Re.HUGっとジオウ!   作:yu-ki.S

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ウォズ「この本によれば、普通の中学生 時見ソウゴ。彼には魔王にして時の王者『オーマジオウ』となる運命が待っている。
スウォルツとの決着を付けた我が魔王達は、世界のバランスを保つ事が出来た。
これまで彼はライダーの力を継承すると同時に、多くのプリキュアと遭遇した。今回、その彼女らを我が魔王が……おっと、ここから先はまだ、未来の話。
では……劇場版『HUGっとジオウ!オールスターメモリーズ!』開演です」


特別編4 劇場版.HUGっとジオウ!オールスターメモリーズ!

アナザーディケイドが世界を崩壊させる為にライダー世界の怪人達を呼び寄せたことで、全世界は大混乱へと陥った。

 

『FINAL ATTACK RIDE!DE DE DE DECADE!』

『フィニッシュタイム!ジオウミステリ〜〜タイムブレーク!』

 

「「ヤァァァァァァァ‼︎」」

 

しかし、時見ソウゴと門矢士が率いる24人の仮面ライダーが力を結集。アナザーディケイドであるスウォルツの野望を打ち砕いた事で、世界のバランスは保たれたのだった。

 

 

 

―――しかし、その残照は今もまだ残っている様子。

 

 

横浜、ここはプリキュアオールスターズがフュージョンなど数多くの敵を倒した場所である。

この町の海岸の水面から、一体の巨大な怪人が現れた。

 

『ヌウォォォォーーー!』

 

その怪物は巨大な肉体を持ち、顔に鎧の様なものを纏い、さらに頭上には青い炎がメラメラと燃えていた。

 

『えっ……カメラ回して』

 

偶然にも観覧車に乗っていたテレビ局のスタッフがその現場を目撃した。

 

『た、大変です。海から突然……巨大モンスターが……って、えぇぇぇぇ‼︎』

 

『ヌウォォォォーーー!』

 

再び巨大モンスターへと振り向くと、モンスターは施設を破壊しながら歩んでくる。そこに人達はみんな怯えて逃げ惑う。

その怪物は建物を破壊して立ち上がり、町を破壊しながら移動し、観覧車に向かって手を伸ばした。

誰もが終わりと感じた、その時……

 

「だぁぁぁ!」

 

「はぁぁぁぁぁ!」

 

「うわぁぁぁぁ!」

 

そこへ三人の女の子が現れ、巨大モンスターへと突撃し、そのまま攻撃を決めると巨大モンスターが後ろへ後ずさった。

空から現れたのは、この世界における最初のプリキュア……キュアブラック、キュアホワイト、シャインルミナス。三人のプリキュアだった。

怪物はその場に倒れ、三人はビルの屋上に着地した。

 

「来ます!」

 

ルミナスがそう言うと怪物が三人に向けてパンチを繰り出し、三人はそれを空中へと逃げて躱す。

怪物は何度も彼女達に攻撃、三人が観覧車のゴンドラに着地する。

 

『ヌウォォォォ!』

 

怪物はゴンドラを無理矢理回転させると、高速移動するゴンドラの上を三人は飛びながら躱していた。

しかし一台のゴンドラが回転に耐えれず、空中へ飛んでしまった。

 

「みなぎる勇気!」

「溢れる希望!」

「光り輝く絆と共に!」

 

「「エキストリーム!」」

「ルミナリオ!」

 

三人は必殺技エキストリーム・ルミナリオを放ち、怪物を浄化させた。

 

 

その様子を、怪物を討ち果たした彼女達の姿を見ていた者がいた。

 

「眩しい……輝き……欲しい……

欲しい…欲しい……欲しい……っ」

 

それは何処か分からないが、どこかでその何かは、映像を通じてブラック達の戦闘を見ていた。

 

 

ブラック達は飛んでいたゴンドラに乗っていたテレビ局のスタッフとアナウンサーの人を救出し、無事に地上へと返した。

 

「何だったんだろあの怪物?」

 

「怪獣じゃ無いのは確かね」

 

「せっかくチョコパフェ食べに行くトコだったのに、盛り上がった気分を蜂に刺されたよ」

 

「いいじゃない。今から行けば―――って、それを言うなら水を差されたじゃない?」

 

「だって……!」

 

愚痴るブラックをホワイトが宥める中、ルミナスが奥をジッと見つめる。

 

「ルミナス?」

 

「何か、妙な気配が……!」

 

「「?」」

 

ルミナスが何かに気付いたその時、ブラックとホワイトの目の前に、てるてる坊主のような姿をした怪物が現れた。

 

「よこせ……」

 

そう言うと両手から光弾を放つが、彼女らはそれをどうにか避け、ブラック達が日本丸のマストの上に着地する。

 

「よこせ……!」

 

怪物は体当たりを繰り出してからパンチを繰り出し、ブラックとホワイトが防ぎ続けてる間にルミナスが両足蹴りを叩き込んで吹き飛ばす。

 

「このてるてる坊主さん、ザケンナーじゃ無さそうです!」

 

「みたいだね。怪獣でも無さそうだし……!」

 

「一体何者なの?」

 

「よこせ……よこせ……!」

 

何かを求めるように両手を伸ばし、ブラック達に向かって飛ぶ。

 

「何だか知らないけど―――!欲しい物があるなら、襲って来たりしないでちゃんと言葉で言ってよね!」

 

ブラックとホワイトがその場から跳び避けると、ブラックがそう告げる。

すると、怪物はその動きを突然止めた。

 

「あれ?」

 

「嘘?話通じる感じ?」

 

だが怪物は二人とすれ違ってから足を掴み、そのまま投げ飛ばして地面に叩き付けた。

 

「よこせ……よこせ……っ!」

 

怪物が口にエネルギーを溜め、二人に向けて光線を放たれた。

 

「「ルミナス!」」

 

そこへ、ルミナスが二人の前へと立つ。

 

 

 

この横浜が事件が起きている場所から、かなり離れた所へに住んでいる桐ヶ谷晴夜。彼の研究室にある男が現れた。

 

「よぅ〜」

 

「久しぶりだね。桐ヶ谷晴夜君」

 

「士さん。海東大樹」

 

晴夜の研究室に仮面ライダーディケイド、門矢士と仮面ライダーディエンドの海東大樹が現れた。

 

「これ、あなたに頼まれた所に行って見つけたものです」

 

晴夜はボロボロだが手紙のようなものを士に渡し、士はそれを受け取る。

 

「これも、あのツクヨミって女の子の為?」

 

士はそのまま手紙を受け取るが、海東の問いかけに対しては何も言わなかった。

 

 

 

とある公園にて、はぐたんがてんとう虫に興味を見せ、手を伸ばす。

 

「はぐたーん!ニコってして!ニコって!きゃ~っ!激カワ~っ!」

 

そこにいるはながはぐたんにそう伝え、はぐたんが笑ってからすぐに自分のカメラで写真を撮る。

 

「今日も可愛過ぎだよ!さっ!はなちゃんにもっと良い笑顔見せてごらん!」

 

「はな先輩ばっかりズルいのです!はぐたーん、こっちも向くのです」

 

「はぐたん!こっちも向いて!」

 

横から割り込んだソウゴとえみるが一眼レフのカメラをはぐたんに向ける。

シャッターチャンスと言わんばかりの花を掴んで笑うはぐたんを撮り、周囲を移動し続けて撮り続けた。

 

「その表情良いねぇ~!」

 

そう言うはなの傍では、シートを広げて座るさあや達がいた。

 

「お姉ちゃんてば……」

 

「三人とも張り切っちゃって」

 

「グラビア撮影かっての」

 

「写真撮りたくなるのは分かるけどね」

 

「まあ、実際はぐたんはフォトジェニックやからな」

 

ことりが自身の姉に呆れている横でさあやとほまれ、ツクヨミがそんな会話をしていると、ネズミ姿のハリーが両手を腰に当てて自慢のように言う。

 

「分析の結果、これは親バカと言うのが妥当です」

 

「シャッターチャンスは一瞬の内なんだよ!」

 

「はぐたん!こっちこっち!」

 

スウォルツのアナザーディケイドとの決戦後、ソウゴ達はしばらくのんびりと過ごしていた。

ここ最近はクライアス社からの攻撃もなく、今日はみんなでこの公園でピクニックを楽しんでいる。

 

「買ってきたぞ」

 

「諸君。待たせたね」

 

そこへ、お昼用の買い出しをしてくれたゲイツとウォズが戻ってきた。とりあえずは写真を撮るのは一休みとし、ソウゴ達はシートの上で寛ぐ。

 

「はいなー、はぐたん。あーん」

 

はぐたんに離乳食をあげようとハリーがスプーンを近づけたその時、はぐたんがくしゃみを出し、その勢いで離乳食が顔面に当たってしまう。

 

「はぐたんやっちゃったねー」

 

「はい。はぐたん」

 

ソウゴがティッシュを使いはぐたんに鼻をかませたその時、異臭を感じた。

 

「トイレはあっちね」

 

「行くよ」

 

はなとほまれがはぐたんのオムツを変えに向かい、さあや達は零れた離乳食の処理をする。

 

「しっかし、みんな手慣れたモンやなーー」

 

はなとほまれがオムツを変え終えてから戻った所で、ハリーがそう言う。

 

「最初はどうなる事かと思ったけど、はぐたんのお世話もプリキュアも、みんなと一緒だから頑張れたんだよね」

 

「うん。みんながいたから何とかなった!そんな気がするし、これからも、なんだっていける気がする!」

 

全てははぐたんからのお世話から始まり、ライドウォッチにミライクリスタルを集め、クライアス社からはぐたんを守り続けた。それはここにいるみんなと出来た事であり、多くの思い出を作った。

 

「そう言えば、皆さんも元々は、はぐたんのような赤ちゃんだったのですよね?」

 

はぐたんを見ていたルールーがふと、みんなも赤ちゃんだったのと聞く。

 

「当たり前なのです」

 

「ああ、そっか。ルールーはアンドロイドだから、赤ちゃんだった時が無いんだ」

 

「はい」

 

ルールーはアンドロイドの為、赤ちゃんだった事など無いのでわからなかった。

 

「じゃあ、赤ちゃんだったらどんな感じだったのかな?」

 

ソウゴ達はもしルールーが赤ちゃんだったら、どんな姿なのかと想像する。

 

「ボルト?」

 

「ボルト……?」

 

「元を辿ればそうかもしれないね」

 

さあやのイメージからボルトと出ると、全員の頭の中から一気にボルトのイメージが膨らんだ。

 

「ボルトって、こう言うのだよね?」

 

「あれか……」

 

「でも、流石にボルトは……」

 

はなが手を動かしながらボルトのイメージを作る。

その時、ミライパッドの画面が動き出し、これを見たはぐたんが泣き出した。

 

「うっうっ……うぁぁ〜〜!」

 

「えっ?はぐたんどうしたの?」

 

「よしよーし……」

 

ソウゴとはなの二人がはぐたんを宥めていたその時…

 

〈ドォォォォ……〉

 

「うん?」

 

「「「「おわぉぁぁぁぁぁぁ!」」」」

 

ミライパッドの画面から怪物がステンドグラスと共に現れ、人々が逃げ出した。

 

「な、何あれ⁉︎」

 

「てるてる坊主……?」

 

「何だコイツは?」

 

「ってか、あのグラスなんなの……」

 

いきなりてるてる坊主の様な怪物が現れ、何がどうなっているのかソウゴ達には状況が掴めなかった。

 

「ごきげんよう。あなた達の記憶、ゲットだよ!」

 

突如現れた怪物がそう言うと全身の色がピンクに変わり、ステンドグラスを中に収容させてから体当たりを繰り出す。

 

「私達の記憶……?」

 

「どう言う事……⁉︎」

 

「何だか分からないけど、黙ってやられる訳には行かないよね!」

 

「みんな。行くぞ!」

 

「はぐたん。ちょっと待てて」

 

さあや達が目の前の敵に構えている横で、はながはぐたんを下ろすと、ソウゴ達は急いでジクウドライバーとプリハートを取り出す。

 

『『ジクウドライバー!』』

『ビヨンドライバー!』

『ジオウ!』

『ゲイツ!』

『ウォズ!』

『ハリー!』

『ツクヨミ!』

 

五人がライドウォッチをドライバーに装填して構えると。はな達六人はプリハートを取り出す。

 

『アクション!』

 

『変身‼︎』

『ミライクリスタル!ハートキラッと!』

 

ソウゴ達がドライバーを操作し、アーマーが体に纏われ。六人が揃ってプリハートにミライクリスタルをセットし、いつもの手順を取り姿を変える。

 

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』

『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!』

『投影!フューチャータイム!スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!』

『ライダータイム!仮面ライダーハ・リー!』

『ライダータイム!仮面ライダーツクーヨミ♪ツ・ク・ヨ・ミ! 』

「輝く未来を〜抱き締めて!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

「「みんな大好き!愛のプリキュア!」」

「キュアマシェリ!」

「キュアアムール!」

「みんな舞い上がれ!希望のプリキュア!キュアアーラ!」

 

「「「「「HUGっと!プリキュア!」」」」」

 

全員が変身を完了し、いつもの名乗り上げも行う。

 

「ツクヨミは、はぐたんを守って!」

 

「えぇ!任せて!」

 

ツクヨミがはぐたんを抱っこし、みんなの支援する態勢に入る。

 

「行くよ!」

 

ジオウの合図を起点に、全員がてるてる坊主の怪人へと突撃していく。

 

「だぁぁぁぁぁぁ!」

 

エールが怪物のパンチを避け、反撃にキックを繰り出すが怪物にそれを避けられてしまい、次の手の攻撃も避けられてしまう。

 

「エール!はぁ!」

 

今度はジオウがジカンギレードで攻撃に出る。しかし、ジカンギレードから繰り出される剣撃も軽々と避けられる。

 

「そんな……」

 

「全然当たらない……!」

 

「絶好調ナリ!」

 

「それ、確か咲の口癖……?」

 

怪物が色を変えると、キュアブルームの日向咲の口癖を言い、それを聞いたソウゴらは不思議に思う。

すると、ジオウとエールに向けてチョップを繰り出し、アンジュがハート・フェザーを展開させて防ぐ。

 

「アンジュ!」

 

「このぉ!」

 

ゲイツがジカンザックスで狙撃し、ジオウとエールから離した。

 

「はっ!」

 

その間にエトワールが上に跳んで降り、怪物をさらに遠ざける。

 

「はああっ!」

 

「でぇぇっ!」

 

アムールがマシェリを投げ、そのままカカト落としを叩き込ませる。

 

「当たった!」

 

「ウォズ!仕掛けるぞ!」

 

「はあっ!」

 

ゲイツとウォズがそれぞれ、ジカンザックスとジカンデスピアを放って命中させる。

だが余り効かず、すぐさま宙に浮かび上がった。

 

「コイツ……マジで何なの?」

 

「ルミナス!ハーティエル・アンクション!」

 

またしても怪物が色を変え、手を広げて“ハーティエル・アンクション”と唱えて放つ。

すると、それを受けたジオウ達の動きが急に止まった。

 

「今の確か、ルミナスの技……⁉︎ 何でこいつが……!」

 

「ホイップ・デコレーション!」

 

また色を変え、今度はキュアホイップのホイップ・デコレーションを放つ。

 

「今度はキュアホイップ……みんな!」

 

後方からツクヨミが左手を突き出し、時を止めてホイップ・デコレーションを止めた。そのまま時間経ち、動けるようになると全員が避ける。

 

「今のプリキュアの技を……⁉︎」

 

「何でコイツが……!」

 

「一体どうなってるの……⁉︎」

 

「言ったでしょ?記憶を貰うって!」

 

エトワールとジオウが困惑しながらそう呟くと、また色を変えてそう告げる。

 

「プリキュア!ダイヤモンド・エターナル!」

 

「はぐたん!ツクヨミ!」

 

今度はミラクルとマジカルのダイヤモンド・エターナルを放ち、後ろにいたツクヨミ、ハリーが受けて二人が飛ばされる。

 

「ツクヨミ!ハリー!」

 

「はぐたん!」

 

「プリキュア!パッションダイナマイト!オ・レ!」

 

またしても別の色に変え、次はキュアラブリーのパッションダイナマイトを放つ。

 

「全員!散らばるんだ!」

 

ウォズの指示を聞いて散開し、全員が避ける。

だがその衝撃で、はぐたんを抱きかかえてたツクヨミが吹き飛んでしまう。

 

「はぐたん!」

 

「エール!はぐたん!」

 

ジオウとエールが土塊から土塊へ跳び移り、はぐたんを抱きかかえて着地し、庇う。

その隙を逃さなかった怪物が、口からジオウとエールに向けて光線を放った。

 

「「「「ソウゴ(我が魔王・時見先輩・さん)!エール!」」」」

 

三人が目を瞑った所に、飛ばされたツクヨミとハリーを除く全員が三人を庇うようにして前に出た。

 

「みんな!」

 

「大丈夫か?」

 

戻ってきたツクヨミとハリーの二人がジオウとエールの下へ直ぐに駆け寄る。

 

「ありがとうみんな」

 

「あれ……?」

 

庇ってくれた事にお礼を言うが、アンジュ達の姿が見えなかった。

 

「みんな?」

 

「えっ……⁉︎」

 

ジオウがゲイツ達は何処に居るのだと見渡していると、エール達はふと下の方を向いて、驚きの表情を見せた。

 

「ええ~っ⁉︎」

 

「そんな……」

 

何故なら、エール達を庇ったアンジュ達が子供になってたからだ。

 

「「みんなが小さくなっちゃった~!」」

 

何と、姿形はそのままなのに、アンジュ達の身体が赤ちゃんサイズへと変わり。ゲイツとウォズも変身解除され、元の姿なのに現状はアンジュ達と同じだ。

 

「だれ?」

 

「えっ?」

 

「だれだ?お前?」

 

するとエトワールとゲイツが、誰だとジオウとエールに指を刺して言う。

 

「私だよ!キュアエール!はなだよ!」

 

「仮面ライダージオウ!ソウゴ!」

 

自分の名前をみんなに言うがしかし…

 

「誰なの……?」

 

