Re.HUGっとジオウ!   作:yu-ki.S

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ウォズ「この本によれば、普通の中学生 時見ソウゴ。彼には魔王にして時の王者『オーマジオウ』となる運命が待っている。
残るウォッチは四つ。だが、その前に輝木ほまれ……彼女が思いにも寄らない出来事に襲われる事となる……」


第41話 2068: 真意!切り開く新たなフォーム!

アナザー響鬼の事件から数日が経ち、その間にほまれがスケート大会で優勝した。

そして今日はビューティーハリーで、皆がほまれのスケート大会の優勝を祝う事になった。

 

「「「優勝おめでとーっ!」」」

 

ソウゴ達はクラッカーを『パーン!』と鳴らし、ほまれを祝う。

 

「祝え!ここにスケート界に輝木ほまれの新たな1ページが開かれた!」

 

あれからウォズはソウゴ以外の人物にも祝うようになった。短いけど。

 

「ありがとう」

 

「ほまれさんの演技、感動したのです!」

 

「うん、凄かった!」

 

最近行われた大会には、はな達も観に来ていた様だ。

 

「情熱的で、切なくて―――!」

 

「ニュースでも、表現力の向上が凄いって言われてたけど、本当にその通りだと思う!」

 

「美しいと言う言葉の意味を教えて頂きました」

 

「褒め過ぎ……」

 

「輝木選手!ズバリ好調のきっかけは?」

 

「えっ……?」

 

はながおもちゃのマイクを近づけて尋ねると、さあや達に褒められて赤くしていたほまれは頬を更に赤くし、別の方向を向く。

ほまれの向いた先には、アイスを作るハリーとそれを笑顔で見るはぐたんがいた。

 

「まだまだだって。こんなんじゃ、世界には通用しないよ」

 

「やはり世界を目指すのか?」

 

ふと、世界を目指すのかとゲイツが尋ねる。

 

「当然。この先もいっぱい壁はあると思うけどさ、全部飛び越えて行けるように頑張るよ」

 

「応援するよ!」

 

「俺も!ハリハム・ハリー特製、お祝いと頑張れのシャーベットや」

 

ソウゴが応援すると言うと、ハリーは自作のシャーベットをほまれに差し出す。

 

「ありがとう……」

 

ほまれはシャーベットを受け取り、一口食べる。

 

「酸っぱい……でも美味しい……」

 

「せやろ?身体動かした後は、酸っぱいモンに限るで。せやったらチョコミントアイスもあるでー」

 

その様子を見たはなとソウゴは首を傾げていたが、さあや達は微笑ましい表情で二人を見ていた。

 

 

 

 

クライアス社にある、トラウムの研究ラボにて。

 

「ようやく、出来たね」

 

そこにはトラウムが作り上げたライドウォッチがいくつか置かれた。

 

「後は、こいつが出来れば……」

 

そして、いくつかあるライドウォッチの中に一つ、歯車型のライドウォッチがあった。

しかし、まだブランク状態で完成していなかった。

 

「おや、お悩み相談かね?」

 

そこへビシンがトラウムのラボに現れた。

 

「ずっと考えても分からないんだ……ハリーはどうして戻って来ないの……?」

 

ラボでトラウムがビシンの話を聞くと、ハリーについての話だったので、トラウムは少し考えた後に自身の考えを口に出して説明する。

 

「それはズバリ、本人の心を除くしか無いね」

 

「心を……?」

 

トラウムがそう助言すると、ゴーグル型の装置をビシンに渡す。

 

「昔遊びで作った発明品だ。相手の深層心理をバーチャル空間に変える事が出来る。エネルギーは勿論……」

 

「トゲパワワか」

 

「ああそれと、これも持って行くといい。最近完成したんだ」

 

トラウムはビシンに二つのライドウォッチと、歯車型のブランクウォッチも渡す。

しかし、ライドウォッチと一緒に受け取ったブランク状態のウォッチを見たビシンは不満そうな顔になる。

 

「これブランクウォッチじゃん……」

 

「まぁ、君が使えばウォッチなるだろう」

 

「まあいいや、ありがとうドクター。ありがたく使わせて貰うよ」

 

トラウムから貰った発明品を持ち、ビシンが動き出した。

 

 

 

 

スケート場では、ほまれが次の大会に向けての特訓を始める。

 

「新プログラムか」

 

「次の大会に向けて、四回転ジャンプを取り入れたいんです」

 

ほまれはコーチの梅橋先生に四回転ジャンプを取り入れたい事を伝える。

 

「四回転…⁉︎ 世界でも飛べる選手はほんの一握りだぞ……!」

 

「だから挑戦するんです!」

 

ほまれは四回転のジャンプに挑戦する為、その意思を貫こうと訴えると梅橋先生も頷く。

 

「分かった。練習メニューは考えておく。演目は輝木が決めろ」

 

「はい!」

 

 

