Re.HUGっとジオウ!   作:yu-ki.S

54 / 86
ウォズ「この本によれば、普通の中学生 時見ソウゴ。彼には魔王にして時の王者『オーマジオウ』となる運命が待っている。
時見ソウゴが集めなければならないウォッチはあと三つとなった中、野乃はなの妹である野乃ことり。彼女は我が魔王達の正体を知り、彼女自身もプリキュアになりたいと言ってきた。
今回、彼女が夢を掴むそのカギを握るのは、『マスクドライダー』……」


第46話 2006: プリキュアになりたい!

クライアス社にて、リストルとビシンの新型ウォッチが完成された。

 

「お待たせ〜。完成したよ、君達の新型ウォッチ〜」

 

トラウムの手には二つのウォッチが用意されており、一つはリストルのウォッチ……ウェイクベゼル部が黒い四角い形状となっているクラレットライドウォッチ。

もう一つはビシンのウォッチで、ハリーのギアジェットウォッチと同型のギアファングライドウォッチである。

 

「ご苦労でした。ドクタートラウム」

 

「いやいや、こっちは中々面白いものが完成したよ」

 

「これで、ハリーを僕のものに……」

 

新型ウォッチを見て、ビシンはこれならハリーを連れ戻せると思い込む。

 

「そう簡単には行かないかもしれない」

 

「なんでだよ……」

 

「君の望みを果たそうにも、プリキュアやオーマジオウがいる。そう簡単に行かない」

 

「……」

 

「だったら、手を貸してあげようか?」

 

ビシンがリストルに簡単にはいかないと言われ顔を歪ませていると、入り口の前にウールが立っており、そのまま研究所に入ってきた。

 

「君に何が出来るの?」

 

「おもしろい奴を連れてきたんだよ。入ってきなよ」

 

ウールがドアの向こうにいる人物を呼ぼうとする。

 

その時、轟音を響かせながら勢いよく扉を蹴り飛ばして、暗い顔した男性が入ってきた。

 

「あ〜〜………今、俺を笑ったか……」

 

足から『チャリ…チャリ…』という金属音を鳴らしながら、男性は笑ったかと問い掛ける。

 

 

同じ頃、一人の男が暗い洞窟から現れた。

 

「新しい……地獄が始まる……」

 

その男は空を見上げながら、もうじき地獄が始まると告げる。

 

 

 

 

クジゴジ堂では、ことりがみんなの正体を知っている事を告白すると、自分もプリキュアになりたいと話した。しかし…

 

「もう、無い……?」

 

「俺が持って来たプリハートは全部で四つだけで、後はもう無いんや」

 

「でも、五つあるよ……?」

 

「えみるとルールーがプリキュアになろうとした際に、もう一個出てきたんや」

 

ハリーが当時のことを思い出しながら、えみるとルールーのような同じ事が二度おこるのは難しいと語る。

 

「じゃあ……プリキュアになる事は出来ないの……?」

 

「スマン……」

 

「そんな……」

 

「ことりの気持ちは嬉しいかったよ。

だけど、これからもお姉ちゃん達に任せなさい!」

 

プリキュアになれないと知りショックを受けていることりに向け、はなは胸を手に当てて任せなさいと言う。

 

「……バカ…」

 

「ん?」

 

小声だからうまく聞き取れなかったが、ソウゴの耳にはバカと聞こえた。

 

「お姉ちゃんのバカ‼︎」

 

ことり姉にバカと叫んで、クジゴジ堂を飛び出していった。

 

「ことり!」

 

はなもことりを追いかけようとする。

 

するとその時、『ボゥゥーーーン!』という巨大な物が落ちてきたかのような爆発音と共に、いきなり地震の様な震動が起こった。

 

「なんですか⁉︎ この揺れは?」

 

えみるがどうなっているのかと驚いていると、テレビから臨時ニュースが放送された。

 

『臨時ニュースをお伝えします!

たった今、小規模の隕石が地球に落下しました―――』

 

「隕石が地球に落ちてきたって……」

 

「隕石⁉︎」

 

ソウゴ達が外を見ると、たった今ことりの走っていた方にその隕石が落ちた筈だ。

 

「ことり…ッ!」

 

「急ごう!」

 

ソウゴ達は直ぐに隕石の落ちた方へ走る。

 

 

その頃、隕石の落ちた方では……

 

「………ん……?」

 

隕石が落ちた風圧により、一瞬気を失っていたことりが倒れていた。

しかし彼女が起き上がったとき、目の前の光景に驚愕した。

 

「わた、し……?」

 

ことりが――自分自身の姿がもう一人、目の前に立っていたのだ。

 

「……ニヤッ」

 

そしてことりを見て、不敵な笑みをもう一人のことりは見せた。

するといきなり、もう一人のことりの体が光り出すと、まるで幼虫のような緑色の怪人となって現れた。

 

「ッ⁉︎……あ、あぁぁ……」

 

突如現れた怪人に、ことりは腰が抜けて動けなかった。

しかし、怪人は無慈悲にも腕を上げてことりに降りかかろうとした。

 

「ことりちゃん!逃げて!」

 

だがその前にツクヨミがファイズフォンXで銃撃し、怪人を怯ませた。

 

「ツクヨミお姉ちゃん……」

 

「ううっ‼︎」

 

ソウゴが怪人にタックルし、怪人をことりから離した。

 

「大丈夫?」

 

