Re.HUGっとジオウ!   作:yu-ki.S

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ウォズ「この本によれば、普通の中学生 時見ソウゴ。彼には魔王にして時の王者『オーマジオウ』となる運命が待っている。新学期を迎え、我が魔王達はより一層勉学に励む。
だが、野乃はな君。彼女に秘められた辛い過去を知り、更にはクライアス社の新たな作戦が行われ、我が魔王達はピンチを迎える。そしてプリキュア達が……おっと、余計な事まで喋ってしまいました」


第38話 2068: クライアス社のライダー!目覚める新たな力

――やめて!なんでそんなことするの⁉ すごく恰好悪いよ!

 

どうして、こうなっちゃったのかな……

 

――何よ貴女、何様のつもり?

 

私はただ、友達を助けたかっただけなのに……

 

――アイツ、ホントうざいよね~

――前から思ってたけど、アナタ目障りなのよ。

――ほんと、消えてほしい。

――さっさとしんで。

 

どうして、こうなったの?

ねぇ、誰か教えて。

 

――………

 

…■■ちゃん、どうしてこっちむいてくれないの…?

待って■■ちゃん!お願い!なんか言って!

 

『どうして貴女はそんなにウザいの?』『土下座して謝れ』『なんで此処にいるの?』『ホラ、あんたが代わりに掃除しなさいよ』『あんたが悪い、何もかもアナタが悪い』『可哀そうね、あなた』『この偽善者が!』『一度精神科に行ったら?』『ざまぁないわね』『ほ~んとなさけな~い』『ねぇ知ってる?あの子あの先生と付き会ってるんだって~』『え~マジ~?教師と付き合ってるなんて、どう考えても媚び売ってるんじゃない?』『ねぇ、黙ってないでなんか言ったらどう?』『地獄に堕ちろ』

 

や、やめて!もう、やめて!お願い。やめて……!

……お願い、たすけて、()()()()()

 

『貴女の友達は、アナタを捨てたのよ。まあ、嫌われて当然だけどね』

 

……ああ、そうか。

……私のやったことって、全部余計なお節介だったのか―――

……ごめんね、エリちゃん―――

 

 

 

 

世界一周旅行から帰ってきたソウゴとはなの二人は、残った夏休みの宿題をみんなと協力してなんとか無事に終え、新学期を迎えた。

 

「おはよう〜!ソウゴ!ゲイツ!ツクヨミ!」

 

「おはよう!はな!ルールー!」

 

はなとルールーが教室に入ると、そこには久しぶりに来るみんなの姿があった。

そのままHRとなると、担任の教師が生徒たちに向けて語り掛けようとしていた。

 

「え〜急だが、このクラスに新たに副担任の先生を紹介します」

 

「新しい先生……」

 

「誰だろ?」

 

「楽しみ!」

 

先生の口から副担任の教師が来ると聞き、みんなは騒つく。

すると教室の扉が開き、そこから新しい副担任の教師が入ってきた。

 

『あっ!』

 

教壇の横に立つのは、いつも身に付けているマフラーと黒い服とは違い、カッターシャツにネクタイをつけ、黒いズボンを着て黒いチョキを纏い眼鏡をかけているウォズだった。

 

「今日からこのクラスの副担任になりました、黒田ウォズです。よろしく頼むよ」

 

『ウォズ!?』

 

なんとウォズが、ソウゴ達が居るクラスの副担任としてやってきたのだ。

 

 

放課後、ソウゴ達はラヴェニール学園の中庭に集まる。

 

「何故!貴様がこの学園に来た!しかも教師だと……」

 

「ゲイツ君。私は教師だよ。聞くときは『何故こちらへ来たのですか?ウォズ先生』ではないかなぁ〜?」

 

「貴様〜〜!」

 

「どうしてきたのウォズ先生?」

 

直ぐに順応したソウゴがそう尋ねると、教師としてやって来たウォズはその理由を語る。

 

「クライアス社はより一層攻めてくるかもしれない。ならば、君達の近くにいた方がいい」

 

「なるほど〜」

 

「だからって、ウォズが教師……」

 

「問題ない」

 

ほまれ達は本当に教師なんて出来るのかと疑うが、ちゃんと教育免許を取得していたのか、彼は懐から教育免許証を取り出して皆に見せつける。

 

「まぁ、よろしく頼むよ」

 

「なら、眼鏡はやめろ!」

 

改めて教師としてよろしくと言い。そんなウォズに対してゲイツが眼鏡を奪い取り、彼は涼しい顔で奪い返す。

 

「何故だい?中々似合うと思っていたが……」

 

「お前が眼鏡を掛けるているのを見ていると……ムカつく!」

 

これからは学校でも二人の痴話喧嘩を目にするのかとソウゴ達が苦笑していると、はながミライパッドで夏休みの思い出を見つめる。

 

「ぷーる!はなび!」

 

「夏休み、楽しかったね~!」

 

ミライパッドの画面を操作し、目の前の写真を見たはぐたんがその時の出来事を言う。

 

「みんなでいっぱい遊んだね!」

 

「はい。綿あめ、船盛り、甘美な味。後―――」

 

「お祖母ちゃんからみんなにだって」

 

「希望まんじゅう!大好きなのです!」

 

えみると共に中庭へ来たことりが、みんなの前に希望まんじゅうをテーブルに置く。

 

「ハリーさん、ウォズさんその節はありがとうございました」

 

そこへ、内富士先生が現れた。

 

「いやー、そんな。お互い様ですわ」

 

「私もそこまで事はしていません。

とりあえず、同じ教師としてよろしく頼みます」

 

内富士があの時送ってくれたウォズと一緒に働いたハリーにお礼を言うと、ウォズが同じ教師として挨拶する。

 

「もううちのこうちゃん、ホントに可愛くて……!」

 

「わぁ……!きゃわたん……!」

 

カメラに映った息子のこうの写真を見せる。

 

「アイドル発見!サインちょうだーい!」

 

今度は亜希達がルールーとえみるに詰め寄り、それを見たことりは驚く。

 

「ルールーもえみるちゃんも人気……」

 

「盛り上がっとるな。ホンマに楽しい夏休みやったもんな」

 

「うん!夏休み明けも、全力で頑張るぞーっ!フレ!フレ!みんな!フレ!フレ!私!」

 

夏休みが終わってもみんなは絶好調だった。

そんな様子にソウゴは嬉しそうに見つめ、それを見たゲイツは「何を笑っている」と尋ねる。

 

「この笑顔でみんなとずっといたいなあ〜って」

 

「ふん……そうだな。ソウゴ」

 

変わらないこんな風景を、ずっと見たいとソウゴが呟く。

 

