それを未来から阻止しに来るツクヨミ。しかし時見ソウゴは魔王としての一歩を踏み出し、仮面ライダージオウの力を受け入れた。
そして、今回現れたアナザービルドを倒す為、二人のレジェンドへ……
…おっと、先まで読みすぎてしまいました。ここからはまだ皆さんにとっては
未来のお話、でしたね……」
仮面ライダージオウへと変身したソウゴは、ビルドそっくりの怪人に向かって走り出し、その怪人が掴んでいた少女を離す為にパンチを繰り出す。
「なんか、いける気がする!」
すぐ様ビルド?が少女を放したのを確認すると、敵に向かってもう一撃パンチを放ち、拳一発で吹っ飛ばす。
「おお……行けた!」
先程の生身の時とは違って、対抗出来るようになった事に驚きと喜びを噛み締めながら、ビルドの様な怪人が飛ばされた方へと行く。そこにはオシマイダーと戦っていたキュアエールの姿があった。
「君。大丈夫?」
「えっ?……その声、もしかして時見君?」
「……もしかして、野乃さん⁉︎」
ジオウがエールに声を掛けたのを筆頭に、二人はお互いの声で誰かと気づく。
「ツゥ~~調子に乗りやがって……いけ!オシマイダー!!」
「オシマイダ~~!!」
チャラい男は先程から攻撃を受け続けたことに怒り心頭でオシマイダーに命令すると、オシマイダーがエール以外にジオウの方にも襲いかかり、更に二人はビルド?が放ったバスケットボール状のエネルギー弾で反撃を受ける。
すると、ジオウのドライバーから“ケン”の文字が現れた。
『ジカンギレード!』
「これって……」
『ケン!』
ジオウは“ケン”という文字が刻まれた剣武器『ジカンギレード』を振い、オシマイダーとビルド?にダメージを与える。
攻撃を受けたビルド?は更にエネルギー状のバスケットボールを作り、ジャンプをしてダンクをかます体勢になる。
『フィニッシュタイム!』
それに対してジオウは、ベルトに差していたライドウォッチを外し、ジカンギレードの持ち手上部にあるスロットに装着した。
『ギリギリスラッシュ!』
紫に光る時計エフェクトと共に、攻撃をしてきたビルド?を切り裂いて撃破。過去に変身させられたバスケ選手が芝生の上に落っこちる。
「すっごい〜!」
エールが驚いていると、オシマイダーが攻撃を仕掛けて来た。
「いったれやぁ~~!!キュアエール!!」
ハリーの言葉を聞いて、ピンク色のスマートフォン形状のアイテム『プリハート』をスライド回転させて、ハート型に変形させた物を掴むと、ハートの部分をタッチする。
それによりモニターに写った二重ハートが輝き、更にハートの全体を右手で流れるように下からなぞると同時にモニターも輝く。
辺りもピンク色に光り、たくさんのハートが浮かび上がって、彼女の両手首についている房飾りの装飾がポンポンに変わる。
『フレフレ!ハート!フォ~ユ~!!』
エールの前にハートの形状のエネルギー塊が浮かぶと、ポンポンを両手で左右斜めに“フレフレ!!”と振るたびにハートのエネルギー塊が輝く。
両手のポンポンで大きなハートマークを描き、更にポンポンを合わせてヒラヒラと揺らしながらハートのエネルギー塊の前に腕を突き出してそう唱えると、そこからハート型のピンク色の光線が発射される。
そして、ハート型の光線がオシマイダーに直撃した。
「ヤメサセテモライマァ~~ス……」
周りにハートが浮かび上がり、オシマイダーは幸せそうな笑顔でそう言いながら、大きなハートに包まれて昇天していった。
「ッゥ~~!!これは始末書物!!!変な奴も出てくるし……クソ!!」
チャラ男はそう悪態をついて、その場から引き上げていった。
同時に、オシマイダーが昇天したためか、学校を包んでいた不気味な黒雲が消えていく。
「はぐたん!ハリー!」
「ふぇ~~はぁぎゅはぁぎゅはぁぎゅ~♪」
エールははぐたんに駆け寄って抱き上げると、抱き上げられたはぐたんは嬉しそうに笑っていた。
その様子を微笑みながら見つめているハリーの後ろでかばんが開くと、そこから光る何かが飛び出してくる。それは薄い紫色で、ハートの装飾とハートの宝石があしらわれたスプーンだった。
「うわぁ……」
「何それ…?」
二人は突然出てきたスプーンを呆然と見つめていると、ハート型のアイテムから金色の装飾が付いた宝石が外れて、薄く輝きながらスプーンの上に乗る。
「うん!ミライクリスタルはアスパワワの結晶! ミライクリスタルからはぐたんにパワーをあげるんわ……プリキュアにしかできへん!大切なお仕事や!!」
スプーンを手に取ったエールは説明を聞きながら、はぐたんの前に宝石の乗ったスプーンを近づける。
金色の宝石が光りだし、そこからキレイに輝く光が、はぐたんの額のハートのアクセサリーに吸い込まれていく。
「はぁぎゅ~♪!!キャハキャハ♪エヘ!エヘ!」
はぐたんは溢れる程に満面の笑顔で笑った。その笑顔は余程の捻くれ者か人の心を持たぬ者で無い限り、誰もが見惚れるものだった。
「よかったぁ!!」
「はぐたんにアスパワワを与えても、まだミライクリスタルが光っとる!!」
そのエールとはぐたんの様子を見ていたハリーは、未だにミライクリスタルが浮かび上がり、光っている事に気づいて驚いていた。
「ふふふ♪よしよし!!」
「はぁ~ぎゅ♪はぁぎゅ~!」
(こいつの心には……どれだけのアスパワワがあるんや?