「はい……」

 

「ことりっ!…よかった〜」

 

「お姉ちゃん……」

 

ことりが無事だった事に、はなはホッとした表情となる。しかし怪人達は更に現れ、ソウゴ達に迫る。

するといきなり轟音が鳴り響き、怪人に何処からともなく飛んで来た砲撃が炸裂した。

 

「えっ?」

 

何があったのかと思い、ソウゴ達は砲撃が放たれた方を見る。

 

「仮面ライダー?」

 

そこには、厚い装甲を付け、蛹のような形の青い仮面ライダーがいた。

そのライダーは肩に砲撃のような武器が取り付けられており、腰のベルトにはクワガタのような機械が取り付けられていた。

 

「フン!」

 

現れた仮面ライダーの両肩につけられたバルカン砲が火を吹き、現れた怪人に撃ち続ける。

その隙にソウゴとはなはことりを連れて怪人から離れ、みんなの方へと戻る。

 

「あの生き物はなんなのですか?」

 

「あれはワーム。人間に擬態する地球外生命体だ」

 

ウォズが本を開いて、あの幼虫の様な怪人…ワームについて説明する。

 

「地球外生命体って……宇宙人ですか⁉︎」

 

「この本によれば、かつて仮面ライダーカブトが戦っていたという」

 

「仮面ライダーカブト?」

 

仮面ライダーカブトは、あと三つのウォッチのうちの一つだ。

 

「そして、あれは仮面ライダーガタック……仮面ライダーカブトのライバルというところかな」

 

「奴らと闘う事で、カブトウォッチを手に入れる手掛かりになるかもしれんな」

 

その話を聞いたゲイツは、ガタックと共にワームと戦う事がカブトに繋がると思う。

 

「それよりもこいつらをなんとかしないと!みんな行くよ!」

 

『『『ジクウドライバー!』』』

『ビヨンドライバー!』

 

ソウゴ達四人はそれぞれジクウドライバーとビヨンドライバーを腰へと装着した。

 

「ツクヨミ。ことりちゃんと離れてて」

 

「わかった」

 

ツクヨミははぐたんを抱えながら、ことりを連れてソウゴ達から離れる。

それに計らってソウゴ達はウォッチを取り出し、はな達はプリハートを取り出しミライクリスタルをセットする。

 

『ジオウ!W!』

『ゲイツ!ファイズ!』

『キカイ!』

『ハリー!カリス!』

 

四人はウォッチをドライバーに装填し構え、はな達五人はプリハートを取り出す。

 

『アクション!』

 

「「「「変身‼︎」」」」

「「「ミライクリスタル!ハートキラッと!」」」

 

四人がドライバーを操作し、アーマーが体に纏われる。

五人が揃ってプリハートにミライクリスタルをセットし、揃っていつもの手順を取り姿を変える。

 

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!アーマータイム!サイクロン!ジョーカー! ダブル!』

『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!アーマータイム!コンプリート!ファイズ!』

『投影!フューチャータイム!デカイ!ハカイ!ゴーカイ!フューチャーリングキカイ!キカイ!』

『ライダータイム!仮面ライダーハ・リー!アーマータイム!チェンジ!カ・リ・ス〜!』

「輝く未来を〜抱き締めて!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

「「みんな大好き!愛のプリキュア!」」

「キュアマシェリ!」

「キュアアムール!」

 

「「「「「HUGっと!プリキュア!」」」」」

 

全員が変身を完了する。

 

「プリキュア!」

 

「ことりちゃんはこっち!」

 

ツクヨミが手を引き、ことりを連れて行く。

ジオウ達は敵の数が多いため、二手に分かれてワームと戦闘を行っていた。

 

「はぁぁ!」

 

ゲイツとハリーはドライバーを回し、飛び上がる。

 

『フィニッシュタイム!ファイズ!エクシードタイムバースト!』

『フィニッシュタイム!カリス!スピニングタイムフィニッシュ!』

 

ゲイツとハリーのライダーキックが決まり、ワームは爆発して跡形もなくなった。

 

「こいつら大した強さじゃないな?」

 

「一気に決めるよ!」

 

ゲイツとエトワールが攻め込む。

 

「甘く見ない方がいい。まず彼らは……」

 

すると、数体のワームの体が蒸発し出し、そのまま虫が脱皮するかの様にその姿が変わった。

 

「脱皮した……」

 

「……成虫に進化する」

 

「まんまん虫やないか⁉︎」

 

「ふん。姿を変えたところで……」

 

ゲイツとエトワールが攻撃を仕掛けようとする。

 

「「うわぁぁぁ‼︎」」

 

しかし、攻撃を受けたのはゲイツとエトワールだった。

 

「ゲイツ君!エトワール!どうして?」

 

先に仕掛けた筈の二人が攻撃を受けた事にジオウ達は疑問に思う。

 

「彼らは成虫に進化するとクロックアップし、高速で動けるんだ」

 

説明しよう!ワームが進化し成虫態になると、『タキオン粒子』をその身に駆け巡らせる事が可能になり、高速で動けるかの如く時間流を自在に活動できる『クロックアップ』を発動した事で、ゲイツとエトワールを高速の世界で攻撃を繰り出したのだ。

 

「「それを早く言え!」」

 

二人がクロックアップについて言わなかったウォズを怒鳴る。

 

「速さなら大好物だ!」 

 