「えっ?」

 

「そんな……」

 

小さくされたみんなは、ジオウとエールの事も覚えて無かった。

 

「おねえ、ちゃん?」

 

「良かった……!アーラは覚えてたんだ……!」

 

「どうしてそんなにおおきいの?」

 

「えっ……?」

 

アーラはエールが姉という事は覚えていたが、こちらも同様だった。おそらく、小さかった頃の事は覚えているようだ。

 

「アンジュ……エトワール……マシェリ……アムール……アーラ……」

 

「ゲイツ……ウォズ……?アムール?」

 

「アムールはどこ?」

 

二人はアンジュ達がいた事を確認したが、アムールの姿だけが見えなかった。

 

「おい!あれ……!」

 

すると何かを発見したハリーが指差した方を二人が顔を向く。

 

「ああっ!アムール……!何て姿に……!」

 

「アムールがボルトになっちゃった……!」

 

「そんな……アムール……」

 

そこにはボルトが落ちてて、ジオウとエールはそのボルトをアムールと思い込んだ。

 

「新たに五人の記憶確保完了。ついでに二人の記憶も貰い。イケてんじゃん?」

 

色を変えた怪物が、五つのステンドグラスを見つめて呟き、また色を変える。それを見てジオウは怪物に振り返る。

 

「君は……一体なんなの……」

 

「僕?ミデンだよ。もう残ってるプリキュアはごく僅か。あなたの記憶、貰うのです!」

 

ミデンと名乗ってからまた色を変え、ジオウとエールに向かって飛ぶ。

 

「「だああああぁぁぁっ!」」

 

「うわぁっ!」

 

するとその時、空から横浜で戦っていたブラックとホワイトが現れてダブルキックを繰り出し、ミデンを吹き飛ばした。

 

「ブラック!」

 

「ホワイト!」

 

「大丈夫?エール?ソウゴ?」

 

「私達は大丈夫……でもみんなが……」

 

そう言ってエールが小さくなったアンジュ達を見ると、彼女達に視線を向けたブラックとホワイトは何があったのか瞬時に察した。

 

「わかってる」

 

「とにかく今は、この子達を連れて逃げるのが先」

 

「あのー……!逃げるって言いました⁉︎」

 

ホワイトの口から逃げると聞き、飛ばされたミデンがこっちへ向かって向かってきた。

 

『グランドジオウ!』

 

それを確認したジオウはグランドジオウウォッチを起動させると、そのままウォッチをスロットへと装填した。

 

『〈ポォォーン!パァァァァ!〉アドベント!COMPLETE!ターンアップ!〈ピィィン!〉CHANGE BEETLE!ソードフォーム!ウェイクアップ!カメンライド!サイクロン!ジョーカー!タカ・トラ・バッタ!3・2・1!シャバドゥビタッチヘンシーン!ソイヤッ!ドライブ!カイガン!レベルアップ!ベストマッチ!ライダータイム……! 』

 

ドライバーのロックを解除すると、地中から巨大な黄金の時計台が後ろに現れ、さらにその周りには歴代ライダーの石像が出現。そして音声が鳴り続けると象の表層が剥がれ、20もの数の仮面ライダーたちの姿が現れる。

 

『グランドタイム!クウガ・アギト・龍騎・ファイズ・ブレイード!響鬼・カブト・電王!キバ・ディケイード!ダブル!オーズ!フォーゼ!ウィザード!鎧武・ドラーイーブ!ゴースト!エグゼイド!ビ・ル・ドー!

祝え!仮面ライダー‼︎グ・ラ・ン・ド!ジオーウ!』

 

ドライバーを回転させるとライダー達が黄金のフレームに取り込まれ、ソウゴが変化したジオウの身体に張り付くように装着されてアーマーが形成し、開いたフレームからライダー達が現れるとそれぞれの決めポーズをとって固定。最後に頭頂部にジオウが固定されると『ライダー』のインジケーションアイがセットされ、グランドジオウへと変身完了した。

 

「ソウゴ!」

 

「大丈夫!早くみんなを!」

 

少しでも時間を稼ごうと、ジオウは一人でミデンへ向かっていく。

 

『オーズ!』

 

ジオウがオーズのレリーフを触り、そこからオーズ・タジャドルコンボが現れた。

 

『スキャニングチャージ!』

「セイャャャ!」

 

ミデンにオーズのライダーキックが炸裂する。

 

「プリキュア!ファイアストライク!」

 

「うわぁぁぁぁ!」

 

キュアルージュの必殺技ファイアストライクが放たれ、突っ込んでくるオーズに向けて放たれオーズに直撃し、オーズが消えた。

 

「⁉︎ だったら……」

『ウィザード!鎧武!』

 

今度はミデンの頭上からウィザード・インフィニティースタイルと鎧武・ジンバーレモンアムーズが現れた。アックスカリバーをアックスモードとし、鎧武はソニックアローを構える。

 

『シャイニングストライク!』

『ジンバーレモンスカッシュ!』

 

「はぁぁぁぁぁ!」

「オラァァァ!」

 

圧倒的物量を誇るアックスカリバーの一撃とソニックアローから放たれたエネルギー矢の一撃がミデンへと振り掛かろうとした。しかし……

 

「ビートバリア!」

 

今度はキュアビートのビートバリアがウィザードと鎧武の攻撃を防御する。

 

「プリキュア!ハートシュート!」

 

今度はキュアハートの色へと変わり、ハートの必殺技“ハートシュート”が放たれ、無防備のウィザードと鎧武に直撃し、二人共消滅した。

 

「今だ!」

 

隙を見せたと思ったジオウはWのレリーフを触る。

 

『W!』

 

WのゲートからW・サイクロンジョーカーエクストリームが召喚され、ジオウがサイキョージカンギレードと共に構える。

 

「「はぁ〜…はぁぁぁぁぁぁぁ!」」

 

ジオウのサイキョージカンギレードとWのプリズムビッカーから放たれた斬撃がミデンへと向かって飛ぶ。

 

「プリキュア・ピンクフォルテウェイブ 」

  

しかし、またしても色を変えて今度はブロサッムの技・ピンクフォルテウェイブにより、二人の放った斬撃を相殺されてしまった。

 

「そんな……ライダーの力が、通用しないなんて……!?」

 

グランドジオウの力を引き出し、ライダーを呼んでいるのにライダー達の力がミデンには通用しなかった。

 

「凄い。凄い。それも輝いてる!それも欲しい!」

 

一方のミデンはジオウの力を見て凄いと褒めると、それも欲しいと子供のようにはしゃぎ回る。

 

「決定!その力も貰う!」

 

「えっ?」

 

「プリキュア!ピースサンダー!」

 

ジオウとWの頭上から雷が落ちてきた。突然放たれたキュアピースの必殺技であるピースサンダーに、ジオウは避ける間もなかった。

 

「うわぁぁぁぁ!」

 

ピースサンダーがジオウとWに直撃した影響で、Wは消滅、グランドジオウウォッチがドライバーのスロットから外れたジオウは強制変身解除してしまい、元のソウゴの姿へと戻ってしまった。

 

「ソウゴ!」

 

エールが戻って倒れてしまったソウゴに駆け寄る。

 

「頂き!」

 

ミデンは腕を使い地面に落ちたグランドジオウウォッチを拾うと、それを口へ放り込んで飲み込む。

 

「グランドジオウウォッチが……」

 

「んん……ふはぁーーー!」

 

ミデンの口からなんと、19枚のステングラスが現れた。

 

「あれは……ライダーの……」

 

そのステングラスには、ソウゴが今まで集めたライダー達の姿が描かれていた。

 

「凄い!凄い!」

 

ミデンはグランドジオウウォッチを取り込み、興奮状態だった。

 

「みんな!」

 

そこへ、ツクヨミがソウゴのタイムマジーンに乗って現れた。

 

「早く乗って!」

 

「ソウゴ。早く」

 

「うん」

 

二人はミデンが仮面ライダーの力に喜んでいるその隙に急いでタイムマジーンへ行こうとすると、エールが小さくなったルールー?であるボルトを落としてしまった。

 

「あ、アムールが……」

 

ボルトが転がるとそこに誰かがおり、それとぶつかった。

 

「よかった……アムール……あれ?」

 

「アムール……」

 

そこにいたのはアンジュ達の同じように赤ん坊となったアムールだった。

 

「お前達もよこせ!」

 

アムールに気を取られてたソウゴとエールに向けて、ミデンが口から光線を放つ。

気付いて逃げるも間に合わず、当たる寸前でブラックが突き飛ばす。

 

「ブラック……!」

 

だが今度はホワイトがブラックを突き飛ばした。

 

「ホワイト⁉︎」

 

「この子をお願い……なぎさ……!」

 

「えっ……⁉︎ ほのか……ッ⁉︎」

 

ホワイトが最後の力を出し、抱き抱えてたアンジュをブラックに預けた直後、ブラックの変身が解けてホワイトが子供にされてしまう。

 

「みんな!」

 

ツクヨミがタイムマジーンを動かし、みんなに近づく。

 

「急いで!」

 

ハリーがなぎさとアンジュ達を担いで、エールはアムールとソウゴと一緒に急いでタイムマジーンへと飛び込んだ。

全てのメンバーを乗せたタイムマジーンは猛スピードで逃げ去り、この場所から撤退した。

 

「……ま、いいか。こーんなに沢山ゲット出来たんだもん!」

 

ミデンが戦利品のステンドグラスを傍に浮かべて喜びを見せる。

 

「フフフ、これで……」

 

そう呟いてからミライパッドの画面の中へ入って行った。

 

 

その様子を、気になって後をつけた門矢士が、桐ヶ谷晴夜と共にその様子を見ていた。

 

「何やら、面倒な奴のようだな」

 

「……」

 

後ろにいる晴夜は落ち着きのない様子だった。

 

「手は出すなよ」

 

「……でも、今回は……」

 

「ダメだ。これは奴らが、最後の決着を付けられるかどうかを試すためでもある。わかるよな」

 

「でも……」

 

「……はぁ〜……」

 

晴夜の顔を見ていた士は、助けに行きたくてジッとしていられないと顔に書いてあるように思え、あまりのお人好しっぷりに思わずため息を吐いた。

 

 

 

一方で、どうにか逃げ切ったソウゴ達はタイムマジーンから休憩所に着き、変身を解いて休息を取る。

 

「ソウゴ。大丈夫?」

 

「うん。でも……」

 

ソウゴとはなは赤ちゃんされたゲイツやアンジュ達を見る。

 

「怖いよ……怖いよ……」

「おばけいるところなんていたくない…!」

「おかあさんどこ……?」

「わたしかえりたい……!」

 

だがウォズ、アムールとアーラを除く四人がぐずったりしてた為、休む暇は無かった。

 

「私がお姉ちゃんだって事、覚えてて良かった」

 

「泣かないでマシェリ……!」

 

はなはアーラが自身が姉であることに安堵し、ツクヨミがマシェリを宥める中、何度もパンチやキックをツクヨミの顎に当てる。

 

「よーしよしよし、ほーらほのか。べろべろべろ、ばぁ~!」

 

なぎさが変顔で笑わせようとするも逆効果で、更にはぐたんも泣いてしまう。

 

「駄目か……」

 

「はぐたんまで泣かせてどうするんや!アタッ!」

 

「火に油注がないで!」

 

ツクヨミがなぎさに怒鳴りつけるハリーに頭を叩いて黙らせる。

 

「どうしようミポ……ほのかが……」

 

「ミップル、元気を出すメポ!」

 

ベンチの下で泣きそうになった二人の妖精がおり、ミップルをメップルが励ます。

その最中、周囲が暗くなり。二人はその方向を向くと、いつの間にか泣き止んでたアンジュとエトワールが目を輝かせてメップルとミップルを見ていた。

 

「かーいい!」

 

「どうぶつがしゃべってる~!」

 

「もっとやてよ!」

 

そこへゲイツも現れると、二人と一緒にメップルとミップルを掴み、顔や耳を引っ張って遊び出した。

 

「ミポー!止めてミポー!」

「離すメポー!」

 

二人はゲイツ達の手元から離れ、ハートフルコミューンに戻った。

 

「まってー!」

 

「なんでにげるのー!」

 

「でてこーい!」

 

三人がそう叫んでハートフルコミューンをベンチに叩き付けた。

 

「「「あーっ!」」」

 

「駄目駄目!」

 

「アンジュ!エトワール!」

 

「ゲイツ!」

 

なぎさがハートフルコミューンを持っていた二人から奪い取り、ソウゴとはなが怒る。

 

「「「うわぁぁ〜〜〜!」」」

 

当然ながら三人はまた泣き出し、マシェリ、ほのか、はぐたんまでも貰い泣きし出した。

 

「しまった……!」

 

「何でこんな事に……」

 

「はぁ〜……どうして……」

 

なぎさとはながオロオロとしていると横で、ソウゴは何でこんな事になったのかと頭を悩ませてばかりいた。

とりあえずは、みんなを落ち着かせようと奮闘するソウゴ達はその後、ツクヨミはなぎさにあのてるてる坊主の怪人・ミデンについて尋ねる。

 

「なぎささん、さっきのミデンって何なんですか?」

 

「あたしにも詳しい事は分からないの」

 

「分かってるのは、プリキュアの記憶を奪って回っている事だけメポ……」

 

「記憶を奪われたら、小っちゃくなっちゃうみたいミポ……」

 

「そんな……」

 

「ミデンの持ってたステンドグラス、あれが奪われたみんなの記憶だと思うの」

 

確かにあの時の、大量に現れたステンドグラスに見覚えがある絵がいくつかあった。あれは、みんなの記憶から生まれたものだと察する。

 

「せやからプリキュアの技ぎょーさん使えたんやな」

 

「ちょ、ちょっと待った!」

 

「あんな沢山持ってたって事は……!今無事なプリキュアは……!」

 

あの数のステンドグラスを思い浮かべたソウゴは、今無事なプリキュアは何人いるのかと聞く。

 

 

 

中央に無数のステンドグラスが積み上がった大聖堂の内部のような場所に、ミデンが上機嫌で戻る。

 

「ただいまー」

「お帰りー!」

「今日もたーくさん記憶をゲットしたよ!」

「私の記憶がこんなに増えたね!ウルトラハッピー!」

「ワクワクもんだぁ!」

「絶好調ナリ!」

 

そこではミデンが一人芝居をしながら、飛び回ってた。

同じ頃、その上の階にある遊戯室では小さくなったプリキュア達が遊んでた。

 

 

 

今の現状をなぎさの口から聞いたソウゴ達は、目を大きくしながら驚く。

 

「めちょっくー!残ったプリキュアは私となぎささんだけなのー⁉︎」

 

「面目無い……」

 

はなのお察し通り、無事なプリキュアはなぎさとはなの二人だけだった。

 

「しかも、あたしは変身出来ないから……」

 

「大丈夫」

 

不安な表情のなぎさにソウゴが大丈夫と声をかける。

 

「ソウゴ君」

 

「俺達がいるよ。みんなを元に戻そう」

 

まだ仮面ライダーがいる、だから心配しないで。ソウゴの励ましをそう受け取り、なぎさは頷く。

 

「せやな。とにかく、アンジュ達を早よ元に戻さな……」

 

そういえば先まで騒いでいたアンジュ達が凄く静かだなと思い、はな達はハリーと共に振り向く。

 

「「あーっ!」」

 

「いなくなってる……!」

 

なんと彼らが話してた間に、いつの間にかゲイツ、アンジュとエトワールとほのかが何処かへと消えてしまったのだ。

ソウゴとはなはマシェリとアーラを抱えて、ゲイツ達三人を探す事となった。

 

「ゲイツ!アンジュ!」

「エトワール!」

 

二人は声を出して三人を探すが、未だに見つからなかった。

 

「いないね」

 

「中々見つからないね……」

 

見つからないことに二人が頭を悩ませると、はなは自身が背負っていたアーラが徐々に涙目になって来た事に気付く。

 

「お姉ちゃん……お母さんとお父さんは……どこなの……」

 

「あっ⁉︎」

 

この頃の記憶となると親が恋しくなる。それを思い出したはなは、非常にまずいと危機感を出し始める。

 

「うわぁぁぁぁ〜〜!」

 

アーラが泣きそうになると、先にソウゴが抱いていたマシェリが泣き始めた。

 

「ま、マシェリ……あった⁉︎」

 

マシェリが靴を手に持ち、それでソウゴの顔を殴った。

 

「ソウゴ……ことり!お母さんとお父さんには、すぐ会える少し待てて……ね」

 

「すぐって……いつなの……?」

 

「そ、それは……」

 

「う、う、うわぁぁぁぁ〜〜‼︎」

 

いつと言われて言い淀んでいると等々、アーラも泣き始めしまった。

 

「「めっちょく!」」

 

三人を見つけるよりも、ソウゴとはなは二人のお世話で手を焼きそうだった。

 

 

その頃、なぎさはほのかを見つけるが、当のほのかは犬をジッと見ていた。

 

「ちゅーたろう」

 

「似てるだけ!忠太郎じゃないの!」

 

ほのかは目の前の犬を、自身の飼い犬である忠太郎と思い込んでいるらしく、その犬に語りかけていた。

 

「さっ、行こう。アンジュ達探さないと」

 

ほのかはなぎさの言葉を無視し、犬を撫でた。

 

「ほのか~……」

 

こちらはこちらで、しばらく時間がかかる様子。

 

 

同じく、小さくなった仲間達を探していたハリーとツクヨミはと言うと……

 

「おーい!かくれんぼは終わりやでー!」

 

「みんな!出てきて!」

 

アムールとはぐたんを抱えたハリーとウォズを抱えたツクヨミが、そう告げながら歩く。

そんな中はぐたんは、またもよおした。

 

「ちっちー!」

 

「はぁ……。オムツ変えたらんと……ってアカン!荷物置いて来てしもたー!」

 

「もう〜……」

 

ハリーは荷物を置き忘れた事に気付き、慌ててミデンが現れる前にいた場所へ二人は駆け足で戻った。

 

 

川沿いのある道で、テレビ局がソフトクリームの食レボの収録していた。

 

「あの、たすけてください。わたし、おわれてるんです!」

 

