Re.HUGっとジオウ!   作:yu-ki.S

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ウォズ「この本によれば、普通の中学生にして時の王者…『オーマジオウ』となる運命が待っており、全てのウォッチを集めた時見ソウゴ。
しかし、彼の集めたウォッチは消滅。歴史を作った仮面ライダー達の敵が出現した事により、全世界で混乱が生じた……
…もはや、時間はあまり残されていない」


第61話 2068: 光輝く、美しき仮面ライダー!

ツクヨミとスウォルツの関係を知るべく、ソウゴ、はな、ツクヨミ、ことりの四人は、再びツクヨミが幼い日に暮らしていたお屋敷へ門矢士と共に向かった。

そこでスウォルツの計画を知り、彼の邪な願望がツクヨミに向けられた時、士は盾となり深傷を負う。海東大樹により命は助かったが、彼はアナザージオウⅡへと変貌。力を取り戻したディケイドとグランドジオウの力で何とか乗り切ったが…

 

「グランドジオウウォッチが……消えた……」

 

アナザージオウⅡを倒した後、ジオウはいきなりグランドジオウから強制変身解除され、ジクウドライバーから外れたグランドジオウウォッチが消滅したのだ。

 

「どうして、グランドジオウウォッチが……」

 

「おそらく、スウォルツの言うライダーの歴史の破壊がはじまったんだろ……あれが証拠だ」

 

ディケイドが周りを指でさし、それを見たソウゴ達は目を広げて驚愕した。

そこには、NEWモールイマジン、マスカレードドーパント、屑ヤミー、グール、インベス、バグスターウィルス、スマッシュ、ガーディアン等と、歴代ライダー達が今まで倒してきた怪人達が次々と現れたのだ。

 

「そんな……」

 

「慌てるな。ふぅん!」

 

ディケイドがオーロラカーテンを出現させて怪人達の方へと向けてやると、怪人達はそれに飲み込まれ姿を消した。

 

「いない?」

 

「とりあえず、これで時間は稼げるだろ」

 

「さって、教えてくれないかな〜士?君が今回、この世界で何をしようとしていたのかを」

 

すると海東は笑みを浮かべながら、ディケイドに今回の狙いを聞こうとする。

 

「………はぁ〜」

 

それを聞いたディケイドは、深くため息を吐く。

 

「教えてよ。ライダー世界とか世界の柱って何?」

 

ソウゴもディケイドに迫り、ライダー世界について聞こうとする。

 

 

その一方で、死神チェイサーの下から去ったゲイツ達にも異変が起こった。

 

「なっ⁉︎」

 

ゲイツが持っていたゲイツマジェスティウォッチが突如として光り出すと、そのままグランドジオウウォッチのように消滅してしまったのだ。

 

「ゲイツマジェスティウォッチが・…」

 

「何で消えたの⁉︎」

 

「理解不能です……こんな事が起こるなんて………」

 

「あの、ゲイツさんのゲイツマジェスティが消えたのなら……もしかして、時見先輩のグランドジオウも……」

 

「まさか、スウォルツが……」

 

「はぎゅ〜……」

 

みんなが不安になると、ハリーが抱いているはぐたんも心配する表情を浮かべた。その時、さあやのプリハートに連絡が入る。

 

「みんな!はなから……門矢さんから話があるから、ビューティーハリーへ来てって……」

 

「門矢士が……」

 

ゲイツ達も門矢士の話を聞く為に、ビューティーハリーへと向かう。

 

 

その頃、クジゴジ堂に置かれているライドウォッチを順一郎が眺めていた。

台座に置かれているウォッチは全て色を失くし、ヒビが入っていて破壊されている。そんなウォッチを見ていた順一郎は、とても悲しい表情を浮かべていた。

 

「……よし!」

 

すると順一郎はそのウォッチを見て、何かを決意した。

 

 

 

ソウゴ達はビューティーハリーに集まり、みんなが集まったのを確認すると士はライダーの世界からその世界の仕組みまで、全てを話そうとした。

 

「では、話して貰おうかな。ライダー世界についてを……」

 

ウォズにソウゴ達に話してあげろと促されながらも、士はそれをスルーして語り始める。

 

「……スウォルツも言ったが、この世界とは違う世界……全ての平行世界のバランスを保つ世界……ライダーの世界がある」

 

「ライダーの世界……」

 

「そこには様々な歴史を作った仮面ライダーがいる……

そのライダーの世界に影響して、他の世界にも仮面ライダーが誕生している。

そして、その世界にいるライダーが中心となるライダー世界の柱に乗るきっかけとなっている」

 

「世界の柱って?」

 

「まぁだいたいは、天秤にボールが乗る時、バランスを同じにするようなものだ」

 

士はビューティーハリーに置いてある天秤台を見せて、わかりやすく説明する。

 

「ライダー世界は、全ての平行世界のバランスを保つ世界。

そのバランスを保つ柱に入る為には、その世界にも仮面ライダーが必要だ」

 

皿にボールを置いてバランスが安定させる。すると士は、乗せたボールを取る。

 

「だが、スウォルツの世界には仮面ライダーがいない。

ライダーのいない世界にはライダー世界の柱に乗れない。

だから……奴は世界の中心となる世界。ライダー世界を破壊しようとしている」

 

傾いた天秤台を見せ、ライダーがいないが為にスウォルツの世界が安定していない事を表しながら説明を続ける。

 

「その為に、ライダー世界の18人の仮面ライダーの力を一つに纏める為の逸材をあらゆる平行世界を回り、計画の逸材となる存在を探す為に平行世界を巡り出した。標的は2000年代生まれの子供……

それに選ばれたのが……お前だ」

 

士はスウォルツの標的に選んだのはソウゴだと指をさして告げた。

 

「えっ?」

 

「えっ?ソウゴが?」

 

「ソウゴ君が選ばれた……」

 

ソウゴが選ばれたのかと言われても、真実を知らないはな達にはわからなかった。

その事実はあの日、ソウゴが起こした力を目撃したツクヨミと士しか知らないが為に。

 

