Re.HUGっとジオウ!   作:yu-ki.S

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――この物語は、一人の少年と、一人の少女が織り成す、波乱に満ちた激動の物語である。
――それでは、ご覧下さい。


第1章『ゲンキなプリキュアとマオウなライダー編』
プロローグ:20XX


今からはるか未来……

その未来では、この世界を支配しようとする組織がいた。

そして、それに立ち向かう者たちがいた。

 

『ぐわぁぁぁぁーーッ!?』

 

しかし、立ち向かおうとした者達は皆、次々に倒れていった。

 

「無駄だ。貴様らでは私を倒すことはできない」

 

立ち向かっていった者達を倒した人物が、そこいた。

その姿は、肩に時計バンドの様な黄金のベルトをかけており。背中には時計の針二本がマントの様に装着。

顔は三つのクロノグラフがついたGショック時計風で、複眼には赤い字で『ライダー』と書かれている他、よく見ると黒い顔には小さい『王』の文字が無数に並んでいるのがわかる。

 

「オーマジオウ……」

 

その中で、立ち向かって行った人々の内の一人の目には、黄金に光り輝くドライバーが腰に装着されている姿が映っていた。

 

「私を倒すのは不可能だ。何故かわかるか?

――私は、『生まれながらの王』である。ふぅん!」

 

その人物は、自らを倒すことは不可能と宣言すると、手から強大すぎる衝撃波が放たれた。

この日を以て、世界から流れる時は完全に止まってしまった。

――最低最悪の魔王……オーマジオウによって。

 

 

 

 

その頃、2018年。

ラヴェニール学園の、とある一学年教室。

 

「時見……時見!」

 

「は、はいッ!」

 

「追試中に寝るとはいい度胸だな!」

 

答案用紙に涎を垂らしそうになっていた、ひとりの男子生徒――時見ソウゴ、ラヴェニール学園の一年生。

彼は現在、一年生最後のテスト――の追試を受けていた。

 

「出来ましたー!」

 

ソウゴはそう言って答案用紙を担当教師に渡し、しばらくして答案が返ってきた。

 

「85点、ギリギリ合格だ」

 

「やったー!」

 

合格点を取り、喜びの声を上げる。

だが彼の追試を担当していた教師は、呆れた表情で痛みを感じる後頭部を掻く。

 

「喜んでる場合か、進級はできるが二年生になって追試なんて許さないよ」

 

「は、はい……頑張ります」

 

つかの間の喜びがあっという間に終わり、遠回しに「一応中学一年生だからとはいえ、勉強はもう少し頑張れよ」と正論を突き付けられたソウゴはペンをしまい、鞄を持って教室を後にしようとする。

教室を出て廊下を歩くと、何かが落ちていることに気づく。

 

「なんだこれ?」

 

それがなんなのかと思いながら、廊下に落ちていた物を拾う。

 

「時計?」

 

落ちていた時計のような形状の物を見て、じっと見つめる。

――その時計のような物は、初めて見たはずなのに、何か知っているような感じがあった。

そこに、ローブを着た一人の男性が通り過ぎる。

 

「それを手にした時、覇道への道が始まる。ただし赤色のロボットに注意するように」

 

「ッ、誰?」

 

いきなり耳元から囁かれて驚きながら背後を見ると、そこにはローブを着た男性――では無く、誰もいない廊下が広がっていた。

 

「…赤いロボット?」

 

幻覚か?と頭を押さえながら、先程耳で捉えた“赤いロボット”という台詞が何かと疑問を持つ。すると、窓の方から機械音のような音が聞こえた。

 

「な、何っ⁉︎」

 

「何の音だろう」と思って横を向いてみると、さっきの囁き声通りに赤いロボットがいきなり窓から現れ。未知のロボとの遭遇と囁き声の予言が当たった事、その二重の意味で驚いた。

 

「見つけたぞ……オーマジオウ!」

 

