Re.HUGっとジオウ!   作:yu-ki.S

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黒ウォズ「この本によれば、普通の中学生 時見ソウゴ。彼には魔王にして時の王者『オーマジオウ』となる運命が待っている。我が魔王は最強のジオウⅡの力を手に入れ、オーマジオウへと再び歴史が傾く。
オーマの日は近い。私達が望む未来も、もうすぐ近い」


第21話 出会う日、なにかが始まる 2018

アナザーリュウガとの戦いで、ソウゴがジオウⅡの力を手に入れてから、数日が経った。

 

「ソウゴ君!」

 

「何、叔父さん?」

 

二階の部屋からソウゴが順一郎に呼ばれ、リビングに降りてきた。

 

「悪いけどソウゴ君、HUGMANまでちょっと買い物に行ってくれないかな?卵さあ、すごくお得なんだ。僕、仕事で行けないからさ〜」

 

「は〜い」

 

そう言って順一郎から買い物袋とHUGMANのチラシを貰うと、ソウゴはゲイツとツクヨミが居ないことを思いだす。

 

「ねぇ、ゲイツとツクヨミは?朝からいないけど……」

 

「あぁ。二人共、今日はあのイケメン君のところへ手伝いに行くって言ってたよ?」

 

「ハリーのところか……言ってくればよかったのに……

まぁ、いいや。行ってきます〜」

 

ゲイツとツクヨミの行方を聞いたソウゴはクジゴジ堂を出て行き、HUGMANへと赴く。

 

 

そしてソウゴが出て行ったのと同じ頃、野乃家でも…

 

「めちょっく……!」

 

HUGMANのチラシを見たはなが驚きの声を上げる。

 

「卵が一パック20円⁉︎これは大ピンチの野乃家の家計を救う大チャンスだよママ!」

 

今日HUGMANでは、卵一パックが20円で売られるのだ。

 

「しかし先着二十名様限定!でもこんな日に限って私は取材が~!」

 

「僕も昼休みまで動けない……!だがそれでは売り切れ必至……!」

 

「私は友達とお出かけー」

 

「私も今日ビューティーハリーのお手伝いが……!」

 

しかし全員予定が入っており、誰も行く事が出来ないでいた。

 

「ああ~!このピンチを救ってくれる救世主はいないものか……!」

 

「めちょっく無念……!ノー卵、ノーライフ……!」

 

誰もがこのチャンスを諦めようとした、その時…

 

「私が行きましょうか?」

 

「「「いた~っ!」」」

 

そこへ特に予定の無かったルールーが行こうかと伝えると、はな達がルールーの方を向いて叫んだ。

 

 

そのまま、ルールーがHUGMANまで歩いて買い物へ向かう。

 

「命令された訳でも無いのに、私は、何故……」

 

その彼女は今、どうして野乃家の頼みを聞き入れてしまったのだと考えこんでいた。

そんな中、猫の鳴き声が聞こえて立ち止まると、自身の近くに猫が居ることに気付く。

 

「ストーップ、なのです!」

 

声が聞こえると同時に、プリキュアの様なコスチュームを意識した格好の少女が走って現れ、ルールーの目の前で止まる――が、勢いが強過ぎて派手に転んでしまう。

 

「大丈夫ですか?」

 

「………えぇ」

 

ルールーに心配されながらも、少女はすぐに立ち上がる。

 

「良かったのです。とう!」

 

「あなたは?」

 

そして少女が上に跳ぶと同時にルールーが尋ねる。

 

「事故が起こる前に、みんなを守る!キュアえみ~る!」

 

着地と同時に「え」の字を表現するポーズを取り、キュアえみ~ると名乗る。

その少女はことりのクラスメイトで、ソウゴ達が以前ハイキングで出会った少女・えみるだった。

 

「ッ! 新たな……プリキュア……?」

 

「危ない所でした。もう少しであなたは、危うくこの猫さんに激!とーつ!する所だったのです。私がお止めしなければ、あなたは猫さんを蹴飛ばし―――」

 

言ってる途中で、無理な体制で立っていた影響かえみるの身体が震え出す。

 

「尻尾を踏んずけて、怒りを買う事に……!」

 

長時間のポーズに耐え切れず、派手に仰向けに転んだ。

 

「このポーズは大変なのです……」

 

その直後、通行止めされた事に腹を立てた猫が、えみるの顔を引っ掻いた。

 

「やはり危険だったのです……!」

 

「キュアえみ~る」

 

「何でしょう!」

 

背後からルールーに呼ばれて振り向く。

その直後、ルールーが引っ掻き傷のついたえみるに顔を近づけてジッと目元を見る。

 

「な……何ですか……?」

 

(おかしい……。確かに似ている……

……でも、ミライクリスタルの気配は感じない)

 

えみるを分析すると、プリキュアの可能性が「87.56%」あると出て、姿もプリキュアに似ているが、ミライクリスタルの気配を感じない事に気付く。

 

「ルールー!何してるの?」

 

そこへ偶然見かけたルールーを見て、ソウゴが近づいてきた。

 

「時見……ソウゴ……」

 

「もう〜、ソウゴで良いって。

……え〜っと君は、確かえみるちゃんだっけ?」

 

