物に襲われてて。俺、無我夢中になってその人達を助けていたら、今度は体が赤くなったんだよ!そしたらその人たちが、俺を見てこう言ったんだ……

『仮面ライダークウガだ!』……って」

 

そして彼は、その赤いアーマーを纏って怪人たちと戦って人々を守った後、突如目の前に大きな扉が現れ、気になった男性がその扉を潜ると、今度は此処――僕の居る世界に来たと語った。

 

「…いや~、それにしても何だったんだろうね、あの扉。未だにどういうやつなのか分からないし……」

 

「……多分それ、時の扉だよ」

 

「……え?君、知ってるの?」

 

「………まあ」

 

「じゃあさあ、教えてよ!あの扉について!」

 

「……」

 

あの扉を出現させる方法を知りたがっている男性に教えるように、僕はすぐ傍の湖を指さす。

 

「……湖に向かって、会いたい人の事を強く思うんだ」

 

「なるほど!すごく簡単じゃん!それじゃあ早速…ムムム~」

 

そうやって男性は何かを祈る。

…しかし、どういう訳か何も出て来なかった。

 

「……あれ?おかしいな?想いが足りないのかな…?よし、もう一回―――」

 

男性はそうやってもう一回祈るが、扉が出てくる気配すらなかった。

 

「う~ん…やっぱり出てこないな~………ねぇ、これで本当に合ってる?」

 

「……少なくとも、あの時は出たよ」

 

小首をかしげている男性に、はなと出会った時の事を引き合いに出しながら語ると、その男性は僕の話に興味があるのか、また隣に座ってきた。

 

「君はさ、あの女の子にまた会いたいって思ってるの?」

 

「……別に。それにどうせ嘘だし、あの後結局来なかったし……」

 

そういって僕は、何日たっても、何か月たっても、何年たっても彼女が会いに来なかった事を思い出す。

すると男性は難しそうな表情を浮かべると、その後に「それはないんじゃないかな?」と呟いた。

 

「たぶんその子、あの扉が見つからなかっただけじゃ無いかな?さっき俺が祈っても扉が出てこなかったのもあるし、もしかしたらそれと同じ事があったんだよ!」

 

「……さあ。それはどうかな」

 

「それに約束したんだろ?また会いにいくって」

 

「………」

 

「確かに、今はまだ来ないけれど、いつかは君に会いに来てくれるんじゃないかな?」

 

「……そんな事。あるわけないよ」

 

「だけど俺は信じるよ。あの子が約束を破りたくて破って、此処に来なかったわけじゃないって」

 

「……信じる」

 

男性の言葉に、心のどこかで安心と希望を持つと、男性の目の前にクローバーの紋様が描かれた扉が出現した。

 

「おっ!扉が出てきた!よし、これで帰れるぞ!」

 

「そう、よかったね」

 

「……ねぇ君、此処から出たいと思ったことない?」

 

「えっ?」

 

「この機会に、あの子に直接会いに行ってみるのも良いんじゃ無いかな?そしたら、あの子の『また会う』っていう約束も果たせるわけだし」

 

「………やめとくよ。それに僕は、この炎から離れられないんだ。離れると消えちゃうって、炎が言うから」

 

僕がそういうと同時に、僕の隣に黒く燃えさかる鬼火が出現した。

 

「だから僕は、此処から離れて遠くに行ったことが無いんだ。たとえその扉を潜ったとしても、この火から離れた僕は消えてしまう」

 

「………」

 

「だから、君一人で行って」

 

そう言う僕を見て男性は何処か辛そうな表情を浮かべるが、僕と言う人の命がかかっている為か、今度は残念そうな表情を浮かべた。

 

「…………そうか、わかった。

でももし、遠くに行きたいって思ったら、遠くに行けるようになったら、俺も一緒に行って良いかな?」

 

「……好きにして」

 

「わかった、好きにするよ……あっ、そうだ。まだ自己紹介して無かったよね?

――俺の名前は五代雄介、2000の技を持つ者。君の名は?」

 

「……クローバー」

 

「そうか。それじゃあクローバー、()()()()()()

 

…ああ、また約束か。どうせ守れるわけないのに。

 

――ねえ君、此処から出たいと思ったことない?

 

でももういいんだ。約束を破られるのは慣れてるから……

 

――この機会に、あの子に直接会いに行ってみるのも良いんじゃ無いかな?

 

その男性…雄介は扉に近づくと、その扉を開けて此処から去ろうとする。

 

――だけど俺は信じるよ。あの子が約束を破って此処に来なかったわけじゃないって。

――でももし、遠くに行きたいって思ったら、遠くに行けるようになったら、俺も一緒に行って良いかな?

