Re.HUGっとジオウ!   作:yu-ki.S

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ウォズ「この本によれば、普通の中学生 時見ソウゴ。彼には魔王にして時の王者『オーマジオウ』となる運命が待っている。
全てのウォッチを集めた時見ソウゴ。しかし、クライアス社は我々を罠にはめ、未来の真実を告げる。だかはぐたんが持つミライクリスタル・ホワイトにより新たな力を生み出した。
そしていよいよ、彼女の正体に迫る時が来ました」


第54話 2018: ルールーのパパ!愛しき家族の絆

ハリハリ族の住むハリハリ地区に移動されたソウゴ達。だがそれは、クライアス社の罠だった。

リストルから告げた未来のはぐくみ市の姿を見て驚愕を露わにしたが、ソウゴ達は改めて未来を取り戻すと誓い、プリキュア達ははぐたんから作られたミライクリスタル・ホワイトをミライクリスタル・マザーハートへと進化させた。

 

 

 

そしてリストルを退けたソウゴ達は現代へと戻った。

しかしビューティーハリーには、クライアス社のドクター・トラウムの姿があった。

 

「どうして、あんたがここに?」

 

「何の用です?」

 

ソウゴとルールーが何故ここにいるのかと問う。

 

「ルールー、君に会いに来たんだ」

 

「ルールーに?」

 

それに対してトラウムは、ルールーに会いにきたんだと話す。

 

「ルールーちゃん!お父さんだよーん!」

 

すると腕を広げて抱き締めんと言わんばかりにルールーの下へ向かう。

 

「ふぅ!」

 

だがすぐさまルールーに頭部を殴られ、トラウムは床に伏せられた。

 

「お父さん⁉︎」

 

「ドクター・トラウムがルールーのお父さん?」

 

「確かにルールーを開発したんは……」

 

「理解不能です。何故……」

 

いきなり、ドクター・トラウムがルールーの父親と聞かされソウゴ達は驚くが、ハリーは確かにルールーはドクター・トラウムから作られた筈だと思い出す。

 

「あなたが、私達を未来へ?」

 

「テストは合格だ。戻ってきたら話そうと思っていた……未来で起きた、全ての悲劇を」

 

「悲劇……」

 

そう言うと、懐から自身を模したかのような映写装置を出してテーブルに置く。

 

「何それ!可愛い~!」

 

「えっ?」

 

「マジで……?」

 

さあやがトラウムの映写機を見て可愛いと言ったのをツクヨミとほまれが耳を疑いながら二度見していると、トラウムが劇の準備を終えた。

 

「では始めよう!三分で分かる未来劇場~!」

 

「はじまりはじまりー!」

 

はぐたんが手をパチパチすると、トラウムが自身に良く似ている機械のパペットを左腕に着けてそう告げると同時に、映写装置から映像が映し出される。

 

「クライアス社の目的は未来を無くす事。

その為、世界にトゲパワワを蔓延させた……が、そこに現れたのが四人のプリキュアと仮面ライダーゲイツだ!」

 

「(…」

 

四人のプリキュアの影に、真ん中には仮面ライダーゲイツに変身したゲイツが映し出された。その時、ゲイツの顔は少し辛い表情へと変わった。

 

「このままでは時を止める事は叶わない。そこでプレジデント・クライは、未来を育む女神マザー、その力を宿す少女・キュアトゥモロー。彼女を消し去る事で、時を止める事にした!」

 

「キュア……トゥモロー……」

 

「それって、あの子……」

 

はなとソウゴはここに戻る直前の出来事を思い出し、ソウゴは懐に手を当てる。

そこには確かに、彼女から貰ったウォッチがあった。

 

「しかし、また番狂わせが起きる!」

 

「番狂わせ?」

 

「こっからは俺が話す!いや……話させてくれ」

 

突然、ハリーがみんなに自ら話させてくれと頼む。

 

「あれは、ハリハリ地区が滅びてすぐの事やった――」

 

トラウムと入れ替わるようにして、今度はハリーが語り始める。

 

 

 

それは、彼があの夏祭りの時の様な、未来で暴走した姿へとなった時だった。

 

『もう……明日なんかいるもんか!未来なんか!』

 

ハリーは故郷を滅びてしまった事による絶望と怒り、後悔のままに暴れ回り、明日を未来を否定し、駆け回るように叫び続けた。

そのまま暴走して手が付けられなくなった事で、クライアス社に拘束されたハリーの前に、彼女が現れた。

 

『お前は……プリキュア!』

 

『トゲトゲ……心が痛い痛いって泣いている』

 

胸に手を当てるキュアトゥモロー。彼女は拘束されているハリーへと近づく。

 

『ごめんね、過去は返してあげられない……

だけど、明日を一緒に作ることは出来る』

 

トゥモローはハリーに手を差し伸べると、その手をハリーは握ろうとした。

その時、トゥモローの光が暴走した姿となったハリーを元へと戻した。

 

『一緒に未来を……』

 

『一緒に……』

 

ハリーがトゥモローに心を許し始めたと同時に、ハリーの胸にあの鎖がつけられたのだ。

 

 

 

「そんな事が……」

 

「感動の出会い。しかし……」

 

その後の出来事は、ゲイツにとっても一番辛い記憶でもあった。

 

 

 