その後、練習を終えたほまれはスケート場を後にし、学園の図書館を歩く。

 

「絵本でも参考にするか」

 

演目を決める為に絵本を参考にする事にし、色んな絵本を手に取って机に置く。

 

「読むのは幼稚園以来だな」

 

そう言いながらほまれは、絵本『人魚姫』のページをめくる。

 

「――昔々、海の底の国に、人魚のお姫様が暮らしていました。

ある日、お姫様は海に落ちた王子と出会い、恋に落ちました」

 

人魚姫を読んでいる途中で王子の姿がハリーと重なり、頬を赤くして顔を隠す。

 

「ちょっと……恥ずかしいかも……」

 

そう呟くと、外から轟音が響いた。

 

「……っ!」

 

彼女は窓の外を見ると、外から煙が上がっていた事に気付く。

 

 

ほまれは急いで繁華街の方に向かうと、既にソウゴ達が到着しており、街灯の上にはビシンとゴーグルを着けた猛オシマイダーがいた。

 

「ビシン!」

 

「いい加減にしぃや!」

 

「待ってたよハリー」

 

「行くよ!」

 

ほまれの掛け声でソウゴ達は変身アイテムを取り出し、ツクヨミははぐたんを抱え離れる。

 

『『『ジクウドライバー!』』』

『ビヨンドライバー!』

 

『ジオウ!』

『ゲイツ!』

『ウォズ!』

『ハリー!』

 

四人はウォッチをドライバーに装填して構えると、はな達五人がプリハートを取り出す。

 

『アクション!』

 

「「「「変身‼︎」」」」

「「「ミライクリスタル!ハートキラッと!」」」

 

四人がドライバーを操作した事で体にアーマーが纏われ、五人が揃ってプリハートにミライクリスタルをセットしていつもの手順を取り姿を変える。

 

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』

『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!』

『投影!フューチャータイム!スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!』

『ライダータイム!仮面ライダーハ・リー!』

「輝く未来を〜抱き締めて!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

「「みんな大好き!愛のプリキュア!」」

「キュアマシェリ!」

「キュアアムール!」

 

「「「「「HUGっと!プリキュア!」」」」」

 

全員が変身を完了すると、いきなり猛オシマイダーがジオウ達に突撃してきたが、咄嗟に躱す事が出来た。

 

「諸君、この猛オシマイダーはモーションキャプチャーを着けてるみたいようだね」

 

「モーションキャプチャー?」

 

「人間や物の動きを記録する技術だよ」

 

「スポーツ選手の身体の動きのデータ収集や、ゲームのキャラクターなどによく使われています」

 

「未来ではよく使われていたものだ」

 

「へぇ〜」

 

「説明はそこまでや!来るで!」

 

ジオウがアンジュとアムール、ゲイツの解説を聞いて感心していると、今度は猛オシマイダーが右手の球体から光線を飛ばす。

ジオウ達は光線を掻い潜って避け、パンチやキックを叩き込む。

 

「そんなに大した事無いみたいだね」

 

大した攻撃力もない為、案外余裕だった。

 

「プリキュアとオーマジオウやゲイツにウォズに用は無い。僕の狙いは君だ、ハリー」

 

そう言うと、ビシンが装置にトゲパワワを籠める。

すると猛オシマイダーが無数の四角いエネルギー体となり、ハリーに向かって来た。

 

「何や⁉︎どわっ!」

 

ハリーは避け続けるが、体勢を崩して倒れる。

 

「ハリー!」

 

エトワールがハリーに駆け寄ると、猛オシマイダーが竜巻を起こして、その中に二人を閉じ込めた。

竜巻が消えると、頭部に角を生やしたドームのような姿になった。

 

「余計な奴が入ったか……」

 

ビシンは舌打ちをして、ハリーと一緒に閉じ込められてしまったエトワールに不快感を浮かばせた。

 

 

 

そして、ドームの中に閉じこめられ、変身を解除させてしまったほまれは……

 

「……姫?……姫!人魚姫!」

 

女性の声に反応し、ほまれが目を開ける。

 

「起きたのね」

 

そこには二人の女性がいた。

 

「人魚姫……って…」

 

「あなたの事よ」

 

「えっ…⁉︎」

 

目の前にいた女性に人魚姫と言われたほまれは今の自分の姿を見て驚く。

 

「ええっ……⁉︎ 本物……っ⁉︎」

 

なんとほまれの足が魚の下半分になっており、その姿が人魚姫となっていたのだ。

 

「みんな待ってるわ」

 

「私達は先に行ってるから」

 

そう言うと、ピンクのポニーテールと紫のロングヘアの人魚がこの場を後にする。

 

「ちょっと……!」

 

追いかけようとするが、慣れない足にうまく泳げなかった。

 

「陸に近づいては駄目よ」

 

「人間に捕まってしまうから!」

 

