私達は残るライダーの力を集めるため、仮面ライダーアギト・津上翔一と接触しようと考える。
しかし、クライアス社の罠にかかりアギトは力を奪われるが、我が魔王と奇跡のコラボを……
おっと、余計な事を言ってしまいました」
――さて、此処でとある青年の話をしよう。
とある公園にて、20代後半の青年――ここでは仮に『A』と呼ばせて貰おう――が、そこのベンチにて不貞腐れていた。
青年Aは、警視庁で開発されているG3ユニット――別名『仮面ライダーG3』の装着者として立候補していた。
このG3は、一般市民や普通の警察官では太刀打ちできない怪物・怪人などの問題と対峙する事態を想定して運用がなされている。
しかし仮面ライダーG3は元々、特殊な部隊で訓練された選ばれし人間しか装着出来ない装着型ライダー。
今でこそ、その選ばれし人間は増えているが、当然全員というわけではない。
青年Aも、その選ばれなかった内の一人。ただそれだけの話だった。
「よっ!随分不貞腐れているなお前」
「……先輩」
そこへ、青年Aの先輩らしき人物がコーヒーの缶を片手にやってきた。
「……まあ、お前の気持ちは分からんでもないぜ?一生懸命やったってのに、結局選ばれなかったんだからな……俺だったらヤケ酒飲んで二日酔いでぶっ倒れるな!」
「……先輩。プリキュアって知ってますよね?」
アハハと笑いながらコーヒーを飲んでいると、青年Aがプリキュアについて問いかけてきた。
青年Aの先輩はG3の話から突然プリキュアの話に飛躍したことに驚くも、とりあえず話に合わせよう口を開く。
「うん……まあ、そうだな……此処最近の若い奴らで、知らない奴はいないんじゃねぇか?俺の娘も、なんかその子らの話になると目をキラキラさせながら話していたが……」
「先輩は、悔しくないんですか?あんな誰かも分からない女子供に、もっと訳の分からない怪物を任せて」
悔しくないのか?という問いを聞いた先輩は、青年Aの言おうとしている事を察した。
「……そりゃあ、人を守る俺たちが、あんなドデカい怪物に対抗することも出来ず、年相応…なのかどうかもわからねぇ女の子達にまかせっきりってのは、少し複雑な心境だがよ……俺たち警察だけで、あのドデカい怪物を倒せるか?って言われたら、俺だったら『NO』って答えるね。確実に……
ようは“相性”ってやつの問題なのよ」
「………G3さえあれば、あの怪物どもを駆逐することが出来るって思って志願してたんですけど……
はぁ…上手くいかないですね……」
「……お前は、あの化け物どもになんか恨みでもあるのか?」
「いえ、そういう訳じゃ無いですけど……ああゆう化け物が俺たちの生活を脅かすって考えたら、いない方が良いじゃないですか。それに……」
「それに?」
「俺が子供の頃、人を襲う怪物に襲われた…様な記憶があって。それで俺、大きくなったら、怪物を人々から守るって決めてたんです」
「はぁ~……怪物ねぇ……
襲われた
「……いえ、たぶん全然関係ないと思います。
姿もあの……ギザギザな口の付いたデカい化け物みたいなのじゃなくて、もっと小さい……人間サイズの怪物で、動物を擬人化させたような姿をしていたハズです」
「ほーん……お前、よくその怪物ってのに襲われて無事でいられたな」
「えぇ、まあ……あの時は、仮面の人に助けられた気がするので……」
「仮面の人……仮面の人ってのは、最近プリキュアと一緒にいるっていう『仮面ライダー』ってやつか?」
「はい、多分……」
「なんだい多分多分って!さっきからハッキリしねぇなお前!
