Re.HUGっとジオウ!   作:yu-ki.S

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ウォズ「この本によれば、普通の中学生にして時の王者『オーマジオウ』となる運命が待っており、全てのウォッチを集めた時見ソウゴ。
しかし、未来へ帰る運命を待つゲイツやルールー、彼らが持つ苦悩の心で自らを大きく揺さぶられた。
そしてスウォルツの手によって作られたアナザーワールドに、明導ゲイツは囚われてしまった。
この状況を打破するにはゲイツ……おっと、これはとても要らぬ情報でした」


第56話 2018: 決めたマシェリとアムールの覚悟!運命を覆す救世主の爆誕!

スウォルツのアナザーディケイドの力により、ゲイツはアナザーワールドに囚われてしまった。そこへ入れ替わるように、かつて消滅した筈の白ウォズがウォズ達の前に現れた。

 

「白ウォズ……」

 

「久しぶりだね。ツクヨミ君〜」

 

「白ウォズ……ここは一度引き上げよう」

『タイヨウ!』

 

ウォズはギンガミライドウォッチの顔を変えて再びドライバーに装填し、レバーを引く。

 

『投影!ファイナリータイム!灼熱バーニング!激熱ファイティング!ヘイヨー!タイヨウ!ギンガタイヨウ!』

 

ウォズの複眼が赤色へとなり、ギンガタイヨウフォームへと変わった。

 

『ファイナリービヨンド ザ タイム!バーニングサンエクスプロージョン!』

 

太陽型疑似惑星の力を使い、眩い光とともに、ツクヨミとアーラとアクアを連れ撤退する。

 

 

ゲイツがアナザーワールドに取り込まれる少し前、倒れたえみるを愛崎家へと連れ込んでソファーの上に寝かせ、彼女が起きるのをはな達は待っていた。

 

「えみりゅ……」

 

「私が……いえ、私達が未来に帰らなければ……でも……」

 

ルールーはそう呟きながら、えみるの手に触れる。

 

「はぁ、はぁ……えみるちゃん……」

 

「ソウゴ君」

 

「あんた、今まで何やってたの?」

 

「ごめん……それでえみるちゃんは?」

 

ほまれにごめんと言いながら、ソウゴはソファで眠るえみるを見て、続けて心配する表情のルールーへ視線を向ける。

 

「えみる……!」

 

「ルールー……」

 

ルールーが心配そうに手を握っていたその時、えみるの目が開かれた。

 

「えみるちゃん。よかった」

 

一同は目を覚ましたえみるを見て安堵していると、彼女は口を開いて何かを伝えようとする。

 

「――――……」

 

「えみるちゃん……声が……」

 

だがいくら口を開閉させても、未だに彼女から声が出る事はなかった。

それを察したソウゴはその事に衝撃を受けたが、えみるはそのままパクパクと口を動かし、何かを伝えようとする。

 

「ご、め、ん、な、さ、い……」

 

「何で謝るの……?」

 

「謝るのは私です。私のせいで……!」

 

読唇術で彼女が言おうとしている事を知ったルールーは、涙が零れ出そうになりながら謝罪する。だがえみるは、そんなことは無いと言わんばかりに首を横に振った。

その直後、ドアが勢いよく開いた。

 

「えみる!」

 

「何や⁉︎」

 

そこへ焦った表情をしたえみるの祖父…愛崎コンツェルン会長・愛崎獏発が部屋へ入って来た。

 

「お爺様……!待って下さい……!」

 

「儂に指図するな!」

 

正人は必死に羽交い絞めで止めるが、怒りに震える獏発は彼の腕を振り払う。

 

「へぇ、この人が噂の……」

 

「お父様お待ち下さい~。今、えみるは体調が~♪」

 

「うるさい!」

 

怒りに震える父を止めようと妻と共に部屋へ来た俳呑に文句を言うと、そのままえみるのいるソファへと向かう。

 

「ああ……声が出なくなるなんて……何て可哀想なえみる……ずっと心配していたのだ……お前らのせいだぞ。何だこれは!」

 

獏発がえみるを抱き締めながら呟いていると、いきなりソウゴ達の方を睨みつけると、彼らの所為だと怒りを露わにして叫び出した。

 

「俺達の所為……」

 

「そうだ!それがこれだ!」

 

言葉を失っていた彼らにそう告げると、ツインラブのポスターを突き付ける。

 

「ああ~!お父様はネット社会に疎いから~!♪」

 

「大丈夫だと思っていたのに~♪」

 

「普通に喋れ!」

 

えみるの両親に普通に喋れと一喝し、話を戻すためにえみるを見る。

 

「ギターは止めろと言っただろ!」

 

「そんな、えみるちゃんはギターが……」

 

「お前らが、えみるをそそのかしたのか!」

 

「そそのかした……⁉︎」

 

さあやの言葉を遮って忌々しく見詰めながら、えみるを唆したのかと言われたほまれは唖然とする。

 

「えみる、もう良く分かったね。お前はずっと、愛崎家の中で暮らして行けば良いんだ。そうすれば、こんな目に遭わないで済むんだよ」

 

「みんな……」

 

遅れて愛崎家に到着したツクヨミ達は、今がどういう状況なのか直ぐに理解するとこは出来ずにいた。

だがえみるに優しく囁き掛ける獏発の姿は、まるで愛玩人形を愛でているかのような、余りにも歪な愛情が垣間見えていた。

 

「そんなのおかしいです!」

 

「これは愛崎家の問題だ!儂は、えみるの為を思って言っているのだ」

 

「えみるの為……⁉︎」

 

えみるの為だというが、途中から来たツクヨミは勿論、ずっとこの部屋にいたはな達にも、彼が本当の意味で彼女の為に言っているとは到底思えなかった。

 

「えみる……儂を困らせないでおくれ。早く素直で可愛いえみるに戻っておくれ……」

 

困惑のあまり言葉を失っていたソウゴはそれを聞いて、その表情を変えた。

 

「そんなのえみるの為じゃなくて、あなたの―――!」

 

ソウゴが文句を言いかけたはなの前に腕を伸ばして制止し、代わりに獏発の前に出ると、「なんで、あんたが決めるの?」と投げかける。

 

「なんだと?」

 

「なんで、あんたが決めるんだって言ってるんだ!」

 

言葉の意味を掴めず聞き返した獏発に向けて、今にも胸倉に掴みかかりそうな勢いで、真剣になって叫んだ。

対して獏発は「由緒ある愛崎家に、ギターなど似合わん」と、何の疑問も持たずに言い放った。

 

「だから私は、そんな事にならないよえみるを……」

 

「それは、あんたがえみるちゃんに自分の考えを押しつけてるだけだよ!