「お前の身に起こった、あの2009年の事故……あれは、スウォルツが起こしたものだ」

 

「ッ⁉︎」

 

「あの事故って?それにソウゴさんのお父さんとお母さんの事故って?」

 

ソウゴの両親と幼い日のソウゴの身に起こった事故について知らないことりに、ツクヨミがその時の説明を行う。

 

「2009年……その時、ソウゴとソウゴ両親はバスで出掛けていたの……その場に現れたのが……」

 

「スウォルツか…」

 

「うん」

 

以前、ゲイツとツクヨミはソウゴと過川飛流との過去を探る際に、ツクヨミがそのバスに乗っていた事を思い出した。

 

「待ってください。あの事故って……」

 

「もしかして、事故が偶然じゃなくて……」

 

「必然だったのか……」

 

「ねぇ、それが本当なら。スウォルツがバス乗っていたソウゴの両親や他の人達を……」

 

「……」

 

ほまれの問いに対して、士は黙ってはいたが、此処にいる皆は口に言わなくてもわかった。

その事故では、ソウゴと過川飛流しか無事な人はいなかった。

それをやった実行犯がスウォルツならば、スウォルツは敢えて多くの人の命を奪った事になる。

 

「何だよそれ……じゃあ、スウォルツが……俺の父さんと母さんを……俺だけじゃなくて……他の子やその子の両親を……俺を見つける為に……俺の所為……」

 

バスの事故の真実を聞かされたソウゴの体が震え出し、息が荒く乱れ出した。

 

「ソウゴ……」

 

今のソウゴに感じるのは、後悔、憤怒、絶望。

その全ての感情と共に、自分の両親とあのバスに乗っていた人達を、自分の所為で巻き込んでしまったのだと、嫌でも実感してしまった。

 

「……ごめん……俺……」

 

彼は黙ったまま一人、ビューティーハリーから出ていった。

 

「ソウゴ君……」

 

「ソウゴ……」

 

「ソウギョ〜……」

 

さあやとルールー、はぐたんの三人は、深く思い詰めた表情で出ていくのを心配そうに見つめていた。

 

「でも、なんですか?なんで、子供の時の時見先輩が……選ばれたのですか?」

 

「あの、何で子供を対象にしていたんですか?」

 

だが今までの話を聞いていたえみるとことりは、とある疑問――何故、スウォルツは2000年代生まれの子供を対象にしているのかと士に尋ねる。

 

「奴が求めていたのは、イメージ力の強い子供……」

 

「イメージ……」

 

「人は窮地に入ると自分でも知らない力が目覚める。

そう言うのは全てそいつ持つイメージ力が力となっている……中でも、子供の持つイメージ力は大人よりも強い……

そして、スウォルツは見つけた奴にセルフイメージのように自分は王様になると、そう言う強いイメージ力を持たせるようにした……」

 

要するに、ずっとソウゴが事故の日から見続けた夢も、スウォルツによるものでソウゴに王様になるとセルフイメージをずっと囁いていた事になる。

 

「しかし、どうやってライダーの世界を滅ぼすというんだい?」

 

「スウォルツはライダー世界を滅ぼすため、ライダーの世界とこの世界を融合させようとしている」

 

「そんなことどうやって?」

 

「あの魔王がその片棒を担いできたんだぞ」

 

『え…?』

 

「スウォルツは魔王のガキに、時空を操る力を……ライダーの世界にいるライダーを、こちらの世界に引き寄せた。

ライダー達を引き寄せたのは奴だ」

 

「そんな……!」

 

「そしてお前たちがライダー世界の18人仮面ライダーから、すべてのウォッチを集めた時、世界の融合が加速を始めた」

 

「私達が戦ってきたのって……スウォルツを手伝っていたようなものってこと?」

 

「それほど敵の陰謀の根が深かった……というだけだ」

 

「それで、どうしようというんだ?」

 

「このまま、融合すれば……二つ世界は崩壊する……

そうなれば全ての平行世界の柱であるライダー世界は他の世界にも影響し、バランスが悪くなり滅びが始まる……

そうなれば、スウォルツのいた世界だけ残る」

 

「そんな事はさせない!絶対にスウォルツを止める!ここにいるみんなとなら……何でも出来る!」

 

「そうだね。やろうはな!」

 

「うん!お姉ちゃん!私もやる!」

 

「私達はヒーローなのです!世界だってなんだって救うのです!」

 

「スウォルツを倒せば、もしかしたらどうにかなるかもしれません!」

 

「私も!このままスウォルツの好きにはさせないよ!」

 

「俺もだ。例えライダーの力が全て無くなっても、俺も最後まで戦う!」

 

「俺もやで!」

 

「はぎゅ〜!」

 

はなを筆頭に、さあや、ことり、えみる、ルールー、ほまれ、ゲイツ、ハリー、はぐたん。みんなが世界を守る為に戦うことを決めた。

 

「だから絶対にみんなでクリスマスを迎えよう!」

 

はなが言うとみんなが頷いた。その時、さあやはビューティーハリーから出ていたソウゴの事が気になった。

 

「ソウゴ君……」

 

 

 

場所が変わり、ソウゴは一人はぐくみ市を町の中を一人で歩いていた。

辺りにはクリスマスの準備や、家族がクリスマスケーキやプレゼントなど一緒に買ってる姿が見えていた。

 

「パパ〜ママ〜!ありがとう〜!」

「良い子だった〜ご褒美だよ」

「さぁ、家に帰ってクリスマスパーティーをしよう」

 

とても楽しそうな笑顔の雰囲気な家族の姿を見かけて、ソウゴはとても羨ましく思った。

 

『ソウゴ〜』

 

「っ!」

 

その光景を見た時、ソウゴは幼い日の事を思い出す。

 

『メリ〜クリスマス〜!』

『ありがとう。パパ〜ママ〜!』

 

家族と過ごしたクリスマスパーティー…

物心がついてからクリスマスを両親と過ごしたのは、この一度切りしかない。

何故なら、あの事故でソウゴは両親を失ったからだ。

 