子供の頃の記憶だからって、怪物に襲われて仮面ライダーに助けられたってなら、もう少し記憶に留めておけよ!」
「……すみません」
「まあ、いいや。取り合えず気ぃ済んだら戻って来いよ。有給は無限じゃねぇんだぞ?」
「はい……ありがとうございました。話を聞いてくれて」
「いいってことよ。そんじゃな」
青年Aの先輩はそう言って、近くに泊めていた車に乗って公園から去っていった。
「………はぁ……仮面ライダーねぇ……
また会えるかな……」
青年Aは、正直言ってその時の記憶は、まるで夢でも見てたんじゃないかという位に、曖昧だった。
だけどそのライダー……黒と金アーマーで身を包み、金の角が生えた姿だけは覚えていた。そして自分は、それに憧れてG3ユニットを身に着けたいと思っていた。
ただ逆に言えば、それしか覚えて……いや、それしか知らなかった。
あのライダーが何なのか、結局何者だったのか、今は何処で何をしているのか。
また会えるなら、もう一度姿を見せてほしいという気持ちが、青年の心にあった。
そうすれば、このモヤモヤした心が、少しは晴れると思うから――
「――だったら、お望み通り合わせてやる。仮面ライダーアギトにな…」
「!?」
その時、突如聞こえた男の声に青年Aは驚き、直ぐに後ろを向いた。
『アギト…!』
「ガァ⁉」
「無論、異論は認めん」
すると青年の胸にナニカが埋め込まれ、青年Aは自身の頭に流れ込んできた異物に苦しんだ。
(な…何だこれ⁉ なんか、俺が、俺じゃなくなるような……
……でも、力が漲っテ来る……悪くナいカモ)
その時すでに、青年Aの姿は生物的な外見を持った、イナゴ或いはバッタの様な怪物――アナザーアギトになっていた。
その姿を見た紫色の衣装を着た男性は、何処か満足そうな表情を浮かべた。
「……さて、まず手始めにG3の演習場に赴こう」
(…アア、良いダロウ。もうG3なんて目じゃナイ。
ミンナモ、このチカラを持ツべきナンだ……
モウコレデ、アノばけものドもニオビヤカサレルコトもナイ…
だっテもウ――)
アギトは、ヒトリじゃない。
――この出来事は、警視庁でG3ユニットが襲撃される、数刻前の出来事だった。
スウォルツにより、アギトの力を奪うために集まったアナザーアギトとその増殖個体。
それに対し、仮面ライダーアギトはジオウ達の下から移動して来たアナザーアギトの増殖個体と戦う。
「はぁ!」
アギトはベルトの横を触り、アギトの左肩とアーマーが青色になった「超越精神の青」の力を持つ形態、ストームフォームへと変わった。
「変わった……」
「ヤァァァ!」
そのままオルタリングから出した専用武器のストームハルバードで、数体の増殖個体を撃破する。
「はぁ!」
さらに再びベルトに触り、アーマーと右肩が赤くなった「超越感覚の赤」の力を持つ形態・フレイムフォームへチェンジし、フレイムセイバーを出現させる。
「また、変わった……」
フレイムフォームとなったアギトはフレイムセイバーを振るい、次々と増殖個体を倒していく。
「強い……」
「私達も……」
三人が加勢に行こうとしたその時、彼女達の時が止まった。
「残念でした」
オーラに一瞬の内に時を止められると、彼女によってツクヨミのファイズフォンを奪われ、ツクヨミとエトワールとアムールの後ろへと回って銃を突きつける。
「そこまでよ。この子達がどうなってもいいの?」
「っ⁉︎ あぁ!」
「なっ⁉︎ ぐぅ!」
アギトとハリーが動きを止めたところ、増殖個体に攻撃を受け、アギトはグランドフォームへ戻ってしまう。
「いい子だ」
「余計な手出しを」
「強がってないで。あんたがぐずぐずしてるからよ」
そこへソウゴ達が駆けつけてきた。
「私の勘が当たったか」
「あれは仮面ライダーアギト」
「エトワール!アムール!ツクヨミ!」
「みんな!」
「動かないで!」
オーラが三人の後ろでファイズフォンを構えおり、変身しようとしたソウゴ達は手を止める。
「あれが、ソウゴ達の敵なの?」
「クライアス社のタイムジャッカーだよ……」
「タイムジャッカー……時を盗むって事?」
「正確に言えばそうなるね」
「隙を見て、三人を助けるぞ……」
咲と舞にタイムジャッカーの解説をしながら隙を伺おうとする。しかし、今度はウールが時間を止めた。
「君の力を貰うよ」
ウールがアギトに近づき、ブランクウォッチをかざす。
『アギト!』
アギトから力を奪い、アギトのライドウォッチを生成された事で、仮面ライダーアギトが津上翔一の姿に戻ると時間が動く。
「っ⁉︎ ライドウォッチを創った!」
そこへアナザーアギトは変身が解かれた翔一に襲いかかろうとする。
「危ない!」
ツクヨミが叫び手を広げると、ソウゴ達やアナザーアギトだけでなくタイムジャッカーのスウォルツ、ウール、オーラの動きを止めた。
「え……?」
驚いたツクヨミだが、手を下ろすと急に時が動き出した。
「誰が止めたの?」
「やはりお前は……」
時を止めたツクヨミを見て、スウォルツは何かとすぐに気づいた。
「まぁいいや。こいつがなければ、時見ソウゴはオーマジオウの力を手にすることはできない」
ウールはそう言うと、アギトのライドウォッチをアナザーアギト本体に埋め込んだ。
「がぁぁぁぁ!」
ライドウォッチを埋め込まれたアナザーアギトが、仮面ライダーアギトの姿に変貌した。
「アギトに……!」
そのままアギトになったアナザーアギトは逃亡していった。
「あいつは僕が使う」
「……お手並み拝見と行こう」