「違います!私はキュアえみ〜るなのです!」

 

「キュアえみ〜る?(……もしかして、あの時助けた影響かな〜?)」

 

えみるがプリキュアの格好をしているのは以前、オシマイダーから助けた時、キュアエールを見た影響だと考える。

その直後、ルールーが着けていた黒のヘアバンドに「9:50」を表す文字と音声が流れる。

 

「時間がありません。任務を優先します」

 

ルールーは買い物を優先してこの場を後にする。

 

「何ですか今の⁉︎」

 

「ねぇ、それって何?」

 

「時計です」

 

「見辛くないそこ⁉︎」

 

二人のツッコミをスルーしながら歩み続けるルールーの後を、ソウゴとえみるがついて行く。

 

「ストップなのです!」

 

その時、何かを察知したえみるはそう言い、二人を制止する為に笛を鳴らす。

 

「公共の道を急ぐのは危険なのです。小石に躓いて転んで、坂をゴロゴロしてしまう危険があるのです……!」

 

「危険って……」

 

「その確率は、1.57%です」

 

ルールーが確率を言うと、逆にえみるが足を引っかけて転がりながら伝える。

 

「だ、大丈夫?」

 

「頭上にも注意です!」

 

ソウゴがえみるを立たせると、彼女はすぐに起き上がりルールーを追う。

 

「風に飛ばされてった買い物袋に視界を遮られ、電柱にぶつかってしま―――ぶっ!」

 

「あっ…あぁ……」

 

「あり得ません」

 

今度は買い物袋に視界を遮られ、電柱にぶつかってしまった。

 

「見て下さい今の私!少しでも危険があるのなら、キュアえみ~るは、あなたをお守りするのです!」

 

えみるは背後からルールーにすがるようにして抱き付き、引きずられながらもそう伝える。

 

(この人は何なのですか……?)

 

ルールーは自身にしがみ付いているえみるに疑問を抱き、心の中で呟いた。

 

「えみるちゃん、心配性なのかもしれないし、人を守りたいって思いは伝わるけど……」

 

そんな彼女をソウゴは、不安そうに呟きながら二人の後ろを歩く。

 

 

さあやとほまれの二人がビューティハリーに向かう途中、町中の丸型ベンチに座って会話をしていた。

 

「そう言えば、オーディションどうだった?」

 

「えっ、あ、う……そう言えば、ほまれこそ新しいスピン、調子どう?」

 

「う、うーん……簡単には行かないよね……」

 

「そうだね……」

 

二人は近況を話すが、互いに上手く行って無かったのか、言い淀んでいた。

 

「いけませ~ん!命が惜しく無いのですか⁉︎」

 

「引き受けた任務はやり遂げなくてはなりません」

 

そこへ、ずっとルールーに抱き付いたまま引きずられるえみるを見かける。

 

「まあ……!えみるちゃん、可愛いお衣装……!」

 

さあやが目を輝かせてそう言い、ほまれは目を丸くした。

 

「……あれ?二人の後ろにいるのソウゴじゃない?」

 

「えっ⁉︎」

 

だが彼女らの背後の方に視線を向けたほまれがそう言うと、今度はさあやが目を丸くした。

 

「ソウゴ君が……ルールーと……」

 

彼女は二人…いや、ルールーの後ろをついていくように歩くソウゴを、心にドロッとした感情を抱きながらじっと見つめる。

 

 

そして一同は目的地のHUGMANに到着すると、格安の卵をゲットする為に集まった主婦達の獣の様な眼光をかいくぐりながら、彼女らの先頭をルールーが猛スピードで走る。

卵争奪戦という名のバトルファイトを先に制したルールーは、目的の卵をあっさりと二パック分確保した。

 

「任務、完了」

 

こうして、ルールーのミッションは無事達成された。

 

「ふー、危なかった。主婦の力って凄まじいなぁ」

 

少し後に、一パック確保して争奪戦から出たソウゴが一息付く。

 

(時見ソウゴ………こうして確認すると、普通の少年と同じ…ですが……)

 

ルールーがソウゴを見て分析しながら、彼がこれまでに手に入れた力の記録を見る。

 

(オーマジオウの、素質は92.4%……非常にレベルが高い……)

 

「…何?」

 

「いいえ」

 

「困ったねぇ……手が届かないねぇ……」

 

ルールーからの視線を感じ、小首を傾げてそう聞きだすソウゴにそう誤魔化すと、近くでお年寄りの女性が缶詰のタワーに手が届かない所に二人が気付く。

 

「このキュアえみ~るがお手伝いします!」

 

「あら、どうも」

 

「ちょれい!」

 

えみるは背伸びして腕を伸ばすも一番上に届かず、仕方なく自分の手の届く所を取る。

 

「あっ、流石にそこは……!」

 

ソウゴが止めようとするが既に時は遅く、缶詰のタワーは崩れ落ちてしまい、えみるは落ちて来た缶詰に巻き込まれた。

 

「大丈夫?」

 

「ノープログレムなのです……」

 

ソウゴは手を差し伸べ、えみるがその手を掴んで立ち上がる。

 

「時見先輩。助けてくれてありがとうございます。

キュアえみ~るは、まだまだ困ってる人を助けに向かうのです!」

 