それにギターだって、ピアノやバイオリンにも負けない楽器だよ。

それよりもえみるちゃんは……ギターが好きなんだよ!」

 

「ソウゴ君〜…」

 

「ソウゴ……」

 

(時見先輩……)

 

「好きなことをするのが、なんでダメなの!」

 

どうして好きな事をやっては駄目何だと、必死に叫び続ける。

その言葉に獏発は言い返そうとしようとするが、彼の気迫に押されて思わず息を呑んだ。

 

「聞いて見て下さい。えみるとルールーの音楽を……

二人のギターは、自由で!ノレって!カッコよくて!ギュイーンとソウルがシャウトするんだよ!」

 

「……」

 

「……先…輩…」

 

「えみる……」

 

その時、微かにだがえみるから声が出たような気がしてルールーが振り返る。

――すると突如として、灰色のカーテンが現れ、えみるを包んだ。

それに気付いたソウゴ達が彼女の名を叫ぶも、気づいた時にはえみるの姿はソファから消えていた。

 

「もしかてして、スウォルツ……」

 

「っ⁉︎ もしかして……アナザーワールドに……」

 

消えた原因はスウォルツによるものだと、ソウゴはすぐに察知した。

 

「スウォルツの仕業なら、早よせんと!」

 

「行こう!早く助けに行かないかと!」

 

「はい!」

 

「「「うん!」」」

 

ソウゴ達は急いで部屋から出て行き、アナザーワールドに捕らえられたゲイツとえみるを助けに向かおうと外へと出る。

しかし、何も知らないえみるの両親やアンリに正人は獏発には、何がどうなっているのかわからなかった。

 

「えみる〜が♪」

 

「消えた〜♪」

 

「一体何が……えみるがいきなり……」

 

(もしかして……クライアス社……)

 

「貴様ら……えみるをどうした!」

 

アンリがクライアス社の所為だと察していると、獏発は部屋から出て行くソウゴ達にきつく叫びながら追いかけようとする。

 

「お爺さま!」

 

だが正人が獏発の腕を掴み、追いかけさせないようにする。

 

「こら!離せ!離せ!」

 

「彼らを…ソウゴ君達を信じましょう!」

 

「お年寄りは待っていましょう」

 

アンリも加わり、一緒に獏発を抑える。

 

「時見君!ルールーさん!」

 

「「?」」

 

「えみるに伝えて欲しいんだ。『声を出して良いんだ!自分の思った事を、叫んで良いんだ!ギュイーンとソウルがシャウトするのです』って!頼む!」

 

正人との頼みを聞き入れたソウゴとルールーは頷き、そのまま愛崎家から出て行く。

 

 

 

対策を練るためにソウゴ達はその後、作戦とアナザーワールドについて門矢士から貰った情報を話した。

 

「あったかもしれない可能性の世界……」

 

「アナザーワールド……」

 

「そこに、えみるがいるんですか」

 

「うん。ゲイツもアナザーワールドにいるはずだよ……」

 

「どうすれば、その世界に行けるんですか?」

 

ことりがアナザーワールドへの行き方を聞こうとするが、ソウゴは言葉を喉に詰まらせてしまう。

そう、彼らを救出する上で浮上する一番の問題はそこだ。今のソウゴ達では、アナザーワールドに行くことすら出来ないのである。

 

「スウォルツが創りだした世界……ディケイドかディエンドなら行けるかもしれないが、彼らはあてにならない」

 

ウォズはディケイドとディエンドの名前を出すが、ディケイドはスウォルツに力を奪われ、ディエンドはクライアス社と手を組んでいる為に信用ならない。

 

「そんな……」

 

「それに門矢士も言ってた。アナザーワールドに捕らわれた人は、その世界を破壊しないと救えない」

 

「壊すって…どうやれば、その世界を壊せるの……」

 

アナザーワールドを壊すと言っても、どうすれば壊せるのかもわからない。

このままでは、ゲイツやえみるだけでなく、他の人達もアナザーワールドから助ける事が出来ない。

 

「私がスウォルツの罠にはまったから……」

 

「ツクヨミお姉ちゃん……」

 

「ツキョミ!ゲンキ!ゲンキ!」

 

「ありがとう。はぐたん」

 

励ましてくれるはぐたんにツクヨミはお礼を言う。

 

「君のせいじゃないよ。俺の……勇気が足りなかったから……」

 

ミハルも自分が勇気がなかったと自分を責める。

 

「何かゲイツとえみるちゃんを助ける、いい手はないかな?」

 

助ける手段にソウゴ達は頭を悩ませると…

 

「流石に悩んでいるようだね〜」

 

聞き覚えのある声が聞こえ、ソウゴ達が振り返る。

 

「久しぶりだね。魔王。プリキュア諸君」

 

そこへ現れたのは、白ウォズだった。黒い方のウォズは白ウォズの前に出て、もう一人の自分を警戒する。

 

「まさか、君が復活するとはね」

 

「久しぶりじゃないか。もう1人の私」

 

だが白ウォズが現れたのを見て、ソウゴの脳裏にはいくつかの推測が生まれた。

 

(白ウォズは、アナザーワールドから現れた。

もしかしたら……アナザーワールドに……)

 

彼ならばアナザーワールドの仕組みも行く方法も知ってるのかもと思い、白ウォズに尋ねる。

 

「白ウォズ。手を貸してくれ。ゲイツとえみるちゃんを助けたいんだ」

 

「私が素直にいう事を聞くとでも?」

 

ゲイツとえみるを助けるために協力して欲しいと頼むと、白ウォズは呆れた様子でシニカルに笑う。

 

「どうしても聞いてもらう」

 

「ダメなら……」

 

実力行使も覚悟でベルトをソウゴ、黒ウォズ、ハリー、ミハルの四人がベルトを掲げる。

さらにはな、さあや、ほまれ、ことりもプリハートを取り出す。

 

「そんな脅し、私には効かない」

 

すると白ウォズは、既に黒ウォズへと所有権が移ってしまった筈のビヨンドライバーを出してきた。

 

「君までベルトを……」

 

「アナザーワールドは、失われた可能性の世界だからね」

 

アナザーワールドの影響により力を失われなかった世界から連れてこられ、仮面ライダーウォズの力を再度手に入れる事が出来たと言う事だと語る。

 

「……だが、我が救世主を助けたいのは私も同じこと」

 

「えっ?」

 

しかし白ウォズはゲイツを助けたいのは同じと話し、ソウゴ達はホッとしたのかベルトを下ろした。

 

「我が救世主やキュアマシェリをアナザーワールドから救うには、ここにいる全員が危ない橋を渡ることになる」

 

彼はかつて、ゲイツにゲイツリバイブのデメリットを説明せずにその力を渡したが、今度は警告した上で二人を助ける為の提案を言い渡す。

 

「覚悟はできてる」

 

「えみるを救うためなら!私も覚悟あります!」

 

「うん!みんなでえみるとゲイツを助けよう!」

 

「私も覚悟はあります!」

 

「「当然!」」

 

「私も頑張ります!」

 

「俺だって勇気だすよ」

 

ソウゴ達は危険を覚悟でゲイツとえみるを救うために、アナザーワールドに乗り込もうとする気持ちを訴える。

 

「どうかな?白い私」

 

「……いいだろう。では作戦スタートと行こうじゃないか」

 

白ウォズはアナザーワールドから新たに取り戻したミライノートのページを開き書き込むと、作戦が始まった。

 