 

同じ頃。別の学校の体育館で、ポニーテールの少女がスマホの画面に映ったはなを見ていた。

 

「野乃たん……」

 

その写真を悲痛そうな表情を浮かべながら見ている少女は、はなのことを知っていた。

 

 

放課後。ソウゴ達は学園を後にし、はながルールーとえみるのサインを見る。

 

「随分シンプルだね……」

 

「可愛い。とってもお上手」

 

さあやの持つえみるのサインは可愛らしく、ほまれの持つルールーのサインはシンプルだった。

 

「えみる、いっぱい練習した成果が出ていますね」

 

「それは内緒と言ったのです…)!」

 

「でも、うまいよえみる」

 

ミライパッドの画面を見たはなが、むふふと笑う。

 

「はな?」

 

「どうしたの、何か面白い記事があったの?」

 

「見て見て!ここ!私も映ってる!」

 

さあや達に見せたミライパッドの画面には、『新人アイドル温泉繁盛記!』と書かれた見出しにルールーとえみると一緒に自分の写真が映ってあった。

 

「もしかして、誰かがはなちゃんの魅力に気付いてくれて、スカウトに来ちゃうかも!」

 

「これはたまたまだと思うけど……」

 

「第一、はなは客の多いステージで歌えるのか?」

 

「めちょっく!」

 

はなはゲイツにツッコまれて口癖を叫ぶとみんなが笑い合う。

 

「ハハッ……ん?」

 

「どうした?」

 

偶然振り向いたソウゴが、はなの背後に立つ制服姿の少女に気付く。

 

「……っ!」

 

はなが振り向いて少女を見ると、表情を強張らせながらその少女に反応する。

 

「野乃……野乃……」

 

「ええっ?もしかして本当に……」

 

「スカウト?」

 

「いや、違うと思うが……」

 

「知り合い?」

 

「あっ、うん……前の学校の……」

 

「そういえば、はなって一学期の頃に、ラヴェニールに転校して来たんだね。わざわざはなに会いにきてくれたの?」

 

えみる達がはなにスカウトしに来たのかと思っているところをゲイツが突っ込んでいる横であの少女と知り合いだと答えるはなに、ソウゴは彼女がこの春に転校してきた事を思い出す。

 

「お友達ですか?」

 

だが少女は何も言わず、この場から走り去ってしまった。

 

「……ッ‼︎」

 

「あっ!エリちゃん!」

 

「行っちゃった……いいの?」

 

「追いかけますか?」

 

「…………大丈夫!さあ!ビューティーハリーに行こーっ!」

 

心配するルールー達にはなは作り笑顔を見せ、ビューティーハリーに向かって歩き出す。

 

「はな、そちらは逆方向です」

 

「学校に戻るぞ」

 

「めちょっく……!あはははは……!失礼しました……っ!」

 

すぐさま向きを変え、カチコチの状態で前を歩く。

 

「なんだろう?いつものはならしくない」

 

 

しばらくしてビューティーハリーに帰ると、はながぼっとしてキッチンに立っていた。

 

「ちょっと⁉︎ 何か焦げてるよ⁉︎」

 

「……!? めちょっく……!」

 

鍋が焦げ始め、ツクヨミから焦げ臭いと言われてから慌てて火を止める。

 

「疲れとるなら言わなアカンで」

 

「うん……ごめん……」

 

その様子をキッチンの外から、ソウゴ達が様子を見る。

 

「やはりはなの様子がおかしいです」

 

「エリさん。あの子なにかあったのかな……」

 

「おそらく、はな君の前にいた学校の子じゃないかな?」

 

「95%の可能性でそうでしょう」

 

「我が魔王達は、はな君の前いた学校で何かあったか知らないかい?」

 

ウォズは自分よりも多く彼女と一緒にいるソウゴ達に、彼女が前にいた学校で何かあったのかと尋ねる。

 

「いえ……」

 

「私も聞いて無いな……」

 

「考えたら俺達、はなの過去については何も知らないんだよね……」

 

友達なのに、はなの昔のことをソウゴ達は何も知らなかった。

 

「エリちゃん……その子に会って聞いてみるしか無いかな」

 

「なら、調べてみるか……」

 

「よし!」

 

ソウゴ達は、はなの過去と彼女の関係を調べる事にした。

 

 

 

 

クライアス社の社長室に、ジェロス達三人が現れる。

 

「社長、私の部下、タクミとジンジンの事なのですが」

 

ジェロスがクライにジンジンとタクミの事を話す。

 

「もしかしてボーナスか?」

 

「いや、昇進か?」

 

その二人は現在、外で彼らの話をこっそり聞いていた。

 

「そろそろクビにしようかと」

 

だが、出て来た話は彼らをクビにすると言うものだった。

 

「「クビ……っ!?」」

 

「ミスばかりの部下は、このジェロスに相応しくありません」

 

「好きにすればいい。君には君の物語があるんだろう?」

 

「はい。私には時間が無いので」

 

「そんなに焦らなくていいんじゃないの?まだ若いんだし」

 

「それ、セクハラです」

 

「オーララ……!」

 

ジェロスにセクハラだと言われたトラウムが胸元を抑え、苦しげな表情を見せる。

 

「一気にこちらが有利になる発明、持って来たのにね」

 

そう言うと、彼は懐からタンブラーらしき物を出す。

 

「まだ試作品だが、遊びには十分使えるぞ」

 

彼女が受け取ってから蓋を開けると、中のエネルギーが緑色に光る装置が入ってあった。

 

「時を止め、皆で美しい世界へ」

 

「それと、社長。例のもの三台ほど完成しましたよ」

 

「完成したのかい」

 

トラウムが下からトランクを出し、開放する。

 

「我が社、専用のジクウドライバーです」

 

それは、ソウゴ達が使っているジクウドライバーそのものだった。

 

「奴らの戦闘データもあれば造作もなかったよ。さって、誰か使うかい?」

 

「では、私が早速」

 

「僕にも貸してよ」

 

リストルとビシンがジクウドライバーを掴む。

 

「はいこれね」

 

トラウムはリストルとビシン専用のライドウォッチを渡す。

 

「スウォルツ氏、あなたは?」

 

残るは一台、リストルはスウォルツにドライバーは使わないのかと尋ねる。

 

「いや、俺はいらない」

 

スウォルツが彼らの提案を断り、その場から離れると、懐から取り出した数枚の写真を見つめる。

 

(――生憎だが、俺には狙っている力があるんだよ)

 

スウォルツはその写真を見て、心中で呟く。

写真に写っているのは、時見ソウゴ……そして、門矢士だった。

 

 

 

 