ソウゴの頭を下げてお礼を言い、えみるはまた人助けに向かう。

――だが、会計中に大根を忘れてた男性に大根を届けるがレンコンだったり、母親の持つ買い物袋を持つが重くて持ちきれなかったりと、失敗が続いた。

 

「キュアえみ~るは……皆さんのお役に立てませんでした……」

 

「そうでしょうか?」 

 

「えっ……?」

 

丸型ベンチに座って凹むえみるに、ルールーが声を掛ける。

 

「あなたが声を掛けた人は皆、笑顔になっていました。

それが何故なのか、理解出来ませんが」

 

「それは、えみるちゃんの優しさが、みんなに伝わっている証拠だよ」

 

ソウゴとルールーの言葉を聞いたえみるは、元気を取り戻して走る。

 

「あの!」

 

「?」

「何ですか?」

 

するとソウゴとルールーを追い越し、目の前で止まる。

 

「あなた達と、もっとお話ししてみたいのです……!

なので……もし、良かったら……私の家に…遊びに来ませんか……?」

 

えみるはもじもじしながら二人を家に誘う。

 

「いいですよ」 

 

ルールーからいいと言われて、彼女は一瞬驚くが喜ぶ。

 

「俺も構わないけど……いいの?」

 

「時見先輩も、家に来て欲しいのです。先程助けてくれたお礼がしたいのです」

 

「いいよ。別にお礼なんて」

 

「ダメです!ちゃんとお礼をしなければいけないのです!」

 

えみるは遠慮するソウゴの顔に近づけて叫ぶ。

 

「わ、分かった」

 

「こちらなのです……!」

 

先を歩くえみるの後を、ソウゴとルールーが歩く。

 

(不可解な点は多い。しかし、あの時のアスパワワ……プリキュアの可能性は、ゼロでは無い)

 

 

 

ビューティーハリーではな達がはぐたんをあやしていると、さあやがソウゴとルールーが一緒だった事を話し、えみるの服についても話す。

 

「プリキュアっぽかったね……」

 

「えっ?そうかな……」

 

「何が?」

 

「さっきえみるちゃんを見かけたの」

 

「何か変わった格好しててね」

 

「変わった格好?」

 

「ほまえ」

 

「なぁにはぐたん?でも本当、一体何を―――」

 

「「「…ん?」」」 

 

えみるの話をしていた三人だったが、突然聞こえた声に疑問に感じたはな達が一斉にはぐたんを見る。

 

「ほまえ」

 

「「「喋った~!」」」

 

はぐたんが喋った事に、はな達は興奮した。

 

「い、今、ほまれって言ったよね!言った⁉︎ 言いました⁉︎」

 

「はぐたん私は⁉︎ 私は‼︎ 私は⁉︎」

 

「しゃあや」

 

「「「また喋った~!」」」

 

更にはぐたんがさあやに、ほまれと同じ様に名前で呼んでくれた事に対して三人はより興奮した。

 

「昨日はハリー言うたで」

 

「つきよみ〜、げぃつ〜」

 

「ありがとう〜はぐたん」

 

ツクヨミがはぐたんの顔を見て、ありがとうと言う。

 

「はぐたん私も私も!言って言って!はーなって!はーな!」

 

自身もはぐたんに名前を読んで欲しいと思ったはなはニヤニヤしながらしゃがみ、はぐたんに顔を近づける。

 

「は……」

 

「は~~~?」

 

「は………」

 

「は~~~!」

 

「はぎゅ~!」

 

この時のはなの圧に恐怖を感じたのか、はぐたんは泣き出してしまった。

 

「ごめんねはぐた~ん!」

 

すぐさま抱き締めて謝罪したはなの光景を見ていたツクヨミは、意を決した顔を浮かべながら口を開き始める。

 

「ねぇ、みんなと相談したい事があるの……」

 

「相談って?」

 

「ソウゴについてよ」

 

「「「えっ?」」」

 

「みんなも、この前のソウゴのあの力を見たでしょ」

 

ツクヨミはこの前のアナザーリュウガとの戦いで見せた、ソウゴの時間を逆転させる力とジオウⅡによる圧倒的な力について話す。

 

「あれはオーマジオウと同じ力……

だから、みんなには悪いけどもしかしたら、ソウゴは倒す必要があるかもしれない」

 

「つまり、私の望む未来を選ぶということかね」

 

すると後ろからウォズの声が聞こえ、見てみると白ウォズがドアの前に立っていた。

 

「白ウォズ……」

 

「我が救世主、既にオーマの日は近い。その最悪の未来を回避するには、君がゲイツリバイブになるしかない」

 

「……俺は…」

 

「君が選ぶ未来は一つしかない。ゲイツリバイブとなる未来しかね……」

 

「みんなはどうなの?」

 

「私は……」

 

ツクヨミにソウゴはオーマジオウになる可能性があると言われ、さあやは迷う。

ツクヨミの話が本当なら、いつかゲイツがソウゴを倒してしまう。

自分はどうすればいいのか、本当にソウゴは未来で最悪の未来を作ってしまうのか、私は……

 

「私はソウゴを信じるよ!」

 

「はな……」

 

「ソウゴがもしオーマジオウになると決めたなら、ゲイツを助けなかったはずだよ!