するとアンジュがレポーターの女性に助けを求め、はなとソウゴを指差す。

 

「っ!はな!アンジュだよ!」

 

「ホントだ!」

 

「あらら……」

 

二人が気付いた所で、アンジュが女性の後ろに隠れる。

 

「やくしじさあやです!おうちにかえりたいので、おかあさんにでんわしてください!」

 

「さあや!ほら!おいで!」

 

食レポの女性にアンジュが電話してとお願いしていると、ソウゴとはなが駆け寄る。

 

「あの子達はお兄さんとお姉さんじゃないの?」

 

「しらないひと」

 

「さあや……」

 

ソウゴは幼馴染に知らない人と言われて軽くショックを受けるが、二人が彼女に会ったのは今のさあやにとってはずっと先で覚えてもいないも同然な事なので、無理もない事はわかっているが為に余計頭を悩ませていた。

 

「知ってます知ってます!全然知ってます!」

 

「おばけいるからかえりたいのに、かえしてくれないんです!」

 

「はな、マシェリお願い」

 

ソウゴがはなにマシェリを預けると、アンジュに近づく。

 

「さあや、みんなが待ってるよ。戻ろう」

 

そう言って彼は、アンジュに手を差し向ける。 

 

「帰ろうね」

 

「……」

 

その時アンジュはソウゴを見て、何処かで同じような事を言ってくれた人がいたと感じ出し。その感覚を信じた彼女はソウゴの手を取る。

 

「お騒がせしました~!」

 

はながそう告げ、ソウゴ達は一目散に走り去った。

 

「な、何だったの……?」

 

女性達は呆然としたまま、走り去る二人を見ていた。

 

 

彼らはしばらく走ってから足を止め、一息整える。

 

「何で……こんなに優しそうなはなお姉さんとソウゴお兄さんから逃げて……知らない人に助けを求めるかな~……」

 

「だって、テレビのひとはおかあさんのおしごとのひとだもん。みんなおかあさんのおともだちだもん」

 

「小っちゃい頃の記憶は残ってるんだ」

 

それを聞いたはなは、小さくされたアンジュ達が子供の頃の記憶が残ってる事に気付いた。

 

「でも、お兄さんなら信用できるかも……」

 

だがアンジュはソウゴの事は信用出来ると言い、ソウゴの方に偏る。

 

「あっ!」

 

その時はなは、アンジュの記憶が小さい頃のものならばエトワールが今居そうな場所を思い付く。

そして来たのがスケート場で、案の定エトワールがそこにいた。

 

「君、お父さんかお母さんは?」

 

「はいはいはーい!私達が保護者のお姉さんとお兄さんでーす!」

 

「お邪魔しましたー!」

 

係員の男性がエトワールに尋ねた直後。はなとソウゴが現れ、はながそう告げてからエトワールを連れて一目散に走り去った。

 

「いや!はなして!おうちかえるー!」

 

暴れるエトワールをはなが抱っこし、アンジュはソウゴの服を掴みながら渋々だが付いてきてくれる。

 

「後はゲイツ……」

 

「ゲイツ……何処に……」

 

最後に残るゲイツを探すソウゴとはな。しかし彼らはゲイツの小さい頃のことを知らない為に、捜索は難航していた。

 

「あっ、あれ…」

 

「ん?」

 

ソウゴはアンジュが指を指した方を見ると、そこは遊具が置かれている公園だった。更にそこの急斜面の坂を登ろうとしいる子がいた。

 

「うっ……」

 

そう、そこいたのはゲイツだった。

どういうわけか、ゲイツはその坂を必死に登ろうとしていた。

 

「わぁぁぁぁ!」

 

だが登りきれず、そのまま元の場所へと落ちていく。

 

「ゲイツ!」

 

ソウゴとはながゲイツに駆け寄る。

 

「また、おまえ!」

 

「大丈夫。怪我してるじゃん」

 

ソウゴが擦りむいた怪我を見ようとするとゲイツは後ろを向く。

 

「どうして……こんな無茶したの?」

 

「……つよくなりたい……」

 

「強く?」

 

「そうすれば、だれもなかない」

 

「ゲイツ……」

 

ゲイツはきっとこの頃から、泣いている人を助けたい。その為に体を鍛えて、泣いている人を守れるくらいに強くなりたがっていたのだとソウゴは察する。

 

「ゲイツは、強くなれるよ」

 

「なに?」

 

「だって、泣かないようにする為に頑張っているから、絶対、ゲイツは強くなれる!そんな気がする!」

 

「……ほんと……?」

 

「うん」

 

ソウゴは今のゲイツのように強くなれると言葉をかける。そう言われてゲイツは、ソウゴとはなについて行くことになる。

 

 

 

とある宮殿では、記憶を奪いミデンが喜びながら飛び続けるが、突然動きを止めて表情を変える。

 

「…………つまんない」

 

そう言うと彼は、ステンドグラスの山を横からの掌底で崩す。

 

「つまんない!つまんない!つまんなーい!」

 

何度も叩きつけ、更に山を崩す。

 

「何で……⁉︎ 僕の世界は、こんなにもキラキラしてるのに!」

 

記憶を奪っても納得のいかない様子で、その不満から暴れ出したようにも見える。

 

「そっか。キラっとひらめいた!」

 

すると何かを思い付き、開き直ると色を変えてホイップの口癖を言った。

 

 

ハリーとツクヨミは公園にある木の下のベンチに座り、その傍にウォズ、アムールとはぐたんが座る。

 

「荷物残ってて助かったわ……」

 

「おおはな!ソウゴ!こっちやこっち!」

 

背後から、アンジュ達を連れたソウゴとはなが現れる。

 

「三人とも見つかったんやな。ようやったで!」

 

「あっ!はなちゃん達見ーっけ!」

 

「なぎささん」

 

そこへほのかを腕に抱えたなぎさが現れる。

 

「良かった~。見つかったんだ。」

 

「わたし、おうちかえりたい!やめてー!」

 

「も~、勘弁してよ~……これじゃああたし、攫って来た人みたいじゃ~ん……」

 

「っ!また逃げるんか!」

 

エトワールが逃げようとしてたのをハリーが気付いて声を上げると、彼女はその声に驚いて転んでしまう。

 

「エトワール!」

 

立ち上がったはなのポケットからカメラが落ちる。

アンジュが目に涙を溜め、泣き出しそうになる。

 

「あーもー泣くなや!」

 

更にエトワールが泣き出し、ハリーが駆け寄る。

 

「これ」

 

「きみの?」

 

「ありがとう」

 

アムールがカメラを拾って差し出しはなが受け取ると、アムールと一緒に駆け寄って来たウォズにお礼を言う。

はながカメラを見ると、カメラにはいつの間にか電源が点いてて、そこにはミデンが現れる前に撮った集合写真が画面に映ってた。

 

「はな……」

 

「何で……こんな事になっちゃったのかな……」

 

ソウゴがカメラの画面を凝視していたはなに近づくと、彼女の目から涙がポロポロと溢れ始めた事に気付く。

 

「ねぇ、ソウゴもあの時、私達がソウゴを忘れた時もこんな気持ちだったの……」  

 

「………うん……同じ気がする」

 

ソウゴは、アナザージオウⅡとの戦いで歴史改変を受けたあの事件にて。一時的であったが、みんなから忘れられていた事を思い出し、あの時の状況と似ている様に感じた。

 

「何でみんな忘れちゃったの……さあや、ほまれ、えみる、ルールー、ことり、ゲイツ、ウォズさん……

あんなに一杯笑って……頑張って……みんなで……」

 

「みんな……はな……」

 

「はな……ソウゴ……」

 

今までの事が、皆と育んできた思い出を全て忘れられてしまった。それは、はなにとって辛く、二度目の経験であるソウゴにとっても、当時の事を思い出した所為で辛い気持ちが再び出始めていた。

ツクヨミもそんな二人から醸し出す雰囲気に、思わず暗い表情を浮かべる。

 

「なんや!プリキュアたるもの、へこたれて場合じゃないやろ!」

 

「そんな言い方しないで!」

 

はなを見兼ねたハリーが喝を入れると、彼の言った言葉になぎさが声を上げた。

 

「プリキュアって言ったって、ただの中学生なんだよ。自分でどうする事も出来なかったから、誰だってそうなるよ……」

 

「……」

 

「なぎささん……」

 

「私だって……私だって……」

 

なぎさも涙目になりながら、小さくなったほのかを見つめる。

 

「はぎゅ⁉︎」

 

その時、はなの持つカメラから水しぶきのような現象が起こると、はなのカメラからミデンが現れた。

 

「ミデン……!」

 

怯えるほのかを、なぎさが抱き締める。

 

「まだまだ記憶が足りないの!あなた達の記憶もゲットだよ!」

 

そう言うと色を変え、なぎさとほのかに向けて体当たりを繰り出す。

 

「ここにいて」

 

なぎさは体当たりを避けると、ほのかにここにいるよう伝えて降ろす。

 

「これ以上、プリキュアの記憶は渡さへん!」

 

ハリーが人間に変化し、ジクウドライバーをセットする。

 

「みんなは、私を助けてくれた。

だから……今度は私がみんなを助ける!」

 

はぐたんをベンチへ座らせたツクヨミもジクウドライバーを装着した。

 

『ハリー!ギアヘリテージ!』

『ツクヨミ!』

 

そしてライドウォッチのスイッチを入れた二人がドライバーのスロットにウォッチを装填し、ドライバーのロックを解除して叫ぶ。

 

「「変身!」」

 

二人が叫びドライバーを回す。

 

『ライダータイム!仮面ライダーハ・リー!ヘリテージタイム!導け!心に望む未来へ!ハリーギアヘリテージ!』

『ライダータイム!仮面ライダーツクーヨミ♪ツ・ク・ヨ・ミ!』

 

仮面ライダーハリー・ギアヘリテージ、仮面ライダーツクヨミへと変身を完了した二人は、そのままミデンへ突撃していく。

 

「ヤァァァ!」

 

「エメラルド!ソーサー!」

 

ミデンは緑色に光る盾を作り出し、ハリーのジカンチェーンソードを受け止める。

 

「くぅ!」

 

「はぁぁ!」

 

ハリーの攻撃を受け止められてしまったがそれはフェイク、ツクヨミが今度こそ攻撃を決める為、ミデンの背後を既に取っていたのだ。

 

『フィニッシュタイム!』

 

ツクヨミはドライバーを回すと、右足に光が集まって隙を見せたミデンに向けて放たれようとしていた。

 

『タイムジャック!』

 

月のエフェクトと共に、ツクヨミのキックがミデンへと向かっていく。

 

「よっしゃ!」

 

ツクヨミの攻撃が決まったと思った次の瞬間……

 

「サイ!ゴリラ!ゾウ!サゴーゾ!」

 

ミデンの色が灰色へと変わり、ツクヨミのライダーキックをそのままモロに受けた。

 

「そんな……」

 

しかし、ツクヨミのキックを受けてもビクともしなかった。

 

「あれって!オーズの⁉︎」

 

その戦いを見ていたソウゴは、あれは仮面ライダーオーズのサゴーゾコンボと似ているのに気づき、更にオーズが変身するコンボの中でも防御力が高いという力も似ていた。

 

「どうして……っ⁉︎」

 

ソウゴはあの時、ミデンはグランドジオウウォッチを取り込み19枚のステンドグラスを出現させた事を思い出す。

逃げるの精一杯でちゃんと見れてなかったけれど、あの19枚ステンドグラスがライダー達の記憶なら…

 

「ミデンは……プリキュアだけじゃなくて、ライダーの力も……」

 

今のミデンにはグランドジオウのライダーの力すらも使えることになる。

そう思っている中、ハリーとツクヨミはミデンの繰り出す技と動きに苦戦される。

 

「プリキュア!シャイニングサークル!」

 

今度は光のリングがハリーとツクヨミを捕らえる。

 

「ハリー!ツクヨミ!」

 

「ルナ!トリガー!トリガーフルバースト!」

 

今度は左右が青と黄色の色へと変わり、Wのフォームチェンジの姿となると、ミデンの手から無数の光弾が二人に打ち付けられる。

 

「うっ……」

 

「なんや……こいつは……」

 

二人が苦戦してついに変身解除されて倒れているの見て、ソウゴもジクウドライバーを装着する。

 

「はな!なぎさ!離れて!」

 

二人に離れるように促すとソウゴはジオウウォッチIIを取り出す。

 

『ジオウ!Ⅱ!』

 

ジオウウォッチⅡを分割しドライバーの左右に差し込むと、ソウゴの後ろから二つの時計のエフェクトが現れた。

 

「変身!」

 

ドライバーを回し、二つの時計は左右対象に止まって、ソウゴの体を纏う。

 

『ライダータイム!仮面ライダー!ライダー! ジオウ・ジオウ・ジオウ!Ⅱ!』

「はぁぁ!」

 

ジオウⅡへと変身し、ジオウがミデンへ走り向かって行きながらサイキョーギレードで振りかかるが、簡単に避けられる。

 

「プリキュア!マッチシュート!」

 

するとミデンから緑のエネルギー塊が作られ、ジオウに向けて放たれる。

ジオウは咄嗟にサイキョーギレードを盾とし防ぐ。

 

「クロックアップ!」

 

だがなんと、次に繰り出されたのはカブトの超高速に動く能力『クロックアップ』だった。

 

「うっ……あっ!……わぁぁッ!」

 

クロックアップでは、今のジオウはそのスピードについていけない。未来予知を発動させる暇も与えられぬまま、ジオウはただミデンに攻撃を受け続け、そのまま転がり倒れる。

 

「くぅ……」

 

「ソウゴ!」

 

何とか起き上がるも、プリキュアと仮面ライダーの力を使いこなすミデンに圧倒的に押されている。

 

「だったら……」

『サイキョーフィニッシュタイム!』

 

ジカンギレードのケンモードとサイキョーギレードを合体させ、『ジオウサイキョウ』の文字が浮かび上がる。

 

「プリキュア!シューティングスター!」

 

『キングギリギリスラッシュ!』

「オリャャャャャ‼︎」

 

ミデンが突撃し、ジオウはそれに対抗するためサイキョージカンギレードを振り下ろした。

 

「よし!このまま……」

 

結果は相討ちに近いほどに拮抗しているが、ジオウの方が少し優位に立ち始める。

 

「分身の術!」

 

「えっ?」

 

だが目の前の相手が黄色と紫の色に変化して“分身の術”と叫ぶと、ミデンが背後にも現れた。

 

「チョーイイネ!スペシャル!サイコー!」

 

分身して現れたミデンは赤く変わり、攻撃中で何もできないジオウに向けて炎の攻撃が放たれた。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

それを受けたジオウはサイキョージカンギレードを落としてしまい。そのままミデンの攻撃を受け続けてしまった。

 

「あっ……」

 

攻撃が終わると、ジオウはそのまま倒れてしまう。

 

「お兄さん!」

 

「ソウゴ!」

 

倒れると強制変身解除となって元の姿へ戻る。そこへはなとなぎさが駆け寄る。

 

「ソウゴ!大丈夫……」

 

はながソウゴを支え、起き上がらせる。

 

「はな……なぎさ……逃げて!」

 

それでもソウゴは、プリキュアの二人にミデンから逃げてと言う。

 

「逃げるたって……」

 

逃げる様に言われたはなだが、彼女は宙へと浮かぶミデンを見上げる。

 

「みんなの記憶、取り戻さなきゃ!」

 

どうやら彼女に逃げるつもりはなく、飽くまで戦うつもりだ。

 

「あっはっはっはっ!私を倒さない限り、記憶は永遠に戻らない!この私は無敵なんだから!」

 

ミデンが光弾をソウゴ達に向けて放つ。

 

「「みんな!」」

 

近くにいるアンジュ達を守るためはなとソウゴが盾になろうと庇う。

 

「「?」」

 

しかし、アンジュ達には当たらず、ましてやソウゴとはなにも当たらなかった。

 

「いったあ……」

 

「なぎささん!」

 

なんと、なぎさが前に出てミデンの攻撃を生身で受け止め、ソウゴとはな、アンジュ達を守ったのだ。

 

「何やってるメポ!」

 

「なぎさはほのかが一緒じゃないと変身出来ないミポ!」

 

二人のパートナーの妖精が変身出来ないのに、無茶をするなぎさに言う。

 

「そうだね……!だから取り返すの!

あたしには、ほのかがいないと駄目だから……!ほのかの事が大好きだから!」

 

なぎさは諦めずミデンへと向かって叫ぶ。

 

「あたし、覚えてるから!たまたま同じクラスになって、たまたま二人でプリキュアに変身する事になって……!喧嘩した事……!タコ焼き食べた事……!恋バナした事……!ほのかが忘れても、あたしが全部覚えてるから!」

 

「あらなぎさ、私も覚えているわ」

 

ミデンの姿が白っぽく変わると、なぎさに向けて覚えていると答える。

 

「先生の結婚式行った事。

文化祭でロミオとジュリエットやった事。

合唱コンクールの事、なぎさの靴下がちょっと臭いかもってこと―――」

 

「でも、あんたはほのかじゃない!

雪城ほのかは、世界で一人!

