Re.HUGっとジオウ!   作:yu-ki.S

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黒ウォズ「この本によれば、普通の中学生 時見ソウゴ。彼には魔王にして時の王者『オーマジオウ』となる運命が待っている。
しかし、過川飛流と言う謎の青年が現れた。彼には我が魔王と浅からぬ意念があるとようだ……
そして、ここにまた、新たな誕生が……
おっと、つい先まで読んでしまいました」


第26話 二人の誕生が叶うか?運命の対決 2018

ファションショーが終わり、ソウゴ達はビューティーハリーに戻ると、えみるとルールーがプリキュアになると決意を固めた。しかし……

 

「残り……」

 

「一個……」

 

えみるとルールーが、テーブルの上に置かれた残り一つのプリハートを見て呟く。

 

「全部で四個だったっけ……」

 

「そう言うこっちゃ……」

 

はなとハリーが表情を曇らせて言い合う。

 

「それじゃあ……」

 

「プリキュアになれるのは後一人だけ……」

 

「何とか……!二つになんないの~⁉︎」

 

何とかしようとしたはながテーブルの上のプリハートを両手で掴み、二つに割ろうとする。

 

「何しとるんや!」

 

それを見たハリーが慌ててプリハートを奪うようにして取り上げる。

 

「プリハートはんはごっつ大切なんや!」

 

「だって……!」

 

まさか、ここに来てプリハートが足りない事に悩まされるなんて、はな達は思ってもいなかった。

 

「えみりゅ!るー!いっしょー!」

 

「何とかならないの?」

 

「奇跡でも起きん限り無理や……」

 

「奇跡よ~!カモンカモンカモーン!」

 

「奇跡……」

 

はぐたんとプリハートを見ながらそう呟くルールーと落ち込むえみるを、ソウゴ達は見つめることしか出来なかった。

 

 

その後も何の解決が出来ないまま、えみるとルールーがビューティーハリーを後にした。

 

「「あの……」」

 

交差点で足を止めて互いの方を向いて声を掛ける。

 

「ルールーは、あっちですね」

 

「えみるはそっちですね。では」

 

「はい」

 

彼女らは別の方向に分かれて歩くが、すぐに足を止めて互いの方を向く。

 

「「また、明日」」

 

「また明日」

「はい」

 

別れの挨拶を交わし、二人は帰っていった。

 

 

一方ビューティーハリーでは、眼鏡を着けたさあやがパソコンとミライパッドでプリハートを調べる。

 

「プリハート増やせそう?」

 

「分からない……」

 

「だよね……!どっかに売ってるとか⁉︎」

 

「はぐたんとハリー達は、未来から来たって言ってた」

 

「うん」

 

「つまり、プリハートは今の時代にはまだ無いのかも!」

 

「そっかー……めちょっく……

プリハートもだけど。あのアナザーライダーの人……なんでソウゴを狙うの?」

 

新しいプリハートを手に入れられないと分かり落胆しているはなは、あのアナザーライダーが何故必要にソウゴを狙うのかを尋ねる。

 

「会った事がないし、わからないよ」

 

それについてはわからないとみんなに言うと、ソウゴは時計の時間を見た。

 

「ごめん。俺そろそろ……」

 

ビューティーハリーを出ると、入り口の前に黒ウォズが立っていた。

 

「黒ウォズ……」

 

「体は大丈夫かい?」

 

「うん。なんとか……」

 

「アナザージオウ。あれはなかなか厄介だね。ライダーにはライダーの力……しかし、それは敵にも言える。

君のジオウⅡの力は最強だが、あのアナザージオウに関しては滅法弱いようだ」

 

「それ先に言ってよ……そうだ!」

 

アナザージオウと自分は相性が悪いと知ったソウゴの脳裏に、ある事が閃いた。

 

「ねぇ、ウォズはプリハート持ってない?」

 

以前に予備のジクウドライバーを持っていたので、もしかたらと思い、黒ウォズに問う。

 

「残念だが、我が魔王。私は持っていない。

あれは特殊でね、そう簡単には手に入らない」

 

「そうか……」

 

だが結局、無駄な期待に終わった。

 

 

その頃、ほまれとハリーははぐたんを連れて、HUGMANで買い物をしていた。

 

「ねえ、どうしていつも大切な事を誤魔化すの?」

 

「えーっと、ミルクとオムツと……」

 

「他にも私達に隠してる事、あるんじゃないの?」

 

「別に隠してた訳や無い」

 

ハリーが言い終えた直後、はぐたんが持ってたオモチャが手から離れ、床に跳ねて男性の足元に落ちた。

 

「ああ、エライすんません」

 

その男性は、はなの前によく現れる男性――ジョージだった。

ジョージはオモチャを拾ってハリーの元へ歩く。

 

「可愛い赤ちゃんですね」

 

「ホンマ宇宙一ですわ!」

 

ハリーにオモチャを返したジョージがはぐたんの頭に手を当てると、はぐたんが何故か大人しくなる。

 

「お兄さんとお姉さんと、仲良くね」

 

彼は微笑んでそう言い、この場から歩き去った。

ハリーとほまれは立ち去る男性の後姿を、警戒心を浮かべた顔で見届ける。

 

 

その頃、神社へと戻ったゲイツに白ウォズが現れた。

 

「君にはがっかりだよ。我が救世主」

 

すると白ウォズが、ゲイツにがっかりだと話す。

 

「魔王倒す。その気持ちが君にはないのだね」

 

ソウゴを倒す気が無い。そう言われたゲイツは、白ウォズの服を掴む。

 

「そんなわけがあるか」

 

「ゲイツリバイブウォッチが反応しなかった事が、何よりの証拠だ。

そのウォッチは魔王倒すためのものだ」

 

