Re.HUGっとジオウ!   作:yu-ki.S

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ウォズ「この本によれば、普通の中学生 時見ソウゴ。彼には魔王にして時の王者『オーマジオウ』となる運命が待っている。
彼は仮面ライダーキバ・紅渡と出会い、心の傷から立ち直り、再び王への道を歩み続ける。
だがそんな中、我が魔王達の秘密を探ろうとする者が見られるようで……」


第45話 2018: 秘密の調査開始!クライアス社超アップ⁉︎

ある日の夜、ことりがリビングでノートパソコンを開いていた。

 

(お姉ちゃん達が行く所には、プリキュアと仮面ライダーが現れる……

そういえば、お姉ちゃん達とプリキュアに仮面ライダーが一緒にいる所を見た事なんて一度も無かった……)

 

姉であるはなやその友達であるソウゴ達の正体を知った旅行の時から、ことりはその確固たる証拠を掴もうとしていた。

その為にもネットサーフィンを行なっているのだが、その途中で手を止める。

 

(無い……)

 

ネットを使いプリキュアと仮面ライダーの動画や静止画などを探し、みんなが戦うシーンはちゃんとあることを確認することはできた。

しかし、肝心の変身した手掛かりは一つも見当たらなかった。

 

「こうなったら、お姉ちゃん達を完全にマークして、完璧な証拠を見つける!」

 

ことりは椅子から立ち上がってそう叫び、拳を握り締めた。

一方、二階のはなの部屋では、当の本人はそんな事も知らぬままはぐたんと寝言を言いながら一緒に寝ていた。

 

 

 

そして翌朝、森太郎がキッチンでオムレツを作っていた。

 

「ハリー、卵二つでいいかな?」

 

「はいー!いっつもご馳走になってもろてスンマセン!」

 

「いいのいいの。みんなで食べた方が楽しいもんね」

 

「オムレツー!オムレツー!」

 

ハリーがすみれ達にお礼を言っている横で、はながオムレツに目を光らせていた。

 

「はぐたん。どうぞ召し上がれ」

 

ルールーがはぐたんにおにぎりを差し出す。

 

「いただきまーす!」

 

「いただきまーしゅ!」

 

朝食のオムレツを嬉しいそうに子供みたいな食べ方で食べるはなを、ことりはジッと見つめる。

 

(やっぱり思えないなぁ……キュアエールがお姉ちゃんだなんて……)

 

改めて見ると、やはりはながキュアエールだなんて信じられなく、自分の目を疑い始めていた。

 

「ことり?どうかしましたか?」

 

ずっとはなだけ見つめることりにルールーが話しかける。

 

「いや、別に……(ルールーは……キュアアムールだっけ)」

 

彼女の顔を見てルールーがキュアアムールだというのは、わかるような気がした。

 

「私の顔に何か付いてますか?」

 

「あ、ううん。付いて無いよ」

 

「あげないよ!これは私のオムレツだから!」

 

はなはそう言って皿を遠ざけると足が滑ってしまい、更に壁に当たってオムレツが皿から離れて飛んで行く。

だがハリーが口でキャッチし、そのまま食べてしまった。

 

「めちょっく……!」

 

(ハリーさんはあの紫の仮面ライダーで、鎖みたいの使ってた……)

 

ハリーが仮面ライダーになった時の戦いも見ていたことりは、金色の鎖を利用して化け物を拘束している姿を思い浮かべる。

 

(こうして見ると……みんな、あの化け物と戦ってるんだ)

 

エール達が自分を始めて助けてくれた時とあの旅行での戦いを思い出しながら、はなにルールー、ハリーを見ていつも危ない事をしているのだと思っていた。

 

「返して……!返して……!」

 

ことりがそんな思想している近くで、はなはすぐさまハリーに食べたられたオムレツを返すようせがむ。

 

「(これで、キュアエールって……)

お姉ちゃんって……本当にお子ちゃまね……」

 

そんなはなを見て呆れ、キュアエールの時と雰囲気が違うと思いながらそう心中で呟いた。

 

 

 

それからことり達は学園へと向かい、授業が始まってしばらくして放課後となった。

 

「はい。どうぞ」

 

中庭でソウゴ達が集まると、今日はソウゴがアップルパイを持ってきた。

 

「やっぱり何度食べても美味しい!」

 

「この皮のサクサクがたまりません〜!」

 

皆んながアップルパイを美味しそうに食べていると、ソウゴがルールーをチラ見する。

 