「俺も付き合うで!」

 

『ゲイツリバイブ!疾風!』

『シノビ!』

『ギアジェット!』

 

三人がゲイツリバイブ、シノビ、ギアジェットの三つのウォッチを起動し、ドライバーに装填。ドライバーを操作しフォームチェンジする。

 

『ライダータイム!リバイ!リバイ!リバイ!リバイ!リバイ!リバイ!リバイブ疾風!疾風!』

『投影!フューチャータイム!誰じゃ?俺じゃ?忍者!フューチャーリングシノビ!シノビ!』

『ジェットタイム!導け!切り開く世界!ハリー!ギア!ジェット〜!』

 

フォームチェンジした三人はクロックアップするワームに張り合おうと、高速での戦闘を繰り広げる。

 

「エトワール!私達はまだ成虫になっていない方を!」

 

「えぇ!」

 

アンジュとエトワールはまだクロックアップの出来ない幼虫のワームへと向かい、メロディソードを構える。

 

「フェザーブラスト!」

「スタースラッシュ!」

 

アンジュとエトワールの放ったフェザーブラストとスタースラッシュが命中し、幼虫ワームが倒れて爆発した。

 

一方、ジオウ、エール、マシェリ、アムールはガタックと共に、ジオウはWアーマーで奮闘していた。

 

『フィニッシュタイム!』

 

ドライバーを回すと風を纏い、ジオウが上昇する。

 

『マキシマムタイムブレーク!』

 

風を纏ったまま、アーマーが変形したメモリドロイドとジオウの開いた両足に取り付けられ「W」を描くトリプルキックを放つ。

 

「オリャャャャャ!」

 

ジオウのタイムブレークを受けワームは爆発した。

 

「どうよ〜♪」

 

ジオウが着地すると、Wの癖で手首を回す。

 

「凄い……」

 

隠れて見ていたことりが、そんなみんなの戦う姿に見惚れていた。自分にもみんなの力があれば、と思うようになる位に。

 

「うわぁぁぁ!」

 

だがほっとしたのもつかの間、いきなり何者かにジオウが襲われる。

 

「ソウゴ!大丈夫!?」

 

「うん……今のは……?」

 

現れたのは、又しても仮面ライダーだった。

しかし腰の方には、ガタックとは違うバッタのようなものが装備されていた。

 

「影山か!」

 

「フン」

 

現れたのは薄暗い茶色の姿をし、ガタックと同じZECT製のベルトに茶色いバッタのような機械がベルトの真ん中に置かれており、利き手にはバッタの脚の形をした特殊兵装アンカージャッキが装備されているライダー、仮面ライダーパンチホッパーだった。

 

「なんですか?あの暗い感じの仮面ライダーは……」

 

「あの仮面ライダーからは、かなりのトゲパワワが感じられます」

 

アムールが影山という人が変身している仮面ライダーからトゲパワワが感じられると話す。

 

「クロックアップ」

 

パンチホッパーは腰に装着したベルトのバックルの上の方にある『トレーススイッチ』に触れると、またしても高速に移動し始めた。

 

「キャストオフ!」

 

それを見たガタックがベルトに装着してあるガタックゼクターの角を反対へと変える。

 

『Cast Off!CHANGE Stag Beetle!』

 

すると、ガタックの体から両肩のバルカンや頭部などが一斉にパージされた事で体が軽量化。

頭部左右に倒れていたガタックホーンが起立し側頭部の定位置に収まった事で、頭部がクロガタの角へと変わった。

 

「姿が変わった……」

 

「クロックアップ!』

『CLOCK UP!』

 

ガタックも腰横にある『スラップスイッチ』を押し、クロックアップシステムを使ってパンチホッパーとの高速戦闘を繰り広げた。

 

「速っ……⁉︎」

 

やはりと言うべきか、そのスピードにはジオウ達の目では追いきれない。

しかし、二人のスピードが速いせいか、ビルにぶつかり破片が飛び散る。その破片の一部が、下にいる逃げ遅れた親子に降りかかろうとしていた。

 

「ッ⁉︎ 危ない!」

 

ツクヨミが咄嗟に手を開き、岩に向けた。

すると、瓦礫のところだけの時間を止めた。

 

「ツクヨミお姉ちゃん……?」

 

ツクヨミの力を初めて見たことりは驚いたが、一方のツクヨミは時間を止める力を見て、その力が翔一の時よりも力が上がっていたことを感じた。

 

「⁉︎」

 

その時、ツクヨミにはある光景が見えた。

そこは、暖炉のある部屋だった。

そこにはソファーがあった。

そこには笑っている父のような男性。

そこにはまだ幼い自分を腕で包んでくれる母親。

そしてもう一人、黒い帽子を被ってこっちを見つめる男の子がいた。

 

「今の……」

 

脳裏から見えた昔の記憶に戸惑い、それと同時にツクヨミの止めていた瓦礫の時間が動いた。

 

 

一方、ジオウ達はパンチホッパーのクロックアップからの攻撃に苦戦していた。

 

「そうか……あればゲイツリバイブと同じ。だったら……」

 

ジオウはカブトの力が無くとも出来るクロックアップの対応を思いつき、ジオウウォッチⅡを起動させる。

 

『ジオウ!Ⅱ!』

 

ジオウウォッチⅡを分割しドライバーの左右に差し込むと、後ろから二つの時計のエフェクトが現れる。

そしてドライバーを回し、二つの時計は左右対象に止まって時計バンドのエフェクトとアーマーが纏う。

 