ロボット内部のコクピットでは、外のソウゴを見てオーマジオウと呼ぶその少年が、横から伸びる二本のコントロールグリップを操縦し襲いかかる。

 

「ええぇ⁉︎ ちょっと何⁉︎」

 

窓ガラスを割って自身を捕まえようとしていると感じたソウゴは急いで廊下を走り、学校の外へと出て赤いロボットから逃げる。

 

「逃がさん!」

 

赤いロボットに乗る少年は、友の仇を取らんと言わんばかりに睨みつけ、必死になって追いかけた。

 

 

一方のソウゴも必死に走って逃げるが、捕まるのは時間の問題だった。

 

「やばいよ、やばいよーー!」

 

「乗って!」

『タイムマジーン!』

 

そんな中、空の方から何者かの声が聞こえると、ソウゴの前に宙に浮くエアバイクの様な乗り物が現れた。

機体の下部にある入り口が開いたので、ソウゴはその乗り物に乗り込み。マシンはそのまま宙へと浮かび上がって、突如現れた六角形のゲートへと突入していった。

 

「はぁ、はぁ。あ、ありがとう……」

 

必死に逃げて息切れしていたが誰が操縦しているか気になった為、息を整えながら顔を上げると、そこで操縦していたのは一人の少女だった。

 

「これ、拾ったらなんか急に……」

 

ソウゴは少女に廊下で拾った黒い時計のような物を取り出して、それを拾ってからあのロボットに襲われ始めたと話す。

 

「それは、貴方にとてつもない力を与える……」

 

少女は黒い時計を握ってるのを見て、そう伝える。

それを聞き、更に詳しい話を聞こうとすると、さっきの赤いロボットが追ってきた。

 

「あ!あの赤いロボット!」

 

「彼は仮面ライダーゲイツ!あなたが力を得る前に倒そうとしているの!」

 

「力……?」

 

さっきから詳しい説明なしに力だの何だのどうのこうの言っているので、未だに事態を呑み込めていないソウゴは正直、彼女が何を言ってるのかわからなかった。

そこへ赤いロボットがこっちに向かって体当たりをし、強引に破壊しようとすると、ソウゴが乗っていた機体はゲートの中から追い出される。

 

 

「痛い〜な!って、ここどこ?」

 

ゲートから出ると、ソウゴはマシンから放り出される。

辺りを見ると先までいた場所と違い、若干雪が積もっていた。

 

「ブヅッ!!」

 

後ろから変な物音と声が聞こえ、振り向くとルーペのような姿をした怪人がいた。

 

「えっ⁉︎ なに、これ⁉︎」

 

ソウゴは怪物を見て急いで起き上がり、逃げようとする。

 

「避けろ!」

 

『ボルテックフィニッシュ!』

『ドラゴニックフィニッシュ!』

 

「えっ?うわぁぁぁぁぁーー!」

 

するといきなり何者かが、後ろから怪物に向かって強烈なキックを繰り出し、怪物――スマッシュを倒した。

 

「お〜い!大丈夫か?」

 

仮面とアーマーを纏った二人がソウゴに近づくと、腰に巻いていたドライバーから何かを抜き取って人の姿になった。

見る限り、二人の年は三つか四つ年上という感じだった。

 

「俺は仮面ライダービルド。桐ヶ谷晴夜だ。それで、こいつは助手の……」

 

「助手じゃねえ!仮面ライダークローズ。上城龍牙だ」

 

「あ、俺は――うっ!」

 

「おい、どうした?――うっ⁉」

 

自己紹介をしようとしていた所で、何かが被弾すると同時にいきなり倒れ出したソウゴを介抱しようと近寄ると、晴夜と名乗った青年も倒れ出す。

 

「お、おい、晴夜!どうした!――あっ!」

 

二人に駆け寄ろうとした龍牙も、同じように倒れ出す。

後ろから先程の少女が現れた。

 

