Re.HUGっとジオウ!   作:yu-ki.S

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黒ウォズ「この本によれば、普通の中学生 時見ソウゴ。彼には魔王にして時の王者『オーマジオウ』となる未来が待っている。
しかし、別の時間から現れたアナザーシノビ。そして、もう一人の私、仮面ライダーウォズにより未来が変わろうとしている…
この本にそんな歴史は書いてありません。これは、由々しき自体になりそうです」


第16話 凄い転校生と忍者!2022

オシマイダーとアナザーライダーとの戦いから一夜が明け、ソウゴ達はビューティーハリーを出て、それぞれの自宅へと戻ろうとしていた。

 

「別の未来か〜……」

 

「オーマジオウがゲイツに倒された未来……」

 

そんな中、自宅までの経路を歩きながらソウゴ達は昨日のことが気になっていた。

 

 

 

――遡ること昨日の夜。

突如に現れた白いウォズが変身した仮面ライダーウォズにより、アナザーシノビは倒され、変身解除された。

 

「あ…あぁぁ……」

 

だが倒れた蓮太郎の前にスウォルツが現れた。

 

「やはり現れたな、もう1人のウォズ。お前が求めているのは、この仮面ライダーシノビのウォッチ。そうだな?」

 

「さすがスウォルツ氏だね。察しが早い」

 

「だとしたら、貴様の手には渡さん。ふぅん!」

 

白いウォズが変身したライダーへ向けてそういうと、スウォルツは蓮太郎の体内からアナザーシノビウォッチを取り出した。

 

『シノビ…!』

 

そしてアナザーシノビウォッチを再起動させ、埋め直す。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

蓮太郎はそのままアナザーシノビへと再び変身した。

そしてアナザーシノビは、忍術でその場を撤退する。

 

「ハハハ……逃げられちゃったね。

それではまた早いうちにお会いできることを願っているよ、我が救世主。そして魔王、プリキュアの諸君ともう1人の私もね」

 

仮面ライダーウォズはそのままスウォルツ達のように去っていった。

 

 

 

そして、現在へと至るわけだが…

 

「もしかして……未来が変わろうとしているのかな……」

 

「それって、あのウォズが言ってた。オーマジオウが消えた未来?」

 

ほまれが未来が変わろうとしているのと呟くと、もしかしたらオーマジオウが消えるかもしれないと思う。

 

「待ってよ!それじゃあ、ソウゴ君は……」

 

たださあやの言う通り、その未来にはオーマジオウたるソウゴが存在しない。そう言う事になる。

 

「そうかもね。でも、俺はそうならないと信じてる」

 

「ソウゴ君……」

 

「大丈夫だって!」

 

ソウゴが大丈夫と言うとなんとなく大丈夫だと、みんながそう感じると、ソウゴ達はまた歩き出す。

 

「「じゃあね!」」

 

「また、明日!」

 

そのままソウゴ達ははなの家の前で別れた。

 

「ただいまー!」

 

みんなと別れたはなが野乃家に入るが、家族からの返事がなかった。

 

「あれ?誰もいないの?鍵も掛けないで、ダメだなぁもう」

 

野乃家に入ってそう言いながら靴を脱ごうとすると、いつの間にか母であるすみれが目の前に立っていた。

 

「お帰りなさい」

 

「……?ただいま」

 

「突然なんだけどね、知り合いの娘さんを預かる事になって」

 

「えっ?」

 

何処か違和感を感じたはなだったが、次に語られた言葉を聞いて頭に疑問符を浮かべ。すみれが横に動くと、奥には頭頂部についたシニヨンが特徴的な淡い紫色のロングヘア―を二つ結びにし、肩出しカットソーとショートパンツ、黒のニーハイソックスといった服装を身に着けた少女…クライアス社社員・ルールーがいた。

 

「よろしくお願いします。野乃はなさん」

 

「私の名前……?」

 

「お会いした事、ありますよね」

 

「え……?え、えっと……」

 

はなは当然会うのは初めてだったので、困惑してしまう。

 

「久しぶり!」

 

取り合えずはなは靴を脱ぎ、ルールーに跳びかかるようにして抱き付く。

 

「さん付けじゃなくて、はなでいいよ!はなで!ナイストゥミーチューチュー!」

 

一旦離れてからはなでいいと伝え、もう一度抱き付く。

 

「何ですか、これは?」

 

「えっ?」 

 

「理解不能です」

 

だがルールーに真顔で理解不能と言われ、少しビックリした。

 

「部屋は、はなの隣よ」

 

横からすみれがルールーの部屋は、はなの隣の部屋だと伝える。

 

 

「ダメだ……!どこで会ったか、全然思い出せない!」

 

はなは部屋に入ってから頭を抱え、ベッドに向かって跳び込むと彼女と何処で会ったのか思い出そうとするが、一向に思い出せずにいた。

 

「こう言うトコ、私の悪いトコだ~……!

でも…外国の人を家が面倒を見るんだ。これって、ホームステイって奴だよね!いっぱいおもてなししなきゃ!」

 

はなが浮かれている一方、隣の部屋でルールーが右腕を横に振り、ホログラムの様なキーボードを出して操作する。

 

「野乃はな、キュアエール。あなたの力の源、解明して見せます。

そして……」

 

はなとキュアエールの画像が映った画面を見ながらキーボードを操作すると、今度はソウゴとジオウの画像を映し出す。

 

「若き日の会長、あなたも私と知るものとは違うため、解明させて貰います」

 

ルールーの目的は、プリキュア達の力の源と、自分が知るオーマジオウことソウゴの違いを解明する事。その為に彼女は、はなに近付いたのである。

 

 

 

その頃、とある屋上にアナザーシノビの蓮太郎とスウォルツが話をしていた。

 

「俺の力は……」

 

「心配するな。たとえ倒れてもそのウォッチが動けば、お前の力が失われることはない」

 

一度消えたアナザーシノビの力が戻ったのかという問いに、スウォルツはウォッチが動けば問題ないと答える。

 

「その力は未来の貴様から奪ってきたもの」

 

「未来の俺?」

 

未来の蓮太郎から奪ったと話すと、蓮太郎が驚きを見せる。

 

「ジオウ達がお前を倒すには同様のライダー、シノビの力が必要となる。

しかし奴らは時間軸の違う未来に干渉できん。

この時代でシノビウォッチを作り出すことは不可能」

 