白ウォズの言う事を否定するが、ゲイツリバイブウォッチを取り出し、まだブランクなのが証拠だと話しつつ。ゲイツリバイブについて説明し始める。

 

「それは君の気持ちと連動していると言っても過言ではない。今の君は牙を抜かれた獣と同じだ。自分の使命を思い出すことだ。

このままでは、ツクヨミ君に顔向けできないよ」

 

そう言って白ウォズは、ソウゴを倒す意思が弱い事を自覚し始めたゲイツの下から去っていった。

 

 

 

 

クライアス社の会議室では、幹部が集まっていた。

 

「また敗北か!私なら五分で終わる!」

 

ダイガンが傘でゴルフの素振りしながらパップルに向けて叫ぶ。

 

「あれは、あたしが発注したオシマイダーじゃ―――」

 

「言い訳は、聞き飽きた!私は結果を求めているのだ!」

 

天井にプレジデント・クライが映し出され、前回のジオウとプリキュア達の戦いでオシマイダーを発注したのは自分じゃないと否定しようとしたパップルに向けて叫ぶ。

 

「社長のおっしゃる通りです」

 

「全くだな!」

 

「挽回すべく、全力を尽くします!」

 

「その言葉、嘘は無いな⁉︎」

 

「はい……!」

 

「必ずプリキュアと若き日のジオウを倒し、ミライクリスタルを手に入れるのだ!」

 

パップルがプレジデント・クライに向けてプリキュアとジオウを倒して挽回すると答えているその間、リストルは端末を操作していた。

キーボードの上に映っている画面には、どういう訳かプレジデント・クライの顔が描かれていた。

 

「パップル!次からそいつを連れて行け」

 

スウォルツがそう言うと、入り口から一人の青年が出てきた。

 

「よく来たな。過川飛流」

 

「時見ソウゴを倒すのに、この力をくれた事に感謝する。

だが、時見ソウゴを倒すのを邪魔をするな」

 

そう言い残して青年・過川飛流はクライアス社の会議室から出ていった。

 

「ふん。好きすればいい……」

 

小馬鹿にする様に冷笑しながら飛流へ目を向けていると、ウールがスウォルツに近づく。

 

「スウォルツ!どういう事⁉︎ なんでアナザージオウを作った⁉︎」

 

「えっ⁉︎ まさか……」

 

飛流にアナザージオウの力を与えたと知り、リストル以外の社員全員が驚く。

 

「スウォルツさん!何故そんな事を……」

 

「それには心配ありません。それに関しては、社長からの許可は取ってあります」

 

「「「「えっ⁉︎」」」」

 

「全てのアナザーライダーの力を統べし、裏のライダーの王だ……

我が社にとっては素晴らしいアナザーライダーだろ」

 

そう言って笑いながらスウォルツが出て行く。

 

「どう言うつもりだよ。スウォルツの奴……」

 

オーマジオウを倒し、新たな王を擁立する事を拘っているウールには、ジオウであるソウゴと同じくオーマジオウになりかねない危険性を持つアナザージオウを生み出したスウォルツの考えが理解出来なかった。

 

 

 

 

翌朝、野乃家のリビングでは、朝から楽しげな声が聞こえていた。

 

「明太ポテトチーズトースト!昨日残っちゃったポテトサラダが、だーいへーんし-ん!」

 

「凄い!奇跡が起きた!」

 

「お気軽な奇跡だね」

 

「いいでしょ!奇跡はいつでもすぐ傍にあるのよ!」

 

「奇跡はすぐ傍に……」

 

ルールーが呟いた直後、はなの階段から降りる足音が聞こえ、その方を向く。

 

「お~は~よ~う……」

 

はなの顔は熱を出しているのか、真っ赤だった。

 

「どうしたのですか……?」

 

「いや~……何だかちょっと熱っぽいかもな~…なんて……

でも……きっと大した事無いよ……

みんな、おは―――」

 

はなが家族とルールーに言い終わる直前、床に倒れる。

 

「「はな!」」

「お姉ちゃん!」

 

「えみる……ルールー……」

 

目を回し、顔が先程よりも真っ赤になってはなが倒れた。

 

 

その日、ラヴェニール学園に登校したソウゴが見たのは、クラスのみんなが、いつも元気なはなが教室にいない事を驚く光景だった。

 

「「ええっ⁉︎ はなが風邪でお休み⁉︎」」

 

ルールーからはなが風邪で休んだ事を聞いたあきとじゅんなが驚く。

 

「元気が取り柄の……」

「あのはなが……?」

「野乃でも風邪引いたりするんだな」

「大丈夫かな……」

 

「お医者さんには行ったの?」

 

「はい……」

 

「一体何をやって風邪を引いたんだか……」

 

「心配だよね……」

 

 

昼休み、屋上でほまれがスピンの練習し、体勢を崩すも何とか着地する。

 

「ええっ⁉︎」

 

その直後、はなとプリハートで連絡してたさあやが驚きの声を上げる。

 

「それじゃあ……」

 

『うん……。流れ星にお願いしようと思ってたら、いつのまにか寝ちゃって……』

 

はなが風邪引いたのは、えみるとルールーがプリキュアになれるよう流れ星にお願いしようとベランダで待っていたら、いつの間にか寝てしまったのが原因だった。

 

「えみるちゃんとルールーの為に?」

 

『あと、さあやも今週末CMのオーディションだし、ほまれも予選会でしょ……?』

 

さあやとほまれは週末にCMのオーディションと予選会があり、それもお願いしようとしていた。

 

『それと、ゲイツとツクヨミが帰ってきてと、ソウゴは絶対オーマジオウにならないって……』

 

「はな……」

 

『だって……ソウゴ。ゲイツとツクヨミが居なくなってから、なんか元気がなかったから……早く戻ってきて欲しいって……』

 

「ごめん。心配かけて、でも、ありがとう」

 

