Re.HUGっとジオウ!   作:yu-ki.S

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それは、これから起こる少し先の未来の出来事。
そこには、アナザーライダーと戦う、いつもと違う姿をしたジオウがいた。

先ずジクウドライバーのD'9スロットにあるジオウウォッチはいつも通りだが、D'3スロット側のウォッチは金色で派手な配色となっており、中心にはジオウの顔、その周囲を囲むように時計状のパーツとライダー達の顔が描かれたパーツがせり出していた。
そしてジオウの全身が金色へと変わり、体中には仮面ライダー達のレリーフが刻まれていた。

「まずは……」

手始めにジオウは左胸のビルドのレリーフを触る。

『ビルド!』
「はぁぁ!」

すると空中に“2017”の文字と共にビルド・ラビットタンクフォームが金のゲートの中から放物線を流れるように滑りながら現れ、ボルティックフィニッシュをアナザーライダーへ撃ちこんだ。

「次は……」
『クウガ!』

今度は右肩にあるクウガのレリーフに触る。
すると空中に“2000”の文字が出現し、ゲートからマイティフォームのクウガが現れてライダーキックを放った。

「あぁぁ……」

二つのライダーキックを受けたアナザーライダーは態勢を崩した。

「次はこれ!」
『オーズ!』

次に左腕のオーズのレリーフを触る。
“2010”という文字が現れると共に、金のゲートから出現した仮面ライダーオーズ・タトバコンボのタトバキックが炸裂した。

「うわぁぁぁぁ!?」

オーズのキックを受けてアナザーライダーが吹き飛ばされる。

『鎧武!』

さらに左脚のレリーフを触り、“2013”の文字が浮かんだゲートから仮面ライダー鎧武・オレンジアームズが召喚され、無双セイバーと橙々丸から放たれたナギナタ無双スライサーを炸裂させる。


その様子を、上から見ていた二人がいた。

「あれが……世界を壊す力……⁉︎」

「奴があの力を手に入れる前に、何としても止めるぞ!」

二人はジオウが今の力を手に入れないように止めようとする。


そして、ジオウの背後にウォズが現れた。

「祝え!すべてのライダーの力を手に入れ、最強となった時見ソウゴ。
その名も、仮面ライダーグランドジオウ!」

「これが最強の力……」



「いかがでしたか?普通の中学生 時見ソウゴが集めるべきウォッチが、遂にあと一つとなりました。今見せたのは、我が魔王の未来の姿!
……さっき見えた二人組の人物も気になりますが、何か大事な事を忘れている様な……まあ、今はいいか……
彼は数々の試練を乗り超え。今、その力を掴もうとしている……」


第48話 2007: さあやの夢と最後のウォッチ!

その場所は、一言で言えば誰もいない、只の草原だった。

――私は、いつも夢見ていたんだ。

だが目の前に映っている遠くの光景には、城の様に聳え立つ大樹が、青空に照らされていた。

――しかし、今の私では決して叶えられぬ夢なんだ。

そしてその背後には、どういう訳か赤い空に照らされる49本の十字架が立っていた。

――だから私は、過去の私であるお前に、その夢を託すことにした。

そして複数本の十字架の中心には、一人の高齢の男性が立っていた。

――若かりし日の私よ…私の夢は……

 

 

「―――んんっ……んぁ……()()この夢?」

 

朝日が顔に照らされ目を覚ましたソウゴは、さっきまで夢を見ていた事を思い浮かべていた。

誰かが、俺に語り掛けてきている夢を見ていた。

しかし、それがどういった話だったのかは、あまり覚えていない。

ただ、初めてジオウになった日も、新しいライドウォッチを集めた日も、この夢を見ていたような記憶が残っていた。

今日あの夢を見たのも、多分これのせいなのかもしれないと思いながら、昨日受け取ったカブトライドウォッチを手に取ってみる。

…だが今の自分には関係ないと思ったので、気にしないことにしている。

なので俺は、朝ご飯を食べるために下の階へ降りることにした。

 

――ソウゴが天道と加賀美からカブトウォッチとガタックウォッチを受け取り、ことりも六人目のプリキュア――キュアアーラとなってから、最初の一日が過ぎようとしていた。

 

 

 

 

更に翌日、彼らはビューティーハリーへと集まっていた。

 

「はい。ことり」

 

はなは机から離れると、ことりにアクセサリー機で自作したブレスレットをプレゼントした。

 

「ありがとう〜♪」

 

ことりは喜びながら、そのブレスレットを左手に付けてもらう。

 

「それじゃあ、ことりに話すね。私達に今まであった事を……」

 

その後、ソウゴ達はことりにライドウォッチの事やクライアス社の目的、今までに会って来た仮面ライダーやプリキュア達の事を今までの事を全て話した。

 

「でも、会ってみたいな。お姉ちゃん達の先輩のプリキュアの人達に!」

 

「いちかちゃんやみらいちゃんに紹介するよ」

 

「俺も晴夜、龍牙の事を紹介するよ」

 

ことりにいつか出会ったみんなを紹介すると話すと、ことりは笑顔で楽しみだと言う。

 

「せやけど……何でこんなおにぎりがあるんや!」

 

ずっと気になっていたのか、ハリーがテーブルにおにぎりの山があった事を指摘した。

 

「あっ……実は……」

 

ソウゴは二日前のアナザーカブトの事件が解決し、ウォッチを手に入れてすぐの事を語る。

 

 

 

あの後、ソウゴがクジゴジ堂に帰ると、リビングのテーブルには大量のおにぎりがあったのだ。

 

『お、叔父さん……』

 

『いや〜ね、隕石が落ちてくるってニュースを見て、疎外用におにぎり作ったんだけど……』

 

隕石の落下はソウゴ達が食い止め地球は救われために、順一郎が作った大量のおにぎりは無駄となってしまった。

 

『ソウゴ君、明日みんなと一緒に食べてくれないかな?』

 

『いや……この数は……』

 

ソウゴがサラッと見ただけでも、おにぎりの数は間違いなくお米一ヶ月分くらいはあると思われる。

 

 

 

そんなわけで、みんなで順一郎が作ったおにぎりの残飯処理をすることになった。

 

「凄い量なのです…」

 

「まぁ、とりあえず食べよう」

 

みんなはビニールシートを剥がし、おにぎりを口にする。

 

『っ! 美味しい〜!』

 

おにぎりを口にすると美味しいとみんなが叫ぶ。

 

「塩加減が丁度よく。握りの強さもそんなになくとても食べやすいです!」

 

「こんな美味しいおにぎり初めて〜!」

 

「でしょ!ソウゴの叔父さんは料理はいつも美味しいの〜」

 