 

まず、白ウォズは『湊ミハル、仮面ライダーエターナルと戦った』といった内容をノートに書き込んだ。

その戦いの場所は、はくぐみ市の広場へと変わり。ミハルがいたそこへ、仮面ライダーエターナルが迫ってきた。

 

「フフフ…」

 

ノートに書かれた通りに目の前にやって来たのを見て、ミハルは貰った明日のパンツを広げ勇気をもらう。

 

「死神のパーティータイムだ。死ぬまで踊れ!」

 

「変…身!」

 

ミハルはアクアに変身し、エターナルと交戦に入った。

 

「よし!」

 

茂みからソウゴ、はな、さあや、ほまれ、ルールーがエターナルの方へ向かう。

ハリーははぐたんとルールーを守るために、現在も茂みに隠れている。

 

『ジオウ!』

 

「変身!」

「「「ミライクリスタル!ハートキラッと!」」」

 

ジオウとプリキュアに変身し、アクア共にエターナルへ応戦。

 

「……ジオウとエターナルが戦闘に入ったか。しかし、プリキュアは邪魔だな」

 

様子を見に来たスウォルツが腕を振り上げると、マフラーの色が銀色で、額には宝石をくわえた髑髏と骨の形のV字アンテナが付いた仮面ライダー幽汽。

そしてえみるのアナザーワールドによって誕生した、左右非対称の緑と赤と金色の派手なカラーリングをした戦鬼・仮面ライダー歌舞鬼が現れた。

そのままエターナルに加勢した幽汽と歌舞鬼がプリキュアに攻撃を繰り出す。

 

「いいね」

 

「待ってもらおう」

 

白ウォズもこの場へ現れ、続くように黒ウォズが立ちはだかる。

 

「私達ダークライダーを舐めないでもらいたい」

 

「君の相手は私だ。ウォズVSウォズで行こうじゃないか」

 

二人のウォズはビヨンドライバーを装着し、二人共ウォッチを起動させる。

 

『ギンガ!』

『ウォズ!』

『『アクション!』』

 

「「変身!」」

 

『投影!ファイナリータイム! ギンギンギラギラギャラクシー!宇宙の彼方のファンタジー! ウォズギンガファイナリー!ファイナリー! 』

『投影!フューチャータイム!スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!』

 

黒ウォズはギンガファイナリーへ、白ウォズは通常フォームの仮面ライダーウォズへと変身するとそのまま、両者共に戦闘を開始した。

白ウォズは黒ウォズの攻撃を軽々と防ぐが、やはりギンガファイナリーの力を持つ黒ウォズが優先だった。

 

『ビヨンド ザ タイム!』

『ファイナリービヨンド ザ タイム!』

 

『タイムエクスプロージョン!』

『超ギンガエクスプロージョン!』

 

そのまま、お互いにビヨンドライバーを操作しライダーキックを繰り出した。結果はギンガファイナリーのウォズが打ち勝ち、白ウォズを消滅させた。

その時、黒ウォズは作戦が始まる前に交わした、彼との会話を思い返す。

 

『君は容赦なく私を倒せ!』

 

『君を……?』

 

『芝居だとばれたら終わる。本当の勝負はその後だ』

 

白ウォズは最初から倒されるのが目的だったが、そうとも知らないスウォルツはウォズを鼻で笑いながら顔を向ける。

 

「面白い見世物を見せてもらった。おかわりと行こう」

 

スウォルツの手をかざした先にオーロラカーテンが現れ、倒したはずの白ウォズが現れた。

 

「さあ、さあ、さあ、第二ラウンドだ」

 

そこへツクヨミとルールーが現れる。

 

「そうはさせない!」

 

ツクヨミは時間停止能力を白ウォズへかける。しかし、あっさり解けてしまう。

 

「残念。力が足りないようだね」

 

やはり、ツクヨミはスウォルツから力を全部は取り戻せてなかったようだ。

 

「では、さよならだ」

 

白ウォズはオーロラカーテンをウォズ、ツクヨミへ向けると2人は消えてしまう。

 

「君もだよ」

 

「ルールー!」

 

今度はオーロラカーテンをルールーに向けて放つとそこへ、アーラが庇うために飛び込んだ。しかし、そのままルールーとアーラはカーテンに取り込まれてしまった。

 

「アナザーワールドに送り込んでやったよ」

 

「ツクヨミ!ウォズ!ルールー!アーラ!」

 

ジオウはスウォルツへ斬りかかる。しかし、エターナルが阻止されてしまった。

 

「諦めろ。もう奴らには会えない。永遠にな」

 

「永遠にだ?いい言葉だっ!」

 

エターナルがスウォルツの言葉を聞いてそう言うと、エターナルエッジのスロットにエターナルメモリを装填した。

 

『エターナル!マキシマムドライブ!』

 

手に持ったコンバットナイフ型の専用武器を振るうと青い炎の斬撃が放たれ、ジオウはそれを諸に浴びてしまった。

 

「ソウゴ君!」

 

「大丈夫」

 

「ここまでは何とか上手くいった」

 

「うん。後は……」

 

「一か八かだね」

 

そう、これが白ウォズの作戦。

その最初はエターナルを呼びよせ、次にゲイツとえみるのアナザーワールドへと潜入する。ここまでは予定通りだが、後はソウゴ、ゲイツ、ウォズの三人の一か八かが上手く行くかどうかで、その結果が変わる。

 

 

その頃、先にアナザーワールドへと侵入した黒ウォズとツクヨミは…

 

「ここは?」

 

「アナザーワールド。ゲイツ君の世界だね」

 

ゲイツのアナザーワールド。カレンダーを見ると、日時はアナザードライブと遭遇した日となっており。ツクヨミが見渡すと、ゲイツがソウゴを壁に当てながら声を荒らげる場面が見えた。

 

「お前がオーマジオウになって、お前が最低最悪の未来を創ったんだろうっ!」

 

この辺りは、現実でもソウゴに向けて言った事だ。

しかし、ゲイツは続けて話をしていた。

 

「だが俺は……そんな未来から逃げ、この時代に来た。

帰らなきゃいけないのは分かってる……

でも俺は!この時代で生きていきたいんだ!