そして翌日、クジゴジ堂。

ソウゴとゲイツはウォズのおかげで、はなの去年までいた学校を知った。

 

「シャインヒル学園。はな君は去年までここにいた」

 

その学園のパンフレットを机に置くと、ソウゴとゲイツかパンフレットを開き、学校内の姿を見る。

 

「別に問題ない学校だよね」

 

「至って問題があるようにはないが……」

 

ソウゴとゲイツが見ているパンフレットからには何か問題があるようには見えなかった。

しかし、ウォズは何処か険しい表情を浮かべていた。

 

「……あくまで、私が他の先生方から聞いた話では、その学園ではいじめがあったらしい」

 

「えっ?」

 

「いじめだと……」

 

「あくまで噂だが、昨日のはな君のあの様子からでは、もしかしたら……」

 

あの時のはなの表情から、この学校でいじめがあったのでは無いかと推測される。

 

「本当の事は、あのエリって子が知ってるはずだよ」

 

ソウゴが椅子から立ちあがり、クジゴジ堂を出る。

 

 

一方、ほまれのスケートの練習に付き添っていたさあやが、ほまれと一緒にスポーツジムから出てくる。

 

「付き合ってくれてありがとね」

 

「ううん。ダンスってお芝居の参考になるって思ってたから」

 

「……ねぇ、この後時間ある?ちょっと話したくて」

 

「私も、そう思ってたの。やっぱりあの時のはなの顔、気になって」

 

二人も昨日の普段見せないはなの表情が気になっていた。

 

「今日も誘ったけど来なかったし、けど、深く聞―――」

 

ほまれが言いかけると、向かいから来てたエリに気付き、エリも彼女達に気付いたのかさあや達の前から逃げる。

 

「待って!」

 

エリが走り去ろうとしたその時、ソウゴが現れる。

 

「君……」

 

「ごめん!けど、教えてくれない?前の学校で、はなに何があったのか……」

 

ソウゴの背後からゲイツとウォズも現れ、さあやとほまれも追いつく。

 

「話聞いてくれる……⁉︎」

 

「「えっ?」」

 

「やはり、何かあったようだね」

 

エリが涙声で話を聞いて欲しいと頼み、ソウゴ達は驚いた。

 

「何があったの?はなと君に……?」

 

何があったのかと思い、そう問い掛けたソウゴに、エリはソウゴ達に全てを打ち明けた。

 

 

ビューティーハリーでは、はなははぐたんと夏休みの写真をミライパッドで見返していた。

 

「はぐたん、覚えてる?これ、初めて掴まり立ちした頃の写真」

 

「はぐたん!はぐたん!」

 

はながはぐたんに初めて掴まり立ちした時の写真を見せると、それを見たハリーも深く感心した。

 

「ホンマにはぐたん、大きゅうなったな」

 

「ホントだね」

 

「ちょっと、寂しいけどな。こうやって瞬きしてる間にも時間は過ぎて行く」

 

「……ハリー」

 

「ん?」

 

急に改まって話しかけられたハリーはどうしたのかとはなに聞く。

 

「過ぎて行った時間は、どうなるの?」

 

「時間は戻せへん。だから、今を大切にせんとな」

 

「……うん」

 

ハリーの答えに、はなは難しい表情で頷く。

 

 

一方、ソウゴ達はエリを連れ、スポーツジムのすぐ隣にあるカフェのテーブル席に座る。

 

「それで話は……」

 

話を聞こうとすると、エリはまた表情を険しく暗くなる。

 

「怒ってる……?」

 

「えっ?私?」

 

「俺か?」

 

ソウゴ達が自分達が彼女に怒っているのかと思いこむ。

 

「違う……」

 

「ゆっくりでいいから」

 

「とりあえず、話してみて」

 

一旦呼吸を取り、エリが落ち着いてからソウゴ達に全てを打ち明けた。

 

「野乃たん、怒ってるかなって……」

 

「野乃たんって、はなの事?」

 

ほまれが尋ねると、エリが頷く。

 

「私……酷い事しちゃったから……」

 

「「…?」」

 

「酷い事……?」

 

「はなに酷い事したのか?」

 

ソウゴはエリがはなに酷いことをしたのかと尋ねると首を縦に振る。

 

「野乃たんは私を助けてくれた……」

 

エリの話では、彼女はチアリーディング部に所属しており、当時エリはチアのダンサーのセンターに選ばれた。

しかし、何人かはエリがセンターになる事に納得がいかずエリを責めた。

――その時、助けてくれたのがはなだった。

 

「でも、そうしたら……」

 

はながエリを助けると、エリをいじめていた子達は、はなへと対象を変えた。

 

「今度は野乃たんが狙われるようになった……」

 

はなが自分を庇った事で虐めを受けるようになった事を話すと、彼女の脳裏にいじめっ子達に脅されてはなを助ける事が出来なかった時の思い出が過ぎった。

 

「そのまま、野乃たんは転校しちゃって……いつも助けてくれたのに、私は…自分の事が大切で、野乃たんを守れなかった……」

 

「どうして、はなに会いに来たの?」 

 

「ごめん……って言いたいの」

 

先程、はな自身が見ていた『新人アイドル温泉繁盛記!』の記事を見て、はなに会いたくなって謝りに来たと話す。

 

「じゃあ、伝えなよ。君の気持ち」

 

「えっ?」

 

そんなエリに、ソウゴが彼女に自身の気持ちを伝える様に話す。

 

「なんでもなれる!なんでもできる!…はなの言葉だよ」

 

「野乃たんの……」

 

「なんでもできるなら伝わるよ。君の気持ちも絶対に!」

 

「……本当に?」

 

「うん」

 

 

エリがソウゴに説得を受けているその頃。丘の上の木の傍で、えみるとルールーが座ってギターを弾き、ツクヨミが機械弄りをしていた。

だが、えみるの調子はイマイチだった。

 

「えみる、どうかしました?」

 

「…はな先輩が元気が無いと、調子が狂うのです。昨日のはな先輩は、はな先輩らしく無いのです」

 

「そうでしょうか?」

 

「ルールーはそう思わないのですか?心とは、晴れの日もあれば雨の日もある。日々移り行く空の色のような物だと私は感じます」

 

「笑顔も……涙も……」

 

「私達の表情が曇った時、はながくれた物……」

 

ルールーとツクヨミがえみるの胸元に手を当て、えみるもルールーの手に触れる。

 

「今度は、私達がはな先輩にエールを送るのです」

 

「はい」

 

「うん」

 

 

エリから話を聞いたソウゴ達は、ビューティーハリーへやってきた。

 

「あっ、ダンスレッスンどうだった?私も行けば良か―――うわぁっ!」

 