ルールーがおにぎりの感想を言い、はなが順一郎の事について妹へ話していると。ウォズとハリー、えみるがおにぎりのおかわりをいただこうとする。

 

「我が魔王!もう一つ頂けるかな!」

 

「俺も!」

 

「私もなのです!」

 

みんなはおにぎりを堪能して食していた。

その後、ミライパッドではな達がさあやの出演するドラマを見る。

 

「感動だよ~!」

 

「お姉ちゃん、汚いから拭いて」

 

余りに感動したはなが涙を流しながら、ことりから貰ったティッシュで鼻をかむ。

 

「いつもとまるで別人なのです」

 

「本当。テレビと日常じゃ比較できないわ」

 

「ありがとう……」

 

えみるとツクヨミからそう言わてたさあやが、照れながらお礼を言う。

 

「巨大タワーから生まれた女の子って、凄い設定だよね」

 

「完全にSF作品だが、さあや君の演技がSFを感じさせない。感動ものが伝わるよ」

 

「現代のかぐや姫を狙ったドラマですから、大ヒット中なのです!」

 

「もうすぐ新しいドラマの撮影があるんだよね?」

 

「うん」

 

ツクヨミの言う通り、近いうちに“ドクターハイスクール”という新しいドラマの撮影があり、さあやもそれに出るらしい。

 

「昼間はごく普通の女子高生、放課後は天才のお話なんですよね?」

 

「うん。実は、その役作りの為にすみれさんにお願いしたい事があって」

 

「ママに?」

 

「どんな事ですか?」

 

はなとことりの姉妹は何を頼みたいのか思い、二人がお互いに顔を見る。

 

〈ポゥゥゥ〜ン!〉

 

するとその時、何かの汽笛のような音が外から聞こえた。

 

「何ですかこの音……」

 

「…あれ?この音どこかで……」

 

気になったソウゴ達は外へ出ると、ビューティーハリー上空に時空のトンネルが現れた。

 

「なんなのあれ?」

 

「あれは、時空のトンネル。過去と未来を行き来するトンネルなの」

 

「俺達もあのトンネルを通って、この時代に来たんだ」

 

「時空のトンネル……」

 

ことりがツクヨミ達の説明を聞いていると、時空のトンネルから何か現れる。

 

「あれは……」

 

「電車?」

 

そこから現れたのは赤い新幹線の様な電車……時を走る電車・デンライナーだった。

デンライナーは上空を走り、そのままビューティーハリーへと向かってくる。

 

デンライナーは甲高い金属音を響かせながら、ビューティーハリーへと着陸するかのように止まった。

 

「どうしよう……」

 

「とにかく行こう!」

 

ソウゴは着陸したデンライナーのもとへ駆け寄る。

 

「あれは……」

 

「煙だしてる……」

 

ほまれの言う通り、デンライナーの車両のあちこちから煙が吹き上がっていた。

すると、デンライナーから誰か降りて来た。

 

「ひでぇ目にあったぜぇぇーー!!」

 

「よく言うよね先輩は。自分のせいなのに」

 

「何だとこのー!?」

 

「慣れもせん運転するからや!」

 

「お前は寝てただろ!」

 

「モモタロス、馬鹿じゃないの!」

 

現れたのは電王の仲間である四人のイマジンだった。

 

「モモタロス!」

 

ソウゴとはな、さあや、ほまれはクローバーの事件の際に一緒に戦った事があり、すぐに彼らの元に駆け寄った。

 

「おぅ!ソウゴ!はな!久しぶりだな」

 

モモタロスもソウゴ達の事を覚えていた。

 

「あの化け物みたいな人達は?」

 

「彼らは仮面ライダー電王の仲間。イマジンと言う存在だよ」

 

ウォズがえみる、ルールー、ことりにイマジンの事を説明する。

 

「野上良太郎は?」

 

ソウゴは仮面ライダー電王である野上良太郎は何処かと尋ねると、ウラタロスが彼の行方を説明する。

 

「良太郎はね。今オーナーと一緒にキングライナーにいるんだ」

 

「キングライナー?」

 

ソウゴはキングライナーと言われてもわからないが、とにかく野上良太郎はここにはいないと教えられた。

 

「それより、デンライナーなんでこんな酷い状態なの?」

 

「何かトラブルでも?」

 

「モモの字が下手な運転したせいで!デンライナーの操作がおかしくなったんや!」

 

「なんだとクマ公!」

 

モモタロスの所為だと言う中、イマジン達は喧嘩を始めた。どうすれば喧嘩を止められるのかを考えているのか、一々関わるのに面倒を感じたのか、ソウゴ達はイマジン達の喧嘩を制止するわけでもなく、只静かに見守っていた。

 

「ねぇ、ねぇ、この時間で一番の修理屋って誰か知らない?」

 

「そいつにデンライナーを直して貰いたいんや」

 

『一番の修理屋……』

 

この時代で一番の修理屋と言われると、ソウゴ達の頭からは一人、思い当たる人物が浮かび上がる。

 

「あれ?女の子が増えたかな?」

 

ウラタロスがえみるとルールーとことりに気づき、声をかける。

 

「どう君達?僕に釣られてみない――」

 

「亀公!てめぇ!中学生をナンパするな!」

 

モモタロスがナンパしようとしたウラタロスを叱る。

 

 

それからしばらくして、ソウゴ達は叔父の順一郎さんをビューティーハリーへと招く。

 

「で、僕に何の用かな?」

 

順一郎はイマジン達に何が用と尋ねる。するとモモタロスが前に現れ、彼に向かって手を合わせる。

 

「おっさん!頼む。デンライナーを直してくれ!」

 

「デンライナー?」

 

「今、外に止まっているあの電車なんだけど……」

 

ソウゴが順一郎に、外に止まっているデンライナーに指を指して言う。

 

「え、電車?あのうち……うち時計屋だよ?いくらなんでも電車は……」

 

「大丈夫。電車っていっても時計みたいなもんだから」

 

「あんたがこの時間の一番の修理屋、いうやないか」

 

「あらそう?そこまで言われると断れないなぁ」

 

イマジン達から一番の修理屋と煽てられ、順一郎はあの電車を直してあげようかと思い始める。

 

「答えは聞いてない……それ!」

 

だが痺れを切らしたのか、リュウタロスが順一郎へ憑依した。

 

「イエイ!」

 

「叔父さん!?」

 

ソウゴが驚くと、叔父の姿がいきなり瞳の色と頭の髪色が紫色と変わり、帽子も被ってテンションが上がっていた。

 

「デンライナーにゴー!ゴー!デンライナーにゴー!ゴー!」

 