「うん……ありがとう」

 

「はな、早く良くなってね」

 

三人がそう伝えてから、プリハートからの通信を切った。

 

「はなったら……」

 

「えみるとルールーに、何も出来ないのが悔しい」

 

「出来るよ。二人の心を元気付ける事は出来る。プリハートは作れなかったけど」

 

「作ろうとしたんだ……」

 

さあやがプリハートを作ろうとしたのかとほまれが驚くのであった。

 

 

その頃、野乃家では風邪をひいたはなの口に、はぐたんが体温計を入れる。

 

「ありがとう……何でこんな時に……

はぐたん……私のアスパワワ、消えて無い……?」

 

風邪をひいてしまった事を後悔している彼女の額に付いた冷却シートを剥がし、新しいのを貼らせる妖精形態のハリー。

 

「えみるとルールーの心は……アスパワワでいっぱいなんだよ……

さあやとほまれも……ソウゴやゲイツ、ツクヨミも……だから私……みんなで……」

 

うわ言を呟く口の体温計から音が鳴り、これを取ったハリーが画面を見てため息を吐く。

 

「いっしょ。いっしょ」

 

「ほんなら、早よ治さんとな……」

 

はぐたんが眠りについたはなの頭を撫でて一緒と呟き、早く風邪が治る様にハリーは看病を続けるのだった。

 

 

放課後になると、えみるがスケート場で練習するほまれの姿を見学していた。

 

「おお……凄いのです……」

 

えみるがほまれの練習を見入る。

 

「えみるもやってみる?」

 

「えっ⁉︎ えっ⁉︎ えっ⁉︎」 

 

そんなえみるを見たほまれが、一緒にやってみないかと誘う。

 

「おいで」

 

「えっ?ええ~っ⁉︎」

 

すると彼女は困り顔のえみるの傍まで滑り、手を掴む。

 

「いやいやいやいやいや!無理無理無理!」

 

結局やる事になったが、ほまれが支えてくれたお陰で滑る事が出来た。

 

「出来たでしょ?」

 

「はい!夢みたいなのです!」

 

そう言い終えた直後、ほまれはえみるの手を離す。

一瞬慌てたが、転ぶ事無く滑れた。

 

「――私、一度スケート諦めたんだ。

けど、はなとさあやに出会えたから、氷の上に戻れた。

二人に出会えた事が、私の奇跡」

 

えみるが天使の羽の幻影を生やしたほまれに見惚れてた最中、バランスを崩して転びそうになるが、ほまれが手を握り支える。

 

「ありがとう……」

 

「奇跡って、目に見えないから。けど、だからこそ信じるんだよ」

 

「信じる……」

 

 

一方、池の中に立って演技するさあやをルールーが見学していた。

 

「目を凝らして。ほら、見えるでしょ?愛はあなたのすぐ前に……」

 

「オーディションと言うのは、大勢で一つの役を取り合うものですよね?」

 

ふと掛けられたルールーの質問にさあやが無言で頷く。

 

「さあや、私はえみるが大好きです。とても可愛いのです。彼女の傷付く顔を見たく無い」

 

ルールーはえみるの悲しむ顔を見たくないと吐露する。

 

「でも、私も……」

 

「負けたく無い。諦めたく無い」

 

「嫌なアンドロイドです。私は……」

 

「当たり前だよ。そんなに簡単に、諦められないよ。夢なんだもん」

 

自虐的な呟きを放つルールーに、さあやはそう励ますように説いた。

 

「その気持ちは、抑えられない……!

全力でぶつかったライバルは、きっと親友にもなれる!」

 

白い羽の幻影を見つめながらも、彼女の言葉を聞いて、どうえみると接すればいいかわかったような気がした。

 

 

その日の夕方、えみるが自分の部屋でギターを弾く最中、ノックの音が聞こえた。

 

「えみる」

 

「お兄様……」

 

「もう、ギターを隠さないんだね」

 

「はい。私は……」

 

正人がドアを開けて部屋に入り、えみるの持つギターを見つめる。

 

「私は……!」

 

これからもギターを弾き続けたい。そう言おうとしているえみるに対して正人は何も言わず、三枚のチケットを出す。

 

「これは……ライブのチケット⁉︎」

 

そのチケットは週末、はぐくみ市の野外ステージで行われるライブのチケットだった。

 

「ルールーとソウゴ君と一緒に行っておいで」

 

「お兄様……?はい……!」

 

えみるは嬉しそうにそう答え、正人からライブのチケットを受け取った。

 

 

翌日、校庭で練習するアンリの元に正人が現れる。

 

「渡せた?チケット」

 

「うん」

 

「なら良かった」

 

「若宮君……あの、これまでの事……ごめん…僕は……」

 

「えみるの才能は本物だ。信じて」

 

「ああ……」

 

「後、アンリでいいよ」

 

アンリは手を振ってそう言い、この場を後にした。

 

 

放課後。丘の上で青葉をさざめかせる木の下に座るルールーの元に、ギターを背負ったえみるが駆け足で現れた。

 

「ルールー!」

 

「えみる……!」

 

えみるはルールーに抱き付き、原っぱの上に倒れる。

 

「見て下さいルールー!これ、ライブのチケットなのです!」

 

「ライブ……?」

 

興奮した様子のえみるの顔をキョトンとした顔で見つめるルールーにチケットをお披露目する。

 

「お兄様がくれたのです!