それに、ソウゴはあの力を使っても、いつもの優しいソウゴのままだったよ!」

 

「(……そうだね!)私もソウゴ君を信じる!だって、約束したから!」

 

はなが信じると言ったのを聞いたさあやはあの時、一度は王になる夢を諦めたソウゴと交わした、新しい未来を作ると決めたあの日の約束を思い出す。

 

「はなとさあやが言うなら、私もソウゴを信じるよ。

だって、仲間でしょ……?」

 

ほまれもソウゴがオーマジオウにならないと信じるようだ。

 

「みんな……」

 

「君達には呆れるよ。最悪な敵となると言う男を信じるなんて」

 

「白ウォズは、人を信じるとかないの?」

 

「そんなものは、必要ない。

これで君達プリキュアとハリー君はジオウ側と言うことで、私とツクヨミ君、我が救世主はジオウを倒す側と言うことになるね〜」

 

はなの問いに対し、白ウォズはそう言って去っていった。

 

「白ウォズの考えなんか、気に入らない」

 

「せやな。なんか、やり方がクライアス社に似てる気がするんや」

 

ハリーがほまれの言葉に便乗すると、白ウォズのやり方がクライアス社に似てると話す。

 

「ゲイツとツクヨミは、白ウォズの未来に従うの?」

 

「それは……」

 

「……」

 

はなに白ウォズに従うのかと言われ、ツクヨミとゲイツが黙り込む。

 

「信じよう!ソウゴ君は絶対に、オーマジオウにならないって!」

 

さあやがソウゴはオーマジオウにならないと言うと、それを言われたゲイツは部屋から出て行こうとする。

 

「ゲイツ……」

 

「悪い、一人にしてくれないか……」

 

心配するツクヨミにそう言いながら、ゲイツは一人外へと出ていく。

 

(俺は……どっちなんだ……

ジオウを倒すか……それとも………)

 

自分のゲイツウォッチを見つめ、ソウゴを倒すか倒さないかで迷いながら、その手に持ったウォッチを強く握る。

 

 

その頃、ソウゴとルールーの二人がえみるの案内で着いた先は、公園だった。

 

「公園?」

 

「これがあなたの家ですか?」

 

「違います!少し、待っていて貰えますか?」

 

えみるは二人にそう伝え、向かいのタコ型遊具の中に入る。

少しすると、タコの口からいつもの姿に着替えたえみるが出て来た。

 

「お待たせしました!」

 

「着替える為だったんだね」

 

「プリキュアの可能性、0.01%」

 

「私の秘密をお教えします。キュアえみ~るは、世を偲ぶ仮の姿。

実は私は……プリキュアでは無いのです!」

 

「そうですね」

「そうなんだ…(知ってたけど、黙っておこう)」

 

ルールーは知っていたかの様に答え、ソウゴは薄々気付いていたが黙っていることにした。

 

「本当は、愛崎えみると言います」

 

えみるは滑り台を滑りながら自己紹介する。

 

「私はルールー・アムールです。敬称はいりません」

 

「分かりました。ルールー……美しい名前ですね」

 

えみるから美しい名前と言われて、ルールーが一瞬反応する。

 

「二人にお願いがあります」

 

「はい」

「お願いって、何?」

 

「キュアえみ~るの事、私の家族には秘密にしてくれません?」

 

「何故ですか?」

 

「全然いいけど、どうして?」

 

「ヒーローとは正体を隠すものなのです」

 

「そうだね(まぁ、俺も叔父さんに隠してくるし……)」

 

「それに……家族に心配掛けたく無いので」

 

「それ俺にも分かるよ(俺も叔父さんに、心配をかけたくないし……)」

 

自身が行なっているプリキュア活動を隠し事にしたいと語るえみるを見て、ソウゴも順一郎にはジオウの事を隠している事を思い出す。

 

(アスパワワ、低下……)

 

そんなソウゴの横で、えみるのアスパワワが少なくなってる事にルールーが気付く。

 

「さっ、行きましょう!」

 

そんな三人のやり取りを、公園の出入り口で眼鏡を掛けた一人の青年が見ていた。

 

 

 

 

一方、クライアス社の通路では、パップルが歩いていた。

 

「ルールー?全く、どこまでブッ飛んでるのよ。

下っ端がいないと、仕事が全部あたしに回って来るじゃない!んもー!」

 

パップルが愚痴りながら通路を歩いてルールーを探す。

会議室にあるルールーの机には、『有給消化中』と書かれた紙が貼られてあった。

 

 

 

 

ソウゴとルールーはえみるの案内で、とてつもなく大きな城へとやってきた。

 

「ここが、私の家なのです。お城のようだと、よく驚かれますが……」

 

「驚くどころじゃないよ……」

 

ここがえみるの愛崎家だと言うが、ソウゴの目に映るそこは城のような外観をしており、とても大きかった。

俺も将来王様になったらこういう所に住むことになるのかなーとか、でも掃除とか大変そうだなー等といった事を呑気に考えつつ、実際こういうお城みたいな建物に住んでいる人は初めて見たなとびっくりしていた。

 

「行きましょう」

 