「……」

 

そのままソウゴはクジゴジ堂の道を歩き続け、しばらくしてからクジゴジ堂へと到着した。

 

「ただいま……」

 

クジゴジ堂へ戻るが、中には叔父の順一郎の姿がなかった。

 

「叔父さんは……」

 

ソウゴが叔父を探していると、テーブルに置き手紙らしきものがあった。

 

『クリスマスのご馳走の材料を買いに行きます。by順一郎』

 

それを読むとソウゴは階段の方へ向かい、そこに座り込む。

するとソウゴは、懐からジオウウォッチを取り出して見つめる。

 

『少年。お前は生まれながらの王。お前には王となり、世界を破滅から救う使命がある』

 

ずっとソウゴを、同じ夢の中で言い続けた男と同じ台詞…

あの時スウォルツが言い放った言葉を思い出したソウゴは、あの時からスウォルツにずっと利用されていたのだと、実感させられてしまう。

 

「俺は……俺を……見つける為に……」

 

そしてスウォルツの計画の為に、何人者の人達が巻き込まれたのだと思い込む。

 

「ソウゴ君……」

 

後悔の沼に放っていたソウゴが顔を上げるとそこには、さあやが立っていた。

顔を上げたソウゴの目からは、涙が溢れていた。

 

「ソウゴ君……涙が……」

 

「えっ?……あっ」

 

ソウゴは自分の目から涙が出ているのに気付いて、彼女から隠すようにとすぐに拭う。

 

「ソウゴ君……」

 

「大丈夫だよ……俺、俺……王様だから……泣くわけには……」

 

こんな所で泣くわけにはいかないと言う。

しかし、さあやはそんなソウゴの表情が、ずっと自分の心の奥底で押し留めていたものが、はじけ出そうとしているかのように見えていた。

 

「泣いていいよ」

 

そんな姿を見ていたさあやはソウゴの手を握って、泣いて良いんだよと、目の前で苦しそうに俯いていた、愛しき彼に向けて告げた。

 

「さあや……俺……俺……」

 

「ソウゴ君は一人じゃない。私達がいる」

 

「ッ!」

 

その一言でソウゴの目から、次々と涙が溢れ出し始める。

 

「うっ、ううっ……うわぁぁぁぁ〜〜っっ!」

 

溜まりに溜まった全ての感情が、まるで心から吹き出るかのように、多くの涙をこぼした。

両親の失った辛さと悔しさ、スウォルツが自分を見つけるまでに、他の人達まで巻き込んでいた。

その全てに懺悔したい気持ちを抱きながら、彼は只々泣き続けた。

 

 

 

それからビューティーハリーを出た士は、はぐくみ市を景色の見える場所で見据えていた。

 

「どうした……」

 

士の背後からソウゴが現れた。

 

「……スウォルツの計画を止めたい。力を貸して……」

 

士にスウォルツの計画を止める為、力を貸して欲しいと頼む。

 

「お前は……何故スウォルツを倒す?世界の為か……

それとも、両親の仇を取るか……」

 

士の問いに、ソウゴは答えられなかった。

父と母の仇を、スウォルツの計画に多くの人の犠牲者から選ばれたからには、ソウゴにはスウォルツを倒す責任がある。

それは本人が一番わかっているけど、それで答えは出なかった。

 

「このまま、ただ指をくわえて見ているとスウォルツの計画通り、ライダーの世界とこの世界が融合し、二つの世界は崩壊する」

 

「そんな事はさせない」

 

ソウゴは首を横に振り、そんなことはさせないと叫ぶ。

 

「見つけて見せる。この世界もライダーの世界も、ツクヨミの世界も、両方救える方法があるって!」

 

「本気か……」

 

「無理かもしれない……でも、諦めたくない!」

 

両方の世界を救う。普通に考えれば不可能かもしれない。それでソウゴは諦めなくなかった。世界を救えるなら足掻きたいと。

 

「………方法はある…」

 

「本当⁉︎」

 

「だが……お前のリスクが高い……それでもやるか?世界の運命を賭けることになるぞ」

 

「うん……」

 

「よし……なら、作戦を伝える」

 

士はソウゴにだけ、両方を救えるかもしれない最後の方法を話した。

・・・しばらくして、士は最後の方法とも言える作戦をソウゴに話した。

 

「これが、俺の考えた作戦だ。どうだ?」

 

「わかった。やってみるよ」

 

ソウゴは士の作戦を了承した。しかし、この作戦には僅かながら穴がある。

 

「だが、お前は……」

 

「ここに戻れないかもしれない、でしょ?」

 

この作戦には半分の確率でソウゴが戻れないと警告する。不確定ではあり、危険なリスクがあるからだ。

 

「ふっ……いいって。ベルトを受け取った時から覚悟はできてる。いや……もしかしたら生まれた時から……」

 

「お前……」

 

ソウゴは、なんとなく気付いていたのかもしれない。

あの日、ウォズからジクウドライバーを受け取った日から、以前からこの世界を守る為に、こんな日が来るのではないと。

――そして、今がその時だ。

 

(……矢張り、コイツもあの魔王と同じ目をしている……これなら、俺の真の作戦も大丈夫だな…)

 

すると士は、そんなソウゴを見ながら笑みを浮かべる。

 

 

クジゴジ堂でソウゴと別れたさあやは、自分の部屋である物を探してた。

 

「あった!」

 

探し物を見つけた所に足音が聞こえて振り向くと、麗羅が部屋に入って来た。

 

「あれ?今日撮影でしょ?」

 

「うん。これからね。だからちょっと早くなっちゃうけど―――クリスマスプレゼント」

 

そう言うと彼女は、クリスマスプレゼントをさあやに差し出す。

ラッピングを外して箱を開けると、ペンが入ってた。

 

「わぁ……!」

 

「台本に監督からのアドバイスを書き留める時に使ってたの。さあやにあげる」

 