これからは……お家でギター弾いてもいいって……!お兄様が……!」

 

そして、家でもギターを弾いて良い事を嬉し涙を流しながら伝える。

 

「諦めなくて良かった……!ずっとギターを……音楽を好きで良かった……」

 

「良かったですね……えみる……」

 

ルールーも嬉し涙を流し、えみるを抱き締めた。

それから二人は木を背にして座り、会話をする。

 

「一番にルールーに伝えたくて」

 

「ありがとうございます」

 

「私は、ルールーが優しく笑う顔が好きなのです。

ルールーと友達になって、私はちょっとだけ自分を好きになりました」

 

「私もです」

 

ルールーも胸に手を抑えて、えみると同じだと溢す。

 

「私も、えみるといると制御不能。でも、それが温かい」

 

そう言いながら目を閉じて胸に手を当てる。

ルールーが言い終えた後、えみるがギターを弾く。

 

「綺麗な音楽」

 

「ルールー、私の曲に詩を書いてくれませんか?」

 

「私が?」

 

「メロディーは私の心。そこにルールーの心が重なれば……」

 

「「最強無敵!」」

 

ハイタッチを交わし、互いの顔を見て笑い合った。

 

「二人の曲は、もっとノリノリアゲアゲで行くのです!」

 

「ノリノリアゲアゲとは?」

 

「今の気持ちなのです」

 

「大変よく分かりました」

 

「ルールーの笑顔は、私が守るのです!」

 

「えみる……」

 

「あ、そうです!このチケット、後一枚あるので時見先輩を呼びましょう!」

 

えみるはそう言って、兄から貰ったチケットの内の一枚をルールーに渡す。

 

「ソウゴにですか?」

 

「ルールーが渡してください!」

 

「私がですか?」

 

「私!これからお兄様達に、私の音楽を届けるのです!一緒に行きたのですが、お願いなのです!」

 

「……」

 

えみるに頼まれ、残り一枚のチケットを渡しにルールーは動いた。

 

 

 

「……ソウゴに、チケットを……」

 

そして彼女は、久しぶりにクジゴジ堂の前にやってきた。

 

「ルールー?」

 

「ソウゴ⁉︎」

 

ルールーがクジゴジ堂に立っていると、横からソウゴが現れた。

 

「どうしたの?」

 

「あの、これを……」

 

「ん?ライブチケット?」

 

遊びに来たのかなーと思っていたソウゴは、ルールーからライブのチケットを受け取った。

 

「えみると一緒に行くので……ソウゴも来てください!」

 

「でも、せっかく二人なのに……」

 

えみるとルールーの邪魔じゃないかと思い、二人きりで楽しんでほしいと言おうとするが…

 

「…………それに、最近は何か悩みすぎてるようなので……」

 

「えっ?」

 

悩んでいると言われ驚いた。

ルールーの言う通り、過川飛流の事もだが、一番はゲイツとツクヨミの事でずっと悩んでいたのは事実だった。

 

「……うん。いいよ。一緒に行こう」

 

「あ!はい!」

 

チケットを受け取って貰ったルールーは、笑顔で軽い足取りを歩んでいった。

 

 

 

2009年。

ツクヨミはタイムマジーンでソウゴと過川飛流との関係に何があったのかを調べる為、過去に行って事故から数日経った病院へと来ていた。

 

「時見ソウゴの病室ってわかりますか?」

 

受付に幼い日のソウゴの病室がどこか尋ねる。

 

「へぇ〜…ソウゴ君、王様になるんだ〜」

 

すると聞き覚えのある声が聞こえた。

振り向くと、松葉杖を使っている幼い日のソウゴと順一郎がいた。

 

「うん。夢を見て俺、王様にならないといけない気がするんだ……

でも、パパもママも……死んじゃったし……」

 

両親の死に、涙目になるソウゴに順一郎が声をかける。

 

「ソウゴ君。退院したらうちに来て一緒に暮らさない?はぐくみ市で!」

 

「えっ?いいの!」

 

一緒に暮らさないかと順一郎が持ちかけて貰ったソウゴから笑顔が戻った。

 

「うん!近くにソウゴ君と同じくらいの女の子もいるんだ。すぐに仲良くなれるよ!」

 

「本当!」

 

そのソウゴと順一郎の会話を、後ろの病室から見ている者がいた。

 

「飛流君!ダメじゃないちゃんと寝ないと!」

 

それは幼い日の過川飛流だった。

 

「あいつがソウゴなの……」

 

「そう。飛流君と同じバスに乗っていた子よ」

 

「あいつの所為だ……あいつの所為だーーー‼︎」

 

飛流はソウゴの所為だと叫び、ベットに潜り込む。

 

「飛流……過川飛流」

 

その様子を見ていたツクヨミが病室の表札を見てみると、過川飛流の札があった。

 

(事故の日に行けば……何かわかるかもしれない!)

 

病院を出て、外に止めてあるタイムマジーンへと向かい、事件当日の日へと向かう。

 

 

 

一方現代、2018年。

既に週末となり、さあやはオーディション、ほまれは予選会を迎える。

そしてはなはまだ、ハリーに看病して貰っていた。

 

「応援、行きたかったな……」

 

「アカンアカン。熱が下がったばっかやのに」

 

はなは熱も下がり、大分体調は良くなったが、まだ完治はしてなかった。

 

「えみるとルールーにソウゴ……どうしたかな……?」

 

 

そのソウゴとえみるとルールーは、ライブ会場である屋外ステージ場に来て、『HILL SHARK』というバンドのライブが始まるのを後ろの客席で座って待ってた。

 

「わぁ〜、いっぱい来てるね」

 

「凄ーい人なのです」

 

「楽しみですね」

 

「うん」

 

ライブが始まるのを、えみるが一番楽しみしていた。

だが楽屋の方では、ライブするバンドのメンバーとマネージャーが言い合いをしていた。

 

「ブッ飛びな音楽を奏でなさい」

 

そこへパップルが現れ、楽屋からトゲパワワが発生した。

そんな事とは知らず、会場の方ではライブを今か今かと待ち浴びていた。

 

「そろそろでしょうか」

 

「ワクワクなのです!」

 