――私がソウゴの傘になります…

 

(何で、そんな事言ったんだろ……)

 

あの時に言われた事を振り返るソウゴの様子を、柱の影からずっとことりが調査していた。

 

(さあやさんがキュアアンジュで、ほまれさんがキュアエトワール。これも分かる……そして……)

 

アンジュとエトワールの二人も似ている事に気づく中、ことりがソウゴをジッと見る。

 

(時見さんが……仮面ライダージオウ……)

 

ジオウは、ことりが危なかった時に何度か助けてくれた。そして同時に、ソウゴだけ旅行の時にジオウに変身したのを見ている。

 

(こうして見ると全然見えない。ただの王様、王様って言ってる変な人なのに)

 

案の定と言うべきか、ことりはソウゴの事を王様と言ってる変な人だと思っていた様だ。

 

「ことりちゃん?」

 

「何をやってるのですか?」

 

「…!プリキュア…⁉︎」

 

「「うぇぇ⁉︎」」

 

たまたま声をかけたことりがいきなりプリキュアと言い出し、ツクヨミとえみるは上擦った声を出しながら驚く。

 

「ツクヨミお姉ちゃんにえみるちゃん……」

 

二人が現れて、ことりが二人もみんなと同じだと気づく。

 

(…えみるちゃんもプリキュアで、最近よくお姉ちゃん達といるようになったのもわかる。それに、ツクヨミお姉ちゃんもいつも一緒だからみんなと同じ)

 

「な、な、な、何の事……?プリキュアがどうしたのです……?」

 

「(えみる……落ち着いて)」

 

でもツクヨミはプリキュアでもライダーでも無かったから、はな達のサポーター的な役割なのかな?と考えていることりを前に、ツクヨミは小声で狼狽えているえみるにフォローするように言う。

 

「あ、えっと、その……(流石にこんな所で言う訳にも行かないし……)」

 

ツクヨミとえみるとことりがグラウンドの辺りに場所を変え、ベンチに座る。

 

「こんな所に来てどうしたの?」

 

「えみるちゃんとツクヨミお姉ちゃん、ちょっと聞いてもいい?」

 

「な、何をですか?」

 

ことりは真剣な表情でツクヨミとえみるに尋ね、二人はその迫力に冷や汗を垂らす。

 

「キュアエールの正体って―――」

 

「キュアエールだぁ⁉︎」

 

ことりが二人にキュアエールについて聞こうとしたが突如、ソウゴ達と同じクラスの男子・郁人が走りながらこちらに向かって来て、三人とすれ違った直後に足を止めて踵を返す。

 

「キュアエールさんがいるのか⁉︎ どこにいるんだ⁉︎」

 

「何者なのです⁉︎」

 

「俺?俺はキュアエールさんファンクラブの会長!千世郁人だ!」

 

郁人は『キュアエールさん命』と書かれた帽子を被りながら自己紹介する。

 

「キュアエールさんファンクラブ……?」

 

「いつの間に出来たのよ。それ……」

 

「郁人、待ってよ。プリキュアはこんな所にいないよ」

 

今度は日生が現れ、郁人にそう告げる。

 

「日生君……」

 

「ことりちゃん」

 

「何だ、知り合いか?」

 

「忘れちゃったの?野乃さんの妹さんだよ。ルールーさんの歓迎会の時もいたじゃないか」

 

「ああそうか、野乃の家でやったもんな。野乃の妹も、キュアエールさんのファンなんだな」

 

「はい……?」

 

「ファン⁉︎」

 

郁人が両手でことりの手を掴んでそう言い、えみるとツクヨミの二人が目を見開く。

 

「その気持ちは分かるぜ。あの日から、俺はキュアエールさんに心を―――」

 

「助けて貰った恩人だもんな」

 

その時はオシマイダーが最初に現れ、はながエールに初めて変身した日の事で。ちなみに丁度、ソウゴもジオウへと初めて変身したのもこの日だった。

 

「そうなんだよ。それでさ―――」

 

今度は夕焼けの中で、エールがクールに去る光景を浮かべる。

 

「何かキャラが違うのです」

 

「むしろそんな事は……」

 

キュアエールの正体を知るツクヨミとえみるは、彼女はそんなキャラではない……ましてや、はなだからと思っていた。

 

「そんなシーンあったかな?」

 