「でも……このままこの力を使って、ほんとに俺は弱い人達を守れるのか?」

 

「お前を倒すことをできる者はいない。いわば……無敵となったのだ。

お前には王になってもらう。いいな」

 

「王に……?」

 

スウォルツの狙いは蓮太郎を王へと擁立させることみたいだが、その会話を陰から聞いている者がいた。

 

 

 

そして翌日。

朝早くからクジゴジ堂のリビングで、ソウゴ達が白いウォズについて話していた。

 

「つまりあのウォズは、私達のいる2068年と違う未来から来た。そこには、オーマジオウが存在していない」

 

「その歴史はオーマの日に、ゲイツ君が我が魔王を倒したことによって創られた……ということのようだ。何といっても“救世主”、だそうだ」

 

ウォズがゲイツの方をチラッと見て言う。

 

「ソウゴを倒すゲイツを支えるために来たの?あのウォズとはほんと正反対っていう感じ」

 

ツクヨミの言う通り、白いウォズと今いるこっちのウォズとはやはり違いがある。

 

「ね、提案なんだけどさ。あのウォズとかこのウォズとか混乱するから呼び名を決めない?」

 

「呼び名?」

 

ソウゴが二人のウォズに呼び名を決めないかと持ちかける。

 

「このウォズは……黒ウォズ。で、あのウォズは……白ウォズ!どう?」

 

「私達はヤギじゃない」

 

「おい、黒ウォズ!」

 

「順応早っ!」

 

ソウゴの考えにすぐに順応したゲイツに、ツクヨミが突っ込む。

 

「ところで、あのおかしな本は何だ?」

 

ゲイツは白ウォズが持っていた、あのタブレットの様な白いタブレットノートについて尋ねる。確か、あのノートに書かれた事は現実に起こっていたハズ。

 

「さぁ……私の持っている本とは、まったく質が異なるようだ……

あれは書き込んだ未来が、すべて現実になるという力を持っていること以外……」

 

「とにかく、白ウォズのこともオーマジオウのこともあれだけど、今はアナザーライダーをどうするか、でしょ?」

 

ツクヨミの言う通り、今はアナザーシノビをどうするか考える必要がある為、白ウォズのことは後で考えることにした。

 

 

 

それからしばらくし、ソウゴ達は学園へと到着した。

 

「えっ?はなの家にホームスティ?」

 

「うん!今日からここに転入するんだよ」

 

「へぇ〜、どんなの子なの?」

 

「う〜ん……落ち着いたお姉さんかな?」

 

はながルールーの事を話すと、ホームルームの時間となった。

 

「は〜い、今日から転校生を紹介するわ」

 

「ルールー・アムールです」

 

転校生として来たルールーが黒板に『RURU AMUOR』と書いて自己紹介すると、ルールーはチラッと三人の顔を見た。

 

「(ジオウ……時見ソウゴ。明導ゲイツ…ツクヨミ……三人を確認)」

 

「ルールー、時見の席の隣に座って」

 

「はい」

 

先生の指示を受け、ルールーはソウゴの隣の席に座った。

 

「よろしく〜。俺は時見ソウゴ」

 

「ルールーです。よろしくお願いします」

 

お互いに自己紹介を済ませると、一限の国語の授業に入る。

 

「あれ?ルールー、教科書は?」

 

「不要です」

 

「えっ?」

 

「既に、予習しています」

 

「はい?」

 

それを聞いたソウゴは「本当に大丈夫なのか?」と心配したが、ルールーが先生に当てられると、本当に教科書を見ずにスラスラとその内容を答えた。勿論ソウゴは「マジで全部暗記してるの…?」と驚きのあまり口をぽかんと

 

その後も体育のテニスではなを圧倒し、その上ボールが弾け飛んだりしていた。

容姿の事もあってか、昼休みには男子から告白されたりもした。(その時は拳でコンクリートの柱に罅を入れる程に突き合い、ドン引きさせ追っ払っていた)

 

 

野乃家での夕食時、はなが学校でのルールーの事を家族に話す。

 

「もう、超イケてるんだよ!ルールー!天才だし、スポーツも万能だし、モテるし!」

 

「それは凄いね」

 

「でも、男子の告白はともかく、運動部のスカウトを断っちゃうのは勿体無かったかも」

 

「興味がありませんから」

 

「ルールーちゃんは、何に興味があるの?」

 

ことりがそう尋ねると、ルールーがはなをジッと見る。

 

「……?」

 

「ごちそう様でした」

 

結局ルールーはことりの質問には答えず、立ち上がって食器を流し台へ置きに向かった。

そんな彼女の後ろ姿を見ながら、はなはどうすればルールーと打ち解けられるのか考え始める。

 

 

 

次の日、みんなでビューティーハリーに集まった。

 

「えっ?サプライズで?」

 

「うん。ルールーって何でも出来ちゃうから、中々おもてなし出来なくってさ」

 

ルールーが来てから一週間が経ち、はながサプライズでルールーをおもてなししたいと伝える。

 

「それにさ、いつもよく私といるでしょ?」

 

「なるほどね」

 

「うん。どこ行っても離れないって言うか」

 

「それって、はなしか頼れないからって事かな?」

 

よく考えれば教室でも隣のソウゴじゃなく、はなによく近づく事が多い。

 

「それは嬉しいけど、せっかく違う国に来たんだから、みんな仲良くした方が、もっと楽しいと思うんだよね」

 

「いいじゃん。分かった、協力する」

 

「ルールーに気付かれないように、クラスのみんなには私が声を掛けておくね」

 

「はぐたんも乗り気みたいやし、飾り付けの材料はワイらが調達しといたるわ」

 

「ゲイツやツクヨミも協力してよ!」

 

「……まぁ、いいだろ」

 

「珍しいねぇ、ゲイツが協力するなんて」

 

ツクヨミは、いつもは周りに無愛想のゲイツが手伝うと聞き、疑問に思った。

 

「ただの気まぐれだ」

 

「あ⁉︎もしかして、ホラー映画で気絶したのみんなに黙って貰ったから〜♪」

 

「………ん…」

 

そこでソウゴは、この前のお泊まり会でゲイツが気絶したことは口止めしてくれたからと睨む。

 

「図星だね」

 

「よっしゃー!ありがとみんな!」

 

はなの指揮のもと、ルールーのサプライズパーティーが開かれた。

 

 

その頃、ルールーの部屋では…

 