そう、その出来事こそ。プリキュア達と共に立ち向かっていった者達が、最低最悪の魔王――オーマジオウによって、その多くの命を散らしていった、あの惨劇だった。

 

『ゲイツ!トゥモロー!』

『二人は逃げて!』

 

『そんな事……できるわけ……』

 

『早く!あなた達は、まだここでやられちゃいけない!』

 

仲間のプリキュアがゲイツとトゥモローの二人にそう言う。しかし、そこへオーマジオウが現れた。

 

『まだ、倒れていなかったか……はぁぁ!』

 

オーマジオウの手から放たれたエネルギー波が、ゲイツと一緒にいたプリキュアに向けられた。

 

『うわぁぁぁぁぁ!』

 

その時、トゥモローは辛うじて無事だったがしかし、既に背後にはオシマイダーがいた。

そのまま彼女はオシマイダーに捕まってしまった。

そして、ゲイツが目を覚ました時には彼女はもう既にいなかった。

 

 

「未来と言うものは、思い通りにならないものだ」

 

「プリキュア達は負けた。そして、アイツも捕まってもうた」

 

「それに関しては俺の責任だ」

 

「ゲイツ……」

 

「あの時、俺がみんなを守れなかった」

 

ゲイツが経験したあの時の事は、忘れたくても忘れる事が出来ない記憶として残り続けた。

 

 

 

その後クライアス社は世界の時を止め、これで世界に安らぎが来ると確信した。

そんな中、ハリーは捕まったトゥモローに声をかける。

 

『ほんまに、未来が輝くて信じてるんか?』

 

『うん』

 

『仲間を失ってもか……』

 

『仲間はまだいる。ゲイツとツクヨミが……

それに、約束したから。

プリキュアと仮面ライダーは絶対に諦めないって……』

 

『……』

 

その言葉に胸を打たれたハリーはある決心をした。

それは、トゥモローを解放し、クライアス社から脱走する事だった。

 

トゥモローを解放したハリーは、クライアス社から脱出しようと試みる。

だがそこへ、オーマジオウの部下であるカッシーンが現れた。

 

『キュアトゥモロー、確認』

 

その時、赤い光線がカッシーンに放たれた。

 

『ゲイツ!』

 

そこに現れたのはゲイツだった。

 

『トゥモロー、遅れてすまない。ここから脱出ルートを渡す』

 

ゲイツがトゥモローに駆け寄ると、脱出ルートが書かれたメモを彼女へと渡した。

 

『俺は奴を退けさせ、俺とツクヨミは過去へ飛ぶ』

 

『えっ?過去に⁉︎』

 

『奴らのタイムマジーンを使う。それでジオウの誕生を防ぐ!そうすれば未来は変わる!行けぇ!』

『ジクウドライバー!』

 

ゲイツはそう言いながらジクウドライバーを装着すると、ゲイツライドウォッチを取り出し、ウォッチを回す。

 

『ゲイツ』

 

ウォッチをドライバーにセットして握り拳でロックを解除しボタンを押し、交差した両手で抱え込む様にする。

 

『変身!』

 

叫ぶと同時にドライバーを持ち、腕を広げながら回転させる。

 

『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!』

 

『はぁぁ!』

 

仮面ライダーゲイツへと変身し、カッシーンと戦闘に入った。

 

『こっちや!』

 

ハリーは彼女を連れ、ここから急いで逃げる。

 

『ハリー!逃さないよ!』

 

脱走しようと全力で走る中、ビシンに見つかってしまった。

ビシンを見たハリーは妖精へ戻り、首輪の鎖を解こうとした。

 

『ダメ!』

 

『でも…』

 

『マザー!お願い!あたしに力を!』

 

鎖を解こうとしたハリーを静止したトゥモローが、ミライクリスタルの力でマザーを召喚した。

マザーから放たれた強力な光がトゥモローとハリーを呑み込み、この場から姿を消した。

 

そして、彼女はクリスタルに『プリキュアの元へ』と、願いを込めた。

その時、ハリーは懸命にトゥモローの手を握った。

 

 

この未来で起こった出来事が、ここにいるソウゴ達の運命を動かした瞬間でもあった。

ソウゴはウォッチを手を拾い、はな、さあや、ほまれ、えみる、ことりは赤ん坊の声を心の奥底にまで響かせた。

 

 

そして、マザーの力でこの時代へハリーと共にきたはずのトゥモローは、赤ん坊へと姿を変えてしまった。

ここまで言えば、皆もお分かり頂けたであろう。

そう、トゥモローの正体は…

 

『ええ~っ⁉︎』

 

「はぐたんが……!」

 

「もしかして……」

 

「ぷいきゅあー!」

 

「キュアトゥモロー……」

 

ここに居るはぐたんの本当の正体、それこそが未来を守る為に戦い続けたプリキュア・キュアトゥモローだったのだ。

 

「お前が……トゥモロー……だったのか……」

 

その真実を知らなかったゲイツは彼女の正体を知った事で驚き、はぐたんの顔を見つめる。

 

「俺と晴夜が調べたところだと、そのプリキュアはマザーとやらの力を使い過ぎたせいで、今の赤ん坊の姿になったらしい……」

 

「あんたと晴夜は、ずっと知ってたの……?」

 

それを聞いたソウゴは、士と晴夜が以前からはぐたんの正体を知っていたのかと問いかける。

 