後を追ったウールにアナザーアギトを任せ、スウォルツとオーラがソウゴ達の前から去ろうとする。
「待って!あなたは何を知っているの?私のことを……!」
ツクヨミは何か知っているのだと思い、スウォルツを呼び止める。
だが彼は何も語らず、そのまま去っていく。
「みんな、大丈夫!」
はながすぐに解放されたエトワールとアムールに駆け寄る。
「うん。大丈夫」
「ですが、アギトの力が……」
「すまん。すぐに気付けば……」
「仕方ないよ。とりあえず、家に戻ろう」
ソウゴ達はここを離れクジゴジ堂へと戻ると同時に、翔一、咲、舞も一緒にクジゴジ堂へ招く。
「「「いただきまーす!」」」
「緊張するな……プロのシェフの御眼鏡にかなうかな?」
順一郎が腕によりを奮った料理を翔一達に食べてもらい、三人が口にする。
「……うん、美味しい」
「美味しい〜♪」
「本当ですか〜!」
順一郎はその言葉に舞い上がる。
「シンプルだけど奥深い!」
「ほんとですか?いやぁ……」
「そうだ。今度うちの店にも遊びに来てくださいよ。腕奮いますから」
「ぜひ。ハハハ……プロのシェフに褒められちゃった。スカウトされるかも……
でもね。僕はこう見えて時計屋としてのプライドがあるんだ」
翔一らに自分の料理の腕を買われ、スカウトされると期待を膨らせる。
「すいません。スカウトに関してはちょっと考えさせてください。………あれ?」
しかし振り向くと、既に翔一達はいなくなっており、綺麗になった食器だけが残されていた。
その頃ソウゴ達は、ビューティーハリーへと場所を変えた。
「じゃあ、なぎささんやほのかさんにみんなには会ってきたんだ」
「はい!咲さんや舞さんも私達の先輩なんですよね!」
「まぁ、そんな所かな」
「また、プリキュアの先輩に会えてとても光栄なのです」
はなとえみるが咲と舞と話していると、ソウゴは翔一にライドウォッチについて説明していた。
「へぇ〜、君は王様になるためにあの時計が必要だったんだね」
翔一はあの時見たアギトのライドウォッチを思い出す。
「うん。最高最善の魔王になるためにどうしても」
「ごめん。ライダーの力っていうの盗られちゃった」
クライアス社にアギトの力を奪われた事を謝る。
「ごめんなさい……私のせいで……」
「ツクヨミだけのせいじゃないよ」
「私達も背後を取られ、クライアス社の都合の良い方へ動いてしまいました」
ツクヨミとほまれ、ルールーの三人がアギトの力を奪われたのは自分達が悪いと謝る。
「大丈夫。私達が必ず取り戻す」
「……」
はながそう言うが、ツクヨミがあまり浮かない顔をしていた。
「あ、それより、さっきスウォルツに何聞こうとしたの?」
「ツクヨミの過去に関係があるのか?」
「それってツクヨミさんの……」
「放っておいて……」
過去のことを聞かれたツクヨミは部屋から出て行ってしまう。
だがソウゴ達には、今のツクヨミに何も声をかけられなかった。
しばらくし、ツクヨミは見晴らしのいい公園の高台にいた。
「あんなにソウゴを責めてたのに……私にも時間を操る力があったなんて……」
自分にタイムジャッカーと同じ力があると知り、ツクヨミは混乱していた。
そこから遠くでソウゴ達が彼女を見守っていた。
「やっぱり、あれはツクヨミが時間を止めたのかな?」
「間違いない。本人もよく分かってないようだが」
ウォズが時間を止めたのはツクヨミだと言う。
「どうゆうことだ?」
「どうして、ツクヨミにそんな力が……」
「彼女の失われた記憶に関係あるのかもしれない」
「記憶かぁ!心配?」
ゲイツとさあやが、何故彼女に時を止める力があるのか考えていると、翔一がソウゴ達に心配なのかと問う。
「そりゃあ、今まで一緒に戦ってきた仲間だから」
「じゃあ、これからも一緒にいてあげればいいよ。
過去より、君達がいる未来のほうが彼女にとって大切なんじゃないかな」
翔一も記憶喪失を体験したことがあり、彼はその失くした記憶によって、かなり辛い出来事も怖い出来事もあったという自分の経験を踏まえていた。
そこへ翔一の携帯に連絡が入る。
「もしもし!」
『よかったぁ。やっぱり津上さんじゃないんですね』
電話の相手はG3のチーム班長の尾室だった。
「どうゆうこと?」
『アギトが街で暴れてるんです』
「アギトが……⁉︎」
それを聞いたソウゴ達は、クライアス社の仕業だとすぐに気づいた。
「俺達が行くよ」
「翔一さんにアギトの力を取り返してみせる!」
「じゃあ、彼女は俺に任せて!」
「翔一さん。私達も」
「いいですか?」
「二人共、お願いしてもいいですか?」
「頼むぞ」
翔一、咲、舞の三人にツクヨミを任せ、ソウゴ達は現場へと向かう。
「まさか……ツクヨミ君が……」
「ウォズ?どなんした?」
するとウォズがツクヨミの事で何かを思い出て足を止め、ハリーも彼の異変に気付いて足を止めた。
その頃、ソウゴ達は現場へ駆けつけると、町中の人間達が次々とアナザーアギト化させられるという光景に驚愕した。
「みんな!」
『『ジクウドライバー!』』
『ジオウ!Ⅱ!』
『ゲイツリバイブ!剛烈!』
ソウゴ達二人はウォッチをドライバーに装填し構えると、はな達五人がプリハートを取り出す。
「「変身‼︎」」
「「「「「ミライクリスタル!ハートキラッと!」」」」」
二人がドライバーを操作し、アーマーが体に纏われ。五人が揃ってプリハートにミライクリスタルをセットし、いつもの手順を取り姿を変える。
『ライダータイム!仮面ライダー!ライダー! ジオウ・ジオウ・ジオウ!Ⅱ!』