対するルールーは驚く様子も無く、足を進める。

 

「ルールー。こんなお屋敷を見て驚かないんだ……」

 

「何をしているのですか?」

 

「今行くのです!」

 

えみるがルールーの方へ走り、ソウゴが歩いて後を追う。玄関の入り口へと着くと、えみるが扉を開く。

 

「お客様をお招きしました」

 

三人がエントラスホールに入ってえみるがそう伝えると、突如辺り一面の電気が消える。スポットライトが三人を照らし、奥の方にもライトが照らされる。

 

「ラララ~、ようこそ~♪」

 

「我が家、へ~♪」

 

「「どう~ぞ、ごゆっくり~~~~♪」」

 

そこへえみるの父親の俳呑と母親の都が、何故かミュージカル調で挨拶を行う。

 

「なんか……凄い両親だね」

 

「変わった両親だとお思いでしょうが……あまり……」

 

「でも、親がいるっていいね……」

 

「えっ?」

 

ソウゴの呟きを聞いて、えみるが彼の顔を見る。

――ソウゴには両親がいない。だから、彼には両親のいる素晴らしさを身をもって知っていた。

 

「お邪魔致します」

 

「あ、お邪魔します」

 

ルールーが挨拶して一礼し、ソウゴも挨拶して一礼する。

 

「えっ?ノーリアクション……⁉︎」

 

ノーリアクションのルールーを見てえみるが驚く。

 

「お友達かい?兄の正人です。よろしく」

 

「お兄様!」

 

別の方にスポットライトが照らされ、えみるの兄の正人が挨拶をする。

 

(あ、この人……一つ上の学年の……えみるちゃんのお兄さんだったんだ)

 

正人を見たソウゴは、彼がラヴェニール学園の生徒だということに気付いた。

 

「まだ友達と言う訳では……」

 

「ところでえみる、さっき町でお前を見かけた…」

 

「ルールーと時見先輩を案内しますので、これにてなのです!」

 

えみるがソウゴとルールーの手首を掴み、逃げる様に駆け足でこの場から離れて自身の部屋へと入る。

 

「…ふぅ、バタバタしてすみません。ここが私の部屋なのです。どうぞ、楽にしていて下さい」

 

「部屋も大きいね」

 

二人が周りを見渡すと、一人部屋にしてはかなり広い部屋だった。

 

「あれは何ですか?」

 

ルールーがピアノと壁に掛かってるバイオリンを見て、これが何なのか尋ねる。

 

「ピアノとバイオリンですけど」

 

「何をする物なのですか?」

 

「えっ?そりゃ楽器なので、音楽を奏でる物ですが」

 

「テレビとかによく出てるやつだよ」

 

「その……音楽…とは、何ですか?」

 

「えっ?音楽を知らない⁉︎」

 

ルールーが音楽を知らないと知り、ソウゴとえみるが驚く。

 

「なるほど……分かりました。それなら……お教えしましょう!」

 

そう言ってからえみるが指を鳴らす。

 

「私の最大の秘密と共に!」

 

部屋のカーテンが閉じて電気が消えると、窓際からギターが上がって来た。

 

「これは?」

 

「ギターだよね」

 

「そう。私が最も愛する楽器、ギターなのです!」

 

えみるはギターを掴み、音を鳴らす。

 

「何が違うのですか?」

 

「ギターは、自由なのです!ノレるのです!カッコいいのです!ギュイーンとソウルがシャウトするのです!」

 

えみるは己が持つギターで、二人に自身の魂の響きと叫びを奏でまくる。

だが演奏と叫びで疲れ、ギターを床に置いてから両手と両膝を床に付ける。

 

「良く分かりません」

 

「では……こう言うのはどうでしょう?」

 

今のギター演奏を聞いてもよく分からないと答えるルールーの為に、えみるは階段に座って先程とは違って、落ち着いた音調でギターを弾いて歌う。

 

(ハイキングの時も聞こえた。やっぱりえみるちゃん、歌上手いなぁ)

 

ソウゴがえみるの歌を聞きながら心の中で呟き、ルールーは突っ立って聞いてた。

歌い終えた直後、ルールーがサクランボ型のクッションにへたり込むようにして倒れる。

 

「ルールー?」

 

「何ですか……?その…不思議な音と声の組み合わせは……?」

 

「これが音楽。歌なのです」

 

「歌……」

 

「どうですか二人とも?」

 

「凄く上手だったよ。凄く優しくて、心が安らぎを感じたよ!」

 

ソウゴがえみるの演奏を褒める。

 

「苦しいです……」

 

「えっ⁉︎」

 

「どういうこと?」

 

しかし、ルールーからは苦しいと言う答えが返って来た。

 

「その、歌と言う物が、私の中で響き続けていて……

もっと……聞きたい」

 

だが、もっと聞きたいと言う答えも返って来た。

 

「えっ?」

 

「そう……思います」

 

「俺にも、もっと聞かせてくれるかな?」

 

「しょ、しょうがないですね!特別ですよ!」

 

えみるは二人からもっと聞きたいと言われて上機嫌になり、演奏しながら歌い、ソウゴとルールーは目を閉じて聞く。

だが歌い始めた直後、ノックの音が響いた。

 

「えみる」

 

