Re.HUGっとジオウ!   作:yu-ki.S

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黒ウォズ「この本によれば、普通の中学生 時見ソウゴ。彼には魔王にして時の王者『オーマジオウ』となる未来が待っている。しかし、事態はオーマジオウの歴史からかなり外れ出し。このままでは、歴史が大きく変わってしまう。
今も、2040年から現れた仮面ライダークイズを巡る戦いが、始まろうとしているようだ。
…どうやら、とっておきの準備が必要のようです……」


第18話 本当の思いの結果 2040

仮面ライダークイズの力を奪うためにと、ゲイツはクイズに戦いを仕掛ける。

 

「止めなよ! ゲイツ…ッ!」

『ジオウ!』

 

ゲイツを止めるためにソウゴは、ウォッチをドライバーへと差し込んだ。

 

「邪魔はさせないよ。魔王!」

 

だが変身しようとするソウゴを、仮面ライダーウォズがジカンデスピアを首もとへ伸ばして妨害する為、ゲイツとクイズの戦いを見てることしかできなかった。

一方二人の戦いでは、戦況はゲイツが優勢だった。

 

「黒ウォズ!出てきて!」

 

「何だい?我が魔王」

 

白ウォズの思い通りにさせまいと、ソウゴに出てきてくれと命じられた黒ウォズがその場に現れた。

 

「あのライダーを逃がしたいんだ!」

 

「仰せとあらば仕方ない。はぁ!」

 

黒ウォズがマフラーでクイズとソウゴを包み込み、この場から消える。

 

「今のうちね」

 

「ぐわぁぁぁぁ!」

『クイズ…!』

 

その隙にオーラが男性の胸からアナザーウォッチを取り出し再起動させると、再度埋め込みアナザーライダーへと変える。

 

「行くわよ」

 

オーラは再変身したアナザークイズを連れ、退却して行った。

敵がいなくなったのを見たゲイツは、ウォッチを外し変身解除した。

 

「ハハハ……!どいつもこいつも、まさに尻尾を巻いて逃げる犬じゃないか!なあ我が救世主。フフ……ハハハ……!」

 

白ウォズは誰も彼もが自身やゲイツの前から逃げていった事を笑うが、ゲイツは思い悩んだ表情で誰も居ない大学敷地内に立ち尽くしていた。

 

 

 

ソウゴとゲイツが抜けてからしばらく経った頃。はぐたんを先頭に、子供達が一列に並んでハイハイを行っていた。

 

「はぐたん、いつの間にかリーダーになっちゃったね」

 

「ハイハイ行進、可愛い~!」

 

はなが子供達の大行列にメロメロになっている中、ほまれはほのぼのとした光景とは正反対の殺伐とした光景に目を向ける。

 

「あの体重移動から見て、まもなく右へ曲がりますわね」

 

「正確には右寄り。二十七度前向きに曲がります」

 

さあやとルールーがはぐたんがどう動くか予測していると、はぐたんが右に曲がる。

 

「やりますわね」

 

「あなたも」

 

うふふと笑う二人の間には見えない火花が散り、それをはなとほまれは引きつった表情で見ていた。

 

「…ん?」

 

「ツクヨミ」

 

二人が外を見るツクヨミに釣られて窓を見ると、砂場から黒ウォズがソウゴと一緒に現れた。

 

「ソウゴだ」

 

「あれ?ゲイツがいないよ?」

 

何故か一緒にいた筈のゲイツはいなかったが、とにかくはな達は砂場へと向かう。

 

 

「いてぇっ!」

 

黒ウォズによってソウゴは、はぐくみ幼稚園へと戻った。

すると一緒に此処へ移動した仮面ライダークイズの男は、黒ウォズを見て警戒している事に気付く。

 

「あんた……俺はまだ帰れないぞ!」

 

「帰れない?」

 

「ソウゴ!」

 

「みんな」

 

はな達が来ると、まだ帰れないという言葉の意味を考えていたソウゴが立ち上がった。

 

「誰?そいつ?」

 

「あぁ、そうだ……ねぇ?君は?」

 

そういえばまだ自己紹介してなかったなと反省しながら、ほまれに指をさされた仮面ライダークイズの男へ話しかける。

 

「俺は仮面ライダークイズ。2040年からこの時代に来た」

 

「2040年……」

 

「ウォズの事を知ってるの?」

 

「あぁ。彼に誘われてこの時代に来たんだ」

 

「それは私じゃない。もう1人の私だ」

 

「もう1人?」

 

どうやら彼は白ウォズによって連れて来れたようだ。

 

「何の理由でこの時代に?さっきアナザーライダーと戦おうとしてたけど……」

 

「俺の名は堂安主水。ヤツは俺の父親だ」

 