『ライダータイム!リ・バ・イ・ブ剛烈! 剛烈!』
「輝く未来を〜抱き締めて!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」
「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」
「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」
「「みんな大好き!愛のプリキュア!」」
「キュアマシェリ!」
「キュアアムール!」
「「「「「HUGっと!プリキュア!」」」」」
変身完了した七人はすぐに分かれて、アナザーアギトに応戦する。
「はぁ!ヤァ!」
ジオウはサイキョーギレードでアナザーアギトを斬りかかる。
「うぉぉぉぉ!タァ!」
ゲイツはジカンジャクローでアナザーアギトを寄せつけない。
「タァァァァ‼︎」
「「ヤァァァァァァァ‼︎」」
エールがラッシュを繰り出すと、アンジュとエトワールがダブルキックを繰り出し、アナザーアギトを地に伏せさせる。
そこへ、マシェリとアムールが前に出る。
「アーユーレディ!」
「行きます!」
「フレフレ!ハート!ソング!」
「フレフレ!ハート!ダンス!」
プリハートから赤と紫のハート型エネルギーをアナザーアギトへと放ち、何体か浄化させた。
「フェザースラッシュ!」
『パワードのこ!のこ切斬!』
アンジュがフェザースラッシュを放つとゲイツがジカンジャクローを回して、さらに斬撃を飛ばし、アナザーアギトを数体を撃破した。
「スタースラッシュ!」
『覇王切り!』
「オリャャャャ‼︎」
ジオウとエトワールも技を繰り出し一通り倒したと誰もが思った……しかし、またもや凄い数のアナザーアギトが襲いかかってきた。
「ダメ!いくらなんでも多すぎる!」
「これじゃ、キリがない」
倒しても倒してもアナザーアギトは減らない、ただジオウ達に疲労を与えるだけだ。
その光景を、ビルの上から本体のアナザーアギトである仮面ライダーアギトとウールが見ていた。
「いいじゃん、これ。もっとペースあげてみようか」
ウールがペースを上げようと、アギトと共に更にアナザーアギトを増やそうと行動に出る。
ジオウ達は必死にアナザーアギトに抵抗を続ける。
「フラワーシュート!」
『トゥワイズタイムブレーク!』
フラワーシュートとトゥワイズタイムブレークのライダーキックが決まり、アナザーアギトを倒し続ける。
「これじゃあ……⁉︎」
アナザーアギトを倒し続けるとその時、ジオウⅡは未来予知を行った。
それによると、あと数時間も経てばこの辺りにおぞましい数のアナザーアギトが現れる様だ。
「まずい。このままだと、俺達でも倒しきれない数になる」
「こんな時に、ウォズとハリーは何処行った⁉︎」
大量のアナザーアギトが現れる前に決着を着けたいが、ウォズとハリーがいない為、戦力不足だった。
離れた所にいたスウォルツの元へ、ウォズとハリーが現れた。
「お前らか。何の用だ?」
「ツクヨミ君のことさ。君は彼女をタイムジャッカーにしようとしているのか?」
「俺は何もしていない」
「嘘をつくな。あの力は、お前しか与えられないはずや」
「その通りだ」
スウォルツは何もしていないと言うが、ハリーとウォズはそんな事はないと否定する。
「君がツクヨミ君に力を分け与えてないとしたら……」
「あの女が……俺と同じだということになるな……」
「同じ……まさか……」
「……バカな。彼女があの……⁉︎」
何か思い当たる事を思うハリーとウォズは、スウォルツとツクヨミが同じ“何か”だと聞きかされる。
その頃、ツクヨミは未だに公園から動こうとしなかった。
「本当の私は……誰……?」
ツクヨミは自分の力を知った事で、本当の自身が何なのか悩んでいた…
「ムプ?」
「フプ?」
すると二匹の妖精がツクヨミの膝下へ現れ、そのまま座り込む。
「妖精?」
「二人に気に入られたみたいね」
「二人もあなたが好きみたいね」
「やあ!」
彼女を見守っていた三人がツクヨミに話しかける。
「津上さん……!」
「ちょっと、来てくれない?」
翔一はツクヨミを自分の経営している店、レストラン「AGITΩ」へ連れてきて料理を振る舞う。
「はいはいはい、お待たせしました。どうぞ、俺の料理」
「津上さんの?」
翔一は自分が作った“ラタトゥイユ”という、夏野菜を煮込んで作った料理をツクヨミにご馳走する。
「ああ……それ、ほんとは違うんだよね。
本当の名前は……沢木哲也」
「え……?」
「俺も記憶を無くしたことがあったんだ。そして気づいたら、凄い力を手に入れてた」
十年以上の前のことでも、翔一にはついこの間の事にように思い出していた。
「それでどうしたんですか?」
「一生懸命暮らしたかな。料理したり……」
「おかしいでしょ?今と全然かわんない」
真魚が翔一の隣に来て、今と変わっていないと語る。
「だって記憶とか力とかあってもなくても、俺は俺だから。
君だって、そうやって生きてきたんじゃないの?」
「私は……」
翔一の話を聞いて、ツクヨミも翔一のように確かにそうやって生きていた事を思い出す。
「ほらほら、元気だして!」
「冷めないうちに食べて。ほら!」
咲と舞の二人に勧められ、ツクヨミは翔一の料理を口にする。
「おいしい……!」
「その笑顔、みんなにも見せてあげてよ」
「みんな?」
「君のおいしそうな顔が見たくて、料理を作ってくれる人がいるじゃない?