ビューティーハリーに訪れたさあやとほまれが、横から突如はなを抱き締める。

 

「どうしたの?ああ、私がいなくて寂しかったんでしょ」

 

「そうだよ」

 

「なかよしー!」

 

「せやな」

 

「えっ?何いきなり?」

 

ビューティーハリーに入ったソウゴとゲイツがはなを褒め、突然褒められたはなは困惑した。

 

 

そしてソウゴ達はテラス側に移動し、一枚のチラシをはなの目の前にあるテーブルに置く。

そのチラシは、明日行われるシャインヒル学園のチアリーディング部の発表会のお知らせだった。

 

「これ……エリちゃんが……」

 

はなはチラシを見て、自身が前の学校で知り合った友の顔を思い浮かべた。

 

「はなに、謝りたいんだって」

 

「はなに何があったのか、全部エリちゃんから聞いたよ」

 

「本当に……大変だったんだな」

 

「ぶっちゃけてもいい?私は、無理して会わない方がいいと思う」

 

「嫌なら、行かない方がいい……」

 

さあやとほまれ、ゲイツが行きたく無いのなら、無理に行かなくても良いと話すが…

 

「その前にちょっといい?」

 

「何……?」

 

「昨日、誤魔化してごめん!やっぱ、カッコ悪いなって思ったから……」

 

「カッコ悪くなんて無い!」

 

俯いてそう話したはなに向かってほまれがそう叫ぶと、ゲイツとさあや、ソウゴが彼女に寄り添う。

 

「はながやった事、絶対間違って無い。誰かを庇うのに間違いはない」

 

「カッコ悪いのは、誰かの心を傷付ける人達!」

 

「はなは、正しい事をしただけだよ」

 

「ありがとう……私、ずっとエリちゃんに嫌われちゃったんじゃないかと思ってたんだ」

 

「えっ…?」

 

「私のした事、お節介だったんじゃないかって。

だから……何か……顔を合わせると、言葉が出なくなっちゃって……」

 

「エリちゃんも同じ事言ってたよ」

 

「えっ……?」

 

はなはあの時、自身の行動が余計なお節介だったんじゃないかと、そのせいで嫌われてしまったのだと思って後悔している事を呟くと、さあやは彼女もはなと同じことを喋っていたと語る。

 

「勇気を出してもう一度エリちゃんの心に触れたとしても、上手く行くかどうかは分からない。けど、はなには私達がいる!」

 

「うん。だって私達……はなの事、大好きだからさ」

 

「さあや……ほまれ……」

 

「はな君。私も今は、君の学園の教師の立場である。相談くらいなら私も聞くよ」

 

「俺達に頼れよ。友達ならなんでも聞いてやるよ」

 

「なんでもなれる!なんでもできる!でしょ?はな!俺達は友達だから!」

 

「ソウゴ……ゲイツ……ウォズさん」

 

「ノッてるかーいっ!」

 

「イエーイッ!」

 

するとはな達の前に、ギターを肩に掛けたえみるとルールーとツクヨミが現れ、腕を上げる。

 

「どうしたの三人とも⁉︎」

 

「私達からプレゼント!」

 

「はな先輩にフレフレをお届けしに来ましたのです!」

 

「はなに贈る、スペシャルライブです」

 

そう言うとはなに向けて、新しいバージョンでの『キミとともだち』を歌う。

 

「みなさんも」

 

えみるに誘われたソウゴ達も立ち上がり、みんなで歌う。

 

「ありがとう……!みんな……!

私、みんなに会えて良かった‼︎」 

 

はなは涙を拭ってから両腕を広げ、みんなに会えて良かったと力強く告げた。

 

 

 

翌日、はな達は会場に訪れる。

控え室の前で緊張するはなの手をさあやとほまれが握り、えみるとルールー、ツクヨミが肩に手を当て、後ろの列に座るゲイツ、ウォズ、ハリーが見つめる。

 

「よし、まずチアの舞台を見て、終わったら挨拶する心の準備をして―――エリちゃん、久しぶり!よし、よし!」

 

はなは心の準備を構え、控え室の扉を開けようとする。

 

「ええ~っ⁉︎どう言う事なの⁉︎ 車が止まって、メイクに来れないって……!」

 

だがしかし、はな達が向かおうとしたその時、近くで女性の声が聞こえた。

その女性曰く、チアリーディング部のメイクの担当者が、車が止まって来れないと言う事を聞いた。

 

「トラブル……?」

 

「らしいな」

 

「車が渋滞か何かに巻き込まれたのか?」

 

交通の渋滞か何かと思うとはなが咄嗟にある事を閃いた。

 

「ルールー!ミライクリスタル貸して!」

 

「えっ?」

 

はながミライクリスタル・バイオレットをミライパッドの上部にセットする。

 

「ミライパッド、オープン!」

 

画面から光が放たれ、ドアが開く。

 

「お仕事スイッチ、オン!」

 

はな達はメイクアップアーティストになった。

 

 

その頃、寝坊していたソウゴが全速力で走りながら会場へと向かう。

 

「やばい!やばい!」

 

ようやく会場前へと到着し、ステージへと向かう。

 

「はぁ、はぁ、着いた……みんな待ってるかな……」

 

ソウゴは辺りを見回し、はな達が居るであろう控え室の場所を探す。

 

「君が時見ソウゴ君かい?」

 

「えっ?」

 

自分の名前を呼ぶ声が聞こえ振り向くと、そこには一人の男性がいた。

 

「あの…?どちら様で?」

 

「クライアス社だよ」

 

また声が聞こえて振り向くと、反対側にビシンがいた。

 

「久しぶりだね。オーマジオウ」

 

「ビシン……じゃあ、こっちも……」

 

「ご紹介が遅れた。私の名はリストル。クライアス社プレジメント・クライの秘書、まぁ、副社長といったところだよ」

 

「………何の用なの。ここにはみんなはいないよ」

 

「そのようだね。だが、今回は彼女らに用があるんじゃない。君と話をしに来たんだ」

 

「話……」

 

はな達のミライクリスタルが狙いじゃ無い。しかも狙いは自身にあると言うリストルの発言に、ソウゴは疑問を浮かべる。

 

「何故君は、オーマジオウを受け入れない」

 

リストルがソウゴに、何故オーマジオウの力を受け入れないのかと聞く。

 

「あの力があれば、君は最強の力を手に入れた事になるんだよ」

 

「……そんなものいらない」

 

ソウゴはオーマジオウの力はいらないと言う。

 

「へぇ〜、要らないんだ。なんで?」

 

「あの力は人を救えない。俺が目指す王様はあんなじゃない!」

 