「その赤ん坊は時が止まった中でも動けていた。それで気になって調べていたんだ。

そん時にその赤ん坊には、そのマザーとやらの力があるのだと知ったが、確信には至らなかった。

だが、あの過川飛流の改変。その赤ん坊はお前を覚えていた。

それで、結論に至った。こいつはそのマザーを持っているとな」

 

「スマンかった」

 

それに対して士がソウゴを指差しながらそう語ると、ハリーがはぐたんをソファーの上に乗せてから妖精態に戻り、その上に着地する。

 

「ハリー!何故、早く言わなかった!俺は……未来でトゥモローを……」

 

「スマンかった……マザーが力を取り戻すまで、言わんようにしようと決めてたんや……」

 

「ゲイツ。ハリーの気持ちもわかってあげよ」

 

ソウゴがゲイツの肩に手を置いて、そう言うとゲイツは椅子へ座る。

 

「いいよ」

 

「話してくれてありがとう」

 

「はな……ソウゴ」

 

二人がハリーに近付きそう言うと、彼は目を潤せながら二人の名を呟いた。

 

「ハリーは、はぐたんを守るって約束したんだもんね」

 

「その約束をずっとハリーは守ってきた。違う?」

 

「ああ」

 

だがこの時、ほまれの表情が曇ってた事を、さあやだけが気付く。

 

「私もソウゴも頼まれたんだ。未来を助けてって。ねっ、はぐたん?」

 

「はぎゅ!」

 

「約束は守るって決めた!」

 

「プリキュアと仮面ライダーにお任せなのです!」

 

「そうだよ!それにソウゴさんは全てライダーの力を集めたんだよ。負けないよ!」

 

「それはどうだろうね?お嬢さん達」

 

「「むむ……!」」

 

トラウムがネガティブな発言をした事でえみるとことりに睨まれてしまうが、彼は特に気にした様子を見せずにハットをいじる。

 

「この子がマザーの力を秘めてる事が分かった今、クライアス社は……」

 

ソファーから立ち上がったトラウムがはぐたんを両手で抱えて持ち上げ、顔を近づけて呟く。

 

「まぁ、確実に狙うだろうな……」

 

その近くで士はビューティーハリーにあったレーズンパンのレーズンを毟りながら、クライアス社は確実にはぐたんを狙うだろうと告げた。

 

 

 

 

――クライアス社本社の社長室。

そこには、スウォルツ、ジェロス、ビシンの三人の姿があった。

 

「マザーが遂に目覚めた。未来を司る輝きの力が、明日を望まぬ絶望に染まった時、どれだけ強大な力となるか知りたい」

 

そう語るクライの背後の画面に、満面の笑みを浮かべるはぐたんが映し出される。

 

「無邪気な顔……気に入らないわ」

 

「コイツがいなくなったら、ハリーはどんな顔するんだろ……」

 

(こいつがいなくなれば……俺の力に敵うやつはいない……)

 

ジェロスとビシンがはぐたんの顔を見ながらそう呟くと、スウォルツがはぐたんを見て不気味な笑みを浮かべる。

 

「必ず手に入れるのだ!時間を止めよう!皆が笑顔のまま暮らせるように!共に終わらぬ永遠を!」

 

士の言う通り、マザーを持つはぐたんをクライアス社は本気で標的とした。

 

 

 

「ここからは彼らも本気だ。私のようにファンシーな連中では無いからね…いだいいだいいだい……!」

 

トラウムがそう告げると、駄々をこね始めたはぐたんに横髪を引っ張られて痛がる。

 

「はぐたんは絶対に守るよ!」

 

「はぐたんは、私達の未来だから」

 

ソウゴが言うと、はながはぐたんを抱き抱えてそう告げる。

 

「「「うん!」」」

 

「はい!」

 

「我が魔王の命なら、私も協力しよう」

 

「……」

 

「みんな……あんがとな」

 

ソウゴ達はクライアス社からはぐたんを守ると誓い合う。

その時、ルールーがトラウムにある質問をした。

 

「質問があります」

 

「何だね?」

 

「何故、私達に今の話を伝えに来たのですか?」

 

ドクター・トラウムはクライアス社でずっとソウゴ達と戦ってきた。

それが何故今になってその事を話したのか、ルールーには彼の意図がわからなかった。

 

「マザーの力を目覚めさせた君達なら、クライを止められると思ったんだ」

 

「……分からない。あなたも時を止めたいと思っていたのでしょう?」

 

「ああ……」

 

「なのに、何故……」

 

「それは……」

 

「何故です!」

 

ルールーがトラウムに問い詰めると、彼は視線を下へと向けながら口を開く。

 

「人間とは、そう言う矛盾した者なんだよ」

 

「矛盾……?私の父と名乗るのも、その矛盾からですか?」

 

「ルールー……」

 

「何故……何故今更……!あなたは私を不要物とみなし、捨てたと分析します!」

 

鋭い目付きでそう告げると、トラウムが冷や汗を垂らしてたじろぐ。

 

「理解不能……!」

 

彼女はそう言い残すと、ビューティーハリーのドアを開けて出て行った。

 

「ルールー!」

 

ソウゴが呼び止めるがルールーは聞かず、そのままビューティーハリーから去っていた。

 

「……やはり、私が間違ったのかな……」

 