二人の人魚はそう告げ、今度こそこの場を後にした。

 

「何なの……これ……?」

 

ほまれがそう呟いたその時、海から一人の男性が落ちて来た。

 

「あれは……」

 

男性の方に泳いで向かい、両腕で抱えてから顔を見る。

 

「ハリー……⁉︎」

 

その男性はなんと、王子の格好をしたハリーだった。

ほまれはハリーを抱き抱え、地上に出る。

 

「ハリー!しっかりして!」

 

ハリーを地面に降ろし、両手で揺さぶりながら呼び掛けると、ハリーが意識を取り戻す。

 

「―――君は……誰……?」

 

「…えっ?冗談止めてよね。マジ……なの……?」

 

だがしかし、ハリーは記憶を失っており。ほまれはその事実にショックを受けた。

 

「……っ!あれは!」

 

男性の声が聞こえ、その方向を向くと、一隻の船が現れた。

 

「ハリーは……大丈夫だよね……」

 

ほまれはハリーを見てそう呟き、海に戻った。

 

「王子様……!王子様……!ああ、ご無事で良かった……!」

 

「王子……?ここって、もしかして……」

 

海からその光景を見ていたほまれは、どこか見覚えがあった事に気付く。

 

「絵本の世界……?」

 

どうやらほまれとハリーは、猛オシマイダーが作り出した人魚姫の世界に入り込んでいたようだ。

 

 

 

「ハリーだけで良かったのに……!」

 

一方、その様子を見ていたビシンが爪を噛み締めて呟く。

 

「仕方ない!こじ開ける!」

 

「何とかするのです!」

 

「駄目です!」

 

ゲイツとマシェリがジカンザックスとツインラブギターを出すが、アムールに止められる。

 

「何故なのです⁉︎」

 

「あのドームは、エトワールとハリーの心を取り込んでいるようです。二人に影響が出るかもしれません」

 

「じゃあ、迂闊に手は出せ無いな……」

 

「猛オシマイダー、僕も入れろ」

 

そう命令すると猛オシマイダーが後頭部に入口を作り出し、ビシンがその中に入る。

 

「あっ!ズルい!」

 

「待って!」

 

ジオウがその隙に入ろうと試みるが、ビシンを入れると入り口はまたもや塞がれてしまった。

 

 

 

その頃、人魚姫の世界では……

 

「きっと、猛オシマイダーのせいだ……人魚姫は、私が読んでたからだよね……」

 

ほまれはこの世界が猛オシマイダーに作り出された事と、図書館で人魚姫の絵本を読んだからこの世界になったと察する。

 

「でも何でハリーが王子?私のせいか……」

 

あの時、絵本に出ていた王子がハリーと似ていたからと思ったからだと推測した。

 

「私の事も忘れてるみたいだし……とにかく早く元に戻して、この世界から抜け出さなきゃ!」

 

この世界から抜け出るためにまずは、話の内容通りに進めるしかない。

そう考えたほまれは――

 

「「「人間のお城に⁉︎」」」

 

「王子に会いに行かなきゃいけないの。このままじゃ会えないから、人間になる方法教えてくれない?」

 

人魚達の拠点に移動し、人間になる方法を黄緑のショートヘアの人魚を加えた三人の人魚に尋ねる。

 

「何で王子に?」

「あなたまさか……!」

「恋してしまったのね!」

 

「してない!」

 

「じゃあ会いに行かなくても……」

「そうよね……」

 

「何でも良いから人間にしてっ!」

 

ほまれは頬を赤くし、そう告げる。

その様子を見た三人の人魚が下の方へ移動し、瓶に入った薬をほまれに見せる。

 

「確かに人間になる薬はあるけど……」

 

「王子の一番の存在になれなかったら、あなたは泡になってしまうわ」

 

「それでもいいの?」

 

「うん」

 

ほまれが頷き、薬を受け取って飲む。そこから後は意識が飛んでしまい、彼女の目の前がブラックアウトした。

 

 

「……おい!おい!良かった……!」

 

少し経ってから、ハリーの呼びかけに反応したほまれが目を開ける。

自分の脚を見ると、人間の足になってた。

 

「ちょ、ちょっと……!」

 

だが気付くとハリーにお姫様だっこされ、城に運ばれている事に驚く。

 

「人魚姫……か。もう少し様子を見ようかな」

 

その時、崖の上で魔女の姿をしたビシンがそう呟き、クスクスと笑った。

 

 

城に案内されたほまれは、部屋の中で座って待つ。

 

「落ち着かない……」

 

だだっ広い部屋を見渡しながらそう呟いているとドアを開く音が聞こえ、ドアの方を向く。

 

「いやー、大事無くて何よりや。自分、前も砂浜で会うたな」

 

そこからハリーが入って来て、ほまれに前も会った事を話した。

 

「本当に私が分からないの?」

 

「せや、名前聞いとらんかったな」

 

「ほまれ」

 