 

……

 

その時僕は、どういう訳か鬼火から離れて、雄介と共に扉の中に入っていた。

後ろから鬼火が焦った様な声を上げるが、僕はそれを無視して目の前で目を大きくして驚いている雄介の顔を見る。

 

「――ッは!はぁ、はぁ……やぁ、雄介。()()()()()()

 

「っ!?クローバー⁉ 何で⁉ だってさっき、あの火から離れると消えちゃうって――」

 

「――分からない、僕も何でこんなことしたのか……

でも、何だか急にあの子に会いたくなって……

今の行動は、絶対に間違っているはずなのに。もしあのまま、ずっとあの場所に居る位なら。

あの子に、はなに直接会いに行こうとして消えてやるって……思っちゃった」

 

「……」

 

「馬鹿なことをしたと思ってる。

怖くないって言ったら、嘘になる。

僕はきっと、この行動をずっと後悔するかもしれない。

それでも僕は、はなの約束を守りたいって、彼女を信じたいって、一瞬でも思ったから。

……ねえ、雄介。もし僕が消えなかったら、君と一緒に旅していいかな?」

 

「――良いよ、わかった!俺と一緒に、あの子に会いに行こう!」

 

雄介は満面の笑顔でそう言うと、拳を上げて親指を立てた。

 

「…うん!」

 

それにつられて、僕も親指を立てた。

そして、僕たちは扉の先へと向けて歩んでいくのだった。

 

 

 

――あの後、僕は消えることは無かった。

けれど、雄介だけはあの暗闇の世界に戻ってしまい。はなが居ると思われる世界に一人だけで赴いた僕は、鬼火の仲間であるディード達に追われることになった。

そして捕まった僕は、彼によってその時の記憶と、あの日の出来事の記憶を消されてしまった。

 

だけど、あの行動は無駄じゃなかった。

僕があの時、晴夜に会ってなかったら、はなと再開出来てなかったかもしれない。

あの時雄介に会ってなかったら、ソウゴと出会えてなかったかもしれない。

一つでも運命の歯車が狂ったら、あの出来事は無かったかもしれない。

 

僕はそんな事を考えながら、鬼火と共に青空から彼らの様子を見守っていた。

 

みんなはお喋りしながらキラパティに移動した後、キッチンでケーキを作っていた。

はなとソウゴが粉をふるい落とし、リコが魔法で卵を浮かべて割り、あきらの持つボウルに入れる。彼女の魔法を見たフィリップが、凄いと感心しながら卵を片手で割る。

イマジンズがケーキの飾りつけをどうするかで揉め合うのを、ツクヨミが喝を入れて止めたりしてた。

クリームの泡立てはもっと優しくとひまりがゲイツと龍牙に注意し、同じくクリームを泡立てると晴夜とソウゴを見て笑いあった。

 

そして雄介は、「ようやく食べ物にありつけるよ、もう19年ぶりだな~」といって、みんなに心配されたりしてた。

 

――雄介。君があの時来てくれたから、僕は彼らに出会うことが出来た。

――君が居たからこそ、あの時僕は挑戦する勇気を持つことが出来た。

――君が僕に笑いかけてくれたからこそ、はなと笑って約束する事が出来た。

――だから、ありがとう。仮面ライダークウガ。

 

 

 

 

それからしばらくし、みらい達は魔法界へ、いちか達はいちご坂へ、良太郎達はデンライナーで時の中へと帰っていった。

するとふとソウゴは、懐から取り出したジオウミステリーライドウォッチを見つめる。

 

「一度だけのウォッチか……」

 

しかし、ジオウミステリーウォッチはただのブランクウォッチとなっていた。おそらく力を使いすぎた影響だろう。

 

「ソウゴ」

 

「僕達からプレゼントがあるんだ」

 

翔太郎とフィリップ、雄介の三人がソウゴに近づく。

 

「俺からも」

 

三人がソウゴに何かを渡そうとする。

 

「えっ?これ……」

 

三人がソウゴに渡そうとしたのはWとクウガのライドウォッチだった。

 

「でも……」

 

これを渡すことは、三人のライダーとしての力を受け継ぐということである。

 

「僕達が持ってるより、今は君が持っていた方がいいと思うからね」

 

「それに君になら、この力をきっとちゃんと使えると信じているよ」

 

「お前だって仮面ライダーだろ。なら大丈夫だ」

 

「わかった。約束するよ」

 

そしてソウゴは、Wとクウガのウォッチを受け取った。

 

「じゃあね〜」

 

「また、風都に来な。今度は案内してやるぜ」

 

「みんなの笑顔を、君が守り続けるんだよ!」

 

翔太郎とフィリップは風都へ、雄介はまた世界の旅へと足を踏み出し、みんなそれぞれがいるべき所へと向かう。

 

「晴夜!行くの?」

 

「あぁ、そろそろ帰らないいけないから」

 

晴夜も今自分が待っているみんなの元へ帰ろうとする。

 

「ねぇ、晴夜が仮面ライダーになった理由、教えてくれない?」

 

ソウゴが仮面ライダーなった理由を聞こうとすると、晴夜は笑顔で振り返る。

 

「そんなこと決まってんだろ♪ラブ&ピースの為に決まってんでしょ!」

 

晴夜はピースサインを作りながら笑顔で言うと、ソウゴもつられて笑顔になる。

 

「ヘヘっ、なんか晴夜らしい!でも、俺もそんな王様になってみせる!」

 

「王様?変わったな奴だな」

 

「あれ?言ってなかったけ?」

 

「……よし、記憶しておくよ。あ、そうだ。士さんのこと」

 

ソウゴから門矢士がまたこの世界に現れたと聞き、ソウゴに士の事を話す。

 

「あの人はちょっと変わってるけど、そんか悪い人じゃないよ。一緒に戦って俺はそう思うんだ」

 

「そうか】…ねぇ!晴夜!これだけ言わせて!