あの仲間達だって、君が君でいるから仲間になったんだよ」
それを聞いて、彼女は振り返る。
ツクヨミは仲間を……ソウゴ、ゲイツ、ハリー、はな、さあや、ほまれ、えみる、ルールー、ウォズ……
いつも一緒にいる、みんなの顔を思い浮かべる。
「私が……私でいるから……」
ジオウ達はようやく、その場にいた多数のアナザーアギトを撃破し、変身を解除する。
「どうする……このままでは……」
しかし、このままではさっきよりも多くのアナザーアギトがやって来てしまう。さっきの戦いで疲労困憊状態のみんなはそれを思い出し、気が遠くなっていた。
「ソウゴ!」
そこへツクヨミ、咲、舞が駆けつける。
「ツクヨミ……!」
「みんな……ごめんなさい。私……」
するとツクヨミの言葉を遮るように、ソウゴが話し出した。
「あのさ、ツクヨミ。ツクヨミは世界を良くしたいと思って、戦ってきたんでしょ?それで、この時代に来た?」
「うん」
「俺も少しでも世界を良くしたい。だから俺は王様になる!
みんながいるからこそ、最高最善の魔王になれる。そう思うんだ」
それを聞いて、先まで辛かったみんなの顔から笑顔が溢れる。
「うん。私も世界を良くしたい。
過去に何があっても、私が本当は誰でも関係ない。
だって私は私だから!」
ツクヨミも悩みから吹っ切れたように笑顔を見せくれた。
『お帰り!ツクヨミ』
「ただいま。みんな!」
ただいまとツクヨミが笑って言うと、そこへウォズとハリーが合流した。
「我が魔王、諸君。アギトとは戦わないほうがいい。これは罠だ」
「どうゆうことだ?」
「罠とは?」
「1人が目覚めれば、次々目覚めるのがアギトの力らしい」
「つまりウールは、君達でも倒しきれないほどのアナザーアギトを創りだして待ちうけている。スウォルツからそう聞いた」
「でも……何でスウォルツは、そんな事を教えるの?」
ツクヨミは何故、スウォルツがそんな事を教えてくれたのか疑問に思っていたが…
「罠でもいいさ。それは俺がすでに予知した未来だ。それに戦わなきゃ、アギトの力は取り戻せない。だろ?」
ソウゴの言葉を聞き、全員が頷く。
「敵の居場所も分かってる。行くよ!」
『あぁ(うん・はい)!』
こうしてソウゴ達は現場へ向かう。
現場へ駆けつけたソウゴ達を待ち受けていたのは、倒し切れないほどにまで増殖したアナザーアギト達だった。
「なんて数だ……!」
「これほどとは……」
「君達が倒しても倒しても、何度でも産み出せるよ」
そこへウールが現れ、数体程度アナザーアギトを倒してもすぐに追加でアナザーアギトを生み出せると語る。
「でもそれって、君にアギトの力があるからだよね」
「それを俺達が取り戻せばいいだけの話だ」
『『ジクウドライバー!』』
『ビヨンドライバー!』
『ジオウ!Ⅱ!』
『ゲイツリバイブ!剛烈!』
『キカイ! アクション!』
『ハリー!』
四人はウォッチをドライバーに装填し、構えると。はな達五人がプリハートを取り出す。更に咲と舞の手の上に、クリスタルコミューンを乗せられる。
「「「「変身‼︎」」」」
「「「ミライクリスタル!ハートキラッと!」」」
「「デュアル・スピリチュアル・パワー!」」
ドライバーを操作し、アーマーが体に纏われ。はな達が揃ってプリハートにミライクリスタルをセットし、揃っての手順を取って姿を変える。二人も手を繋ぐとコミューンを重ね、姿を変える。
『ライダータイム!仮面ライダー!ライダー! ジオウ・ジオウ・ジオウ!Ⅱ!』
『ライダータイム!リ・バ・イ・ブ剛烈! 剛烈!』
『投影!フューチャータイム!デカイ!ハカイ!ゴーカイ!フューチャーリングキカイ!キカイ!』
『ライダータイム!仮面ライダーハ・リー!』
「輝く未来を〜抱き締めて!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」
「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」
「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」
「「みんな大好き!愛のプリキュア!」」
「キュアマシェリ!」
「キュアアムール!」
「「「「「HUGっと!プリキュア!」」」」」
「輝く金の花!キュアブルーム!」
「煌めく銀の翼!キュアイーグレット!」
ブルームとイーグレットの二人が降り立つと、背景には花びら開き、大きな翼を舞上げた。
「ふたりはプリキュア!」
ふたりは両手をクロスさせると寄り添った。
「聖なる泉を汚す者よ!」
「アコギなマネはおやめなさい!」
全員が変身完了し、名乗りを上げると全員が戦闘に構える。
「行くよ!」
一斉に散らばり、アナザーアギトが率いるアナザーアギト軍団にジオウ達が挑む。
「ハァ!ヤァ!」
「ヤァァァ‼︎」