「ほまれか」

 

(…王子の一番の存在……とにかく、ハリーに私の事を思い出して貰わないと)

 

ほまれは人魚達に言われた事を思い出しながら、どうすればハリーに自分達の事を思い出してもらえるのか考えていると…

 

「ほまれ」

 

「?」

 

「せっかくお城に来たんやし、オシャレせぇへんか?」

 

「えっ……?」

 

ハリーがほまれにそう告げると、服を持ったメイド達が現れる。

色々なドレスに着替えさせられるが、最終的に黄色のドレスに落ち着いた。

 

「うん。良い感じや。黄色がよぉ似合っとる」

 

 

 

一方ジオウ達は、猛オシマイダーの前にいるだけで何も出来ないままでいた。

 

「エトワール!ハリー!」

 

「二人とも大丈夫かな……」

 

「分かりません」

 

「すんごい怖い夢とか見させられてるかも……!」

 

「お化け…⁉︎お化けなのですか……っ⁉︎」

 

「おば、おば、お化け……」

 

「おばけ、やー!」

 

マシェリのお化けというワードでゲイツとはぐたんが怯えを見せた。

 

「それより、中の状況は気がかりだ。もし空気が減っているのなら……」

 

「ッ⁉︎ ハリー!」

 

「エトワール!」

 

「返事をして欲しいのです!」

 

ジオウとエールとマシェリとはぐたんが、オシマイダーのドームに向かってポカポカ殴り付ける。

 

「叩くのは止めておいた方が……」

 

「しかし、二人の状態がいつまでも無事とは限らない」

 

「逆に敢えて少し刺激を与えたら、二人を起こせるかも」

 

「一理ありますね」

 

そう考えたアンジュ達は、全員がオシマイダーを叩きながら中にいる二人に呼びかける。

その時、殴られ続けられて怒った猛オシマイダーが、頭部の角から光線を放ってジオウ達に浴びせた。

すると、ジオウ達の姿が変わった。

 

「これは……赤ずきん…?」

 

「不思議の国のアリス…?」

 

「シンデレラ……?」

 

「桃太郎……?」

 

「花咲爺さん……?」

 

「かぐや姫……?」

 

ライダーのゲイツとウォズは変身が解かれ、ゲイツは桃太郎、アンジュはシンデレラ、ウォズは花咲爺さん、マシェリは不思議の国のアリス、ツクヨミはかぐや姫、アムールは赤ずきんちゃんの格好に変わる。

 

「めちょっくじゃのぅ……」

 

「なんだーーー!これはーーー!?」

 

ソウゴは自身の姿を見て驚きながら叫び、エールは老いた声となっていた。

 

「浦島太郎なのです!」

 

エールは老人にされた浦島太郎の格好だった。

 

「そう言えばソウゴ君は……⁉︎」

 

ソウゴも変身が解け、頭には冠、背中にマントをつけていた。

しかし、その格好は……

 

「ソウゴ……それ……」

 

全身はパンツだけの素っ裸……童話の裸の王様だった。

 

「「「「⁉︎」」」」

 

ソウゴの姿を見て女性の皆さんはソウゴから目を逸らす。

 

「裸の……王様だな……」

 

「我が魔王……」

 

「王様は嬉しいけど!なんでコレなの!」

 

王様にされたのは良かったが、ソウゴは裸の王様にされて恥ずかしくてマントで体を隠し動けなかった。

 

 

 

ほまれとハリーは、城で開かれる舞踏会の会場へ移動していた。

 

「何これ……?」

 

「舞踏会やで」

 

ハリーはそう言い、ほまれに手を差し伸べる。

 

「まあ、いいけど」

 

ほまれがハリーの手を掴むと、ハリーがリードして踊りを始めた。

 

「上手いじゃん、ダンス」

 

「王子やからな」

 

「でも私も得意なんだよね」

 

「オモロイなぁ自分!」

 

ほまれは踊りながらこれまでのハリーとのやり取りを思い出すと、胸の鼓動が高鳴りし始める。

 

「ハリー……」

 

「何や?」

 

「……何でも無い」

 

「おかしなやっちゃな」

 

するとハリーに身体を密着させられ、更に胸の鼓動が激しくなる。

 

「ハリー……」

 

「だから何やって?」

 

彼女が想いを伝えようとしたその時。音楽が止まり、この会場にいた人達が消滅すると、周囲の空間も変わった。

 

「えっ…!?」

 

二人の前から、薄いピンクのドレスにベールで顔を隠した女性が現れた。

 

「…ッ!」

 

その姿に気付いたハリーが、女性の元へ向かう。

 

「誰……?」

 

「王子の一番大切な人だよ」

 

「えっ……?」

 

ほまれの後ろに突如現れたビシンがそう告げる。

 

「人魚姫の物語の結末、知ってるでしょ?」

 

「また会えて……良かった……」

 