ビシンの問いに、オーマジオウの力は自分の理想とは違うからだと答える。

 

「俺はどんな民を救える最高最善の魔王になる!だから、俺はオーマジオウもアンタ達も止めて、新しい未来を作る!」

 

ソウゴが強く叫び、新しい未来を作ると語る。

 

「そうですか……私達としては、君にはオーマジオウ是非ともなって欲しいのですが……仕方ありませんね。実力行使といきましょう」

 

「そうだね」

 

『『ジクウドライバー!』』

 

「ジクウドライバー……!なんで…」

 

ソウゴはジクウドライバーを装着した二人に驚くと、二人がライドウォッチを取り出し、ウォッチのウェイクベゼルを回転させて起動する。

 

『リストル!』

『ビシン!』

 

そしてドライバーにウォッチを装填し、ドライバーのロックを解除する。

すると後ろからゲイツのようなタイマー型のエフェクトが、それぞれ明るい茶色と藍色の二色となって現れる。

 

「変・身」

 

「変身!」

 

ドライバーを回すとビシンとリストルの体が時計バンドのエフェクトに包まれ、新たな姿へと纏われる。

 

『ライダータイム!仮面ライダーリストル!』

『ライダータイム!仮面ライダービ・シ・ン!』

 

彼らはそれぞれ、胸部の所に茶色の革ベルトが付け、首元にスカーフ――『スカービーストアクセラーター』を付けており、アーマーカラーは茶色と灰色、複眼のライダー文字は明るい茶色となっている灰色の仮面ライダー・仮面ライダービシンと。胸部にデジタル腕時計のGショックのベルトとなっているものを装着した青藍色の仮面ライダー・仮面ライダーリストルに変身した。

 

「仮面ライダー……」

 

「仮面ライダービシンだよ」

 

「仮面ライダーリストル……さぁ、変身したまえ……オーマジオウ」

 

二人がソウゴにジリジリと迫ってくる。

 

『ジクウドライバー!』

 

それを見てソウゴはジクウドライバーを装着する。

 

「やるしかないみたいだね……」

『ジオウ!Ⅱ!』

 

ジオウウォッチⅡを分割しドライバーの左右に差し込むと、後ろから二つの時計のエフェクトが現れた。

 

「変身!」

 

ドライバーを回したソウゴの背後で二つの時計は左右対象に止まり、彼の体を時計バンドのエフェクトが纏う。

 

『ライダータイム!仮面ライダー!ライダー! ジオウ・ジオウ・ジオウ!Ⅱ!』

 

ソウゴはジオウⅡへと変身を完了する。

 

「これがジオウⅡ……」

 

「ヘヘッ……さぁ、楽しもうよ〜」

 

『ジカンロッド!Rod!』

『ジカントンファーガン!』

 

リストルとビシンはそれぞれ、グリップの上に四角いブロックが付いている杖のような形をした武器と、銃口が付いたトンファーのような武器を出現させた。

 

「……ッ」

 

ジオウはサイキョーギレードとライドヘイセイバーを構え、両者戦闘態勢に入る。

 

「はぁぁ!」

 

ライドヘイセイバーでジオウが先に仕掛ける。しかし、リストルに攻撃を防がれる。

 

「……くっ!」

 

「後ろがガラ空きだよ」

 

「ぐわぁぁぁ!」

 

リストルに攻撃を防がれると、後ろからビシンに攻撃を受ける。スピード特化のビシンとバランスの取れたリストルにジオウは翻弄される。

 

 

ソウゴが戦っている事を知らないはな達は、ステージ裏の楽屋へと来ていた。

 

「メイク、手伝いに来たよ」

 

「えっ……?の、野乃たん……」

 

「えっ?もしかして野乃さん?」

「何でいるの?てか、どうしたのその前髪……」

 

他の部員は、()()()()がここにいる事に驚きを見せる。

 

「めっちゃイケてるでしょ?」

 

はな達はメイクセットを取り、エリ達のメイクを始める。

 

「エリちゃん、めっちゃイケてるお姉さんにメイクしてあげるからね」

 

「野乃たん……」

 

さあや達が部員にメイクを施し始め、はながエリにメイクを施し始めると、エリが涙を流す。

 

「あらあら、美人が台無しよー?」

 

はながそう言うと、エリは涙を拭いながら呟き始める。

 

「ごめん……野乃たん……ごめん……!」

 

「……私、謝って欲しいなんて思って無いよ。

許すとか、許さないとかそう言うのじゃない。

ただ、私エリちゃんの事、やっぱ好きだからさ。

また、友達になりに来たんだ」

 

「野乃たん……ありがと―――!」

 

はなとエリが仲直りしたその時、突如外からエネルギーが飛んで来た。

 

「エリちゃん!」

 

謎のエネルギーが彼女達の元に着弾し、はな達はミライクリスタルの力で難を逃れるが、エリ達は動かなくなってしまった。

 

「時間が……!」

 

「止まった……!」

 

「まさか……」

 

「クライアス社や!」

 

ハリーが窓の外からクライアス社を確認する。

 

「これは……」

 

「ゲイツ君。我が魔王は……」

 

「俺が探してくる。ここを頼むぞ!」

 

ゲイツはソウゴを探すために急いで向かう。

そして、はな達は外へ出る。

 

「諸君!」

 

「せっかく私達の時間、動き出したのに……!みんな!」

 

『ジクウドライバー!』

『ビヨンドライバー!』

 

ウォズとハリーはウォッチをドライバーに装填して構えると、はな達五人がプリハートを取り出す。

 

『クイズ!』

『ハリー!』

 

二人はドライバーを操作し、体にアーマーが纏われ。五人が揃ってプリハートにミライクリスタルをセットし、いつもの手順を取って姿を変える。

 

「「変身!」」

「「「「「ミライクリスタル!ハートキラッと!」」」」」

 

『投影!フューチャータイム!ファッション!パッション!クエスチョン!フューチャーリングクイズ!クイズ!』

『ライダータイム!仮面ライダーハ・リー!』

「輝く未来を〜抱き締めて!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

「「みんな大好き!愛のプリキュア!」」

「キュアマシェリ!」

「キュアアムール!」

「「「「「HUGっと!プリキュア!」」」」」

 

七人が変身を完了する。

 

 

一方、後のないジンジンとタクミが装置からエネルギーを放ち続け、逃げ惑う人達の動きを止める。

 

「凄いなこの機械!力が漲って来る!」

 

「この力があれば俺達、もしかしたらジェロスさんよりも……!」

 

『止めなさい!』

 

前からエール達の声が聞こえて前を向くと、ステージにエール達が立っていた。

 

「アイツら確か……ジェロスの取り巻きの……」

 