父親と言っても、ルールーの傷つけられた心の傷は、そう簡単には消えなかったのかとトラウムは思うが…

 

「そんな事ないよ」

 

「ジオウ……」

 

「あんたがルールーの父親なら、ルールーとしっかり向き合おうよ。ルールーと話をしてお互い気持ちを知らないと……って、経験ない俺が言っても説得力ないけど……」

 

「ソウゴ君……」

 

父親を早くに亡くしたソウゴには、わからない事かもしれない。

それでも、彼がルールーの為に力になろうとしているのは伝わった。

 

「みんなトラウムを見てて!俺がルールーを連れて戻してくるよ!」

 

「私も行く!」

 

「ル~ル~!いっしょ!」

 

「うん」

 

はぐたんを抱いたはなとソウゴはルールーの後を追う為にビューティーハリーを出て行き、ルールーを追いかける。

 

「……⁉︎」

 

ゲイツはその時、ビューティーハリーを出て行くはなに抱かれたはぐたんを見て、はぐたんをキュアトゥモローと重なって見えた。

 

「ゲイツ、大丈夫……」

 

「あ、いや……その……一人にしてくれるか……」

 

ゲイツはどこか気の抜けたの感じで歩きながら、ビューティーハリーから出て行く。

 

「ゲイツさん。もしかして、はぐたんの事で……」

 

「多分ね……」

 

ことりにゲイツの事を聞かれたツクヨミは、無理もないと考えた。

彼女を守るためとはいえ、彼は彼女の事を何も知らなかった。

あの時、守れなかった友達が最初からずっと近くにいた事に気づかなかった。

そして、真実を聞かされた事で、ゲイツは混乱しているのだ。

 

 

飛び出したルールーは一人、町を歩いていた。

 

「どうして……」

 

すると、そこへ二人の人物が歩いているのが見えた。

その二人は家族のようで、父親と一緒に居る小さな女の子は楽しそうに歩いていた。

 

「お父さん……」

 

「ルールー!」

 

そこへ、ルールーを探していたソウゴが彼女を見つけると、そのままルールーのもとへ駆け寄る。

 

「ソウゴ……どうして……」

 

「トラウムの所に行こう。まだ、ビューティーハリーに……」

 

「嫌です…」

 

ソウゴはビューティーハリーに戻ろうと提案するが、彼女はトラウムの元へ行くのを断った。

 

「ルールー……」

 

その時、ソウゴが彼女の顔を見ると、ルールーの顔がとても辛い表情だった事に気付く。

 

「……ルールー。お腹空かない?」

 

「えっ?」

 

「何か食べる所……あっ!あれにしよう!」

 

ソウゴは近くに屋台を出しているたこ焼き屋を見つけた。

 

「行こう」

 

「あの……」

 

ソウゴはルールーの手を握り、たこ焼き屋へと向かった。

 

「すいません。たこ焼き二つ……あれ?」

 

「はい。わか……ジオウ!ルールー!」

 

「ウール」

 

近くにあるたこ焼き屋に出向くとそこにはウールがおり、その事にソウゴとルールーは驚く。

 

 

 

その一方で、ビューティーハリーにいるトラウムがソファに座り、ずっと難しい表情でいた。

 

「アンタも、そんな顔するんやな」

 

ハリーがコーヒーをトラウムの傍に置く。

 

「ルールーが自分を受け入れない事は分かっていた。

だが……あの子に、心が芽生えるとは……」

 

そう言いながらコーヒーにミルクを入れる。

 

「それはアンタもやろ。ごっつ心配やって顔してるで」

 

「ネズミが何を偉そうに……」

 

「誰がネズミやねん!コーヒー返せ!」

 

「出されたのなら私の物だ!」

 

二人は痴話喧嘩が始まり、ほまれ達はその様子を呆れて見ていた。

 

「二人して大人気無さ過ぎでしょ」

 

「ですね」

 

 

 

たこ焼き屋へと赴いたソウゴとルールー。そこには偶然ウールがおり、ソウゴが彼に声をかけた。

 

「まさか、ウールがこんなとこにいるなんて…」

 

「ことりのお母さんに頼まれたんだよ……」

 

照れ隠しをするかのように言うウールに、ソウゴは笑って頷いた。

 

「それより……あいつなんで、あんなに不機嫌なの?」

 

ウールがルールーの方を見ると、不機嫌そうな表情でたこ焼きをヤケ食いしていたのが見えた。

 

「まぁ、少しあって……ごめん。仕事の邪魔しちゃって……」

 

ソウゴは彼にそれだけ言うと、ルールーの方へと駆け寄る。

 

「何故…!何故……!理解不能……っ!何がお父さんですか……ッ!」

 

「ルールー……」

 

ソウゴもベンチでたこ焼きを食べているルールーの隣に座る。

 

「ソウゴ……」

 

ルールーがたこ焼きを食べるのを辞めると、彼女はソウゴの手を握った。

 

「ルールー?」

 

「あの、少しだけどこうさせて貰えませんか?」

 

「いいよ」

 

ソウゴは気にせずルールーの手を握った。

 

「……あのままトラウムと向き合っていると、システムエラーが起きそうで……」

 

「それはシステムじゃないよ。心でしょ♪」

 