リュウタロスに憑依された順一郎がテンションアゲアゲでイマジン達と共にデンライナーへと向かって行き、ビューティーハリーを出て行く。

 

「我が魔王。彼らは新たなウォッチを手に入れる鍵かもしれません」

 

「そんなことより、叔父さんが心配だよ~ああ~……」

 

「ソウゴ君……」

 

ソウゴ達はハリーとウォズを残し、デンライナーへと向かう。

 

 

 

 

その一方、クライアス社の会議室。

誰もいない会議室では、オーラとウールが話していた。

 

「ジオウが次のウォッチを手に入れるのも時間の問題ね。残るウォッチは後2つ」

 

「とんとん拍子過ぎない?あいつには仮面ライダーを引き寄せる何かがあるのかな?」

 

「どうでもいいわ。手が付けられなくなる前に阻止する」

 

「君達に出来るの〜?」

 

そこへビシンが現れ、二人を煽る。

 

「アンタの力を借りなくても、もう対策は練ってあるわよ!」

 

「ふん〜……なら、面白そうだから手伝ってあげるよ」

 

そう言って彼女は今度こそジオウを倒すと意気込むと、珍しくビシンがオーラに手を貸すと声をかけた。

 

 

 

 

遠藤家と書かれたお墓に手を合わせる男性。

そこへ1人の青年が歩み寄る。

 

「ここへ来るなと言ったはずだ!」

 

すると歩み寄って来た青年が、墓石に向って手を合わせていた男性にそう言って怒鳴り散らす。

 

「お前のせいで姉ちゃんは!……二度と来るな。いいな」

 

そう言って青年は、墓参りをしていた男性に向けて彼が持参してきた花を叩きつけ追い返す。

その時、青年の後ろからオーラとビシンが現れた。

 

「何だよお前ら……?」

 

「君に力を渡しに来たんだよ」

 

「あの男に恨みがあるみたいね。めちゃくちゃいい知らせ。私ならあなたの恨みを晴らしてあげられると思うんだけど?」

 

オーラがブランクウォッチを取り出すと、ウォッチは黒いオーラを取り込みながらアナザーライドウォッチへと変わった。

 

『電王…!』

 

アナザーライドウォッチを起動すると、青年の体内に埋め込む。

 

「うわぁぁぁ……!」

 

オーラは青年にアナザーウォッチを埋め込めると、青年の体がウォッチの力で変貌。ナマハゲのようなベルトを付け、赤色の姿をし、スカート状のアーマーの尻部分に『DEN-O』と言う文字が刻まれ、ローブ部分に『2007』―――ではなく、『2018』と言う文字が刻まれたアナザーライダー・アナザー電王に変身した。

 

「っ⁉︎」

 

追い返された男性は振り向き、目の前に居た怪物に驚く。

 

「どうすればいい?」

 

「時の列車を奪い取るの。ついて来なさい」

 

オーラ達はアナザー電王を連れて、デンライナーの元へ向かおうとする。

 

「タクヤ君が化け物に!」

 

驚いた男性は腰がひけて、すぐに起き上がれなかった。

しかしその時、動けない男性に光の玉のようなものが体に入っていった。

 

 

ソウゴ達はデンライナーの運転席へと入っていた。

 

「うわぁ〜」

 

「凄いのです」

 

「作りからして、かなりの高度な技術が施しています。何よりこの列車の運転を、このバイクで行っているのですね」

 

デンライナーの運転席の中を探索することりとえみるとルールーの三人。

一方、デンライナーの車両の中へは、はなとさあや、ほまれ、ゲイツがいた。

 

「はい〜、デンライナーからのサービスです〜」

 

客室乗務員のナオミが四人にお茶を用意した。

 

「あの〜……」

 

「これは……」

 

「コーヒーです!」

 

コップに注がれていたのはコーヒーと言うが、ほまれ達の目にはとてもコーヒーには見えなかった。

 

「とりあえず、飲んでみよ」

 

さあやに勧められ、ナオミが用意してくれたコーヒーを四人は飲んでみた。

 

『っ⁉︎』

 

ゲイツとほまれは少々咽せてしまった。

 

「どうですか〜♪」

 

「こ、こ、個性的な味だね……」

 

「えっ?私は意外と好きだけど?」

 

「「「えっ?」」」

 

まさかのさあやは、ナオミの入れたコーヒーが意外と好きだと言う。

 

 

その頃運転席では、順一郎が辺りを見て破損箇所が何処か調べる。

 

「おい、どうだ、おっさん。何とかなりそうか?」

 

「なるほどな。確かにこれは大きな時計みたいなもんだな」

 

「はっ……?全然違うじゃん」

 

「これは時計じゃ……」

 

どっからどう見ても時計じゃないのに、どうやって直すのだとソウゴが思っていると…

 

「みんな!叔父さんを舐めちゃいけないよ。任しとけ!この時間で一番の修理屋だよ!時計屋だけど!」

 

「さすが!」

 

「おぉ!凄い自信!」

 

「順一郎さん!ファイトなのです!」

 

「ふぁいと!ふぁいと!」

 

運転席のシートに座っているはぐたんも、えみると一緒にファイトと順一郎に向けてエールを送る。

 

しかしその時、爆発音と共にデンライナーから振動が走った。それも、何があったような衝撃だった。

 

「これは……まさか。叔父さん!はぐたんを見てて!」

 

ソウゴ達はデンライナーの外へと出ると、既に外では、アナザー電王がデンライナーを奪うために攻撃を行なっていた。

 

「ソウゴ君!あのアナザーライダー」

 

「アナザー電王……みんな!ことりちゃん!」

 

「は、はい!」

 

かつてアナザークウガ鬼火の事件で電王が倒した筈のアナザー電王の登場に驚きながらも、ソウゴ達はドライバーを装着。はな達はプリハートを取り出してミライクリスタルをセットする。

 

『ジオウトリニティ!』

 

ソウゴはジオウトリニティウォッチを装填し、ウォッチのダイヤルを回す。

 

『ジオウ!ゲイツ!ウォズ!』

『ハリー!ギアジェット!』

 

「「変身!」」

「「「「「ミライクリスタル!ハートキラッと!」」」」」

 

ジオウとハリーへと変身し、ジオウの体に腕時計となったゲイツとウォズが装着される。はな達六人が揃ってプリハートにミライクリスタルをセットし、六人が揃っていつもの手順を取り姿を変える。

 