「お兄様っ⁉︎ 待って下さい!」

 

正人の声が聞こえ、えみるが慌ててギターをクローゼットに隠す。

 

「どうしたの?」

 

ソウゴは慌てて隠した事に疑問に思う。

 

「ど、どうぞ」

 

返事を聞いた正人がドアを開けて部屋に入る。

 

「ど、どうしました?」

 

「ギターの音が聞こえなかったかい?」 

 

「き、気のせいなのです!」

 

気のせいと叫んだ直後、クローゼットからギターが出て来た。

 

「あっ……!」

 

「やっぱり……止めたまえ。女の子がギターなんて……

女の子は女の子らしく、ピアノやバイオリンの方が似合っていると思うよ」

 

「はい……」

 

呆れた様子を見せる正人の言葉に、ソウゴとルールーが反応する。

 

「何故ですか?何故、ギターは駄目なのですか?」

 

「そう思う理由は一体何?」

 

「可愛いえみるには似合わないからさ」

 

「そんなの、理由にならないよ」

 

「基準が不明瞭です」

 

「由緒ある愛崎家の令嬢に、ギターは不釣り合いだと言っています」

 

それを聞いたソウゴはムッとしながら、正人の言葉に口を挟む。

 

「由緒ある?不釣り合い?

そんなの関係ないよ。自分が好きな事を、誰かが否定する権利はないよ」

 

「何っ……?」

 

「あなたはえみるのマスターなのですか?」 

 

今度はルールーが口を開く。

 

「ま、マス―――?」

 

「マスターで無い者が、命令に従う義務は無いハズです」

 

ルールーが正人に近付き、鋭い目付きで伝える。

 

「あんたは、えみるちゃんに自分の価値観を押し付けてるだけじゃないの?」

 

「……ただの助言だ。邪魔したね」  

 

ルールーの迫力とソウゴの言葉にたじろいで冷や汗をかいた正人が、逃げるようにして部屋から出た。

 

「何なのですかあの人は……!」

 

(こんな、ルールー始めて見たな……)

 

ルールーが頬を膨らませて怒ったことに、えみるだけで無くソウゴも驚き、心の中で呟く。

 

「あなたは言いました。ギターは自由だと。カッコいいのだと。もっと愛する物だと。それをあのように否定するなんて……!」

 

ルールーの叫びを聞いたソウゴとえみるが、くすっと笑ってギターを拾う。

 

「何がおかしいのですか?」

 

「おかしいのでは無く、嬉しいのです。

ありがとう、ルールー。それに時見先輩も怒ってくれて」

 

えみるの言葉が、ルールーの心に衝撃を与えた。

 

「怒った……?」

 

「うん。ルールー必死になって怒ってたよ」

 

「私が………?」

 

「ルールーが怒るの、初めて見たよ。

多分、みんなも見て無いんじゃないかな?」

 

「そうなのですか?」

 

「ルールーって無愛想かと思ってたけど、全然そんな事無かった。普通の女の子だよ」

 

ソウゴがルールーの方を向いて微笑み、「ごめんね、ルールーのこと勘違いしてて」と今まで無愛想な子だと思っていた事を謝りながらそう言う。

 

「そうだ。えみるちゃんが秘密を教えてくれたから、俺もなりたいものを教えてあげる」

 

「なりたいものですか?」

 

「俺、王様になるのが夢なんだ」

 

「王様ですか⁉︎」

 

王様になりたいと聞き、えみるは口をあんぐりと開けながら驚いた。

 

「うん!誰にでも手を差し伸べる。民を助ける。最善で最高の王になるのが夢なんだ」

 

「王様ですか……時見先輩ならなれる気がします!先輩は、私が倒れた時何度も助けてくれましたから!

……ですが、何故王様なのです?」

 

「何故って言うか、俺は生まれた時から王様にならなきゃいけないって思ってるんだ。そんな気がするんだ……」

 

(王様……やはり、時見ソウゴとオーマジオウは、同一人物……)

 

えみるに王様になりたい理由を語るソウゴの横で、ルールーは矢張りソウゴとオーマジオウは同一人物なのだと再確信した。

その時、外から衝撃が響いた。

 

「何だ今の音?」

 

「あれは……!」

 

ソウゴ達は窓から、町の方で煙が生じているのを見る。

えみるが町の方でピアノオシマイダーが暴れているのを確認し、奥の部屋へ向かう。

 

「えみ~る!」

 

そしてキュアえみ~るの格好に着替え、町の方へ向かう。

 

「えみる……」

 

「こっちも行かなきゃ……!」  

 

ソウゴも町の方へ向かい、ルールーも後を追った。

 

 

 

その頃、ゲイツとはな達が先にオシマイダーが現れた場所に到着する。

 

「行くよ!」

 

「「うん!」」

 

『ゲイツ!』

 

「変身!」

「「「ミライクリスタル!ハート!キラっと!は~ぎゅ~!」」」

 

変身アイテムが反応し、四人の身体に纏われる。

 

『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!』

「輝く未来を〜抱き締めて!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

 

変身完了した四人は、ピアノ鍵盤を腹巻の様に着けたオシマイダーへと走っていく。

 

「さあ、やっちゃって」

 