お前と一緒に!新しい未来を創っていきたいんだよ!」

 

「……これが、ゲイツ君が実現したかった可能性…」

 

「ゲイツ……」

 

――この時代に、ソウゴと一緒に生きたい。

これが、ゲイツの本心だったと黒ウォズとツクヨミは知った。

 

 

ルールーとことりの方も、白ウォズによって別のアナザーワールドへとやってきた。

 

「ここは……」

 

「えみるのアナザーワールド」

 

えみるのアナザーワールド。それは、昨日の未来へ帰ると話していた時の時間だった。

 

「ずっと、ここで皆さんと……」

 

えみるはルールー達に帰って欲しくなかった。

だから必死に、出来る限りの案を出し続けるが上手くいかず、ルールーから「えみる、私は未来へ帰ります」と告げられた時…

 

「ルールー……私はまだ、ルールーの皆さんと一緒に居て欲しいのです!ここにずっと居てみんなといつものように過ごして!ルールーと『ツインラブ』で歌いたいのです!』

 

「えみる……」

 

「これがえみるちゃんの失われた可能性……」

 

えみるの失わられた可能性。

彼女はあの時、自分の本音をあの時言えていれば、違う結果あったかもしれないと思っていたのだと、ルールーとことりは知った。

 

 

 

現実世界に残されたジオウ達は、エターナルと幽汽と戦いを続けていた。

力の差はエターナルがジオウとアクアを押しており、ジオウがエターナルから離れると腕のWウォッチを取り外した。

 

「君はダブルに倒されたんだよね」

 

『W!』

 

ジオウはダブルウォッチを起動させ、ジクウドライバーへと装填し、ドライバーを回転させた。

 

『アーマータイム!サイクロン!ジョーカー! ダブル!』

 

ジオウの体に二本のガイアメモリが肩に装備され、黒と緑のアーマー、ダブルアーマーを装備した。

 

「さぁ、お前の罪を……教えろ?」

 

ダブルアーマーを纏ったジオウはジョーカーのオーラを纏った左キック、サイクロンのオーラを纏った右回し蹴りをエターナルへ撃ちこみ、反撃に出た。

 

「くぅ!……教えてやる。俺は負けてはいない。たまたま風が吹いただけだ!」

 

エターナルは背中を纏っていたマントを外し放り投げる。

すると、違うガイアメモリを起動させる。

 

『ゾーン!』

 

「Z」の文字が描かれたメモリを起動させると、ロストドライバーのマキシマムスロットにそれを装填した。

 

『ゾーン!マキシマムドライブ!』

 

すると、エターナルの周りにガイアメモリが集まってきた。

 

『ACCEL!BIRD!CYCLONE!DUMMY!ETERNAL!FANG!GENE!HEAT!ICEAGE!JOKER!KEY!LUNA!METAL!NASCA!OCEAN!PUPPETEER!OUEEN!ROCKET!SKULL!TRIGGER!UNICORN!VIOLENCE!WEATHER!XTREME!YESTERDAY!ZONE!』

 

24本のガイアメモリをゾーンメモリの物体移動能力で呼び寄せ、エターナルの全身のマキシマムスロットに装填された。

 

「地獄を……楽しみな!」

 

『エターナル!マキシマムドライブ!』

 

そう言いながら、エターナルの青い炎を纏ったライダーキックがジオウ達に向かって放たれ、ジオウは防御するように腕を交差させながら構えて受け止める。

 

「ぐぅぅ……もう少し……」

 

必死に耐え続けるジオウ。その時彼は、懐からジオウトリニティウォッチを取り出す。

実はこの作戦が始まる前に、アナザーワールドからみんなを助ける作戦には、ジオウトリニティウォッチが必要不可欠だったことが白ウォズの口から語られていた。

 

『魔王には、エターナルのマキシマムドライブを耐え抜いてもらう』

 

『わかった』

 

『でもソウゴが危険なんじゃ…』

 

『大丈夫。耐えるだけなんとなかなるよ』

 

ソウゴがそう言うが、耐えるだけとはいえさあやの胸の内には不安が詰まっていた。

 

『せやけど、エターナルに何をさせるんや?』

 

『エターナルメモリは、世界の1つや2つ永遠に破壊出来る。

だが、そのためにはエターナルをアナザーワールドに引き入れなければならない』

 

『確かにトリニティウォッチには、ゲイツとウォズを呼び寄せる力はあるけど、世界の壁まで超えられる?』

 

ジオウトリニティにアナザーワールドにいるゲイツと、助けに行くウォズ。そして、現実でエターナルを抑えるソウゴ。

この三人が別の世界からでもジオウトリニティになれるのか、という不安要素があった。

 

『正直、賭けだね。でも私は、トリニティの力はそうゆうものじゃないと見込んでるんだ。それと……我が救世主にこれを渡す』

 

白ウォズはゲイツに渡す為の、少し大きめなブランクウォッチを見せる。

 

 

そしてここまでは白ウォズの計画通り、エターナルはマキシマムドライブを放った。後は本当に一か八か掛けだ。

 

「行くぞ……ゲイツ!ウォズ!」

『ジオウトリニティ!』

 

ジオウは片腕を使ってWウォッチを外し、ジオウトリニティウォッチをスロットに装填した。

 

『ジオウ!ゲイツ!』

 

更にダイヤルを回し、ジオウの仮面と一緒にゲイツの仮面の絵柄が映し出された。

 

 

『だが……俺はそんな未来……』

 

その時、ジオウトリニティウォッチが操作されたのと同時に、アナザーワールドのゲイツが変身し、腕時計に変形していく。

   

『ウォズ!』

     

同様にウォズも強制変身し、腕時計に変形した。

 

「いけぇぇぇぇ!」

 

その時、ジオウの周囲が光に包まれ、同時にエターナルと共にその場から消えた。

それを目にしたアクアと白ウォズは成功したと睨み、スウォルツは何が起こったのかと疑問を抱く。

 

 

『トリニティタイム!三つの力、仮面ライダージオウ!ゲイツ!ウォズ!トーリーニーティー!トリニティ‼︎』

 

ジオウトリニティへの変身のために引き寄せられる形で空間転移し、アナザーワールドへエターナルごと侵入成功させたジオウは、ゲイツのいるアナザーワールドへ移っていた。

そのままゲイツとウォズの腕時計が体にはめ込まれ、同じように変化を始めたジオウの仮面が中央へと移動する。

 

「うっっ……はぁ!」

 

ジオウトリニティへと変身を遂げ、エターナルの攻撃を逸らした。

そのままエターナルメモリの力で辺り一面に亀裂が入っていき、アナザーワールドが次々と崩壊してく。

 

 

するとオーロラカーテンが現れ、そこからソウゴ達や囚われたゲイツとえみるが戻ってきた。

 

「俺は……」

 

「私は……」

 

「成功したな!」

 

「ゲイツ君、えみるちゃん、お帰り」

 

ゲイツとえみるが戻ってきて、みんなは嬉しく思っていると、その影響で幽汽と歌舞鬼も消滅した。やはり、アナザーワールドが彼らの存在を保っていたようだ。

 

「ツクヨミ。はぐたんとみんなを!」

 

「うん。みんな逃げて!」

 

ツクヨミがはぐたんを抱いて、アナザーワールドから解放された人達を逃げるように促がす。

すると、一緒に戻ってきたエターナルは変身を解くが、彼の誕生したアナザーワールドが消えた為の影響か、彼の体が少しずつ綻び始めた。

 

「面白い風を吹かせるじゃないか」

 

「君の力を利用させてもらった。ごめん……」

 

「いや、お陰で俺は、俺だけを蘇らせた世界を壊すことができた。これで、仲間のもとに行ける」

 

大道克巳は満足そうな表情で親指を上げ、消滅していった。

 

「ソウゴ……俺は……!」

 