「あのアナザーライダーが、お父さん……」

 

主水が云うには、あのアナザーライダーは自分の父親だと話す。

 

「母親の話では、俺の父親は才能は認められていたがなかなか結果が伴わず、評価に恵まれなかったらしい……」

 

そして、あのアナザーライダーの変身者のその後を語り出す。

 

「なるほどな。その歴史を変えようと思ってやな……」

 

ハリーは歴史を変える為に来たのだと推測するが、それを聞いた主水は何を言っているんだという顔で彼を見る。

 

「そんなことして何になる?歴史を変えるなんて、後ろ向きの人間のする事だ……

俺の母は2040年の時代で病に伏せてる。母は自分が奴に愛されていなかったと思っている……」

 

主水が自分の母親のことを話し、話を続ける。

 

「俺がここに来たのは若い日の奴に会い、本当のことを聞くため。歴史なんか変えても意味はない……

でも、ほんとのことを知らない限り、母の時間は前には進まないと思ってな……」

 

ソウゴ達は主水の話を何も言わず聞いていた。

 

「ん?」

 

すると、ツクヨミが門の所から人影が見え、近づく。

 

「ゲイツ」

 

門に居たのはゲイツだった。

その時、ソウゴが主水に声をかける。

 

「主水はさ……お母さんのために、お父さんの本当の気持ち知りたいんだよね?」

 

「そうだ」

 

「主水自身のためじゃないの?」

 

「別の奴との関係を改善したところで、俺は何も思わない」

 

「じゃあ、何であの時計をいつまで持ってるのさ」

 

ソウゴが主水の父親が落としたあの腕時計のことを聞く。

 

「あれ、お父さんの時計でしょう?」

 

「……」

 

クジゴジ堂へ持ってきた時、そして、あの父親が持っていた時計を見てソウゴは何かを感じた。

何も答えず黙っているのを見る限り、どうやら主水は、ソウゴに本当の気持ちを見透かされたようだ。

 

「ソウゴ」

 

そこへツクヨミが現れ、ソウゴに何かを渡した。

 

「これ……」

 

それは朝、修理に出した主水の父親の腕時計だった。

 

「さっきゲイツが戻って、順一郎さんから渡されたのを預かったって」

 

「ゲイツが⁉︎」

 

ソウゴは慌てて門へと走り、ゲイツがいるか周りを見回す。

 

「ゲイツ……」

 

だが、もうここにはゲイツはいなかった。

そのままみんなの方へと戻る。既にはな達は仕事へと戻っており、ツクヨミだけ立っていた。

 

「ねぇツクヨミ。ゲイツならどうすると思う?」

 

「え……?」

 

「俺達はあのアナザーライダーを倒さなきゃなんないでしょ。そのためには、仮面ライダークイズのウォッチが必要……」

 

ゲイツならどんな行動を取るのか質問すると、彼女は急に笑い出す。

 

「え、えっ?何……?」

 

「ゲイツもおんなじ事聞いた!」

 

「へぇ……」

 

そう言ってツクヨミは、ソウゴ達が主水との話を聞いた時に交わしたゲイツとの会話を思い返す。

 

 

 

『ゲイツ、どうするつもりなの?』

 

『俺達はあのアナザーライダーを倒さねばならない。

そのためには、仮面ライダークイズのウォッチが必要だ。

だがそうすれば……必然的に奴の記憶はなくなる……』

 

『あの人のお父さんの本当の気持ちを、確認できなくなるかもしれない』

 

『そうだ……そういう時、ジオウならどう動く?』

 

ゲイツは、ソウゴならどうするとツクヨミに問う。

 

『主水の気持ちを守ると思う』

 

ソウゴなら気持ちを守ると迷わず答えると、「なら争いは避けられんな」と呟き、自分の代わりにそう伝えて欲しいと頼む。

 

『それと、あいつに渡しとけ。修理は出来なかったと言ってたがな……』

 

飽くまでクイズの力を奪うつもりだと伝えつつ、腕時計を渡すとゲイツは去っていった。

 

 

 

「以前のゲイツなら、まずソウゴの行動なんて聞かなかったよね。構わず主水に突撃してたと思う。ゲイツって、まっすぐすぎるから」

 

「そっか……ん?」

 

真っ直ぐすぎると聞き、何かを考え込んだ。

 

「どうしたの?」

 

「ううん……何だか分かった気がする。ゲイツの気持ち」

 

「ソウゴにいちゃ〜ん!アソボ!」

 

ゲイツの考えが読めたと語るソウゴは、合点のいった笑みを浮かべる。

そこへ担当している四歳児達がソ遊ぼと誘う。

 

「今いくよ!待ってて!」

 

ソウゴは四歳児達の教室へと向かう。

 