「もうお前達なんて怖く無いぞ!」

 

「この力があれば俺達は……!」

 

するとその時、装置が暴走し始めた。

 

「止まれ!止まれってば……!」

 

タクミが止めようとするが一向に止まらない。

 

「何なのですか⁉︎」

 

「トゲパワワが……!」

 

「暴走を始めた……」

 

装置の暴走は止まらず、そのまま暴走がより悪化した。

 

「「うわああああぁぁぁっ!」」

 

ジンジンとタクミが暴走した装置のトゲパワワと融合し、融合体オシマイダーへ変貌した。

 

「合体……いや、融合した……⁉︎」

 

「何なのです……⁉︎あのパワー……!」

 

「分析不能……!トゲパワワの暴走……!」

 

「厄介だね……これは、少々手荒になるかもね……」

 

エール達も本気で挑まないと危ないと考えていたその時、彼女らの近くにジェロスが現れた。

 

「残念だったわね。それはまだパーフェクトじゃないの」

 

するとジェロスが融合体オシマイダーにそう告げる。

 

「「ジェロスさん、助けて……!ジェロスさん、苦しい……!」」

 

「勝手な事をした罰よ!」

 

「「俺達、仲間じゃ…!」」

 

「そう、私達は仲間。カンパニー。だから最後くらい、私の役に立ちなさい!」

 

ジェロスにそう言われたオシマイダーに向かってエール達が跳ぶ。

 

「暴れちゃ駄目!」

 

「落ち着いて!」

 

オシマイダーのパンチをエトワールが全身を回転させて避け、腕を掴む。

更にオシマイダーはもう一つの腕からパンチを繰り出すが、アンジュがキックで止めて掴む。そのまま地面に叩き付けた直後、もう片方の腕から同時にパンチが二人に向けて繰り出される。

だがマシェリとアムールが掴み、地面に叩き付けた。

 

 

「これって……」

 

リストルとビシンとの戦闘を行っていたジオウは、周りの時間が止まっている事に気づき、急いでみんなの元へと向かおうと試みる。

 

「早く行かないと……」

 

「逃がさないよ。オーマジオウ」

 

「くぅ!」

 

トンファーの攻撃をライドヘイセイバーで受け止める。

 

『GUN!』

 

身動きが取れないジオウにリストルがロッドを二つ折りにしてモードをガンモードへ変え、スナイパーガンの様な姿になったジカンロッドでジオウに銃弾を放つ。

 

「っ⁉︎ あぁぁ!」

 

ガンモードにしたジカンロッドの弾はジオウに直撃した。

 

「くぅ……」

 

ジオウはライドヘイセイバーの針を回そうとする。

 

『FISHING!』

 

それを見たリストルはジカンロッドの四角い部分を回すと、今度はロッドの先端部分から尖った棒が20㎝程せり出て竿の様な形へと変わり、ロッドの先端部分から出たエネルギー状の糸がジオウのライドヘイセイバーの腕を抑える。

 

「何これ……動かない!」

 

ジオウは腕を抑えられた事で、ヘイセイバーの針を回せなくなってしまった。

 

「ハハッハハッ!そらそら、こんもんなの!」

 

動けない隙にビシンがジオウをトンファーで滅多打ちにするように放ち、吹き飛ばした。

 

「うぅぅ……」

 

倒れるとソウゴは重なったダメージによって強制変身解除した。

 

「これで終わりですか?」

 

リストルとビシンがトドメを刺すためソウゴの下に歩み始めるとそこへ、二人に向けて赤い光線が放たれた。

 

「貴様ら!ソウゴ!」

 

ソウゴを探していたゲイツが現れ、倒れているソウゴに駆け寄る。

 

「ソウゴ!」

 

「ゲイツ……どうして」

 

「友達を助けるのは当たり前だろ」

 

「ゲイツ。ありがとう」

 

ゲイツに支えられながらソウゴが起き上がる。

 

「これはこれは、懐かしい顔だね」

 

「なんだ、あの仮面ライダーは……」

 

「一人は前にハリーの前に現れたビシンと、クライアス社の副社長だったてさ」

 

「何……」

 

ソウゴから初めて見たライダーについての説明を聞いたゲイツは、あのビシンとクライアス社の副社長であるリストルが変身しているのだと知り、驚愕する。

 

「久しぶりだね。明導ゲイツ君。クライアス社に進入してきた以来かね」

 

「リストル。俺をあの時の俺と思うなよ。行くぞソウゴ!」

 

「ああ!」

 

ゲイツはリバイブウォッチを取り出し、ジオウも再びジオウⅡのウォッチを起動させる。

 

『ジオウ!Ⅱ!』

『ゲイツリバイブ!剛烈!』

 

「「変身!」」

 

二人がドライバーに装填し、後ろから二人の変身エフェクトが現れるとドライバーを回す。

 

『ライダータイム!仮面ライダー!ライダー! ジオウ・ジオウ・ジオウ!Ⅱ!』

『ライダータイム!リ・バ・イ・ブ剛烈! 剛烈!』

 

ソウゴは再びジオウⅡへと、ゲイツはゲイツリバイブ剛烈へ変身を完了する。

 

「第二ラウンドと行きましょう」

 

再びビシンとリストルに挑む。

 

「ビシンは任せろ。お前はリストルを」

 

「あぁ!」

 

二人は二手に分かれ、ジオウはリストルに、ゲイツはビシンへと勝負を挑む。

 

「はぁぁ!」

 

ジオウのサイキョーギレードとリストルのジカンロッドがぶつかり、鍔迫り合いとなる。

 

「何故、そうまで明日に拘る」

 

「何故って……」

 

「明日など来ても何を求める。今日よりも悪くなるかもしれない。ならば、明日などなんの意味はない」

 

一方ゲイツは剛烈のパワーで挑むが、ビシンのスピードに翻弄される。そして、突進するトンファーの攻撃を防御する。

 

「未来に何があるの?そんなもん来なくても、今が幸せならそれでいいだろう!」

 

「くぅ!」

 

「そうは思わないか?」

 

ゲイツに攻撃を行うビシンを横目に、リストルはロッドに力を押し込み、ジオウに膝をつかせる。

 

「……そんな事はない!」

『ジカンギレード!』

 

ジオウⅡはジカンギレードを出現させ、リストルを離した。

 

「明日があるから、人は未来に……前に進めるんだ!」

 

「未来……?」

 

「確かに明日は今日より良くなるとは限らない。

でも……絶対に良くなる!明日が来れば、今日以上の思い出と巡り合える!」

 

そう叫びながらジオウがジカンギレードとサイキョーギレードを合体させ、ジカンサイキョーギレードを構える。

 