ゲイツが何かを言いかけようとしたその時、ゲイツの顔をソウゴが殴った。

 

「ソウゴ⁉︎」

 

「ソウゴ君……人を殴った」

 

初めて見た光景に、さあやは驚いた。

 

「お前……」

 

「はぁ、はぁ……なんで、本当の気持ちを言ってくれなかったんだよ!」

 

ソウゴはゲイツの胸倉を掴み、本当の事を言ってくれなかった事に怒りを露わにする。

 

「どうして!言ってくれなかったんだよ!」

 

「お前には……関係『あるよ!』……」

 

「友達だろ……不安があるなら、いくらでも聞くよ!」

 

初めて男の子の友達になれたゲイツに、親友として彼の悩みに気付けなかった事を後悔していた。だからこそ彼は今、ゲイツの本音を知りたい事を告げた。

 

「……」

 

「じゃあ、俺の本音を言うよ……

俺はゲイツやルールー……ツクヨミ、はぐたん、ハリー…

みんなにずっと居て欲しい!」

 

あっけにとられるゲイツに対し、ソウゴは先に自分の本音を打ち明けた。

 

「俺は、みんなに会えたから今の俺があるんだ」

 

今のソウゴが間違えない道を歩めるのは、ゲイツ達のおかげだと感じていた。

オーマジオウの未来を見て王になるのを諦めた時、彼は自分の事を親友だと言ってくれた。

アナザージオウⅡに記憶を変えられても、みんなは自分を信じてくれた。

 

「ゲイツ達と会って、一緒に過ごして、一緒に戦って……

そのかけがえのない時間を……これからの未来を一緒に生きたい。

でも、みんなには帰るべき場所が……未来がある。

だから、今の俺の望みは……今を生きる俺達の未来。

未来に帰るゲイツ達の未来を、最高最善のものにしたいッ!」

 

そう強く叫ぶソウゴに心の奥まで響いたのか、ゲイツも続いて口を開き始める。

 

「俺も……俺もこれからもずっとお前と生きたい。親友として……

だが俺には、帰らなければならない未来がある。

だから……俺は、僅かな時間でもいい!

お前と……お前達と一緒に生きたい!

そしてお前を、最高最善の王に導きたい!

それが、俺の今の気持ちだッ!」

 

自分の本音を打ち明け、それを聞けたソウゴは笑みを浮かべた。

そのままゲイツはソウゴの手を掴み、返事を返す様にソウゴはゲイツを起き上がらせた。

 

「ありがとう。ゲイツ」

 

「俺もだ。ソウゴ」

 

改めて、一緒に戦うために、残り僅かな時かもしれないが、覚悟と目標を決めた二人は、互いに固く握手を交わした。

すると、黒ウォズが白ウォズに近づく。

 

「何故、君は君自身が消える作戦を立てたのか?」

 

ゲイツのアナザーワールドが消えれば白ウォズは消滅してしまう。

それなのに何故だと聞くと、白ウォズは笑いながら言葉を繋いでいく。

 

「言っただろう。私は我が救世主を助け、新たな未来を見ていたくなった。

それが私の“失われた可能性”……だからね」

 

「白ウォズ……お前……」

 

「だが、気を付けた方がいい。クライアス社の狙いは……あっ!」

 

何かを言いかけようとしたとき、何か刃物のようなエネルギー刃が白ウォズの腹部を貫いた。

 

「白ウォズ!」

 

「大丈夫⁉︎」

 

ソウゴとはな、ゲイツが白ウォズに駆け寄る。

 

「スウォルツ……」

 

振り向くとその攻撃を放ったスウォルツがいた。

 

「やってくれる……だが全てのアナザーワールドを消したと思うな」

 

スウォルツの背後から何人かの仮面ライダー…グレイブ、ソーサラー、ガオウ、武神鎧武といった、四人のダークライダーが現れた。

 

「ハリー君!みんな!あいつらをスウォルツから切り離す!」

 

「わかった!」

 

「「「「はい!」」」」

 

『ギンガ!』

『ハリー!ギアジェット!』

 

「「変身!」」

 

「「「「ミライクリスタル!ハートキラッと!」」」」

 

『投影!ファイナリータイム! ギンギンギラギラギャラクシー!宇宙の彼方のファンタジー! ウォズギンガファイナリー!ファイナリー!』

『ジェットタイム!導け!切り開く世界!ハリー!ギア!ジェット〜!』

「輝く未来を、〜抱き締めて!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

「みんな舞い上がれ!希望のプリキュア!キュアアーラ!」

 

ウォズとハリーはギンガファイナリー、ギアジェットへ。はな達四人がプリキュアへと変身すると四人のダークライダーへと向かっていき、スウォルツから白ウォズを離す。

 

「ルールー、えみるちゃん。白ウォズと離れて……」

 

「わかりました」

 

ルールーが白ウォズを連れて、ソウゴとゲイツから離れようとする。

 

「待って欲しい」

 

だが白ウォズは彼女へ待って欲しいと制止させ、ミライノートのページを開いた。

そして、そのページに『我が救世主に!魔王と並び立てる力を!』と、そう書き込む。

それによって白ウォズの持っていたブランクウォッチに19個もの光が注がれ、その姿を変えた。

 

「これは……」

 

「それが、魔王と並び立てる力……『ゲイツマジェスティ』だ…」

 

「ゲイツマジェスティ……」

 

そのウォッチは、ソウゴの持つグランドジオウライドウォッチと形状が似ていた。

しかし色はゲイツウォッチの色と同じ赤となっており、ゲイツは白ウォズが誕生させたウォッチ、『ゲイツマジェスティライドウォッチ』をその手に掴む。

 

「白ウォズ……」

 

「これが私の望んだ。失われた可能性……魔王と救世主。

二人が共に歩むことの出来る世界……それが、私の求めた失われた可能性……

未来を変えて見せろ。我が救世主……魔王」

 

体が消滅し始めるも、白ウォズは遺言のように吐露していく。

 

「お前……」

 

「叶えて見せるよ。白ウォズの望んだ世界……」

 

「……楽しみにしてるよ……」

 

そう言って微笑み、最後にたった一言告げて消滅した。

 

「白ウォズ……ありがとう」

 

「……」

 

ソウゴは白ウォズにお礼を言い、ゲイツは託されたウォッチを強く握りしめる。

 

「決着をつけようか?時見ソウゴ」

 

「スウォルツ……」

 

ソウゴがスウォルツを睨み付けると、ゲイツがソウゴの隣に立つ。

 

「スウォルツ。お前を倒すのはソウゴではない。

俺とソウゴの二人が、お前を倒す!」

 

「無駄だ」

 

アナザーディケイドウォッチを起動すると、スウォルツは自らの体内に埋め込んだ。

 

『ディケイド…!』

 

アナザーディケイドへ変身したのを見てソウゴとゲイツはジクウドライバーを装着した。

 

「行こう。ゲイツ!」

 

「あぁ!」

 

二人は二つのウォッチを共に掲げた。

 

『ジオウ!グランドジオウ!』

『ゲイツ!ゲイツマジェスティ!』

 