そう言われたルールーは目を大きく開きながらソウゴを見るが、直ぐに目を外すと、自分の思いをぽつぽつと語り始める。

 

「私は、ずっと分からなかった。

開発者が何故、私に高性能のAIを着けたのか。

たこ焼きを美味しいと思う。

涙を流す。

はぐたんを、みんなを愛おしいと思う気持ち……

アンドロイドとして、自分には不要な物では無いかと」

 

どうして自身のAIに心が宿ったのかという疑問を打ち明けながら、自分の胸に手を当ててルールーが告げる。

 

「この痛みも、心があるから……」

 

「不要な物なんてないよ。心があるから、人が人でいられるんだ」

 

「……」

 

「ルールー・アムールってさ、良い名前だよね」

 

突然、ソウゴがルールーの名前がいい名前だと言う。

 

「えっ?」

 

「俺は、自分の名前の意味を聞いた事ないからわからないけど、ルールーのアムールは『愛』って意味だよね?はながそう言ってたんだ」

 

結構前にはなから聞いた話を引き合いに出しながら語ると、ルールーはそれに頷いて答える。

 

「はい……」

 

「きっと、トラウム……お父さんはその名前に何か意味を込めんだよ。そうじゃなきゃ、アムールなんて付けないよ」

 

「私の名前に意味が……」

 

そこへ、はなとはぐたんが現れた。

 

「ルールー!」

 

二人がソウゴ達の前に現れようとしたその時、地響きが起こった。

 

「何あれ⁉︎」

 

「ルールーちゃ~ん!どこ~⁉︎」

 

トラウムが、二足歩行ロボに乗って現れた。

 

「何ですか……!あれは……!」

 

それをルールーは少々、呆れた表情でトラウムを見つめるのだった。

 

「聞いてみよ。ルールーに付けられたアムールの意味を……」

 

「……でしたら……お願いがあります」

 

「?」

 

「その……一緒に……居て貰えないでしょか……」

 

「えっ?」

 

ルールーが一緒に来て欲しいと、ソウゴに少し顔を赤くして頼む。

 

 

しばらくして、ルールーはトラウムと話をするために、いつもえみると練習している木の大樹の元へトラウムを連れてきた。

 

「……」

 

娘であるルールーに呼ばれて来たトラウムであったが、ただ一つ気になることがあった。

何故、ルールーの後ろにソウゴがいるのか、と…

 

「いつまで沈黙を続けるのですか?」

 

これまでずっとトラウムは黙ったままで、業を煮やしたルールーが口を開ける。

 

「ゴメンなさい……!いやその~、いざこうやって話そうとすると、中々言葉が出ないものだねぇ~……!」

 

トラウムは何度も頭を下げながらそう言う。

 

「いつも、ペラペラと良く話すのに」

 

「……そうだ。私はいつも、矛盾の中で生きている。

君を作ったのも、そう言う矛盾した気持ちの中だった。

君は中々、ヤンチャなアンドロイドでね」

 

「そんな……事は……」

 

恥ずかしさで照れたルールーが目を逸らす。

 

 

あの時の事は、トラウムはまるで昨日の出来事の様に、鮮明に覚えていた。

掃除をやらせても、どこかやり過ぎたこともあるし。ハグをすると、いつも力が強過ぎていることもあった。

 

 

「身体は今のままだが、中身はまるで子供だった。何も知らない……そして、私は君のデータを全て消し、君から離れた」

 

「私が……失敗作だからですね」

 

「違う……!君が失敗作なのでは無い……

まっすぐ君と向き合えなかった私の失敗……これでは君に、心を芽生えさせる事は出来ないと悟ったのだ……!」

 

「心……」

 

「プリキュアに、最初は嫉妬したよ。

何故、天才の私に出来ない事が彼女達に出来たのか……

…が、今なら分かる」

 

それは、自身があの歴史改変を行ったアナザージオウⅡと融合し、オシマイジオウⅡとなった時の事。

 

「彼女達にとって君は、ただ一人のルールー・アムールだったんだね」

 

「うん。ルールーは俺達にとって大切な友達だよ。これからずっと!」

 

ソウゴはそう言うと、トラウムは微笑みを見せた。

 

「ルールー!時見先輩!」

 

そこへ、えみるが全速力で走ってソウゴ達の元へ現れた。

 

「私が来たからにはもう大丈夫なのです!ジャキーン!」

 

そう言いながら、えみるが二人の愛用のギターを見せた。

 

「言葉で分かり合えない事も、ギターがあれば!」

 

「もう言葉で説明されました」

 

「何ですと⁉︎」

 

彼女はギターを構えてそう告げるが、ルールーから既に言葉で説明されたと言われて驚く。

 

「三十秒程遅かったです」

 

「一生の不覚なのです……」

 

凹むえみるを見て、ルールーが声を上げて笑う。

 

「えみる、心配してくれたのですね。ありがとう」

 

「当たり前なのです!私達は親友なのですから!」

 

「親友か……」

 

友達と聞いたトラウムは感慨深そうな顔で聞いていると、ルールーはえみるの持っている自身のギターに向けて手を伸ばす。

 

「えみる、ギターを」

 

「勿論なのです!」

 

えみるとルールーがギターを弾きながら、トラウムに向けて『キミとともだち』を歌う。

 

「届けたいことがあるんだ…♪君の事が好きなんだ〜…♪」

 