「一週間、野乃はなと時見ソウゴを観察し続けた結果。学業、運動共に、特に優れた点は確認出来ませんでした」

 

ルールーがキーボードを打ち、クライアス社への報告書を作っていた。

 

「しかしそれでは、あの強さと違いからでは理由が解明出来ません」

 

彼らの強さに疑問を覚えながらも、ルールーは報告書を書き終え部屋から出ると。はなが自分の部屋から出て来て、コソコソと誰かに気付かれないようにことりの部屋へ向かう姿が目に映された。

 

「ことり、首尾はどうじゃ?」

 

「万事滞り無く姉上」

 

はなとことりが何かについて話し合う。

 

「うむ、では私は、そろそろルールーを……」

 

「私をどうする気ですか?」

 

「それは勿論―――」

 

「「うわああああぁぁぁっ⁉︎」」

 

ルールーは何故自分の話をしているのかと思いながら話し掛けると、すぐそこに彼女がいた事に、はなとことりが驚いて抱き合う。

 

「一体、何を企んでいるのです?」

 

「あ、えっと……」

 

「どうするお姉ちゃん……?」

 

「こ、こうなったら、結果オーライ!連れてっちゃえ!」

 

開き直った二人がルールーを下の方へ連れて行く。

 

「何を、するのですか?」

 

二人に連れて来られた先はリビングで二人がドアを開けると、さあや達がクラッカーを鳴らした。

 

『ようこそ!はぐくみ市へ!』

 

野乃家やソウゴ達の他に、同じクラスメイトである阿万野ひなせと十倉じゅんな、百井あき、千瀬ふみともいた。

 

「これは何ですか?」

 

「ルールーのサプライズ歓迎会だよ」

 

「歓迎会?」

 

これがルールーの歓迎会だった事に、当の本人は疑問を抱いた。

 

「食事の用意も出来たよ!」

 

「それは?」

 

「手巻き寿司だよ」

 

向かいのテーブルには、手巻き寿司の材料が乗っていた。

 

「こうするんだよ」

 

ソウゴはそう言うと、海苔にご飯とマグロ、卵などをのせて巻いた。

 

「ほら」

 

「やっほーっ!私もやる!」

 

「はな、キュウリも入れなさい」

 

「ヤダ、河童になる!」

 

「なる訳無いでしょ」

 

「まだ気にしてたの?」

 

すみれが手本を見せてから、はな達もそれぞれの手巻き寿司を作る。

 

「ほらほら、ルールーも。食事はみんなで食べた方が美味しいよ」

 

ソウゴは海苔を持ってルールーに差し出し、そう伝える。

 

「さあさあ皆さん!ご注目やで!」

 

「よっ!待ってました!」

 

ハリーの声が聞こえた方を向くと、抱っこ紐ではぐたんを抱え、何故かおでんの入った容器を持ったハリーが座布団の上で正座していた。

 

「今度は何です?」

 

「ハリーとはぐたんの二人羽織や」

 

はぐたんがフォークで大根を刺してハリーの顔に近付け、ハリーが食べようとして顔を動かす。

 

「はぐたん、頑張って!」

 

「あっつ……!これは、うまひ……!あっつ!」

 

何とか口の中に入れたが、余りの熱さに悶絶した。

 

「はい、お水」

 

「ふー、ありがとさん」

 

ハリーはツクヨミが用意してくれた水を飲んで落ち着く。

 

「あんさんも、やってみるか?」

 

「お断りします」

 

「ルールー?」

 

するとソウゴ達の様子を見ていたルールーが口を開く。

 

「どうして食べるのに、未成熟な赤ん坊の手を借りる必要があるのです?効率が悪過ぎます。理解不能です」

 

「めちょっく……!」

 

「いやでも、二人羽織はそう言う芸だからさ」

 

ソウゴは二人羽織の解説をするがルールーはそれをスルーし、今度は手巻き寿司の材料を見つめる。

 

「それに、この料理、未完成の物を出された上に、調理を食べる者にさせるなんて、非効率極まり無いです」

 

「「「めちょっく……!」」」

 

「それ使うの、はなだけじゃ無かったんだ」

 

はなの他に森太郎とすみれがそう言ったのを聞いて、はながよく言っている口癖は家族みんなも使ってるんだと気づくソウゴ。

 

「そもそも何故歓迎会を?挨拶なら、初日に済ませたハズです」

 

「ちょっとあなたね〜……そんな言い方、無いんじゃないの?」

 

「私は分かりやすく伝えているつもりですが」

 

「そうじゃなくて、気持ちの話なんだけど」

 

「気持ちですか?理解不能です」

 

ツクヨミとほまれが言い過ぎじゃないかと問うが、それでもルールーは理解不能だと言い切る。

それを見たはぐたんが竹輪をフォークで突き刺してルールーに差し出すが、やはり理解不能と言われて目を丸くした。

 

「ごめんね。言い出しっぺ、私なんだ」

 

「はな……」

 

「謝る必要もありません。私は、私の意見を述べたまでですから。失礼します」

 

彼女はそう言い、ソウゴから貰った海苔を持ったまま部屋へ戻った。

 

「なんか、悪いことしたのかな〜……」

 

「世の中にはあんな奴もいるって事だ」

 

「片付けましょっか」

 

「じゃあちらし寿司にして、みんなのお土産にしよう!」

 

「グッドアイデアだな、はな」

 

「美味いのにな」

 

すみれ達が手巻き寿司の残りをちらし寿司にしようとしている様子を横目に、ハリーが手巻き寿司を食べながら呟く。

すると、ソウゴがルールーの後を追うためリビングを出ていった。

 

「ルールー!」

 

そしてソウゴは階段を登るルールーを呼び止める。

 

「何ですか?」

 

「いや、あの………もしかして、気を悪くさせたなら謝るけど……

ルールー、この町に来てから笑ってないよね?」

 

「だから何ですの?」

 

「はなもルールーに笑ってほしいから、サプライズパーティーを開いたんだ」

 

「……(これが、オーマジオウ。やはり、私の知るものと違う)

…そうですか。では」

 

自分の心配でなく、他人の心配をしている目の前の少年が、矢張りオーマジオウになるとは思えないと考えたがしかし、ルールーはそのまま自分の部屋へと戻っていく。

 

「伝わったかな……」

 

さっきの言葉が伝わったかと思うと、後ろからツクヨミが現れた。

 

「ねぇ…なんか、ルールーってロボットみたいじゃない?片言しか言わないからそう思うだけだけど……」

 