 

その頃ゲイツは、近くの公園で遊んでいた親子の姿を見ていた。

 

(こんな光景を……守れるだけの力を……)

 

公園で遊ぶ子供達の姿を見て小さい頃、一緒に遊んでいた自分の姿を思い出す。

 

「やぁ、我が救世主。君から私に積極的に連絡をくれるとは、少しは私のことを信頼してくれたかな?」

 

「……お前に頼みがある」

 

そこに白ウォズが現れ、ゲイツが彼に何かを頼み込もうとする。

 

「いいだろ、何かな?」

 

「そのノートで、仮面ライダークイズとアナザークイズを遭遇させる。そこに俺が割って入れば……」

 

「ハハハッ……!いいよ我が救世主。だいぶ策士になってきたじゃないか」

 

仮面ライダークイズの力を奪う作戦を考えた事を伝え、それを聞いた白ウォズが笑みを浮かべながらノートに書き込もうとする。

 

 

 

はぐくみ幼稚園。四歳児の教室で、主水が四歳でもわかるような簡単なクイズを出し盛り上がっていた。

 

「凄いねぇ〜、また正解だよ!」

 

ソウゴも子供達と一緒に盛り上がっていると、彼の様子をルールーがじっと見つめている。

 

「あの姿……人を信じる、優しい顔……どれも、オーマジオウとは該当しない」

 

ソウゴを見て、オーマジオウと重なるか検証していたようだが、それを見て該当しないと判断すると、ルールーは持ち場に戻っていく。

 

「ん?ルールー?」

 

その時、ソウゴは窓越しから去っていくルールーを目にして、なにか用があったのかと思いながら、男児に背中をよじ登られていた。

 

 

一方、一歳児の教室。

 

「みんな、お話聞いて……!」

 

さあやが子供達に囲んで絵本の読み聞かせをするが、子供達に髪を引っ張られる。

 

「今、みんなの興味はさあやの髪の毛のようです」

 

「にゃんで私はいつもほっぺなのですか……」

 

ほまれとルールーの後ろでは、はなが子供達にまた頬を引っ張られてた。

 

「待って、待って……!」

 

疲れてヘロヘロになったさあやの表情を見た子供達が笑う。

 

「これ?こんな顔?」

 

その顔を作って子供達に見せると、更に笑い出す。

そこへソウゴの観察から戻ってきたルールーが、子供達が笑い始めた理由を推測し始める。

 

「どうやら、筋肉の緊張と弛緩が伴う表情の急激な変化に、驚きと興味を覚えているようです」

 

「こうかな?」

 

「こうかもしれません」

 

さあやとルールーが色んな表情を子供達に見せた。

一方、はなとほまれが、ソウゴとツクヨミ、ハリーと共に廊下を歩きながら会話する。

 

「どや?保育士のお仕事は」

 

「想像以上に大変」

 

「同感です……」

 

「精神的にも身体的にも、保育士って結構ハードだね」

 

そう語り合いながら一歳児の教室を覗いてみると、さあやとルールーの面白い顔対決はまだ続いていた。

 

「ヌハハハハハッ……!オモロ……!」

 

二人の変顔を見たはなとほまれは目を見開き、ツクヨミは目を逸らして笑いを堪え、ハリーが声を上げて爆笑した。

 

「さあやもルールーも……負けず嫌いだね……」

 

ソウゴは笑いを堪えながら、二人とも負けず嫌いだなと呟いた。

他の保育士が子供達をカートに乗せて散歩に連れて行き、はな達は玄関先で保育園で残った子供達に高い高いをする。

 

「ワオ!それエエな!俺も俺も!」

 

「ハリー大人でしょ……?」

 

「大人かて飛びたい時はあるんや!俺も俺も!」

 

はなの言葉にそう返しながら、ハリーがカートへと走っていく。

 

「放っときなよ。冗談で言ってるんだから」

 

「そもそも身体の大きさもあるから難しいよ」

 

高い高いをしていたルールーはハリーを見ると、はなに男の子を預け、ハリーの脇腹を掴む。

 

「おっ、おおきに。高いた―――!」

 

ルールーはなんと、ハリーを上空へ投げ飛ばした。

 

「ええええぇぇぇっ⁉︎」

 

「投げ飛ばした⁉︎」

 

宇宙まで向かった所から落下するも無事五体満足で戻り、ルールーがキャッチして地面に降ろした。

 

「子供の頃の夢は、宇宙飛行士やった……」

 

「一体どこまで飛ばされたの……?」

 

遠くを見つめるハリーを見てはな達は目を丸くしていたが、はぐたんを含んだ子供達は笑っていた。

そこへルールーがソウゴへと近づく。

 

「時見ソウゴ」

 