「止めてくれないかね……?泣きそうになる……」

 

「黙って聞きなさい」

 

トラウムが帽子で目尻を隠してそう言うと、ルールーが黙って聞きなさいと告げる。

 

「二人のハートリボンを結んで、友達になろう〜♪」

 

「笑顔」

 

「笑顔」

 

「涙」

 

「きゅっとする〜〜胸の奥〜〜!」

 

「「そこにココロ煌く〜〜!」」

 

それを聞いたトラウムは、とても嬉しそうな表情となった。

 

「良い曲だ……思い出すな、君と初めて出会った日の事を……

何故、アムールと言う名を、君に付けたのか……これが、君の心か」

 

そしてトラウムは今、ルールーの心を始めて知ったように感じた。

 

「ルールー・アムール、君は君だ。他の誰でも無い、君だけの心を―――」

 

「はい。愛します」

 

「それで良いんだ」

 

トラウムは後ろに居たソウゴに目を向けた。

 

「ジオウ君達には、礼をいなければならないね……ルールーが変われたのは、君のおかげだよ」

 

トラウムが礼を言うとソウゴは首を横に振る。

 

「ううん。今のルールーがあるのは、ルールー本人の意思だよ」

 

「ソウゴ……」

 

それを聞いたルールーも、嬉しい表情でソウゴを見た。

 

「実はね、私は君にもクライを止められると期待しているんだ」

 

「俺が?」

 

「君は、この前の私とアナザージオウⅡの歴史改変。さらにオーマの日、君は幾度もなく運命を変えた」

 

トラウムはソウゴ達が起こした、今までの奇跡を思い返す。

仲間との絆を断ち切られても、彼は諦めずにアナザージオウⅡを止めた。

そして前回、オーマジオウとなる筈のオーマの日を、ジオウトリニティへとなる奇跡へと変えた。

 

「君なら……もしかしたら、クライだけじゃなく、オーマジオウだって止められると思ったんだ」

 

その時、地響きと轟音が生じた。

振り向くとそこには、香水型の姿となった猛オシマイダーがいた。

 

「ソウゴ!えみる!ルールー!」

 

はな達が現れるとソウゴ達はジクウドライバー、ビヨンドライバーを装着し、はな達はプリハートを取り出した。

 

『ジオウ!グランドジオウ!』

『ゲイツ!ゲイツリバイブ!疾風!』

『ギンガ!』

『ハリー!ギアジェット!』

「「「「「ミライクリスタル!ハートキラッと!」」」」」

 

『グランドタイム!祝え!仮面ライダー!グ・ラ・ン・ド!ジオーウ!』

『ライダータイム!!リ・バ・イ・ブ剛烈!剛烈!』

『投影!ファイナリータイム! ギンギンギラギラギャラクシー!宇宙の彼方のファンタジー! ウォズギンガファイナリー!ファイナリー!』

『ジェットタイム!導け!切り開く世界!ハリー!ギア!ジェット〜!』

「輝く未来を〜抱き締めて!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

「「みんな大好き!愛のプリキュア!」」

「キュアマシェリ!」

「キュアアムール!」

「みんな舞い上がれ!希望のプリキュア!キュアアーラ!」

 

「「「「「HUGっと!プリキュア!」」」」」

 

「来たわねプリキュア!ライダー!後……!」

 

そこへ、スウォルツ、ビシン、ジェロスが現れ、ツクヨミに抱き抱えられたはぐたんに目線を向ける。

 

「その赤ん坊をこちらへ渡せ、意見は求めん!」

 

『ディケイド…!』

『ビシン!ギアファング!』

 

「変身!」

 

『ディケイド…!』

『ライダータイム!仮面ライダービ・シ・ン!ファングタイム!導け!完全なる力を我が手に!ビシン!ギアファング〜!』

 

スウォルツとビシンがそれぞれ、アナザーディケイド、ビシンギアファングへと変身した。

そして、ジェロスの生み出した猛オシマイダーがジオウ達に迫る。

 

「はぐたんは俺達が守る!」

 

『ブレイド!』

 

ブレイドのレリーフを触り、ブレイドの武器『重醒剣キングラウザー』を召喚し、それを掴む。

ジオウはアナザーディケイド 、ゲイツとウォズはビシン。ハリーとエール達は猛オシマイダーへと突撃した。

 

「「だぁぁぁぁぁぁ!」」

 

エールとアーラの二人で猛オシマイダーにラッシュを繰り出して、猛オシマイダーを怯ませた。

 

「「はああああぁぁぁっ!」」

 

アンジュとエトワールが猛オシマイダーの足に両足蹴りを叩き込んで後ずさらせ、うつ伏せに倒す。すると猛オシマイダーの上部にあったポンプが増え、それをエール達に向けて伸ばし、エール達が避けてから、ポンプを支えにして立ち上がる。

 

その頃、ゲイツとウォズは二人がかりでビシンへと立ち向かっていた。優先に立つのはゲイツとウォズ。しかし、ゲイツは様子が何やら変だった。

 

「くぅ!」

 

ゲイツだけいつにもなく動きがぎこちなく、攻撃が単調過ぎてビシンには通用していない。

 

「ゲイツ君?」

 

「おらおら!どうした!負け犬!今日は大したことないね!」

 

「……黙れ!」

 