「ありがとう!嬉しい!」

 

そのペンは、かつて麗羅が使ってた物だった。

 

「さあやが女優として登場人物の心を理解しようと思った経験は、きっと医者になった時にも役立つハズよ」

 

「お母さん……」

 

「きっとさあやは、患者さんの心に寄りそえるお医者さんになれる」

 

「メリークリスマス。ありがとう……」

 

麗羅がさあやを抱き締め、さあやも麗羅を抱き締めた。

 

「それに……もしかしたら、いい奥さんにもなれるかもね」

 

「っ⁉︎ お、お母さん‼︎」

 

「フフッ……」

 

だが最後の一言で、さあやは一気に顔を赤くした。

 

 

ビューティーハリーでは。みんないよいよと準備が完了しそうな様子だ。

 

「ゲイツ。タイムマジーンは両方とも準備出来たわ」

 

外では、二台のタイムマジーンのボディには『Merry Xmas!』とロゴが貼られ、サンタクロースとトナカイの姿も描かれている、クリスマス使用へと改良された。

 

「そうか……大丈夫なのか?」

 

「えっ?」

 

「自分の兄貴が世界を滅ぼそうとしているって聞いたし、それにやっぱり複雑かなって……」

 

スウォルツが兄と言われ、彼のやろうとしている計画も知ってからツクヨミは、何処か様子が変ではないかとゲイツとほまれは気にしていた。

 

「……大丈夫よ……私、ソウゴの方のタイムマジーンの所に行くね」

 

ツクヨミはゲイツとほまれから離れた。その様子をウォズがジッと観察していた。

 

「ウォズさん。ツクヨミがどうかしたの?」

 

そこへ、はなとことりがやってきた。

 

「いや、門矢士に言われて彼女を護衛しろってね」

 

門矢士にスウォルツがツクヨミを狙い、襲いに来るかもしれないと言われ、見とくように言われた為にウォズは彼女を監視していたである。

 

「どうして、ツクヨミお姉ちゃんが……」

 

「ことり?」

 

「だって、兄弟とか姉妹とか助け合うものでしょ!

なのに、あのスウォルツって人…どうして自分が次の後継者じゃないからって理由だけで、ツクヨミお姉ちゃんから記憶を奪ったの!わかんないよ……」

 

ことりはかつて、はながシャインヒル学園にいた頃を思い浮かべ。姉は心に深い傷を負い辛かった時期があった時に、助けてあげる事ができなかった事に罪悪感を浮かべた。

だから、今はプリキュアとして姉であるはなやみんなの力となる為に戦っている。

 

「ことり君。確かに兄弟とは助け合うものだ。

しかし……スウォルツのように自分が常に上にいる存在、そう言う自尊心や野心の強い男程、下である存在に超えられるのが我慢ならないのだよ」

 

「そんなの……わかんないよ」

 

 

しばらくして、さあやが赤い球体に付いたプラグを、トナカイロボの鼻先のコンセントに差し込んで赤く光らせる。

 

「これで、赤鼻のトナカイさん!」

 

さあやが家で探していたのはこれだった。

 

「よーし!準備万端や!」

 

「はぐたんサンタさん!」

 

これで全ての準備が終わった。しかし、はな達と一緒にいたトラウムは周りをそわそわした感じで見渡していた。

 

「あの……ルールーちゃんは……」

 

「内緒なのです」

 

 

一方ルールーは、野乃家のキッチンでタマネギを切ってた。

 

「猫の手……猫の手……」

 

「うん、上手上手」

 

その傍ではすみれが見守っていた。

 

「けどどうしたの?突然料理したいなんて」

 

「ママの復活カレー、食べて欲しい人がいるんです」

 

どうやらルールーは、トラウムの為にカレーを作っているようだ。

 

 

そしてビューティーハリーでは。サンタクロースに代わる、トナカイの代わりのトラウムの作ったメカトナカイと、二台のタイムマジーン(クリスマス使用)の準備が完了した。

 

「よし!これで完了!」

 

「ほほぅ〜、これは、トナカイよりもいいね〜」

 

サンタクロースは三台のマシンを見て、とても感服した様子だ。

 

「さぁ、後はこれでプレゼントを運ぶよ!」

 

はなが明日の子供達へのクリスマスプレゼントの気合いを入れて意気込む。

すると、はぐくみ市から爆発音が聞こえた。

 

「な、何?」

 

「まさか……行くぞ!」

 

ゲイツ達は他のみんなにも連絡を入れて、はくぐみ市の街中へと向かう。

ソウゴと士、ウォズ、ツクヨミ、はぐたん以外が、合流した。

 

「町が……」

 

はぐくみ市では怪人達が溢れ出しており、街の人達を襲っていた。

 

「くぅ!行くぞ!」

 

「みんな!」

 

「「「「「ミライクリスタル!ハートキラッと!」」」」」

 

はな達六人が揃ってプリハートにミライクリスタルをセットし、いつもの手順を取り姿を変える。

 

「輝く未来を〜抱き締めて!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

「「みんな大好き!愛のプリキュア!」」

「キュアマシェリ!」

「キュアアムール!」

「みんな舞い上がれ!希望のプリキュア!キュアアーラ!」

 

「「「「「HUGっと!プリキュア!」」」」」

 

エール達が先に変身を完了すると、ゲイツとハリーが周りの人達を怪人達から逃す為に避難させるとジクウドライバーを装着する。

 

「ゲイツ、ハリー」

 

そこへ、スウォルツが思惑通りに進んでいると言わんばかりに、機嫌の良さそうな表情で二人に近づく。

 

「時見ソウゴはどうした?」

 

「さぁな、俺達が相手になってやる」

 

「ふん。無謀だな」

 

スウォルツはアナザーライドウォッチを取り出した。

 

『ディケイド…!』

 

起動させたウォッチをそのまま自らの体内に埋め込み、アナザーディケイドへと変身した。

 

「貴様の相手は俺達だ」

 

「お前の計画は俺達が止める」

 