『トリニティタイム!三つの力、仮面ライダージオウ!ゲイツ!ウォズ!トーリーニーティー!トリニティ‼︎』

『ジェットタイム!導け!切り開く世界!ハリー!ギア!ジェット〜!』

「輝く未来を〜抱き締めて!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

「「みんな大好き!愛のプリキュア!」」

「キュアマシェリ!」

「キュアアムール!」

「みんな舞い上がれ!希望のプリキュア!キュアアーラ!」

 

「「「「「HUGっと!プリキュア!」」」」」

 

ジオウトリニティ、ハリーギアジェットへと変身し、プリキュア六人で初めて同時に名乗り、チーム名を叫んだ。

 

「ハリ〜」

 

そこへ、アナザー電王の隣にギアファングフォームになったビシンも現れた。

 

「ゲイツ……あれが」

 

「あぁ、ビシンの強化フォームだ」

 

「なんや!また勝負に来たか⁉︎」

 

「いいや〜。今日はハリーじゃないんだ。今日は……」

 

ビシンはジオウトリニティへと目を向ける。すると、ジオウトリニティへと突撃してくる。

 

「負け犬の方だーー!」

 

右腕のクローを構えながらジオウトリニティへと突撃しようとした、その時……

 

〈ムゥゥゥゥゥ〜〜ン!〉

 

今度は牛の鳴き声の様な汽笛を鳴らしながら、彼らの前にデンライナーとは違う列車が現れた。

 

「うわぁ〜!何⁉︎」

 

ジオウ達がいきなり現れた列車に驚いていると、牛の頭部を模した緑色の列車が通り過ぎると共に二人の人影が現れた。

 

「時見ソウゴ。お前が魔王だな」

 

「あんた……桐谷京介⁉︎」

 

現れたのは仮面ライダー響鬼の継承で出逢った仮面ライダー響鬼を継承した桐谷京介だった。

 

「誰だ、それ?」

 

しかし彼は桐谷京介ではなかった。どうやら只のそっくりさんのようだ。

 

「いやいやいや誰って……えっ?忘れちゃったの?」

 

「馴れ馴れしく話しかけるな。俺はお前が作った最低最悪の未来を止めるために来た」

 

京介そっくりな男はそう言うと、以前見た電王のベルトと似たようなベルトを装着した。

 

「変身!」

『アルタイル フォーム』

 

そして緑色のカードを挿入すると、電王とは違うプラットフォームへと変身した。

すると音声と共に緑のオーラアーマーが現れて全身を包こみ、顔には二頭の牛が合わさったような仮面が変形しながら覆われる。

 

「最初に言っておく!俺はかーなーり強い!」

 

「仮面ライダー……」

 

「なんだ。あの仮面ライダーは……」

 

「仮面ライダーゼロノス、時を守るライダーだね」

 

「時を……」

 

「そこのお前、邪魔するな!」

 

ウォズが突如現れたライダー・仮面ライダーゼロノスの解説をしていると、ビシンが現れたゼロノスに襲いかかる。

 

「ふん‼︎」

 

だが背後にいたゼロノスのイマジン、デネブが手から放った銃撃でビシンを近づけさせない様にする。

 

「デネブ。分かってるな」

 

「了解」

 

ゼロノスがジオウトリニティに突っ込んで行く。

そこへデネブが援護弾をジオウトリニティへ浴びせていく

 

「くぅ!」

 

「正面から当たっても勝てない?」

 

「そういう事だ!」

 

ジオウトリニティに攻め込むゼロノス。しかし…

 

「フラワーシュート!」

 

「ッ……」

 

「侑斗!」

 

「フェザーブラスト!」

 

エールとアンジュがメロディソードで技を放ち、ゼロノスとデネブの連携を封じた。

 

「はぁぁ!」

 

ジオウトリニティがジカンデスピアでゼロノスへ反撃に出る。

 

「あいつ……」

 

「させへんで!」

 

ハリーがビシンをジオウの元へ行かせないようと前に出る。

 

「スタースラッシュ!」

 

エトワールがスタースラッシュを放ち、ビシンを怯ませる。

 

「何だ?でも助かった、この隙にあの列車を……!」

 

「行かせません!」

 

「ここは、私達が!」

 

「は、はい!」

 

アナザー電王がこの隙にと思いデンライナーを奪おうと試みるが、マシェリとアムールとアーラが立ち塞がる。

 

「「ツインラブギター!」」

「リコーダーステッキ!」

 

マシェリとアムールはツインラブギターを、アーラは羽の装飾が付いたリコーダー型の杖・リコーダーステッキを出現させた。

 

「ウィングシャワー!」

 

アーラがリコーダーステッキのボタンを押したまま口につけて吹くと、無数の羽が発生させた。それはアナザー電王の目くらましになった。

 

「アムール!」

 

「はい!」

 

「「ツインラブギター!ミライクリスタル!」」

 

アナザー電王の動き止まっている内に、二人はツインラブギターにルージュとバイオレットのミライクリスタルをセットする。

 

「アーユーレディ!」

「行くのです!」

 

ツインラブギターを使い、二人が弦を弾き演奏を始める。

 

「「届け!私達の愛の歌!」」

 

「心のトゲトゲ!」

「ズッキュン撃ち抜く!」

 

「「ツインラブ・ロックビート!」」

 

マシェリとアムールがツインラブギターを持ち替え、二人同時に赤と紫のハート型エネルギーを放つツインラブ・ロックビートをアナザー電王へと放った。

 

「ッ⁉︎」

 

ツインラブロックビートを受けて、アナザー電王の変身が解けて元の人間の姿に戻った。

変身が解かれた人の下へオーラが現れ、時間を止める。

 

「こんなとこで諦めてもらっちゃ困るんだけど」

 

オーラが時を止めたアナザー電王を連れて、ビシンと共に一度撤退した。

 

 

その後、ビューティーハリーへゼロノスの変身者である桜井侑斗とデネブを招き、彼らから話を聞く。

 

「俺はデネブ!こちらは桜井侑斗!侑斗をよろしく!」

 

デネブが頭を下げて自己紹介すると、みんなにキャンディを渡す。

 

「これ、お近づきの印ね」

 

「ありがとうございます」

 

とりあえずみんなはキャンディを受けとる。

 

「時を守ってるって聞いたんだけど?」

 

「まぁな」

 

「あの、どうしてソウゴ君を?」

 

はなとえみるがキャンディを食べている横で、さあやがどうしてソウゴを襲ったのだと聞くと、自身が見た未来の事を思い出し、侑斗はソウゴを見ながら語り出す。

 

「俺は、お前の未来ってやつを見ただけだ……」

 

「……そこでは我が魔王が最低最悪の未来をつくっていた、と」

 

「まさにそれだ。そいつはオーマジオウとなって、いずれは世界から時を止めた」

 