「ごめんなさい、過去への干渉はさせられない」

 

どうやらソウゴらを持っていた銃で撃ち、意識を失わせたようだ。

 

 

 

目が覚めたソウゴは、ひとり廊下に倒れていた。

 

「……夢」

 

周りを見回すと、そこには先程の青年たちの姿もなく。赤いロボットに追われる前に立っていた、元の学園の廊下だった。

余りにも非現実的な体験に、先のは夢だったのかな?と思い込む。

 

「おつかれ、ソウゴ君!」

 

昇降口を出ると、そこには青色の長髪少女――幼馴染である『薬師寺さあや』がいた。

彼は「一緒に帰ろ」と誘う彼女と一緒に自宅への帰路に立つ。

 

「追試どうだった?」

 

「当然、問題なし!」

 

「問題あるよ。追試なんだから」

 

ソウゴはさあやの言葉に返すことが出来なかった。

 

「じゃあ、ソウゴ君。また明日!」

 

「じゃあね!」

 

さあやと別れると、ソウゴがポケットに手を入れる。

 

「ん?なんだこれ……」

 

するとなにかゴツゴツとした感触があり、取り出そうとする。

 

「これ……夢じゃなかった……」

 

ポケットの中にあったのは、あの時廊下で拾った黒い時計――ブランクライドウォッチだった。

 

 

 

 

――2017年。

公園でバスケットの練習をしていた青年がいた。

必死にフリースローの練習をしていると、スローが外れ道路の方へと出てしまう。

青年が道路に出てボールを拾うと、目の前から車が現れ、避ける暇なく轢かれてしまう。青年は間違いなくそう思った……

 

――その時、車が止まって窮地に一生を得た。

 

しかし止まったのは車だけじゃなく、道を歩く周りの人や、風になびく草の動きも止められていた。

何がどうなっているのだとパニックに陥っている青年の前に、チェーンのヘアバンドを額に斜めがけで身に付け、青いジャケットを着た一人の少年が現れた。

 

「君は、ここでプレイヤーの選手生命を失う」

 

すると唐突に、少年が青年に向かって今後どうなるのかを宣告する。

 

「僕はクライアス社のタイムジャッカーチームの一人、ウールって言うんだ。ねぇ、僕と契約しない?」

 

「契約……」

 

「そうすれば、君は最悪の未来から抜け出せるよ?」

 

青年は、未だに混乱から抜け出せていなかったが、不思議と頭は冴えていた。

――もし彼の言ってることが本当なら、自分は一生バスケができなくなる?

そんなの嫌だ!俺は、まだバスケがしたい!

そう思った青年は、目の前に居る悪魔の様な少年の取引に応じる決意を固めてしまった。

 

「―――契約する……」

 

青年の口から契約の完了を確認したウールは起き上がり、時計のようなものを取り出す。

時計から絵柄が浮かびあがった。

 

『ビルド…!』

 

「今日から君が仮面ライダービルドだ。クライアス社の為によろしく」

 

赤と青の怪物の顔が浮かんだ時計…アナザーライドウォッチを片手に、青年に向かってウォッチを埋め込む。

それと同時に、青年の体が変化していく。

青年の姿は、仮面ライダーというには余りにも醜く歪んだ、怪人のような姿へとなり。晴夜が変身した仮面ライダービルドとは、全く異なる姿へと変化していった。

 

――そして、これが長い戦いの始まりとなるだろうと、ウールは楽しそうにほくそ笑んでいた。

 


次回!Re.HUGっとジオウ!

 

第1話 誕生!元気な少女と最高最善の魔王のライダー!2018

 

 




「この本によれば、普通の中学二年生……時見ソウゴ。彼にはオーマジオウという、壮大な姿となるまでの物語と書かれている」
「おっと、自己紹介が遅れました。私の名はウォズ、これから我が魔王が覇道の道を手助ける家臣の一人でございます。以後お見知り置きを」

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