「ん?ルールー何? あ、俺のことはソウゴって呼んでよ」

 

「では、ソウゴ。あなたの今の本音を教えてください」

 

「本音?」

 

「はい。(…それで、オーマジオウの本心と同じなら)」

 

このチャンスにソウゴの気持ちを探ろうとカマをかける。

 

「俺の今の気持ちは……」

 

もしここで変わらず、最高最善の魔王になりたい、オーマジオウを倒したいと答えれば、彼はオーマジオウ同様、自己中心的で強欲な人物だとわかる。

そうルールーは考えていたが……

 

「主水と主水のお父さんとの心を繋ぎたい」

 

「…………何故、自分ではなく他人を…」

 

「なんでって?そんなの相手の気持ちがわからないって、なんかいやじゃん」

 

「いや?」

 

「俺には父さんがもういないから、具体的にはわからないけど……主水と主水のお父さんの関係を、少しでも知るきっかけになりたいんだ」

 

「そうですか」

 

自分が思っていた解答ではなかった為、ルールーはソウゴから去ろうとする。

 

「でも、もう一つあるんだ」

 

「もう一つ?」

 

ソウゴはもう一つ、本音があると話す。

 

「ルールーと……友達になりたいんだ」

 

「私と?」

 

「うん。だって、いつもはなとだけっていうか……

たまには俺やさあや、ゲイツにほまれやツクヨミにも頼って欲しいんだ。その友達として……ダメかな?」

 

髪をかき、苦笑しながらそう口にする。

 

「理解不能………ですが…」

 

対して理解不能と呟くが、ソウゴの言葉を聞いたルールーは、疑問に満ちた顔で胸に手を当てた。

 

 

その後、はなとほまれが調理室で子供達のおやつの用意をし、ソウゴは自分の担当の場所へ戻って世話を続ける。

さあやとルールーは教室に戻ってたが、ルールーの方が子供達に囲まれ、さあやは勝負に負けたかのような表情で見ていた。

 

「おやつだよ」

 

「ルールーは高い高い以来、すっかり子供達のお気に入りになったみたいだね」

 

はなとほまれがおやつを運んで戻る。

 

「み、みんな!おやつよ、おやつ!」

 

さあやがカートの上に置いてあるおやつと牛乳を持って行くが、足元の積み木に引っ掛かり、おやつも牛乳もこぼしてしまった。

 

「さあや⁉︎」

 

「大丈夫?」

 

「う、うん。ごめんなさい……!」

 

「大丈夫よ」

 

「何か拭く物持ってきます」

 

「お願いね。私は新しいおやつ取って来る」

 

はなと保育士の女性がふきんとおやつを取りに向かう。

 

「もしかして、焦っちゃった?」

 

「えっ?」

 

すると、ツクヨミから焦ったのかどうか聞かれた。

 

「ルールーの方がちょっと上手で」

 

「でもソウゴから聞いた時は意外だった。さあやにこんな負けず嫌いな所があったなんて」

 

「何か……恥ずかしい……」

 

ほまれとツクヨミから負けず嫌いと言われたさあやが、顔を逸らして頬を赤くする。

 

「いいんじゃない?そう言うの、いいじゃん?」

 

「片付け終わったよ」

 

おやつが済み、はな達が片付けを終えて戻ると、はぐたんを含んだ子供達が一斉に泣き出してた。

 

「泣き声オーケストラだ……」

 

「どうしたんだろ……?はぐたん、いつもはすぐ寝るのに……」

 

それを見ていた保育士達が子供達を抱っこさせて歌うと、はぐたんを含んだ子供達が泣き止んで眠った。

 

「眠ってしまいました……」

 

「はぐたんも、今日は新しいお友達が出来て、嬉しくて眠れなかったのよ」

 

「それ、分かります」

 

「赤ちゃんだって、十人いれば十通りの性格があるわ。テキスト通りには行かないものよ」

 

「何故ですか?何故泣いたり騒いだりするだけの赤ちゃんに、みんな必死になるんですか?」

 

ルールーはどうして赤ん坊の為に必死になれるのか疑問に思い、問いかけた。

 

「だって可愛いもん」

 

「それだけですか?」

 

「ルールーは、可愛いと思わない?」

 

はなとほまれにそう言われ、ルールーが自分の膝の上で眠る女の子を見る。

それを見たさあやはルールーに話しかける。

 

「ルールーだって、可愛いと思ってる。きっと」

 

「えっ?」

 

「ルールーの表情、見てれば分かる」

 

自分の自覚してなかった表情を指摘されて面を喰らったのか、ルールーは口をあんぐりと開けて驚いた。

 

 

ソウゴと主水は4歳児の教室で、昼寝している子供達を見ていた。

 