『フィニッシュタイム!ファングタイムデストロイ!』

 

クローに貯めたエネルギーを解放し、強烈な一撃がゲイツに炸裂した。

 

「うわぁぁぁぁ!」

 

それを受けたゲイツは強制変身解除となった。

 

「うぅぅ……」

 

「ゲイツ!」

 

「げいちゅ〜!」

 

倒れたゲイツを見たツクヨミとはぐたんの二人が叫ぶと、ウォズはゲイツの下に行き、どうしたのだと問う。

 

「ゲイツ君。どうした。君らしくない」

 

「はぁ、はぁ……」

 

「次はウォズ、君だよ」

 

「おもしろい!はぁぁ!」

 

今度はウォズが一人でビシンへと向かっていく。

 

(何故だ……どうして……)

 

何故、思ったように力が出せないか、ゲイツには理解出来なかった。

 

一方、ジオウはアナザーディケイドに重醒剣キングラウザーを振るう。

しかし、アナザーディケイドはジオウの攻撃を余裕で躱した。

 

「くぅ……!」

 

そのまま避けられ続けると、アナザーディケイドから攻撃を受ける。

 

「どうした?それで終わりか?」

 

「まだだ!」

 

そう叫ぶとジオウはキングラウザーを投げ捨てた。

 

『鎧武!』

 

今度は鎧武のレリーフを触り、鎧武の武器『火縄大大DJ銃』を召喚した。

 

「はぁ!」

 

そしてアナザーディケイドに向けて、火縄大大DJ銃からの光弾を放った。

 

「ふぅん!」

 

ジオウから放たれた光弾はアナザーディケイドが灰色のカーテンを出現させ、それを呑み込んだ。

 

「えっ?うわぁ!」

 

その時、背後からカーテンが現れ、ジオウに光弾が放たれた。

 

「くぅ……どうして……」

 

「この程度か?」

 

「まだまだ!」

 

ジオウは起き上がり、今度は格闘戦に入ろうとし、アナザーディケイドへと走っていく。

そのまま格闘戦に入るが、アナザーディケイドが僅かにジオウを押していた。

 

猛オシマイダーの方は、ハリーがパンチを繰り出し、猛オシマイダーのバランスを崩した。

 

「行くのです!」

 

「はい!」

 

マシェリとアムールが跳ぶ。

 

「たあっ!」

 

「やぁっ!」

 

ポンプによる攻撃を掻い潜りながら、ポンプを弾き飛ばす。

そして六人がポンプを掴んで引っ張り、猛オシマイダーの身動きを封じると、猛オシマイダーが上部の噴射口から煙幕を放ち、エール達を吹き飛ばした。

 

「身体が……痺れる……!」

 

どうにか着地するが、先程の煙幕によって全身が痺れてしまう。

猛オシマイダーがアムールに狙いを定め、ポンプを向ける。

 

「アムール!」

 

「⁉︎」

『エグゼイド!響鬼!』

 

それを見たジオウは咄嗟にエグゼイドと響鬼のレリーフを触り、マキシマムマイティX、響鬼紅が召喚された。

 

「はぁぁ!」

「オリャャ!」

 

〈HIT!HIT!CRITICAL!PERFECT!〉

 

「ぬうぉ!」

 

不意打ちによって現れた二体のライダーにアナザーディケイドが後ずさった。その隙にジオウはアムールの元へ急ぐ。

 

「アムール!」

 

「チャンスよ!猛オシマイダー!」

 

ポンプがアムールに向かったその時、二足歩行ロボに乗ったトラウムが前に出て、展開したシールドで攻撃を防いだ。

 

「トラウム……!」

 

「ドクター・トラウム!何をクレイジーな事を!」

 

「娘を守って、何がおかしい!」

 

「裏切り者を潰せ!」

 

ジェロスの命令で猛オシマイダーは力を上げ、トラウムのシールドが破壊された。

 

「やめろ!」

 

『キングギリギリスラッシュ!』

 

「オリャャャャャ‼︎」

 

サイキョージカンギレードを使い、ジオウが猛オシマイダーに当てて吹き飛ばす。

 

「ジオウ……」

 

「ソウゴ……」

 

「ハァ、ハァ……大丈夫……俺はみんなを守る。

それが、俺の目指す魔王だから」

 

その姿を見たトラウムは、確かに感じた。

彼ならもしかして、自分の想像を超えられるかもしれないと。

 

「マザー!私達に力を貸して!」

 

「「「「「メモリアルクロック!マザーハート!」」」」」

 

オシマイダーを隙を見つけたエール達はミライパッドを掲げると、ミライパッドが緑のハートの加わったメモリアルキュアクロックに変化し、エール達とはぐたんからそれぞれのパーソナルカラーのハートが飛び出す。

 

「「「「「ミライパッド!オープン!」」」」」」

 

右腕を真上のメモリアルキュアクロックにかざすと同時に、画面のハートの型にはまる。

扉が開くと同時に中から無数のハート型エネルギーが降り注ぎ、エール達がマザーハートスタイルに変身し、右手首にプリキュアミライブレスが着けられる。

 

「「「「「 HUGっとプリキュア!今ここに!」」」」」」

 

「ワン・フォー・オール!」

 

「オール・フォー・ワン!」

 

「ウィー・アー!」

 

「プリー、キュアー!」

 