『ライダータイム!仮面ライダー!ライダー! ジオウ・ジオウ・ジオウ!Ⅱ!』

 

ジオウⅡへとフォームチェンジし、金色のジオウウォッチⅡが光ると、両目にかかる長針のアンテナ2本が回転した。

 

「見えた!」

 

未来を見たジオウはサイキョーギレードで構える。

 

「1……2……3!」

 

カウントを取っていると、パンチホッパーはタイミングよくジオウに突撃してきた。

 

「はぁぁ!」

 

ジオウはすぐにサイキョーギレードで反撃に転じ、パンチホッパーに攻撃を直撃させて、動きを止めた。

 

「よし!」

 

「アムール!」

 

「はい!」

 

「「ツインラブギター!ミライクリスタル!」」

 

パンチホッパーの動き止まっている内に、アムールとマシェリの二人はツインラブギターにルージュとバイオレットのミライクリスタルをセットする。

 

「アーユーレディ!」

「行くのです!

 

ツインラブギターを使い、二人が弦を弾き演奏を始める。

 

「「届け!私達の愛の歌!」」

 

「心のトゲトゲ!」

「ズッキュン撃ち抜く!」

 

「「ツインラブ・ロックビート!」」

 

マシェリとアムールがツインラブギターを持ち替え、二人同時に赤と紫のハート型エネルギーを放つツインラブ・ロックビートをパンチホッパーへと放った。

 

「⁉︎」

 

「あぁ!」

 

突如、パンチホッパーの前に何者か現れ、マシェリとアムールのツインラブ・ロックビートを相殺した。

 

「あ〜あ……いい光だな……」

 

パンチホッパーの前に現れたのは、各部に昆虫の脚を思わせる意匠と顔から胸にかけて目の中に手の指が入り込んだ腕のような意匠があり。右肩には角、左肩には装甲状のパーツ、そして頭部には大型化した角を生やしたカブトムシの様な赤いアナザーライダーだった。

 

「アナザー……カブト」

 

「矢車……」

 

「……加賀美。お前はいいよなぁ…」

 

「兄貴」

 

アナザーカブトは加賀美を見据えて恨み言を呟くとそのまま、パンチホッパーと共に高速で去っていった。

 

その一方で、ツクヨミは自分の力を気にしていた。

 

(また……この力が……)

 

前よりも力が強くなっている事に気付いてはいるが、ツクヨミは自分の力の正体にまだ気づいていない。

 

 

そんな動揺している彼女の様子を、ビルの屋上からスウォルツが見ていた。

 

「力は強くなっているようだな。完全に覚醒するのも時間の問題か」

 

「その覚醒ってやつをするとどうなる?」

 

背後から先のスウォルツの言葉に対して質問する声が聞こえた。

 

「門矢……士」

 

士はスウォルツの背後に気配を悟られずに現れると、ツクヨミについて問い掛けた。

 

「その女とお前は関係がある……ってところまでは調べがついてる」

 

「なら自分で調べれば良かろう。調べられる物ならな」

 

「フッ、ならそうさせてもらおうか」

 

そう言うと士は階段を降り、スウォルツの前から去る。

 

「…さって、こいつは……どうするかな?」

 

歩いている途中で、士は自身のポケットに入れている、ある物を見てどうするかと呟く。

 

 

しばらくしてソウゴ達は、仮面ライダーガタックだった男性をクジゴジ堂へと連れて行き事情を聞く。

 

「加賀美新。仮面ライダーガタックか」

 

「ねぇ?あのアナザーカブトの正体知ってたみたいだけど、誰なの?」

 

「あのカブトもどきの正体はおそらく、矢車想。俺と同じく、元々ZECTのメンバーだった男だ」

 

「ゼクト?」

 

「何なのですか?そのゼクトとは?」

 

ルールーがゼクトというのは何なのかと聞くと、ソウゴの質問を終えた加賀美は次に彼女の質問に答える。

 

「ワームの侵略から人類を守るための組織だよ」

 

「そのような組織のあったとは、初めて知ったのです」

 

「元は裏の組織だからね。あまり外部には漏れないようにしてるんだ」

 

「それで、あのライダー何なの?」

 

はなは先程、アナザーカブトと行動を共にしていた茶色のバッタの様なライダーを思い浮かべながら話しかける。

 

「さっきのライダーはパンチホッパー、影山瞬。矢車と影山はコンビなんだ。地獄兄弟といってね」

 

「この人達は兄弟なの?」

 

「兄弟じゃない」

 

「えっ?」

 

地獄兄弟と言っているからあの二人は兄弟だと思っていたのに、兄弟じゃないと返されたはなは、じゃあ何で兄弟と呼ばれているのかと困惑する。

 

「訳が分からないな。で……君の目的は?」

 

地獄兄弟の話題を切ったウォズは何故、加賀美がこの町に来たのかの理由を尋ねる。

 

「俺は影山を追っている。奴はワームの擬態だ」

 

「何故、そう言い切れる?」

 

「影山は、既に死んでいる」

 

「死んだ人にまで擬態するなんて…」

 

「そうして矢車を騙している」

 

ワームが死んだ人間にまで擬態できるという事実を知ったさあやが戦慄していると、ソウゴがさっきの加賀美のセリフで疑問に思ったことを口に出す。

 