起動させたウォッチを二人はジクウドライバーの左右のスロットへ装填した。

そのまま二人はドライバーのロックを解除し、構える。

 

『〈ポォォーン!パァァァァ!〉アドベント!COMPLETE!ターンアップ!〈ピィィン!〉CHANGE BEETLE!ソードフォーム!ウェイクアップ!カメンライド!サイクロン!ジョーカー!タカ・トラ・バッタ!3・2・1!シャバドゥビタッチヘンシーン!ソイヤッ!ドライブ!カイガン!レベルアップ!ベストマッチ!ライダータイム……! 』

 

ソウゴの背後に地中から、巨大な黄金の時計台と歴代ライダーの石像が出現。表層が剥がれ、仮面ライダーたちの姿が現れた。

そしてゲイツは金色の円周に包まれ、19個のライドウォッチが彼の周囲に現れた。

 

「「変身!」」

 

『グランドタイム!』

『マジェスティタイム!』

 

ポーズを決めた二人は同時に叫び、ドライバーを回した。

 

『クウガ・アギト・龍騎・ファイズ・ブレイード!響鬼・カブト・電王!キバ・ディケイード!ダブル!オーズ!フォーゼ!ウィザード!鎧武・ドラーイーブ!ゴースト!エグゼイド!ビ・ル・ドー!

祝え!仮面ライダー‼︎グ・ラ・ン・ド!ジオーウ!』

『G3・ナイト・カイザ・ギャレン・威吹鬼・ガ・タ・ッ・ク!ゼロノス・イクサ・ディエンド・ア・ク・セ・ル! バース・メーテーオ・ビースト・バロン! マッハ・スーペクター・ブレイーブ! クーローズ!

仮ー面ーラーイダーー!Ah~!ゲイツ!マジェーースーティー! 』

 

ライダー達が黄金のフレームに取り込まれ、ジオウの身体に張り付くように装着されてアーマーが形成、開いたフレームからライダー達が現れるとそれぞれの決めポーズをとって固定され、最後に頭頂部にジオウが固定されると『ライダー』のインジケーションアイがセットされ、グランドジオウへ。

 

そしてゲイツは仮面ライダーゲイツへと変身すると、普段の姿から赤と金のライダースーツが纏われ、背中にはマントを装着。更に2号ライダーのライドウォッチが全身に装着されており、頭部にはゲイツウォッチが。胸部にはイクサ、ディエンド、ブレイブ、クローズのライドウォッチが装着され、右肩にナイト、G3、カイザのライドウォッチが装着。左肩はアクセル、バース、メテオが装着された。続いて右ホルダーにギャレン、威吹鬼。左ホルダーにビースト、バロンさらに右腿にゼロノス、ガタック、左腿にはスペクター、マッハ。

合計で19個のライドウォッチが装着された、ゲイツマジェスティへと変身した。

 

「なんだこれは……」

 

アナザーディケイドはゲイツマジェスティへと変身したゲイツに戸惑った。

 

「新しいゲイツ……」

 

「ゲイチュキレイ〜!」

 

エール達も新しいゲイツの姿・ゲイツマジェスティに驚いていると、ダークライダーの戦っていたウォズはダークライダーを振り払い、何やらうずうずしていた。

 

「祝いたくはないが……私のプライドにかけて! 」

 

ゲイツを祝いたくないと思っていた様だが、何かを決したウォズは一歩踏み出し、天に響く位に高々と叫んだ。

 

「祝え!闇に苦しむ人々を救い、未来に光を取り戻す真の救世主!その名も仮面ライダーゲイツマジェスティ!まさに生誕の瞬間である!」

 

「……あの、ウォズさん」

 

「無理に言わられても、多分嬉しくないよ」

 

「祝いたくないなら、尚更そっちがいいよ」

 

アンジュ達に無理に祝わなくても良いと言われた。まぁ、ウォズのプライドが許さなかったんだろう。

 

「行くぞ!ソウゴ!」

 

「あぁ!」

 

ジオウとゲイツが二人同時にアナザーディケイドへ走り出し、そのまま二人は同時にアナザーディケイドに拳を繰り出した。

 

(これがゲイツの答え……もしかしたら……彼なら、ジオウの……時見ソウゴの運命も変えられる)

 

それを見ていたアクアは、ゲイツマジェスティとなったゲイツなら、ソウゴのオーマジオウへの運命を変えることが出来るのかと思う。

その姿にえみるも、自分もルールーに想いを、今伝えるべきなのかと思い始める。

 

(ゲイツさん……)

 

「えみる。私はまだあなたの気持ちを聞いていません」

 

「……」

 

えみるがルールーに気持ちを言おうと思った、その時…

 

「オシマイダー!」

 

突如として、タコのような足に白髪の髪と、背中には豪邸のような感じのオブジェクトを付けた猛オシマイダーが現れた。

 

「えみる」

 

そのオシマイダーはえみるとルールーに向けて足で攻撃をしてき、そのまま二人は吹き飛ばされてしまった。

 

「「「「「ルールー!」」」」」

 

吹き飛ばされたルールーはえみるを庇ったために、体から電流が流れ出した。

 

「大丈夫です。私は……アンドロイドですから……」

 

「ぁ……」

 

えみるはルールーのその痛々しい姿を見て言葉を漏らすが、その様子を見ていたアナザーディケイドはルールーを見下しながら高々と笑い出す。

 

「ハッハッハッハッ……!流石はアンドロイド。

だが、貴様のようなガラクタはもはや邪魔だ」

 

その言葉は、ジオウの心に強く怒りを感じさせた。

 

「ルールーは……ガラクタなんかじゃない!」

 

ジオウのパンチが決まり、アナザーディケイドを離す。

 

「ルールーはただのアンドロイドじゃない。

音楽が好きで、えみるちゃんと一緒に歌うの好きな。一人の女の子だ!」

 

「ふん。女とはいえ、所詮はロボットに過ぎん」

 

「俺は違う。俺達にとってルールーは友達で、俺達と同じ心がある人間だ!人の心を理解もしない、お前なんかよりな!」

 

「黙れ!」

 

アナザーディケイドの怒りに触れたかジオウに光弾を放つ。

そこへ、ゲイツが前に出てクローズの武器『ビートクローザー』で光弾を切った。

 

「スウォルツ、お前に教えやる。

心の強い奴は、どんなピンチを跳ね除けるってな!」

『ナイト!』

 

今度はナイトのライドウォッチを起動し、仮面ライダーナイトの武器、『ウイングランサー』を召喚した。

 

『龍騎!』

 

ジオウも龍騎のレリーフを触り、仮面ライダー龍騎の武器・ドラグセイバーを装備した。

 

「見せてやる!俺達の思いを!」

 

ジオウとゲイツはドラグセイバーとウイングランサーでアナザーディケイドに反撃へと出た。

 

「えみるちゃん!」

 

「ルールーに気持ちを届けて!」

 

「ルールー……ルールー」

 

えみるは倒れているルールーを介抱し、自分の気持ちを話す。

 

「困らせても良いですか?」

 

「はい」

 

「ヒーロー。資格だと言われるかもしれないけど……けど……」

 

ここから先を言おうとすると、えみるの目が潤い始める。それでもーー

 

「けど……私も時見先輩やゲイツさんと同じで、ルールーとずっと一緒に……ずっと一緒にいたいのです!未来に帰って欲しくないのです!