これなら……ミライを!!)
そしてエールの心にある、アスパワワというパワーの多さに驚きながら、自分達の未来への希望を抱く。
「はぐたん……よろしくね♪」
「はぁぎゅ~~♪エヘへェ」
「野乃さん、俺も手伝うよ。なんかよくわからないけど……」
「いやぁ〜、あっさんもすごかっ――あっ⁉︎」
エールは笑顔で頬を擦り寄せ、はぐたんもご機嫌に擦り寄って笑顔を浮かべる。
どういう状況なのかまだ把握しきれていないジオウに顔を向けたハリーはそう褒めるが、エール達と一緒に戦っていたその人物が…『ライダー』文字の複眼と時計の針を模した触覚を持つ仮面が“ある男”と重なり――
「ごめん……ハリー……」
エールとジオウ、ハリーの前に白い服の少女――ツクヨミが現れた。
「ツクヨミ。まさか、こいつ……」
「えぇ……この時代のジオウよ……」
「歴史は変えられなかったようだな」
「「ゲイツ!」」
二人が声の聞こえた方へ視線を向けると、『ゲイツ』と呼ばれた、赤の刺繍が施された黒の服にハーネスを身に着けた少年が現れる。
「お前……なんで魔王になる道なんか選んだ‼︎」
「俺が選んだ道だ!いや…俺は
「ッ…!」
『――お前たちに私を倒すのは不可能だ。何故か分かるか?
私は、生まれながらの……王である』
生まれながらの王。
その言葉が、未来でオーマジオウが言い放った言葉と重なった。
「そうか………それなら、俺は今ここでお前の道を終わらせるだけだ!」
「えっ?」
『ジクウドライバー!』
「あれ、時見君と同じ……」
ゲイツはジオウと同じジクウドライバーを装着すると、ジオウとは違う赤いライドウォッチを取り出し、ネジのようなディティールが付いたウェイクベゼルを回す。
『ゲイツ!』
そして赤いライドウォッチ『ゲイツライドウォッチ』をドライバーのD'9スロットにセットして、握り拳でライドオンリューザーを押してロックを解除する。
すると後ろからジオウと違う、デジタルタイマーの様な時計が現れ、ゲイツは交差した両手で抱え込む様にドライバーを掴む。
「待って!」
「変身!」
ジオウの制止を遮るように叫ぶと同時に、腕を広げながらドライバーを回転させた。
『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!』
後ろのデジタルタイマーエフェクトから「らいだー」の黄色いひらがな文字が現れると、無数の金属製腕時計のバンドの輪の様なエフェクトが回転して、ゲイツにスーツとアーマーを装着させる。最後にタイマーから飛び出た文字――『インジケーションバタフライ』が顔に刻まれ、ジオウとは違う、赤いアーマーとスーツを持った姿へと変身した。
「未来のためだ!お前には消えてもらう!」
仮面ライダーゲイツは黄色い複眼からジオウの姿を睨みつけながらそう言って、今度は腕のホルダーから別のウォッチを取り出し、起動させる。
『ゴースト!』
ウェイクベゼル部分がオレンジで、ボディ外装“アウトリガーグリップ”部分が黒で構成されているウォッチ…ゴーストライドウォッチをドライバーのD'3スロットへ装填し、再びドライバーを回す。
『アーマータイム!』
すると後ろから眼球の形をしたものと一緒にオレンジのアーマーが現れる。
ゲイツが歩き出すと同時にアーマーが分離し、自動的に装着されていった。
『カイガン!ゴー・ス・トー!』
そのアーマーは、黒とオレンジの頭部から角の様なものが伸びており、胸部には眼を模したデザインが刻まれ、複眼にはひらがなで「ごーすと」と描かれおり、両肩の装甲は眼球――『ゴーストアイコン』のような形状をしていた。
「うっ、なんか、やばい気がする」
ゲイツの肩にある『眼魂ショルダー』からパーカーゴースト四体が出て来て、思わず後退ったジオウへと向かってくる。
「行くぞ、オーマジオウ!」
「えっ……!? ちょ、ちょっと……!」
ジオウが『オーマジオウ』という名前に少し動揺していると、四体のパーカーゴーストが襲い掛かり、戦う気のないジオウを一方的にゲイツが攻め立てる。
「うわぁぁぁー!」
「時見君!」
いきなり攻撃を受けたジオウにエールが声を掛ける。