「そうだね」

 

ソウゴ達も、もうじき開演を迎えると思うと楽しみでしょうがない。そう思っていた。

 

「随分と楽しそうだな。時見ソウゴ」

 

だがソウゴの名前を呼ぶ声が聞こえ、三人が振り返る。

 

「あんたは……」

 

後ろにいたのはソウゴを狙う過川飛流だった。

 

「ここでは、止めよう」

 

「関係ない。こんなライブ、俺にはどうでもいい」

 

流石に無関係な者達を巻き込めないと此処から離れるように要求するが、飛流はここで戦おうとしていた。

 

「なんで、そうまでして俺を狙うの?」

 

「そうだな。何も知らないまま、俺に倒されるのもな……いいよ。教えてやる」

 

どうして自分を狙うのだと疑問視するソウゴに、自分との意念を教えようとしていた。

 

「俺の両親はお前の所為で死んだ。9年前のバスの事故でな」

 

「俺が?9年前⁉︎」

 

9年前のバス事故だと聞き、自分の両親の死因と同じだと気付いた。

 

「今でも覚えてる。俺の近くでお前の名を叫んだ。白い服の女が銃声を放ったのをな……」

 

「白い服の女?」

 

「聞けば、お前は魔王とかになるんだろ。それを聞いて危険視した奴が、お前を消そうとしたんだろ」

 

すると飛流は椅子から立ち上がり、アナザージオウウォッチを見せる。

 

「俺の家族はお前の所為で死んで……俺も人生がめちゃくちゃになった……

全てのお前の所為でぇぇぇぇーーッ!」

『ジオウ…!』

 

怒りに満ちた叫びを上げながらアナザージオウウォッチを腰へと向けると、そのまま飛流の体が黒い霧の様なものに包まれる。

 

「アナザーライダー!」

 

「何ですの⁉︎」

 

『ジオウ…!』

 

えみるが驚いている間にも飛流はアナザージオウになり、ソウゴ達の前に現れた。

 

「うぉぉぉぉぉ!」

 

アナザージオウが現れたことで周りのお客は逃げ出していくが、アナザージオウはソウゴに攻撃しようと周りの人間お構いなしに襲いかかる。

 

「ソウゴ!」

「時見先輩!」

 

「逃げて!」

 

ソウゴはアナザージオウの攻撃を避けながら、えみるとルールーに避けろと言う。

 

「よくわかないけど、俺が憎いだけでここいる人達を巻き込むなんて違うだろ!」

 

「お前のせいだ!お前が……!」

 

憎しみに包まれたアナザージオウの攻撃が更に激しくなる。

 

「ソウゴ!」

 

「みんなを避難させて!」

『ジクウドライバー!』

 

ソウゴはアナザージオウの攻撃を避けながらジクウドライバーを装備した。

 

『ジオウ!Ⅱ!』

 

取り出したジオウライドウォッチⅡを分割し、ドライバーの左右に差し込むと、後ろから二つの時計のエフェクトが現れる。

 

「変身!」

 

ドライバーを回すと二つの時計は左右対象に止まり、ソウゴの体を纏う。

 

『ライダータイム!仮面ライダー!ライダー! ジオウ・ジオウ・ジオウ!Ⅱ!』

 

ジオウⅡへ変身すると飛流はアナザー鎧武へと変身し、両者の剣がぶつかりあった。その時、ライブ会場から振動が起こる。

 

「何でしょう?」

 

ルールーがそう言ったその時、ステージ裏からギタリストオシマイダーが現れた。

 

 

同じ頃、野乃家でも……

 

「……!」

 

「どないしたんや?」

 

「ハリー……あれ……」

 

はなに言われてハリーがテレビを見ると、オシマイダーが暴れていると言う臨時ニュースがやっていた。

 

「「オシマイダー!」」

 

「あれは……!」

 

「ソウゴ!えみる!ルールー!」

 

更に屋外ステージ場で、えみるとルールーと、アナザージオウと戦っていたジオウⅡがいた事に気付く。

 

 

現場では、ジオウがアナザージオウに押されていた。

 

「くぅ!」

 

「お前さえ……お前さえいなければ!」

 

アナザージオウの猛攻に苦戦を強いられていた。

 

「お前じゃ!俺は倒せない!」

 

「あんただって……俺を倒せない!」

『ジオウサイキョウ!』

 

サイキョーギレードのジオウのフェイスの文字を“ジオウサイキョウー”へ変えた。

 

『覇王斬り!』

 

ジオウの攻撃がアナザージオウに直撃した。

 

「効いてる……やっぱり、こっちの攻撃も効いてるんだ!」

 

「まだだ……お前を倒すまでは倒れない!」

 

アナザージオウの執念がジオウへと向けられる。

 

 

 

一方ゲイツもタイムマジーンで、事件が起こった2009年へとやってきた。

 

「事件が起こったのが偶然じゃなかった……あれか?」

 

事件は偶然ではなく、必然的に起こったのだと考えていたゲイツ。

変な運転をしているバスを見つけ、あれが事故が起こるバスだと思い接近。

タイムマジーンでバスの乗客の状況を確認すると、そこには驚きの光景が見えた。

 

「ツクヨミ!」

 

そこにはファイズフォンXを構えるツクヨミがいた。

 

『ソウゴ!』

 

ソウゴの名前を言い、ツクヨミが発砲した。

そのままバスから火が燃え上がるとそのまま制御不能となり、トンネルの中へと入る。

そしてバスはトンネル内の壁に追突し、爆発が起こった。

 

「ツクヨミーーーー‼︎」

 

バスは勢いよく追突した事で見るも無惨な姿になり、炎が燃え上がる。

 

「あぁぁぁ……」

 

その光景を見たゲイツは仲間をまた失ったと後悔に包まれ、下を向く。

 