「いいんだよ!とにかく俺は、カッコ良くて可愛くて、最強のキュアエールさんに会いたいんだよ!」

 

郁人がその場に踏みとどまり、周囲を見回す。

 

「何なのです?」

 

「またか……」

 

「えっ?」

 

「またって何?」

 

ツクヨミが日生に今の言葉の意味を聞こうとすると…

 

「プリキュアの気配がする!」

 

「は?」

「でええっ⁉︎」

 

「何で分かるの?」

 

「行くぞ!」

 

日生の言葉を無視し、プリキュアの気配を感じ取った郁人が、ことりとツクヨミの手を掴んで走り出す。

 

「キュアエールさんファンクラブ会員三号!四号!」

 

「はい~⁉︎」

 

「いつ会員に~⁉︎」

 

ことりは突然彼のファンクラブに入っていた事に驚き、混乱していた。ツクヨミに関してはとんだ迷惑だった。

 

「待ってよ!てか会員二号って僕⁉︎」

 

日生がことりとツクヨミを無理矢理連れて行った郁人の後を追う。

 

「意味が分からないのです……」

 

一人取り残されたえみるは、意味が分からないと呟いていた。

 

 

 

 

クライアス社のトラウムが居る研究室へ、リストルとビシンが赴いていた。

 

「来たね。例のものなら進んでいるよ〜」

 

二人が来たのを確認すると、トラウムが上機嫌にガラスケースにあるものを取り出し、手にかざした。

 

「二人のライダーとなったデータを基にして君達二人にあった新型ウォッチだよ」

 

ビシンはハリーが使用しているギアジェットウォッチと形が類似したウォッチを見つめる。

 

「ねぇ、ドクター。これさえあれば、ハリーも取り戻せるし、負け犬のゲイツも倒せる?」

 

「まぁ、君次第に使いこなせばいけるだろう」

 

「そうか……」

 

ビシンは新型ウォッチの完成に待ち焦がれる。

 

「完成はどれほどでしょうか?」

 

「そうね。次回に君達が向かう時には完成させておくよ」

 

「我々には時間がないのでお早く」

 

リストルに軽く返事しながら、トラウムは今自身が開発しているリストルとビシンの専用新型ウォッチを見て、これが完成すればジオウ達を追い詰めるものになるかもしれない。そう思考していた。

 

 

同じ頃、クライアス社のジェロスの部屋のベッドの上で、ジェロスが膝を崩す。

 

「リトルバイリトル……誰も来ない……」

 

彼女は何やら、ベッドの上で何か沈んだ顔で呟いていた。

 

「私の元から……みんな去って行く……ホワイ…?何故戻って来ないの……?私から美しさが、失われているから……?」

 

部下の二人も彼女から離れ、彼女は心が既に孤独に苛まれていた。

 

「時と共に、私の能力が……輝かしい私が曇って行く……!」

 

自己嫌悪に陥った彼女は端末を時計に向けて投げ、時計を壊す。

 

「何で……戻らないの……戻って来なさい……!あの時よ…ッ!輝かしい私の……時間……!」

 

その時、悲しみから溢れるジェロスから巨大なトゲパワワが発生した。

 

 

 

 

キュアエールクラブの四人が来たのは、公園にあるたこ焼き屋だった。

その隣には、クライアス社を辞めたタクミが焼き芋屋をしていた。

 

「はいらっしゃい!」

 

「タコ焼き……あの、プリキュアは?」

 

「はぁ〜……(キュアエールと全然関係ないじゃん)」

 

ツクヨミは良かったような気がするが、全く当てにならない郁人のプリキュア気配察知に呆れていた。

 

「感じたのは、プリキュアの気配じゃなくて、ソースの匂いだったのか」

 

「お腹空いてたんですね。てか、どうしてこんな事に……」

 

「まあよくある事だ」

 

「よく……⁉︎」

 

「それってダメじゃん……」

 

「心配すんな」

 

郁人はそう言うと、ツクヨミとことりと日生に帽子を被せる。

 

「ファンクラブが力を合わせれば、必ずキュアエールさんに会える。なっ、日生」

 

「いや……だから僕はいつから会員に……?」

 

「会員三号、四号。タコ焼き奢ってやる。入会祝いだ」

 

「いや。私は、会員じゃ……んん…」

 

ツクヨミは否定したいが、郁人のテンションじゃ断るのは難しいと感じていた。

 

「ありがとうございます。けど、割り勘で結構です。今計算します」

 