「こらーっ!」

 

エール達が線路を走って現れる。

 

「来たわね……あら?ジオウがいない……

なら好都合だわ。オシマイダー!」

 

オシマイダーに命令し、パップルは瞬間移動して姿を消す。

残されたオシマイダーが腕を振るい、エール達が跳んで避け、下の道路に着地する。

 

「はっ!」

 

エールがオシマイダーに向かって跳ぶ。

オシマイダーがマイクを持って叫ぶと、耳から超音波が放たれる。

 

「「うわっ!」」

 

超音波を受けてエールだけで無く、アンジュとエトワールも吹き飛ぶ。

 

「なら!」

『ウィザード!』

 

ゲイツはウィザードウォッチをジカンザックスに装填し、弓を引く。

 

『フィニッシュタイム!ギワギワシュート!』

 

ウィザードウォッチの力で生成された炎と氷の二本の矢が同時に放たれた。

しかし、オシマイダーが再び超音波を放ち、ゲイツが放った攻撃を相殺した。

 

「バカな……!」

 

「いいわ!いいわ!ジオウのいない内に追い込みなさい!」

 

信号機の上に移動していたパップルが指示する。

そこへ遅れてきたソウゴとルールーが駆け付け、えみるがオシマイダーの方へ向かおうとする。

 

「えみるちゃん!逃げて!」

 

「危険です。何故来たのですか?」

 

「キュアえみ~るは、人々の平和を―――」

 

「あなたは本物のプリキュアでは無いでしょう?それに仮面ライダーでもない……」

 

本物のヒーローじゃない。その言葉を聞いた途端えみるが一気に足を止め、顔を下げた。

 

「ルールー……」

 

「……確かに私は、偽物なのです。

でも……でも……っ!偽物でも、町の危機は放っておけないのです!」

 

そんな中、逃げ遅れて泣く子供がいるのに気付く。

オシマイダーもそれに気付いて子供に向けて超音波を放とうとし、えみるが走って子供の方へ向かう。

 

「くぅ!」

 

「時見ソウゴ!」

 

ソウゴがえみると子供のいる方へと走り、そのまま飛び込んで掴み、二人をオシマイダーの攻撃から躱した。

 

「時見先輩……」

 

「偽物なんかじゃないよ。えみるちゃんは……」

 

「えっ?」

 

「本物とか偽物とか、関係ないよ。

えみるちゃんは自分が正しい思ったから、人を助けたいって思ったんでしょ?

なら、自信を持ってキュアえみ〜る」

 

「先輩……」

 

――例えプリキュアやライダーの様な力がなくても、誰かを助け居たいと本気で思い、そのうえで行動に移すことの出来た今のえみるは、十分ヒーローだよ。

 

それを聞いたえみるから涙が溢れそうになる。

すると、オシマイダーがこっちを向き、敵の視線を察知したソウゴがえみるとルールーの前へと出る。

 

「えみるちゃん。俺の秘密を教えてあげる」

 

「先輩の秘密……」

 

『ジクウドライバー!』

 

「それは……」

 

ソウゴが付けたジクウドライバーを見て、見覚えがある物だと気づく。

 

『ジオウ!Ⅱ!』

 

取り出したジオウライドウォッチⅡを分割し、ドライバーの左右のスロットに差し込むと、ソウゴの後ろから二つの時計のエフェクトが現れた。

 

「変身!」

 

ドライバーを回すと二つの時計は左右対象に止まり、ソウゴの体を時計バンドのエフェクトが纏う。

 

『ライダータイム!仮面ライダー!ライダー! ジオウ・ジオウ・ジオウ!Ⅱ!』

 

「時見先輩が……仮面ライダー……」

 

「ルールー、えみるちゃん。その人をお願い」

 

ソウゴがジオウⅡへと変身を完了すると、そこへエール達も現れる。

 

「見てたよ」

「ありがとう」

「あなたもヒーローだね!」 

 

エールが親指を立ててえみるを褒める。

 

「ここから先は任せて!」

 

ジオウがえみるにそう伝え、オシマイダーに向かって走っていった。

 

「私も……ヒーロー……!」

 

えみるはオシマイダーへと向かって行くジオウ達を見つめる。

 

「ハァ!」

 

参戦したジオウはオシマイダーにキック、パンチと繰り出し押していく。

 

「ジオウ!いつの間に!オシマイダー!」

 

反撃に出ようとオシマイダーが攻撃にでる。

すると、ジクウドライバーの右側にある金色のジオウライドウォッチⅡが光り、両目にかかる時間の針のアンテナ2本が回転した。

 

「見えた!お前の未来!」

 

次のオシマイダーの未来の攻撃を読み、ジオウはオシマイダーの攻撃を躱す。そして、そのままカウンターパンチを加える。

 

「もう〜!何やってるのよ!」

 

ジオウⅡに手も足も出ないオシマイダーにイライラし始めるパップル。

 

『ジカンギレード!』

 

イライラしてる間にジオウがジカンギレードとサイキョーギレードを手に持つ。

 

『サイキョーフィニッシュタイム!』

 

ジカンギレード・ケンモードとサイキョーギレードを合体させると、剣から『ジオウサイキョウ』の文字が浮かび上がる。

 