「ねぇ、加賀美さんはカブトもどきって言ったよね。だったら本物カブトは今どこにいるか知ってるの?」

 

アナザーカブトに変身している矢車と言う男性をカブトもどきと言うのなら、本物カブトを知っているのかと尋ねる。

 

「あ……あいつなら……豆腐を買いに行ってる……」

 

「豆腐?」

 

加賀美の言葉を聞いて、豆腐を買いに行っているってどう言う事だ、とソウゴ達は首を傾げる。

 

「とにかく、俺は影山を倒す。君達も奴の情報を掴んだら連絡してほしい」

 

「分かった」

 

ソウゴ達にも協力してもらうと頼み込むと、加賀美はクジゴジ堂を出ようとする。

 

「……ところで、渋谷はいつ復興が終わったんだ?」

 

『…?』

 

「ッ⁉︎」

 

すると加賀美はふと立ち止まって、いきなり渋谷の復興と聞かれるが、一体何のことだとソウゴ達は首を傾げる。

しかし、それを聞いたウォズは血相を変えた表情で加賀美を見る。

 

「復興?」

 

「復興なんてあったけ?」

 

渋谷の復興と言われても、彼らには復興なんてあったような記憶がない。

 

「1999年。隕石が落ちて渋谷は壊滅しただろう」

 

「そうなの?」

 

「ごめん。俺達、その時まだ生まれてないから……」

 

「そうか……」

 

「……」

 

確かにそんな前ではソウゴ達が知るわけがない。加賀美はしょうがないと思っていた。

ただ、ウォズは不審な表情で加賀美を気にしていた。

 

 

 

その頃、高台で町を見ながらことりが座っていた。

 

「ことりちゃん」

 

そこへツクヨミが現れ、ことりの隣に座る。

 

「やっぱりいいわね。この町は……」

 

「うん」

 

二人ではくぐみ市を高台から眺める。

 

「……実はね、ことりちゃん。私、この時代の人じゃないの」

 

「えっ?」

 

正体を知られたならと思い、ツクヨミは未来から来たことを打ち明けた。

 

「私だけじゃないの、ゲイツもルールー、ハリーにはぐたん、ウォズも何十年も先の未来からこの時代に来たの」

 

「ルールーもはぐたんも……⁉︎」

 

「私達のいた未来の世界は、クライアス社の会長であるオーマジオウに時間を止められているの」

 

「オーマジオウ?」

 

「その正体はね、未来のソウゴなの。

私達は、この時代のソウゴを倒して、クライアス社の未来を変えようとしたの……」

 

ツクヨミはそれからも、ソウゴが未来でオーマジオウとなり、仲間やそこにいる人達から時を奪った事を話し続けた。ことりはそれ聞いて、体に震えが走った。

 

「ツクヨミお姉ちゃん達は、今も時見さんを消そうしているの?」

 

「ううん、今は違う。ソウゴは私達にとって大切な友達。

だから、ソウゴがクライアス社にもオーマジオウにもならない。新しい未来を作ろうって決めたの」

 

「新しい未来……」

 

「どうしてもプリキュアになりたいの?」

 

話を変えて、ツクヨミがことりにどうしてプリキュアになりたいのかと聞くと、ことりは頷く。

 

「うん……お姉ちゃんの力になりたいの……

だって、お姉ちゃんって子供っぽいし、おっちょこちょいの上にすぐにドジちゃうし」

 

はなの事を話していることりを見て、ツクヨミは苦笑しながらも彼女の事が心配なんだと感じる。

 

「私にも兄弟か姉妹がいれば、そんな風だったかな……」

 

「ツクヨミお姉ちゃんにも、誰かいたの?」

 

「…わからないの」

 

「えっ?わからないって?」

 

「私は、ゲイツ達と会うまでの記憶がないの」

 

「それって記憶喪失?」

 

「まあね。でも……」

 

最近は使ってないが、日々に思うことがある。

ツクヨミの持つ、タイムジャッカー達と同じ時間を止める力。それが昔の記憶と関わっているのだと……

 

「ツクヨミ」

 

自身の過去について深く考え込んでいると、ツクヨミとことりのもとへゲイツとハリーが足を運ぶ。

 

「またあの力、使ったんだってな」

 

「うん。前より強くなっているみたい……

それより、この力を使った瞬間、記憶が……」

 

「思い出したんか?自分の過去のこと」

 

ハリーにそう言われたツクヨミは頷くと、過去の記憶が見えた事をゲイツ達に打ち明けた。

 

「お父さんと、お母さんがいた……それに、誰か男の人……」

 

「それって、ツクヨミお姉ちゃんのお兄さんとか?」

 

「わからない……」

 

「その秘密、その目で確かめてみるつもりはあるか?」

 

ツクヨミは自分が何者なのかと悩んでいると、士がゲイツ達の前へ現れた。

それを見てゲイツとハリーは警戒し、ことりは突如知らない人が現れた事に困惑していた。

 

「誰この人……」

 

「門矢士……仮面ライダーディケイドだ」

 

「どうやら、だいぶ時空が歪み出している」

 

「時空が歪んでる?どうゆうことや?」

 

「…俺もその答えを探している」

 

士がハリーの質問を軽くあしらっていると、ツクヨミが士に近寄る。

 

「その時空の歪みと、私が関係しているってこと?」

 

「さぁな。どうする?乗るか?」

 