ハリーが安堵の表情を浮かべると、女性に向けてそう言う。

 

「王子様には別の想い人がいました!恋に破れた人魚姫は、海の泡となって消えるのでした!」

 

「っ⁉︎」

 

「僕も驚いたよ……ハリーもいたって事だね……一番の相手がさ」

 

それを聞いたほまれは、もしも、この本の結末と王子の心が彼と一緒なら、ハリーには心に思っていた相手がいた事になるという事実に気付く。

 

「この世界は、猛オシマイダーの作り物でしょ……?」

 

「お前とハリーの心の世界さ」

 

だがほまれが所詮は自身の心から汲み取ったオシマイダーの世界だと言うと、ビシンはほまれだけじゃなく、ハリーのイメージ世界でもあると語る。

 

「二人の気持ちが登場人物と重ならなきゃ、この世界にはならない。ハリーは最初から王子役にハマり過ぎて、君の事も忘れてたみたい」

 

つまり、この世界はほまれのイメージではなく、ほまれとハリーの心がこの話と重なったから、人魚姫の物語となったという。

 

「ねぇ、さっきハリーに何言おうとしたの?ねぇったら!」

 

「うるさい……!」

 

「あっはははははっ!ハリーがお前なんかを好きになる訳無いだろ!さっさと泡になっちゃえば!」

 

ビシンはさっきまでの彼女の行動と姿を思い出しながら笑い声を上げ、ほまれにそう告げる。

 

「誰がなるか……!」

 

「痩せ我慢して無いで早く壊れろよ!前からお前が気に入らなかったんだ!もう限界なんだろ……!」

 

ほまれが泣きそうになると足元にヒビが生じ、崩れると周囲の空間が変わり、深海の風景となっていく。

そして遂に足元が崩れ落ち、ほまれは海の中へ落ちて行った。だがほまれほまれは、腕からノイズが生じて消滅されそうになりながらも、ハリーに向けて腕を伸ばす。

 

「想いを捨てなさい」

「全部、無かった事にすればいい」

「そうすれば、あなたの心は守られる」

 

すると三人の人魚が、ほまれを更に海の底へ沈めさせてそう伝える。

 

「邪魔者が一人消えた」

 

ビシンがそう言うと、時の止まったハリーと女性の元へ歩く。

 

(僕が一番じゃ無かったんだね……)

 

しかしビシンは二人の傍で立ち止まり、持ってた杖で女性のベールを動かす。

 

「やっぱりお前か……」

 

――ビシンは目の前に居る女性の事を知っていたのか、苛立ちを隠さずにその女性を睨みつける。

 

「もういないクセに、僕からハリーを奪い、ずっと心の中に居座る気か!」

 

爪を伸ばして女性に突き刺そうとしたその時、外から衝撃が生じた。

 

 

 

「ハリー!」

 

「エトワール!」

 

一方、外からソウゴ達が猛オシマイダーをポカポカと殴り付ける。ソウゴはツクヨミから羽織を借り、とりあえず素っ裸な身体を隠している。

すると、猛オシマイダーが光線を飛ばして来て、ソウゴ達はそれを何とか避ける。

 

「もうそれには当たらな―――!」

 

エールが逃げながらそう言うと、腰に痛みが生じて倒れる。

 

「腰が……!」

 

「え、エール……」

 

「大丈夫⁉︎」

 

彼女から腰が折れる音が聞こえたソウゴとアンジュはエールに駆け寄る。

 

「何のこれしき!エトワール!」

 

エールは大丈夫だと答えると立ち上がり、猛オシマイダーへ向かう。

 

「クライアス社にやられてる場合じゃないよ!世界、目指すんでしょ!こんな壁なんて、飛び越えて行くんでしょ!」

 

「ほまれは、自分の夢を叶えるためにまた飛んだでしょ!ハリーも仮面ライダーなら早くそこから出てよ!」

 

二人が中にいるほまれとハリーに叫ぶ。

 

 

 

「人の気も知らないで……」

 

二人の声は無事に中へ届いていたが、ほまれはエールの叫びに呆れながら呟く。

 

「でも……自分で言ったんだから、やるしかないか……!」

 

だが彼女は底まで落ちてからそう呟くと、胸元から光が生じ、再びエトワールに変身。回転しながら海の底から出て来た。

そして周囲の床が凍ると同時に、エトワールのヒールにスケート用のブレードが作り出され、その上を滑る。

 

「どうして……?」

 

「沈んだ分、高く跳ばなきゃね!」

 

「ふざけるな!」

 

ビシンがそう吐き捨てるとローブを脱ぎ捨て、ジクウドライバーを取り出す。

 

『ジクウドライバー!』

『ビシン!』

 

「変身!」

 

ジクウドライバーを装着し、ビシンウォッチを装填するとドライバーを回した。

 

『ライダータイム!仮面ライダービ・シ・ン!』

 