「ロボット……」

 

 

 

 

その頃、クライアス社とある一室で、ソファーに座るパップルが呟く。

 

「破壊し損ねたミライクリスタル・ホワイトは、未だ見つからず。

新しく誕生したピンク、ブルー、イエロー、ローズ、ネイビー、オレンジの6つと10個以上のライドウォッチもジオウとプリキュアの手に渡った。

お陰で毎日あたしは残業。あなたと会える時間も減るし、やんなっちゃう。

他の子と遊んじゃ嫌よ?」

 

そう言い、手を洗い続ける男性の方に視線を向ける。

 

「…と言っても、心が無い機械人形のルールーはあり得ないか」

 

 

 

 

翌日、ソウゴ達はラヴェニール学園の屋上で、昨日のサプライズパーティーでのルールーの事を話していた。

 

「そりゃ、勝手に歓迎会をしたのはこっちだけど……」

 

「みんなでワイワイしたくない人もいるよね。でも、私達の事も嫌いって事も無いみたい」

 

「一緒にいて疲れないの?」

 

「えっ?全然。何とかなるよ!」

 

ほまれの問いに、はなはなんとなく大丈夫だと答える。

 

「その根拠は?」

 

「それは……」

 

「とにかく、何とかなる!でしょ」

 

「ソウゴ。うん!」

 

「俺もまだルールーの事諦めてないから!」

 

ソウゴもルールーと仲良くするのはまだ諦めてないと話す。

 

 

その日の夕方、ソウゴとはながルールーと一緒に帰り道を歩き、はなが前を歩くルールーに向かって話す。

 

「ルールー、今日の小テストも満点だったね」

 

「内富士先生、次はもっと難しい問題にするって言ってたよ。

あー、それじゃあ俺がやばいかもな〜」

 

そう言い、二人が苦笑を浮かべる。

すると、ルールーが立ち止まる。

 

「今日は、これまでと比べて、私に話しかける生徒の数が80%減りました」

 

「「えっ?」」

 

「理由は分かりませんが、おそらく、昨日の事が関係しているのでしょう」

 

冷静に昨日の事が関係していると推測している。どうやら理由そこわかっていないが、自覚はあるようだ。

 

「それは……」

 

「特に問題は無いのですが」

 

「そ、そうなんだ……」

 

問題ないと言うが、ソウゴとはなは心配で気になっていた。

 

 

その日の夜、ルールーがはなの部屋の方を向いて呟く。

 

「調査対象で無い相手に、どんな印象を持たれても影響は無い。

しかし、野乃はなと時見ソウゴが私に話しかける回数も半減している……

私は、間違ったのでしょうか?」

 

「みんなー、ご飯よー!」

 

下からすみれがご飯だと伝える。

はなが部屋を出てからルールーの部屋の方を見て、表情を曇らせて下に降りる。

 

「ルールーちゃんは?」

 

「すぐ降りて来ると思うけど……そうだパパ。今度、ルールーと一緒にお出かけしない?」

 

「お出かけ?」

 

「うん!遊園地とか!昨日のは気に入って貰えなかったけど、それなら喜んで貰えるかも!」

 

「はな、その頑張り方は、少し違うんじゃないかな」

 

お出掛けをすれば今度こそルールーと仲良くなれる、そう思い提案をしていると、森太郎からそう指摘される。

 

「えっ? で、でも、うちはホストなんだから……!」

 

「ホストの前に、今、同じ屋根の下で暮らしてる僕らは何だい?」

 

「そっか……ルールーはゲストじゃないんだ……」

 

「分かったみたいだね」

 

「ルールー、呼んで来る!」

 

「階段は駆け上がっちゃダメだぞー!」

 

森太郎からアドバイスを受けたはなは、ルールーを呼びに階段を駆け上がった。

 

「ルールー?」

 

ルールーの部屋をノックするが、彼女は出て来ない。

 

「町の方に文房具買いに行くって」

 

自分の部屋から出て来たことりが、町の方に文房具を買いに行ったと伝えてドアを閉めた直後、プリハートに着信が入る。

 

「もしもし?……えっ⁉︎」

 

 

 

ソウゴは一人、クジゴジ堂のリビングでルールーの事を考えていた。

 

「う〜ん、どうすれば……」

 

「お困りのようだね我が魔王」

 

そこへ黒ウォズが現れた。

 

「黒ウォズ……それとも白ウォズ?」

 

「わざとかい?」

 

「バレた?」

 

微笑してわかっていてワザとやったと白状すると、黒ウォズがため息を吐く。

 

「それで、どうしたのかい?」

 

「うん。どうやったらルールーとみんなで仲良くなれるかなって〜」

 

それを聞いたウォズは、クライアス社と手を組んでいた時に目にした彼女の事を思い浮かべる。

 

「…………そういう相手は放っておくべきだと思うが」

 

「なんで?」

 

「その子は、人と関わるのが苦手という意味だよ」

 

黒ウォズがクライアス社で見た彼女の印象と、ルールーの性格をソウゴの口から聞いて、放っておくべきだと判断する。

 

「でも、俺はそう言うのやだな」

 

しかし、その黒ウォズの考えをソウゴは否定した。

 

「それじゃあ、差別してるみたいじゃん。それじゃあ王様失格だよ。

俺はそんなの関係なく、誰にでも触れ合える。そんな王様になりたいんだ!」

 

ソウゴはルールーとも、みんなと同じように友達になりたいようだ。

クライアス社の刺客かもしれない彼女と友達になりたいのかと複雑な心中で呟くウォズだったが、わざわざ言う必要も無いかと思い、ウォズは自身の得た情報だけをソウゴに伝えようとする。

 

「相変わらず、素晴らしい意見を言うね、我が魔王……そんな君に伝えておく事がある」

 

「何?」

 

「アナザーシノビについてだよ」

 

 

 

それは、遡る事少し前。黒ウォズはウールに会いに行っていた。

 

「ウォズ……どっちだ?」

 

「黒い方……言っても君には分からないか」

 

黒ウォズはとりあえず、いつもの方だと伝える。

 

「いつものほうか。何の用だい?僕はもう1人の君のことは何も知らないよ」

 

「そうじゃない。あのアナザーシノビのことだ」

 

アナザーシノビについての情報はないかとウールに聞くと、彼はぽつぽつとアナザーシノビについて口に出し始める。

 