「ふん。ゲイツ、貴様は白ウォズから託されたゲイツマジェスティの力は今はない」

 

「お前を倒せば取り戻せるだろ」

 

「行くで!」

 

二人はジクウドライバーを装着し、ウォッチをドライバーのスロットへ装填する。

 

『ゲイツ!ゲイツリバイブ!剛烈!』

『ハリー!ギアジェット!』

 

「「変身!」」

 

『ライダータイム!リ・バ・イ・ブ剛烈!剛烈!』

『ライダータイム!仮面ライダーハ・リー!ヘリテージタイム!導け!心に望む未来へ!ハリーギアヘリテージ!』

 

二人はロックを解除してドライバーを回し、ゲイツリバイブ剛烈、ハリーギアヘリテージへ変身し、ジカンジャクローとジカンチェーンソードを持ちながらアナザーディケイドへと戦いを挑む。

そして、ツクヨミとウォズ、はぐたんも現場へと駆け付ける。

 

「みんな!」

 

「ツクヨミ君は、はぐたんと離れていたまえ!」

 

ビヨンドライバーを装着しながらウォズはそう言うと、ギンガのライドウォッチを取り出し、ウォッチのダイヤルを回す。

 

『ギンガ!』

 

“ギンガ”と音声が聞こえると、ウォズはドライバーに装填してレバーを引く。

 

『投影!ファイナリータイム! ギンギンギラギラギャラクシー!宇宙の彼方のファンタジー! ウォズギンガファイナリー!ファイナリー! 』

 

ウォズもギンガファイナリーへと変身し、エール達に加勢する。

 

 

同じ時間。買い物に出た順一郎の前に、屑ヤミーとマスカレードドーパントが現れ、順一郎の道筋を阻む。

 

「わぁ!?……何なの……?」

 

怯える順一郎は手に持つ箱を守ろうと後ろへ下がるが、怪人達は何の躊躇もなく順一郎に襲いかかる。

 

「危ない!」

 

そこへジオウが現れ、順一郎の窮地を救った。

 

「え……?ソウゴ君?」

 

その時順一郎は、ジオウから発声された声でソウゴではないかと気付いた。

 

「はぁぁ!」

 

ディケイドも現れ、ジオウと共に怪人達を攻撃し、ディケイドがライドブッカーから一枚のカードを取り出しドライバーへと差し込む。

 

『ATTACK RIDE!SLASH!』

 

ライドブッカーがソードモードへ変わり、刀身にエネルギーを纏わせると分身し、一振りで数太刀の斬撃を浴びせる。

 

『フィニッシュタイム!ギリギリスラッシュ!』

 

時計のエフェクトと共にジオウがジカンギレードで怪人達を切り裂き、周りの怪人は一通りに撃破した。

 

「ソウゴ君……」

 

「……」

 

ジオウはジクウドライバーからウォッチを外し、変身解除して自ら順一郎に正体を明かした。

 

「叔父さん……ごめんなさい!」

 

ソウゴはずっと仮面ライダーであった事を隠していた事を謝る為に頭を下げる。

 

「叔父さんにはずっと話してなかったんだけど、実は俺、仮面ライダーなんだ」

 

「……あ………」

 

「凄い力を手に入れて、悪い奴らと戦ってみんなを守れるんだ」

 

「そうか……本物の王様みたいだな……!」

 

「だから……俺、行かなくちゃいけないんだ……

叔父さん1人を……守ってられないんだ」

 

行かなくちゃいけない。それを聞いた順一郎の脳裏には一瞬最悪の展開が過ったが、直ぐにその考えを捨てると、微笑みながらソウゴに向けて叫ぶ。

 

「……行きなさい!…僕にも、修理しなきゃいけない時計がある。それが時計屋の役目だからね。

ソウゴ君は、ソウゴ君の役目を果さなきゃ!」

 

「叔父さん……ありがとう」

 

「ソウゴ君……行ってらしゃい!そして!絶対帰ってきてね!」

 

「はい!」

 

ソウゴは絶対にあの家に…クジゴジ堂に帰ると、笑ってそう言う。

そしてソウゴは走り出し、順一郎の前から去る。

 

「行くか?」

 

「うん!」

 

士に行くかと言われたソウゴが頷くと、士は灰色のカーテンを出現させる。

 

「行こう。世界を守る為に……」

 

ソウゴは士が出したオーロラカーテンに向かって走り出した。

カーテンを潜るとそのままソウゴは一人、何処かへ行ってしまった。

 

 

 

 

カーテンが潜り抜けるとソウゴが到着したのは、2068年のはくぐみ市だった。

 

「2068年……未来のはぐくみ市」

 

既に時間が止まっており、そこにいる人はみんな動いていない。そして、ソウゴは目的の場所へ急いで向かう為に、ライドストライカーに乗り込みその場所へと向かう。

そこには、あいつがいる……

 

「まだ、倒れていなかったか……はぁぁ!」

 

「「「うわぁぁぁぁぁ!」」」

 

この時間は、オーマジオウがキュアトゥモロー達を倒した時間……

そのまま放たれたエネルギー波が、一緒にいたプリキュア達に向けて放たれた。

 

「うっ……あっ!みんな⁉︎」

 

気がついてゲイツが顔を上げると、周りにはゲイツだけしかいなかった。

 

「みんなは……トゥモローは……」

 

「ゲイツ!みんなは?」

 

「ツクヨミ……俺は……」

 

そこへ、二人の前にライドストライカーに乗ったソウゴが現れ、この時間のゲイツとツクヨミに接触する。

 

「大丈夫?」

 

ソウゴがツクヨミに近づくと、さりげなく彼女の服のポケットに何かを入れた素振りを見せる。

 

「あなたは……?」

 

「何故、動ける奴がいる……」

 

この時間に現れたソウゴはクライアス社の影響を受けていない事を知らないゲイツは、何故目の前にいる男が動けているのかと疑問に思っていた。

 

「危ないから逃げて!」

 

ツクヨミは逃げるように促すが、ソウゴは逃げようとはしない。

 