『キングギリギリスラッシュ!』

「オリャャャャャ‼︎」

 

ジオウはサイキョージカンギレードを振り下ろし、オシマイダーに直撃させた。だが、オシマイダーはジオウを攻撃を耐えて立っていた。

 

「これで決める!」

『フィニッシュタイム!』

 

それを見たジオウはジクウドライバーを操作すると、ピンクと金色の『キック』のエフェクトがオシマイダーを囲む。

そしてジオウは高く飛び上がり、そのままオシマイダーへとキックの態勢になる。

 

『トゥワイズタイムブレーク!』

 

囲んでいたキックの文字がジオウの足へ集まり一つとなると、ジオウのトゥワイズタイムブレークによるライダーキックが決まった。

 

「オシマイダ〜〜!」

 

ジオウの攻撃を受け続け、最後のライダーキックを受たオシマイダーが消滅した。

 

「まるで二日酔いの気分だわ……!覚えてらっしゃいジオウ……!」

 

頭を抑えたパップルがタクシーに乗り、この場から離れた。

えみるが母親と一緒に返って行く少年を見送ってから線路の方を向くと、線路に立っていたエール達が跳んで去る。

それを見てソウゴがウォッチを外し、変身を解除した。

その直後に気が抜けたか、えみるが地面にへたり込む。

 

「えみるちゃん」

 

「どうしたのですか?」

 

「私……何て危険な事を……」

 

ルールーが尋ね、震える自分の右手を見て言う。

 

「でも、時見先輩はこんな危険な事をずっとしていたのですか?」

 

「まぁ、ねぇ。それとさっきのは他の人には……」

 

「大丈夫なのです。時見先輩が仮面ライダーということは黙っておくのです!」

 

「ありがとう」

 

ジオウの正体を黙ってもらっていると言い、えみるに感謝するソウゴ。

 

「私も、危険な事をしました」

 

「「えっ?」」

 

「私は何故、あんな事を……」

 

ルールーは以前の仕事体験で保育園に行った時、守るようにして立ち塞がったのを思い出す。

するとルールーは、えみるから手を握られたのに気付き、えみるの方を向くと、彼女は凄いニヤニヤしていた。

 

「アスパワワ、全開……」

 

ルールーの目に笑顔のえみるの姿が映ると、彼女から更にアスパワワも溢れていた事に気付いた。

 

「やはり、私とあなたは通じ合っているのです!運命なのです!

ルールー、私と一緒にプリキュアになりましょう!」

 

「私が……プリキュア……?お断りします」

 

「いいんじゃない?ルールーもなろうと思えば」

 

ルールーは二人に言われ一瞬驚くが、いつの間にかあった“X”の形をした頭の髪飾りを見て断る。

 

「あなたは今日から、キュアラリルレルールーなのです!」

 

「お断りします」

 

結局、ルールーは断る。

 

「ルールー!」

 

「ソウゴ君!」

 

そこへ、変身を解いたはな達がやってきた。

 

「お使いは?」

 

「問題ありません」

 

「お使い………あぁぁぁ!買い物袋ッ!」

 

ソウゴはえみるの家にお邪魔した際に、卵が入った買い物袋を置いてきてしまった事を思い出した。

 

「大丈夫なのです。卵は家で預かってるのです」

 

「えっ?えみるん家で?」

 

「三人はどう言う関係なの?」

 

さあやはソウゴに近付いて問いかける。

 

「顔近いよ……俺達は偶然似合って友達になったんだよ。ねぇ?」

 

「えっ?勿論―――お、お、お、お友達なのです!」

 

「他人です」

 

「えっ……?もう友達ですよね?」

 

「他人です」

 

「友達…」

 

「他人です」  

 

えみるが近づくと同時に、ルールーが距離を取る。

 

「他人です」

 

そんな二人のやり取りを見て、ソウゴ達は苦笑した。

 

 

 

 

 

「落とし物を取りに来てみれば……アイツ、何してんの?」

 

そして、扇子を取りに戻って来たパップルが、えみるに身体を揺らされ続けるルールーを見て、そう呟く。

 


次回!Re.HUGっとジオウ!

 

第22話 裏切りと正体 2121

 

 




おまけ

ソウゴ「ちょっとあそこの喫茶店でひと休みしない?」

ルールー「はい。(そこで時見ソウゴをもう少し観察しましょうか)」

えみる「ダメです!そんな所に入ったらそこのハンバーグが美味しすぎて何度もおかわりし、全部のメニューを平らげて満腹で動けなくなったところ、何故か飛んできたキツツキに激突!して爆死してしまうのです!!」

ソウゴ「何故そこでキツツキ!?」

ルールー「あり得ないです」

一方その頃、ツクヨミ達は・・・

ツクヨミ「あれはオーマジオウと同じ力・・・だから、みんなには悪いけどもしかしたら、ソウゴは倒す必要があるかもしれない」
「だから私は、今日この場から“魔王を抹殺し隊”・・・略して『魔殺隊』を結成することを宣言するわ!」

はな「えっ、何それ・・・」

ゲイツ「なんか似たような名前をどっかで聞いた気がするんだが・・・」

だいぶ時空が歪み出しているな・・・byもやし

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