「よく分からないけど、絶対倒すことはできないらしい。

彼は2022年では仮面ライダーシノビになった。もともと正義感の強い青年だったようだね」

 

やはり、あの変身者が仮面ライダーシノビになる未来があるのだとウォズは思った。

 

「僕がアナザーライダーの契約をしたときも、絡まれていた友人を守ろうとしていたよ」

 

ウールはアナザーシノビとの契約の時のことを黒ウォズに話した。

 

 

ウールが蓮太郎と契約する為に近づいた時、あのチンピラ達から友達を守っていた光景を目にしていた。

 

『俺に力があったら……』

 

蓮太郎が悔しそうにそう呟くが、そこへウールが時間を止め、彼の前に現れた。

 

『あるよ。僕と契約しない?そうすれば君が望む力が手に入る』

 

『何を言ってるんだ?』

 

『シノビ…!』

 

こうして、蓮太郎へウールが無理やりウォッチを埋め込んでアナザーシノビが誕生した。

 

 

 

ウールが話した事を、黒ウォズはソウゴに全てを話した。

 

「そうか……だから彼は、アナザーライダーになったんだ」

 

「ああ。今ゲイツ君とツクヨミ君が2022年に向かっている。

向こうで仮面ライダーシノビに会えれば、シノビウォッチは創れる。それを持ち帰れば、アナザーシノビは倒せるはずだ」

 

ゲイツとツクヨミがウォッチをこっちに持ち帰えば、アナザーシノビを倒せると考える。

その時、ソウゴの携帯の着信音が鳴り出す。

 

「何?」

 

 

 

一方、二人は2022年へ降りようとするが謎の磁場にタイムマジーンがはじき返される。

 

「どういうこと。2022年に降りられない!」

 

「2つの時間軸が揺れ動いてる今、未来には、干渉できないということか……!」

 

「これじゃあ仮面ライダーシノビには会えない。ということは……」

 

「アナザーシノビを倒せない!」

 

2022年に干渉出来ないため仮面ライダーシノビに会いに行くのは不可能に近い。つまり、ウォッチが創れない。

 

 

 

そんな事を知らないソウゴはハリーから連絡を受け、椅子から立ち上がる。

 

「……わかった!すぐ行くよ!」

 

携帯をしまい、ソウゴは出かけようとする。

 

「ウォズ。俺行かなきゃ!」

 

「止めたほうがいい。そこにはおそらくまたもう1人の私がいるはずだ」

 

ウォズはオシマイダーと一緒にアナザーシノビも現れると考え、このままでは白ウォズもそこに現れるだろうと睨む。

 

「……だろうね。でも俺行くよ」

 

「………君がこれ以上、仮面ライダーシノビに関わると本当に歴史が変わりかねない。それは君の魔王への道が閉ざされるということだ。そこまでは分かってくれるか?」

 

「半分ぐらい……で、俺にどうしろって言うの?」

 

「彼らのもとへ行かなければそれでいい。君が行くと問題が解決してしまう」

 

「問題ないじゃん。それにアナザーシノビのあの彼には、誰かを守るために戦う資質がある」

 

「今はアナザーシノビの心配をする場合じゃ無いと思う」

 

「そんなことないよ。彼は本当に未来のライダーになれる気がするんだ」

 

これからの未来の為にと思い忠告するウォズに、ソウゴは夢に出てきた蓮太郎の言葉を思い出す。

 

 

『神蔵蓮太郎。陰になりて力なき者を守る。誤った力の使い方をするものからな!』

 

 

「未来の俺の都合で、助けるべき人を放っておく事なんて出来ない。そんなんじゃ、いい魔王になんてなれないよ」

 

「君らしい意見だ。でも君も分かるだろう?これが罠なんだとね……!」

 

「罠をかけて俺を待ってるなら、いっそのこと、こっちからかかってやればいい」

 

ソウゴは笑みを浮かべそう言うと、クジゴジ堂の扉を開いて現場へと向かう。

 

「私には嫌な予感しかしないよ……我が魔王……」

 

黒ウォズは根拠のない自信に溢れているソウゴに対し、嫌な予感ばかりが募って仕方なかった。

 

 

 

その頃、オシマイダーとアナザーシノビがチンピラや関係ない街で暴れている様子を高いビルから見守っていたスウォルツの元へ、白ウォズが現れた。

 

「やっかいなアナザーライダーを創り出してくれたね」

 

「このアナザーシノビを倒さねば、シノビウォッチは手に入らん。

しかし、アナザーシノビを倒すにはシノビウォッチが必要。

お前ではどうする事も出来まい」

 

「ならば魔王に変えさせる」

 

「何をだ?」

 

「時の流れと自らの命運を」

 

そう言うと白ウォズは、持っていた未来ノートに“ジオウ、アナザーシノビのもとへ駆けつけた”と書きとめた。

 

 

同時刻。はなはオシマイダーが現れた事を聞き、町の方へ向かうとさあや達も来て、全員がその場で揃う。

 

「オシマイダーが出たって?」

 

「繁華街の方や!」

 

「ルールーもあっちに行ったって!」

 

「はな!」

 

「行きましょう!」

 

三人は繁華街の方へ走りながら、プリハートとミライクリスタルを構える。

 

「「「ミライクリスタル!ハート、キラっと!」」」

 

「輝く未来を〜抱き締めて!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

 

駆け付けた繁華街では、ビル型オシマイダーが暴れていた。

 

「野乃はなに悪印象を持たれたのなら、これ以上の調査は不可能。いつもの手段でプリキュアとジオウの力を測るのみ」

 

その傍には、ルールーの操縦するUFOが飛んでいた。

このビルオシマイダーは、ルールーが作り出したものだった。

 

「たああああぁぁぁっ!」

 

そこへエールが現れ、オシマイダーの腕にキックを叩き込む。

 

「ルールー!どこ⁉︎ルールー!」

 

「…何を言っているのです?」

 

「ふっ!はあっ!たあっ!」

 

エールが連続攻撃を繰り出し、オシマイダーを怯ませる。

 

「いっつもいっつも、人がいっぱいいる所で暴れて!迷惑掛けないの!フラワーシュート!」

 

メロディソードを出してピンクと赤のボタンを交互に押し、フラワーシュートを放つ。

フラワーシュートを受け、オシマイダーが倒れた直後にアンジュ達が駆け付ける。

 

「エール!」

 

「大丈夫?」

 

「まだや!」

 

