Re.HUGっとジオウ!   作:yu-ki.S

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ウォズ「この本によれば、普通の中学生 時見ソウゴ。彼には魔王にして時の王者『オーマジオウ』となる運命が待っている。
前回の話で、彼らは生命の誕生の喜びを知った。
そして今回の物語は、ある店の店主の思い出にまつわる話です……」


第36話 2018: 希望を運ぶ和菓子

夏休みも残り半分近くになろうとしている中、ソウゴ達ははなの案内であさぱぶ商店街を歩いていた。

 

「みんなーっ!こっちこっちー!」

 

あさぱぶ商店街にある店の傍に立つはなが、手を振りながらソウゴ達を呼ぶ。

 

「はなが連れて行きたい所って……ここ?」

 

「うん!」

 

「エエ感じの店やん」

 

「和菓子屋さんかい」

 

みんなを連れてやって来たのは、“たんぽぽ堂”と言う和菓子屋さんだった。

 

「うおおおおぉぉぉ~っ⁉︎」

 

「どうしたの?」

 

えみるがカウンターの方にある何かを見て指差し、はな達がその方向を向く。

するとカウンターの奥にいたその何かは、雲のような形をしており、左右に動いていた。

 

「何⁉︎あのフワフワした物体⁉︎」

 

「敵か⁉︎」

 

「このお店で飼ってるペットかな?」

 

「地球を侵略しに来た宇宙人なのです!地球が乗っ取られてしまうのです!」

 

敵かと思い、ゲイツとほまれは戦闘態勢に構える。

 

「いや、あれは……」

 

「あれ?」

 

はなの声に反応した何かが彼女の方を向くと、その正体はお年寄りの女性だった事が判明した。

 

「はな!」

 

「お祖母ちゃん!」

 

「「「お祖母ちゃん⁉︎」」」

 

その人物はたんぽぽ堂の店長であり、はなの祖母でもある庵野たんぽぽであった。

 

 

その後、ソウゴ達がたんぽぽ堂の調理場に入って中を見回り、たんぽぽは生地をどら焼き器に注ぎ込んでどら焼きの生地を作る。

コンテナに並べられた鮮やかな和菓子を、ツクヨミとウォズ、ルールーとえみるが見入る。

 

「中々美味しそうな和菓子が多いね」

 

「はなのお祖母ちゃんは、和菓子屋さんだったのですね」

 

「うん。たんぽぽ堂の和菓子、すっごく美味しいから、みんなに食べて欲しくて連れて来たんだ」

 

はなが美味しいと話すと、ウォズとルールーは食べてみたいという思いが表情に現れ始める。

 

「それにしても、凄い髪型……」

 

「最初見た時は、この店のペットかと……」

 

お店に入った時にペットと疑った事を、ほまれ達は申し訳なく思う。

 

「はなが友達を連れて来るって言うから、頑張ってオシャレしたんだけど、どうかね?」

 

「めっちゃイケてる!」

 

「ちょっと頑張り過ぎなんじゃ……」

 

「流石、はな先輩のお祖母ちゃんなのです……」

 

たんぽぽのわたあめの様なヘアースタイルを見て、ほまれとえみるはそう呟いた

 

「それじゃあ行くよ!」

 

「何ですかそれ?」

 

「これを、こうして……ほいっ!」

 

たんぽぽはどら焼きの生地にあんこを塗り、生地を重ねて入れる。

 

「どら焼きだ〜!」

 

「どんどん行っくよ!」

 

彼女がどら焼きを作り続ける光景を、一同が等しく見入る。

 

「ほいっ!完成!出来立てが一番美味しいよ。どうぞ」

 

「やったーっ!」

 

「いただきます!」

 

作り立てのどら焼きを頂いたソウゴ達は、みんなで先ずは一口と口に入れる。

 

「「「美味し~い!」」」

 

「ああ!いける味ですよ!」

 

「フワフワなのです!」

 

「甘いものがこんな美味しいなんて〜!」

 

「どら焼きの宝石箱や~!」

 