「えっ?いいよいいよ」

 

「ヘッポコの野乃の妹なのに、しっかりしてんな。お前のお姉ちゃんって、本当におっちょこちょい―――」

 

「だーれがヘッポコだぁ!」

 

郁人の発言に反応したのか、四人の前に突如現れたはなが叫ぶ。

 

「だぁぁっ!?野乃……⁉︎」

 

「また野乃さんがタコ焼き屋に?」

 

「はな、なんでここにいるの?」

 

「たまに手伝ってくれてんだよ」

 

以前に行われたはぐくみフードフェスティバル以来、はなはたまにこのタコ焼き屋の手伝いをしていた。

 

「まだまだ修行中だけどな。ま、頑張ってんのは良い事だ」

 

「野乃さんの焼いたタコ焼き、食べてみたいな」

 

「丁度焼いたのあるよ」

 

「ありがとう」

 

はなは日生にタコ焼きを渡すと、郁人にも自分の焼いたタコ焼きを渡そうとする。

 

「俺は親父さんので」

 

「ああん…⁉︎」

 

「キュアエールさんに会いたいのに、何で野乃が……?」

 

「めっちゃ失礼!てかその帽子何⁉︎」

 

「キュアエールさんファンクラブの証だってさ」

 

郁人にガンを飛ばすはなにツクヨミが小声で伝えると、はなの顔から笑みが出る。

 

「ファンクラブ?照れますなぁ~」

 

「ちょっと……顔に出さないで……」

 

顔に出ると正体がバレる可能性がある事を心配するツクヨミ。

 

「何で野乃が照れるんだよ?」

 

だか小首を傾げながらそう呟く郁人を見て、気づいてなくて良かったとホッとした。

 

(そりゃまあ、照れるよね……)

 

なぜ姉が照れているのか気付いていたことりは、ホント単純だなーと呆れていた。

 

「じゃ、みんなの分」

 

「毎度」

 

郁人が四人分のタコ焼き代を支払う。

 

「この音……プリキュア⁉︎」

 

「「えっ?」」

 

「行くぞ!」

 

何かの音を聞き取った郁人が走り、ことりが後を追う。

 

「一緒に行くから、心配しないで!」

 

「あ、うん」

 

日生がはなにそう伝え、二人の後を追った。

 

「プリキュア探し?けど、何でことりも一緒に?」

 

「まぁ、成り行きの感じだけど……とにかくバレないように私が見とくから」

 

「お願いね。ツクヨミ」

 

ツクヨミが監視役という形で、ことり達の後を追いかける。

 

 

次に訪れたのは工事現場だった。因みにそこではジンジンが工事のバイトしていた。

 

「何だ工事の音かよ……」

 

「全然プリキュアじゃないじゃん!」

 

(さっきいたけどね……)

 

ツクヨミが先程キュアエールであるはなと出会った事を思い出していると、四人は池のほとりのベンチに座り、タコ焼きを食べ始める。

 

「キュアエールさん、どこにいるんだよ……」

 

「………やっぱり、簡単には会えないよね…」

 

キュアエールの正体を薄々お察していることりは微妙な顔で答えると、ツクヨミはさっきから気になっていたことを問い掛ける。

 

「ことりちゃんは、どうしてキュアエールに会いたいの?」

 

「証拠が欲しくて……」

 

「証拠?」

 

「……あの、キュアエールがお姉ちゃんと似てるって言ったら、どう思いますか?」

 

ツクヨミがことりの発言を聞き、キュアエールの正体がバレたかと驚きながら危機感を感じ出す。

 

「キュアエールさんと野乃が?無い無い。全然似て無いって」

 

だが郁人は野乃はながキュアエールではないかと聞き、絶対無い――それどころか、100%通り越して1000%あり得ないと話す。

 

「――やっぱり、そうだよね……

うちのお姉ちゃん、昔からおっちょこちょいだから……

バナナの皮があれば必ず転ぶし、池があれば必ず落ちるし、いつもお騒がせして……」

 

それを聞いたことりは、もし自分も“姉がキュアエールである”という前情報が無ければ、姉がプリキュアである訳が無いと考える所か、あの化け物が姉のせいで何だかの理由で生成され、それでプリキュア達に迷惑を掛けていたのではないかという考えが浮かんでいたのでは?とすら思えていた。

 

「はぁ……」

 