侑斗の言う事は正しかった。

実際、ゲイツ達の未来ではソウゴはオーマジオウとなって時間を止めた。

 

「ソウゴに限ってそんな事にはならない。仮にそうなったとしても、俺が止めて見せる」

 

それに対してゲイツが机を叩いて、もしもの時はソウゴは自分が止めるという。

 

「第一に止めるのはソウゴよりも、クライアス社を止めるべきでしょ!」

 

「だが、そいつが最強の力を手に入れても、同じ事が言えるか?」

 

「最強の力……」

 

ソウゴが最強の力を手にすると言われると、ゲイツは自分でも倒せるかどうか解らす言い淀んでしまう。

 

「そのガキの魔王はこの先、誰も手の届かない力を手に入れる。時の王者として君臨する。そうなれば、もう誰もそいつを止めることはできない」

 

「……俺は最低最悪の未来なんか作らないよ。最高最善の魔王になる」

 

「口では何とでも言える……俺はお前を必ず倒す!」

 

最高最善の魔王になると語るソウゴに便乗するように、そうだそうだとルールーがキャンディを口の中で転がしながら頷いている。侑斗はそれを一掃すると椅子から立ち上がり、ビューティーハリーから出て行く。

 

「あぁ、あんな事言っちゃって!ごめんね、ごめんなさい!気を悪くした?あの……侑斗を宜しくまたね!んじゃ!」

 

デネブが侑斗のフォローをしながらも、侑斗をよろしくと言いながら去っていった。

 

「なんやあいつ……」

 

その様子を見てそう呟いたハリーは、デネブから貰ったキャンディを口に入れる。

 

 

ソウゴ達はそれぞれの帰路へと向かう。ゲイツとツクヨミはイマジン達の監視の為に今日はビューティーハリーへと止まることにしたらしあ。

 

「あのさ……もし、俺が本当に最低最悪の魔王になったら……みんな、俺の事は倒してくれてくれても構わない」

 

ソウゴが侑斗の話しを聞き、仮にも自分がオーマジオウになったらかと少し不安になっていた。

 

「そんな事はさせません。私をクライアス社から救ってくれた時のように今度は私達がソウゴ助けます!」

 

「そうそう!最善最高の魔王に〜!フレフレ〜!フレフレ〜!ソ〜ウ〜ゴォーー!」

 

「それに、本当にソウゴが暴走した時は私達が止めるよ」

 

「私もなのです!」

 

「私もソウゴさんの力になります!」

 

「みんな……ありがとう」

 

ルールーが、はなが、ほまれが、えみるが、ことりがそう言っているのを聞き、信頼できる仲間がいる事を再確認。

それがあるなら絶対にオーマジオウにはならない、ソウゴはそう感じていた。

 

その後は、みんなと別れさあやと二人で同じ道を帰る。

 

「あの、ソウゴ君……」

 

「何?」

 

「あのさ、聞きたいだけど……」

 

さあやがソウゴに聞きたい事があると言う。

 

「ソウゴ君は、テレビに出てる私と、そうじゃないいつもの私……どっちがいい?」

 

「えっ?どうしたのいきなり?」

 

「今は少しでも早くお母さんと共演したい。それを目標に頑張ってる。

だけど………もし、それが叶っても、まだ今みたいに頑張れるかなって……」

 

自身の今の目標は母と共演する事。

しかしそれが叶った時、それで満足してしまい、演技を続けることが、頑張る事が出来なくなるかもしれない。

さあやがそんな自分の未来に不安を抱いていると、ソウゴは直ぐに彼女に向かって自身の答えを言う。

 

「それは、さあやが決める事だよ」

 

「えっ?」

 

「俺は、TVに出てるさあやも、いつもさあやどっちもいいと思ってる。さあやは自分のやりたい事、目標にしている事をガムシャラに頑張っている。それで、いつかは答えは見つかるよ」

 

「私の答え……」

 

「じゃあ、俺はここで……また明日ね!」

 

「うん!」

 

お互いに手を振ってソウゴはクジゴジ堂へと向かい。さあやは自分の家のマンションへと帰って行く。

 

 

 

そして次の日、ビューティーハリーで順一郎さんはデンライナーの修繕に全力を尽くしているその一方で、ソウゴ達は今回の仕事体験の場所であるあさぱぶ総合病院に着く。

 

「到ちゃーく!」

 

「思い出すよね。内富士先生の赤ちゃんが産まれた時の事」

 

「うん。あの時の先生に、お話を聞いてみたくて」

 

ここに来たのは、内富士先生の奥さんの出産を担当した真木先生から医者についての話を聞きたいと、さあやが頼んだからだった。電話してすぐに了承の返事を貰えた。

 

「病院は静かにして下さい」

 

すると後ろから、注意する声が聞こえてはな達が振り向く。

そこには、本を抱き抱えた一人の少女が立っていた。

 

「病院は……静かにして下さい」

 

「は、はい。ごめんなさい……」

 

はなが謝ってから少女は一礼し、この場から早足で後にした。

 

「あんな小さい子にも注意されるなんて、お姉ちゃんって本当にお子ちゃまね」

 

「めちょっく……」

 

その後、ソウゴ達はあさぱぶ総合病院の診察室へとやって来た。そこに居られたのは内富士先生の時にあった真木先生がいた。

 

「すみれさんから窺ってるよ、話が聞きたいと。

でも、それだけでいいのかい?」

 

真木が仕事しながら語り、区切りを付けてからソウゴ達の方を向いてそれだけでいいのかと尋ねる。

 

「えっ?」

 

「命の生まれる現場に、遊び半分で来た訳じゃないだろう?」

 

「も、勿論です!」

 

さあやは真剣な表情で、勿論ですと答える。

 

「なら、さっさと支度しておいで。産婦人科以外の診療科も研修出来るよう、話を通してあげるから」

 

「あの、私は整形外科を見てみたいです」

 

「俺も整形科に行きたい」

 

「じゃあ私は小児科でお願いします!」

 

「私も同じなのです!」

 

「私もいいですか?」

 

「私は外科医を見に行きたい」

 

はなとえみるとことりは小児科を希望し、ゲイツとほまれは整形外科を、ツクヨミは外科医を希望する。

 

「オッケー。君はどうするの?」

 

真木はソウゴはどうするかと尋ねる。

 

「俺は……」

 

 

ソウゴ達が病院の仕事体験をしている一方、ビューティーハリーに停車しているデンライナーの方は……

 

「これだけ直し甲斐のある時計は初めてだ。でもこれ……ほんとに時計なのかな?」

 

「そこは考えちゃダメ」

 