ハリーが叫んだ直後、オシマイダーがビルからUFOに変形した。

 

「変形したー⁉︎」

 

「UFO⁉︎」

 

「ッ!来る!」

 

オシマイダーが回転して突進し、エール達が跳んで避ける。

するとオシマイダーは地面を擦り、急上昇する。

 

「埒が空かない……!」

 

「っ!エールがいないよ!?」

 

アンジュがエールがいない事に気付くと、オシマイダーを掴んだエールを見つけた。

 

「あなたの相手をしてる暇無いの……!ルールーを探さなきゃ……!いけないんだから……!」

 

「私を探しに?」

 

「ルールー……!返事して……ッ!」

 

「……オシマイダー…」

 

ルールーがボタンを押すと同時に、オシマイダーからエールが落下し、植物園の庭園に落ちた。

 

「「エール!」」

 

アンジュとエトワールが植物園に向かうと、そこからアナザーシノビが現れた。

 

「「アナザーライダー!」」

 

アナザーシノビが液体のようなものを放った。

その時、放物線が現れると液体を相殺し、アナザーシノビを拘束した。

 

『フィニッシュタイム!ボルテックタイムブレーク!』

 

「「ソウゴ(君)!」」

 

放物線を滑りながら、ビルドアーマーを装着したジオウが現れた。

 

「オリャャャャャ!」

 

そのままジオウのドリルクラッシャークラッシャーでアナザーシノビを攻撃し、アナザーシノビを変身解除させた。

 

「ははっ!来たね〜」

 

その様子を見た白ウォズが、書いた通りにジオウが現れた事に喜びの声を上げた。

 

「お前は……」

 

攻撃を受けて倒れた蓮太郎が起き上がると、ジオウがウォッチを外し変身解除した。

 

「やっぱりいた」

 

「一体何なんだ、お前は⁉︎」

 

「あんたを止めに来たんだ!」

 

「…俺を?」

 

「あんた、弱い人を守りたかっただけなんだろ?それでアナザーライダーの力を手にしたんだよね?」

 

「そうだ!この力が俺を変えてくれたんだ。それで俺は王になるんだっ!」

 

蓮太郎は王になると叫ぶと、ソウゴ達の間に沈黙が走る。

 

「…それが、あんたの意志か⁉︎」

 

「……」

 

本当の意思なのかと問うと蓮太郎は黙り込む。

 

「自分の意志でその未来を選ぶなら、俺は戦ってあんたを止めるだけだ!でも未来の自分を信じられるなら……」

 

 

ソウゴは思い出す。

未来の自分を信じ、魔王になると誓ったあの日を――

 

『俺は魔王になる。魔王になって、世界を救ってみせる』

 

そして思い出す。

一度捨てた力を、みんなに励まされ、もう一度力を持ち、覚悟を決めたあの日を――

 

 

「力を捨てる勇気だって持てるはずだ」

 

「………うるさいっ!邪魔をしないでくれ!あああぁぁーッ!」

 

動揺しながらも蓮太郎が叫ぶと、再びアナザーシノビへと変わった。

 

『ジオウ!』

 

「変身!」

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』

 

アナザーシノビに再び変身したのを見て、ソウゴはジオウへともう一度変身した。

アナザーシノビは腕の爪でジオウに襲いかかる。

 

『ジカンギレード!ケン!』

 

ジオウはジカンギレードを出現させ、アナザーシノビの攻撃を止める。

 

「ここは任せて!エールの方へ行って!」

 

「ソウゴ君!」

 

「アンジュ!ここはソウゴに任せて、エールの所へ行こう!」

 

「うん……」

 

アナザーシノビはジオウに任せ、二人はオシマイダーが飛んでいた植物園と向かう。

そのままジオウはアナザーシノビにジカンギレードを使い優先に立つ。

 

『フィニッシュタイム!』

 

「秘技ミカン斬り!」

『鎧武!ギリギリスラッシュ!』

 

鎧武ウォッチを装填し、オレンジのエネルギーを纏ったジカンギレードの剣撃を受けたアナザーシノビは爆発、元の姿へと戻った。

 

「愚かな。何度やっても変わらぬものを」

 

すると蓮太郎のもとへスウォルツが降りてきた。

 

「きりがないな。お前の身を滅ぼすぞ」

 

そう言うと蓮太郎の体内のアナザーシノビウォッチを取り出した。

 

『シノビ…!』

 

再起動したウォッチを再び埋め込み、アナザーシノビは復活した。

 

「やっぱ、復活しちゃうのか……」

 

「あ……あぁぁ!」

 

アナザーシノビは両腕にはそれぞれ4本の鉤爪を装備し、ジオウに襲いかかる。

 

「しまった……」

 

鉤爪による攻撃によってジオウはジカンギレードを手から落とされてしまう。

 

「なんの!」

 

だがジオウはアナザーシノビの手を掴み、頭突きを決めると、右のパンチで吹っ飛ばす。

 

『フィニッシュタイム!』

 

「未来の自分を信じろよ!」

 

アナザーシノビにキックの文字が囲まれると、ジオウが宙に飛んだ。

 

『タイムブレーク!』

 

ジオウのタイムブレークによるライダーキックを放ち、アナザーシノビへと放たれ再度変身解除させた。

 

「ふん。ジオウ、無駄だと言うことがまだわからないのか?」

 

スウォルツが蓮太郎を再び変身させようと腕を出す。

 

「………やめろ!」

 

しかし、蓮太郎は三度目の再起動を図ったスウォルツの手を掴み抵抗した。

 

「貴様……何のつもりだ」

 

「やめろ……俺の未来は、俺自身が切り開く!」

 

そう言って蓮太郎はスウォルツの腕を振り払った。

 

「確かに今は……誰かを守る力なんてないけど……

でも俺は……!未来の自分に賭ける‼︎」

 

蓮太郎は、今の自分じゃなく自分に賭ける事を決意した。

 

「(やっぱり、あの人も仮面ライダーだ)……なんか、いける気がする〜!」

 

今の蓮太郎を見て、夢で見た未来の仮面ライダーシノビとなっていた蓮太郎と重なって見えた。

 

「フフッ……」

 

不気味な笑いをした白ウォズは白い端末を開き、そこへ“シノビウォッチが生まれた”と書き込む。

 

『シノビ!』

 

すると、書かれた通りに白ウォズが持っていたブランクミライドウォッチが仮面ライダーシノビのライドウォッチへと変わった。

 