晴夜は、戦兎と同じ以上に最高の仮面ライダービルドだよ!」

 

「……そう思ってくれてありがとう」

 

ソウゴに別れを告げ、晴夜は龍牙が待っているマシンビルダーの元へと向かう。

 

「いいのかもう?」

 

「あぁ。さぁ、行こうぜ」

 

「おぉ!」

 

ヘルメットを被り、晴夜がマシンビルダーのエンジンを掛け走り出す。

 

「なぁ、お前のパティシエ姿。後でみんなに見せてみるか?」

 

「なっ!それに触れるんじゃねえ!」

 

「バカ揺らすな!折角作ったケーキが……」

 

いつもの痴話喧嘩をしながら、晴夜と龍牙は大貝町へと向かう。

 

「ソウゴ!タイムマジーン直ったよ!」

 

「早く帰るぞ」

 

はなとゲイツの自分を呼ぶ声が聞こえ、ソウゴが振り向く。

 

「今いく!」

 

花畑に停まっている二機のタイムマジーンの下にいる、みんなの所へ走っていく。

 

「それじゃあ、みんな行くよ!」

 

ソウゴ達を乗せたタイムマジーンは浮き上がり、はくぐみ市へと向かって飛び立った。

 

 

 

「かくして、我が魔王はライダーの歴史を守り、新たなライドウォッチを手に入れた。

これで更なる覇道の道を歩みだす。ここから歴史の新たなページが開きます」

 

おわり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――などど、そう思っていた君達の姿はお笑いだったぜ……

 

「まだまだ、まだ終わらない……!」

 

あの攻撃を受けてアナザークウガの力を失ったが、ティードは今もなお生きていた。

 

「今度こそ、俺の計画を……」

 

―――奴らは作られた、想像上の絵空事……現実の存在じゃないんだ。

……それなのに、何故俺は――

 

「残念だけど、君に今度はない」

 

するとそこに、白い服と帽子を被った男が立っていた。

ティードが眉をひそめているのを他所に、男は持っていたノートを開く。

 

「ティード、この場で倒される」

 

そしてノートにそれを書き込むと、突然余命宣告を受けたティードは動揺する。

 

「なんだ、貴様は……」

 

ティードの言葉を無視して懐から何かを取り出すと、腰にその何かを装着する。

 

『ビヨンドライバー!』

 

「⁉︎」

 

その男が持っていたのは、緑色のドライバーだった。

 

『ウォズ!』

 

ソウゴ達が使っているものとは形の違うライドウォッチを持って、そのウォッチのスイッチを押して起動させる。

 

『アクション!』

 

「変身!」

 

『投影!フューチャータイム! スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ! 』

 

ドライバーにウォッチを装填して操作を行うと、男が緑と白がメインカラーの仮面ライダーへと変身した。

 

「か、仮面ライダーだと……」

 

「名は伏せておくよ。君に知られるとクライアス社に見つかり、面倒なことになる」

 

「ふざけるな……」

 

口では強気な口調だが、目の前の男に危機感を覚えたティードは時を止めようとする。

 

「ティードは、既に力を失っていた」

 

「⁉︎」

 

だが、そのノートに書き込まれたことが現実となり、()()()()()()()()()

 

「時間が惜しいので決めさせてもらうよ」

 

『ビヨンド ザ タイム!タイムエクスプロージョン!』

 

白い仮面ライダーはそのまま、強力なキックをティードへ放った。

 

「あぁ……!こんな…こんな所で……いやゃぁぁぁぁぁぁぁ……!」

 

キックをモロに受けたティードは、そのまま息を引き取った。

 

「呆気ない最後だったものだ」

 

呆気ないと目の前にある亡骸に向けてそう見下しながら言い、ノートを閉じた。

 

「さって、この時代にいる我が救世主を探すとしよう」

 

そして白い仮面ライダーは、救世主と呼ぶ誰かを探す為に動き出した。

 


次回!Re.HUGっとジオウ!

 

第15話 謎の訪問者とライダー 2018

 

 




おまけ

さぁ〜て!次回の『Re.HUGっとジオウ!』は〜?

ブロリー「やあ☆ブロリーです。次回から新しいライダーが登場するみたいだなぁ…
出てくるのは白い仮面ライダーと・・・へぁ!?ニンジャ!?ニンジャなゼェ…!!
だが、どんなライダーが出て来たとて、この俺を超えることはできぬゥゥ!!

さて、次回は――

『ドーモ、ジオウ=サン。シノビ、デス』
『この男、ウォズで仮面ライダー』
『バック・トウ・ザ・ゆかりん』

――の三本です・・・」

次回もまた見てね☆ぴかぴかピカリン!ジャンケンポン♪

ピース「はい!私の勝ち!なんで負けたのか、次回のお話までに考えて来てね♪」

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