ずっと!ずっと……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

ルールーの手を握り自分の気持ちを打ち明けたえみるはルールーを抱いて、悲しみの涙を流す。その叫びを聞いていたルールーは、自分のために彼女は、ずっと堪えていたのだと感じた。

 

「えみる………私はえみるとソウゴと出会ったから、未来を信じようと思ったのです」

 

「なら、ずっと一緒に……」

 

えみるは一緒に居たいと言うと、ルールーは首を横に振った。

 

「未来には歌が……音楽がないんです」

 

「っ!」

 

「私は未来の人達に、私達の歌を、私達の愛を届けたい」

 

「未来に愛を……」

 

「誰かを愛する心。大切にする気持ち。

素晴らしいことなんだと伝えたい。

これがあなたとソウゴやみんなと出会って見つけた、私の二つのうちの一つの夢です」

 

「ルールーの……夢……もう一つは……?」

 

「それは……いずれ話します」

 

ルールーはもう一つの夢は伏せたままにした。

そして、えみるを優しく抱きしめる。

 

「未来で待っています」

 

「あっ……」

 

「私達は、ずっと親友!」

 

「はい……」

 

えみるもルールーを優しく抱きしめると、二人の胸から光が灯された。

それはまるで、初めてクリスタルが誕生した光と同じだった。

その時、二人の元に消えたミライクリスタル、レッドとパープルが復活した。

 

「「あなたを愛し!私を愛する!」」

 

えみるとルールーはプリハートをお互いに取り出し、ミライクリスタルをセットした。

 

「「ミライクリスタル!ハート、キラっと!は~ぎゅ~!」」

 

二人は再び現れたミライクリスタルとプリハートをセットし、はな達と同じ手順を取る。

すると服が変わり、髪が伸び、色も変わり姿を変える。

 

「「輝く未来を、抱き締めて!みんな大好き!愛のプリキュア!」」

「キュアマシェリ!」

「キュアアムール!」

 

ミライクリスタルが戻った事で、キュアマシェリ、キュアアムールが復活した。

エール達は再びプリキュアに変身できた二人に近寄って笑みを浮かべる。

 

「マシェリ!アムール!」

 

「ご心配をおかけしました」

 

「私達の愛を届けます!」

 

「何が愛だ……ぬわぁ!」

 

「お前の相手は俺達だ!」

 

プリキュアの前に立つジオウとゲイツが、アナザーディケイドの前へと立ちはだかる。

二人はそれぞれ電王のレリーフとゼロノスのライドウォッチに触れる。

 

『ゼロノス!』

『電王!』

 

二人は電王のデンガッシャー、ゼロノスのゼロガッシャーを召喚した。

 

「ふん!」

 

先にボウガンモードのゼロガッシャーを放ち、アナザーディケイドを怯ませた。そこへジオウがデンガッシャーへ追い討ちをかけた。

 

「くぅ……おのれ」

 

「みんなの邪魔はさせない!」

 

プリキュアの邪魔はさせないという気迫に押され、ジオウとゲイツにアナザーディケイドは苦戦された。

 

 

一方、アナザーディケイドによって呼び出されたダークライダー達はウォズ、ハリー、アクアによって決着がつけられようとしていた。

 

『ファイナリービヨンド ザ タイム!超ギンガエクスプロージョン!』

 

ウォズが超ギンガエクスプロージョンで炎を纏った隕石の雨を降らせ、ソーサラー、グレイブに直撃させ、二人を消滅させた。

武神鎧武とガオウの方は、ハリーとアクアが二人を一か所へと集めた。

 

『フィニッシュタイム!』

「はぁ〜!」

 

ハリーがドライバーを回し、背中のジェットが火を吹く。アクアは足に水しぶきを上げると二人は高く飛び上がる。

 

『ジェットタイムフィニッシュ!』

「「はぁぁぁぁ!」」

 

二人が同時にライダーキックを放ち、武神鎧武とガオウに直撃。こちらも二人もライダーキックを受けると消滅した。

 

「ギューーインとソウルがシャウトするのです!」

 

「マシェリポップ!」

「アムールロックンロール!」

 

今度は、マシェリとアムールがマシェリポップとアムールロックンロールを放って命中させ猛オシマイダーが倒れた。

 

「行くよ!」

 

「「「「「メモリアルクロック!マザーハート!」」」」」

 

エール達はミライパットをメモリアルキュアクロックに変化させ、エール達とはぐたんからそれぞれのパーソナルカラーのハートが飛び出す。

 

「「「「「ミライパッド!オープン!」」」」」」

 

右腕を真上のメモリアルキュアクロックにかざすと同時に、画面のハートの型にはまる。

扉が開くと同時に中から無数のハート型エネルギーが降り注ぎ、エール達がマザーハートスタイルに変身し、右手首にプリキュアミライブレスが着けられる。

 

「「「「「 HUGっとプリキュア!今ここに!」」」」」」

 

「ワン・フォー・オール!」

 

「オール・フォー・ワン!」

 

「ウィー・アー!」

 

「プリー、キュアー!」

 

「明日に!」

 

「エールを!」

 

マザーを召喚してメモリアルキュアクロックを囲む形で手を翳し、エネルギーを集める。

 

「「「「「ゴー、ファイ!みんなでトゥモロー!」」」」」

 

手を掲げ、マザーの力を解放して光線を放つ“みんなでトゥモロー”を放つ。命中した猛オシマイダーがハートに包み込まれた。

 

「モウ〜ヤメササテモライマス〜!」

 

オシマイダーが浄化された様子を、木の上から見ていたビシンが悔しそうな表情で直ぐ様去っていった。

 

残るはジオウとゲイツが戦っているアナザーディケイドのみ。

グランドジオウとゲイツマジェスティの力は、アナザーディケイドを圧倒させた。

 

「行くぞ!ソウゴ!」

 

「あぁ!」

 

二人はドライバーのロックを解除した。

 

『『フィニッシュタイム!』』

 

二人の背後から仮面ライダー達の影が現れた。ジオウにはクウガからジオウを含む20人の陰が、ゲイツは自分を含めウォッチと同じ二号ライダー達19人の姿が映し出されていた。

 

『オールトゥエンティタイムブレーク!』

『エル・サルバトーレタイムバースト!』

 

「「はぁぁぁぁぁーーッッ!」」

 

そのまま現れたライダー達と共に、ジオウとゲイツはライダーキックをアナザーディケイドへと向けて放った。

 

「ぐぅ……こんなバカな……」

 

二人の力に耐えられずアナザーディケイドは吹き飛ばされ、地面を勢いよく転がり込む。

 

「これが王の……力……」

 

「違う。これが俺とゲイツの……いや……俺達、仲間の力だ!」

 