「フフッ……これでいい」

 

シノビミライドウォッチの誕生に喜び浸す。

 

「貴様の意見は求めん!」

 

『シノビ…!』

 

一方スウォルツにより、強引にまた蓮太郎をアナザーシノビに戻す。

 

「くっ……!」

 

「感謝するよ魔王」

 

ジオウが構えると白ウォズが現れ、感謝すると言い出した。

 

『ビヨンドライバー!』

『ウォズ!』

 

ビヨンドライバーを装着した白ウォズが仮面ライダーウォズのウォッチを起動させ、ドライバーに装填した。

 

『アクション!』

 

「変身!」

『フューチャータイム!スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!』

 

仮面ライダーウォズへと変身した白ウォズはアナザーシノビに向かって行こうとする。

 

『ジカンデスピア!ヤリスギ!』

 

「待て!」

 

ジオウがアナザーシノビを守ろうとウォズの前へと出る。

 

「魔王。邪魔をするな!」

 

だかウォズはジカンデスピアでアナザーシノビを攻撃し、ジオウをついでに攻撃してぶっ飛ばし、アナザーシノビの前へと立つ。

 

「待っていたぞ。この時を」

 

アナザーシノビにシノビウォッチを見せる。

 

「ライドウォッチ」

 

「何?」

 

『シノビ!アクション!』

 

シノビミライドウォッチを起動させ、ウォズはドライバーのウォズのウォッチと切り替えた。

 

『投影!フューチャータイム!誰じゃ?俺じゃ?忍者!フューチャーリングシノビ!シノビ!』

 

フューチャータイムが完了すると、複眼のスマートベゼルには「シノビ」と紫のカタカナで描かれ、アンテナ・胸部装甲・両肩の紋章には手裏剣の意匠を持ち、首元には紫色のマフラーを巻いていた。

 

「あれが、仮面ライダーシノビのウォッチ……」

 

「魔王、今回は礼を言うよ。君の代わりにアナザーシノビを倒してあげよう」

 

そのまま、アナザーシノビとウォズが戦闘…否、蹂躙が始まった。

フューチャーリングシノビとなったウォズは影移動で攻撃。アナザーシノビも影移動で対抗するが、力の差は歴然だった。

 

『フィニッシュ忍法!』

 

ウォズ・フューチャーリングシノビは札を舞うように出しながら、回し蹴りを放つ。

 

「そろそろ、終わりにするよ」

 

ジカンデスピアのタッチパネルにある鎌マークのアイコンを押す。

 

『カマシスギ!』

 

ジカンデスピアがカマモードとなり、打撃攻撃でアナザーシノビを追い込んでいく。

そして、再びノートの端末を開くと…

 

「仮面ライダーウォズ・フューチャーリングシノビの前に、崩れ去るアナザーシノビであった」

 

またもや端末に文字を書き込む。

 

『ビヨンド ザ タイム!忍法時間縛りの術!』

 

「はぁぁ!」

 

ジカンデスピアでアナザーシノビを空中へ突き上げ、空中で停止させる。

 

『カマシスギ!フィニッシュタイム!』

 

ジカンデスピアのパネル全体をスワイプする。

 

『一撃カマーン!』

 

するとウォズの分身体2体が出現し、交互にアナザーシノビへ攻撃した。

 

「はぁぁぁぁぁ!」

 

最後に、本体のウォズ自身がジカンデスピアで薙ぎ払った。

そのままアナザーシノビは変身を解除され、アナザーシノビウォッチは砕け散った。

 

「これでいいんだ……」

 

蓮太郎は傷つきながらも満足そうな笑みを浮かべていた。

 

「白ウォズ……」

 

変身解除したソウゴが白ウォズに近づく。

 

「間違えないでほしいな魔王。私は君が今戦う相手じゃないんだ」

 

そう言い残し、仮面ライダーウォズは立ち去っていく。

 

 

その頃、植物園の方ではエールが気絶していて倒れていた。

 

「キュアエール。いいえ、野乃はな」

 

気絶してたエールが目を開けると、すぐ近くに私服のルールーが立っていた。

 

「ルールー……あっ…!正体……!

―――でも、無事で良かった」

 

エールは周囲の時が止まった空間の中で、花弁に囲まれながら彼女の無事に安堵していた。

 

「何故、私を探しに来たのです?」

 

「来たばかりの町で、こんな騒ぎに巻き込まれたんだもん。心配するよ」

 

「心配?」

 

エールがそう言ってから立ち上がると、ルールーはそんな彼女の言葉を聞いて顔を横に傾ける。

 

「そんな気持ちのせいで非効率な戦いをして、無駄に傷を負ったのですか?」

 

「無駄じゃないって。こうして話が出来たんだから。

…私さ、折角来てくれたルールーを喜ばせたかったんだけど、変な感じになっちゃったよね。私、余計な気を回し過ぎて、逆にあなたに壁を作っちゃってた。

それじゃあお互いの事なんて、分かる訳無いよね。

だからあなたの為に、特別な事をしようと思うのは止める。

今からはパパやママ、ことりと同じように―――ルールー、家族になろっ」

 

「家族に……?」

 

「うん!もっと気楽にさ、当たり前の事、何でも一緒にしてみようよ。

私達タイプ全然違うし、ぶつかる事あるかもだけど、何とかなるって!」

 

「私と、あなたが?何とかなる根拠があるのですか?」

 

「それは……」

 

「無いなら無理です」

 

「あー!タンマタンマ!ルールーが好きだから!