「俺はそれを信じる!」

『サイキョーフィニッシュタイム!』

 

剣から『ジオウサイキョウ』の文字が浮かび上がる。

 

『キングギリギリスラッシュ!』

 

キングギリギリスラッシュを放ち、リストルは耐えようとするがジオウの方が押していた。

 

「はぁぁぁぁぁーー‼︎」

 

「くぅ!」

 

そのままリストルの防御を打ち砕くと直撃し、リストルは転がり倒れる。

ゲイツとビシンの戦闘も、ビシンのスピードとトンファーに押されていたゲイツ。

 

「このまま、終わりだね。所詮は君達では僕達に何も出来ない。仲間のプリキュアのように!」

 

「っ⁉︎……貴様!」

 

それを聞いたゲイツがゲイツリバイブウォッチを回した。それを見たビシンはゲイツから離れる。

 

『スピードタイム!リバイ!リバイ!リバイ!リバイ!リバイ!リバイ!リバイブ疾風! 疾風!』

 

ゲイツが剛烈から疾風へとフォームチェンジした。

 

「はぁ!」

 

「やぁぁ!」

 

ゲイツとビシンはスピード勝負でお互いに攻撃を繰り出す。ゲイツのジカンジャクローとビシンのジカントンファーが何度もぶつかり合う。

 

『つめ連斬!』

 

ゲイツが何十の数のつめ連斬を放つ。

 

「……はぁ!」

 

ビシンはトンファーを回し、ゲイツのつめ連斬を地面へと受け流す。

 

「はぁぁぁ!」

 

そこへ、つめ連斬に紛れていたゲイツがビシンの後ろを取り。ジカンジャクローでビシンの背後を叩きつけ地面へ激突させる。

 

「お前に未来での、みんなの事は言わせん!」

 

「ちっ……お前……」

 

「俺達は必ず、未来の明日を取り戻す!それがあいつの願いだ!それを必ず果たす!」

 

ある人物の約束を思い出しながら、ジカンジャクローを構えたゲイツが優勢に立つ。

 

「ちっ!そう言うのがハリーを狂わせるんだよな!」

 

『ガン…!』

 

ビシンはジカントンファーガンを持ち替えてモードをガンモードに変えると、ゲイツに向けてエネルギー弾を連射する。

 

『パワードタイム!リ・バ・イ・ブ剛烈!』

 

それを見たゲイツは再びリバイブ剛烈へと変わり、トンファーガンから放たれた弾は剛烈のボディに防がれた。

 

「っ⁉︎ くそっ!まだだ!」

 

『トンファー…!』

 

ビシンがジカントンファーガンを元のトンファーモードに変えると、まだジオウとゲイツに挑もうとする。

 

「やめなさい」

 

しかし、リストルが彼の腕を掴みビシンを止める。

 

「何するんだよリストル!」

 

「私達はまだ仮面ライダーの力に慣れていません。流石にここまです……今日はここで退きましょう。

ですが、次は覚悟を。オーマジオウ、明導ゲイツ」

 

リストルとビシンは一瞬にして消え、ジオウとゲイツの前から去っていった。

 

「はぁ、はぁ、大丈夫?」

 

「あぁ……だが、厄介な。ライダーが生まれたな」

 

ゲイツの言う通り、今回は向こうはライダーの力に慣れていないから何とかなった。

 

「でも、俺は……いける感じがすると思ってるよ」

 

いけるというジオウが口元を緩めながらゲイツに振り向く。

 

「俺にはみんながいるから♪」

 

「ふん。お前らしいなソウゴ」

 

全く根拠のない言葉であるが、ゲイツは彼が言うと本当に行けると思い込んでしまう。

 

「急ごう。みんなが心配だ」

 

「あぁ!」

 

ジオウとゲイツは急いでステージ会場へと向かう。

 

 

ステージ会場の方では、エール達は融合型オシマイダーに苦戦を強いられていた。

 

「大人しくしぃや!」

 

ジカンチェーンで動きを止めようと試みるが簡単に解けてしまう。

 

「強い……」

 

「みんな!」

 

そこへ、ようやくジオウとゲイツが駆けつけた。

 

『ソウゴ(君)!』

「我が魔王!」

 

「行くよ!ゲイツ!ウォズ!」

 

「「えっ?」」

 

『ジオウトリニティ!』

 

ジオウトリニティウォッチを起動し、ドライバーへと装填しウォッチを回した。

 

『ジオウ!ゲイツ!ウォズ!』

 

三人が光が包まれると、包まれていたゲイツとウォズの体が腕時計のように変わってジオウの体にはめ込まれたことでジオウの身体も変化を始め、ジオウの仮面が中央へと移動する。

 

『トリニティタイム!三つの力、仮面ライダージオウ!ゲイツ!ウォズ!トーリーニーティー!トリニティ‼︎』

 

そしてジオウトリニティへと変身を完了した。

 

「ウォズ!いつもの!」

 

「流石は我が魔王。では、ひれ伏せ!我こそは仮面ライダージオウ・トリニティ。大魔王たるジオウとその家臣、ゲイツ、ウォズ、三位一体となって未来を創出する時の王者である」

 

「相変わらずだな」

 

「でも、なんか行ける気がする!」

 

ジオウトリニティが融合化オシマイダーに向かって走る。

 

「行くぞ!」

『ジカンザックス!Oh!No!』

 

ゲイツのジカンザックスを出現させ、オシマイダーに叩き込む。

 

『フィニッシュタイム!ギワギワシュート!』

 

最後にエネルギーの矢を放ちオシマイダーが怯む。

 

「次は私が行こう!」

 

今度はウォズへと変わり、ジカンデスピアを出現させる。

 

『ジカンデスピア!ヤリスギ!』

 

さらにジカンデスピアで突きながら攻撃する。

 

「はぁぁ!」

 

ジカンデスピアでオシマイダーが弱りだす。

 

「はああっ!」

 

そこへエールが真上から跳び蹴りを叩き込み、地面に叩き付けた。

 

「仲間って……そう言うものじゃないでしょ……!」

 

「友達って、そうじゃない……!」

 

「みんなと一緒だから……!」

 

「強くなれる!」

 

「よくある決まり文句ね」

 

エトワールとアンジュ、マシェリにアムールの言葉を聞いたジェロスは呆れ顔でそう言うが、エールはすぐさまその発言に反論する。

 

「そうかもね。けど、これが私達なの!