「ねぇ、主水は、本音はお父さんと話がしたかった。違う?」

 

「……」

 

「これ。大事なものなんでしょう」

 

ソウゴがツクヨミから預かった主水のお父さんの腕時計を渡す。

 

「だから〜!うるさいの!」

 

すると玄関先から揉め事のような声が聞こえた。

 

「なんだ?」

 

ソウゴが玄関先へと向かうと、そこでは保育士達がデザイナーの吉見リタから、子供達の泣き声のせいでアイデアが消えると言うクレームに頭を下げて謝罪する光景が映っていた。

 

「トゲパワワ、発見」

 

リタからトゲパワワが溢れるのをルールーが気付く。

 

「明日への希望よ、消えろ。ネガティブウェーブ」

 

ネガティブウェーブを放出させてリタと二人の保育士からトゲパワワを取り出し、暗黒の雲のようなエネルギーに変える。

 

「発注。オシマイダー」

 

暗黒の雲がカートに憑り付き、カートオシマイダーが作り出された。

 

「あら、丁度いいわね」

 

そこへアナザークイズを連れたオーラまで現れた。

 

「ねぇ、あれと融合すれば、もっと知識が手に入るわ」

 

「知識……うぉぉぉぉ!」

 

彼女の言葉を聞いたアナザークイズが、躊躇いもなくオシマイダーへと走っていく。

そのままオシマイダーから流れ出るトゲパワワと、アナザークイズが一つになろうとする。

 

「以前、フォーゼとオシマイダーとの合体に成功した例があった。

……名付けるなら、オシマイクイズ」

 

「オシマイ〜クイズ!」

 

それによってカートのオシマイダーとアナザークイズが合体し、手足に付いたカートの車輪とコードの付いた脳味噌の様な頭部と肩部、そして頭部にある血走った目ん玉の様なものが付いたシルクハットが特徴的なオシマイダー……オシマイクイズへと姿を変えた。

オシマイクイズは周りを破壊しながら暴れまくる。

 

「クライアス社……!」

 

「赤ちゃんのお昼寝の時間に……!」

 

「子供達のいるここで、暴れさせる訳にはいかない!」

 

「行くよ!」

『ジクウドライバー!』

 

オシマイダーを見たソウゴと主水がドライバーを装着し、はな達はミライクリスタルとプリハートを構えた。

 

『ジオウ!』

『ピリリン〜!』

 

「「変身!」」

「「「ミライクリスタル!ハート、キラっと!」」」

 

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』

『ファッション!パッション!クエスチョン!クイズ!』

「輝く未来を〜抱き締めて!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

 

ジオウ達がオシマイクイズに向かって走る。すると、目の前にゲイツが現れた。

 

「ゲイツ」

 

「さぁ、我が救世主よ」

 

『ゲイツ!』

 

「変身!」

『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!』

 

ゲイツが仮面ライダーゲイツへと変身し、ジオウ達の前に構える。

 

「主水!」

 

果敢に突っ込んでくるゲイツ。

 

「はぁぁぁぁ!」

 

だが彼は仮面ライダークイズでなく、オシマイクイズを攻撃した。

 

「俺が狙いじゃなかったのか?」

 

「俺の使命は歴史を変える事。お前とは違うが……お前の意志を止める気などない」

 

クイズの意思を止めないと言い、ジカンザックスを使いオシマイクイズを交戦する。だが、やはりゲイツの攻撃は効いていない。

 

「何言ってんだ。君の責務はオーマジオウを倒す。そのためにゲイツリバイブへ進化することだ。赤の他人の意志を叶えることじゃない」

 

不服そうな表情を浮かべながら白ウォズがゲイツを止めようと近づく。

 

「ゲイツの邪魔はさせないよ」

 

しかし、ジオウが白ウォズの前へ現れ、ゲイツの邪魔をさせない様にする。

 

「ジオウ!……まさか、俺の考えを読んでいたのか?」

 

「うん。あの時……本来だったらあの場面、白ウォズと協力しに行ってた気がするんだよね。ほら、ゲイツって真っ直ぐ過ぎるから。

だから何か違う狙いがあるんだって気付いた」

 

ジオウがゲイツの考えを話すと、白ウォズの方を向く。

 

「白ウォズは俺が止めるからさ。後は任せたよ」

 

「ソウゴ君」

 

「主水のお父さんをお願い」

 

「任せて!行こう!」

 

エール達はオシマイクイズへと走っていく。

 

「さぁ、始めようか」

 

「フハハ……私を止める?さすが魔王、面白いことを言うね。いいだろう」

 

「その前に、一つ聞かせて。どうして、この場所にアナザークイズを呼びせたの」

 

「ほぅ、私がこのノートに書いたと読んだか?」

 