「俺の……使命……それは……」

 

 

 

2018年。

ステージをオシマイダーが暴れ続けるが、ジオウはアナザージオウに妨害され、オシマイダーまで相手には出来なかった。

 

「さあ!開演よ!」

 

パップルの掛け声と共に、オシマイダーがギターの先端にある火炎放射器をえみるとルールーに向けて放つ。

 

「ルールー!えみるちゃん!」

 

ギリギリのところでルールーがえみるを抱きかかえて跳び、何とか避けるが、背中から椅子にぶつかる。

 

「大丈夫ですか⁉︎ ルールー!」

 

「はい……」

 

「あーら、裏切り者のルールーちゃん」

 

屋根の上に現れたパップルが言った言葉を聞いたえみるが睨む。

 

「えみる……」

 

すると彼女は立ち上がり、ルールーの前で両腕を広げる。

 

「カッコいい事。オシマイダー!やっちゃいなさい!」

 

パップルはオシマイダーに命令して、ギターを弾いてルールー達に攻撃しようとする。

 

「さあやさんとほまれさんの為に……」

 

「まだ風邪の治っていないはなの為にも……プリキュアは諦めない……!ソウゴも一緒……!」

 

「頑張れ!頑張れー!」

 

「フレー!フレー!ソウゴ!」

 

えみるとルールーがジオウを応援した。

するとアナザージオウに押され気味だったジオウは、徐々にアナザージオウの持つ剣を押し返し始めた。

 

「負けるか……!」

 

「何……」

 

「ここには、ライブを楽しみに来た人達がいる。

それを……俺への恨みや復讐の為に、関係ない人を巻き込むなんて許せない!」

『サイキョーフィニッシュタイム!』

 

ジカンギレード・ケンモードを手に持っていたサイキョーギレードと合体させ、アナザージオウの力の押し込みを跳ね除けた。

 

『キングギリギリスラッシュ!』

「オリャャャャャ‼︎」

 

『ジオウサイキョウ』の文字が浮かび上がり、そのままオシマイダーへと振りおろして、オシマイダーを倒れさせる。

 

「ソウゴ!」

「時見先輩!」

 

その時、二人の胸元から赤と紫の光が放たれた。

 

「「心が、溢れる!」」

 

二人が叫んだ直後、はなとはぐたんを抱っこ紐で抱えたハリーが現れる。

 

「あれは……!」

 

ハリーが二人の傍へ近づいて足を止めると、プリハートが二人の前に現れ、同時にはぐたんが額の飾りから光を放つ。

 

「これは……」

 

その光に反応し、えみるからはミライクリスタル・レッド、ルールーからはミライクリスタル・パープルが出て来る。

 

「えみるとルールーから……!」

 

「ミライクリスタルが二つも!けど……!」

「ミライクリスタルが私の心から……!」

 

そう言った直後、えみるの持ってたプリハートが上に浮かぶ。

 

「えみる、早くプリキュアに!」

 

するとえみるがプリハートを取り、ルールーにずいと近付けた。

 

「えっ……?」

 

「さあ、ルールー!プリキュアになるのです!」

 

「何を言っているんですか!えみるの夢は―――!」

 

「ルールーの夢も同じなのです!」

 

ルールーはえみるの夢を優先させようとするが、ルールーの夢も同じだとえみるが強く叫ぶ。

 

「今、時見先輩に力を貸せるのは、ルールーなのです!」

 

えみるはルールーにプリハートを差し出そうとする。

 

「それに言ったでしょう?私は、ルールーの笑顔が、本当に本当に大好きなのです!さあ、急ぐので―――!」

 

彼女がそう言ってた途中で、ルールーがえみるを抱き締める。

 

「プリキュアは諦めない……!」

 

「ルールー……」

 

「どれだけ計算しても、答えが出ない……!分析不能……!

でも、信じる。奇跡を!

私は、えみると一緒にプリキュアになりたい!」

 

「私も……私もルールーと一緒にプリキュアになりたい!」

 

「「お願い!」」

 

「あっはっはっはっ!アンドロイドが神頼み?」

 

互いが互いに信じ合い、プリキュアになりたいとえみると一緒に叫ぶルールーを、パップルは神頼みだと嘲笑う。

――その時、周囲の色が変わった。

 

「なんだ……?」

 

「これ……」

 

同時にプリハートが光り出し、幻のように二つに見えると、そこから女神らしき幻も現れた。

 

「プリハートがもう一つ……!(それに今のは……)」

 

「えみるー!るー!いっしょー!」

 

その黄金の女神の幻が、二人を抱き締めた直後に消滅する。

 

「消えた……!」

 

「何なのです今の……?」

 

「奇跡が……起こった……!」

 

一つしか無かった筈のプリハートは、幻のように現れた二つ目のプリハートが実体化したことで、実物となった。

 

「プリハートが出来た!これって本当の奇跡だよ!」

 

「プリキュアー!」

 

「「あなたを愛し、私を愛する!」」

 

思いが重なった二人は、プリハートを構えた。

 

「「ミライクリスタル!ハート、キラっと!は~ぎゅ~!」」

 

二人は現れたミライクリスタルとプリハートをセットし、はな達と同じ手順を取る。

するとエール達三人のように服が変わり、髪が伸びると色も変わり、姿を変える。

 

「「輝く未来を、抱き締めて!みんな大好き!愛のプリキュア!」」

 

「キュアマシェリ!」

「キュアアムール!」

 

えみるとルールーが、四人目と五人目のプリキュア――赤いアイドル衣装風のコスチュームを身に着けて大ボリュームのクリーム色のツインテールを揺らすキュアマシェリと、肩を出した紫のネクタイ付きアイドル風衣装を着て左右をリボン状に小さくまとめた紫がかった銀髪をたなびかせるキュアアムールへ変身を遂げ。二人が手を繋ぎながら背中を重ねて歌う。