どら焼きの美味しさに心を惹かれるソウゴ達。

 

「「おかわり下さい‼︎」」

 

ウォズとルールーがおかわりを求めると、たんぽぽが余ったどら焼きを半分にしてウォズとルールーにあげ、それをいただいた二人はとても喜んでいた。

 

「お祖母ちゃん、流石だね!」

 

はなが親指を立てて称賛し、それを見たたんぽぽも喜ぶ。

 

「さて、お店の準備をしなきゃね」

 

「お手伝いするよ」

 

「俺達も手伝います」

 

はな達は自分達も手伝うと志願する。

 

「うん。ありがとう」

 

「よーし!頑張るぞーっ!」

 

手伝ってくれる事への感謝の言葉を聞いて張り切るはな達を見て、たんぽぽは微笑む。

 

「さって……ん⁉︎」

 

だが蒸籠を持ち上げたその時、彼女は表情を歪めた。

 

 

その後、ソウゴ達は店の手伝いを行う事に。

ソウゴとはな、ツクヨミ、さあやは客引きを行い。中ではゲイツとウォズが出来たものをを運び入れる。レジにはほまれ、ハリー、ルールー、えみるがいた。

手伝っていた最中、外にあるベンチに座ったお客さんのおばあさんがどら焼きを食べる。

 

「美味しく無いねぇ……」

 

「え?」

 

その時美味しいないと言う声が聞こえ、ソウゴがそのおばあさんの方へ振り向く。

 

「みんな、調子はどうだい?」

 

「たんぽぽさん、味が落ちたんじゃないかい?」

 

この口調からして、常連らしきお客のおばあさんがたんぽぽ堂のどら焼きを食べた感想を彼女に言う。それによると、あんこの味が落ちたのではないかと語る。

 

「あんこが固すぎるよ……!こんなの店に出すのかい?

たんぽぽ堂のあんこはこんな物じゃなかっただろう?ほら、昔はさ―――」

 

「文句があるなら帰っとくれ!」

 

「こんな和菓子じゃ、たんぽぽ堂もおしまいだね!」

 

たんぽぽに帰ってくれと言われたおばあさんはそう言うとベンチから立ち上がり、この場から去った。

 

「?……どうかした?」

 

店からツクヨミとルールーとえみるが顔を出す。

 

「何者なのですか……?」

 

「うちの常連のヨネさんだよ……」

 

「どら焼き……美味しいのに……」

 

「うん。悪くなかったよね」

 

はなとソウゴの言う通り、ソウゴ達がどら焼きを食べた時は別にそんな不味くはなかった筈だが…

 

「常連にしか分からない事だってあるんだよ。我が魔王、はな君」

 

「どう言う事?」

 

「今日初めて食べった私達は味の深みまでは知らない。

だが、常連にはそう言う違いが直ぐにわかる。そういうことだよ」

 

ウォズが常連にしかわからない味があるのだと説明すると、たんぽぽは眉間にしわを寄せながら店の中へと戻る。

 

「あたしゃ、まだまだ頑張れるよ!」

 

たんぽぽが両頬を叩いてからそう叫び、駆け足で店内にある調理場に戻ってから、どら焼きの生地をどら焼き器に注ぎ込んで焼く。

だがその生地は普通のどら焼きサイズでは無く、どら焼き数十個分の大きさだった。

 

「えええっ⁉︎それ何⁉︎」

 

「巨大どら焼きだよ……!」

 

「巨大どら焼き?」

 

ルールーはそれを聞き、両腕を使ってようやく持ち上げられる位に巨大などら焼きを思い浮かべた。

 

「目玉商品を作って、たんぽぽ堂をもっともっと盛り上げるんだ!」

 

「それ楽しそう!」

 

「でも、たんぽぽさん流石に余り無理をしない方が……」

 

ツクヨミの言う通り、そのどら焼きの生地は見る限り重そうに見えた。

 

「あの〜?よかったら俺が…」

 

「大丈夫!まあ!見てな!てやぁーっ!」

 