仮面ライダービシンとなり、エトワールに敵意を向ける。

 

『ジカントンファーガン!』

 

そしてエトワールに向かってトンファーを振り回し攻撃を繰り出すと、エトワールはジャンプで躱しながら避ける。

 

「何で!心の痛みに潰れない!痛みを抱えて行くつもりかよ!そんなの、辛過ぎるだろ!」

 

「……そうだね」

 

ビシンが跳びかかってエトワールに攻撃を行うが、避けられる。しかもエトワールの繰り出したキックが、ビシンが身に付けていた装置に叩き込まれて破壊された。

 

「アンタと私は似てる。嫌になる位にね」

 

「ふざけるな……!」

 

「ハリー……何も聞かないよ。

こんなやり方、フェアじゃないから。

その代わり、私の気持ちをもう少しだけ内緒にさせて」

 

エトワールがハリーに向けて微笑むと同時に、空間が崩壊した。

 

 

 

すると、外の猛オシマイダーから光が放出された。

 

「光が……!」

 

ソウゴ達が煙に包まれて元の姿に戻る。

 

「よかった〜!元に戻った〜!でも、王冠とマントは残したかった……」

 

元に戻れたのはいいが、王様と言う地位に立ってたのは事実だから、少々勿体なかったとソウゴは感じた。

すると上空から、ハリーの肩を抱き支えながらエトワールが出て来た。

 

「ハリー!」

 

「エトワール!」

 

「ありがとう。声が聞こえたよ」

 

「うん!」

 

エトワールがエール達にお礼を言っていると猛オシマイダーが小さくなり、元の姿に戻る。

 

「ハリーをお願い」

 

「わかった」

 

エトワールはソウゴにハリーを預け、肩を貸してライダー組はみんなから距離を取る。

 

「一気に行くよ」

 

「「「「「メモリアルキュアクロック!チアフル!」」」」」

 

ミライパッドがメモリアルキュアクロックに変化し、エール達とはぐたんからそれぞれのパーソナルカラーのハートが飛び出す。

 

「「「「「ミライパッド!オープン!」」」」」

 

右腕を真上のメモリアルキュアクロックにかざすと同時に、画面のハートの型にはまる。

 

「「「「「プリキュア!チアフルスタイル!」」」」」

 

そして扉が開くと同時に中から無数のハート型エネルギーが降り注ぎ、エール達がチアフルスタイルに変身する。

 

「「「「「メモリアルパワー!フルチャージ!」」」」」

 

チアフルスタイルに変身した五人はパワーをメモリアルキュアクロックに集める。

 

「「「「「プリキュア!チアフルアターック!」」」」」

 

六色の五つ葉のクローバー型エネルギー弾を発射するチアフル・アタックを放つ。

紫、赤、黄色、水色、ピンクのハートの順に猛オシマイダーにぶつかり、最後にはぐたんがハグするポーズをして虹色のハートに包み込み、猛オシマイダーを浄化させた。

 

「う……うぅ……ソウゴ……」

 

「ハリー、眼が覚めたんだ」

 

オシマイダーが浄化されたのと同時にハリーが目を覚ました。

 

「何終わった気になってんの?」

 

浄化されると今度はビシンが現れ、ソウゴ達の前へと降りた。

 

「ゲイツ、ウォズ……ハリーをお願い」

 

ハリーを地面に座らせると、ソウゴがビシンの前に出る。

 

「邪魔しないでよ。オーマジオウ」

 

「ハリーは渡さない。絶対に!」

 

『ジオウ!Ⅱ!』

 

ジオウウォッチⅡを分割しドライバーの左右に差し込み、ソウゴの後ろから二つの時計のエフェクトが現れる。

 

「変身!」

 

ドライバーを回すと二つの時計は左右対象に止まり、ソウゴの体をアーマーが纏う。

 

『ライダータイム!仮面ライダー!ライダー! ジオウ・ジオウ・ジオウ!Ⅱ!』

 

「ふん!ハリーの前に、君達に見せてあげるよ。僕の新しい姿を」

 

ジオウⅡへと変身したのを見たビシンは、トラウムから預かったライドウォッチを腕のホルダーから取り出す。

 

『G4!』

 

「ライドウォッチ⁉︎」

 

『アーマータイム!〈ブゥゥ〜ン!〉G4!』

 

ジクウドライバーのD'3スロットに“G4ライドウォッチ”を差し込み、時計回りに回すと前方に白いボディスーツのようなアーマーがビシンの体に取り付けられ、仮面ライダービシン・G4アーマーとなる。

 

「なんだあれは?」

 

「あれは、仮面ライダーG4。仮面ライダーアギトの時代に現れたダークライダーだ」

 

「ダークライダー?」

 

「簡単に言えば、我々の知る仮面ライダー達とは対をなす邪悪なライダー達だ」

 

「そんな奴らの力を……」

 