「この時代のお前に恨みはない。でも未来のためだ。消えてもらう!」
『フィニッシュタイム!ゴースト!』
そう言うと二つのウォッチに付いているボタンを押し、ドライバーを回した。
『オメガタイムバースト!』
ゲイツが跳ぶとパーカーゴーストを収束させて、そのエネルギーを右足に纏わせてジオウへ向けてのキックが襲い掛かる。
「待ってよ!」
だが突如、エールが前に出てジオウを庇おうとする。
「なっ⁉︎」
ゲイツはキックをワザと逸らして空打ちさせると、着地してエールの方を睨み付けた。
「退け!プリキュアとは戦いたくない!」
「時見君は、早く逃げて」
「分かった。でも……バイク?」
ゲイツから逃げようとするジオウは、腕のライドウォッチホルダーに「バイク」と書かれたウォッチを発見した。
「バイク……なんか行けそうな気がする!」
「バイク」と書かれたウォッチを放り投げると、ウォッチはバイクへと姿を変えた。
「うぉぉ、何これ、カッコいい!」
「めちょっく!カッコいい!」
ジオウとエールの二人がバイクを見てカッコいいと叫ぶと、ジオウは『ライドストライカー』に乗って逃げていく。
「おい!待て!」
ゲイツが制止の声をかけるも、ジオウは聞かず去っていってしまった。
その頃、ウールがビルドになっていたバスケット選手へと近づく。
「ジオウが生まれてしまったか。まあ、いいや。ここまでは想定の範囲内だ」
『ビルド…!』
気を失っているバスケット選手の目を覚まさせようと、ウールはドス黒いウォッチを取り出し再起動させる。
そして、バスケット選手へもう一度ウォッチを取り込む。
「うわぁぁぁぁぁ!」
その人は苦痛の叫びを上げながら、またビルドにそっくりな怪人へと変わった。
「えらい目にあった……」
一方、バイクで逃げて茂みに隠れると変身解除し、ソウゴは近くの公園のベンチでひと段落する。
「おめでとう、我が魔王」
「うわっ!」
そこにジクウドライバーを渡したウォズが不意に姿を現わし、思わず驚く。
「再びお目にかかれて光栄だよ。我が魔王」
「……って言うか、お兄さん誰?ツクヨミとゲイツと…あの喋るネズミの仲間?」
「私の名はウォズ。ツクヨミ君やゲイツ君とハリー君と違い、私は君の協力者だ」
三人とは違いソウゴの協力者だと名乗ると、持っていた本のページを開く。
「この本によれば。君はこの先、時の王者に即位するため覇道を歩む」
そして本に書かれていた、これから起こるであろう出来事を読み上げる。
「しかしタイムジャッカーチーム……クライアス社という組織の者たちが君の即位を邪魔し、新たな王を擁立しようとしている」
「えっ?クライアス社……?それって、みんなで歴史を変えようとしてるの?」
クライアス社やタイムジャッカーとは何かわからなかったが、歴史を変えようとしているのはわかった。
「そう。正しい歴史を守ろうとしているのは私だけなんだ。
君が無事、魔王への道を辿れるよう、私が尽力する」
ウォズは跪きながら尽力すると誓う。
「そうそう、言い忘れてたけど、さっき君が倒したアナザービルドだけどね……」
「アナザービルド?」
「失礼。仮面ライダービルドと言うべきかな」
「仮面ライダービルド?」
仮面ライダービルドと聞き、一ヶ月前の事を思い浮かべた。
『俺は、仮面ライダービルド。桐ヶ谷晴夜だ』
以前、偶然にも会った桐ヶ谷晴夜の事を思い出した。
しかし、あのビルドはさっき対敵していたビルド?ほど生き物らしさはなかった。
「いや。あれはビルドに似てたけど、ビルドじゃないよ」
仮面ライダービルドと、さっき倒したビルドを比較しても、双方には決定的な違いがあった。
「クライアス社が歴史を変えた。今はあれがビルドなんだ」
「そんな……じゃあ、晴夜はどうなったの!」
「さあね。ちなみに、魔王の君でもビルドを倒す事はできない。今、まさにゲイツ君とあのプリキュアの子が戦闘中だけどね」
「何だって……?」
その頃ゲイツ達は…
「ねぇ、なんで時見君を倒そうとしたの?」
「お前には関係ないことだ!」
「そんなことないもん!だって時見君は、私の友達だもん!」
「はな、ちぃとは落ち着けや!……ゲイツ!お前もや!」
エールとゲイツが言い争いをしており、ハリーが二人の仲裁していると…