たんぽぽが生地を巨大ターナーで裏返そうとその時、腰から鈍い音が響き、彼女は動かなくなった。

 

「お祖母ちゃん……⁉︎」

 

「今、腰から変な音が……」

 

「まさか、腰やっちゃったんじゃ……!」

 

ゲイツはまさかと思っていると、たんぽぽの顔が明らかに悪くなっているのがわかった。

 

「こ、腰が……」

 

「きゅ、救急車……!」

 

 

張り切り過ぎたのとヨネを見返す為に無茶をした結果、彼女は腰を痛めてしまい。その結果、入院する事にもなってしまった。

 

「大丈夫ですか……?」

 

「お祖母ちゃん、腰、痛い……?」

 

病院に場所を移したソウゴ達はたんぽぽの容体を案じていると…

 

「出て行っとくれ……」

 

「…っ⁉︎何で……⁉︎」

 

彼女は病室のベッドのシーツで顔を覆ったまま、はな達に出て行くよう告げる。

 

「こんな情けない姿、はなに見せたく無いんだよ」

 

「でも……!」

 

「少し、出てようか」

 

ほまれがはなの肩に手を当て、そう伝える。

はな達が病室を出てから、たんぽぽがロケットペンダントを握る。

 

「もう、限界なのかねぇ……」

 

そう言って彼女はロケットペンダントを開けた。

 

「年を取るって言うのは、嫌な事だよ……あなた……」

 

そこには、亡くなった自身の夫の写真が写っていた。

 

 

 

 

クライアス社の会議室にトラウムの前に、ジェロス達三人が現れた。

 

「わざわざすまないねぇ。えっと、ゼネ……」

 

「ジェネラルマネージャーよ。ドクター・トラウム」

 

「ああそうだった。歳を取ると物覚えが悪くて」

 

「今日はお説教かしら?」

 

「ふーむ、若者は察しがいいねぇ」

 

「だけど今の段階で結果を求めるのは、ベターじゃないと思うわ」

 

ジェロスが余裕の顔で話すと、トラウムの顔つきが変わる。

 

「ペラペラ喋る暇があるなら、さっさとミライクリスタルを奪うか若いオーマジオウを倒して来い」

 

トラウムはそう言うと、笑いながらスキップしてこの場から去った。

 

「オールドメンは頭が固くて嫌になっちゃう。年だけは取りたくないわ。明日なんて、来なければいいのよ」

 

そう呟いて、ジェロスはソウゴ達を倒そうと向かう。

 

 

 

 

ソウゴ達が病院からの帰り道を歩きながら、たんぽぽの悲しい表情を思い出す。

 

「あんな元気の無いお祖母ちゃん、初めて見た……」

 

「さっきは悪かったねぇ」

 

一同が声が聞こえた方を向くと、近くの米屋からヨネが手を振っていた。

 

「ヨネさん」

 

ソウゴ達は店内に入って座り、ヨネから事情を聞く。

 

「どうも最近、たんぽぽ堂の味が落ちてる事が気になってね」

 

「えっ?」

 

「そうなんですか?」

 

ここ最近、たんぽぽ堂の味が落ちていると聞き、ソウゴ達が驚く。

 

「もしかしたら体力的に辛くて、思うように和菓子が作れなかったのかも……」

 

「考えられるとしたらそれだろうな」

 

「おそらく、それも一人で全部やってるんじゃ尚更だ」

 

一人でやってる分、体力的に限界なのが原因だとほまれ達は想像する。

 

「そんな……!」

 

「昔は何でも美味しかった。お団子も、どら焼きも、希望まんじゅうも……」

 

「希望まんじゅう?」

 

「なんですか?その希望まんじゅうって?」

 

彼女の孫であるはなも知らない“希望まんじゅう”と聞き、それが何かとヨネに尋ねる。

 

「昔、お爺さんが居た頃は売ってたんだよ」

 

「はなは知らないの?」

 

「うん。お祖父ちゃん、私が赤ちゃんの頃に亡くなったから、覚えて無いんだ」

 