アンタに記憶を奪われて戸惑ってる、あの子が雪城ほのかなの!絶対に、諦めないんだから!」

 

その心から言い放たれた彼女の叫びは、その後ろで泣いているほのかに向けて言った言葉。

それに気づいたのか、後ろの方に居たほのかが泣いていた。

 

「あーっ!うるさい!」

 

ミデンが指を鳴らすと同時に、三人の足元から衝撃波が生じ、ソウゴ、はな、なぎさが吹き飛んでほのかの傍に落下する。

 

「なぎさーーーーーっ!」

 

涙を流すほのかがなぎさの名を叫んだその時、目の前に光が生じて何かを生み出した。

 

「あれって……」

 

「ミラクルライト……!」

 

ほのかがミラクルライトを掴むと同時に、光に包まれ。彼女の周囲にこれまで過ごして来た時の出来事が、鮮烈に映し出された。

そして光が消えると同時に、彼女はその姿を変えた。

水滴が頬に当たるのを感じたなぎさは、目を開けて正面を向く。

 

「なぎさ……」

 

そこにいたほのかは、元の状態に戻っていた。

 

「ほのか……」

 

「大丈夫……?すぐ無理するんだから……」

 

ほのかは倒れていたなぎさを自分の膝枕に乗せてそう言う。

 

「これでもまだ……マシな方だよ……」

 

「ありがとう……辛かったよね……

でも、一緒にひかりさん達を取り戻しましょう」

 

「うん……」

 

なぎさは笑顔で返し、二人が起き上がる。

 

「「デュアル・オーロラ・ウェーブ!」」

 

その光は、なぎさとほのかが変身する光だった。二人は光の中に包まれ、姿が変わって現れた。

 

「光の使者!キュアブラック!」

「光の使者!キュアホワイト!」

 

「「ふたりはプリキュア!」」

 

「プリキュア達から奪った記憶!」

「とっととみんなに返しなさい!」

 

“プリキュア”と言う伝説を作り上げた原点にして最初のプリキュア…キュアブラックとキュアホワイトが、今此処に復活した。

 

「う……嘘だ……!記憶が戻るなんて……ッ!

舞え!花よ!プリキュア!フローラル・トルビヨン!」

 

ミデンは記憶を取り戻したホワイトに驚きながらも色を変え、ブラックとホワイトに向けてフローラル・トルビヨンを放つ。

 

「「ッ‼︎」」

 

ブラックが左腕、ホワイトが右腕を同時に上げ、フローラル・トルビヨンを掻き消す。

 

「「はああああぁぁぁっ!」」

 

「うああああぁぁぁっ!」

 

反撃に出た二人のダブルパンチがミデンに直撃し、勢いよく吹き飛ぶ。

 

「調子に乗るなぁ!」

 

体勢を整えてから怒鳴り散らすと二人に向かって飛び、激しい戦闘を行う。その姿を見たソウゴとはなは、気づかされた。

 

(そうだ……忘れてた。あの時だって……)

 

飛流に、記憶を改竄されてもみんなは、忘れていても俺を信じてくれた。俺が覚えている限り、俺はみんなを信じる。

 

「はな!」

 

ソウゴが起き上がり手を差し出すと、その手をはなは掴む。

 

「うん!」

 

掴んだ手を取りはなは起き上がる。

 

「忘れちゃってたのは……私の方だった……」

 

「えっ?」

 

「みんなと出会って……ちょっとずつ仲良くなって……どんどん増えた思い出は、ずっとここにあったのに……」

 

「うん。だから……」

 

互いが同じ事を考えているんだなと、何と無くだが察したソウゴとはなはミデンの方を向き、目の色を変えて決意する。

 

「俺がなる、最高最善の魔王になる為に!」

 

「私がなりたい、野乃はなになるために!」

 

「「みんなを元に戻す!」」

 

「ソウゴ……」

 

「はな……」

 

「二人はみんなをお願い」

 

二人はジクウドライバーとプリハートを取り出す。

 

『ジオウ!』

 

ジオウウォッチを装填し、右腕を上げてソウゴは構える。

 

「変身!」

「ミライクリスタル!ハートキラッと!」

 

ジクウドライバーを回し、ソウゴの体にアーマーが纏われ仮面ライダージオウに。

プリハートとミライクリスタルの力で、はなはキュアエールに変身し、二人はブラックとホワイトの元へ走る。

 

「はぁぁ!」

 

「ヤァァァ!」

 

ジオウがジカンギレードで攻撃し、ミデンへ斬撃が直撃してバランスを崩した所でエールのパンチが吹き飛ばした。

ミデンが地面に落下してからすぐに、四人が着地する。

 

「キラキラ大切な思い出が、みんなが、私を支えてくれてる!」

 

「だから、何があっても踏ん張れる!踏ん張ってみせる!」

 

「うるさい!キラキラの記憶なら、お前よりもっと沢山あるんだ!喰らえ!」

 

ジオウとエールの言葉を聞いたミデンが両手から光弾を放つが、四人は走って避け、一斉に跳ぶ。

 

「「「はああああぁぁぁっ!」」」

 

そしてまた、四人で攻撃を繰り出した。

 

「負けるな!」

 

「がんばって!」

 

「がんばれ!エール!ジオウ!」

 

「……!」

 

「「みんな……」」

 

アンジュ達もエール達を応援する。

 

『エール!ジオウ!まけるなー!』

 

必死に応援するみんなの声は、四人に勇気をくれるものだった。

 

「うるさい!俺の必殺技パート2!プリキュア!ファイアストライク!」

 

鬱陶しく思ったミデンが色を変えて、電王とキュアルージュの必殺技を応援するみんなに向けて放つ。

 

「そうはさせない!」

『ミステリージオウ!』

 

ジオウミステリーのウォッチを両側のスロットへ差し込み、ソウゴはドライバーのロックを解除。

そのままドライバーを回すと、前の方から背部に羽を装着させ、その手に二本剣を持ったアーマーが現れ、そのままジオウの体に纏われる。

 

『アーマータイム!歴史の全てを知る王〜!仮面ライダージオウミステリ〜〜!フ・リ〜ズ!』

 

ミステリーフリーズフォームへとフォームチェンジしたジオウがみんなの前へと出て、腕に装着されているフリーズドラゴンバスターを向けると、ミステリーフレアの能力を使いミデンの攻撃を消した。

 

「攻撃が消えた!ありえない!

 

「どうして……」

 

ミステリーウォッチの持つ力の一つである能力は、攻撃を未来へと飛ばし、既に終わらせることが出来る。しかも、今のミステリーウォッチの能力はこれだけではない。

 

「これ以上、みんなの記憶で好き勝手にさせない!」

 

ジオウがミデンに向けて飛び立つ。そして、ミデンの頭上へと向かう。

 

「ハァ!」

 

「ッ⁉︎」

 

ジオウがミデンにだけ向けて、波動のようなものを流す。そして、ミデンの頭上にフリーズドラゴンバスターを叩き込む。

 

「やった!」

 

「ソウゴ!」

 

初めてミデンへ大きなダメージを与えて喜ぶ。しかし……

 

「よくも……」

 

ミデンはまだまだピンピンとしていた。

 

「許さない!まずはお前の記憶を貰う!プリキュア!スパイラルハートスプラシュ!」

 

ミデンが手を広げて、またしてもプリキュアの技を出そうとする。

…が、手から何も出現しなかった。

 

「えっ?どうして……」

 

動揺するミデンにジオウは教える。

 

「今の君にはプリキュアの技は出せないよ」

 

「⁉︎」

 

進化したミステリーウォッチ。新たに加わった能力……それは、相手の力を限定的に変える能力である。

その影響により、ミデンはもうみんなから奪った記憶から技を放つ事は出来ない。

 

「「はぁぁぁぁ!」」

 

そこへ、ブラックとホワイトが隙を逃さず攻撃を繰り出す。

 

「ソウゴ!」

 

エールがジオウの隣へ並ぶ。

 

「アンジュ、エトワール、ゲイツ、ウォズさん、マシェリ、アムール、アーラ。

待ってて。私達がみんなの事、元に戻すから!」

 

エールが自身を鼓舞してからアンジュ達にそう告げ、ジオウと一緒に走り出した。

ブラックとホワイトがミデンの顔を掴んで抑え込む。

 

「だあっ!はあっ!」

 

そこへ跳んで来たエールが左右交互から回し蹴りを叩き込む。

 

「はぁぁ!」

 

さらにジオウがフリーズドラゴンバスターを至近距離で放ち、ミデンを上空へと上げる。

 

「エール!」

 

「「ええいっ!」」

 

ブラックとホワイトの二人が両手で踏み台を作り、エールを高く飛ばす。

 

「だあっ!」

 

そのまま一回転してカカト落としを叩き込む。

その時、アンジュ達にも目の前に光が生じ、その光から五つのミラクルライトが生み出される。

 

「あれは……!ヤバい!」

 

「駄目ーっ!」

 

ミデンがアンジュ達に向かって飛んだ直後、エールのパンチを受けて地面に落下する。

 

「みんな!それを使って応援して!」

 

『フレ!フレ!エール!ジオウ!』

 

ツクヨミが合図してから、アンジュ達がエールを応援する。

 

「もっとや!」

 

『フレ!フレ!ジオウ!エール!』

 

はぐたんを加えて応援すると、ミデンの中にある七枚のステンドグラスが光り出し、そこから外にいるアンジュ達が光に包まれる。

 

「あれは……」

 

ジオウはその光を見て呟き、ミデンは一体何が起っているのかわからなかったがしかし、光が消えると、アンジュ達は元の姿に戻った。

 

「やったぁ!」

 

「やった……!」

 

「みんな!」

 

「行って!」

 

「ありがとう!」

 

ブラックとホワイトにミデンを抑え付けてたジオウとエールがアンジュ達の方へ跳び、着地する。

 

「みんな……行くよ!」

 

「「「「えぇ(はい・うん)!」」」」」

 

エールが言うとアンジュ達五人は頷く。

 

「行くよ!ゲイツ!ウォズ!」

 

「「ああ!」」

 

『ジオウトリニティ!』

 

ジオウはジオウトリニティウォッチを起動し、ドライバーへと装填するとウォッチのダイヤルを回すと三人が光に包まれる。

 

『ジオウ!ゲイツ!ウォズ!』

 

「「「変身!」」」

 

光に包まれていたゲイツとウォズの体が腕時計のように変わってジオウの体にはめ込まれると、ジオウの身体も変化を始めた。

 

『トリニティタイム!三つの力、仮面ライダージオウ!ゲイツ!ウォズ!トーリーニーティー!トリニティ‼︎』

 

オーマの日、運命を変えて奇跡の変身を遂げたジオウの姿…ジオウトリニティへ変身する。

 

「ひれ伏せ!我こそは仮面ライダージオウトリニティ。大魔王たるジオウとその家臣ゲイツ、ウォズ。三位一体となって未来を創出する時の王者である!」

 

ウォズは久しぶりにこの口上をし、ポーズを取る。

 

「まだ、やるのか?それ?」

 

「いいじゃん!なんか行ける気がする!」

 

いつものソウゴの口癖を言うと、ジオウトリニティはミデンへと走る。

 

『ジカンザックス!Oh!No!』

 

ゲイツのジカンザックスを出現させ、ミデンに叩き込む。

 

『ジカンデスピア!ヤリスギ!』

 

更にウォズのジオウデスピアで突きながら攻撃し、次々と決めていく。

 

『サイキョウフィニッシュタイム!』

 

ジオウのサイキョージカンギレードが現れ、刃から『ジオウサイキョウ』と浮かび上がる。

 

『キングギリギリスラッシュ!』

 

最後にサイキョージカンギレードから放たれたキングギリギリスラッシュによりミデンを地面へと叩き込む。

 

「行くぞ!」

 

『おぉ(うん・はい・ええ)!』

 

『フィニッシュタイム!』

 

ウォッチを起動させ、ドライバーを回転させる。高く飛び上がるアナザーブレイドに三人のライダーキックのエフェクトが敵を取り囲み、ジオウ、ゲイツ、ウォズの幻影が現れた。

 

『トリニティタイムブレークバーストエクスプロージョン!』

 

その幻影はジオウトリニティに重なり、三人のエフェクトに包まれながらライダーキックを放った。

 

「「「「「メモリアルクロック!マザーハート!」」」」」

 

エール達が掲げたミライパッドが緑のハートが加わったメモリアルキュアクロックに変化し、エール達とはぐたんからそれぞれのパーソナルカラーのハートが飛び出す。

 

「「「「「「ミライパッド!オープン!」」」」」」

 

右腕を真上のメモリアルキュアクロックにかざすと同時に、画面のハートの型にはまる。

扉が開くと同時に中から無数のハート型エネルギーが降り注ぎ、エール達がマザーハートスタイルに変身すると、右手首にプリキュアミライブレスが着けられる。

 

「「「「「「 HUGっとプリキュア!今ここに!」」」」」」

 

「ワン・フォー・オール!」

 

「オール・フォー・ワン!」

 

「ウィー・アー!」

 

「プリー、キュアー!」

 

「明日に!」

 

「エールを!」

 

マザーを召喚してメモリアルキュアクロックを囲む形で手を翳し、エネルギーを集める。

 

『ゴー、ファイ!みんなでトゥモロー!』

 

手を掲げ、マザーの力を解放して光線を放つ“みんなでトゥモロー”を放ち、そのままジオウトリニティのライダーキックと共に炸裂し、そのままミデンを吹き飛ばした。

 

「うああああぁぁぁっ!」

 

一同の技を受けたミデンが吹き飛び、星になった。

ミデンがいなくなると、ジオウトリニティから変身解除。三人に戻ると、ソウゴとエールはハリーとツクヨミも駆け寄り、元に戻ったみんなに近づく。

 

「アンジュ、エトワール、マシェリ、アムール、アーラ……」

 

「ゲイツ、ウォズ……」

 

「「お帰り」」

 

アンジュ達とゲイツ達の名前を読んでから、二人はみんなにお帰りと笑って言った。

 

「すまなかったな。ソウゴ、はな……」

 

「君達のおかげで助かったよ」

 

「私達が元に戻ったのは、お姉ちゃんとソウゴさんのお陰だよ」

 

「ありがとうございます。ううん、適切な言葉が見つかりません」

 

「ミデンの中で、どうなる事かとハラハラしてたのです」

 

「でも、エールの真っ直ぐな想いが、私達を元に戻してくれたの!」

 

「やっぱ、最高にイケてるよ!エール!」

 

ゲイツとウォズ、アーラ、アムール、マシェリ、アンジュ、エトワールがそれぞれ謝罪と礼を言っていると、エールは首を軽く横に振った。

 

「違うよ、全然そんな事無い。小っちゃい子が泣いてるんだから、しっかりしなきゃって思ってた」

 

「だけど、みんなが俺とはなを支えてくれたから―――」

 

「いいの。もういいの」

 

「アンジュ……」

 

「でも……」

 

「じゃあ、私達が最高って事でどう?」

 

「うん!」

 

「そうだね!」

 

エトワールの一言にソウゴとエールはとても嬉しかった。

その様子を見てブラックとホワイトもみんなに近づいてきた。すると……

 

「ああ……こんな事で二度までも……!」

 

「あっ!アンタ戻って来たの!?」

 

あれだけの技を受けて吹き飛んだミデンが、みんなの下にまた現れる。

 

「あれだけ喰らって無事だったんか⁉︎」

 

「しぶといわね……」

 

ハリーとツクヨミがミデンが戻ってきたのを見て愚痴っていると、全員が再び戦闘準備の為に構える。

 

「せっかく集めたキラキラの記憶が……私の記憶が!」

 

「私の記憶……?」

 

ミデンが集めた記憶を私の記憶と呟くと、エールはその言葉に顔を顰める。

 

「違うよ。私達の記憶!私達の思い出だよ!」

 

「お前のそれは自分の記憶じゃない!みんなの記憶だ!」

 

プリキュア達の記憶を自分の記憶と言うミデンに、ソウゴとエールはミデンに怒りを感じた。

 

「元々持って無い思い出なんて、絶対あなたの物にはならないんだから!」

 

「僕は……僕だって……!」

 

「えっ?僕だって……」

 

さっきまで“私”と言っていたのに突然“僕だって”と言い出し、動揺し始めるミデンにソウゴは何か不審に感じる。

 

「私、堪忍袋の緒が切れました!」

 

ミデンが色を変えて右手から光線を放ち、はなのカメラを壊す。

 

「カメラを……なんで」

 

その直後に空へ飛び、成層圏に出る。

 

「よこせ……!よこせぇーっ!」

 

するとミデンはその場に停まって光線を乱射し、人々を子供に変える。

更に地面が割れ、周囲からクリスタルが出て来る。エール達の足元も割れ始め、そのまま上がって行く。

 

「うぇ⁉︎」

 

「ちょ、ちょっと……」

 

「何何何何⁉︎」

 

「どうなってるんだ!」

 

エール達が動揺している横で、アムールがこの場所の高度がどんどん上昇しているという事実に驚いていた。

 

「高度上昇中。標高500メートル……1000メートル……!」

 

「どこまで上がるの……!?」

 

アーラが周りを見ながら呟いているのを他所に、崩れた横浜の町を囲むようにして、あちこちにクリスタルが纏わり付いた岩山が出来上がっていった。

 

 

同じ頃、ソウゴ達のいる場所から離れた所の横浜にいる士と海東、晴夜は、ミデンから放たれた光線を避け続け、当たらずには済んだ。

 

「なんか、やばそうだね」

 

「士さん!やっぱり俺達も……」

 

「……」

 

海東は敵が予想以上の手練れである事に驚いていると晴夜が彼らを助けに行こうと言い、士も流石に手助けに行こうかと思ったその時…

 

「――えっ?」

 

晴夜の持つロイヤルとシャドウのボトルから光が放たれ、その光は上空へ一直線に向かって行った。

 

 

突如として上へと登らされたソウゴとエール達が目を覚まし、起き上がって周囲を確認する。

 

「いたたた……」

 

「何だ……ここ?」

 

「あり得な~い!」

 

みんなの目に映ったのは、色取り取りのクリスタルがある荒野だった。

 

「雲があるって事は、成層圏の辺りのようだね」

 

ウォズが今いる場所を特定していると、アンジュは目の前の色取り取りのクリスタルが何なのか察し始める。

 

「まさかこれ、全て奪った記憶なの?」

 

「うぇぇ!?」

 

「奪った記憶で、こんな場所が作れるなんて……」

 

「ひょっとしてママもパパも……⁉︎」

 

「あんなに沢山記憶を奪ったって事は、すんごく沢山の人が赤ちゃんにされてるのです!大人がいなくなったら、世界は滅びてしまうのです!」

 

「それだとチョコパフェも食べられないじゃん!」

 

「そこなんだ……」

 

「頭ん中は食べるだけしか無いのか?」

 

ホワイトとゲイツがアンジュの言葉を聞いてそう叫ぶブラックにツッコミを入れると、辺りを見回していたソウゴは何かを感じる。

 

(なんだろ……この凄く悲しくて、辛い気持ち……)

 

ここに来てから、ミデンの事なのか、この場所を凄く悲しい場所だと。そう思っていると、宙からミデンが現れた。

 