「恐らくドクタートラウムが、ダークライダー達の歴史に介入したと思われます……」

 

ダークライダーの説明をするウォズの話を聞いたアムールが彼の事を思い出していると、ダークライダーの力を得たビシンはジオウⅡへと戦いを挑む。

 

「はぁぁ!」

 

「くぅ……」

 

アーマータイムでパワーの上がった腕力でトンファーをサイキョーギレードで受け止め、両者共攻撃を繰り出し続ける。

 

「これならどうだい〜」

 

ビシンがジオウから距離を取る。

 

『フィニッシュタイム!G4!』

 

ウォッチのボタンを押し、ロックを解除したドライバーを回すと、巨大なランチャーを出現させ、ジオウに向ける。

 

「えッ⁉︎」

 

『ギガントタイムデストロイ!』

 

強力なランチャーからミサイルがジオウにむけて放たれた。

ミサイルはジオウの周囲に直撃、ジオウが爆風に吹き飛ばされた。

 

「うわぁぁぁ!」

 

「まだまだよ!オーマジオウ!」

『オーガ!』

 

また違うウォッチを取り出すと、そのウォッチをドライバーへと装填した。

 

『アーマータイム!コンプリート…オーガ!』

 

今度は黒と金色の線が刻まれたアーマーを纏い、腰から下半身にかけてコートの裾のようなローブが付いている仮面ライダービシン・オーガアーマーに変身した。

 

「今度は仮面ライダーオーガか……」

 

「オーガって……」

 

「あれは、ファイズの時代のダークライダーだ……」

 

『フィニッシュタイム!』

 

ウォズがオーガについての説明をしていると、オーガアーマーとなったビシンが再びドライバーを回す。

 

「なんの!」

『フィニッシュタイム!』

 

ジオウもジクウドライバーを操作し、ピンクと金色の『キック』のエフェクトがビシンを囲むと、ジオウは高く飛び上がりキックの態勢になる。

 

『トゥワイズタイムブレーク!』

 

『エクシードタイムデストロイ!』

 

ジオウの放ったトゥワイズタイムブレークが、黒と金色のエネルギーを右足から放つビシンのキックとぶつかる。

 

「くぅ……」

 

そしてキックのぶつかりが終わると二人共着地するが、ジオウはバランスを崩してしまう。

 

「凄いよ。このダークライダーの力!そうだ!これも!」

 

ビシンはこの調子のまま、トラウムから貰ったまだブランクな歯車型のウォッチを取り出す。

 

「っ⁉︎」

 

「エトワール!」

 

「はぁぁ!」

 

するといきなりエトワールが飛び上がり、ブランクウォッチを装填しようとしたビシンの手からウォッチを奪った。

 

「お前……!」

 

「エトワール‼︎」

 

「ハリー!使って見て!」

 

エトワールが奪ったウォッチをハリーに渡す。

 

「せやけど……これは……」

 

このウォッチはクライアス社が作ったウォッチ。普通のウォッチとは違う。

 

「ハリー!想うんだよ!そのウォッチで何をしたいのかを願うんだ!」

 

ジオウは以前、自身が使用していたミステリーフレアウォッチが復活した時のように、強い思いにウォッチが応えることを思い出しながら叫ぶ。

 

「せやな……やってやる!」

 

その言葉を思い出すと、ハリーはウォッチを握りながら見つめる。

 

(俺に……はぐたんを……ほまれやソウゴ達を……助ける力を!)

 

そう願うと、ハリーの握っていたウォッチが光り出した。

そして、ブランクウォッチから黒いものが錆びの様に剥がれ落ち、黒から青と紫の混じった混合色のカラーとなったウォッチが生まれた。

 

「新しいウォッチだ!」

 

「ハリー!」

 

「おぉ!」

 

エトワールに返事を返すと、ハリーはドライバーを腰に装着し、自身のウォッチを差し込む。

 

『ハリー!』

「変身!」

 

そのままドライバーを回し、背後の時計の針がそれぞれ2時と50分を指すとアーマーがハリーの体に纏われる。

 

『ライダータイム!仮面ライダーハ・リー!」

 

仮面ライダーハリーへと変身すると、次にハリーは歯車のギアの形をしたウェイクベゼルを一回転させる。すると、真ん中がライダーの顔となり、すぐさまスイッチを押す。

 

『ギアジェット!』

 

「ギアジェット?」

 

ジオウがウォッチから流れた音声に疑問を浮かべているうちに、ハリーは“ギアジェットライドウォッチ”を装填する。

すると、ハリーの周囲にブースターが武装されているアーマーが現れ、ドライバーを回すとハリーに装着される。

 

『ジェットタイム!導け!切り開く世界!ハリー!ギア!ジェット〜!』

 

ハリーの姿が、背中には二本のブースター、足にはローラが取り付けられ、アーマーカラーが青のモノへと変わった。

 

「ハリー……」

 