「タァァァァ‼︎」
ジオウとエール、エトワールが中心でアナザーアギトと交戦を繰り広げる。
すると大量のアナザーアギトが、一斉に襲いかかってきた。
「フレフレ!ハート!フェザー!」
そこへアンジュがハートフェザーを展開し、アナザーアギト達を全て跳ね返した。
「やっぱ……多い。でも、やるしかない!」
数は多いがジオウ達は諦めず、立ち向かい続ける。
そして右側では、ハリーとアムールとマシェリがアナザーアギト達と交戦している。
「そら!どうや!」
ハリーはジカンチェーンを飛ばして動き止めながらアナザーアギトと交戦しており、アムールとマシェリはお互いにカバーし合いながら戦っている。
「マシェリ!」
「はい!」
アムールがマシェリを投げ飛ばし、マシェリがその勢いでキックを繰り出しアナザーアギトを怯ませた。
そして左側ではブルームとイーグレットが、アナザーアギトと交戦している。
「ヤァァァ!」
「タァァァァァァァ!」
ブルームとイーグレットは連携しながらアナザーアギト達をぶっ飛ばしていた。
「イーグレット!」
「うん!」
更に二人が同時に力を入れたパンチを放ち、長年のコンビネーションでアナザーアギトを撹乱するような戦い方で翻弄する。
一方後ろ側では、ゲイツとウォズがお互いに肩を寄せ合い後ろを守りながら戦っていると、ゲイツがウォズに話しかける。
「ウォズ。お前のシノビと俺の疾風、どちらが早いか勝負しないか?」
「フッ、面白い」
ゲイツはスピード勝負をしないかと持ちかけるとウォズが了承した。
『シノビ!』
『スピードタイム!』
ゲイツがゲイツリバイブウォッチを回し、ウォズがシノビウォッチを起動させドライバーに装填した。
『リバイ!リバイ!リバイ!リバイ!リバイ!リバイ!リバイブ疾風!疾風!』
『投影!フューチャータイム!誰じゃ?俺じゃ?忍者!フューチャーリングシノビ!シノビ!』
二人がフォームチェンジを完了し、ゲイツリバイブ疾風は得意の速さで空中を飛び、次々とアナザーアギトをなぎ倒していく。
ゲイツはジカンジャックロー・つめモードのエネルギー波を浴びせていく。
「はぁ!」
ウォズはフューチャーリングシノビの力で煙幕を出しながらアナザーアギトを撹乱、次々とジカンデスピアの斬撃で倒していく。
『つめ連斬!』
ゲイツは必殺技で無数の爪を雨のように爆撃する攻撃、つめ連斬を繰り出し、さらにスピードを上げアナザーアギトへと向かう。
「はぁぁ!」
『カマシスギ!フィニッシュタイム!』
そしてウォズはジカンデスピアのパネル全体をスワイプする。
『一撃カマーン!』
「ヤァァァ‼︎」
無数の分身を出してからの一撃カマーンで、相当数のアナザーアギトを撃破する。
「こいつら……行け!」
アナザーアギトがかなり減り焦ったのか、ウールは仮面ライダーアギトに変身していた個体にジオウへの攻撃を仕掛けさせる。
「アギトの力を返してもらう」
「返す?君達の力じゃないじゃないか」
「君の力でもないよね!」
その一言が聞こえると、何者かがいきなり狙撃を行い、「ドォォォン‼︎」と言う爆音と共にアナザーアギトを怯ませた。
「あれって?」
狙撃をしたのはG3だった。しかし、今までG3とは装備が違った。
「G3の改良型のG3-Xだよ!君はアギトを!」
「分かった!」
ジオウはアギトへと向かっていく。
するとG3-Xはアナザーアギトに吹っ飛ばされ、マスクが外れる。
「あれは……」
「津上翔一だったのか」
「津上さん!」
ツクヨミは手をかざし、アナザーアギトの動きを止める。
「「ヤァァァァァァ‼︎」」
その間にブルームとイーグレットが、翔一の周りのアナザーアギトを倒す。
「ありがとう」
お礼を言われたツクヨミがうれしそうに頷く。
その頃、サイキョーギレードとジカンギレードの二刀流でアギトと交戦するジオウ。
「はぁぁぁ!」
二刀流でアギトに変身していたアナザーアギトに斬撃を決めていく。
「がぁぁぁぁぁ!」
すると、その個体の体内からアギトのライドウォッチが零れ落ち、アギトがアナザーアギトへと戻る。
「今だ!」
アギトライドウォッチをジオウがすぐさま拾う。
「これを!」
そのままジオウは津上翔一へアギトのライドウォッチを投げ渡し、翔一は受け取る。
「ほら。ポチッと!ポチッと!」
ライドウォッチのスイッチを押してと伝えると、ジオウを信じた翔一がウォッチのボタンを押す。
『アギト!』
するとライドウォッチが消滅し、本来の持ち主であるアギトの力が翔一へ戻っていき、腰に変身ベルト・オルタリングが出現した。
「ふっ!」
翔一が腰にあるベルトの出現を見て、構える。
オルタリングからまるで風が吹いているかの様な低い音声が響き、腕を上げて構える。
「変身!」
ベルトの左右にあるスイッチに手を置くと翔一の体が光を纏い、仮面ライダーアギト・グランドフォームへ変身した。
「ハッ!」