ジオウが白ウォズの未来ノートによって呼び寄せたものだと睨む。

 

「二人を引き合わせるならもっと、別の場所でもよかったんじゃない?」

 

ジオウの言う通り、本当ならば子供のいる幼稚園ではなく人気の無い場所の方が良い筈だ。

 

「そんな悠長なことなんて、どうでもいい。

勝利には大きな犠牲が必要だからね。こんな場所で誰が居ようが居なくなろうが、関係ない」

『ビヨンドライバー!』

 

白ウォズがビヨンドライバーを腰へと装着した。

 

『ウォズ!アクション!』

 

「変身!」

 

『フューチャータイム!スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!』

 

白ウォズは仮面ライダーウォズへと変身した。

 

「我が名は仮面ライダーウォズ、未来の創造者である」

『ジカンデスピア!ヤリスギ!』

 

ウォズはヤリモードにしたジカンデスピアを取り出した。

 

「なんか、そう言うの許せないね。犠牲が必要だなんて」

『W!』

 

ジオウはダブルウォッチを起動させ、ジクウドライバーへと装填し回転させた。

 

『アーマータイム!サイクロン!ジョーカー! ダブル!』

 

ジオウの体に二本のガイアメモリが肩に装備され、黒と緑のアーマー、ダブルアーマーを装備した。

 

「さぁ、お前の罪を……教えろ?」

 

「…ふぅ!」

 

「はぁ!」

 

ジオウとウォズとの勝負が始まった。

 

 

そして、一方エール達はオシマイクイズと交戦を始めていた。

 

「はああああぁぁぁっ!」

 

「はっ!」

 

エール達があらゆる方向から攻撃を繰り出し、ゲイツがジカンザックスを放って援護する。

しかし、戦闘音を聞いて子供達が起きてしまい、オシマイクイズを見て泣き出す。

 

「赤ちゃん達が……!」

 

「目を覚ましちゃった……!」

 

「怖がってるんだ……!」

 

「大丈夫大丈夫。ほらベロベロ~」

 

エールが男の子を持ち上げて笑わせようとするが、泣き止まない。

 

「ひょっとしてせいたろう君、オムツ……⁉︎」

 

「エール!」

 

「ごめん!オムツ替えるから、もう少し頑張って!」

 

そこへオシマイクイズがカートの車輪を回転させて突風を起こし、アンジュとエトワールを怯ませる。

更にオシマイクイズが保育園の方に向けて、車輪を投げ飛ばす。

 

「くぅ……っ!」

 

「エトワール!」

 

エトワールが保育園の方へ走り、車輪を止める。

 

「みんなは子供達を!」

 

「子供を泣かせるな!」

 

二人が連続で攻撃を繰り出す。

 

「お手伝いします!」

 

アンジュも加わり、オシマイクイズに隙を与えないようにする。

 

「プリキュアは赤ちゃんが気になって、戦いに集中出来ない。ジオウも白いウォズの足止めで精一杯。ですが長くは……」

 

ルールーが離れた所から、オーラと共に様子を見て冷静に分析していた。

 

「バイトちゃん、しっかりやってるかしら?」

 

パップルが様子を見にタクシーで訪れる。

だがオシマイクイズはゲイツとクイズ、アンジュによって隙を与えられず、何も出来なかった。

 

「ジオウの方は……白ウォズの足止めが限界のようね」

 

 

「落ち着け……!落ち着け……っ!」

 

「大丈夫だよ」

 

「怖くない、怖くない」

 

エールとエトワールが泣きじゃくる子供達を励ます。

 

「はぐたん……」

 

これまで寝てたはぐたんが起き、応援を送る。

 

「応援してくれてありがと」

 

応援するはぐたんに反応した子供達が泣き止み、アスパワワを生み出す。

 

「アスパワワ……」

 

「守ってみせる!絶対に!」

 

「「はあっ!」」

 

ゲイツとクイズがダブルパンチを繰り出し、オシマイクイズを怯ませる。

 

「お待たせ!」

 

オムツを替え終えたエールとエトワールが駆け付けたが、その直後にオシマイクイズが保育園に向かって突進する。

 

「いけない!」

 

ツクヨミが保育園の方へと走る。

 

「ダメ……!」

 

だがその時、ルールーが前に出て腕を広げた。

それを見たオシマイクイズが動揺し、動きを止める。

 

「赤ちゃん達をお願い!」

 

アンジュに言われ、ルールーが頷く。

 

「あいつ、何やってるの?」

 

オーラにはルールーの行動がわからなかった。

 

「オシマイダーの動きが止まった!」

 

「行くよ!」

 

「お前の研究の成果は認められる。〇か×か?」

 

クイズはオシマイクイズに向けてクイズを出した。

 