士がツクヨミに、先の話に乗るか乗らないかと問う。

 

「お願い。知りたいの、自分のこと」

 

「私もついていっていいですか?」

 

「ことりちゃん……」

 

ツクヨミは士の誘いに乗ると、ことりもついて行くと言う。

 

「そうは行きません」

 

声が聞こえ振り返ると、そこにはリストルとビシンが既に変身した姿で立っていた。

 

「ハリ〜!今日こそ君を連れ戻すよ。僕の新しい力でね!」

 

ビシンがハリーを連れ戻すと言うと、二人がジリジリと近づいていくる。

 

「ツクヨミ。ことり。はぐたんも一緒に頼む」

 

ハリーがツクヨミにはぐたんを渡す。

 

「お前らは早く行け!」

 

「……わかった。お願い」

 

「……」

 

はぐたんを託されたツクヨミを見ると、士は灰色のオーロラカーテンを出現させた。

士がカーテンを潜るとツクヨミとはぐたん、ことりも続けてカーテンを潜る。

 

「よし!」

 

「スウォルツ氏に止めるように頼まれたのですが、これでは仕方ありませんね。新型ウォッチだけ試しましょう」

 

「行くよ〜!ハリー!」

 

リストルとビシンはトラウムが作った新型ウォッチを取り出し、ウォッチのウェイクベゼルを回した。

 

『クラレット!』

『ギアファング!』

 

ウォッチから鳴り出した音声と共に、二人はウォッチをジクウドライバーのスロットに装填した。すると二人の周囲にそれぞれ黒と赤のアーマーが浮かび上がり、それを見てドライバーを回す。

 

『クラレットタイム!唯我独尊!絶対の力を!リストル…クラレット!』

『ファングタイム!導け!完全なる力を我が手に!ビシン!ギアファング〜!』

 

ドライバーを回すのと同時にアーマーが次々と二人の体に付けられていき、フォームチェンジを完了した。

 

「新しいウォッチか……」

 

「ドクタートラウム……また厄介なもん作りやがったんやな……」

 

リストルのアーマーが黒っぽくとなっており、背中にはボロボロの傷だらけのマントをつけている。

ビシンの方はアーマーが赤へと変色し、左手に巨大なトラのようなクローを装備している。

 

「ハリー!こっちも全力で行くぞ」

 

「おぉ」

 

二人はジクウドライバーを装着し、ゲイツウォッチとハリーウォッチ。更にゲイツリバイブ、ギアジェットを取り出す。

 

『ゲイツ!ゲイツリバイブ!剛烈!』

『ハリー!ギアジェット!』

 

二人がゲイツリバイブとギアジェットを起動し、ドライバーに装填して構える。

 

「「変身‼︎」」

 

『ライダータイム!リ・バ・イ・ブ剛烈!剛烈!』

『ライダータイム!ハ・リ・ー!ジェットタイム!導け!切り開く世界!ハリー!ギア!ジェット〜!』

 

ドライバーを一回転させ、こちらもゲイツリバイブ、ギアジェットへと変身し、リストルとビシンの新フォームへと応戦する。

 

 

 

街の方へと出向いたソウゴ達は、地獄兄弟の手がかりはないかと歩いていた。

 

「ねぇ、なんで兄弟じゃないのに地獄兄弟って呼ばれてるの?」

 

はなは加賀美が言っていた地獄兄弟。矢車と影山は血の繋がった兄弟では無いのに、何故兄弟なのかと気になっており、そう呟く。

 

「それ俺も気になってた。あの二人は兄弟なのに兄弟じゃないって」

 

「それは、俺達は同じ地獄を見たからさ」

 

ソウゴの疑問に応える様に声が聞こえ、ソウゴ達は振り返る。

 

「影山瞬!」

 

ソウゴ達は加賀美から貰った写真と見比べると、少し容姿は違う気がしたが、影山瞬本人に間違いない。そうとわかると、ウォズは影山に何故自分たちの前に現れたのか問いかける。

 

「何故、君の方から現れる?」

 

「手伝ってほしいんだ。俺はどうしても兄貴を助けたい」

 

「兄貴とは、矢車想のことか」

 

「加賀美さんが言ってたよ。あんた、ワームなんじゃないの?」

 

「そうだ。でも、人間としての記憶はそのままだ」

 

「どうして記憶があるんですか?」

 

「ワームはコピーした人間の記憶を持つ特性がある」

 

さあやの疑問に対してウォズの解説でワームの特徴を理解すると、影山は話を続ける。

 

「だから、兄貴があんな怪物になっちまったことが辛い。俺達は地獄を見すぎた。これ以上、地獄は見たくない」

 

矢車を助けたいという影山の返信に、ソウゴはすぐに答えた。

 

「分かった」

 

一緒に矢車を止めることに協力を受け入れた。だがそれにルールーは直ぐに待ったをかける。

 

「待ってください。これは向こうの罠かもしれません」

 

「でも、少しは人を信じなくちゃ。矢車を助けたいのは、俺達だって同じだろ?」

 

彼女の言う通り罠かもしれないが、ソウゴ達は彼を信じて影山に矢車の元へと案内してもらう。

 

 

こうして影山に案内されたソウゴ達は、とある町にある廃工場へ連れてこられた。

 

「なんか君が悪いのです」

 

「こんな所に?」

 

「ここに矢車想がいるの?」

 