はなの祖父は彼女が赤ちゃんの頃に亡くなったので、当然希望まんじゅうの事は知らなかった。

 

「小さなお饅頭なんだけど、優しい甘さでね。食べると何だか、元気が出て来る。

美味しかったけど、最近は作って無いみたいだねぇ。他のお饅頭は作ってるのにねぇ……」

 

知らないと分かったヨネは、たんぽぽは夫であるはなの祖父が亡くなってからは一度も作っていないと話す。

 

「よし!」

 

それを聞いていたはなが何かを決意して、椅子から立ち上がる。

 

「お祖母ちゃんに希望まんじゅうを作ってあげよう!」

 

「希望まんじゅうを?」

 

「作る?」

 

そして、ソウゴ達に希望まんじゅうを作ると宣言する。

 

「うん!希望まんじゅうって名前だよ!食べたら元気になるんだよ!これはもう、作るっきゃないでしょ!」

 

はなの作りたいという気持ちに惹かれ、ソウゴ達も同調する。

 

「賛成!」

 

「いいね!」

 

「きぼーまんじゅー!」

 

「やってみましょう!」

 

たんぽぽの為に、希望まんじゅうを作る事を決める。

 

「よーし!みんなで作ってみ―――」

 

「で、どうやって作るのですか?」

 

「レシピとか無いのかい?」

 

えみるにどうやって作るのかと言われ、ウォズにはそもそもレシピはあるのかと聞かれると、はなは一瞬にして黙り込んだ。

 

「わ、分からない……」

 

だが案の定、希望まんじゅうを作ろうにも、どうやって作るかも、そもそもレシピがあるかも分からなかった。

 

「店の中にあるんじゃないのか?」

 

「それ!」

 

一同はたんぽぽ堂に戻り、とりあえずレシピらしいノートかメモを探そうと試みる。すると探す前にはなが仏壇に手を当てる。

 

「お祖父ちゃん!可愛い孫のお願いです!希望まんじゅうの作り方、教えて下さい!お願いしますだー!」

 

手を合わせて仏壇に拝みながら探してと頼む。

 

「このような方法で、レシピが分かるのでしょうか?」

 

「さあ……」

 

拝んで見つかれば苦労はしないとさあやとルールーは思う。

 

「あえ!あえ!」

 

するとはぐたんが何かを見つけ、教えようとしていた。

 

「?…どうしたの?」

 

ソウゴがはぐたんが仏壇の上にあった何かに気付くと、それに手を伸ばし掴む。

 

「これって……」

 

それは、古ぼけた小さなノートだった。ソウゴはそれをはなに渡し、彼女はノートを掴んで中身を見る。

 

「こ、これは……!希望まんじゅうのレシピだ!」

 

そのノートにはなんと、希望まんじゅうのレシピが書かれていた。

 

「本当……⁉︎」

 

「うん、書いてあるから間違い無い」

 

「まさか、仏壇の上にあったとはね」

 

ウォズは仏壇の上にレシピがあったのは盲点だったと考えていると、はなとえみるがはぐたんを褒めていた。

 

「はぐたんよく見つけたね!」

 

「お手柄なのです!」

 

「えっへん!」

 

レシピを見つけてくれたはぐたんをみんなで撫でる。

 

「よーし!早速作ろう!」

 

『おーっ!』

 

一同は調理場に入り、材料と道具を揃えて希望まんじゅうを作り始める。

 

「サツマイモは熱い内に、砂糖を混ぜて下さい」

 

ルールーがノートを解析し、それを読みながら作り始める。

 

「ん、分かった」

 

ソウゴがすり鉢に入ったサツマイモに砂糖を入れて混ぜ、さあやとほまれがすり鉢を支える。

 

「ふう」

 

「変わるよ」

 

ソウゴは額の汗を拭ってからはなと交代する。

 

「和菓子作りって、大変なんだね」

 

「おばあちゃん、これを毎日一人で……」

 