やっぱりあの光景は見間違いだったのかなと徐々に思い始めたことりを見て、またしてもツクヨミがエールの正体がバレずに済んだことにホッとしたような顔になった。

 

「僕は、似てるって思う。

それと、君のお姉さんは凄く素敵だと思う」

 

「えっ?」

 

しかし、日生はキュアエールとはなは似ていると話し、更に素敵な女の子だと思っていることを語る。

 

「いつも笑顔で、いつも元気に。それに、いつも誰かの為に頑張ってる。それが野乃さん。

それって、誰でも出来る事じゃないし、凄い事だと思う。

キュアエールも、きっとそうだよ」

 

「日生……急にどうしたんだ?」

 

「あ、いや、その……」

 

「ぷくく…もしかして……あっ!」

 

ことりが日生から何かを察したその時、突風が起こり、ことりの帽子が飛ばされてしまう。

 

「待ってー!」

 

彼女は帽子を追うが、帽子は池の中に落ち、ことりも池に落ちそうになってどうにか止まろうとするが、足元が崩れてしまう。

 

「ことりー!うわっ!」

 

その時。はながすぐさま駆け付けるが、落ちてたバナナの皮で滑り、そのまま池に落ちる。

なおことりは踏みとどまった為、落ちる事はなかった。

 

「はな!」

 

「野乃さん……!」

 

「何でアイツいきなり……!?」

 

「ことり、大丈夫?」

 

「お姉ちゃんこそ大丈夫?」

 

「めちょっく……」

 

「もう、びしょ濡れじゃん……」

 

ことりがびしょ濡れの姉に呆れていると…

 

「でも良かった」

 

「えっ?何で?」

 

「ことりが無事だったから」

 

「おーい、どないしたんや?」

 

「あっ!みんなー!」

 

妹が池に落ちなかった事にはなは安堵しているとソウゴ達が現れ、見掛けたはなが手を振る。

 

「何やってんのはな?どこに行ったと思ったら……」

 

「ここで水浴びですか?理解不能」

 

「ずぶ濡れだけど、大丈夫……?」

 

ソウゴがずぶ濡れになっているはなを心配していると、はなは濡れてしまった事で気分が落ち込んでいた。

 

「せっかく遊びに来たのに……」

 

「あそぼ!あそぼ!」

 

「どうしよう……拭かなきゃ」

 

「と言っても、タオル持って来て無いしな……」

 

「本当に……お姉ちゃんって……」

 

ことりはそう言うと、駆け足でタオルを買いに向かう。

 

「ことりちゃん?」

 

「タオル、買って来ます!」

 

「待って!僕も行くよ!」

 

日生はことりの後を追う。

 

「お前ら……しょうがねぇな」

 

郁人も二人の後を追い、三人でタオルを買いに向かった。

その様子を見届けたソウゴは、ツクヨミに何故ことり達と一緒にいたのか問いかける。

 

「ねぇ、ツクヨミなんで一緒だったの?」

 

「まぁ、その場の流れで言うか……」

 

「しかし、お前が他の奴と一緒にいるのは珍しくていいがな」

 

「ちょっとゲイツ。茶化さないで」

 

ツクヨミがゲイツに茶化されて、みんなが笑いあっていた。

 

 

その頃ことりはコンビニへ向かう中、はなの事を考えていた。

 

(お姉ちゃんが……キュアエール。

考えてみれば、キュアエールはお姉ちゃんのように、誰かの為に頑張っている)

 

日生の言ったことを考えると、本当にキュアエールが姉であると感じだす。

そのまま三人がコンビニに訪れるとその直後、砂時計猛オシマイダーが現れ、地面に拳を叩き付ける。

 

 

その時の爆音は、離れていたソウゴ達にも聞こえた。

 

「猛オシマイダーや!」

 

「あっちは確か、ことりちゃん達の行った……!」

 

「ことり……!」

 

 

ことりが危ないと感じたソウゴ達が変身アイテムを取り出していた頃、砂時計の猛オシマイダーは街の中を暴れていた。

 

「早く逃げよう!」

 

猛オシマイダーから三人が逃げるが、ことりが足を崩す。

 

「怖くて……足が……!」

 

「心配すんな!ここは俺が引き付ける!」

 

「でも……」

 

郁人だけではあの怪物をどうにかするのは無理だ、とことりが言いかけるが…

 

「キュアエールさんなら絶対に助けに来てくれる!それを信じて、頑張って走るんだ!」

 

郁人が猛オシマイダーの引き付けに向かう。

 