 

「キュアマシェリ……!アムール……!」

 

「凄い……!二人一緒に誕生するなんて……!」

 

「なになに……⁉︎ どう言う事⁉︎」

 

歩きながら離れてポーズを取り、オシマイダーに向かって走る。

 

「よーし!私も!」

 

「よせ!まだお前は無理やろ!」

 

はなも変身しようとするが、治りかけだったのでハリーが止める。

 

マシェリとアムールが一緒に跳び、オシマイダーを踏み付ける。

二人は歌いながら宙返りして距離を取り、客席に着地。オシマイダーに向かって跳び、オシマイダーがギターをシンバルに変化させて潰そうとするが、当たる寸前で左右に跳んで避ける。

再び客席に着地してからもう一度跳び、そのまま跳び蹴りを繰り出してシンバルを顔面に叩き付けて破壊する。

 

「アーユーレディ!」

「行きます!」

 

「フレフレ!ハート・ソング!」

「フレフレ!ハート・ダンス!」

 

マシェリとアムールがプリハートのハート部分をタッチして手を画面にかざし、プリハートから赤と紫のハート型エネルギーを敵にぶつけて浄化する“ハート・ソング”と“ハート・ダンス”を放つ。

ハート・ソングとハート・ダンスが巨大なハートとなって直撃すると、オシマイダーが浄化された。

 

「よっしゃー!」

 

「凄え!ルールー!えみるちゃん!」

 

「キュアマシェリ!」

「キュアアムール!」

 

「「ふたりはプリキュア!」」

 

マシェリとアムールが手を繋ぎ、ポーズを取った。

 

「嘘……⁉︎ そんなの聞いて無ーい!」

 

パップルが突然出現した二人のプリキュア誕生に狼狽し、瞬間移動して引き上げる。

 

「ちっ……」

 

「はぁぁぁぁぁ!」

 

パップルが引き上げるとジオウがサイキョージカンギレードで反撃へと出ると、攻撃が直撃したアナザージオウが飛ばされる。

 

「もういいだろ。これ以上は意味ないよ」

 

「うるさい!俺はお前を……うぉぉぉぉぉ!」

 

アナザージオウが槍を回しながらジオウに襲いかかろうとした。

その時……

 

「はぁ!」

 

「くぅ!」

 

いきなりゲイツが現れるとアナザージオウを殴り、痛みは左程無いとは言え突然殴られたアナザージオウは怯む。

 

「ゲイツ!」

 

突然のゲイツの登場にジオウが驚く。

 

「また貴様か……どけ!時見ソウゴは俺が倒す!お前は邪魔だぁぁぁ‼︎」

 

アナザージオウがゲイツに向かって邪魔だと叫ぶ。

 

「違う……」

 

よく見てみるとゲイツの拳が血が滲んでいて、更にその手にはブランクウォッチ状態のゲイツリバイブが握られていた。

 

「こいつを倒すのはお前じゃない………この俺だ」

 

ゲイツがジオウに体を向けるとジクウドライバーを取り出し、腕のホルダーからゲイツウォッチを外す。

 

『ゲイツ!』

 

ジクウドライバーにゲイツウォッチを装填し、腰へと装着した。

そして、殴った手に握られていたブランクウォッチが光り出した。

 

「ウォッチが!」

 

「何が起こるんや……」

 

その様子を見ていたはなとハリーは、これから何が起こるのかわからなかったが、ゲイツの今の様子から放たれる嫌な予感だけは酷く感じ取っていた。

そして手から砂時計のような形をしたウォッチに色が宿り、新たなる力が誕生すると、彼は迷わずそのウォッチを発動させた。

 

『ゲイツリバイブ!剛烈!』

 

そのウォッチ――『ゲイツリバイブライドウォッチ』をドライバーへと装填し、ドライバーのロックを解除。手でドライバーを包む。

 

「変……身」

 

ドライバーを回し、後ろからデジタルタイマーと砂時計を組み合わせたかのようなエフェクトが現れると、普段のゲイツとは違う姿を纏っていく。

 

『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!リ・バ・イ・ブ剛烈! 剛烈!』

 

そこにいたのは、顔の「らいだー」の文字のサイズが大きく、尖ったような形状になっており。また、顔や胸部には砂時計の意匠、全体的なカラーリングは赤く、腹筋が割れているような形状の胸部のアーマー『リバイブアーマー剛烈』を纏い、より重装甲な姿へとなった仮面ライダーゲイツだった。

 

「祝え!」

 

聞き慣れた台詞が聞こえ、ジオウ達が振り返ると会場の上から白ウォズがいた。

 

「巨悪を駆逐し、新たな未来へ我等を導くイル・サルバトーレ!

その名も仮面ライダーゲイツリバイブ! 真の救世主がこの地に降り立った瞬間である!ハハハハ……!」

 

突如現れた白ウォズの祝いの言葉をバックに、新たなるゲイツの姿・ゲイツリバイブが今、ここに誕生した。

 

「うわぁ~……白ウォズもやるんだ……」

 

ジオウが白ウォズも黒ウォズのように祝うのかと呆れていると、ゲイツがジオウへと迫る。

 

「させるかーーー‼︎」

 

奴を倒すのは俺だと、アナザージオウがゲイツの下へと走る。

それに気づいたゲイツは、新たな武器『ジカンジャクロー』で反撃に出た。

 

「何があったか知らないが、素晴らしいよ我が救世主!今こそゲイツリバイブの力を解放する時だ!」

 

どういった経緯で変身する覚悟を得たのかは知らないが、ゲイツリバイブの力を覚醒させた事に喜びながら、白ウォズはゲイツの前から去っていった。

 

『パワードのこ!』

 