「正解は×だ!」

 

電撃を受けるオシマイクイズへ、更にパンチを浴びせていく。しかも、仮面ライダークイズの攻撃に効果が見られた。

 

「そうか……ウォッチがなくとも、仮面ライダークイズの攻撃であれば奴を倒せるかもしれない」

 

ゲイツはそれを見て仮面ライダークイズの力なら、あのオシマイクイズに有効だと気づいた。

 

「よし、行くぞ!」

「ああ!」

 

『フィニッシュタイム!』

『ファイナルクイズフラッシュ!』

 

それを見たオシマイクイズは何かヤバイと察知したのか、今度は電撃を纏った車輪を複数飛ばすが、ゲイツとクイズはそれを全て避けると、二人同時に高く飛び上がる。

 

『タイムバースト!』

 

ダブルライダーキックでオシマイダーとアナザークイズを分離させ、アナザークイズの方は変身解除された。

 

「今だ!オシマイダーを仕留めろ!」

 

「「「ミライクリスタル!」」」

 

「エールタクト!」

「アンジュハープ!」

「エトワールフルート!」

 

三人がメロディソードのボタンを押して演奏し、虹色のエネルギーを作り出す。

 

「「「心のトゲトゲ、飛んで行けー!プリキュア!トリニティ・コンサート!」」」

 

対象に向かって虹色のエネルギーを飛ばすトリニティ・コンサートを放つ。

 

「ヤメサセテモライマ〜ス」

 

トリニティ・コンサートが命中し、巨大な木が作り出されてピンク・水色・黄色の花が咲き誇り、オシマイダーが浄化された。

 

「「「HUGっとプリキュア!エール・フォー・ユー!」」」

 

オシマイダーが浄化された一方、ジオウとウォズとの対決も激しくなった。

 

「どうやら、終わったようだね。君との遊びも終わらせよう」

 

「こっちのセリフ!』

『フィニッシュタイム!』

 

ジオウがウォッチを二つ押し、回転させると高く浮き上がる。

 

『マキシマムタイムブレーク!』

「オリャャャャャ!」

 

ジオウのタイムブレークをウォズへ仕掛ける。

 

「はぁ!」

 

だがジカンデスピアで受け止められると、カウンターで弾き飛ばされ、ジオウはダメージで変身解除した。

 

「魔王。あまり自分の力を買いかぶらない方がいい」

 

ウォズはジオウを倒し、ゲイツの方へと近づく。

 

 

一方、オシマイダーが消滅し、アナザークイズから変身解除した保へと変身解除したゲイツと主水が近づく。

 

「何故だ……何故俺の邪魔を……お前一体誰なんだ‼︎」

 

「俺は未来……2040年から来た……あんたの息子だ」

 

「主水?ふっ……まさか」

 

目の前にいる男が未来から来た自身の息子だと信じていない保に、主水は自分がつけている父の時計を見せる。

 

「それは……!」

 

それを見た保は、自分の腕の時計を見比べた。

 

「本当に主水なのか……⁉︎」

 

「問題を出す。一つだけ答えてくれ」

 

主水が父親である保に問題を出し、強引でも答えを求める。

 

「あんたの研究は上手く行かないかもしれない。

家族と心が離れるかもしれない……

その上……早死にしてしまうかもしれない、

………でも、人生で誰かを愛したとしたら……それは誰だ?」

 

「………お前の母さんだ」

 

「………正解だと信じる」

 

保から答えを聞き、主水は満足そうな表情を見せる。

 

「ありがとな」

 

「いや、礼なら……あいつだ」

 

主水はゲイツとエール達に礼を言う。

 

「メロドラマはそこまでにして」

 

再びオーラは保の胸からウォッチを取出した。

 

『クイズ…!』

 

再起動したアナザーウォッチを再び戻し、再び変身させた。

 

「くぅ……」

 

二人が再び変身しようとする。だがそこへ仮面ライダーウォズが現れ、ゲイツの顔を殴る。

 

「何をする⁉︎」

 

ゲイツの言葉を無視して、主水を拘束するウォズ。

 

「君が私をまだ信じていないみたいに、私もまだ君を信じていない。

君のその甘さは、いずれ未来を苦しめるだろう」

 

そう言うや否や、主水の体からクイズミライドウォッチを生成した。

 

「これで用済みだ」

 

ウォズは用済みと言うと、主水を放り投げる。

 

「大丈夫?」

 

エール達が主水に駆け寄る。

 

『クイズ!』

 

ウォズは気にせずクイズミライドウォッチを使用し、ビヨンドライバーへと装填した。

 

『投影!フューチャータイム!』

 

そしてカバーを開き、右手でビヨンドライバーのハンドルを前に向けるとアーマーが装着される。

 