それじゃ……駄目?」

 

表裏の無い、飾らないエールの言葉が、ルールーの心に衝撃を与えた。

その直後。時が戻り、大量の花弁が落ちて来た事に驚いたエールが仰向けに倒れた。

 

「エール!」

 

「みんな……」

 

その直後にアンジュとエトワールが駆け付け、エールの身体を起こす。

 

「あれ?いない……夢でも見てたのかな?」

 

「夢?」

 

「うん……ルールーと話してた気がするんだけど……夢だったのかな?」

 

「あんまり心配させないで」

 

「あははは……はーい……」

 

エールが苦笑して後ろ頭を掻いて答えると、オシマイダーが三人に近付く。

 

「来るよ!」

 

「「「ミライクリスタル!」」」

 

「エールタクト!」

「アンジュハープ!」

「エトワールフルート!」

 

「「「心のトゲトゲ、飛んで行けー!プリキュア!トリニティ・コンサート!」」」

 

三人がメロディソードのボタンを押して演奏、虹色のエネルギーを作り出し、対象に向かって虹色のエネルギーを飛ばすトリニティ・コンサートを放つ。

 

「「「HUGっとプリキュア!エール・フォー・ユー!」」」

 

トリニティ・コンサートが命中し、巨大な木が作り出されてピンク・水色・黄色の花が咲き誇り、オシマイダーが浄化された。

 

「みんな!」

 

オシマイダーが消滅し、みんなが元の姿へと戻るとソウゴが現れた。

 

「ソウゴ君!」

 

「ソウゴ。アナザーライダーの方は」

 

「…うん。とりあえずなんとかなったよ」

 

なんとかなったと聞くと、とりあえず三人ともホッとした。

 

「あっ、ルールーを探さなきゃ」

 

「ここにいます」

 

はながルールーを探しに行こうとすると、ルールーが現れる。

 

「ルールー」

 

「用事は済みました。帰りましょう」

 

「うん!」

 

はながルールーの後を追い、これを見たソウゴ達が微笑んだ。

 

 

ソウゴはそのままはな達と別れ、家へと帰っていた。

 

「我が魔王……」

 

そこへ、黒ウォズがソウゴを出迎えに現れた。

 

「その様子だと、もう一人の私の思うようになったようだね」

 

黒ウォズにはソウゴの考えがお見通しだったらしく、彼の予想通りに事が進んでしまったことに少し気まずそうな表情を浮かべる。

 

「でも、彼はきっと、未来で正しい力を手に入れるよ。自分の意志で……でも」

 

「その未来は、もう一人の私にとって都合の良い未来だ。君自身がそのきっかけを創りだした……」

 

「ごめん……ウォズの言ってた通りだったかもしれない」

 

「オーマジオウの歴史を変えようとしている……

タイムジャッカ―もツクヨミ君もゲイツ君も……そして、もう1人の私も……

そのことをどうかお忘れなきよう……」

 

 

その夜、ルールーがちらし寿司を食べるのを、はな達が見る。

 

「……!」

 

「喉に、痞えたのかい?」

 

「お酢、強かった?」

 

「ルールー、そう言う時はこう言うんだよ」

 

困惑した表情を浮かべるルールーに家族が心配を声をかけていると、はなが椅子から立ちあがり、ルールーの耳元で“ある言葉”を伝える。

 

「美味しいです」

 

「「「「でしょ!」」」」

 

ルールーから美味しいと言う言葉を聞いて、はな達が微笑んで“でしょ”と叫んだ。

 

 

 

「今回は、プリキュアの力の源を解明出来ませんでした。

しばらくは、調査を続ける必要があります」

 

ルールーはベランダで報告書を作り、キーボードを消すと部屋に入る。

 

「あの時の痛みは一体……」

 

「怪我したの?」

 

彼女は胸元に手を当て、ベッドに座って呟くと、はなが布団から出て来た。尚ここは、はなの部屋ではなくルールーの部屋である。

 

「何でいるのですか?」

 

「朝までお喋りしよっ」

 

「出て行って下さい」

 

「やーだー!」

 

はなが両腕を上げると、ルールーの頭に布団が被される。

 

「もっとルールーの事知りたいし!ねえ、今更だけど、私達って、最初どこで会ったっけ?実は覚えて無くて」

 

「私は……」

 

横になったはながどこで会ったのかを尋ね、ルールーが答えようとした途端に、はなは眠ってしまった。

 

「寝たのですか?本当にあなたは、理解不能です。

――私の正体を知っても、あなたは……何を言ってるのでしょう、私は。

…………お休みなさい」  

 

ルールーはベッドから立って部屋の電気を消し、眠りにつく。

はなの影響で、自分の中に起きた変化に疑問を抱きながら。

 

 

 

その一方、川を見ていたゲイツとツクヨミのもとに白ウォズが現れた。

 

「やぁ我が救世主」

 

「……白ウォズ」

 

「この本によれば、2019年4月28日・オーマの日。

この日、その時代には存在しないはずの3つのライドウォッチを収めし戦士。

オーマジオウの野望を打ち砕き、新たな時代を創る……とある」

 

白ウォズが自分の本に書かれていた未来を話す。

 

「このシノビウォッチがその1つだろう」

 

そう言うと、白ウォズはゲイツにシノビウォッチを見せる。

 

「君に託そう、我が救世主。オーマの日、君がジオウを倒すんだ」

 

そう言って、シノビミライドウォッチをゲイツに渡そうとする。

 

「断る!」

 

「何と……!」

 

しかし、ゲイツはシノビウォッチを拒んだ。

 

「俺はお前を信用していない。俺は俺の力でジオウを倒す」

 

「アハハハ!なら良かった。大丈夫、君は私を信じるさ。

それではまたね、我が救世主」

 

すると、白ウォスはシノビウォッチを起動すると、旋風を起し、消えていった。

 

「俺達の歴史には存在しないライダーのウォッチが今、この時代にある」

 

「新たな歴史が生まれ始めてる……」

 

「ああ、それはつまり俺達の知らない未来が近づいているということだ……覚悟は出来てるな」

 

「……うん。それを望んで、この時代に来たんだから」

 

 

 

オーマの日…

果たしてその日を境に未来を決めるのは、ソウゴか、ゲイツか、クライアス社か。

――どちらかの未来になるかは、その日で決まる。

 


次回!Re.HUGっとジオウ!

 

第17話 保育バトル?クイズバトル?どっち?2040

 

 




おまけ

はな「白ウォズさんはゲイツくんが未来でソウゴを倒したって言ってたけど、二人はどう思うの?」

ソウゴ(俺はそんな事にならないようにするけど、そん時はオーマジオウになったって事だから、ゲイツは俺の『オーマジオウになったらお前を倒す』ていう約束を守ってくれたんでしょ?だったら俺はゲイツを恨まないし、むしろ感謝してるよ)

さあや(ゲイツくんがソウゴくんを倒したっていうのはすごく悲しい事だけど、もしかしたらその時のソウゴくんは倒されることを望んでいたのかもしれないから、私があれこれ言う事はないかな?)


ソウゴ・さあや「「 未 来 に な っ た ら 覚 え て ろ よ ゲ イ ツ 」」


はな「」

ウォズ「本音と建前が逆になってるよ二人とも」

ジオウゥゥゥゥゥォォォォォオォオォオォオ!!!?byゲイツ

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