「全ての記憶は私の物……手放してなるものか!」

 

そう叫ぶと同時に今度は目から光線を乱射し、ソウゴ達は走りながら躱して逃げる。

 

「ヤバい……!早くミデンを倒して、みんなの記憶を取り返さなきゃ!」

 

「行こう!」

 

そんな中、エールが壊れた自分のカメラを見つけて足を止める。

 

「エール?」

 

「うん!」

 

アンジュに声を掛けられたエールはカメラを拾い、乱射する光線の中を潜り抜ける。

エール達の姿が見えなくなったミデンは光線を撃つのを止めて城へと戻っていくと、みんなが城のどこかで足を止める。

 

「マシェリ達、どこに行ったんだろ……」

 

「ソウゴ達ともはぐれちゃったね……」

 

ここまででソウゴ達とはぐれてしまい、今ここにいるのはエール・アンジュ・エトワール・ハリー・ツクヨミ・はぐたんの六人だった。

 

「てかミデンの奴、一体何考えてんだろ?」

 

「えっ?」

 

「私てっきり、プリキュアの力を奪って強くなって、何か悪い事しようとしてるのかなって。

でもいきなり、こんなお城の中に引き籠っちゃうし」

 

「確かに。何の為に記憶を奪っているのかな?」

 

力を手にしたミデンは世界征服なり破壊行為をする訳でも、ましてや人を喰ったり殺戮をするわけでも無く、どういうわけか城に籠り始めた事に。ジオウミステリーフリーズの力で能力を限定された事を考慮したとしても理解出来ず、そんなミデンの行動に違和感を抱き出す。

だがミデンは何故、プリキュアやみんなの記憶を奪っているのか、エトワールとアンジュにはその理由がわからなかった。

 

「……ところでさ、何だろここ?」

 

エール達は今、メリーゴーランドのように回るアニマルスイーツの上に立ってた。

 

「これ、よく見たらキラパティのスイーツだよ」

 

「ホンマやな」

 

ツクヨミとハリーがそんな会話をしながら、一同がねこマカロンからうさぎショートケーキへ跳び移る。

 

「あのね、実はちょっと気になってる事があって……」

 

するとエールがプリハートホルダーから壊れたカメラを出し、アンジュ達に見せる。

 

「さっきミデンがこれを壊した時―――」

 

エールはその時ミデンが破壊したという、壊れたカメラを見せる。

 

「上手く言えないけど、何だか、ちょっと悲しそうに見えた」

 

「そう言えば、ミデンに記憶を奪われてた間ね、私達の記憶はミデンの中にあったの」

 

「ミデンの中?」

 

ミデンの中にいたというアンジュの言葉に、エールは小首を傾げる。

 

「他の沢山のプリキュア達と、思い出が混ざり合ったような感覚で―――表はこの場所みたいに煌びやかなのに、ミデンの中は真っ暗だった」

 

「真っ暗……」

 

そんな中はぐたんが、エール達の足元の穴に近づく。

 

「はぐたん危ない!」

 

エールの忠告も虚しく、はぐたんはその穴に落ちてしまった。

 

「めちょっくー!」

 

「俺が行く!ツクヨミ!俺のドライバーを頼む!」

 

ハリーがネズミの姿となるとジクウドライバーをツクヨミに預け、はぐたんを追って穴の中に入る。

 

「私達も回り道探そう!」

 

残されたエール達は、回り道を探しに向かった。

 

 

一方、ゲイツ、ウォズ、マシェリ、アムール、アーラ、ブラック、ホワイトは何かに追われながら、魔法使いプリキュアの妖精・モフルンが描かれたステンドグラスの道を走り続けてた。

 

「何これどうなってんの⁉︎」

 

「あれは、確か、ミラクル達と一緒の……」

 

「あの子、モフルンですよね⁉︎」

 

マシェリ達を追っていたのは、巨大なクマのぬいぐるみ…モフルンだった。

 

「このお城はミデンから奪った記憶から出来ています。故に、キュアミラクルの強い記憶が反映されている空間。以上証明終了です」

 

「考察ありがとう!」

 

「そんな事よりも早く逃げよう!」

 

「諸君!私に近づきたまえ!」

 

アムールの考察を聞いていたホワイトとアーラだったが、ウォズの指示を受けて全員が彼に近づく。

 

『シノビ!』

 

シノビミライドウォッチを起動させたウォズはドライバーにウォッチを装填し、レバーを引く。

 

『アクション!投影!フューチャータイム!

誰じゃ?俺じゃ?忍者!フューチャーリングシノビ!シノビ!』

 

「ふっ!」

 

『ドローン!』

 

フューチャーリングシノビの忍法を使い、全員をドローンさせてモフルンの前から消えた。

それにより、みんなは側面のホウキとホウキの間に隠れ、モフルンをやり過ごす。

 

「上手くいったようだね」

 

「……何これ?」

 

その時ブラックは目の前の冷凍みかんに気付き、手を伸ばす。

 

「ストーップ!罠かもなのです!」

 

マシェリが止めようとするもぶつかり、そのまま顎からぶつかる。

 

〈カチッ!〉

 

「今、カチッって?」

 

すると、アーラ達の耳にスイッチが押されたかのような音が聞こえた。

 

「「カチッ……?」」

 

その直後に周囲が揺れ出し、確認の為に出ると、奥から無数の冷凍みかんが転がって来た。

 

「「冷凍みかん⁉︎」」

 

更にモフルンも巻き込まれる形で向かって来た。

 

「前見て前!」

 

ブラック達が走り続ける中、ホワイトが前を見るよう告げる。

その先の道は途切れてて、一本のホウキが道代わりとして倒れてた。

マシェリとブラックが足を止めるが、落ちそうになる。

 

「ブラック!」

 

「マシェリ!」

 

アムールがマシェリ、ホワイトがブラックをお姫様抱っこで抱えて跳び、ゲイツ、ウォズ、アーラも飛び越えホウキの上に着地する。

 

「もう、ブラックったら」

 

「えへへ、ゴメン」

 

「持つべき友は冷静なパートナーなのです」

 

「とりあえずは、これで……」

 

ウォズ達が危機を脱したと思い安堵の表情を浮かべると、ふとゲイツが背後を見る。

 

「ん?おい……!」

 

だがそこへモフルンがホウキを揺らし、宙に浮かんでからそのままゲイツ達と共に下へ落ちてしまった。

 

『うわぁぁぁぁ‼︎』

 

 

その頃、ソウゴだけ一人、違う所の部屋にいた。

 

「みんな、何処に?」

 

ソウゴが辺りを見回すが、辺りは暗く何も無かった。

 

「ん?」

 

偶然にも数枚程であるが、何かの額縁に入れられた写真があった。

 

「会社のビル?それに、箱にカメラが入ったもの……」

 

そこには何処かの会社ビルや箱に入ったカメラが写っていたが、ミデンとはあまり関係ないようなものに思えた。

 

「?これ……」

 

しかし偶然にも、その写真からソウゴは何かに気づいた。

 

「もしかして……ミデンは……」

 

ソウゴはこの写真からミデンの記憶を欲しがる理由も正体も、何となくではあるが、わかったような気がした。

 

 

エール達と居る途中で穴へと落ちたハリーとはぐたんは……

 

「うひゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「はぎゅ~」

 

はぐたんはハリーが先に地面に落ちた為にクッションの代わりとなってくれたので、怪我はなかった。

 

「どや……我ながらナイスクッションやろ……」

 

「ハリー!ハリー!」

 

「ん?」

 

はぐたんに言われハリーが見上げると、彼は自身の目に映ったものに、酷く驚愕していた。

 

「これは……こいつら全員プリキュアや~‼︎」

 

ここは何と、ミデンに記憶を奪われて赤ちゃんにされた、他のプリキュア達の部屋だった。

 

「うん?あーあれ?」

 

「新しいお友達?」

「ネズミさんもいる」

「プリキュアごっこしよう」

「プリキュアごっこ!」

「プリキュアごっこ!」

 

「はあー!しよう!」

 

「はぐたん!あぎゃー!」

 

ハリーがはぐたんを呼び止めようとするが、プリキュア達にハリーは蹴り飛ばされる。

 

「いてて……」

 

取り敢えず軽傷で済んだが、その光景を見たハリーは、中々骨が折れそうな事で、ここから出るのは困難のようだと感じた。

 

 

 

「はぐたーん!」

 

回り道を探してたエール・アンジュ・エトワール・ツクヨミが、プリキュア達のステンドグラスが積まれた広間に足を踏み入れる。

 

「ねぇ、何かここ、今までと雰囲気違わない?」

「寂しいって言うか……何だか夜のお墓にいるみたいな……」

 

「そういえば……確かに……」

 

「や、ヤダアンジュ……ツクヨミ……!」

 

「変な事言わないでよ……!」

 

怖がるエールとエトワールが抱き合いながら、アンジュとツクヨミにそう告げる。

 

「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」」」」」

 

とその時、天井から叫び声が聞こえて見上げると、ゲイツ達が落ちて来た。

エールとブラックが額をぶつけ合った直後に三人も落ち、アムールを天辺にして積み上がり、山が出来上がった。

 

「何やってんのアンタ達……」

 

「ご、ごめんなさい……」

 

「それより、ここはなんだ?」

 

「ん?」

 

後からやって来たゲイツ達は辺りを見渡しているそんな中、エールがステンドグラスの山の傍に落ちてた何かを見つけて拾う。

 

「何だろ、これ?」

 

そこへブラックとホワイト、ゲイツ達が、彼女の手に持った黒い物を覗き見る。

 

「それってカメラ?」

 

「随分古い物のようだけど……」

 

「見た所、フィルムカメラみたいだな」

 

それは、フィルムタイプで古い一眼レフカメラだった。

 

「こ、これは……!」

 

「知ってるのかいアンジュ?」

 

「勿論ですよ!これ、幻のミデンFMk-Ⅱですよ!」

 

ウォズが知っているのかと尋ねられたアンジュが、いきなりカメラを見てミデンと言い、これを聞いたエール達は驚いた。

 

「み、ミデンって……」

 

「このカメラの名前!最近発表されたミデルタD9の元祖とも言えるフィルムカメラなの!発表後すぐにメーカーが倒産してしまい、市場に出回ったのはごく僅かで―――!」

 

このカメラの事を知ってたアンジュがエールに説明を早口で行う。それを聞いていたブラックは思わず汗をたらしながら困惑する。

 

「く、詳しいね……」

 

「あの子、ちょっと色々詳しめなんで……」

 

「それよりも、そのカメラの名前がミデン、あのてるてる坊主の怪人もミデン」

 

「偶然にしては、怪しいな」

 

「もしかして、ミデンの正体って……」

 

「見たな」

 

その時、ミデンの声が聞こえると、エールの持つカメラのレンズからまたしても白いものが現れ、それはミデンの姿となってエール達の前に現れた。

 

「一体このカメラは何なの?」

 

「この寂しい部屋はなに?」

 

「くっ……黙れ、だまれええ‼︎」

 

ブラックとホワイトが問いかけるとミデンは叫びを上げながらとエール達をなぎはらい、再びみんなの上空を浮かぶ。

 

「ぼくは……ぼくは好きでこんな所にいたわけじゃない。

暗い箱に閉じ込められたまま何十年、誰にも使われずたった一人で、ただただ朽ち果ててゆく。

そんな孤独が、お前たちに分かるか!」

 

それを聞いたアンジュはカメラを拾って開けてみるが、フィルムすらない空っぽのままだった。

 

「何もない……」

 

「つまりミデンは、使われなかったカメラのオバケ」

 

「だからわたし達の記憶を奪っていたのね」

 

「本当なら、このレンズに写すはずだった楽しい思い出を……」

 

「空っぽのまま一生を終えたぼくの絶望、お前たちに分かるまい!」

 

「空っぽ……思い出が何もないってこと?だからあの時……」

 

それを聞いていたエールは、ミデンが言っていた“私の記憶”という言葉の意味を察した。

 

「わたしはこれから、誰よりも幸せになる。世界中のキラキラな記憶すべてを、私のものにしてやる!」

 

そんなミデンの叫びを聞いたゲイツ達は、彼の前に出て口を大きく開いて叫び出す

 

「ふざけるのもいい加減にしろ!そんな事許される訳ないだろ!」

 

「自分勝手な理由で、他者の大切なものを奪うことは許されません!」

 

「大体、人のものを横取りしても幸せになんてなれないのです!」

 

「あなたのやってることは不幸になる人を増やすだけ」

 

「ミデンお願い、みんなの記憶を返して」

 

アムールとマシェリ、アーラがゲイツに続いてそう言い、ホワイトがミデンに、自分のやっている行いを止めるように頼んでみるが……

 

「うるさい、うるさいうるさーい!!」

 

みんなの言葉に激怒したミデンは目からビームを放つが、全員は当たる前に躱した。

 

「返すつもりはなさそうだね!」

 

「仕方ない。実力行使しかないね」

 

「やむ終えん!」

 

ゲイツとウォズ、ツクヨミはそれぞれ、ゲイツマジェスティウォッチとギンガミライドウォッチ、ツクヨミウォッチを取り出す。

 

『ゲイツマジェスティ!』

『ギンガ!』

『ツクヨミ!』

 

三人がドライバーにウォッチを装填し、構える。

 

「「「変身!」」」

 

同時にドライバーを回し、そのままアーマーが体に纏われる。

 

『マジェスティタイム!G3・ナイト・カイザ・ギャレン・威吹鬼・ガ・タ・ッ・ク!ゼロノス・イクサ・ディエンド・ア・ク・セ・ル! バース・メーテーオ・ビースト・バロン! マッハ・スーペクター・ブレイーブ! クーローズ!仮ー面ーラーイダーー!Ah~!ゲイツ!マジェーースーティー!』

『投影!ファイナリータイム! ギンギンギラギラギャラクシー!宇宙の彼方のファンタジー! ウォズギンガファイナリー!ファイナリー!』

『ライダータイム!仮面ライダーツクーヨミ♪ツ・ク・ヨ・ミ! 』

 

変身を完了すると、アンジュ達と共にミデンへと向かい、ミデンを抑えようと試みる。

 

「えい!」

 

エトワールが跳びかかって左腕を掴み、そこへマシェリが真上から両足蹴りを叩き込む。

 

「「たあっ!」」

 

ミデンは二人を振り払おうと全身を回転させるが、ブラックとホワイトのダブルキックが命中して吹き飛び、柱に叩き付けられる。

 

「「このっ!」」

 

柱から離れた所にエトワールとマシェリが降り、アーラとツクヨミが攻撃が決まる。しかし、ミデンも諦めず反撃に出る。

 

「はぁぁ!」

 

「ううっ」

 

ウォズがギンガファイナリーの力でミデンの動きを抑えようとする。

 

「うおおー!」

 

ミデンは強引にそれを解き突撃を試みる。

 

「せぁ!」

 

そこへ、ゲイツがパンチを繰り出しミデンを離す。

そんな中、みんなが必死に戦っている中でエールだけが一人、ずっと立ったままでいた。

 

「思い出がないって……楽しいこと、うれしいこと、一つもないっということ?

生まれてから…今まで寂しいとか、苦しいとか、そんな気持ちでいっぱいだったていうこと?

みんなつらい気持ちだけが、ずっと続いいているってこと?

……ううん、あの時だってわたしにはソウゴがツクヨミ、ハリーもはぐたんもなぎささんもいた。

うちに帰れば、パパもママもいる。学校に行けば友達もたくさん……

何もないって……どんな気持ち?」

 

『ナイト!』

「はぁぁ!」

 

エールが考えているとゲイツのウイングランサーの一撃がミデンを吹き飛ばした。

 

「よし!」

 

「「今よ!」」

 

「ああ!」

 

「あっ!」

 

ミデンの戦いに決着を付けようする為に、ブラックとホワイトがマーブルスクリュー、ゲイツがフィニッシュタイムでタイムバーストを放とうとする。

 

「待って!」

 

「「「えっ?」」」

 

だがエールに待ってと言われ、三人が攻撃を止める。

 

「ここで決めなきゃ女が廃る!」

 

「「ゲイツ君!」」

 

しかし、油断した所にミデンは拡散するビームを放った。

 

「「キャー!」」

 

「ブラック!ホワイト!」

 

ブラックとホワイトはそれを見て、ゲイツを突き飛ばし攻撃から逃した。

 

「みんな!」

 

そこへソウゴがようやくここへ現れた。

 

「「…ん?ん?ん?」」

 

だがソウゴが現れたのと同時に、ブラックとホワイトまでもが先の攻撃で二人までも赤ん坊になってしまった。

 

「どうしたの?エール」

 

「なんで止めた!」

 

「ん……わたし……」

 

ゲイツはなんで攻撃の手を止めさせたのだと問いただすが、エールは何故、自分でもあそこで攻撃を止めたのかわからなかった。

 

「残る6人のプリキュア達よ、とっとと記憶をよこしなさい!」

 

ミデンはエール達へ向かって来る。

 

「「させるか!」」

 

ゲイツとツクヨミが迎え撃とうする。

 

「どけぇぇぇぇ!エクシードチャージ!」

 

ミデンがファイズの力を使うと赤い円錐状のエネルギーが現れ、それを見て危機感を感じたゲイツとツクヨミはみんなの盾になろうとする。

 

「我が魔王!危ない!」

 

ウォズはジオウに変身していない今のソウゴでは危ないと察知し、ソウゴをここから突き離す為に押す。

 

「うわぁぁぁぁぁ!」

 

「「「「キャーーーー‼︎」」」」」

 

ミデンはそのまま押し込んでゲイツとツクヨミを吹き飛ばし、エール達に強烈な一撃を与えた。辛うじてソウゴはウォズに突き飛ばされた為に無事ではあるが、エールはその衝撃でステンドグラスにぶつかってしまう。

 

 

一方で、ハリーとはぐたんと赤ちゃんとなったプリキュア達のいる部屋では……

 

「な……何や?」

 

ハリーは物音に気付き、ステンドグラスの割れた面を覗く。

 

「あ……ん?あっ!」

 

そこには倒れているエール達の姿があった。

 

「うん?」

 

「「ふええええん‼︎」」

 

さらに赤ちゃんにされたブラックとホワイトの姿もあった。

 

「えらいこっちゃ!あの二人を助けたらんと!……お?」

 

急いでみんなを助けに行こうと試み、ステンドグラスの裂け目に入ろうとしたが、途中で引っかかてしまう。

 

「と……通れへん、んっ、んっ……こ……今度は抜けへん」

 

「はぎゅ!」

 

引っかかってしまったハリーを、はぐたんが引っ張り出そうとする。

すると小さくなったサンシャインがはぐたんの姿を確認し、ムーライトなどのプリキュア達がはぐたんの下へ集まり出した。

 

「あっ、あれ?」

 

「私も手伝う」

 

「はー……」

 

そしてはぐたんの後ろに小さくなったプリキュア達が連なり、ハリーを救出しようと試みる。

 

『せーの!んんん!』

 

「いたた……!」

 

 

はぐたん達が必死にハリーを引っ張り出そうとする一方で、ゲイツとツクヨミが倒れているみんなの代わりにミデンに迎え撃とうとする。

 

「プリキュア・マーブルスクリュー!」

 

「このぉぉ!」

 

「やらせない!」

 

ゲイツの持つビートクローザーとツクヨミの光の剣が盾となり、二人がマーブルスクリューを耐えようと試みる。

 

「くぅ!わぁぁぁぁ!」

「あぁぁぁぁぁ!」

 

「ゲイツ!ツクヨミ!」

 

ミデンの技を相殺する事は出来たが、衝撃には耐えきれなかったゲイツとツクヨミはエール達が倒れた所まで落ちてしまう。

 

「くう……そんな目で僕を見るなー!」

 

その時、ミデンがみんなの前に現れてエール達を取り込もうとした。

 

「ん……みんな……?」

 

気を失っていたソウゴが目を覚まして起き上がると、エールやゲイツ達、みんなの姿がなく、ミデンだけがソウゴの前で佇んでいた。

 

 

そして、ミデンの中へと取り込まれたエールは……

 

「んん……?