みんながいてくれたから、私は今日、前に進めたんだから!」

 

その時、ステージでツクヨミに抱き抱えられたはぐたんが、両手を広げて両腕を前に出す。

 

「これ……」

 

「「「「「これが、私達の今!」」」」」

 

更にエール達が手を上空に翳すと、全体的に花をかたどった様なデザインの新たなミライクリスタル・チアフルが降って来て、エールが掴んだ。

 

「新しいミライクリスタル……⁉︎」

 

「チアフルー!」

 

はぐたんがそう叫ぶと共にミライパッドが飛び、エールの手に渡る。

 

「ミライクリスタル!チアフル!」

 

ミライパッドの上部にミライクリスタル・チアフルをセットする。

するとその時、ミライパッドから今まで以上の力とオーラを溢れ出てきた。

 

「これって……」

 

「どう言う事だ⁉︎」

 

「まさか、ミライパッドはんの真実の力を、プリキュアが目覚めさせたんか!?」

 

「史上最高……!何てパワーなの……!」

 

それを見たジオウトリニティとハリー、ジェロスは驚きのあまり絶句してしまった。

 

「私達のメモリー!」

 

「「「「「私達の絆!」」」」」

 

「本当の仲間とは、何かを教えてくれた事!」

「限界なんて無いと思わせてくれた事!」

「ありのままの私を、見てくれる事!」

「自分でも知らなかった自分に、気付かせてくれた事!」

「一緒に過ごした時間が、今を作る!今を頑張って、輝く未来を!」

 

エール達の胸元から出たそれぞれのパーソナルカラーのハート型エネルギーが、ミライパッドへ向かう。

 

「何これ……」

 

「はぐっとー!」

 

はぐたんの胸元からも、白いハート型のエネルギーが生まれ、ミライパッドへ向かう。

 

「「「「「メモリアルキュアクロック!チアフル!」」」」」

 

ミライパッドが時計型アイテム・メモリアルキュアクロックに変化し、エール達とはぐたんからそれぞれのパーソナルカラーのハートが飛び出す。

 

「「「「「ミライパッド!オープン!」」」」」

 

六人がそれぞれ右腕を真上のメモリアルキュアクロックにかざすと同時に、画面のハートの型にはまる。

 

「「「「「プリキュア!チアフルスタイル!」」」」」

 

扉が開くと同時に中から無数のハート型エネルギーが降り注ぎ、エール達五人の姿に変化が起こる。

 

「「「「「メモリアルパワー!フルチャージ!」」」」」

 

五人の姿が変わり、ベールを包み服装も変化した。

五人がパワーを送りメモリアルキュアクロックのエネルギーを集める。

 

「「「「「プリキュア!チアフルアターック!」」」」」

 

六色の五つ葉のクローバー型エネルギー弾を発射されると、それはオシマイダーへと向かって直撃した。

 

「ジェロスさん……」

「俺達にも、思い出が……」

 

「「――もう、辞めさせて貰いまーす」」

 

紫、赤、黄色、水色、ピンクのハートとオシマイダーにぶつかり、最後にはぐたんがハグするポーズをするとオシマイダーを虹色のハートに包み込み、オシマイダーを浄化した。

 

「チアフルスタイル……?」

 

「これ程の力とは、私も驚いたよ」

 

「俺が知る限りあれは、未来でもこれ程の力だ」

 

「こんな温かくて力強い力、今まで感じた事あらへん……!何ちゅうデッカい奇跡をお前らは見せてくれるんや……!」

 

オシマイダーが浄化された事で、動きを止められた人達が元に戻った。

 

「仲間なんて……!」

 

オシマイダーが浄化されたのを見届けたジェロスはそう言うと、この場から歩き去った。

 

 

その後、チアの発表会は無事行われ、成功に終わった。

 

夕方になりビューティーハリーへとソウゴ達は戻ると、ミライクリスタル・チアフルのアスパワワが、はぐたん額の飾りに入る。

 

「まーま!ありがと!」

 

「ミライクリスタル・チアフル……」

 

「きらきらからふるー!」

 

はな達がチアフルのミライクリスタルを見ていると、ハリーはその力についての推測を話す。

 

「チアフルは、これまでお前らが育んだ友情が生み出した、絆のミライクリスタルやな」

 

「ねぇ、それってジオウトリニティも同じじゃないかな?」

 

「えっ?」

 

それを聞いたソウゴがジオウトリニティもミライクリスタル・チアフルと同じじゃないかと言う。

 

「俺とゲイツ、ウォズの仮面ライダーの絆からこれが生まれたじゃないかな。そのチアフルと同じで」

 

「ちょっと待って!」

 

「何⁉︎」

 

「俺との絆はどうしたんや!」

 

ハリーとの絆は何かとソウゴに尋ねる。

 

「えっ?その……ハリーとの絆は、そのライドウォッチじゃないかな?」

 

ハリーウォッチがソウゴ達の絆と言うが、本人は納得出来ない表情だった。

 

「なんや!ちょっと酷くないか!」

 

ネズミとなり少々タダをこねる。それを見たツクヨミは話を変えようとする。

 

「でも、クライアス社が仮面ライダーを生み出すなんて」

 

「あぁ、かなり厄介な相手だ」

 

「しかもリストルとビシンが変身するとは……」

 

「……」

 

クライアス社の仮面ライダー。話を聞くとクライアス社も今回のオシマイダーのように本気になって潰しに掛かろうとしている。

 

「ねえ、みんなで写真撮らない?」

 

その時はなはみんなと写真を撮ろうと提案する。それ聞いたさあやとほまれも賛成する。

 

「私もそう思ってた!」

 

「さあ、みんなもっとぎゅーっと!」

 

「ゲイツ君!」

 

「何でも無い写真。けど、今この瞬間はもう二度と無いから」

 

「みんな!行っくよーっ!せのー!」

 

みんなが笑顔を作り、カメラのシャッターを切ってソウゴ達十人の記念となる写真を撮った。

――クライアス社のライダーの誕生にも負けず、ソウゴ達はこれからも戦い続けるであろう。

 

 

 

「こうして、はな君はかつて友達と和解し、プリキュアの彼女らは新たなミライクリスタル、チアフルを手にした。

そして、我が魔王にも試練が訪れる」

 


次回!Re.HUGっとジオウ!

 

第37話 2005: 鬼が奏でる音楽の響き

 

 




おまけ

エボルト「見ろ晴夜ァ!キュアハートォ!これがみんなが皆んなを助け合う人間の姿?卑怯なことばかりをして、(相手の)心が刻まれ、潰され、自身の非を認めぬ醜さ……フッハッハッハッハ!生き恥を晒すお前たち人間は、やっぱり最高だぁ!!俺はアイツらのような人間が大好きだぁ!!」

晴夜・マナ「「エボルトォォォォォォォ!!」」

エボ死牟ニキからの有難いお言葉でした。

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