ジオウが仲間の力と主張すると、アナザーディケイドは腹部を抑え起き上がった。

 

「時見ソウゴ。やはりお前は生まれながらの王。お前には王となり、世界を破滅から救う使命がある」

 

「⁉︎……それって……」

 

――お前は生まれながらの王。お前には王となり、世界を破滅から救う使命がある。

 

そのセリフを聞いたジオウは、ずっと夢の中でソウゴに言いづけた男と同じ台詞だと気付いた。

 

「どうして……」

 

「また会おう。だが、お前の持つライダーの力は、いつか俺が必ず貰う」

 

そう告げてアナザーディケイドは去っていった。

それを見て、ゲイツはゲイツマジェスティウォッチを外して変身を解除した。

 

(白ウォズ……お前の言った可能性の世界。実現出来るかわからないが、やってみる)

 

ゲイツは“とある決意”を固めながら、ゲイツマジェスティウォッチを強く握り締めた。

 

 

 

そして翌日。ツインラブーのコンサートが無事に開かれた。

ライブ会場はえみるとルールーのファンで一杯だった。客席からだが、ソウゴとはな、はぐたんが必死に応援していた。

 

そしてミハルも帰る前に、えみるとルールーのライブを見ていた。

 

「ごめんね。君の事悪く言って」

 

「いや、お前は間違っていない」

 

ミハルはゲイツに言い過ぎたと謝罪するが、ゲイツは何も間違っていないと言って気にするなと話す。

 

「君を見て、今の時見ソウゴを見て思ったよ。今の彼があるのは、君達がいるからだってね」

 

ミハルは自分の知るソウゴが違うのは、ゲイツ達のおかげなのかと話す。

 

「…決めたよ。ゲイツ、君達を帰らせるのは辞めたよ」

 

「えっ?」

 

「オーマジオウの歴史から来た君達なら、時見ソウゴがオーマジオウとなるのも回避出来るかもしれない」

 

ミハルは昨日のゲイツマジェスティへとなったゲイツなら大丈夫と思ったのか、彼らを直ぐにでも帰らせるのはやめたと話す。

 

「わかった。だが、俺達はいずれ帰る。それだけは信じてくれ」

 

「わかったよ」

 

ミハルはゲイツ達がいずれは未来へ帰るというゲイツの言葉を信じることにすると、彼はソウゴ達の顔を見つめながら口を開く。

 

「ソウゴ。みんな」

 

『?』

 

「君達なら運命を変えられる。先の未来からだけど信じてる」

 

「うん。必ず救って見せる。未来を」

 

「うん」

 

そのままミハルはライブ会場を後へとし、自身はタイムマジーンの置かれた場所へと向かい、自分の時代へと戻った。

 

 

その頃、愛崎コンツェルトのビルの方でも…

 

「お爺様。えみる、今ライブ中です」

 

「勝手にしろ」

 

会長室で正人がスマホに映るツインラブの動画を獏発に見せるが、彼は少し不機嫌そうな顔で目を逸らした。

 

(ゆっくりでいい。いつかお爺様も……)

 

正人はかつて自分がそうであった様に、いつかはえみるの気持ちがわかってくれると信じる事にした。

 

 

ライブが終わり、控え室にいるえみるとルールーの所へ向かう時、ソウゴにゲイツは話しかけた。

 

「ソウゴ」

 

「ん?なに?」

 

「俺は……俺達はいずれ未来へ帰ることに決めた」

 

「そうか……」

 

やはり、未来へ帰るのか。ソウゴはそれが頭ではわかっているけど、やはりゲイツ達と別れるのは辛かった。

 

「それと、俺は夢を見つけた」

 

「夢?」

 

「俺は……救世主になる」

 

「救世主…」

 

ゲイツの言葉から救世主と言われ、少し驚いた。

 

「お前のように誰かの心を知り尊重し、誰かの助けになる。そんな救世主になりたいんだ」

 

「なれるよ。ゲイツは優しいから」

 

ソウゴも、ゲイツなら未来の救世主になれると称賛した。

 

「お前の王様とどっちが先に叶えるか競争だ!」

 

「負けないよ!ゲイツ!」

 

二人はお互いの夢を叶えるために握手を交わした。

 

 

ソウゴとゲイツが外で話している中、控室の方では既にはな達がいた。

 

「良いライブだったね」

 

「二人共中々カッコ良かったよ」

 

「はい!ツインラブとして、私達は全力で愛を届けます!」

 

「はい。ずっと……ずっと」

 

「ルールー?よちよち」

 

ルールーがはぐたんを見つめ、はぐたんが微笑んでそう告げる。

すると、ルールーの目に涙が溜まり、そのまま泣き出した。

 

「ルールー?」

 

そんなルールーを見たはなも、目に涙を溜める。

 

「あれ……?おかしいな……?何で……」

 

「かなちいの……?」

 

「はぐたん……!」

 

目に涙を溜めたさあやが、はなとルールーを横から抱き締める。

 

「もう……皆さんまで……」

 

「まだ……お別れする訳じゃないのに……」

 

目に涙を溜めたほまれが同じく、目に涙を溜めたえみるの頭を撫でた直後、えみるが声を上げて泣き出し、ことりとツクヨミも泣き出す。

 

「みんなが未来に帰る時は、笑顔でお別れするから……!だから今は……!」

 

未来に帰る時は、笑顔でお別れする。はな達はそう誓ってから、はぐたんを除いた一同が、声を上げて泣き続けたのだった。

その様子を部屋の外から見ていたソウゴとゲイツも、同じように少し涙を流した。

 

 

その日の夜、何時もえみるとルールーが練習している木の場所に、ソウゴが一人で来た。

 

「ソウゴ……」

 

そこにはルールーが一人立っていて、連絡を受けたソウゴは彼女の下へやってきた。

 

「話って何?」

 

「未来へ帰る前に、あなたには伝えたい事があったのです」

 

ルールーが胸に手を当てて、ソウゴに話す。

 

「あなたには、色々と助けて貰いました。

私がクライアス社に利用され、アナザーライダーとされても、私を必死になって助けてくれました」

 

「そんなの、友達なら当たり前だよ」

 

「いえ、私はその後のあなたを見て、あなたはえみるとは違う、何か違う心が芽生えたような……

そして、その心が今わかりました」

 

ルールーはソウゴに向けて、大切な一言を伝えた。

 

「ソウゴ。私は、私は……あなたが好きです」

 

「えっ……」

 

ルールーから出た言葉に、ソウゴは驚きのあまり、直ぐには答えが出なかった。

 


次回!Re.HUGっとジオウ!

 

第57話 2018: 響け、エールの応援!奇跡の誕生!

 

 




おまけ

ルールー「ソウゴ。私は、私は……あなたが好きです」

ソウゴ「えっ……」

さあや「」

ソウゴ「さあや!?ナズェミテルンディス!!」

ルールー「(計 画 通 り)」ニチャァ…!

次回!『阿修羅!修羅場!超喝采!?ジェラシータイム!』
来週も、ハグっていくジオ〜!

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