「ウゥ〜〜……」
『!?』
彼らの前にアナザービルドが現れ、それを見たエール達は驚愕していた。
「あれってさっきの!なんで⁉︎ だってさっき、時見君が倒したはずなのに……」
「………兎に角、やるしかないようだな」
再び襲いかかってきたアナザービルドに応戦する為、エールとゲイツは立ち向かっていった。
今のジオウの力でもアナザービルドは倒せないと聞き、ソウゴはどうすればいいかと考える。
「そうだ……あれがビルドなら、ビルドの力があれば……」
「流石だよ。我が魔王」
考えていると何かを閃き、ビルドの力があればと呟くと、ウォズが流石だと称賛する。
「アナザービルドを倒すには、ビルドの力が必要だよ」
「よし、じゃあ俺、今から晴夜に会いに行くよ!」
ソウゴが仮面ライダービルド、桐ヶ谷晴夜に会いに行こうと走り出す。
「待ちたまえ、我が魔王。私が送ってあげよう」
「うぉぉ!何⁉︎」
そう言うとウォズが首に掛けていたマフラーをソウゴに向けて放ち、彼を包み込んだ。
「あれ、ここどこ?」
気が付いた時にソウゴが周りを見ると、先までいた『はぐくみ市』とは違う、知らない中学校の前にいた。
「ここって……」
「ねぇ、君ここの生徒じゃないの?」
何者かに声をかけられ振り向くと、そこにはソウゴ達の通う学園の制服とは違う制服を着たピンクの髪をした少女がいた。
「違うの?じゃあ貴方も誰か待ち?」
もう一人の紫色の髪型の少女――剣崎真琴が、誰か待ちなのかと聞く。
「マナ、お待たせ!」
するとそこに、学校の門から一人の男子生徒が現れる。
「あっ!晴夜!」
ピンクの髪の少女――相田マナがその男子生徒へ向けて晴夜と呼び、それを見てその男子が晴夜だと気づく。
「あれ?お前……たしか、以前にも会った」
「うん、ソウゴ!覚えてる?」
「どうした、晴夜。あれ、お前……」
後ろから龍牙もやってきた。
「晴夜!龍牙!ビルドとクローズの力を貸してくれない?」
二人に力を貸してくれないかと頼む。
すると二人のポケットに入っていた何かが光り出し、晴夜はそれを取り出す。
それは、ソウゴが最初に持っていたブランクのウォッチだった。
「ウォッチ……なんで、二人が持っているの?」
『ビルド!』
『クローズ!』
どうしてブランクウォッチを持っているのだと聞いた瞬間、二人の持っていたウォッチが光り、ビルドとクローズの顔が描かれたウォッチへと姿を変えた。
「そう言う事か……」
それを見た晴夜はある事を思い出した。
それは、以前出会ったある人の言葉――その人物に、『それをいつか、ある奴に渡してくれないか?』と言われた事を……
「これ、お前に渡す!」
「えっ?」
「ホラ、お前のも」
「はぁ?……よくわかんねぇけど」
晴夜と龍牙はソウゴへビルドとクローズのウォッチを渡す。
「――戦兎さんと龍我さんに、よろしくな」
「……戦兎?」
「…ねぇ、困ってるならあたし達に何か出来ることはない?」
戦兎とは誰なのかと疑問に思っていたが、マナから何か手伝えることはないかと聞かれ、ソウゴはある事を思いついた。
その頃、復活したアナザービルドに苦戦するゲイツとキュアエールがそこにいた。
「どうなってるの……?さっきよりも力が上がってる」
ツクヨミが先程よりも力の上がったアナザービルドを見ていると、アナザービルドが取り込んだ野球選手の力で三人へ向けてエネルギー状のボールを投げ、攻撃してきた。
『ジカンギレード!』
そこへ間一髪でジオウが現れ、エネルギー球をジカンギレードで斬り払うと、ドライバーのロックを解除する。
『フィニッシュタイム!』
アナザービルドの周囲に無数の「キック」の文字を展開したジオウはジャンプをし、宙でジクウドライバーを回す。
『タイムブレーク!』
12程あった「キック」文字をひとつに纏め、自身の足裏にその「キック」文字を集束。複眼とキックの文字を光らせながらライダーキックをアナザービルドへぶちかます。
「大丈夫?」
アナザービルドが爆発したのを確認すると一度変身解除し、みんなに駆け寄る。
「時見君、ありがとう」
(これが、あのオーマジオウ……?私達の知ってるオーマジオウ?)