流石に順一郎はこの機械が時計では無いのでは?と思っていたが、ウラタロスが深く考えないでと言う。

 

「まいっか!」

 

こちらは面白いおかしく楽しんでデンライナーの修理を行なっていた。

 

 

はな達が病院の裏に移動し、さあやがミライパッドを取り出す。

 

「じゃあ、行くよ」

 

「「「うん!」」」

「はい」

 

「?…これから何が始まるの?」

 

初めての事でことりが首を傾げて尋ねる。わかりやすいようにさあやがことりに見せながらミライクリスタル・ブルーをミライパッドの上部にセットする。

 

「ミライパッド、オープン!」

 

画面から光が放たれ、ドアが開く。

 

「「「「「お仕事スイッチ、オン!」」」」」

 

はな達は白衣を着た医者となった。

 

「ミライクリスタルって、こんな事も出来るんだ…」

 

ことりが今の自分の姿を見ながらそう呟く。

 

「ことりは知らなかったっけね」

 

「ナイトプールの時の衣装も、温泉に行った時の衣装も、ミライクリスタルを使って着たものです」

 

「じゃあ、私のは何になれるのかな?」

 

ことりはポケットからミライクリスタル・エメラルドを出して手の平に乗せる。

 

「じゃあ、今回もお仕事頑張ろう!」

 

はな達は病院の中へと戻る。

 

「あっ、来た来た」

 

中に戻ると、私服の上に白衣を着たソウゴとゲイツがはな達に気付いて声を出す。

 

「ソウゴ君似合ってるね♪」

 

「そうかな?まぁ、なんかちょっと偉くなった感じするな〜」

 

「ことりちゃんは初めてだったね。職業体験」

 

「はい。緊張してるけど、楽しみ」

 

挨拶をしてから、はなとえみるとことりは小児科、さあやとルールーは産婦人科、ゲイツとほまれは整形外科へ向かい、ツクヨミは外科医の仕事を手伝ったり見学し、体験をしたりする。

妊婦体験の手伝いで、そこにはハリーとはぐたんも一緒だった。

 

「よいしょっと……妊娠してるお母さんって大変……」

 

妊婦体験ジャケットを着たさあやがそう言う。

 

「こんなに重いとは……母親は凄いですね」

 

ルールーも妊婦体験ジャケットを着て話す。

 

「どれ……うおっ…!重っ……!」

 

同じく妊婦体験ジャケットを着たハリーが椅子から立ち上がると、体勢を崩して転びそうになる。

 

「きばりやっしゃー!」

 

はぐたんが応援し、この光景を見て他の参加者達も笑い合う。

 

 

その頃ソウゴは、医者の人が患者の人と話している様子を後ろから見学していた。 

 

「我が魔王」

 

その後ろをウォズがソウゴの名を呼びながら現れた。

 

「精神科とは、意外だね。我が魔王」

 

ソウゴがあさぱぶ総合病院の精神科の体験を受けていた事に、ウォズは意外性を覚えていると…

 

「何故、精神科に?」

 

何故、精神科なのかとソウゴに聞く。

 

「俺の両親が事故で亡くなったって知ってるよね……」

 

「……」

 

我が魔王の両親が死んでいる…という話を聞き、ウォズは以前にアナザージオウ事変の時に、調べた事がある事を思い出す。

 

「あの時の俺みたいな人がいるなら……そんな人達の力になりたいんだ」

 

過去に起こった自分の辛い体験があるソウゴは、自分と同じ体験をした人達の力になりたいと言う。

 

「そんな人達の心の支えとなるのも、王様になるのに必要でしょう♪ほら、民の心を知るのが必要みたいな」

 

「流石は我が魔王だね。人の心に寄り添うまさに王としての器だ」

 

「……ねぇ、昨日の桜井侑斗が言ってた事って、ウォッチを集めたら、最強の力が手に入るって事だよね?」

 

「桜井侑斗の言葉通りなら、誰も我が魔王にかなわなくなるようだね」

 

「……オーマジオウにも勝てる?」

 

以前、門矢士に未来へ送り込まれ、オーマジオウと対峙し戦った時、オーマジオウに完膚なきまでに負けた記憶がソウゴの脳裏をよぎる。

 

『全てのウォッチを集めるのが、王への道』

 

そうオーマジオウ告げられたソウゴは、残るウォッチを必死に集めって来た。

 

「そうじゃなきゃ、オーマジオウの口車に乗ったりなんかしない」

 

「無論。オーマジオウの力を手に入れれば、対等に戦える。それは我が魔王をおいて、他にいない」

 

「だったら何も迷わない。その力、手に入れてみせる」

 

ウォズにそう語りながらソウゴは精神科を出ると、そこへ先程の少女が立ち止まって見ていて、表情を曇らせながら歩き去った。

 

(あの子、さっきの……)

 

 

さあやとルールーが、通路の方で真木と椅子に座る不安気な表情の妊婦達を見て会話をする。

 

「産科のお仕事って、産まれる時だけじゃないんですね」

 

「お腹に赤ちゃんが出来た時から、お母さんは始まってる。

お母さん達には分からない事が沢山あるの。

だから、十ヶ月掛けてお母さんになる準備をして行く」

 

「良く、分かりません。赤ちゃんを愛しいと思う気持ちは分かります。でも、まだ見えない赤ちゃんを愛おしく思えるのは……」

 

「お母さんはね、赤ちゃんをいつも全身で感じているのよ」

 

正面口で一組の家族を見届けてから、さあやが先程の少女に気付く。

 

「こんにちは」

 

さあやが少女に近寄り、その少女に挨拶をする。

 

「どうしたのかな?一人で。

……あっ、ごめんね。私は薬師寺さあや、お医者さんのお手伝いをしているの」

 

「川上あや」

 

「あやちゃんって言うんだ」

 

「真木先生!」

 

「あやちゃん」

 

少女は川上あやと名乗ってから、真木の傍に駆け寄る。

 

「今日はお母さん、よろしくお願いします」

 

「分かりました。あやちゃん」

 

「真木先生にお願いしたの」

 

「そうか」

 

そこへあやの父親が現れ、あやが真木にお願いした事を伝える。

 

「ママの部屋に行くね」

 

父親にそう伝え、母親の病室へ向かう。

 

「彼女のお母さん、今日何かあるのですか?」

 

「はい。帝王切開で、赤ちゃんを産むんです。あやちゃんの弟を」

 

「帝王切開……手術をするんですね」

 

手術の話を聞いた後、検査室で真木があやの母親にエコー検査を行い、さあや達もモニターでお腹の中を確認する。

 

「凄い……」

 