「君達の方が逃げるんだ……」

 

『ジクウドライバー!』

『ジオウ!』

 

彼女に向けて逃げないと言うと、ジクウドライバーを装着してジオウウォッチを起動し、ウォッチをドライバーに装填。

ドライバーのロックを解除すると、後ろから時計が出現した。

 

「変身!」

 

その掛け声でソウゴはドライバーを回す。

 

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』

 

「あれは……」

 

「ジオウ……!」

 

ジオウを見たこの時間のゲイツとツクヨミは驚くも、二人はジオウがオーマジオウへと向かっていくのを見て、すぐさまここから離れる。

それを確認するとジオウはジカンギレードを出現させ、オーマジオウへと向かい合わせで立つ。

 

「………若き日の私よ。お前がこの時代に再び来るなど、私の記憶にはない」

 

「歴史が変わって当然だ。あんたにとっては過去でも、俺にとっては未来なんだから」

 

「面白い。だが……無意味だ!」

 

「そんなの、やってみなきゃ分からない」

 

ジオウがジカンギレードをジュウモードで銃撃しながら突進していく。しかし、オーマジオウが片手で防ぐ。

 

「はぁぁ!」

 

「ふん。はぁぁ!」

 

「うわぁぁぁ!」

 

ジカンギレードをケンモードへと変えて攻撃に出るが、オーマジオウが受け止め右手をかざすとジオウは吹っ飛ばす。

 

「行けるか……」

 

その時、起き上がるジオウはジオウトリニティウォッチを手にする。

 

 

 

 

一方で、アナザーディケイドと溢れ出るほどの怪人達がエール達に襲いかかる。

 

「ヤァァァ!」

 

エール、アーラがゾディアツ、眼魔コマンドに応戦する。

 

「フラワーシュート!」

 

「ウイングシャワー!」

 

二人の技が決まるが、数が多く中々減る様子が見られない。

 

「くぅ!早く逃げて下さい!」

 

アンジュはハートフェザーで一般人を傷つけないよう守り続ける。

 

「スタースラッシュ!」

 

エトワールがスタースラッシュを放ち、アンジュのバリアを攻撃し続ける怪人達を吹き飛ばす。

 

「大丈夫?」

 

「うん。でも……」

 

どんなに倒しても数は減らないし、しかも増えてる様にも感じた。

 

「でも、まだまだ!」

 

「そうだね!行くよ!」

 

アンジュとエトワールが怪人達に向かっていく。

 

 

アナザーディケイドと戦闘を行なっていたゲイツとハリー、であるが……

 

「はぁぁ!」

 

「どおりゃゃ!」

 

溢れ来るほどの怪人達が現れ、アナザーディケイドへの攻撃に転じることが出来ず、周りの怪人達に振り回されてばかりである。

 

『『フィニッシュタイム!』』

 

二人はドライバーを回し、武器に力を蓄える。

 

『のこ切斬!』

『ヘリテージタイムフィニッシュ!』

 

ジカンジャクローとジカンチェーンブレードから放たれた強烈な一撃が周りの怪人達に放たれ、とりあえずは一掃出来た。

 

「悪あがきだ。この世界は滅びる。お前達ができることは何もない!」

 

「どうかな?」

 

「何?」

 

「俺達は、諦めへんで!この世界を救えるって信じるとからな!」

 

「何でも出来る……そう信じれば出来ない事はない。俺達は世界を救えるって信じている!」

 

「……うおぉぉぁぁーっ!」

 

突如として憤怒したかの様に叫ぶと、アナザーディケイドはゲイツとハリーに猛攻を加える。

 

「そんなものは……ただの幻想だ!貴様らの意見は求めん!」

 

「「うわぁぁぁッ!」」

 

ゲイツとハリーがアナザーディケイドの猛攻を受け続け倒れると、アナザーディケイドが高く飛び上がろうとする。

 

「明導ゲイツ!まずは貴様からだ!」

 

アナザーディケイドはゲイツを抹殺しようと、ディケイドの必殺キックの『ディメンションキック』を模した黒いエネルギーを纏ったライダーキックを放とうする。

 

『ゲイツ!』

 

突如ゲイツの真上から光の柱が現れ、ゲイツを包むとゲイツが消えた。

 

「なんだと?」

 

ゲイツが消えた為に、アナザーディケイドのライダーキックは空振りに終わった。

 

「これは……」

 

「お前の相手は俺がしてやる」

 

そこへ、ソウゴを未来へと送ったディケイドが現れた。

 

「門矢士……」

 

「ネズミ、お前は周りの雑魚を片付けておけ」

 

「ネズミちゃう!言うとるやろ!」

 

ディケイドにツッコミを入れると、ハリーは怪人達の方へと向かう。

 

「うぉぉぉぉ!」

 

ジカンチェーンブレードで攻撃を繰り出し続ける。

そして、ジカンチェーンブレード能力により、見えない斬撃が飛ばされて怪人達を次々と薙ぎ払っていく。

 

ゲイツがいなくなったと同じ頃、反対の方で怪人と戦っていたウォズ。

 

『超ギンガエクスプロージョン!』

 

ウォズが上空から隕石を怪人達に打ち付けように放ち、怪人達を一掃する。

 

「⁉︎」

 

「ツクヨミ君!はぐたん!」

 

一掃している間に気を取られてしまい、ツクヨミ達に敵がいるのに気づくのに遅れてしまった。

ツクヨミはファイズフォンXで迎え撃つが、あまり効いている様子ではない。

 

「うぉぉぉぉ!」

 

しかし突如として、魔進チェイサーがツクヨミとはぐたんを助けるように現れた。

 

『チューン!フルブレイク!スパイダー!』

 

そのまま魔進チェイサーは技を繰り出し。二人に襲い掛かろうとした怪人達を倒した。

 

「⁉︎」

 

敵を倒すと魔進チェイサーは苦しみ出し、変身解除してチェイスの姿へ戻る。

 

「何故だ……何故、俺は人間を助けた?」

 