「ああ。この奥だ」

 

さあやとソウゴの疑問に答えながら影山はソウゴの背後を歩く。すると、一番後ろにいるソウゴの首へ手を伸ばす。

 

「影山!」

 

その時突如、加賀美が影山にタックルし、ソウゴを守った。

 

「……加賀美」

 

「後を付けさせてもらった。君達は人が良すぎる。君をハメるための罠だったんだよ!これは……」

 

「フハハハハハハハ……!確かに罠だ。でも狙いはそいつじゃない。加賀美、お前だ」

 

「何?」

 

「お人よしは誰だよ。他人を助けてる場合じゃない」

 

加賀美が影山の発言に困惑していると、アナザーカブトまでもが現れた。それを見た加賀美の元にガタックゼクターが現れた。

 

「変身!」

 

ガタックゼクターをドライバーにセットした。

 

『HENSHIN!』

 

「キャストオフ!」

『Cast Off!CHANGE Stag Beetle!』

 

ガタックへとなると、すかさずマクスドフォームからライダーフォームへと変わる。するとパンチホッパーゼクダーが現れ、飛び跳ねがながら影山の手に置かれた。

 

「変身!」

『CHANGE Punch Hopper!』

 

影山がパンチホッパーへ変身すると、後ろから何匹かワームを出現させた。

 

「お前達の記憶貰った!」

 

パンチホッパーとワームの集団は、一斉にソウゴ達に向かって攻撃を仕掛ける。

 

〈スゥゥゥゥーーーン!〉

 

だが突如、パンチホッパーとワーム達の頭上に小銀河が現れた。するとパンチホッパーが重力で叩き落されたかように動きが取れなくなる。

 

「何⁉︎」

 

「相棒!」

 

「……こうなるとは思いたくなかったけど……」

 

「やれやれ、さすがは我が魔王。敵の罠まで利用するとは」

 

そこへギンガファイナリーへと既に変身していたウォズが、ソウゴに感心しながら現れた。

 

「そんなんじゃないよ、半分は信じてたんだ。それに矢車想を連れてきてもらえたし、あとは2人を止めるだけだ」

 

はな達はそれを聞いて、ソウゴが影山達の罠を見抜いた上で逆に利用していた事を知り戦慄している横で、当の本人は何事もないかの様にそう淡々と答えながら、懐からジオウウォッチIIを取り出す。

 

「ん?」

 

その時、工場の窓から見えた空の黒い物体が目に入ったソウゴ達が倉庫に外へ出てみると、空から大きな隕石が飛来してきているのを目撃した。

 

「え、でっかッ!?」

 

「…我が魔王はあの隕石を。ここは私達に任せろ」

 

「頼むよ!みんな!」

 

ソウゴは走り出し、隕石を止めに向かう。

 

「みんな行くよ!」

 

ソウゴが隕石を止めに向かったのを見届けると、はな達五人はプリハートを取り出した。

 

「「「「「ミライクリスタル!ハートキラッと!」」」」」

 

揃ってプリハートにミライクリスタルをセットし、いつもの手順を取り姿を変える。

 

「輝く未来を〜抱き締めて!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

「「みんな大好き!愛のプリキュア!」」

「キュアマシェリ!」

「キュアアムール!」

 

「「「「「HUGっと!プリキュア!」」」」」

 

五人が変身を完了すると、ウォズと共に工場にいるサナギ態ワームへと迎え撃つ。

同じタイミングで、ソウゴもウォッチを取り出した。

 

『ジオウ!フォーゼ!』

 

二つのウォッチを装填し、ドライバーのロックを解除する。

 

「変身!」

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!アーマータイム! 3・2・1!フォーゼ!』

 

ジオウフォーゼアーマーで変身を完了した。

 

「宇宙キターーーーッ‼︎とぉ!」

 

両腕のブースターモジュールを点火し、ジオウは急いで隕石を止めるため、宇宙へと飛び立って行く。

 

 

工場の中では既にウォズがアナザーカブト、ガタックはパンチホッパーを相手に戦っていた。

 

「矢車、よせ!こいつは影山じゃない!ワームの擬態だ!」

 

「それがどうした。どうせ俺なんか……」

 

呟くとアナザーカブトはガタックの胸を蹴る。

 

「ワームしか相手にしてくれない!弟は俺が守る」

 

パンチホッパーである影山がワームの擬態であることは承知して尚、アナザーカブトはパンチホッパーを守っていた。

それを聞いて、エールが止まる。

 

「エール?」

 

「なんかわかる気がする……」

 

アナザーカブト……矢車の気持ちが、自身にもわかるような気がしていた。

 

「私もことりが危ない目に遭ったら、必死で守りたいもん!」

 

もし自身が矢車と同じ立場だったら……

もし妹のことりがワームだとしたら、もしかしたら自分も彼と同じ行動を取るだろうと、そう思っていた。

一方、アナザーカブトのクロックアップを駆使している事で、ウォズは苦戦に強いる。

 

「なるほど……これがカブトの力か。だが……!」

 

ウォズはドライバーからギンガミライドウォッチを外す。

そしてウォッチのレボリュートセレクターを操作して、ダイヤルを回す。

 

『ワクセイ!』

 

センドプロジェクターに映るギンガミライドウォッチの顔が変わり、再びウォッチをドライバーに装填し、レバーを引く。

 