(似てるけど……何か違う……)
「……」
エールがソウゴにお礼を言っている中、ゲイツ達三人はジオウが自分達の知っているオーマジオウとは違うと思い始めた。
すると、後ろからまたアナザービルドが現れた。
「ダメか……ゲイツ!」
ソウゴはゲイツにクローズのウォッチを渡す。
「これは……」
「きっと俺達は、過去に行って戦っているんだ。ビルドと一緒に……!」
「……2017年に行けば、アナザービルドを倒せるかもしれないという事か」
ゲイツはクローズのライドウォッチに刻まれた“2017”の数字を見て、2017年に行けばアナザービルドを倒せると考える。
「野乃さん!ここ任してもいい?」
「でも……わたしだけじゃ……」
「大丈夫……助っ人がいるから」
すると後ろから発砲音と共に弾丸が撃たれ、それを受けたアナザービルドが後ずさる。
そして更に二つの影が見えると、アナザービルドにダブルキックを繰り出した。
その内の一人である、ピンクのコスチュームで身を包んでいる金髪少女の姿は、どこかキュアエールと似ていた。
「みなぎる愛!キュアハート!」
「勇気の刃!キュアソード!」
彼らの前に現れたのは、『ドキドキ!プリキュア』のキュアハートとキュアソードの二人だった。
「愛を失くした悲しいビルドさん!このキュアハートが貴方のドキドキ、取り戻してみせる!」
「別のプリキュアやとぉ!?」
ハリーが二人を見て別のプリキュアだと驚き、エールも彼女達の登場に呆然とする。
「貴方達は……」
「大丈夫。あたしはキュアハート。よろしく♪」
「私はキュアソード」
二人が自己紹介すると、発砲が放たれた後ろから晴夜と龍牙が現れた。
「あの変なビルドはこっちで任せろ」
「ありがとう。晴夜」
礼を言うとソウゴとゲイツは走り出していく。
ソウゴ達が去ったのを見届けた二人はビルドドライバーを腰に装着。
晴夜はボトルを2本出し、龍牙はクローズドラゴンガジェットにボトルを差し込こみ、それぞれドライバーへと装填した。
『ラビット!タンク!ベストマッチ!』
『ウェイクアップ!クローズドラゴン!』
二人はドライバーのレバーを回し、前後にランナーファクトリーが出現すると、ファクトリアパイプラインにスーツの原料となる液体『トランジェルソリット』が流れ、アーマーが形成された。
『Are you ready?』
「「変身!!」」
そしてポーズを構えて叫ぶとスナップライドビルダーから生成されたアーマーが装着され、彼らの体から煙が吹き荒れる。
『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!』
『Wake up burning!Get CROSS-Z-DRAGON!Yeah!』
「しゃあ!行くぜ!」
「オーケー!」
「……仮面ライダービルド、キュアハート………ベスト、マッチ……?」
二人がビルドとクローズへと変身し、キュアハート達と共にアナザービルドの方へと走って行く。
その頃、ソウゴとゲイツはそれぞれタイムマジーンへ乗り込む。
「時空転移システム……」
「「起動!」」
二人は2台のタイムマジーンに2017年にセットし、アナザービルドが現れた時代へ向かい。タイムトラベルのため、時空空間へと入っていく。
――2017年。
その時代ではアナザービルドが誕生し、アナザービルドがスポーツ選手を襲っていた。
「水泳選手、弓道……ベストマッチ!」
そこへ、もう一人の仮面ライダービルドと仮面ライダークローズ――『桐生戦兎』と『万丈龍我』が駆けつけた。
「おい、あれビルドか?」
「いやいや、ビルドは俺だし」
「アァァ……俺、ビルド……お前、クローズ……ベストマッチ〜」
アナザービルドが万丈へと抱きつくと、万丈はアナザービルドを振り払う。
「なんだよ、こいつ気持ち悪いな!」
「ちょっと妬けるな……」
「えっ?」
二人はボトルを出し、龍我はガジェットにボトルを差し込み、そして二人はドライバーへと装着する。
『ラビット!タンク!ベストマッチ!』
『ウェイクアップ!クローズドラゴン!』
二人はドライバーのレバーを回し、前後からスナップライドビルダーが出現、アーマーが形成された。
『『Are you ready?』』
「「変身!!」」
『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!』