「やはり、君はチェイスだね。

この本によれば、君も仮面ライダーだった。本来の歴史では……」

 

「俺が……仮面ライダーだと……?」

 

仮面ライダーという単語を聞くと、再びチェイスの記憶回路からフラッシュバックするかのように、別の記憶が頭に降り注ぐ。

 

『変身!』

『シグナルバイク!チェイサー!』

 

フラッシュバックした記憶から、自ら銀色の姿へと変身した仮面ライダー・仮面ライダーチェイサーへと変身した記憶が、目の前に見えた。

 

「俺は………うおぉぉぉぉー!」

 

『ブレイク…アップ!』

 

だがその記憶を振り払うかのように、再び魔進チェイサーへ変身する。

 

「俺は……死神だ!」

 

チェイサーがウォズに襲い掛かろうとしたその時……

 

『ウォズ!』

 

そこへゲイツ同様に光の柱が現れ、ウォズも取り込み。そのままジオウの元へ飛ぶ。

 

 

 

 

そして未来では。ジオウトリニティウォッチの力でゲイツとウォズが時空を超えて現れ、ゲイツとウォズの腕時計がジオウの体にはめ込まれ、身体の変化と共にジオウの仮面が中央へと移動する。

 

『トリニティタイム!三つの力、仮面ライダージオウ!ゲイツ!ウォズ!トーリーニーティー!トリニティ‼︎』

 

時空を超えながらも、ジオウはジオウトリニティへの変身に成功した。

 

「よし、来てくれた」

 

「ソウゴ。ここは……」

 

「ゲイツ君、私達も2068年に来たらしい」

 

「あれは、オーマジオウ……」

 

ウォズがインジケーショントリニティアイから見えた視覚情報で2068年に来た事を察すると、ゲイツは目に前にオーマジオウがいることに驚いていた。

 

「話は後で!とにかく、ここでオーマジオウを足止めする!」

 

「フッ!」

 

ジオウトリニティはサイキョージカンギレードを持ち突進すると、オーマジオウに斬りかかり、再びオーマジオウとの戦闘が再開された。

 

 

 

 

再び戻って現代、2018年。

ディケイドとアナザーディケイドとの戦闘も開始されようとした。

 

「決着をつけよう。ディケイド同士、互角の勝負だ」

 

ディケイドがライドブッカーを手に持ち攻撃すると、アナザーディケイドは腕を出して防ぐ。

 

「互角だと?お前にはディケイドの力しかない」

 

アナザーディケイドはライドブッカーを振り払うと、ツクヨミから奪った時間停止能力を使う。

 

「俺には、一族最強の力がある」

 

動けないディケイドへ詰め寄ろうとするアナザーディケイドだが…

 

「うっ……!?」

 

突如として、アナザーディケイドも同様に時を止められた。

 

「忘れちゃったのかい?その力、僕にも分けてくれたじゃないか」

 

そこへ、かつてスウォルツから力を分けて貰ったディエンドが現れ、アナザーディケイドの時間を止めた。

そしてディエンドが回り込み、アナザーディケイドへ一撃を見舞うと、彼に止められたディケイドが動けるようになった。

 

「貴様……」

 

「こっちが優勢になったな」

 

「行こうか、士」

 

ディケイドのライドブッカーのソードモードで振る。そして、ディエンドの銃撃でサポートと二人の息のあった連携がアナザーディケイドを翻弄する。

 

 

その一方で、ハリーが主に怪人達を相手をしているが、数が多く一人では対象仕切れずにいた。

 

「数が多すぎや!」

 

「だったら……」

 

ならばと思ったエール達は、ミライパッドがメモリアルキュアクロックに変化し、エール達とはぐたんからそれぞれのパーソナルカラーのハートが飛び出す。

 

「「「「「ミライパッド!オープン!」」」」」」

 

皆がそれぞれ右腕を真上のメモリアルキュアクロックにかざすと同時に、画面のハートの型にはまる。

扉が開くと同時に中から無数のハート型エネルギーが降り注ぎ、エール達がマザーハートスタイルに変身し、右手首にプリキュアミライブレスが着けられる。

 

「「「「「 HUGっとプリキュア!今ここに!」」」」」」

 

「ワン・フォー・オール!」

 

「オール・フォー・ワン!」

 

「ウィー・アー!」

 

「プリー、キュアー!」

 

「明日に!」

 

「エールを!」

 

マザーを召喚してメモリアルキュアクロックを囲む形で手を翳し、エネルギーを集める。

 

「「「「「ゴー、ファイ!みんなでトゥモロー!」」」」」

 

手を掲げ、マザーの力を解放して光線を放つ“みんなでトゥモロー”を放つ。

命中した怪人達はハートに包み込まれ、浄化されて爆発していった。

 

「みんな!」

 

ツクヨミがはぐたんを抱いてみんなに駆け寄る。

 

「待て……」

 

しかし魔進チェイサーがエール達の前に現れ、ブレイクガンナーを向ける。

 

 

 

2068年。

オーマジオウへ向けられる様に、ジオウトリニティのサイキョージカンギレードから『ジオウサイキョウ』の文字とエネルギー刃が浮かび上がる。

 

『キングギリギリスラッシュ!』

 

サイキョージカンギレードがオーマジオウに振りかかるが、オーマジオウはジオウトリニティの直撃を受け切り、左右へと散らして相殺させられた。

 

「うぉぉぉぉぉ!」

 

そこへジオウがオーマジオウに斬りかかるが、オーマジオウは片腕でサイキョージカンギレードも受け止める。

 

「ッ‼︎」

 

「なっ⁉︎」

 

だが、ジオウトリニティは上手さばいてオーマジオウの腹部へサイキョージカンギレードを突き立て、ドライバーを回す。

 

『トリニティタイムブレークバーストエクスプロージョン!』

 

「ぬうぉぉぉぉ!」

 

至近距離からサイキョージカンギレードで繰り出されたトリニティタイムブレークバーストエクスプロージョンを放ち、オーマジオウを吹き飛ばした。

 