ほまれの言葉を聞いたはなは、一人で和菓子作りを行うたんぽぽの姿を思い浮かべる。

 

「よーし!頑張るぞーっ!重くても!辛くても!お祖母ちゃんは毎日頑張ってたんだよ!だから、私も、頑…張る!」

 

その後も、はな達による希望まんじゅうを作る作業は続いた。

 

 

翌日、腰が回復してベッドの上に座る窓の外を見つめるたんぽぽの病室に、ヨネが訪れる。

 

「ヨネさん……」

 

「少し、言い過ぎたと思って……」

 

ヨネはたんぽぽの隣に座り、少し言い過ぎたと謝罪する。

 

「そんな事無いよ」

 

「えっ?」

 

「本当の事だもの。身体が言う事を聞かなくて、昔のように和菓子が作れない。味が落ちたって言うのも分かってる」

 

「たんぽぽさん……」

 

「たんぽぽ堂は、もう……」

 

その時、病室のドアが勢いよく開き、二人はビクッとする。

 

「お祖母ちゃーん!」

 

来たのは髪の毛や服が粉で白くなったソウゴ達で、はなは小振りの蒸籠を持ってた。

 

「これ!食べて!」

 

蒸籠を開けると、その中にははな達の作った希望まんじゅうが入ってた。

 

「これは……?」

 

「希望まんじゅう!お祖母ちゃんに元気になって貰いたくて作ったんだ!」

 

「形を整えるの、結構大変でした。けど、みんなのおかげでなんとか……」

 

「でも、味は大丈夫です!みんなで何度も味見したので」

 

ソウゴ達がそう話しているその時、希望まんじゅうを見たたんぽぽが自身の旦那である草介の事を思い出し、涙を流す。

 

「えっ⁉︎どうしたの⁉︎」

 

「昔の事を思い出してね……」

 

「昔の事……?」

 

はながそう呟くと、たんぽぽは昔のことーー旦那とお店を始めた時の事を語り出した。

 

「お爺ちゃんとお店を始めた頃、失敗ばかりでね。小豆を買うお金も無くて、サツマイモで餡を作って、そしたら……」

 

「出来たのが、希望まんじゅうって事ですね」

 

ソウゴがそう言うと、たんぽぽが頷く。

 

「でも、どうして今まで希望まんじゅうを作って無かったのですか?」

 

「思い出が詰まってるから」

 

「えっ?」

 

「お爺さんの事を、思い出しちゃうからですか?」

 

はながどういう事なのかと思っていると、ツクヨミはお爺さんのことを思い出してしまうからと言う自身の推測を彼女に確認する。

 

「ええ。希望まんじゅうを作ると、お爺ちゃんとの思い出が溢れて来て……このお饅頭だけは、味を落としたく無くて作れなかった…」

 

「ご、ごめん!」

 

「もしかして、俺達、余計な事しちゃった……!?」

 

ソウゴ達が祖父との思い出させるような余計な事したと謝る。

だが、たんぽぽは首を横に振ってから、はな達が作った希望まんじゅうを食べる。

 

「でも……やっぱり美味しい……!

甘くてホカホカの……このおまんじゅうを食べると、心が希望でいっぱいになる。はな、みんな。ありがとう……!」

 

そして、たんぽぽは微笑みながらソウゴ達にお礼を言う。

 

「でも、まだまだだね」

 

「中々難しくて……」

 

「力配分が難しく、ゲイツ君の力の入れ過ぎたのが……」

 

「お前だって、砂糖の配分を何度も間違えだろ!」

 

ウォズとゲイツの二人がお互いに顔を引っ張り合い揉め合う。

 

「ちょっと、二人とも……」

 

「あんた達やめなさいよ!」

 

ツクヨミとほまれが彼らを仲裁しようと阻む。だが、ソウゴ達とたんぽぽは面白そうに見ていた。

 

「よし!一緒に希望まんじゅうを作ろう!」

 

「本当⁉︎」

 

「よかったね。はな」

 

祖母と一緒に作れると聞き、はなの心は喜びに満ちる。

 