「おーい!こっちだ!やーいやーい!へっへーんだ!」

 

郁人が猛オシマイダーを誘い込む。

 

「郁人……よし……!こっちに来るんだ!」

 

誘い込ませている間に、ことりと日生が逃げようと試みる。

 

『フィニッシュタイム!ギリギリスラッシュ!』

 

その時ジオウが現れ、ジカンギレードでオシマイダーに斬りかかり。

 

「たぁぁ!」

 

エールが最後にキックを放ち、猛オシマイダーが倒れると二人の前に着地したエールがことりに帽子を被せ、その直後にジオウが着地する。

 

「キュアエール……」

 

「仮面ライダージオウ……」

 

「危ないから下がってて」

『オーズ!』

 

ジオウはオーズのライドウォッチをD'3スロットに装填すると、前からオーズのアーマーが出現し、ドライバーを回す。

 

『アーマータイム!タカ!トラ!バッタ!オーズ!』

 

オーズアーマーを装着し、猛オシマイダーへと向かっていく。

すると、エールがことりの方を向く。

 

「どこにいても、助けるから」

 

「えっ……?」

 

エールのこの言葉に、ことりがある事を思い出す。

 

 

―――それは小さかった頃、雨の降る中で公園の遊具の下で雷に怖がっていた所に、はなが傘も差さずに来てくれた時の記憶だった。

 

 

「お姉ちゃん……」

(やっぱり、キュアエールは……)

 

ことりは今の台詞を聞き。エールの正体が、はなと言う完璧な証拠を見つけた。

砂時計猛オシマイダーが突進して来ると同時に、エールが跳ぶ。

 

「フェザーブラスト!」

「スタースラッシュ!」

 

アンジュとエトワールの放ったフェザーブラストとスタースラッシュが命中し、砂時計猛オシマイダーが倒れる。

 

「はああああぁぁぁっ!」

 

エールがアッパーを叩き込んだまま上に跳ぶ。

猛オシマイダーが地面に落下してから、エールが着地する。

 

「キュアエール……」

 

「いつも、誰かの為に頑張って……」

 

「頑張ったって何なるのよ。結果が全て!」

 

そこへ、今までと変貌したジェロスが現れ、彼女が手を叩くと猛オシマイダーは起き上がった。

 

「オシマイダ〜!」

 

猛オシマイダーは回転し出し、砂の塊のような物をジオウ達に繰り出した。

 

「「「「うわぁぁぁ!」」」」

 

「はぁぁ!みんな!」

 

トラクローZでジオウは砂塊を防いだが、他のみんなは直撃だった。

 

「オシマイダー!ジオウを早く倒しなさい!」

 

オシマイダーは残ったジオウへと突撃をかける。

 

『タイムマジーン!』

 

するとジオウのタイムマジーンが現れ、猛オシマイダーにキックを放った。

 

「ソウゴ!大丈夫!」

 

「ツクヨミ!ありがとう!」

 

どうやら、ツクヨミがタイムマジーンを操縦していたようだ。その後、ツクヨミははぐたんとタイムマジーンを降りてジオウと変わる。

 

「よし!」

 

ジオウは操縦レバーを握り、タイムマジーンを戦闘モードへと変形する。

 

「行くぞ!」

 

ジオウフェイスモードに変わり、ジオウのタイムマジーンがパンチとキックを連続に繰り出し続ける。

 

「オシマイダー!そんなロボットに何を手こずってるの!」

 

ジェロスのトゲパワワが伝わったのか、猛オシマイダーが今度はタイムマジーンに攻め込む。

 

「うっ『…」

 

形成逆転したのかのようにジオウが押され出し、次にまたさっきと同じ砂の塊がタイムマジーンを襲う。

 

「うわぁぁぁ!」

 

「ソウゴ!」

 

ジオウのタイムマジーンが倒れると、猛オシマイダーに踏まれ続ける。

 

「やばいよ……逃げよ……」

 

押されているのを見て、日生はことりに逃げようと言う。

 

「逃げない!」

 

しかし、ことりは逃げないと叫ぶ。

 

「プリキュアと仮面ライダーが……私達の為に戦ってくれている!だから……私達も逃げちゃだめ!」

 

ことりには、あそこで戦っている姉や友人達を置いて逃げる事なんて出来なかった。

 

「私はいつか……いつか、お姉ちゃんみたいに強くてカッコいい人になりたいだから!」

 