「くぅ……」

 

吹き飛ばされると、オーマジオウは壁に打ち付けられ、予想以上の衝撃に思わず膝をついた。

 

「私が若き頃には、そこまでの力はなかった……」

 

「俺の力じゃない。仲間の力だ……

あんたはもしかしたら、未来の俺かもしれないけど、1つだけ違うところがある。俺には仲間がいる!」

 

自分とオーマジオウの違い……それは『仲間がいた』事だとオーマジオウに告げる。

 

「なるほど……お前はその仲間のために、自分を犠牲にしようという訳か」

 

「どういう事だ⁉︎」

 

「聞いてないぞ、我が魔王」

 

オーマジオウからの一言でゲイツ、ウォズはソウゴが犠牲になると知り驚愕すると、ジオウにどう言う事だと問い詰める。

するとジオウは変身解除し、ゲイツとウォズを強制送還されるかのように元の時代へ戻した。

 

 

 

 

そのまま二人はあの時代にソウゴだけを残し、2018年へ戻ってきた。

 

「ゲイツ!ウォズ!無事やったか……あれ?ソウゴはどなんしたんや?」

 

ジオウトリニティになったのなら三人戻ってくるはず。なのにソウゴだけ姿がなかった事に、ハリーは仮面の下で眉を寄せる。

 

「ソウゴ……」

 

「どういことだ。我が魔王……」

 

ソウゴが何を目的であんな無茶な事をしているのかゲイツとウォズにはわからなかったが、二人は周りの怪人はいなくなっていた事に気づくと、ディケイドとディエンドがアナザーディケイドと戦闘している事に気づく。

 

 

一方で、エール達の前に現れた魔進チェイサー。エール達に戦いを挑もうとするが、彼は抵抗があるのか一度も攻撃しようとしない。

 

「ねぇ、やめよう。あなたはこんな事をする人じゃないよ」

 

「俺は……うっ……うわぁぁぁ!」

 

無理矢理にでもいいからとエール達に攻撃しようする。

 

「やめなさい!あなたには人間の心がある!」

 

「心などあるか。俺はロイミュードだ!」

 

魔進チェイサーがエール達に攻撃しようとした。

しかし、またもやフラッシュバックが起こり、彼の記憶からある言葉が聞こえた。

 

『人間を……守る…為に……力を貸して欲しい』

 

そう、誰かが彼に語り駆け、寄り添うような声が聞こえた。

 

「また……何故だ?」

 

その囁く声の所為か、魔進チェイサーは攻撃をやめた。

 

「はぁぁ!」

 

それを見たアナザーディケイドは黒いオーラを放ち、ディケイドとディエンドを振り払いこちらへ向かってくる。

 

「もういい、チェイサー。後は俺がやる」

 

「スウォルツ……」

 

アナザーディケイドが迫ってくるのを見て、エール達プリキュアが戦闘態勢で構える。

 

「さらばだ、妹よ!」

 

アナザーディケイドが己の妹を亡き者にする為、ツクヨミに近づこうとする。

その時、ツクヨミのポケットから強烈な光が発生した。

 

「何だ……」

 

いきなりの光にアナザーディケイドがツクヨミから離れる。

 

「えっ?」

 

ツクヨミが光り出したポケットに手を入れると、中から現れたのはブランクウォッチだった。

 

「どうして……」

 

何故、自分がブランクウォッチを持っているのかと戸惑う。

そんな彼女を更に戸惑わせる様にウォッチが光り続けると、その姿を変える。

 

「これは……」

 

ツクヨミの持つウォッチは、白い変身用のライドウォッチへと姿を変えた。

 

「ウォッチ!」

 

「どうして……」

 

「っ⁉︎……ウォズ!ツクヨミにドライバーを!」

 

何かを察したゲイツが、ウォズにドライバーをツクヨミに渡すように言う。

 

「そうか!ツクヨミ君!」

 

ウォズが最後の予備のジクウドライバーをツクヨミに投げ渡すと、ツクヨミはそれを片手でキャッチした。

 

「行け、ツクヨミ君」

 

「ツクヨミ!」

 

『ツクヨミっ!』

 

エールとみんながツクヨミの名を叫ぶ。

 

「はぐたん。離れて」

 

「はぐたん!」

 

はぐたんをエールに託すと、ツクヨミはジクウドライバーを掲げる。

 

『ジクウドライバー!』

 

ジクウドライバーを装着したツクヨミは白いウォッチを回し、そのまま起動させる。

 

『ツクヨミ!』

 

“ツクヨミ”と発声されると、ツクヨミはジクウドライバーのスロットに装填し、ドライバーのロックを解除した。

すると、彼女の背後から時計の一種『天文時計』のエフェクトが現れ、彼女は腕を広げてドライバーを手で囲む。

 

「変身!」

 

そう叫ぶと同時に、時計エフェクトの時計の針が二時を指し、ツクヨミの体に金色の時計バンドエフェクトが纏われる。

 

『ライダータイム!仮面ライダーツクーヨミ♪ツ・ク・ヨ・ミ! 』

 

白のベースカラーに金色のラインが入り、中心部分には天使のような神聖な印象を感じ、背中には純白のマントを装着。複眼は三日月をあしらったデザインとなり、そこには金色で『ライダー』と刻まれていた。

今ここに、仮面ライダーツクヨミが誕生した。

 


次回!Re.HUGっとジオウ!

 

第62話 2018: 決着!魔王と破壊者の奇跡!

 

 




おまけ

オーマおじさん「(・・・さてと。本来の歴史では、あの日にゲイツが死んで、若かりし日の私が怒りのあまりオーマジオウになるわけだが……やはりディケイドが何か企んでいる様だな……)…お前はどう思う、カッシーンよ」

カッシーン「・・・・ハ……イ……

オーマおじさん「・・・・・そうか。お前も、私と同じ様に終わりを迎えるのか……」

――これが、この世界のオーマジオウ、最後のクリスマスであったそうな。

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