 

一方その頃、商店街にクライアス社のジェロス・ジンジン・タクミが現れた。

 

「ワオ。まるでオールドタウンね。辛気臭くて気絶しそう」

 

「だがしかし」

 

「アスパワワが溢れている」

 

ジンジンとタクミがアスパワワが溢れていると報告すると、ジェロスは顔を顰める。

 

「明日への希望なんか抱いても意味無いわ」

 

だがジェロスが近くの酒屋で年配の夫婦が口論しているのを気付くと、主人の方からトゲパワワが溢れ出し、舐めようとした飴玉が彼女の足元に転がる。

 

「後輩君、よろしく頼むわよ!」

 

そして、ジンジンとタクミにオシマイダーの生成を命ずる。

 

「始末書上等!」

「残業歓迎!」

 

「「かしこまり!」」

 

 

ソウゴ達はたんぽぽと一緒にたんぽぽ堂へ戻り、調理場で希望まんじゅうを作る。

 

「こうやって、ほいっ」

 

するとその時、振動が生じ、ハリーとウォズが調理場に入る。

 

「猛オシマイダーや!」

 

「この辺りに来てる!」

 

「ツクヨミ!ちょっとお願い!」

 

「わかった」

 

「たんぽぽさん、ヨネさん。ここから出ないで下さい」

 

「はな、みんな!」

 

ツクヨミにはぐたんを託し、二人に待機してくれる様に言ったソウゴ達が店の外に出ると、向かい側に猛オシマイダーが立っていた。

 

『『ジクウドライバー!』』

『ビヨンドライバー!』

 

『ジオウ!』

『ゲイツ!』

『ウォズ! アクション!』

『ハリー!』

 

四人はウォッチをドライバーに装填して構えると、はな達五人もプリハートを取り出す。

 

「「「「変身‼︎」」」」

「「「ミライクリスタル!ハートキラッと!」」」

 

ソウゴ達がドライバーを操作し、アーマーが体に纏われ。はな達が揃ってプリハートにミライクリスタルをセットし、いつもの手順を取り姿を変える。

 

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』

『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!』

『投影!フューチャータイム!スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!』

『ライダータイム!仮面ライダーハ・リー!』

「輝く未来を〜抱き締めて!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

「「みんな大好き!愛のプリキュア!」」

「キュアマシェリ!」

「キュアアムール!」

 

「「「「「HUGっと!プリキュア!」」」」」

 

ジオウ達が猛オシマイダーに向かって跳び、すぐ傍に着地する。

 

「プリキュア?オーマジオウ?」

 

「丁度いい、デリートしてやる」

 

猛オシマイダーが指の間に挟んだ飴玉型の弾丸を飛ばし、エール達が避ける。

 

「はあっ!」

 

エトワールが跳び蹴りを繰り出すが防がれ、反撃を受けて吹き飛ばされる。だが、ハリーがすぐに救出した。

 

「「はああああぁぁぁっ!」」

 

エールとアンジュが跳んで攻撃を繰り出すが、吹き飛ばされてエールは建物に叩き付けられる。

 

「オシマイダ〜!」

 

猛オシマイダーが上に跳んで弾丸を飛ばした。

 

「行けない!」

 

「撃ち落とすぞ!」

『ジカンザックス!You!Me!』

 

「わかった!」

『ジカンギレード!ジュウ!』

 

ジオウとゲイツがジカンギレードとジカンザックスを銃モードと弓モードで出現させた。

 

『フォーゼ!』

『ウィザード!』

 

ウォッチを起動させ、ジカンギレードとジカンザックスにウォッチを装填した。

 

『『フィニッシュタイム!』』

 

『フォーゼスレスレシューティング!』

『ウィザード!ギワギワシュート!』

 

ロケットモジュール型のエネルギー弾と炎と氷の矢を放ち撃ち落として行く。だが、その一発がたんぽぽ堂へ向かう。

 

「ッ!お祖母ちゃん!」

 

「危ない!」

 