「明日に!」

 

「エールを!」

 

エール達はマザーを召喚すると、メモリアルキュアクロックを囲む形で手を翳し、エネルギーを集める。

 

「「「「「ゴー、ファイ!みんなでトゥモロー!」」」」」

 

手を掲げ、マザーの力を解放して光線を放つ『みんなでトゥモロー』を放つ。命中したオシマイダーがハートに包み込まれ、浄化された。

 

「くぅ・・・」

 

猛オシマイダーが消えたの見て、ジェロスは引き上げた。

 

「厄介だな。また違う手を取るか……」

 

アナザーディケイドも二体のライダーとプリキュアの力を見て潮時と思い、オーロラカーテンを出現させ、カーテンを潜ってここから去った。

 

「ちっ、終わりか。ウォズ君の相手はまた今度ね」

 

ビシンもジェロスと同じように去っていった。

それを見てみんなは変身解除し、元の姿へと戻った。

 

「それでは、そろそろ失礼するよ」

 

「エエんか?」

 

「伝えたい事は伝えられたんでね」

 

もういいのかと聞くハリーにトラウムがそう言うと、背中を向けて歩き出す。

 

「ねぇ、一つ聞いても良いかな?」

 

「何かね?」

 

ソウゴがトラウムを制止すると、一番聞きたかった事を問い掛ける。

 

「オーマジオウは、本当に俺なの?」

 

未来で最低最悪の魔王として君臨する、オーマジオウ。

ソウゴは本当にあれが未来の自分なのかと聞く。

 

「さぁね……」

 

「さあって、オーマジオウはクライアス社の会長なんでしょ!だったら……」

 

「実はね、未来のオーマジオウの正体は、社長しか知らないんだよ」

 

「クライだけ……」

 

トラウムの口から、あのオーマジオウの変身前の姿は、社長のクライしか知らないのだと聞かされた。

 

「もう良いかな?なら今度こそ失礼するよ」

 

驚きと疑問を抱くソウゴ達に向けてトラウムがそう言うと、背中を向けて歩き出す。

 

「待って!」

 

ルールーがそう告げると、足を止める。

 

「あなたの全てを受け入れた訳では無い……

だけど、だけど……今度、一緒にご飯を食べましょう!」

 

ルールーはトラウムといつか、一緒にご飯を食べようとトラウムを誘う。

それで彼女は、野乃家のみんなとご飯を食べた事で心の繋がりできた。

だから、トラウムとも……

 

「きっとそうすれば、きっと……また、いつか……」

 

「ルールーちゃ~ん!ありがと!」

 

帽子を脱いでお礼を言い、ルールーに近付く。

 

「やっぱりやっぱり、お父さんって呼んでも良いんだよ〜⁉︎」

 

「お断りします」

 

だがトラウムが近づいた直後にルールーが離れる。

 

「お父さん!」

 

「お断りします」

 

「お父―――!」

 

「お断りします」

 

「ルールーちゃん照れ屋さん」

 

「残念な人ですね本当に…」

 

二人を見ていると、二人は本当の親子のようにソウゴ達は思えてきた。

 

「よかった。ルールーとトラウム」

 

一緒に彼らの様子を見ていたソウゴは、お互いに自分の気持ちが伝わったのだと感じた。

 

「何とかなったね」

 

「何とかなってるのアレ……?」

 

「みんなでルールーの心に寄り添おう」

 

「はい。みんなで支え合えば、きっと未来は……」

 

「うん。未来を守ろう」

 

「そして、はぐたんを未来へ帰してあげなくちゃ」

 

「未来……そうか……はぐたん、未来へ帰っちゃう…」

 

ほまれがそう言ってからハリーの方を向く。

 

「あーっ!」

 

「どうしたのえみるちゃん?」

 

「はぐたんが未来へ帰っちゃうって事は……

ルールーもゲイツさんも、ウォズさんもツクヨミさんにハリーも未来に帰ると言う事ですか⁉︎」

 

『ッ!』

 

「「……」」

 

「どうしました?」

 

「ルールー……ルールー……未来……よよよ~!」

 

 

 

はぐたんが未来へ帰ると言う事は、ルールー達も未来へ帰ることだと気付いたえみるは、涙目で悲鳴を上げたのだった。

 


次回!Re.HUGっとジオウ!

 

第55話 2018: エターナルタイム!迷えるえみるとゲイツの心

 

 




おまけ

オーマおじさん「私が時見ソウゴでないなどと、そのような事があろう筈がないだろ…」

カッシーン「・・・」


エターナル克己「次回からは遂に、この俺が登場するぞ・・・絶対に見ろよな?」

ルナドーパント「次回遂に、克己ちゃんが登場するのね……嫌いじゃないわ!!」

エターナル克己「それじゃあ聞いてくれ・・・『SURPRISE-DRIVE』……―――♪」

ルナドーパント「地獄だわ……克己ちゃんは地獄を楽しんでいる……ッッ!!」

――俺は不死身だ、自分の存在を刻み続けるその日まで、永遠に――

エターナル克己「サープラーイズ!世界中がドラーイブ♪」

ドゥーン…


オーマおじさん「・・・おい、聞いているのか」

カッシーン「・・・あっ、すみません。エターナル克己のこと考えていました」

感動的ドキュメンタリー エターナル克己

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