「お母さんはこの赤ちゃんを全身全霊で感じてるんですね」

 

「昨夜は眠れた?」

 

「あんまり……」

 

「不安もあるだろうけど、頑張りましょうね」

 

「はい……」

 

「おお……!動いた……!」

 

赤ちゃんが動いた事にモニターを見ないで本を見ていたあやも一瞬反応するが、本に向きを戻す。

 

「本、逆さまだよ」

 

「あっ……」

 

さあやがあやに本が逆さまと伝えると、あやは耳をほのかに赤くしながら本の向きを戻す。

 

「あやちゃん、赤ちゃん楽しみだね」

 

「うん………」

 

「ママを応援してあげようね」

 

「うん……あや、お姉ちゃんになるから」

 

「うん」

 

 

 

一方、小児科に行ったはなは子供達に弄ばれ、えみるとことりは子供達に絵本を読ませていた。

 

「えみるとことりはお姉ちゃんなのに……私は……」

 

「はなー!はなー!」

 

えみるとことりは子供達にお姉ちゃんと呼ばれていたが、何故かはなだけ呼び捨てだった。

 

 

外科医にいるツクヨミは、手中治療室にいる患者と接している医者を見ていた。

整形外科に行ったほまれは、リハビリ室で患者のリハビリを手伝う。

 

「大丈夫。焦らないで」

 

「きばりやっしゃー!ほまえ!きばりやっしゃー!」

 

ハリーに抱き抱えられたはぐたんがほまれを応援し、この場を和ませた。

 

「よし、あと三回……」

 

その時、手伝っていたゲイツの背後に赤い光の球が現れ、ゲイツの中に入り込んだ。

 

「あっ……⁉︎」

 

その時、ハリーの目にゲイツの体から砂が溢れるのが見えた。

 

「ゲイツ?」

 

「どうしたの?」

 

「よう!」

 

ほまれがどうしたのかと尋ねると、ゲイツの瞳が赤くなって髪が逆立ち出し、白衣を脱ぎ捨てた。

 

「俺だ俺!デンライナーの修理は順調にいってるぜ‼︎」

 

「もしかして、モモはんか⁉︎」

 

「俺がお前達を手伝いに来たってわけだ!」

 

「手伝うって?」

 

「あの偽電王、俺が倒してやるって言ってんだよ!しかも、この近くに来てやるがるぜ!行くぜ行くぜ行くぜーー!」

 

「ちょっと待ってゲイツ!」

 

ゲイツが出て行くと、ほまれとハリーがはぐたんを抱っこして追いかける。

 

 

 

デンライナーを奪うべく街中を移動していたアナザー電王が、そこにいた。

 

「どこだ……どこだ……」

 

そこへ、モモタロスに憑依されたゲイツとハリーとほまれが駆けつけた。

 

「待ちやがれ‼︎ 偽物野郎!」

 

モモタロスはアナザー電王を今度こそ逃がさんと、懐からジクウドライバーとゲイツウォッチ、ゲイツリバイブウォッチを取り出す。しかし…

 

「………これどうやって使うんだ?」

 

モモタロスにはウォッチの使い方が分からなかったのか、ハリーとほまれにどう使うのか問いかける。

 

「「もうっ!」」

 

二人がモモタロスに憑依されたゲイツの手からウォッチを取り、ゲイツウォッチとゲイツリバイブウォッチを起動させる。

 

『ゲイツ!ゲイツリバイブ剛烈!』

 

起動させたウォッチをドライバーのスロットへと装填した。

 

「「はい!変身!」」

 

「おお……変身!」

 

後ろから現れた砂時計のエフェクトが現れると、モモタロスはドライバーを勢い良く回す。

 

『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!リ・バ・イ・ブ剛烈! 剛烈!』

 

二人の甲斐あってゲイツリバイブ剛烈へと変身出来た。

 

「なるほど?……俺、参上!」

 

いつもの電王になった時のポーズを取ると、ジカンジャックローを構えアナザー電王へと走って行く。

 

「行くぜ行くぜ行くぜぇ!」

 

ゲイツリバイブになったモモタロスはのこモードのジカンジャックローで攻撃を繰り出す。

 

「へぇ〜、意外と使いやすいな」

 

攻め込むゲイツだが、そこへ誰かが現れるとアナザー電王を攻撃した。

 

「な、何だこいつ……?イマジンか……!」

 

現れたのは、モグラ型のイマジン・モールイマジンだった。

 

「俺の契約者はコイツを助けたいってさ!」

 

「ユキヒロ……お前……!」

 

そこへ、ハリーからの連絡を受けたソウゴとウォズ、はな、えみる、ことりも現場へとやって来た。

 

「これってどういう事……?あれ何?アナザー電王と戦ってる、ってことは、味方ってこと?」

 

「それはどうかな?」

 

「とにかく俺も……みんなは離れて」

『ジオウ!』

 

はな達は少しソウゴ達から離れると、ジオウウォッチを起動させる。

 

「言ったはずだ。俺はお前を止めると」

 

だが変身しようとするソウゴの前に、ゼロノスとデネブが立ちはだかる。

 

「ごめん。ここで止まる訳にはいかないんだ。最高最善の魔王になって、未来を変えるために」

『ジオウトリニティ!』

 

そう言ってソウゴはジオウトリニティウォッチを起動し、ドライバーへと装填するとウォッチを回した。

 

『ジオウ!ゲイツ!ウォズ!』

 

三人が光が包まれ、光に包まれたゲイツとウォズの体が腕時計のように変わり、ジオウの体にはめ込まれると、ジオウの身体も変化を始め、ジオウの仮面が中央へと移動する。

 

『トリニティタイム!三つの力、仮面ライダージオウ!ゲイツ!ウォズ!トーリーニーティー!トリニティ‼︎』

 

ジオウはジオウトリニティへと変身を完了した。

 

「ったく、いい所だったのによ!どうなってんだこれ⁉︎」

 

「どうしてあんたがここに⁉︎」

 

しかし、ゲイツに憑依したモモタロスがそのまま合体し、ジオウトリニティの三人の意識空間にまでいた。肝心のゲイツはいるにはいるが、白目を向いて意識を失っていた。

 

「これ何だよ?てんこ盛りみたいなもんか?」

 

「おそらく君がゲイツ君に憑依したからだね。ゲイツ君は意識を失ってる」

 

「そんなことより……行くぜ行くぜ行くぜーーッ!」

 

「うわっ!ちょっとこら、勝手に!」

 

モモタロスに引っ張られてジオウトリニティが向かって行き、一方的にモモタロスが暴れにいった。

そのままモモタロス主導でゼロノスとデネブに攻撃を仕掛ける。

 