エールがたんぽぽ堂に向かって走ると、店からたんぽぽが出て来る。

それを見たツクヨミはすぐに、彼女へ向けて逃げる様に叫ぶ。

 

「ッ⁉︎逃げてください!」

 

「てい!やーっ!」

 

だがたんぽぽはなんと、弾丸をバットのように構えた巨大ターナーで打ち返し、猛オシマイダーに命中させた。

 

「うそ!」

 

「打った⁉︎」

 

あれを打ち返したのを見てジオウ達は驚く。

 

「ちょっと!」

「何してくれてんの!」

 

ジンジンとタクミはたんぽぽに文句を言うが、彼女は全く怯まなかった。

 

「それはこっちの台詞だよ!たんぽぽ堂は私の大切な宝物なんだ!誰にも壊させやしないよ!」 

 

たんぽぽが両腕を広げ、店を守ると叫ぶ。

 

「アンビリーバボー。さっさと片付けてくれる?後輩君」

 

「猛オシマイダー!」

「クラッシュだ!」

 

タクミとジンジンの指示で猛オシマイダーが全身を回転させ、たんぽぽ堂へ向かう。

 

「大好きなお祖母ちゃんを、傷つけたら!許さないんだからーっ!」

 

だがエールが前に跳び、強烈なパンチを叩き込んで猛オシマイダーを吹き飛ばす。

 

「はな……?」

 

たんぽぽは、今のエールの姿を見て何となくはなだと察する。

 

「起きろ!」

 

「反撃だ!」

 

猛オシマイダーは起き上がり、再び弾丸を放つ。

 

「悪いけどこれ以上はさせない!」

 

『オーズ!ディディディ・ディケイド!』

『エグゼイド!』

 

ジオウがオーズウォッチとディケイドウォッチを起動させ、ゲイツはエグゼイドウォッチを起動させ二人はドライバーへと装填させ、ドライバーを回転させる。

 

『アーマータイム! カメンライド!ワーオ! ディケイド!ディケイド!ディーケーイードー!ファイナルフォームタイム!オ・オ・オ・オーズ!』

『アーマータイム!レベルアップ!エ・グ・ゼ・イー・ド!』

 

ジオウはディケイドアーマーオーズフォーム、ゲイツはエグゼイドアーマーを装着した。

 

「「おお!アーマータイム来た!」」

 

「来たじゃないわよ!面倒ね!」

 

タクミとジンジンのテンションが高まっているのを見たジェロスが突っ込みを入れている間に、猛オシマイダーが向かって来るジオウとゲイツに向けて弾丸を投げ飛ばす。

 

「はぁ〜…はぁぁ!」

 

ジオウはオーズタジャドルの背中の翼を広げ、翼からそれよりも多くの弾丸を飛ばす。

 

「ハァ!」

 

そこへブロックを足場として、ゲイツが飛びながらガッシャコンブレイカーで殴り続ける。

 

『ライドヘイセイバー!』

 

ゲイツに翻弄されているオシマイダーを見てジオウがライドヘイセイバーを出現させる。

 

『ヘイ!ゴースト!ヘイ!ドライブ!』

 

ライドヘイセイバーの針を回しドライブのシルエットが出現させる。

 

『ドライブ!デュアルタイムブレーク!』

 

ライドヘイセイバーを振るうとドライブの3種類のタイヤの攻撃を飛ばし猛オシマイダーが怯む。

 

「ソラァ!」

「はぁぁ!」

 

ゲイツの両腕のガッシャコンブレイカーとジオウと格闘技でさらにオシマイダーを追い詰める。

 

「凄い〜」

「これがあのオーマジオウ……」

 

未来のオーマジオウとは違いがあると二人が思いながら、アーマータイムの凄さに感心する。

一通り攻撃が終わり猛オシマイダーから離れると、アンジュとエトワールがエールの元へ駆け付ける。

 

「今だよ!」

 

ジオウが合図を出すと三人が頷く。

 

「「「ミライクリスタル!」」」

 