『投影!ファイナリータイム!水金地火木土天海!宇宙にゃこんなにあるんかい!ワクワク!ワクセイ!ギンガワクセイ!』

 

その姿はギンガファイナリーのまま、額のクレストが土星を象ったものになり、ウォズの複眼の表示が“ワクセイ”に、インジケーションアイの色が黄色から青色へと変わった。

そのままウォズはレバーを引く。

 

『ファイナリービヨンド ザ タイム!』

 

するとアナザーカブトの頭上からエネルギー球ーー疑似惑星弾『エナジープラネット』がいくつも生成されていく。

 

『水金地火木土天海エクスプロージョン!』

 

そのままエネルギー球が雨のように降り注ぎ、それを見たアナザーカブトはクロックアップで避ける。

 

「ぐぅ……!」

 

だが全ては避けきれずにアナザーカブトの身体にエネルギー弾が直撃し、連鎖する様に周囲に爆煙が広がる。

 

「カブトの力は宇宙の力。宇宙の力で私に敵うと思うな」

 

指を天へと掲げ、ウォズがアナザーカブトに向けてそう言い放つ。

 

「ウォズ……あなたがそんな事を言うと……」

 

「カッコつけにしか見えないけど……」

 

「………ゴホン!」

 

アムールとエトワールに突っ込まれると、ウォズはワザと咳き込む。すると、アナザーカブトの周囲に燃え上がる炎の中から、アナザーカブトとは違う姿が見えた。

 

「どうせ俺には宇宙の力なんて……ない。地獄の力だけだ!」

 

炎の中から聞こえた声の正体は、アナザーカブトの変身者であるやはり矢車だった。

しかし、その姿はアナザーカブトではなく、何処かパンチホッパーと似ていた。

それは矢車の本当の姿である仮面ライダー…キックホッパーだった。

 

『RIDER JUMP!』

 

キックホッパーはベルトに装着してあるホッパーゼクターを操作し、飛び上がる。

 

「ライダーキック!」

『RIDER KICK!』

 

「⁉︎」

 

キックホッパーのキックを見て、咄嗟にウォズは左腕で防御した。

 

「ッ……」

 

受け止める事は出来たが、キックを終えたキックホッパーはクロックアップで直ぐに去っていった。

 

「クッ……」

 

しかし、キックを受けたウォズが腕を抑える。

 

「ウォズ。大丈夫ですか?」

 

「私は大丈夫。それよりも加賀美新の方を……」

 

「はい。マシェリはここにいて!」

 

「はい!」

 

ウォズとマシェリを中に残し、エール達は外にいるガタックの元へ向かう。

 

 

しかし、外に出るとガタックの姿はおろか、パンチホッパーの姿もなかった。

 

「加賀美さん!」

 

エール達が加賀美の名を叫び周りを探すが、やはり加賀美の姿は無く、影山の姿もいなかった。

 

「皆さんあれを!」

 

エール達がアムールの指を指した方を見ると、そこには『地獄ラーメン』と書かれたカップ麺が置かれていた。

更にその下にある置き手紙には、デカデカと『地獄』と書かれていた。

 

 

その頃、宇宙へと飛んだジオウは成層圏を抜けて宇宙へと出ていた。

 

「よぉ~し!何か行ける気が……しない……でっけぇぇぇーっ!?」

 

間近で見た隕石は、地球で見た時よりもずっと大きかった。

 

「でもやるしかないっ!」

『フィニッシュタイム!フォーゼ!リミットタイムブレーク!』

 

ジオウがドライバーを解除し、ドライバーを一回転させる。それによりロケットが変形して、隕石に向かって突撃して行く。

 

「宇宙ロケットキリモミキック!」

 

ジオウはドリルの様に回転しながら、そのまま隕石へ突っ込んだ。

 

「うわぁぁぁぁーーっ!」

 

隕石の中で回転し続けながら、隕石を貫こうと回り続ける。

 

「いけぇーーーー‼︎」

 

そのままジオウの攻撃が隕石を貫通して回転し終えると、隕石は木っ端微塵に砕かれた。

 

「やったぁーーー‼︎」

 

砕かれた隕石はそのまま地球の大気圏へと向かい、塵となって燃えていった。

 

「よし!あとは……」

 

一安心したジオウは地球に戻ろうとすると、急に彼の後ろが暗くなった。

 

「ん?」

 

何故か暗くなった背後が気になり振り向くと、それを見て驚愕した。

 

「え……えっ……ええぇーーーっ⁉︎……嘘だろ」

 

ジオウが先程破壊した隕石の後ろには、さらに巨大な隕石があったのだ。

 

 

 

灰色のカーテンを潜り抜け、門矢士と一緒にツクヨミとことりが未来の世界へ到着した。

 

「ここは?」

 

「ここは2062年の世界。お前がまだ幼い頃の世界だ」

 

「これが……未来……」

 

すると、士のポケットにある何かが、初めて来た未来を光景を見て唖然としていることりに反応していた。

 

「……なるほど、大体わかった」

 

ことりを見て大体わかったと呟きながら、士はツクヨミとことりをある場所へと歩き出す。

 


次回!Re.HUGっとジオウ!

 

第47話 2018: 天の道へ…六人目、キュアアーラ誕生!

 

 




おまけ

加賀美「ウワアアアアアアアアアアアアアア!!」〈ドカァァァァァァァン!!〉

特に意味のないウンメイノーが、かがみんを襲う!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。