『Wake up burning!Get CROSS-Z-DRAGON!Yeah!』
二人が構えて叫ぶ二人の体に装着され、体から煙が吹き荒れる。
「力が……安定しねぇ。どうゆう事だよ!」
「わからないけど、とにかくやるしか……」
――だが、アナザービルドが誕生したため、本来のビルドやクローズの力を失いつつあるようだった。
アナザービルドは本物のラビットタンクフォームの能力である右足の無限軌道の回転によるキックをビルドへ、左足のバネによるジャンプ&キックをクローズへと繰り出す。
「まるでビルドじゃねえか⁉︎」
するとアナザービルドはボトルを上に放り投げて飲み込み、ドライバーのレバーを回しはじめる。
「水泳選手、弓道、ベストマッチ!」
そう言ってアナザービルドはアスファルトの地面の中を泳ぎ翻弄し、飛び上がって二人に向けて矢を放ち攻撃、更に追撃の矢の攻撃を繰り出そうした。
『タイムマジーン!』
そこへタイムマジーンが現れ、アナザービルドを吹っ飛ばす。
「大丈夫!?」
タイムマジーンから出たソウゴが二人に近づこうとすると、突如何者かが片手で制止したと思ったらビルドとクローズの動き…いや、時が止められていた。
「ジオウ。邪魔しないでくれるかな?」
そこへ、アナザービルドを作ったウールが現れた。
「僕達は新たな未来を擁立しようとしているだけだ」
「新たな未来……? ウォズが言ってたタイムジャッカー?」
「よく知ってるね!僕はクライアス社のタイムジャッカーチームのウール」
自身がクライアス社のタイムジャッカーチームだと答えると、アナザービルドの方を見る。
「あの男はさ、本当の歴史では事故に遭って選手としての道が絶たれるんだ。
本来、彼の時間はここで止まる。その止まった時間を、僕が動かしてやったという訳さ」
「動かしてないよ」
自分のおかげで、今のアナザービルド…もとい、アナザービルドの契約者である青年の時間が動き出したと語るウールに、動かしてないよとソウゴが否定する。
「時計の針だったら、止めたり動かしたりできる。巻き戻す事だってできる。
でも、人の人生は違う。自分が歩む未来は、自分で選ぶしかないんだ。
自分で動かさない時間は、動かないんだよ」
心の中へしっかりと刻まれていた叔父・順一郎の言葉を思い出しながら、反論の言葉を繋ぎ続けた。
「面白いことを言うね。若くてもさすがジオウだ。君がどんな未来を選ぶか、見せてもらうよ」
ウールはここで姿を消し、再びビルド達の時が動き出した。
「行こう!」
『『ジクウドライバー!』』
『ジオウ!』
『ゲイツ!』
「「変身!」」
『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』
『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!』
二人がジオウとゲイツに変身すると、四人が並びアナザービルドへと向かっていく。
四人が一斉にアナザービルドへと攻撃を仕掛け、最初は押していたが、ジリジリとビルドとクローズの力は弱まっていた。
「どうやら、ここまでのようだ」
「後は頼んだぞ!」
そしてとうとう、二人の力もアナザービルドのせいで完全に失われてしまった。
「ビルドが消えた……」
2018年。現代で戦っていたビルドとクローズの方でも、同じ現象が起きていた。
「力が……」
「戦兎さんの力が消えようとしてるんだ……」
「晴夜!」
こっちのビルドとクローズの力も、アナザービルドの所為で維持できなくなっていた。
戻って2017年では、アナザービルドは再びアスファルトを液状化し潜ると、ジオウを液状化したアスファルトの中へと落とす。
「えぇっ、何⁉︎」
ジオウがアスファルトの中で溺れそうになる。その隙にゲイツはゴーストウォッチを取り出す。
『ゴースト!』
『アーマータイム!カイガン!ゴー・ス・ト!』
ゴーストアーマーを装着し宙へと浮かぶと、浮遊しながらアナザービルドの攻撃を避けつつ、ジオウの手を掴んで放り投げて救出した。
「何をぼけっと見てる!」
ゲイツが一人、アナザービルドへと向かっていくが、やはりあまり通じていない。
『ビルドの力がなければアナザービルドは倒すこと出来ない』
「そうか!」
その時、ウォズが言われた事を思い出したジオウはビルドウォッチを取り出す。
「それを使うと言う事は、君はビルドの全てを背負わなければならない」