アギトの力を取り戻した翔一は、そのままアナザーアギトに向かっていく。
「ねぇ、俺達も行くよ!」
『ジオウトリニティ!ジオウ!ゲイツ!ウォズ!』
ジオウはジオウトリニティウォッチを起動し、ウォッチを回す。
三人が光が包まれ、包まれていたゲイツとウォズの体が腕時計のように変わってジオウの体にはめ込まれ、ジオウも仮面が中央へと移動して身体も変化を始める。
『トリニティタイム!三つの力、仮面ライダージオウ!ゲイツ!ウォズ!トーリーニーティー!トリニティ!』
こちらもジオウトリニティへと変身を完了した。
「ひれ伏せ!我こそは仮面ライダージオウ・トリニティ。大魔王たるジオウとその家臣、ゲイツ、ウォズ、三位一体となって未来を創出する時の王者である」
「いい加減はずかしいから止めろ!」
「うるさいな右肩」
「誰が右肩だ」
「ちょっと、喧嘩しないでよ!」
「本当に面白いね。君の仲間」
「いつもやってるわけじゃないんですけど……」
ゲイツとウォズが言い争っているのをジオウが止めている様子を見て、アギトが仲が良さそうだと思うが、ツクヨミはそうじゃないと呟く。
「俺も負けられないな!」
アギトもベルトを操作し構えるとアギトの体が光り、アギトの肩が青のストームフォームと赤のフレイムフォームに変化し、アーマーは金色のグランドフォームへとなった。
三つのフォームを同時に兼ね備えたフォーム、アギトトリニティフォームである。
「これは……!言わねばなるまいっ!」
「えっ?ちょっとウォズ!」
アギト・トリニティフォームを見て、ウォズの左肩が勝手に動きアギトに近寄る。
「祝え!ジオウ・トリニティとアギトトリニティフォーム……」
再び祝えからウォズが始まる。
『はぁ〜……』
まだやるのかとみんながため息をつく。
「三位一体と、三位一体。合わせて六位一体の力が…『もういいからっ!』」
ジオウがウォズを静止させ、主導権を取り戻した。
「とにかく、これならいける気がする!」
「行くぞ!」
二人のトリニティが並び立つと、プリキュアの彼女らも共に並び立つ。
「ソウゴ達は本体を!」
「私達が周りのアナザーアギトを止めます」
「その隙に本体をお願い」
「よし!みんな頼むよ!」
『うん!』
「ムープ!」
「フープ!」
ブルームとイーグレット、二人の前に二匹の妖精ムープとフープが現れ、二人はパレット中へと入り二人に力を送ろうとする。
「月の力!」
「風の力!」
「「スプラッシュターン!!」
パレットから放たれた光がブルームの腹部に星型のベルトへ、イーグレットの左手に星型のブレスレットとなったプリキュア・スパイラルリングが装着される。
「精霊の光よ、命の輝きよ!」
「希望に導け、二つの心!」
「「プリキュア!!」」
二人が腕を回すのにあわせるように、水のようなエネルギーが固まっていく。それを、前方へと押し出すようにたたき出す。
「「スパイラルハート、スプラァァッシュ!!」」
ブルームとイーグレットが放つ二つのエネルギーが、アナザーアギトへと放たれた。
二人が放たれたスパイラルハートスプラッシュは前方にいたアナザーアギト達を浄化させた。
「私達も!」
エール達もそれに続こうと、ミライクリスタルを取り出す。
「「「ミライクリスタル!」」」
「エールタクト!」
「アンジュハープ!」
「エトワールフルート!」
「「ツインラブギター!ミライクリスタル!」」
「アーユーレディ!」
「行くのです!」
三人がメロディソードのボタンを押して演奏し、虹色のエネルギーを作り出し。ミライクリスタルをセットしツインラブギターを使い、二人が弦を弾き演奏を始める。
「「届け!私達の愛の歌!」」
「心のトゲトゲ!」
「ズッキュン撃ち抜く!」
「「「心のトゲトゲ、飛んで行けー!プリキュア!トリニティ・コンサート!」」」
「「ツインラブ・ロックビート!」」
アナザーアギト達に向かって虹色のエネルギーを飛ばすトリニティ・コンサートとツインラブ・ロックビートを放ち、そのままトリニティ・コンサート、ツインラブ・ロックビートが命中。
巨大な木が作り出されてピンク・水色・黄色の花が咲き誇り、アナザーアギトが浄化された。
「「「HUGっとプリキュア!エール・フォー・ユー!」」」
「愛してる!」
「センキュウ!」
プリキュア達から放たれた技により、アナザーアギトの分身個体は全てが浄化され、元の人間に戻っていく。
すると、最後に残るアナザーアギトの本体が近寄ってくる。
「がぁ!」
そこへハリーがジカンチェーンを出して、アナザーアギトを拘束した。
「今や!」
それを見てジオウトリニティとアギトが頷く。
「行くよ!ゲイツ!ウォズ!翔一!」
「「「あぁ‼︎」」」
『フィニッシュタイム!』
「はぁ〜……」
ジオウトリニティがドライバーのロックを、アギトは6本角を模したエネルギーを地面に発生させ、二人の両足に力が留められる。