そっか、ここがミデンの心の中……本当に何もない……

何もないから、踏ん張れなかったんだ……1人で落ちていくしかなかったんだね……」

 

彼女は何も無い、まさに虚無なる闇のような空間で。

思い出も記憶も、魂も心も無い様な存在――ミデンの中へ、まるでナニカに吸い込まれるかのように、只々落ちて行くように感じていた。

 

 

ステンドグラスが集まった部屋では、ソウゴとミデンと赤ちゃんへと変化されたブラックとホワイトしかいなかった。

 

「「ふええええん!」」

 

「クッ……フフフ……アハハ!

やった、やったぞ!これですべての記憶は私のもの!

世界中の幸せがわたしのものだ!なんでも出来る!なんでもなれる!幸せ満開!ぶっちゃけありえなーい!ハーッハッハッ!」

 

「……本当に幸せなの?」

 

プリキュア全員の記憶を奪ってハイテンションだったミデンに、ソウゴは本当に幸せなのと問う。

 

「喋り方や口癖も、みんなから奪っただけだよ」

 

そう言ってそのまま、自身を忌々しく睨み付けてくるミデンに語り続ける。

 

「……確かに、本当に幸せかどうかとか、その幸福がなんなのかとか、俺にもわからないことはあるよ」

 

――スウォルツの所為で、早くに家族を失った俺には、家族の幸せとかよくわからないし。家族の思い出が無い事自体。もしかしたら、それが此処にはいない誰かにとって、それこそが本当の幸せなのかもしれないから。記憶が、思い出が大事かどうかなんて、わからないことだってあるよ。

――でも……

 

「他人から奪った記憶から生まれる幸せは、本当の幸せじゃない!それだけはわかる!」

 

自分はみんなと出会ってから、色んな思い出が出来て、辛い事や悲しい事、楽しい事が一杯あった。

けどその記憶は、一人じゃ出来なかった幸せ。

自身を支えてくれた周りの人や、これまで苦楽を共にしたみんながいたからこそ出来た幸せ。だから―――

 

「うぅぅぅ……うるさい!それなら!お前の記憶も貰う!」

 

するとミデンはソウゴへと向かっていき、彼の記憶をも奪おうとする。

 

 

そんな中、ステンドグラスの裂け目に未だにハリーが引っかかっていた。

 

「んー!」

 

はぐたんはブロッサムを掴み、そのまま引っ張り出す。

 

『うわぁ⁉︎』

 

「ぶへっ!」

 

ようやく、ハリーを引っ張り出す事が出来た。

 

「きゅ~」

 

「やった」

 

『やった!』

 

「やったちゃうわ!どないしょ、エール達までやられてしもた!このままやとソウゴも!」

 

「はぎゅ」

 

それを聞いたはぐたんは慌てて、裂け目から様子を見る。

 

「あっ……ない……エールない……ないない……みんなない……」

 

「あかんでこれは……プリキュア全滅やー!」

 

ハリーがプリキュア全滅だと言うと、はぐたんも涙目になりそうになる。

 

「うう……うう……あっ!ぷりきゅあ!ぷりきゅあ、いゆ!」

 

『うん?うーん……』

 

はぐたんが後ろを指差すとここにプリキュアがいると言う。

 

「………せや、こいつらも元に戻したったらええねん!」

 

『ええ?うん?』

 

元に戻せばソウゴの助けになると思う。しかし…

 

「…って無理や!未来から来た俺たちには、こいつらを元に戻してやるほどの思い出があらへん!」

 

もしも、彼女達と親しい者達が居れば、先程ブラックやエール達が行った、彼ら彼女らの記憶を基点としてプリキュア達の年齢を元に戻せたのかもしれない。

だが、ハリーとはぐたんは未来から来た存在。その為二人は、彼女達の記憶をあまり持っていない。

これでは元に戻せないと頭を悩ませるハリーを見て、はぐたんがある一言を言った。

 

「……エール……フレフレ……エール……」

 

「はぐたん……」

 

「フレフレ……アンジュ……

フレフレ……エトワール……

フレフレ……マシェリ……

フレフレ……アムール!

フレフレ……アーラ!

…はぎゅ?」

 

「うん?どうした?はぐたん」

 

「ん~・・・はぎゅ~!」

 

はぐたんは画面を叩くと何かを訴える。

―――えっ?なんの画面を叩いているだって?ミライパッドじゃねーの?

 

「あう!フレフレ!あうよ!」

 

「そうか!その手があったか!」

 

ハリーがはぐたんの行動を見て、何かのヒントを閃いた。

 

「さすがはぐたんや!」

 

ハリーは赤ちゃんとなったプリキュア達へ振り向く。

―――アレ?なんかハリーがこっちの方も向いている様な気がする。

 

「おーい!ミラクルライトを持っとる君らや!

みんなはどのプリキュアが好きや?

キュアエールか?キュアアンジュか?他にもたくさんおるで!キュアホイップやキュアミラクル、キュアフローラやキュアラブリーやプリキュアはたっくさん、たっくさんおる!

1人じゃなくてええ、今まで好きやったプリキュアの名前全部呼んだってくれ!

そしてジオウに、そのエールをみんなに送るんや!きっと!ジオウがみんなを助けてくれる!」

 

「フレフレ、プリキュア!」

 

はぐたん達はミラクルライトを振り、光を集める。

 

「その調子や!もっと大きい声で!」

 

「「フレフレ!プリキュア!フレフレ!プリキュア!フレフレ!プリキュア!」」

 

更にミラクルライトを振り、光を集める。その光はステンドグラスの裂け目からソウゴの元へ集まっていく。

 

「ぬうわぁぁぁ!」

 

ミデンとソウゴの周りに光が集まり、ミデンがそれを受けてソウゴから離れる。

 

「これは……」

 

ミデンの攻撃を何とかギリギリで避けようと思っていたソウゴが己の周りを見てみると、ミラクルライトの光が自身の周りを囲んでいた事に驚く。

 

「ソウゴ!それは、みんなのミラクルライトに乗せた応援や!みんなお前に託すで!」

 

「フレフレ!ソウゴ!」

 

ソウゴの周りも光はさらに集まっていた。

 

「凄い……これが、ミラクルライトのみんなの応援……」

 

その時、ソウゴの頭上から光と闇の力を秘めた白と黒のエネルギーが現れ、それはミラクルライトの光と共にソウゴの持つジオウライドウォッチⅡへと集まっていった。

 

「ジオウウォッチⅡが……」

 

集まった光によってジオウウォッチⅡが変化を続け、ウォッチの灰色にも見える銀色は青が混じった様な銀へ、黒い部分もその色が剥げていき銀色へと姿を変える。

そして、変化を終えるとソウゴの手に置かれた。

 

「これは……」

 

ソウゴはそのウォッチを握って、色んな思いが――ハリーにはぐたん、みんなの願いから生まれた光をその身に感じた。

 

「……このウォッチ……凄くいける気がする」

 

自信に満ちた笑みを浮かべたソウゴは、そのウォッチを起動する。

 

『ジオウハーモニクス!』

 

ソウゴが『ジオウハーモニクス』という音声を流したウォッチのダイヤルを回し、ジオウの顔が描かれたピクトウィンドウが移動すると、そのウォッチを二つに分割してドライバーへと装填した。

二つのウォッチをスロットに装填されたドライバーのロックを解除すると、背後から青色へと変わった二つの時計が現れた。

 

「変身!」

 

そして掛け声と共にドライバーを回し、時計の針が左右対象へと止まると、銀色の時計バンドの様なエフェクトがソウゴの体へ纏われる。

 

『ハーモニクスタイム!混沌の闇を射せ、大いなる真理の光!仮面ライダージオウ!ハーモニクス!』

 

ジオウが変身した姿を見てみると、銀は青の混じった銀へ、黒から銀色に変わったジオウⅡのライダースーツに纏われ、背中には光り輝く二つの大きさのリングが現れていた。

 

「凄い……これが、みんなの応援……」

 

ジオウハーモニクスへと変身した彼は、その姿に驚いていた。

何故なら、この姿に変身していると、身体からもの凄く強い力が沸いてきたからだ。

 

「凄い……凄いよ!また、そんな輝くなんて!欲しい……欲しい!」

 

ミデンはジオウハーモニクスへ変身したジオウを見て、欲しいという欲求を全開にしてジオウに突っ込む。

 

「⁉︎」

『ジカンワンダー!』

 

ジオウが咄嗟に片手をミデンの前に伸ばすと、長めの曲がった杖の武器『ジカンワンダー』が現れた。

 

「ふっ!」

 

その杖を握ったジオウは力を入れると、杖の先端辺りから衝撃波が放たれ、ミデンを吹き飛ばした。

 

「これなら……いける!」

 

ステンドグラスの上へ飛び上がると、ジカンワンダーを掲げてステンドグラスにジカンワンダーを向ける。

するとステンドグラスが全て光り出し、プリキュアのステンドグラスはハリーとはぐたんのいる場所にいるプリキュア達へ流れ始め、更にジオウの上空に19枚のステンドグラスが宙に浮く。

 

『はぁ!』

 

そのステンドグラスから『2000』〜『2017』までの各年号が現れるとそこから、クウガ、アギト、龍騎、ファイズ、ブレイド、響鬼、カブト、電王、キバ、ディケイドライバーが白いディケイド、W、オーズ、フォーゼ、ウィザード、鎧武、ドライブ、ゴースト、エグゼイド、桐生戦兎の変身するビルド、19人の仮面ライダーが現れた。

 

「ふぅん!」

 

ジオウは呼んだ19人と一緒にここから消えた。

さらに赤ちゃんされたプリキュア達は飛び出した光と一斉に外へ出ると、プリキュア達の姿が元に戻っていた。

 

「あっ……ホワイト」

 

「ブラック……」

 

「あっ……」

 

「「ルミナス!」」

 

「皆さん!」

 

元に戻ったブラックとホワイトは、同じく赤ちゃんから元の年齢に戻ったルミナスの下へ駆け寄る。

更に別の場所でも、ブルームにイーグレット。

ドリームにルージュ、レモネード、ミント、アクア、ミルキィローズ。

ピーチ、ベリー、パイン、パッション。

ブロッサム、マリン、サンシャイン、ムーライト。

メロディ、リズム、ビート、ミューズ。

ハッピー、サニー、ピース、マーチ、ビューティー。

ハート、ダイヤモンド、ロゼッタ、ソード、エース、ジョーカー。

ラブリー、プリンセス、ハニー、フォーチュン。

フローラ、マーメイド、トゥインクル、スカーレット。

ミラクル、マジカル、フェリーチェ。

ホイップ、カスタード、ジェラート、マカロン、ショコラ、パルフェ。

それぞれのプリキュアが、元に戻れた事を喜び合っていた。

 

「やった!戻ったよ!」

 

「はい!よかったです!」

 

全員が元に戻った事に、みんなが再会出来たことに喜んでいると、ジオウが19人のライダーと一緒に瞬間移動のように現れた。

 

「ソウゴ!お前……」

 

するとそこへ、ミデンの取り込まれていた筈のゲイツ達が現れ、それを見たジオウは安堵の息を漏らす。

 

「みんな!よかった!」

 

「ソウゴ。それは、新しいジオウですか?」

 

「それで、私達を……」

 

アムールは目の前にいるのが新しいジオウの姿だと分析し、アーラ達が今のジオウの姿を見て、彼がみんなを助けてくれたのだと気付いた。

そこへ、ウォズが前に出て叫ぶ。

 

「祝え!混沌の世界に青く優しき光をもたらすライダーの王を!その名も、仮面ライダージオウ・ハーモニクス!まさに、調和と再生をもたらす王の誕生である!」

 

ジオウハーモニクスを見てウォズがいつもの祝えと叫び、そのまま祝いの言葉を述べた。

それを見ていたキュアハートがその姿を見て、かつて晴夜が変身した“メサイアニックロードフォーム”と重なって見えた。

 

(あれは……晴夜の……そうか、ソウゴ君に自分の力を託したんだね)

 

あのジオウには晴夜の力もあるのだと気付くと、アンジュ達は何時もいる筈の人物がいない事に違和感を覚えた。

 

「ソウゴ君、あ……あれ?」

 

「なんでエールだけいないの?」

 

「他のプリキュアのところに混ざったのでょうか?」

 

「お姉ちゃんどこ?」

 

「んー……あー!まさか……この下に落ちちゃったとか……おー……」

 

エトワール達はエールだけ姿がなかった事に疑問符を浮かべ、マシェリが宙に浮かんだ城の下を覗いて背筋を凍らせていると、ジオウはエールの今いる場所に検討が付いていた。

 

「あ……もしかして……」

 

ジオウが先までいたミデンの城を見上げると、そのままリングの光を使って城の方へ向かう。

その頃、ステンドグラスが集まっていた部屋ではミデンが胸を抑えて苦しんでいた。

 

「ああ!うう……胸が苦しい!こ……これは!」

 

ジオウによって彼の体内からゲイツ達が出て行った中で、ミデンの体内の中では未だにエールがしがみついていた。

 

「うっ、うう……くっ、くう……まだ出てくもんか…」

 

「お……お前、わたしの中で何をしている!」

 

「今わたしが出てったら、あなたがまた1人になっちゃう」

 

ミデンがエールに怒鳴り掛けている中、彼女は必死にミデンの中で彼と正面から向き合おうとする。

 

 

外では、上空にあるステンドグラスからミデンの中にいるエールの姿が映し出されていた。

 

「…そういうこと。フフッ、エールらしい」

 

「なんか、わたしがはなと友達になった時のこと思い出すね」

 

アンジュとエトワールが呟いていると、そこへホイップとマジカル、ミラクルが駆け寄って来た。

 

「そうだよね。誰の心にもキラキラルが生まれるはず」

 

「だったら……いえ、だからこそ」

 

「奇跡、起こしたいよね」

 

「よし!わたし達も行こう!」

 

エールを見ていたブラックの一声に頷いたプリキュア達は一斉に走り出す。

そして、ジオウに呼ばれた19人の仮面ライダー達。彼らは異なる時間から呼ばれた為に最初は状況が掴めなかったが、ここでやらなければならない事はわかった。

 

「なるほど、だいだいわかった」

 

「彼が俺達をここへ呼んだ理由も」

 

「行こう!あのミデンに笑顔を作るんだ!」

 

クウガの一声に頷き、ジオウによって呼ばれた仮面ライダー達も一斉に走り出す。

 

 

「ミデン……」

 

苦しみながらも未だに暴れていたミデンの下へ、ジオウが駆け寄る様に現れた。

 

「やめろ!私の中で暴れるな!お前達と話すことはない!出ていけ!」

 

「いや!私は話したいの!ちゃんと話してくれるまで出ていかないから!」

 

「お前達は記憶を渡せばいいのだ!私の中をかき乱すな!」

 

すると彼の体から小型のミデンを大量に放出され、そのまま現れた小型のミデンは外へと溢れ出した。 

 

「あれは……」

 

「小型のミデン!」

 

小型のミデン達は仮面ライダーとプリキュアに一斉に攻めてきた。

 

「へぇ〜、ちっちゃいとちょっとかわいいじゃん」

 

エトワールが小型のミデンを捕まえて言う。

 

「全然可愛くないのです!小っちゃくてもナメてはいけないのです!」

 

アムールも駆けつけ、マシェリはアムールの腕に乗り、同時攻撃を仕掛ける。

 

「行くのです!」

 

「えぇ!」

 

二人の息のあったコンビネーション攻撃により、小型のミデンが次々と浄化されていく。

 

「ツクヨミお姉ちゃん!」

 

「うん!」

 

アーラとツクヨミがお互いにジャンプしながら攻撃を一緒に繰り出していると、更にゲイツとウォズに大量の数が襲ってきた。

 

「ウォズ!」

「あぁ、ゲイツ君!」

 

『タイムバースト!』

『エクスプロージョン!』

 

ゲイツとウォズと同時に放ったライダーキックの衝撃波で、彼らの周りにいた小型のミデンは全て消えた。

 

次にビルドが小型のミデンへと向かっていく。

 

「さぁ〜ミデン!実験を始めようか?」

 