そう叫ぶとことりの体から、小さな光が出てきた。

 

「野乃さん……」

 

それに影響し、日生や郁人も同じような現象が起こった。

 

「何これ……」

 

あまりのことにジェロスは動揺しだす。

するとことり達に感化されたのか、ジオウがタイムマジーンのレバーを握る。

 

「負けるか……」

 

ジオウのタイムマジーンが押し込まれていた状態から起き上がりオシマイダーを跳ね除けた。

 

『エグゼイド!』

 

オーズのウォッチを外したジオウはエグゼイドウォッチを装填し、ドライバーを回す。

 

『レベルアップ!エ・グ・ゼ・イー・ド! 』

 

エグゼイドウォッチを使用した事で、ジオウのタイムマジーンのフェイスがエグゼイドモードへと変わると、そのままジオウのタイムマジーンはエグゼイドのような動きを見せ、オシマイダーに攻撃が当たると“ヒット”のエフェクトが現れる。

 

「私達も……みんなの明日を守るために負けない!」

 

それを見ていたエール達も起き上がる。

 

「俺達も……絶対に守る!俺達の未来を!」

 

ゲイツ達ライダーも三人共起き上がり、ウォッチを取る。

 

『ゲイツリバイブ!疾風!』

『ギンガ!』

『ギアジェット!』

 

三人はウォッチを装填しゲイツとハリードライバーを回し、ウォズはレバーを引く。

 

『ライダータイム!リバイ!リバイ!リバイ!リバイ!リバイ!リバイ!リバイブ疾風!疾風!』

『投影!ファイナリータイム! ギンギンギラギラギャラクシー!宇宙の彼方のファンタジー! ウォズギンガファイナリー!ファイナリー! 』

『ジェットタイム!導け!切り開く世界!ハリー!ギア!ジェット〜!』

 

三人が強化フォームへとフォームチェンジすると飛び上がる。

 

『『フィニッシュタイム!』』

『ファイナリービヨンド ザ タイム!』

 

ドライバーを操作した三人がキックの態勢に入る。

 

『百烈タイムバースト!』

『超ギンガエクスプロージョン!』

『ジェットタイムフィニッシュ!』

 

三人が同時にライダーキックを放つと、猛オシマイダーは身動きが出来ない為そのまま直撃し、三人のライダーキックを受けた事で猛オシマイダーの動きが止まった。

 

「「「「「メモリアルキュアクロック!チアフル!」」」」」

 

エール達五人が叫ぶと、ミライパッドがメモリアルキュアクロックに変化し、エール達とはぐたんからそれぞれのパーソナルカラーのハートが飛び出す。

 

「「「「「ミライパッド!オープン!」」」」」

 

エール達の右腕を真上のメモリアルキュアクロックにかざすと同時に、画面のハートの型にはまる。

 

「「「「「プリキュア!チアフルスタイル!」」」」」

 

扉が開くと同時に中から無数のハート型エネルギーが降り注ぎ、エール達がチアフルスタイルに変身する。

 

「「「「「メモリアルパワー!フルチャージ!」」」」」

 

そして、パワーをメモリアルキュアクロックに集める。

 

「「「「「プリキュア!チアフルアターック!」」」」」

 

六色の五つ葉のクローバー型エネルギー弾を発射するチアフル・アタックを放つ。

紫、赤、黄色、水色、ピンクのハートの順に猛オシマイダーにぶつかり、最後にはぐたんがハグするポーズをして虹色のハートに包み込み、猛オシマイダーを浄化した。

 

「……あなた達にも、いずれ分かるわ!」

 

ジェロスは猛オシマイダーが消滅したのを見て去っていった。

 

 

その後、ことり達があの時の公園の遊具の方に着くと、はなが何故か上から転がり落ちる。

 

「お姉ちゃん⁉︎」

 

「おおい、野乃!」

 

「大丈夫⁉︎ 怪我して無い⁉︎」

 

「うん、私は大丈夫」

 

「良かった」

 

「! 見てよコレ……」

 

はながそう言うと、紐の切れた草履を見せる。

 

「ビックリした……急に切れちゃって……タコ焼き屋さんで張り切りすぎたかな……ま、おっちゃん喜んでたからいっか……」

 

笑顔でそう言うはなを見つめる日生の頬が赤くなる。

 

「? …どうかした?」

 

「あいや、あの……」

 

「ぷくく」

 

「どうした?」

 