「エールタクト!」

「アンジュハープ!」 

「エトワールフルート!」

 

三人はメロディーソードのボタンを押して演奏し、虹色のエネルギーを作り出す。

 

「「「心のトゲトゲ、飛んで行けー!プリキュア!トリニティ・コンサート!」」」

 

対象に向かって虹色のエネルギーを飛ばすトリニティ・コンサートを放つ。

トリニティ・コンサートが命中し、巨大な木が作り出されてピンク・水色・黄色の花が咲き誇り、猛オシマイダーが浄化された。

 

「これ以上戦うのはベターじゃないわね」

 

「凄かったな」

「ああ。凄かった」

 

先にジェロスが退き、凄いと褒めてからジンジンとタクミも退いた。

 

「ありがとう、プリキュア。仮面ライダーも」

 

たんぽぽが九人にお礼を言うとジオウ達はここから一度離れた。

 

 

しばらくして、変身を解いたソウゴ達はたんぽぽ堂へと戻り。新しく作った希望まんじゅうを、ヨネも加えてみんなで食べる。

 

「美味しい……」

「最高です〜……」

 

ルールーとウォズが幸せそうな顔で満足そうにまんじゅうを頬張っていた。

 

「そう、この味だ……!」

 

「お爺ちゃんにも食べさせてあげたい出来だねぇ」

 

「また手伝いに来るよ」

 

「そんなに迷惑掛けられないよ。これからは一人で―――っ…!」

 

たんぽぽがそう言って立ち上がった直後、また腰を痛めてしまう。

 

「だ、大丈夫ですか……」

 

ソウゴとゲイツが寄り添って介抱する。

 

「一人で作るのは無理そう……」

 

「作るの、結構キツかったからね……」

 

ツクヨミは昨晩の事を思い浮かべ、和菓子作りのキツさを思い出す。

 

「あたしで良ければ、手伝おうか?」

 

ヨネが手伝おうかと尋ねてから右肘を曲げて力を籠めると、右腕が凄い筋肉質になる。

 

『ええええぇぇぇっ⁉︎』

 

「す、凄い筋肉だ……!」

 

「ゲイツ君より凄いのでは……」

 

「……」

 

確かに普段から鍛えている筈のゲイツよりも凄かった。

 

「毎日米俵運んでるからね。それにここの和菓子が食べられなくなったら困るんだよ」

 

「ありがとう、ヨネさん」

 

「良かったね、お祖母ちゃん!」

 

「ああ。年を取るのも、中々いいもんだ」

 

「えっ?」

 

「辛い事も悲しい事もあったけど、こんなに楽しい日が待ってるんだからね」

 

はな達を見ながらそう答えると、ソウゴ達はそれに微笑みで返した。

 

「私もいつか、お祖母ちゃんみたいなめっちゃイケてるお祖母ちゃんになりたい!」

 

「はなならなれる!だって、私のめっちゃイケてる孫だからね!」

 

二人はお互いに顔を見合わせて笑い合い、はながはぐたんを高い高いさせる。

 

「自分の未来が楽しみ過ぎる!ねっ、はぐたん?」

 

「は~ぎゅ!」

 

たんぽぽ堂はヨネが手伝う事になり、はなはいつか自分も、祖母のようになりたいと思ったのだった。

 


次回!Re.HUGっとジオウ!

 

第35話 2018: 世界ツアーにレッツゴー!

 

 




おまけ

ゲイツ「なんかあの人の髪型、雲みたいだな」

ソウゴ「あ〜確かに…」

たんぽぽ「……おい、童」

ソ・ゲ「「えっ?」」

たんぽぽ「今、私の頭の事何つった…」ドドドドドドド!!

ソ・ゲ「「!?」」

たんぽぽ「この髪型を貶すモンは、例え孫の友達だろうと許さねぇ!このヘアースタイルがサザエさんみてぇだとぉ〜!!」

ソ・ゲ(そんな事言ってないよ(ぞ)!?)

和菓子は砕けない。(当たり前だぁ…)

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