ビルドは自身武器『ドリルクラッシャー』による高速回転の斬撃を繰り出し、ミデンの小型を攻撃。次々と倒していき、さらに得意の脚力で難なく躱す。

 

「ミデン!まだまだ、これからだぜ!お前の為の勝利の法則を見つけてやる!」

 

ビルドと同じくエグゼイドも……

 

「ミデン!お前の運命を俺が変える!」

 

エグゼイドはガッシャコンブレイカーをハンマーモードとし、小型のミデンをジャンプをしながら叩いたり飛んだりを繰り返しながらを攻撃していた。

 

「行くぜ!お前をノーコンテニューでクリアしてやるぜ!」

 

チョコブロック型の足場を利用しながら翻弄するエグゼイドと同じように、ゴーストも小型のミデンと戦っている。

 

「ミデン!お前にも心がある!」

 

小型のミデンの突進をゴーストは浮きながら攻撃を躱し、巨大な竜巻を作り小型のミデンを吹き飛ばす。

 

「心があれば何だって出来る!だから、お前の可能性を信じる!命燃やすぜ!」

 

ドライブは小型のミデンに持ち前のスピードで、巧みな攻撃を繰り出していた。

 

「ミデン!お前のトップギア!俺もついていくぜ!」

 

『ヒッサーツ!フルスロットル!』

 

シフトレバーを引くと、トライドロンが現れて勢いよく周囲を囲む。

 

『スピード!』

 

トライドロンが囲んだ中へと飛び込むと、ドライブが周りをトライドロンの高速移動をしながら多くの小型ミデンに連続キックを喰らわせる。

 

「ヤァァァァァ!」

 

最後の一発に放たれたキックが小型のミデン達を貫いた。

 

「さぁ、俺達と一緒に一走り付き合えよう!」

 

そしてドライブはいつもの仕草を取り、ミデンに語りかける。

鎧武は橙丸と無双セイバーを使い、小型のミデンに攻撃していた。

 

「ミデン!ここからは俺達のステージだ!」

 

「はぁ!ヤァァァ!」

 

ウィザードのアクロバットの動きで炎を纏った攻撃が小型のミデンへと決まり続ける。

 

「ミデン!諦めるな!俺も絶望の淵から魔法使いになった!」

 

そう言ってウィザードは指に嵌めたリングをドライバーに翳す。

 

『チョーイイネ!スペシャル!サイコー!』

 

前方に魔法陣が出現すると、炎を纏った衝撃波を放ち一掃した。

 

「だから、俺がお前の最後の希望になる!」

 

「ミデン!お前ともダチだ!」

 

フォーゼがスイッチを使い攻撃していき、ミサイルやガトリングを放って小型のミデンを倒していく。

 

「ミデン!お前の思い、俺達が受け止めてやる!」

 

フォーゼが胸に手を当てて腕を伸ばしていると、オーズは腕に装着されたトラクローで攻撃し、小型のミデンを切り裂く攻撃を繰り出し続ける。

 

「この手で掴めるものがあるなら!俺は迷わず掴む!」

 

最後にバッタの脚力で空中から落ちながらクローを放ち、一掃する。

 

「だからミデン!俺は君と手を繋ぎたい!」

 

こちらでは、Wが風を纏いながら強力なキックを連発する。

 

「はぁ!ほぉら!」

 

Wの攻撃にミデンは反撃に出る事はない。

 

「ミデン!俺達は自分の罪を数えた!」

 

「今度は君の罪を数える番だよ」

 

「「さぁ、お前の罪を数えろ!」」

 

手首を回し、二人の決め台詞を爆発四散したミデンに向けて叫ぶ。

 

「ミデン!俺も記憶を無くし、多くの世界を周り、沢山の世界から自分の世界を探した」

 

白いディケイドライバーを装着したディケイドは、小型ミデンに話しながら攻撃を繰り出し続けていた。

 

「ヤァァァ!」

 

さらにソードモードのライドブッカーの攻撃でこちらも一掃した。

 

「それで、ある結論が出た。どんな世界でも在り方したいでは、自分の世界に出来る……ってな」

 

最後にそう言ってライドブッカーを仕舞い込む。

 

「はぁぁ!」

 

キバは持ち前の身軽さによる攻撃で小型のミデンで攻撃する。

 

「君の心から流れる音楽……その音楽を信じて僕は君の為に戦うよ。ミデン!」

 

さらに、こちらは電王がデンガッシャーを振り回しながら攻撃する。

 

「おい!ミデン!記憶が欲しいんなら!よーく!お前の胸に刻みやがれ!俺のクライマックスをな!」

 

そう言って雑…いや、持ち前の剣技を使い小型のミデンを倒していく。

 

「行くぜ!行くぜ!行くぜ!」

 

さらにミデンに突撃していくと、カブトがクロックアップの超スピードで小型のミデンを倒していく。

 

「ミデン。お前に忘れない事を教えてやる」

 

後ろ向きで語り出すと、自身に突進して来た小型ミデンに裏拳を織り交ぜたパンチを繰り出す。

 

「そう。世の中で覚えておかなければならい名前がただ一つ……

天の道を歩き全てを司る男……

そう、この俺の名……天道、総司」

 

天に向けて指を指すといういつものポージングを取り、カブトは名乗りを上げる。

 

「トリャャ!」

 

響鬼は二つの棍“音撃棒・烈火”に炎を纏わせて、小型のミデンを倒していく。

 

「ミデン。君の気持ちはわかった辛いなら、一緒に自分を鍛えよう」

 

いつもの手首を回し、決めポーズを取ってミデンに向けてそう語り掛ける。

 

「はぁぁ!」

 

ブレイドはブレイラウザーから繰り出される剣技によって小型のミデンを倒し続ける。

 

「ミデン!お前が間違えたのなら!俺達がお前を正しい道へと連れて行く!」

 

「はぁぁ!」

 

ファイズは手首を回し、ラフな戦い方で倒していく。

 

「ミデン!お前の辛い気持ち。俺も一緒に背負ってやる!」

 

「はぁぁ!」

 

龍騎はドラグセイバーで小型ミデンを攻撃し、寄せ付けない様にする。

 

「俺達は仮面ライダーだ!ミデン!君だって助ける!

それが、仮面ライダーだ!」

『ADVENT!』

 

ドラグバイザーに“アドベント”のアドベントカードを装填させるとドラグレッダーが呼ばれ、ドラグバイザーから放たれた火炎攻撃で全て薙ぎ払った。

 

「しゃ!」

 

「ほぉ!タァァ!」

 

アギトは光が纏われたパンチとキックが炸裂し、小型ミデンを吹き飛ばして行く。

 

「君は帰る場所である。家と人と人の思い出が欲しかった。ならば……」

 

アギトの腕から伸びる様に作られた光の刃が、更に討ち払っていった。

 

「ミデン!俺達が君に帰る場所を作る!」

 

「オリャャャャ!」

 

最後に、平成最初の仮面ライダー・クウガが挑んでおり、クウガからパンチとキックが繰り出された。

 

「俺は、みんなの笑顔を守りたい」

 

そう叫びながら小型のミデンに次々と決めて行く。

 

「だから、ミデン!君が笑顔にならないのなら、俺が君を笑顔にする!」

 

クウガは親指を上げてサムズアップをおこない、ミデンへ向けて笑顔にすると言う。

だが、ここで頑張って戦っているのは仮面ライダーだけではない。彼女達プリキュアも、仮面ライダーに負けない以上に闘っている。

 

「ホイップ・ステップ・ジャンプ!ホイップ・デコレーション!」

 

「カスタード・イリュージョン!」

 

「ジェラート・シェイク!」

 

「フフッ、かわいいわね……」

 

「ふっ!はあっ!」

 

ホイップとカスタード、ジェラートの三人が小型ミデンを大量にデコレーションしていきながら浄化させ、パルフェもマカロンが小型ミデンを手で掴んでいる付近で倒していく。

 

「記憶を奪われたら、スイーツの知識もなくなっちゃいます!」

 

「燃え上がった情熱も!」

 

「失敗した事もそこから立ち上がった事も!」

 

「今まで出会った大好きな人たちも、全部私達の大切な思い出だ!」

 

「本当のトキメキ、教えてあげる!」

 

「私達の思いとエールの想いを!」

 

「「「「「「レッツ・ラ・まぜまぜ‼︎」」」」」」

 

カスタード、ジェラート、パルフェ、ショコラ、マカロン、ホイップの六人が小型ミデン達を倒していると、箒に乗って空を飛んでいるキュアミラクルとキュアマジカルが小型のミデンに追われていた。

 

「リンクル!ピンクトルマリン!」

 

だが地上から放たれたフェリーチェの支援攻撃で難を逃れる。

 

「キュアップ・ラパパ!エールの思いが届きますように」

 

「私達の思いが届きますように」

 

「ミデンの心が救われますように」

 

「「「キュアップ・ラパパ‼︎」」」

 

ミラクルとマジカル、フェリーチェの三人が、いつもの呪文をミデンに向けて唱える。

 

「プリキュア・ミーティア・ハミング!」

 

「楽しい思い出が欲しい、それが夢だったのね」

 

「おんりゃー!待っててミデン。エールが、私達が、あなたの絶望の檻開いてみせる!」

 

「さあ!」

 

「「「「お覚悟はよろしくて?」」」」

 

トゥインクルとマーメイド、フローラ、スカーレットの四人が華麗に小型ミデンを倒しながら、揃っていつもの台詞を掲げていた。

 

「まだまだ!」

 

「ら~♪」

 

「ハワイアンアロハロエ~」

 

ハニーの歌を聴いて動きを止めた小型ミデンを、フォーチュンとプリンセスがその隙に肉弾戦とフォームチェンジ技でその数を減らしていく。

そして、大量の小型のミデンがラブリーの放ったピンク色のビームによって一掃される。

 

「わたし、世界中のみんなを幸せにしたい!ミデン、もちろん貴方にも、ハピネス注入!」

 

「「「「幸せチャージ‼︎」」」」

 

「はあっ!」

 

そしてソードは手にエネルギーを纏った手刀で切り裂き。

 

「ヤァァァ!」

 

ジョーカーがミラクルドラゴングレイブから放たれた光を放ち続ける。

 

「はっ!」

 

ダイヤモンドが地面に着地すると、氷の衝撃波で打ち消し。

 

「はあっ!ウフッ」

 

エースが爆発波のような攻撃で吹き飛ばした。

 

「くう……」

 

ロゼッタが小型のミデンを防ぎハートが目の前に迫る小型のミデンを一掃する。

 

「愛を知らない悲しいカメラさん、あたし達プリキュアが、あなたのドキドキ取り戻してみせる!!」

 

ハートが手でハートマークを作り、ミデン達に向けて言い放っているその近くで、スマイルプリキュアの5人が小型のミデンに囲まれてもお構い無しに攻撃を行なっていた。

 

「はあっ!」

 

「参ります」

 

「おりゃあ!」

 

「一気に来ないで!」

 

「ううっ!気合いだ!」

 

流石に大量のミデンに手を焼いていたハッピー達だったが、気合いを入れて放った技で何とか一掃することが出来た。

 

「どんどん行くよ!目指せ!」

 

「「「「「みんな笑顔でウルトラハッピー‼︎」」」」」

 

「私にも聞こえる、ミデンの悲しみが」

 

「ビートソニック!」

 

「スパークリングシャワー!」

 

「はああぁぁぁーッッ!ここで決めなきゃ、女が廃る!」

 

スイートプリキュアの四人は、時にはその場で音楽を奏でながら、ミデン達に立ち向かっていく。

 

「んんー!ブロッサム!」

 

「おしりパンチ!」

 

「ふっ!はあっ!」

 

「ふっ!ふっ!」

 

ハートキャッチプリキュアの四人はパンチやキック、向日葵型のバリアを張ってのガード、ヒップアタックを繰り出してミデン達を倒していく。

 

「砂漠にだって花は咲きます。ミデンの心の花、みんなの力で咲かせましょう‼︎」

 

ブロッサム達も負けず劣らずに立ち向かっていたその頃、フレッシュプリキュアの四人はそれぞれラブリーリーフ・エスポワールリーフ・プレアーリーフ・ハピネスリーフと呼ばれるアイテムを取り出す。

 

「ハピネスリーフ!パイン!」

 

「プレアーリーフ!ベリー!」

 

「エスポワールリーフ!ピーチ!」

 

「ラブリーリーフ!」

 

キュアパッション、キュアパイン、キュアベリーとリーフをパスし合い、最後にキュアピーチの元に届く。そしてそのリーフで四葉のクローバーを作り、クローバーマークの中心で水晶に小型ミデンを閉じ込め浄化をした。

 

「出会いは敵同士でもやり直せる!みんなで幸せゲットだよ!!」

 

プリキュア5の彼女達はフルーレを使い、ミデンへと迎え撃つ。

 

「私は知ってる、何も持たない自分でも変われるって!だから大丈夫!みんな!」

 

「「「「「yes‼︎」」」」」

 

ドリームの掛け声で全員、小型のミデンに向かって言い放った。

 

「すべてのものに命は宿る!」

 

「きっと、ミデンにも!」

 

「だから手を伸ばしたい!」

 

「「絶対に諦めない‼︎」」

 

ブルームとイーグレットも、互いに手を繋ぎながら敵を一掃していた。

最後にブラック、ホワイト、ルミナスの三人が集まり、小型ミデンに向けて構える。

 

「「エキストリーム!」」

「ルミナリオ!!」

 

ブラックとホワイト、そしてルミナスの合体技により、残りの敵を一掃した。

 

「はあ……っ!見てください」

 

一息ついた際に何かを見つけたルミナスが指し示し、ブラックとホワイトがその指差した方を見てみると、城にヒビが入っていた事に気付いた。

 

「ヒビが入ってる、なんで?」

 

「ミデンの分身を倒したから、その分、ミデンも弱まったのかも」

 

「ってことは……がんばれソウゴ、エール。最後のひと押しはあなた達にかかってるよ」

 

 

ミデンがステンドグラスを集めていた場所から外へと出て、ジオウはそれを追いかけ、苦しみながらも記憶を求めるミデンに近づく事を試みる。

 

「うっ、ううっ、うっ……もっと……もっとたくさんのまぶしい記憶を!心を満たせばお前など!」

 

「やめなよミデン、どんなに記憶を奪っても、君の心は満たされないよ!」

 

「うるさい!うるさい!うるさーい!」

 

ミデンは五月蝿いと叫びを上げながら動き回る。

 

「ミデン!」

 

「お前……その光を……よこせ!」

 

ミデンはジオウの光を奪おうと手を伸ばす。

しかし、ジオウは衝撃波を放ってミデンの手を弾く。

 

「ミデン!自分の中の声を聞くんだ!」

 

「どうして!なんで、なんであんなに沢山!記憶があったのに……」

 

「それは、ミデン!君が一番よくわかっている筈だよ!」

 

「!?」

 

ジオウの一言を受けてミデンは動きを止めた。

 

「確かに、誰だって思い出は欲しい。でも、それは他人から奪っちゃダメなんだ」

 

「うっ……」

 

「思い出は、お互いに分かり合って、一緒に時間を過ごす……

そんな中でも思い出は広がるんだ。

そうなれば、思い出は他人と一緒に喜び合えるものに変わるんだ!」

 

「僕は……僕は…………」

 

頭を抑えるとミデンが暴れ回り、それを見ていたジオウは彼の前へと出る。

 

「ミデン!君の間違えた心を元に戻す!」

『ハーモニクスフィニッシュタイム!』

 

二つのウォッチを起動し、ドライバーのロックを解除し、ドライバーを回す。

 

『ハーモニクスタイムブレーク!』

 

ジオウがジカンワンダーを上へと掲げると、背中のリングと共に光がより強く輝き始め、その光は徐々に大きくなっていく。

 

「ぬうわぁぁぁぁぁぁーーー!」

 

その光は周りを呑み込むかのように膨れ上がり、巨大な光が周囲を囲んだ。それを受けてたミデンの体が、徐々に小さくなっていく。

その時、ミデンの体から裂け目のようなものが見えたジオウは、そこへなんの迷いも無く飛び込んだ。

 

 

 

 

エールは何とか、ミデンの中にある空間に持ちこたえていた。

するとこちらも空間の一部にヒビが入り、その光に気付いたエールはその中に入った。

 

「うっ……ん?はっ……んん……」

 

「あっ!やめろ!」

 

「ごめん、でも……」

 

「見るなあぁぁーーっ‼︎」

 

奥に踏み込んで行こうとするエールに向け、見るなと叫ぶミデン。

しかしエールは、ミデンに謝罪しながら、彼のこころの奥底へと入っていった。

 

 

 

 

「ここは……」

 

「ソウゴ……」

 

彼女が中に入ると、同じように外から裂け目の入った、ジオウハーモニクスから元のジオウの姿に戻っていたジオウと合流した。

そしてその中にはミデンにそっくりな、てるてる坊主が立っていた。

 

「………」

 

「あなたが、本当のミデン?」

 

「………」

 

「雨が……冷たくて悲しい雨、何だか、あなたの涙みたい」

 

エールが辺りを見渡すと、滝の様に延々と振り続ける雨模様が其処に映り。

それはまるで、流しても流しても決して癒えぬ、孤独と悲しみの涙の様に見えた。

 

「……ずっとこうなんだ」

 

「ずっと?」

 

「ぼくはこれしか知らない」

 

「そっか。ミデンはえらいね、ずっとこんなじゃ冷たくて、凍えて動けなくなっても仕方ないのに、自分で何かを変えようとした。でしょ?」

 

「う……でも、何も変わらなかった。

結局、僕は満たされないって……」

 

するとエールは、哀しげに俯いてそう呟くミデンを優しく抱いた。

 

「それは違うよ、誰かから奪った思い出じゃ満たされない、そう言ったんだよ」

 

「同じだよ」

 

「違うよ」

 

其処へジオウも彼の下へ近づき、エールの言葉を同じだと否定したミデンに声をかける。

 

「全然違う、人から奪うんじゃない、ミデン自身が自分で経験した記憶を積み上げていこう。それが本当の思い出になるから」

 

「僕の本当の思い出?」

 