「?」

 

「みんな無事で良かったのです」

 

今度はえみるが降りて来る。

 

「キュアエールが助けてくれたから」

 

「えっへへ……」

 

ことりの言葉を聞いたはなは、思わず笑みを浮かべる。それを見た郁人は頭に『?』を浮かべる。

 

「何で野乃が照れるんだよ?お前いっつも落ち着き無いよな。少しはキュアエールさんを見習ったらどうなんだよ?」

 

「うるさいなー!いいでしょ別に!」

 

「けど……俺もキュアエールさんのカッコいい所見たかったぜ……!キュアエールさーん!カムバーック!」

 

郁人が空に向かって叫び、そんな郁人をはな達は苦笑して見ていた。

 

(これで、キュアエールは本当にお姉ちゃんだって分かった。後は……)

 

 

 

翌日ことりは、はなを追ってクジゴジ堂の前へと来ていた。

 

(今日お姉ちゃん達はここに集まるって言ってた。他のみんなも一緒なはず……よし……!)

 

ことりは姉達から真実を聞く決意をし、ドアを開ける。

 

「いらっしゃ……って、ことりちゃん?」

 

「ことり?どうしたの?」

 

(……うん、いるのは私達だけだね)

 

ことりはクジゴジ堂の中を周囲を見回し、ソウゴ達しかいない事を確認する。

 

「みんなに聞きたい事があるの」

 

「聞きたい事?」

 

「私達もですか?」

 

「うん。ちゃんと答えて」

 

「いいよ。なんでも答えるよ」

 

ソウゴの言葉を聞いたことりが深呼吸し、真剣な表情をはな達に向ける。

 

「お姉ちゃんも、さあやさんも、ほまれさんも、ルールーも、えみるちゃんも―――プリキュアなんでしょ?時見さんとハリーさんは仮面ライダー……ゲイツさんやウォズ先生もですよね?」

 

『ッ⁉︎』

 

ことりからプリキュアとライダーだと尋ねられ、全員が一気に正体がバレたことに驚く。

 

「な、何言ってるのことり?私達がプリキュアと仮面ライダーだなんて―――」

 

「とぼけないで!」

 

はなは何とかして誤魔化そうとするが、ことりの気迫に満ちた言葉にはなが驚く。

 

「みんなで温泉に行ったあの日、お姉ちゃん達私に温泉で待ってるように言ってたよね?」

 

「う、うん」

 

「私、気になってコッソリついて行ったの。そうしたら時見さんが仮面ライダーに変身したの見たの」

 

「………えっ?」

 

みんなの目が一気にソウゴに向けられた。

 

「その後もプリキュアと仮面ライダーが、怪物と戦っているのを見て、やっつける所も見たの。その時にお姉ちゃん達に戻るのを……」

 

「見てたのですね……」

 

「だからあの時、ことりちゃんの様子がおかしかったんだ……」

 

さあやは温泉から帰る時のことりの様子を思い出し、その時の疑念が晴れる。

 

「…それでもまだ、完璧な証拠が無かったから疑心暗鬼だったけど、昨日でようやくお姉ちゃんがキュアエールだって分かった。

私達を助けた時に言ったキュアエールのあの言葉は、間違い無くお姉ちゃんだった」

 

そうまで言われると、ソウゴ達は流石に否定する事は出来なかった。

 

「私も、プリキュアになりたい!ねぇ…どうやったらなれるの!教えて!」

 

ことりははなに詰め寄り、プリキュアにはどうやってなれるのかを尋ねる。

それを見ていたハリーは、言いづらそうにしながら、彼女に今の状況を話した。

 

「無理なんや……」

 

「えっ……?」

 

「もう、プリハートは無いんや……」

 

 

 

 

「かくしてことり君は、はな君達の力になる為にプリキュアになりたいと願った。

しかし、もうプリハートは残って無いという事が、ハリー君の口から告げられたのだった」

 


次回!Re.HUGっとジオウ!

 

第45話 2006: プリキュアになりたい!

 

 




おまけ

ことり「私、野乃ことり!プリキュアに変身したいのに、プリハートが無いからプリキュアに変身できないの!そんな時、隕石が町に落ちてきて、そこから何やかんやあって、最大の危機になっちゃって。私達、これからどうすればいいの!?」

HUGっとジオウ!第45話!『ガタック、ウンメイノー爆発四散する』

次回も、ハグって行くジオ〜!

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