「また出た⁉︎…って、なんでここに!?ここ2017年なのに!」
「そんな事より、君はビルドの全てを背負える覚悟はあるか?」
ヌッと出て来たウォズがそう言うと、手元のビルドライドウォッチを見つめるが、彼はウォッチを前に向けて起動スイッチを押す。
『ビルド!』
「望むところだよ!」
ビルドウォッチをドライバーに装填しロックを解除、ドライバーを回す。
『アーマータイム!』
すると前から『ビルド』と文字が現れ、半透明のフルボトルと一緒にビルドのようなアーマーもポーズを決めながら出現。アーマーが分解されるとジオウの体へと装着される。
『ベストマッチ!ビ・ル・ドー!』
ジオウの姿は、複眼には「ビルド」と描かれ、両肩は赤と青のフルボトルのような大型デバイスが装着されており、右腕には大型のドリルを装備していた。
「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え、過去と未来をしろしめす時の王者。
その名も、仮面ライダージオウ・ビルドアーマー。
まず一つ、ライダーの力を継承した瞬間である!」
ウォズがビルドの力を継承した事を喜ぶと、戦兎がジオウの隣へ近づき、耳打ちをする。
「勝利の法則は決まった!」
「決まったー!」
どうやら先程の耳打ちは「勝利の法則は決まった!」を同時にやろうとしたが、うまくいかなかった模様。
そのままジオウはアナザービルドへと向かっていく。
ビルドアーマーを装着したジオウの攻撃はアナザービルドに効いていた。やはり、ビルドの力がアナザービルドには有効なようだ。
それを見てゲイツはゴーストアーマーを解除すると、弓の形状をした赤い武器を出現させる。
『ジカンザックス!You!Me!』
ジカンザックスを構え、アナザービルドが潜ろうとした寸前にエネルギーの矢で攻撃し、潜らせないようにする。
「なんか、いける気がする!これを回せばいいんだよね!」
ジオウがビルドドライバーを回すモーションを取ると、白い文字で「方てい式」「よくわからない式」「理解不能」「ラッキーナンバー×ラッキーナンバー」「xとyがいっぱい」「1年生のときに習ったやつ」と書かれたもの出現した。
「…なんか、違くねぇか?」
「最悪だ〜」
ビルドが必殺技を出す時に出る奴と違う事に龍我は小首を傾げ、戦兎は最悪だと呟く。
『フィニッシュタイム!』
そう言ってる間にドライバーを回すと、ゲイツもクローズのウォッチをジカンザックスに装填する。
『フィニッシュタイム!』
『ボルテック タイムブレーク!』
ジオウはグラフを出現させて滑走し、右腕の大型ドリル『ドリルクラッシャークラッシャー』でアナザービルドを打ち上げる。
『ギワギワシュート!』
ゲイツもジカンザックスによる攻撃を放ち、蒼い炎で造られた龍状のエネルギー体を空中で身動きが取れないアナザービルドへぶつける。
そこへ落ちてきたアナザービルドをドリルクラッシャークラッシャーで貫き、撃破。
それによってアナザーウォッチも砕け散り消滅し、バスケット選手も元に戻った。
「……なんだったんだ?」
目を覚ましたバスケ青年は本来の歴史とは異なり、事故には遭わずに済んだようだ。
「アァ〜……ッ!?―――」
その頃、現代でもアナザービルドは綻び始め、そして消滅した。
「戻った!」
「どうやら、倒せたみたいだな」
「時見君がやったんだ」
アナザービルドが消え、晴夜と龍牙の力もうまく維持できるように戻った。
2017年ではアナザービルドは消え、戦兎と龍我はソウゴから去ろうとしていた。
「なぜお前がビルドウォッチを持っていた?」
「晴夜達から貰ったんだ」
「でも、彼らは違う。違う奴がウォッチを持ってるはずがないだろう」
ゲイツの言う通り、持っていたのは晴夜と龍牙だが、一緒に戦ったビルドはまた違う。
「そうか……」
しかし、ソウゴは『戦兎さんによろしく』の意味が何かと察し、急いで戦兎と龍我に近づく。
「これ、持っててもらえるかな?戦兎」
そう言って二人にブランクウォッチを渡す。だが戦兎は怪訝そうな顔でソウゴを見つめる。
「戦兎?僕は葛城巧だ。……このデバイスは何だ?背景技術は?非常に興味深い!」
「おい、巧!」
二人はブランクウォッチを受け取り去っていくが、二人の感じが先までと違っていた事にソウゴは首を傾げた。
「おい、何がどうなってんだ?」
「俺が分かるわけないだろ?