「「はぁ!」」
二人が高く飛び上がり、拘束されたアナザーアギトへと向かってキックの態勢へと持ち込む。
『トリニティタイムブレークバーストエクスプロージョン!』
「「はぁぁぁぁぁぁぁーー‼︎」」
ジオウトリニティとアギトは同時にライダーキックを放ち、三つのエフェクトに包まれながらアナザーアギトへと向かって一直線にライダーキックを放った。
「「はぁぁぁぁぁぁぁッッ‼︎」」
そのまま地面を擦り続けて二人が貫き着地すると、アンザーアギトは爆破して撃破され、アナザーライドウォッチも破壊された。
「くそ……」
アナザーアギトの敗北を見て、ウールはすぐにこの場から離れる。
「――い、起きろ。起きろ!おーきーろ!」
アナザーアギトの変身者――青年Aが目を開けると、目の前で自身の先輩が自分の顔をのぞいていた。
「……んっ…ん?先輩?何してるんですか?」
「何してるんですか、じゃないんだよ!こっちが怪物騒ぎでてんやわんやしている時に、なーに寝ているんだよ!」
先輩の話を聞いた青年Aが辺りを見渡すと、さっきまで居たはずの公園ではなく、何処かの広場だった。そして自分は、何故か広場の端っこで寝ていた。
「……あれ?なんで此処に居るんだ俺……?」
「何で此処に居るんだって?なーに寝ぼけたこと言ってんだ!誰かに運ばれて此処に来たっていうのかよお前は!そんなことある訳ないだろ!!」
「えっ、ええと、すみません……」
「……まあいいや。説教はもういいとして、早くいくぞ!仕事の時間だぞ!」
「ちょ、先輩!?俺、有給取ってんですけど……」
「休日出勤だよ!!言っとくけどな!これは俺の命令じゃなくて上司の命令だからな⁉ ケータイ見てねえのか⁉」
それを聞いた青年Aがケータイを取り出して電源を入れると、上司からのメールがびっしりと届いていた。
「……まじかよ」
「マジだぞ。あの人カンカンに起こっているぞ?ほれ、行くぞ!今日の有給はまた今度に回してもらうからよ!」
「は、ハイ!」
青年Aは起き上がって走り出すと、「あのクソ上司、マジで覚えてろよ…」という恨み言が浮かんだが、不思議と心は爽やかな感じがした。
「………お前、やけに晴れた顔をしてんな。なんかあったか?」
「いえ、別に……ただ、少しだけ良い夢を見た気がするんです」
「夢?」
「昔助けて貰ったライダーに、また会った夢なんです」
「……そうか、よかったな」
「ハイ!」
そういって笑いかけてくる先輩にそう返し、青年Aは仮面ライダー…仮面ライダーアギトに心の中でお礼を言いながら、その場を後にしたのだった。
その日の夕方、翔一はライドウォッチをソウゴに渡していた。
「いいの?」
「王様になってよ。王様って人、俺会ったことないからさ」
「ありがとう」
ソウゴは翔一からライドウォッチを託された。
「津上さん!」
ツクヨミは立ち去ろうとする翔一を追い、呼び止める。
「あのっ……!私、どんな過去でも、ちゃんと受け止めてみせます」
彼女は翔一に過去を受け入れると約束する。
「俺も、新しい料理作って待ってるよ」
「頑張ってね。ツクヨミ」
「辛くなったらまた、会いに来ていつでも相談に乗るから」
「私もだよ!ツクヨミ!相談なら私なんでも聞くから!」
はな達の優しさを感じ、ツクヨミの顔から笑顔が見えた。
「はなに相談すると、逆にはなが私に何か相談するんじゃない?」
「めちょっく!」
それを聞いたみんなが、面白いように純粋に笑い合っている。
だが、これであと集める仮面ライダーのライドウォッチは五つとなった。
「かくして我々は、再び1つとなった。だが、また新たな秘密が生まれました。
しかしこのことはまだ、私とハリー君の胸に留めておくことにしましょう。
そして、残るウォッチは後5つ」
次回!Re.HUGっとジオウ!
第33話 2018: 女優の覚悟
おまけ
[HuGっとコーナー]
ジオウウッオ
ソウゴ「DVD作ったから見て」
ゲイツ「行動力の化身」
[BGM:ディケイド_ディケイド]
ライダー・ゾウリョウ
ライダータイム!
アギト・ゾウリョウ
アナザータイム!
アギト・アギト・トリニティ!
ジオウトリニティ!
エール達「トリニティコンサート!」
アーマータイム・ロッククライム・ガイムガイム!〈ソイヤ!〉
オルタリング・カーリング
イカリング!〈マメミー〉
G3・G4・Zi-O!
シャイニングフォーム・シャイニングホッパー
輝け!デーモンコア君!「アアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」
ゲイツ「止めろ!今すぐそのテープ焼き捨てろ!!」
ソウゴ「わかった」〈ポイ!ボォォォォォォォ!〉
ウォズ「行動力の化身・・・ッ!!」
仮面ライダージオウは、アギトのライドウォッチをゲットして、また新たな歴史が追加されました。
完