「あ、ああ、ちょっと……」

 

「デネブ、邪魔だ!」

 

ゼロノスに突き飛ばされるデネブ。

 

「おい侑斗!邪魔すんじゃねぇよ‼︎」

 

「野上のイマジン⁉︎ 仕方ない。デネブ!来い!」

 

「分かった!」

 

ジオウトリニティからモモタロスの声が聞こえ、彼がジオウの中にいる事を察したゼロノスはデネブにこっちに来いと指示、デネブはゼロノスの背後に周る。

そしてゼロノスは、カードの向きを黄色い模様が描かれている方へと裏返す。

 

『ベガ フォーム』

 

デネブが両手をゼロノスの肩に置き、入り込んだかと思うと、胸部がデネブの顔になり、頭部が星を模した形状に。ベルトのバックルには黄色のVの文字があり、背部に漆黒のデネブローブを纏っていた。更に両肩には、デネブの両手がキャノン砲として装備された。

 

「最初に言っておく!侑斗をよろしく」

 

「魔王によろしく言うな!」

 

「あ、ゴメン!」

 

侑斗がデネブにツッコミを入れながらも、ベガフォームとなったゼロノスは両肩のキャノンを放ち、ジオウトリニティをアナザー電王の元へ行かせない様にする。

その間、戦いの場に現れたユキヒロがアナザー電王に近づき、彼に何をするつもりなのだと聞く。

 

「タクヤ君。何をするつもりだ⁉︎」

 

「お前のせいでお姉ちゃんは死んだ!俺は姉ちゃんを守る!」

 

アナザー電王は山羊の角の様な複眼でユキヒロを睨みつけながら、死んだ姉を守ると言う。その時、戦いの場に汽笛が鳴り響く。

 

「デンライナー、修理できたよぉ!」

 

なんと、修理を終えたデンライナーがジオウ達の前に現れたのだ。

 

『この時見順一郎に、直せぬ時計などなぁい!』

 

順一郎は見事、デンライナーの修繕に成功したらしい。

ちなみに先ほどの台詞は、ここに来る少し前に順一郎がデンライナーのバイクに乗りながら発した言葉で、ハイテンションで直せぬ時計はないと言ったのだった。

 

しかし、今現れたのは都合が悪すぎる。

 

「今あれが来るとまずいんじゃないか?」

 

「え、どうゆうこと?」

 

「アナザー電王はデンライナーを狙っていたのでは?」

 

「ッ⁉︎」

 

ウォズの言葉を聞いたジオウは、このままではアナザー電王にデンライナーが奪われるのは間違いないと感じる。

 

「止めないと……!ウォズ、ゲイツ――あっ…モモタロス……一気に決めるぞ!」

 

ジオウトリニティはゼロノスを退そうと、ドライバーを回す。

 

『フィニッシュタイム!トリニティタイムブレークバーストエクスプロージョン!』

 

ゼロノスのジオウトリニティのライダーキックを放ってゼロノスを退き、アナザー電王へと急ぐ。

しかしその爆風に紛れて、アナザー電王とビシンがデンライナーに乗り込んだ。

 

「しまった……」

 

最悪の展開を迎えてしまった。そのままアナザー電王とビシンはラウンジにいるイマジン達を占領する。

 

「この電車は俺が頂いた‼︎」

 

「え……嘘~!?」

 

「させるか!」

 

キンタロスがアナザー電王に突進しようとする。しかし、ビシンがクローを喉元に向ける。

 

「変なことはしないほうがいいよ」

 

ビシンがいる為に結局は、反抗も出来ないままデンライナーはクライアス社の手に落ちた。

 

「待っててくれ、姉ちゃん!」

 

アナザー電王によりデンライナーは乗っ取られ、そのまま彼の目的のある過去へ飛んで行ってしまう。

 

「タクヤ君!」

 

「いやっはあ!契約完了だぁ」

 

「えっ?」

 

「お前が助けたかったタクヤは自分の望みを達成したぁ!ハハハ……」

 

モールイマジンはユキヒロの契約を叶えたと言うと、ユキヒロの体を二つに分け、モールイマジンはその中へ飛び込んだ。

 

「えっ…?」

 

「過去に飛ばれたか⁉︎」

 

それを見て全員が変身解除した。変身を解くとモモタロスからの憑依を受けたゲイツも意識を取り戻した。

 

「お前よくも俺の体を!!」

 

「なんだよ!」

 

ゲイツがモモタロスの角を掴み、モモタロスがゲイツの頭を押さえる。

 

「今のは何なの?」

 

「イマジンが過去に飛んだんだ……」

 

「どの時間に?」

 

「分かる訳がない。電王ウォッチがあれば別かもしれないがな」

 

ほまれが何処の時間に行ったのだと聞くが、ウォズはそこまではわからないと答える。

 

「ウォッチって……これの事か?」

 

「それっ!」

 

ソウゴがモモタロスを見ると、何とモモタロスの手にあったのは、最後のウォッチの電王のライドウォッチだった。

 

「必要ならやるよ」

 

投げ渡すとソウゴは電王ウォッチを受け取る。

 

「ありがとう」

『電王!』

 

すると、ソウゴの手の中で電王ウォッチが白く輝く。

 

「これは……」

 

その輝きに連動して、クジゴジ堂の部屋に保管していた18個のライドウォッチが光を放った。

ウォッチは飛び立ち、次々とソウゴのもとへ集まって行く。

 

「すげぇ……」

 

集まったウォッチは、電王ウォッチと共にソウゴの手で姿を変えようとする。

 

「これが……魔王の……」

 

『グランドジオウ!』

 

今ここに、ソウゴの手に集まったウォッチが一つとなり、金色の形をした大型ウォッチ――グランドジオウライドウォッチが誕生した。

 


次回!Re.HUGっとジオウ!

 

第49話 2018: 揃った力⁉︎魔王の誕生⁉︎グランドタイム!

 

 




おまけ

――『鬼殺隊』。それは、鬼を滅する為に生まれた組織。
その組織に所属している隊員は皆、鬼舞辻無惨とそいつに生み出された鬼に復讐をする為に行動をしており、鬼をぶっ殺さんと、常に殺伐とした空気が漂っている。

「待てや鬼ィィィィィィ!!!!」
「ぶっ殺してやる!親の仇ィィィ!!」
「お前が……お前がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

そしてここにも、鬼を滅さんとする者達が居た。

モモタロス「ギャァァァァァァァ!?俺は鬼じゃねェェェェェェ!!」

たとえその鬼が、無惨によって作られた者でなくとも……(尚、声は無惨様ボイス)

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