……でも、きっとあれが未来でビルドウォッチになるんだ。
歴史が変わっても戦兎はビルドになる道を選ぶし、龍我はクローズになる道を選ぶ。
そして、あのウォッチが晴夜の元へ渡る。そんな気がする」
戦兎と龍我がいずれ再び仮面ライダーになり、晴夜の元へやってくると信じて彼等にブランクウォッチを手渡したのだった。
ソウゴとゲイツはタイムマジーンに乗り、タイムマジーンで戦兎らに手を振りながら、元の時代へと帰っていった。
現代に戻ったソウゴは、晴夜に戦兎に会ったことを話そうとする。
「戦兎さんには、会ったか?」
「うん。あの人にウォッチを渡したんだ」
そう言うと晴夜に、ビルドとクローズのウォッチを返そうとする。
「それは、お前が使え。戦兎さんもお前に使って欲しいから俺に渡したんだ」
「……わかった。使わせて貰うよ」
ソウゴはビルドウォッチを託された。
「ええ〜〜‼︎ プリキュアって他にもいるの!」
一方はなは、マナから自分以外にも沢山プリキュアがいると教えられる。
「私……大丈夫かな……」
「大丈夫!なんとかなるよ!」
心配するはなに、大丈夫だとマナが励ましの言葉を投げ掛ける。
「……うん、私頑張ってみる!」
「うん!もし何にかあったら、また助っ人に来るよ!」
しばらくして晴夜達は帰っていき、二人が彼らを見送っていく。
その様子をゲイツ達三人は、ただ黙ってソウゴを見ていた。
「どうした?」
「あの時、ジオウが私達を守るなんて思いもしなかった」
「…なぁ、ほんまにあんな奴が魔王になるんか?」
「奴はビルドウォッチを手に入れ、オーマジオウへと歴史が進んでいく」
「何処に行くんや?」
「俺達がやるべきは、ただ一つだ」
翌日、ラヴェ二ール学園。
はなとソウゴは昨日の事件の事は誰も覚えていない事と、アナザービルドに吸収された生徒も何事もなかったかのように雑談を繰り広げていたのを見て、安心感に包まれていた。
「ビルドの力か……」
「ソウゴ君。それ何?」
「えっ?何でもないよ!」
ソウゴは横から覗き込んできたさあやにそう誤魔化し、ビルドウォッチをしまい込む。
「皆さん、おはようございます。え〜、この教室にまた二人、転校生がやってきます」
「転校生……」
教室に入ってきた先生から転校生と聞き、ソウゴは今度は誰かと思っていると、二人の生徒が入っていた。
「「ああっ‼︎」」
入ってきた二人を見て、ソウゴとはなが驚く。
「ツクヨミです。宜しく!」
「明導ゲイツだ」
転校生の正体はゲイツとツクヨミだったのだ。
「かくして、ジオウはビルドの力を得た。彼の歩む覇道は始まったばかり。
しかし、次なるレジェンドと出会う前に、また新たな誕生が彼を待つ」
次回!Re.HUGっとジオウ!
第3話 幼馴染が天使に!アナザーライダーの謎 2018
――そして新たなる王は、自分の未来を『ビルド』していく。
おまけ
ハート「……出来んのか」
エール「おう!」
ハート「出来んのか!」
エール「おう!!」
ハート「出来んのかバッショイチクショイ!!」
エール「おーうチクショー!チクショー!こんチクショーめ!」
ハート「……いい目をしている、本気の目よ…」
エール「なんか……いける気がする!」
ジオウ(それ、俺のセリフ……)
完