『ファッション!パッション!クエスチョン!フューチャーリングクイズ!クイズ!』

 

その姿は仮面ライダークイズを模しており、複眼のスマートベゼルには「クイズ」とカタカナで描かれ、両肩の『クイズショルダーサークルサイド/クロスサイド』にはそれぞれ“○”と“×”が絵描かれていた。

 

「問題、お前の論文は評価される○か×か?答えは×」

 

そう言うとアナザークイズの頭上に雷雲が現れ、落雷が落ちた。

 

「家族の心はお前から離れていく。○か×か?」

 

「……」

 

「○だ」

 

またもや落雷を受けるアナザークイズ。

 

『ジカンデスピア!ツエスギ!』

 

更に追い詰める様に、ジカンデスピア・ツエモードでの突き攻撃をアナザークイズに次々と決めていく。

 

「やめろ……」

 

「ソウゴ君」

 

ふらつきながらソウゴは現場へやってきて、アンジュは負傷したソウゴを介抱する。

 

「では、終わらせよう」

『フィニッシュタイム!不可思議マジック!』

 

するとジカンデスピアを使って大量のクエスチョンマークが出現、そのままアナザークイズを縛り爆散させた。

アナザーウォッチも砕け散り、もう再起動はできないため、オーラは去っていく。

 

「大丈夫ですか?お父さん!」

 

ソウゴとアンジュは倒れた主水の父親に駆け寄り介抱する。

 

「これは君が持っておくといい」

 

白ウォズはゲイツへクイズウォッチを渡す。すると、ゲイツは主水へそれを渡そうとする。

 

「お前のもんだろ?」

 

「いや。それはお前が歴史を変えるために必要なんだろ?」

 

「しかし……」

 

「問題はちゃんと聞け。母の時間は動き出す。俺の時間もな」

 

――すると、それに呼応するように止まっていた腕時計が動き出した。

 

「だから、それはお前に託す」

 

主水はゲイツに自分のライダーの力を託した。

 

「親父を頼む。2040年に戻ろう」

 

白ウォズに元の時代に戻すように頼む。

 

「ちょっと待っててもらおう」

 

だがそう言うと、白ウォズがゲイツに振り向く。

 

「いいかい我が救世主。君には使命がある。オーマジオウを倒すという……ね」

 

シノビウォッチをゲイツの手に渡すと、2つのウォッチが反応し合った。

その瞬間、ゲイツが見たのは、近い未来、自身が変身した今のゲイツとは違う、新しい自分の姿だった。

 

「これは……」

 

それを見てゲイツがふらつく。

 

「君はゲイツリバイブとなり、魔王を倒す。魔王退治に下手な感情は無用。そのことだけは覚えておくんだ」

 

そう言い残し白ウォズは主水を連れ、未来へ向かう。

 

「ゲイツ!」

 

ソウゴが近づこうするとゲイツはふらつきながら、去っていく。

 

 

しばらくし、目を覚ました保育士達は急いで戻り、リタはアイデアが浮かんで上機嫌で去って行った。

 

夕方、子供達が親達に連れて帰られるのを見届け、今回のお仕事体験は終わった。

そのままソウゴは、クジゴジ堂へ入った。

 

「……」

 

「我が魔王……」

 

「ウォズ」

 

「やあ」

 

黒ウォズがクジゴジ堂の階段から現れた。

 

「お帰りソウゴ君」

 

リビングから順一郎が現れた。ソウゴが階段を登り、自分の部屋に戻るとウォズが順一郎に近づく。

 

「今日は見てもらいたいものが……これを動かす事が出来るかな?」

 

「え~と……何かなこれは?」

 

黒ウォズが順一郎に渡したのは、いつも違う形をしたジオウのウォッチだった。

 

 

 

 

 

「かくして、未来の仮面ライダーの力がまた一つ、この時代に現れてしまった。

歴史がオーマジオウの流れから外れ始めている。だが……」

 


次回!Re.HUGっとジオウ!

 

第19話 鏡の世界のライダーと少女 2018

 

 




おまけ

ウォズクイズ「サービス問題です」

エール「フゥ〜〜!」

ジオウ「バッチコーイ!」

ウォズクイズ「原作:仮面ライダージオウの仮面ライダーウォズ・フューチャーリングクイズ初登場回において、その日の原作:HuGっと!プリキュアはどんな話でしょうか?」

ジオウ・エール『――は?』

黒ウォズ「我が魔王、この本によればその日のHuGっと!プリキュアは最終回であると書かれている」

ジオウ・エール『は??』

黒ウォズ「そしてハグプリ最終回では、はな君は大人になってはぐたんを・・・おっと失礼、先まで読みすぎました・・・」

ジオウ・エール『はァ!?』

は?

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