そう音声が鳴ると、ジカンジャクローのナックルガードに付いている電動丸鋸が回転し、アナザージオウへと当てる。

 

『のこ切斬!』

 

「うぉぉぉぉぉ‼︎」

 

トリガーを引くと更に回転を強め、一撃だけでアナザージオウを彼方まで吹っ飛ばしてした。

 

「あぁぁぁぁぁ‼︎」

 

アナザージオウはゲイツの攻撃を受けた部分を抑え、苦しみに悶えながら声を上げる。

だがゲイツはジカンジャクローを回し、さらに斬撃を飛ばした。

 

「はぁ⁉︎」

 

アナザージオウがもうダメかと思ったその時、時が止まった。

 

「残念だが、今日はここまでだ」

 

時間を止めたのはスウォルツだった。

 

「ジオウ、ゲイツ。そして、プリキュア……また、会おう」

 

そう言ってスウォルツはアナザージオウを連れ、消えていった。

スウォルツが消えて時が動くと、斬撃が誰もいない壁へと直撃して終わった。

 

「いない……逃げたか」

 

「……ゲイツ、何があったの『話すことはない』…えっ?」

 

「俺はお前を倒す……それが、俺達の進む未来だ」

 

「………ゲイツ」

 

「待って欲しいのです!」

 

はな、アムールとマシェリが前に出てゲイツを止める。

 

「時見先輩と戦う理由はないはずです!」

 

「そうだよ!なんで!」

 

「どけ。もう決めたんだ」

 

「まだソウゴはオーマジオウには……」

 

「いいよ」

 

必死にゲイツを説得しようとする三人にもういいよと言うと、ジオウが前に出る。

 

「ソウゴ」

 

「ゲイツがそう決めたなら、俺はゲイツと戦う。

だから……みんなを手は出さないで」

 

「ですが……」

 

「大丈夫だから、ハリーお願い!」

 

「わかった……」

 

ハリーに連れられ、三人はジオウとゲイツから離れる。

 

「行くぞ」

 

「うん」

 

ジオウのサイキョージカンギレードとゲイツのジカンジャクロー、両者互いに武器を向け合う。

 

「「うぉぉぉぉぉ‼︎」」

 

両者の武器が火花を散らし、遂にどちらかの未来が決まる戦いが始まってしまった。

 

「はぁぁぁぁぁ!」

 

サイキョージカンギレードがゲイツに決まった。

しかし、ゲイツリバイブ剛烈の硬いボディには傷一つ付かないどころかビクともせず、カウンターを受け続ける。

 

「強いのです……」

 

「ソウゴが72.8%押されています」

 

「何で、こんな戦いしなきゃいけないの……」

 

見ているだけで辛い戦いを、はな達は見てることしか出来なかった。

 

「うぉぉぉぉぉ!」

 

「ふぅ!」

 

ジオウはゲイツのジカンジャクローを紙一重で躱した。

 

「はぁぁ……」

 

サイキョージカンギレードを構え、ドライバーの右側にある金色のジオウライドウォッチⅡを光らせると、両目にかかる時間の針のアンテナ2本が回転した。

 

「見えた、ゲイツの未来!」

 

自身がゲイツの攻撃を受け、カウンターでサイキョーギレードを受けるゲイツの姿を見た。

 

「はぁぁ!」

 

ゲイツの攻撃を受け流しながら、次にカウンターでゲイツにダメージを与えた。

 

「行ける!」

 

このままいけばゲイツを止められると、未来の通りに次の一撃で決めにかかる。

すると、それを見たゲイツがゲイツリバイブウォッチに触った。

 

――それは、たった数秒の出来事だった。

ジオウにサイキョーギレードを向けられた時、ゲイツは直ぐさまゲイツリバイブウォッチを回した。

 

『スピードタイム!リバイ!リバイ!リバイ!リバイ!リバイ!リバイ!リバイブ疾風! 疾風!』

 

その時、ゲイツリバイブから装甲が展開して姿が変わると、音速並のスピードでジオウの背後をつき、一瞬にのうちに後ろへと回って反撃に出た。

 

――その間、たった5秒ッッ!!

 

「なんで……」

 

「お前が未来を予知しても、俺はその先へ行く……!」

 

ジオウが今のゲイツの姿を見ると、赤色の重装甲は青色の軽装甲になっており、ゲイツリバイブ剛烈の展開された胸部アーマーが翼のような姿になっていた。

 

『スピードクロー!』

 

二本の青いクローを伸ばした籠手へとモードの変わったジカンジャクローを持ち、ジオウに近づく。

 

「ジオウ。お前を倒す」

 

圧倒的にゲイツリバイブの方がジオウⅡのパワーもスピードも上回り、ジオウⅡ最大の力である予知すらも超える力を持っていた。

 

 

 

とあるバス会社。黒ウォズが社員を眠らせ、社内の資料室から過去のソウゴのバスの事故の資料を見ていた。

 

「やはり、我が魔王と過川飛流とは繋がりがあったか……」

 

資料にある被害者のリストのページをめくる。

 

「!? 何故、我が魔王の事件に門矢士の名前が⁉︎」

 

そこには、運転手として仮面ライダーディケイド『門矢士』の名前まで記録されていた。

生きている人間の名前に、あの破壊者の名がある事に黒ウォズが驚く。

 


次回!Re.HUGっとジオウ!

 

第27話 最強コンビ登場‼︎黒ウォズ、一か八かの賭け 2009

 

 




おまけ

ルールー「私、ルールー・アムールです。えみるの提案で私が曲を作ることになりました。しかし何も思いつきません……
そうです!ソウゴとえみるへの想いを歌詞にすれば良いじゃないですか!」

HUGっとジオウ!第27話!『皆んなに届け!私たちの愛のミュージック!』

次回も、ハグって行くジオ〜!

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