「そう、私たちと一緒に……おいしいもの食べたり、買い物行ったり、はぐたんのお世話したり、ピクニック行ったり、泣いたり、笑ったり、怒ったり、驚いたり、キラッキラのまぶしい思い出、今からたっくさん作ろう」

 

「その全てが忘れられないくらいの、たくさんの思い出を作ろう。俺達と一緒に!」

 

「今から……」

 

「うん!」

 

エールが辺り顔で頷くと、中で振り続けていた雨もいつの間にか止んでいた。

さらにミデンが泣き崩れると、ジオウもミデンに抱きついて彼の頭を撫でた。

 

「うぅ……僕はもう、憎しみの塊なのに……」

 

「ミデン。君の時間はまだ止まっていない。

憎しみを捨てて、新しい自分を作ろう」

 

「大丈夫、未来は今から変えられるもん。

何でも出来る、何でもなれる、フレフレ、ミデン」

 

すると空間にヒビが入り、光が二人を包み込む。

 

 

 

 

「「うぅっ……」」

 

ジオウとエールが気付くとミデンと共に倒れていた。

そしてその周りには、他の仮面ライダー達にプリキュア達がいた。

 

「ソウゴ君。エール」

 

「みんな」

 

「何とかなったみたいだな」

 

「あーあ、無理しちゃって、本当ありえない」

 

「ブラック」

 

「でも、いい感じに話せたんでしょ?」

 

「うん」

 

エトワールの問いに笑顔に頷き、エールはミデンに駆け寄る。

 

「奪われた記憶を取り戻すため……そして、ミデンが前に進むために。みんな、力を貸して」

 

するとプリキュア達がそれぞれ光りだすとミラクルライトが出て来て、彼女らはそれぞれに手に持つ。

 

「ミラクルライト」

 

「……うん」

 

『うん!』

 

そして、ミラクルライトを手に取ったプリキュア達はミデンに向ける。

 

『プリキュア!レリーズシャイニングメモリー‼︎』

 

ミラクルライトが光り出すと、プリキュア達の思い出が映し出された。

 

「私達の思い出、失敗ばっかりで大好きって気持ちをあきらめかけたり」

 

ホイップはその時、初めてアニマルスイーツを完成させたことを思い出す。

 

「大切になればなるほど離れることが怖くなったり」

 

ミラクルは一度、ナシマホウ界へ帰るときにリコと再会を思い出す。

 

「絶望しそうになったことも何度もあった」

 

フローラはホープキングダムで、王子であり最愛の人となったカナタとの別れを思い出す。

 

「びっくりしちゃうことの連続だったけど」

 

ラブリーはクイーン・ミラージュとの戦いを思い出す。

 

「キュンキュンしたこともいっぱいで」

 

ハートは愛する者と仲間達と共に、ジコチューになったアイちゃんを取り戻したことを思い出す。

 

「毎日、みんなとウルトラハッピーで」

 

ハッピーは仲間達と一緒に、秘密基地を完成させたことを思い出す。

 

「楽しかった思い出が、今でも心に響いている」

 

メロディは多くの壁を乗り越え、四人の絆が深まったことを思い出す。

 

「それでも泣きたいときだってありました」

 

ブロッサムは、父親をデューンに消されて憎しみのままで戦おうとしたゆりを止めたことを思い出す。

 

「雨がとっても冷たくて心がとっても痛かった」

 

ピーチは、かつてのキュアパッションとなる前のせつなの姿であるイースと戦ったことを思い出す。

 

「みんなの心がバラバラにされて苦しかった」

 

ドリームはナイトメアとの戦いで、仲間達が捕らわれた苦しみを思い出す。

 

「でも一人じゃないから頑張れた」

 

ブルームはダークフォールとの決戦で、仲間達と戦ったことを思い出す。

 

「大好きな人達がいれば、怖くたって何度だって立ち上がれた」

 

ブラックは自身の相棒と立ち向かった、ドツクゾーンとの最終決戦を思い出す。

プリキュア達がミデンに自分達の思い出を流しているということでライダー達も手を向けて同じように記憶を流そうとする。

 

「俺も昔の記憶を忘れて、悩んだ時があった。それでも、色んな人達との出会いが俺に新たらしい記憶を思い出をくれた」

 

ビルドは最高な相棒と出会い、色んな敵と戦って彼らと仲間となり、一緒に戦い多くの思い出を作った。

 

「まだまだドクターとして、未熟な所もある。でも、健康に生きていけるように多くの人の笑顔を取り戻す為に」

 

エグゼイドはバグスターと呼ばれる怪人達とお互いに分かり合い、一緒に生きていくと決めた記憶を振り返る。

 

「英雄達の魂を引き継ぎ、人間の未来が無限の可能性があると学んだ」

 

ゴーストはアイコンの中にある英雄達の志しを学び、人間の無限の可能性を学んだ。

 

「世の中、真っ直ぐに生きている人達がたくさんいる。そんな人達を守る為に、俺は警官になったんだ」

 

ドライブは仮面ライダーとして、警察官として、多くの市民を守って行く覚悟を決めた。

 

「何度も道を迷った時があった。けど、後悔の残らない道を俺は選んできた」

 

鎧武は、世界の命運の為ならば犠牲は仕方ない。そんな世界の理屈を何度もぶち壊し、世界を救う為のある覚悟を決めた。

 

「絶望しそうになった時、俺は俺を支えてくれる人達のおかげでずっと前を向けた」

 

ウィザードは一度、魔法使いの力を無くして絶望した事があった。その時に、彼の周りの人達のおかげで魔法使いの力を取り戻した。

 

「ダチと一緒なら、どんなピンチも乗り越えられる。それが、俺達の友情の力」

 

フォーゼは多くの仲間を作り、色んな苦難を一緒に乗り越えた。

 

「手を伸ばせ、どんな人でも掴み取れる。だから、俺は人と人が繋いで生きていける世界を」

 

オーズは彼との出会いから始まり、手にした力で多くの人と手を繋ぐ事が出来た。

 

「町を泣かせる奴らから、みんなを守る。それを胸に掲げてきた」

「それが、僕達のハードボイルドだよね?」

 

Wは師匠とも呼べる恩師から学んだ事を大切に刻みながら、これからも二人で町を守り続ける。

 

「世界を撮れ、世界を撮り続け自分の世界を広げて見せろ」

 

ディケイドは己の死に場所を探すのが彼の旅路であったが、自分の巡った世界を撮り続ける為に、今も旅を続ける。

 

「君の中に流れる音楽を信じて。前に進んで」

 

キバは父から教えられた『人の中に流れる音楽を感じろ』という言葉を胸に刻み、その言葉を告げた父との別れを思い出す。

 

「とことんまで、ぶつかれ!そんでもって、てめぇの気持ちにつよくぶつける!そうすれば何とかなるんだと、教えられた」

 

電王は時をめぐる中で色んな苦難があり、その度に仲間とお互いに気持ちをぶつけ合い。強い信頼が生まれたのだと思い返す。

 

「おばあちゃんが言っていた。記憶とは儚いものだ……しかし、その一瞬にこそ、意味のあるものだと」

 

カブトは自分を引き取ってくれた祖母による教えをずっと守り、多くの人に語り続けている。

 

「とても、綺麗な夕日を見たことあるんだ。そんでもって、それ見て思ったんだ。この景色を守る為にいつも鍛えていたってね」

 

響鬼は少年と見た綺麗な夕日を見たあの日を思い返し、その景色を見るために戦っていた。

 

「人を愛しているから俺は戦う。それは、使命とか義務とかじゃなくて俺のとって何よりも大事なことなんだ」

 

ブレイドは、初めは職業でライダーをしていた。でもそんなの関係なく、彼には人を守り人を愛しているから戦う。それが給料なんかよりも大事だと。

 

「戦う事が罪だと。でも、戦う事が罪なら俺は背負うと決めた。だから、一緒に背負って行けるなら、俺は何でも一緒に背負う」

 

ファイズはかつて、相手にだって心があるだから敵として戦うのは、いいのかと迷った事があった。それでも、人を守る為に戦うことが罪なら、それを背負う覚悟が必要なのだとわかった。

 

「衝突して、言い合ってたくさんの苦難があった。けど、その度にそいつの事がわかるようなる」

 

龍騎はライダーバトルと呼ばれる戦いで、彼と出会い。多くの事を知り、よりそいつのことを知り、何とかしてやりたいと思った。

 

「君の居場所はこれから出来るんだよ」

 

記憶を無くしたアギトには、居場所がなかった。でもある家族との出会いが、彼に居場所を作った。その場所を守る為に、彼は戦い続けた。

 

「笑顔でいればどんな時でもなんとかなる」

 

クウガは初めてベルトを纏ったあの時から、誰かが傷つく姿をさせない為に、みんなの笑顔を守る為にと決めて戦ってきた。

 

全ての仮面ライダー達とプリキュア達がミデンへと自分達の記憶を流し込みつづける。

 

「ミデン……今日、貴方と出会ったこともいろいろあったつらいことも……きっとまた思い出になる。

未来で私達に勇気をくれる。

そう教えてくれたのはミデン、あなただよ」

 

「はっ……」

 

「ミデンがみんなの思い出をつないでくれたからそう信じられる、ありがとう、ミデン」

 

「フッ……ありがとう……」

 

ミデンは優しく笑いながらエールにそう言い残し、静かに消えていった。

 

「約束するよ……ミデン、これと同じくらい……ううん……もっともっとたくさんの思い出を一緒に作ろう……」

 

そして徐々に消えていくステンドグラスの島。

そこにいるみんなも元の場所へと戻り、ジオウの力によって現れたライダー達も、グランドジオウウォッチへと戻っていった。

 

 

 

それから、数日の時が経った。

この前の公園に、はな達は集まっていた。

 

「はい、はな」

 

「ありがとう」

 

あの後、さあやとツクヨミがミデンFmark2を修理していたのか、はなの手に綺麗になったカメラが置かれた。

 

「うわぁ!ピッカピカ」

 

「はぎゅ」

 

「フィルムも入れておいたから」

 

するとそこへ、えみるとことりが三人の前に歩み寄って来た。

 

「もうはな先輩、早く行かないと皆さん待ちくたびれてしまうのです」

 

「お姉ちゃん!早く!」

 

「そうだね」

 

はなが顔をあげるとそこには、はな達が来ていた公園に他のプリキュア達が集まっていた。

 

「パフェ!パフェ!」

 

「みんな!はい、チーズ!」

 

はながなぎさとカメラのレンズに写ると、カシャッっと写真を撮る。

 

「そうなんですよ」

 

ゆりと六花と話してるほのかを撮ったり。

つぼみとはるかが花を観てるところを撮ったり。

咲達がバドミントンをしてるところを撮ったり。

きららと美樹のモデルコンビと、うららと真琴のアイドルコンビが一緒になってるところを撮ったり。

アコと亜久里の小学生コンビが話ししてるところを撮ったり。

リコとのぞみとゆうことラブがバーベキューを楽しんでるところを撮ったり。

めぐみとみゆきが一緒になって撮ったりしていた。

 

「フフフ……あっ……」

 

「どう?思い出たくさん撮れた?」

 

「まだまだ!これからもっともっともーっと、パンクするくらい、たくさん撮りまくっちゃうもんね!ウフフ、君の未来は明るいぞ!」

 

そして最後はプリキュア全員と女性ライダーとしてツクヨミが加わり、集合写真を撮った。

その様子を離れた休憩所から、ゲイツ、ウォズ、ハリーに来てくれた、上城龍牙、沢田和也、柴崎幻冬の姿もあった。

 

 

そんな一方で、ソウゴは…

 

「晴夜、門矢士」

 

ソウゴの前に桐ヶ谷晴夜と門矢士がいた。

彼はあの戦いで生まれた『ハーモニクスジオウライドウォッチ』を見せる。

 

「あれ?」

 

するとハーモニクスジオウウォッチが光り出し、そのまま粒子の光が晴夜のボトルへ集まって光が消えると元のジオウウォッチⅡとなり、晴夜の持つロイヤルとシャドウのボトルの色が元に戻った。

 

「えっ?これって?」

 

「一度だけの力かもな……でも、みんなが今、最高の笑顔をなのは、お前のおかげだよ。ソウゴ」

 

晴夜がみんなで集合写真を撮るみんなを見て、そう呟く。

 

「うん。きっとミデンもだよ」

 

するとソウゴはそう言ってはな達の方を見る。

今はなが持つあのカメラには、まだミデンの心がある。

きっと彼も、色んな思い出が出来て嬉しい筈だ。

 

「ふん」

 

士はそのまま後ろを向いて歩いていく。

 

「士さん。ソウゴの事を……」

 

「まぁ、今回は……いいだろう」

 

「えっ?」

 

晴夜の問いかけに対して、いいだろうと、それだけを告げて士は去っていく。

 

「どういうことなの?」

 

「お前も、仮面ライダーとしての覚悟はあるようだって、意味だよ。多分」

 

「覚悟……」

 

「まぁ、あの人はマイペースだから……」

 

一緒にしばらくいた為に士の事が少し理解出来ている晴夜は、あれが門矢士のいつもの事だと言う。

 

「でも、忘れるなよ。みんなを守る。その覚悟だけは絶対に」

 

「うん」

 

みんなを守る覚悟。

それは、この世界を守る仮面ライダーの大事な事だ。それをソウゴは強く思うようにする。

でも、今は――

 

「ミデン。もっと一杯叶えよう。最高の思い出を!」

 

ミデンのカメラを見て、ソウゴは思い出を作ろうと語りかけたのだった。

 

(時見ソウゴ……お前は変えられるかもな。ジオウの運命を……)

 

そんなソウゴを見て心中でそう告げた士は、首にかけている二眼レフカメラのシャッターをソウゴに合わせてシャッターを切る。

 

 

 

「かくして、オールスターズの命運を促す今回の事件は、時見ソウゴとキュアエールによって守られた。

しかし、彼らにはまだ知らなかった。

後に起こる……全ての世界の運命を掛ける戦いがあるとは……」

 


次回!Re.HUGっとジオウ!

 

第63話 2019: ジオウ敗れる⁉︎最凶のライダー、マスタークライ!

 

 




おまけ

――とある王についての話をしよう。

今からはるか未来……世界を支配しようとする組織がいた。

――だがこの未来では、その組織は既に壊滅していた。

そして、それに立ち向かう者たちがいた。

――あの組織はもう無い、後は奴を倒すだけだ。
そう、心の中で叫びながら、希望を抱きながら、彼らは立ち向かって行った。

「「「ぐわぁぁぁぁーー!」」」

しかし、立ち向かおうとした者達は皆、次々に倒れていった。

――彼らは、身の程知らずだった。
今彼らの目の前にいる王には、猪突猛進に突っ込んでも勝てるわけがないのに、それでも彼らは立ち向かった。
無謀と勇気の意味を履き違えているかのように、唯々がむしゃらに立ち向かっていった。

「無駄だ。貴様らでは私を倒すことはできない」

そして、立ち向かっていった者達を倒した人物が、そこいた。
その姿は、肩に時計バンドの様な黄金のベルトをかけており。また、背中には時計の針二本がマントの様についていた。
顔は三つのクロノグラフがついたGショック時計風で、複眼には赤い字で『ライダー』と書かれている他、よく見ると黒い顔には小さい『王』の文字が無数に並んでいるのがわかる。

――嗚呼、なんて無意味なのだろう。
もう、お前達に未来など無いのに。
お前達が守ろうとした未来は、お前達の手で壊したと言うのに。

「オーマジオウ……」

その中で、その人物に立ち向かって行った人々の内の一人――明導ゲイツの目には、黄金に光り輝くドライバーが腰に装着されている姿が映っていた。

――だが何も知らない彼らは、私に怨念を込めた目で見据える。
だが、それに対して私は何も言わない。
何故なら、私は何も守る事が出来なかったのだから。
世界しか守れなかった、偽りの王なのだから。

それでも、私には平成ライダーの歴史を守っていく責任がある。
故に――

「私を倒すのは不可能だ」

私は彼らに向かって、自らを倒すことは不可能と宣言した。

例え、私が最低最悪の魔王でも、その道が最高最善であった事を信じながら戦う。
例え、全てを破壊してでも、この世界を守り続けなければならない。

「何故かわかるか?」

例え、皆から嫌われてでも、愛されて無くとも、
自身が王であった事を、否定してはいけない。
何故なら――

「――私は、『生まれながらの王』である。ふぅん!」

そして、自身が王である事を事を必死に自分に言い聞かせながら、最低最悪の魔王であることを否定しながら、己の中に宿る怒りの焔を激しく燃やしながら、彼らに向けて手から衝撃波が放たれた。
その瞬間、全ての時が完全に止まってしまった。

――それはつまり、()()()()が完全に尽きた事を意味した。

彼女は、皆の為に未来を守っていた。
しかしこの世界では、彼女はオーマジオウまで救おうとしていた。

だが皆は、それを認めなかった。

挙げ句の果てには、彼女は偽物だ、本物は何処だと言われる始末。
そして遂に彼女は、守ってきた者達から鉄の雨を受けてしまう事となってしまった。

あまりにも、あんまりである。
彼女は私と違い、真に最高最善の未来を作れたかも知れないのに、
彼らはあろう事か、その未来の希望をその手で潰してしまった。

そして、その原因を作ったのは、紛れもなく、私だった。

「……ぁぁぁぁぁぁああああアアアアアアアアアアアア!!」

私は叫び続けた、枯れ果ててしまった涙を出そうと叫び続けた。
しかし、多くの戦いによって人の痛みがわからなくなってしまった私は、涙を流すことなど出来なかった。

奴ら――クライアス社によって止められた時間を、再び動かす方法を失い、時が完全に止まってしまった今。とある少年少女達が過去に飛んで、若かりし日の私を倒そうとする未来は消えた。
若かりし日の自分が、仲間達の交流によって「オーマジオウとは違う未来」を選択する事も。
新しいオーマの力を手にし、仲間と共に戦い最高最善の未来を作っていく事も、叶わなくなった。




「…………久しぶりだな、この夢を見るのは…」

――それは、此処の時空(HUGっとジオウ!)では無いオーマジオウが織り成した、もう一つの王の物語(失われたアナザーワールド)

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