「ハリーの新しいフォームなのです!」

 

「凄い……」

 

「ハリ〜!スゴギョイ〜!スゴギョイ〜!」

 

「これは……私のプライドに掛けて、祝え!運命の歯車が回り!導く未来を目指し!新たな世界へと切り開くライダー!その名も仮面ライダーハリー・ギアジェット!まさに新たな1ページが開いた瞬間である!」

 

ウォズがいつもの祝いを叫ぶと、ビシンの方に身体を向けながらハリーが構える。

 

「どうして、どうしてなんだよ!」

 

ビシンはジオウからハリーへと向かっていく。

 

「ッ……」

 

それを見たハリーの背中に装着されたジェットが火を吹き、ビシンへと飛ぶ。

 

「なんでさ!なんでなの!ハリー!」

 

ビシンがラッシュを繰り出すと、ハリーもラッシュで応戦する。

 

「ビシン……」

 

「なんで僕じゃなくて!あいつなんだよ!」

 

「っ⁉︎」

 

ビシンのその言葉で、ハリーは一人の少女の存在を思い出す。

 

「俺は決めたんや!未来を信じるてな!」

 

ハリーはビシンから離れると地面へ降りる。

 

『フィニッシュタイム!』

 

ウォッチのボタンを押した状態でドライバーを回すと、ハリーが腰を低く構える。

 

『ジェットタイムフィニッシュ!』

 

そしてローラで地面へ滑り加速すると、ジェットが火を吹き突撃する。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

「グフゥッ!?」

 

その加速を利用し、ハリーのライダーパンチがビシンに決まるとビシンは変身解除となる。

 

「くぅ……ハリー……」

 

「ビシン……もうやめへえんか」

 

ハリーも変身解除し、もうやめようと言う。

 

「ッ⁉︎……ハリー、いつか君を救けるよ。

そして、僕だけの物してあげる。待っててね」

 

ハリーにそう告げて、ビシンは去っていった。

 

「ビシン……」

 

「ハリー……」

 

その時エトワールは、ハリーの顔がとても悲しそうな顔になっている事に気付くが、彼女は何も言わず、彼の後ろ姿と、さっきまでビシンが立っていた場所を見届けるのだった。

 

 

 

クライアス社の会議室へとビシンが帰還すると、ジクウドライバーを見つめながら、ハリーと同じネズミの姿に変わる。

 

「これなら行ける……これさえあればハリーを……!そして、アイツも……!」

 

ダークライダーウォッチを見て、ビシンはこの力があれば行けると思う。

 

「ビシン」

 

するとビシンの下にリストルが現れ、彼もネズミの姿に戻る。

――リストルも、ハリーとビシンと同様の存在だったのだ。

そしてビシンがリストルの胸元へ移動し、リストルは何も言わずに彼を優しく抱き締めた。

 

 

 

 

ソウゴ達は公園に集まり、猛オシマイダーの中で何があったのかと話し合う。

 

「ソウゴ……裸の王様になったの?」

 

「うん……格好はともかく、王冠とマントは残したかった〜!」

 

ソウゴは格好よりも王冠とマントだけは残しかったという。

 

「それよりも、中で何があったのですか?」

 

「右に同じ」

 

えみる達はそう質問するが、ハリーは人魚姫の世界での出来事を覚えて無かった。

 

「そうなんだ」

 

何もなかったと言うと、ほまれがハリーに近づく。

 

「私の前では、しばらくその姿でいないでくれる?大会に集中したいから」

 

「へっ……?」

 

ハリーの両頬を掴み、そう伝える。

はまれは自分の想いを今は胸に秘めたまま、次の大会でも頑張る事を誓うのだった。

そしてハリーは守りたいものを守るために、新たにギアジェットライドウォッチを手に入れた。

 


次回!Re.HUGっとジオウ!

 

第42話 2008: まさかの初恋⁉︎宇宙からのライダー!

 

 




おまけ

ギアジェットウォッチ「うい〜〜っす!新人のギアジェットウォッチでぃ〜す!シクヨロで〜す先輩方!!」

轟鬼ウォッチ「テメーこのヤロォォォォォォ!!!!俺より先に使ってもらったからっていい気になってんじゃねぇぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

アギトウォッチ「お前は使ってもらえる可能性があるからまだいいよな轟鬼………俺なんか、使ってもらえるかどうか怪しいってのに・・・」

カリスウォッチ「大丈夫だアギト!お前はきっとジオウかゲイツが使ってくれるから!希望を捨てるな!!」

ゲンムウォッチ「ヴェハハハハハ!!その通りだアギト!貴様の場合は()()()()()ジオウ本編で使って貰われなくとも、最終形態アイテムを生み出す鍵になるから大丈夫だぁ!!」

アギトウォッチ「ゲンムゥゥゥゥゥゥオオオオオオオ!!!!!!」

ウォッチ達にも色々覇権があるのです。


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